JPH06227117A - サリチル酸誘導体組成物、その金属塩、それらの製造方法およびそれを用いた顕色シート - Google Patents

サリチル酸誘導体組成物、その金属塩、それらの製造方法およびそれを用いた顕色シート

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JPH06227117A
JPH06227117A JP5016595A JP1659593A JPH06227117A JP H06227117 A JPH06227117 A JP H06227117A JP 5016595 A JP5016595 A JP 5016595A JP 1659593 A JP1659593 A JP 1659593A JP H06227117 A JPH06227117 A JP H06227117A
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Yoshimitsu Tanabe
良満 田辺
Kiyoharu Hasegawa
清春 長谷川
Kazuyoshi Yoshikawa
和良 吉川
Masakatsu Nakatsuka
正勝 中塚
Masaru Wada
勝 和田
Masayuki Furuya
政幸 古屋
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 サリチル酸エステル誘導体とα−メチルベン
ジルハライド誘導体とを硫酸の存在下で反応させる3,
5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸エステル誘導
体を60〜90重量%含有する組成物、さらにこの組成
物を加水分解した3,5−ジ(α−メチルベンジル)サ
リチル酸誘導体を60〜90重量%含有する組成物なら
びに該組成物の金属塩を顕色剤として用いた顕色シー
ト。 【効果】 3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル
酸誘導体を主成分とするサリチル酸組成物を安全に、か
つ容易に製造することができる。さらに該組成物の金属
塩を顕色剤として用いた顕色シートは、低温時の発色性
に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サリチル酸誘導体組成
物に関する。さらに詳しくは、記録材料用(例えば、感
圧複写紙用)の顕色剤として有用な3,5−ジ(α−メ
チルベンジル)サリチル酸誘導体組成物、その金属塩お
よび該金属塩を用いた顕色シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感圧複写紙用の顕色剤として、
(1)酸性白土、アタパルガイド等の無機固体酸類、
(2)置換フェノール類およびフェノール類、(3)p
−置換フェノール−ホルムアルデヒド共重合体、(4)
芳香族カルボン酸金属塩等が提案されている。しかし、
無機固体酸類を顕色剤として使用した場合は、保存時に
空気中のガス、水分を吸着して紙面の黄変や発色性能の
低下を生じるという問題点があり、また、置換フェノー
ル類を顕色剤として使用した場合には、発色性が不十分
で、発色画像の濃度が低いという欠点がある。また、p
−置換フェノール−ホルムアルデヒド共重合体であるp
−フェニルフェノールノボラック樹脂を顕色剤として使
用した場合は、無色の色素(カラーフォーマー)を溶解
させたカプセルオイルとの相溶性不足に基づく発色速度
の低下や、日光照射により、または保存中に塗工紙が黄
変したり、発色画像が著しく退色する等の問題点があ
る。また、芳香族カルボン酸金属塩を顕色剤として使用
すると、紙面の黄変性は少ないが、低温における発色性
や、発色画像が水で消失するなど発色画像の保存安定性
が不良であり、顕色シートとして充分な性能を有してい
るとは言いがたい。これらの欠点を改良するものとし
て、芳香族カルボン酸金属塩の中でも、サリチル酸金属
塩、特に、3,5−ジ置換サリチル酸誘導体の金属塩を
感圧複写紙用の顕色剤として使用することが提案されて
いる(例えば、特公昭51−25174号公報)。
【0003】3,5−ジ置換サリチル酸誘導体を製造す
る方法としては、対応する2,4−ジ置換フェノール誘
導体と二酸化炭素とより、いわゆるコルベ−シュミット
反応を利用して製造する方法が知られている。例えば、
3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸
は、フェノールとα−メチルスチレンとから製造される
2,4−ジ(α,α−ジメチルベンジル)フェノール
に、二酸化炭素を作用させ製造されている(特公昭49
−10856号公報)。しかし、この方法は、フェノー
ルから2段階で、3,5−ジ置換サリチル酸誘導体を製
造するという点、さらには収率が低いという問題点の他
に、カルボキシル基を導入する際、反応を高温高圧下で
行うため、特殊な高温高圧装置を必要とする等製造設備
上の難点がある。また、3,5−ジ置換サリチル酸誘導
体を感圧複写紙用の顕色剤として使用した場合、鮮明な
発色画像は得られるものの、その反面、特に低温下にお
いて、無色の色素(カラーフォーマー)を溶解させたカ
プセルオイルとの相溶性不足に基づく発色速度の遅れ
や、発色画像が水で消失する等耐水性が不良である。
【0004】これらの欠点を補うため、あるいは、製造
効率の問題点を改良する目的で、類似構造のサリチル酸
誘導体あるいは該誘導体を含有する組成物の製造方法が
幾つか提案されている。すなわち、サリチル酸に、脂肪
族カルボン酸の存在下、有機スルホン酸または無機酸を
触媒として、スチレン化合物を反応させてジ置換サリチ
ル酸を得る方法が提案されている(特開平2−9104
3号公報)。この方法では、酢酸、プロピオン酸等の脂
肪族カルボン酸とメタンスルホン酸等の有機スルホン酸
とを併用し、90〜130℃で反応を行い、かつ使用す
る酸の総量は、サリチル酸に対して50重量%以上であ
り、工業的に実施する場合、この多量の廃酸の処理が問
題となる。さらには、反応温度が比較的高温であり、工
業的に有利な方法とは言い難い。その上、メタンスルホ
ン酸を高温で使用した場合、メチルメタンスルホネート
が生成するおそれがある。このメチルメタンスルホネー
トは、強力な突然変異誘発性物質または発癌性物質とし
て知られている〔例えば、Environme-ntal Science Res
earch 24、743(1981)〕。従って、この方法
で製造されるサリチル酸組成物、該組成物の金属塩ある
いは該組成物の金属塩には、メチルメタンスルホネート
の混入のおそれがあり、それらの製造の際、あるいは、
これらを用いて感圧複写紙用の顕色シートを製造する
際、安全性において問題がある。
【0005】また、脂肪族スルホン酸の存在下で、サリ
チル酸に、例えば、スチレン、p−メチルスチレン等の
ビニル基含有環式化合物を100〜160℃と比較的高
い温度で反応させて、3,5−ジアラルキル置換サリチ
ル酸誘導体組成物を製造する方法が開示されている(特
開平3−222793号公報)。また、サリチル酸1モ
ルに、スチレン系単量体が、平均2.4〜3.4モル付
加した環置換サリチル酸の製造法として、例えば、サリ
チル酸に、メタンスルホン酸の存在下で、スチレンを1
50〜160℃で作用させて、3,5−ジ置換サリチル
酸組成物を製造する方法も開示されている(特開平4−
129789号公報)。いずれの方法も、触媒としてメ
タンスルホン酸を使用し、高い温度で反応を行っている
ため、前記のメチルメタンスルホネートが副生物として
生成する恐れがあり、やはり安全上の問題を抱えてい
る。
【0006】また、オキシ安息香酸エステルとオレフィ
ン類とをアルカンスルホン酸の存在下に反応させて、ア
ルキル化オキシ安息香酸エステルを製造する方法が開示
されている(特公昭61−26772号公報)。例え
ば、サリチル酸メチルに、メタンスルホン酸の存在下に
スチレンを反応させ、3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸メチルを得る方法が記載されている。し
かし、この方法ではスチレンを使用しているために、触
媒、サリチル酸エステルまたは/およびスチレンのモル
比、反応温度などの反応諸条件を変えても、副反応を抑
制することはできず、目的物の生成率は43%と低いも
のであった。この原因は、モノ置換体やトリ置換体の生
成に加え、スチレンの重合物などが多量に生成するため
である。この方法もまた、触媒としてメタンスルホン酸
を使用しているため、前記の方法と同様の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、有害
物質の副生の全くない3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸誘導体組成物、その金属塩を提供するこ
とであり、さらに、発色像の水に対する安定性、低温下
での発色性等が改良された顕色シートを提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、サリチル酸エステル
誘導体とα−メチルベンジルハライド誘導体を、硫酸の
存在下で反応させて、3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸エステル誘導体組成物を生成させ得るこ
と、その加水分解により得られる該サリチル酸誘導体組
成物の金属塩を顕色剤として用いると、優れた特性を有
する感圧複写紙用の顕色シートが得られることを見出
し、本発明を完成するに到った。すなわち、本発明は、
一般式(1)(化3)で表されるサリチル酸エステル誘
導体に、一般式(2)(化4)で表されるα−メチルベ
ンジルハライド誘導体を硫酸の存在下で反応させて製造
される3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸エ
ステル誘導体を60〜90重量%含有するサリチル酸エ
ステル誘導体組成物、この組成物を加水分解して製造さ
れる3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸誘導
体を60〜90重量%含有するサリチル酸誘導体組成物
およびそれらの製造方法に関するものである。
【0009】
【化3】 (式中、R1 はアルキル基、アラルキル基またはアリー
ル基を表す)
【0010】
【化4】 (式中、R2 およびR3 は水素原子またはアルキル基を
表し、Xはハロゲン原子を表す)また、得られたサリチ
ル酸誘導体組成物を金属塩と反応させて製造される3,
5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸の金属塩を6
0〜90重量%含有する3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸誘導体組成物の金属塩およびこの金属塩
を顕色剤として用いた顕色シートに関するものである。
【0011】本発明の一般式(1)で表されるサリチル
酸エステル誘導体において、R1 はアルキル基、アラル
キル基またはアリール基を表し、好ましくは、炭素数1
〜12の鎖状アルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキ
ル基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェニル基
である。サリチル酸エステル誘導体の具体例としては、
例えば、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチ
ル酸−n−プロピル、サリチル酸イソプロピル、サリチ
ル酸−n−ブチル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸
−tert−オクチル、サリチル酸ノニル、サリチル酸ドデ
シル、サリチル酸シクロヘキシル、サリチル酸ベンジ
ル、サリチル酸−α−メチルベンジル、サリチル酸フェ
ニル等を例示することができるが、これらに限定される
ものではない。特に好ましいのはサリチル酸メチルであ
る。
【0012】本発明の一般式(2)で表されるα−メチ
ルベンジルハライド誘導体において、Xはハロゲン原子
を表し、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子が
好ましく、より好ましくは塩素原子である。また、R2
およびR3 は水素原子またはアルキル基を表し、好まし
くは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、sec −プロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、n
−ヘキシル基、n−オクチル基、シクロヘキシル基等の
炭素数1〜8のアルキル基である。α−メチルベンジル
ハライド誘導体の具体例としては、α−メチルベンジル
クロライド、2−メチル−α−メチルベンジルクロライ
ド、3−メチル−αーメチルベンジルクロライド、4−
メチル−α−メチルベンジルクロライド、2−エチル−
α−メチルベンジルクロライド、4−エチル−α−メチ
ルベンジルクロライド、4−イソプロピル−α−メチル
ベンジルクロライド、4−n−ヘキシル−α−メチルベ
ンジルクロライド、4−シクロヘキシル−α−メチルベ
ンジルクロライド、2,3−ジメチル−α−メチルベン
ジルクロライド、2,4−ジメチル−α−メチルベンジ
ルクロライド、2,5−ジメチル−α−メチルベンジル
クロライド、3,4−ジメチル−α−メチルベンジルク
ロライド等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0013】本発明の製造方法において、一般式(2)
で表されるα−メチルベンジルハライド誘導体の使用量
は、一般式(1)で表されるサリチル酸エステル誘導体
1モルに対して、約1.5〜3モルが好ましい。α−メ
チルベンジルハライド誘導体の使用量が、1.5モルよ
り過度に少ない場合、あるいは3モルを過度に超えて使
用した場合、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチ
ル酸エステル誘導体組成物の生成率が低くなり好ましく
ない。また、本発明の製造方法において使用する硫酸の
濃度は、90重量%以上の濃度を有する硫酸が好まし
く、95重量%以上であることがより好ましい。90重
量%未満の濃度の硫酸を使用した場合、反応効率が低下
したり、反応完結までに長時間を要する等製造効率が低
下し好ましくない。硫酸の使用量は、一般式(1)で表
されるサリチル酸エステル誘導体に対して5重量%以上
あれば良く、好ましくは、8〜30重量%であり、特に
好ましくは、10〜25重量%である。硫酸の使用量が
サリチル酸エステル誘導体に対して5重量%未満であれ
ば、反応効率が低下したり、反応が完結するまでに長時
間を要する等製造効率が低下し好ましくない。
【0014】反応は、室温付近でも進行するが、通常、
反応温度は、約0〜50℃が好ましく、より好ましく
は、約5〜40℃である。反応温度が50℃を過度に越
えると、目的とする3,5−ジ(α−メチルベンジル)
サリチル酸エステル誘導体組成物の生成率が低くなり製
造効率が低下し好ましくない。また0℃より過度に低い
反応温度で実施した場合、反応完結までに長時間を要す
る等製造効率が低下し好ましくない。反応時間は、反応
温度により、若干異なるが、通常は、約1〜40時間で
好ましく実施され、より好ましくは約2〜20時間で実
施される。
【0015】本発明の反応に際しては、有機溶媒は使用
しなくともよいが、該反応を有機溶媒の存在下で実施す
ることは好ましいことである。この場合、好適に使用で
きる有機溶剤としては、反応に対し不活性な有機溶媒で
あればよく、例えば、1,2−ジクロロエタン、四塩化
炭素、1,1−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロ
ロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベン
ゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、
p−ジクロロベンゼン、o−クロロトルエン、m−クロ
ロトルエン、p−クロロトルエン、酢酸、プロピオン酸
等が挙げられ、これらは複数併用しても差し支えない。
これらの有機溶媒の使用量に関しては、特に制限される
ものではないが、経済性を考慮して、通常は、一般式
(1)で表されるサリチル酸エステル誘導体に対して、
30(容量/重量)倍以下が好ましい。
【0016】本発明の製造方法において、一般的な方法
は、一般式(1)で表されるサリチル酸エステル誘導
体、一般式(2)で表されるα−メチルベンジルハライ
ド誘導体および硫酸を、さらに所望に応じて、有機溶媒
を所定量一括して仕込み、そのまま所定の温度で反応さ
せるか、あるいは一般式(1)で表されるサリチル酸エ
ステル誘導体と硫酸、所望に応じて有機溶媒を装入後、
所定の温度下で、一般式(2)で表されるα−メチルベ
ンジルハライド誘導体を滴下しながら反応させる方法が
適用できる。反応の経過は、高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)等の分析手段により、サリチル酸エステ
ル誘導体または/およびα−メチルベンジルハライド誘
導体等の変化率をモニターすることにより決定すること
ができ、所望の反応率の段階で反応を中断することもで
きる。
【0017】本発明の方法で得られるサリチル酸エステ
ル誘導体組成物の組成は、主として3,5−ジ(α−メ
チルベンジル)サリチル酸エステル誘導体(以下、ジ置
換サリチル酸エステル誘導体と略記する)が60〜90
重量%、3または5−(α−メチルベンジル)サリチル
酸エステル誘導体(以下、モノ置換サリチル酸エステル
誘導体と略記する)が0〜40重量%、3,5−ジ(α
−メチルベンジル)サリチル酸エステル誘導体にさらに
α−メチルベンジル誘導体が反応したサリチル酸エステ
ル誘導体(以下、トリ置換サリチル酸エステル誘導体と
略記する)が0〜40重量%である。通常、これらの3
成分で全体の90重量%以上を構成し、残余はサリチル
酸エステル誘導体およびサリチル酸エステル誘導体とα
−メチルベンジルハライド誘導体が複雑に反応したオリ
ゴマー等である。本発明のサリチル酸エステル誘導体組
成物から、例えば、蒸留やカラムクロマトグラフィー等
の分離精製方法により、高純度(99重量%以上)の
3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸エステル
誘導体を得ることができることは勿論である。
【0018】本発明の3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸エステル誘導体組成物の加水分解は、酸
またはアルカリ水溶液を用い、公知の方法により実施す
ることができ、好ましくはアルカリ水溶液を用いて実施
する。酸による加水分解方法では、酸として、例えば、
塩酸、硫酸などの鉱酸類、硫酸と酢酸の混合物などを使
用し、通常、水媒体中で実施することができる。アルカ
リ水溶液による加水分解方法では、アルカリ水溶液とし
て、苛性ソーダ水溶液または苛性カリ水溶液を使用する
方法が一般的である。酸またはアルカリと水の割合は、
任意の割合で選択できるが、通常、重量比で、1:10
0〜100:1、好ましくは1:50〜50:1の範囲
である。加水分解反応に用いる酸またはアルカリの使用
量は、特に制限されるものではないが、通常、3,5−
ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸エステル誘導体組
成物に対して、酸の場合、使用する酸の強度により若干
異なるが、0.05〜30倍モルの範囲で行なわれ、ア
ルカリの場合は、通常、1〜30倍モルの範囲で使用す
ることが好ましい。
【0019】加水分解反応の反応温度は、通常、20〜
200℃の範囲であり、好ましくは50〜150℃の範
囲である。また、反応時間は、反応温度により異なる
が、通常は、1〜50時間の範囲で実施される。この
際、反応時間を短縮する目的で、四級アンモニウム塩、
四級ホスホニウム塩、クラウンエーテル、クリプテー
ト、ポリエチレングリコール類等の相間移動触媒を反応
促進剤として加えてもよい。また、加水分解反応では、
有機溶媒を使用してもよく、このような有機溶媒として
は、例えば、N−メチルホルアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホ
ラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−
メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、メ
タノール、イソプロパノール、エチレングリコール、2
−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のア
ルコール類を例示することができる。さらに、トルエ
ン、キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタ
ン、1,1,2−トリクロロエタン等の水と混和しない
溶媒も使用できる。有機溶媒の使用量は、3,5−ジ
(α−メチルベンジル)サリチル酸エステル誘導体組成
物に対し0.5〜10(容量/重量)倍あれば充分であ
る。
【0020】加水分解して得られるサリチル酸誘導体組
成物の組成は、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリ
チル酸誘導体が60〜90重量%(以下、ジ置換サリチ
ル酸誘導体と略記する)であり、3または5−(α−メ
チルベンジル)サリチル酸誘導体(以下、モノ置換サリ
チル酸誘導体と略記する)が0〜40重量%、3,5−
ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸誘導体にさらにα
−メチルベンジルハライド誘導体が反応したサリチル酸
誘導体(以下、トリ置換サリチル酸誘導体と略記する)
が0〜40重量%であり、これら3成分で全体の90重
量%以上を構成し、残余はサリチル酸、サリチル酸とα
−メチルベンジルハライド誘導体の縮合物(オリゴマ
ー)等である。通常、加水分解反応は、ほぼ定量的に行
われ、加水分解生成物中の各成分の割合は、加水分解前
のエステル誘導体中の各成分の割合とほぼ同じである。
勿論、この加水分解により得られた組成物から、3,5
−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸誘導体を、例え
ば、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の公知の方法
により単離することも可能である。加水分解反応終了
後、反応液から反応生成物を得るには、反応液を中和
後、結晶が析出している場合は結晶として単離する。も
し溶媒を使用し加水分解生成物が溶解状態にある場合は
溶媒を留去するか、あるいはそのまま反応混合物を水中
に排出し、結晶として取り出すことも可能である。さら
には、加水分解終了後、直ちに金属塩と反応させ、該サ
リチル酸誘導体組成物の金属塩を製造することもでき
る。
【0021】本発明の3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸誘導体を主成分とする組成物を製造する
方法は、従来から知られているフェノール類からコルベ
−シュミット反応により製造する方法に比べ、特殊な反
応装置を必要とせず、簡便な反応装置で実施できる。ま
た、サリチル酸あるいはサリチル酸エステル誘導体とス
チレン類から製造する方法に比べ、高い選択性を有し、
3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸エステル
誘導体を60〜90重量%含有する組成物、および3,
5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸誘導体を60
〜90重量%含有する組成物を製造することができる。
更にまた、前記加水分解前の反応生成物から分離精製し
た3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸エステ
ルを加水分解することにより高純度(99重量%以上)
の3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸誘導体
を得ることもできる。さらに、重要なことは、メタンス
ルホン酸のように突然変異誘発物質または発癌性物質の
生成能力を潜在的に有する危険な薬剤を使用せず、安全
に、且つ簡便に、目的とする3,5−ジ(α−メチルベ
ンジル)サリチル酸エステル誘導体組成物および3,5
−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸誘導体組成物を
製造できることが本発明の大きな特徴である。
【0022】次に、本発明の3,5−ジ(α−メチルベ
ンジル)サリチル酸誘導体を主成分とするサリチル酸誘
導体組成物の金属塩について述べる。本発明のサリチル
酸誘導体組成物の金属塩は、ナトリウム、カリウム、リ
チウムなどの1価の金属塩および2価乃至4価の金属塩
を包含するものであり、それぞれ次のように製造するこ
とができる。すなわち、本発明のサリチル酸誘導体組成
物の金属塩において、ナトリウム、カリウム、リチウム
などの1価の金属塩は、通常、サリチル酸誘導体組成物
に、サリチル酸誘導体組成物中のカルボキシル基に対し
て、当量以上の水酸化アルカリ金属化合物、炭酸アルカ
リ金属化合物、炭酸水素アルカリ金属化合物(例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム)
を水溶液中で作用させ製造することができる。また、本
発明のサリチル酸誘導体組成物の金属塩において、2
価、3価および4価の金属塩は、通常、上述したサリチ
ル酸誘導体組成物のアルカリ金属塩の水溶液と、水可溶
性の対応する2価、3価または4価の金属化合物の水溶
液とから、複分解法により、水難溶性または水不溶性の
サリチル酸誘導体組成物の金属塩として製造される。
尚、この際、加熱を行ったり、または有機溶媒を共存さ
せても良い。
【0023】水可溶性の2価、3価または4価の金属化
合物としては、例えば、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、
硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、塩化亜
鉛、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウ
ム、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化アルミニウム等
の塩化物、酢酸亜鉛、酢酸マンガン等の酢酸塩が挙げら
れる。感圧複写紙用の顕色剤として用いる場合、特に単
独で用いる場合には、水難溶性または水不溶性の2価ま
たは3価のサリチル酸誘導体組成物の多価金属塩が好ま
しく、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ニ
ッケル、マンガン、コバルト、アルミニウムの塩が好ま
しく、特に亜鉛塩が好ましい。また、ナトリウム、カリ
ウム等の1価の金属塩も、上記2価または3価の金属塩
と併用することにより、感圧複写紙用の顕色剤として好
適に使用することができる。
【0024】本発明のサリチル酸誘導体組成物の金属塩
は、感圧複写紙用の顕色剤として優れた特性を有するも
のである。該金属塩を顕色剤として用いるには、例え
ば、サンドグラインディングミルのような装置を用い、
通常、水性媒体中で、粉砕し、適当な粒径にして用い
る。この際、各種の公知の粉砕時の処方、技術(例え
ば、消泡剤、界面活性剤、分散剤、バインダーなどの添
加)がさらに付与できることは言うまでもない。実際に
使用するには、さらに該顕色剤を溶剤に懸濁させるか、
溶解させて所望の形態にして用いればよく、公知の各種
顕色剤との併用、例えば、活性白土のような無機固体
酸、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂のような有機重
合体または他の芳香族カルボン酸金属塩等との併用も可
能であり、更に亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、
鉛、チタン、カルシウム、コバルト、ニッケル、マンガ
ンおよびバリウムからなる群から選ばれた多価金属の酸
化物、水酸化物または炭酸塩の少なくとも1種とを併用
してもよい。
【0025】本発明のサリチル酸組成物の金属塩を顕色
剤として感圧複写紙用顕色シートを作製する方法として
は、(1)該金属塩の水性懸濁液を用いて水性塗料を調
製して紙等の支持体に塗工する方法、(2)抄紙時に該
金属塩を漉き込む方法、(3)該金属塩を有機溶媒に溶
解または懸濁したものを用いて塗料を調製し支持体に塗
工する方法等のいずれの方法も使用できる。塗工によ
り、紙等の支持体に顕色剤層を形成するには、顕色剤
は、適当な粘度、塗工適性を有していることが望まし
く、前記(1)、(3)のような水性懸濁液としたり、
溶媒に溶解または懸濁させた後、さらにカオリン粘土
類、炭酸カルシウム、澱粉、合成または天然ラテックス
等を配合して適当な粘度、塗工適性に調製し塗料として
用いる。該塗料において顕色剤成分が占める割合は全固
形分中の10〜70%が望ましく、顕色剤の成分の割合
が10%未満では十分な発色性を発揮しえず、また70
%を超えると顕色シートの紙面特性が低下する。塗料の
塗布量は乾燥重量で0.5g/m2 以上、好ましくは1
〜10g/m2 である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 サリチル酸メチル152g(1.0モル)と98%硫酸
19g(サリチル酸メチルに対し12.5重量%)の混
合物に、α−クロロエチルベンゼン281g(0.2モ
ル)を15℃で4時間かけて滴下した。滴下終了後、同
温度で6時間攪拌した。水565gを加え、20%苛性
ソーダで中和した後、トルエン1500mlを加え、次
いで60〜70℃で0.5時間攪拌を行った。水層を分
離して除き、有機層より溶媒を留去して3,5−ジ(α
−メチルベンジル)サリチル酸メチルエステル組成物3
53gを得た。得られたサリチル酸メチルエステル組成
物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分
析結果は、サリチル酸メチル1%、モノ置換サリチル酸
メチル8%、ジ置換サリチル酸メチル78%、トリ置換
サリチル酸メチル12%、その他2%であった。得られ
た3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸メチル
エステル組成物のIRを(図1)に示した。
【0027】実施例2 実施例1で得られた3,5−ジ(α−メチルベンジル)
サリチル酸メチルエステル組成物180gを1000m
lのガラス製反応器に装入し、水283gを加え、98
〜102℃に昇温後、49%苛性ソーダ42g(NaO
H、0.51モル)を同温度で1時間かけて滴下し、さ
らに同温度で2時間攪拌した。50〜60℃に冷却し、
10%硫酸水溶液で中和した後、トルエン510mlを
加え、同温度で0.5時間攪拌を行った。水層を分離し
て除き、有機層より溶媒を留去して3,5−ジ(α−メ
チルベンジル)サリチル酸組成物170gを得た。この
得られた3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸
組成物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によ
る分析結果は、サリチル酸1%、モノ置換サリチル酸8
%、ジ置換サリチル酸78%、トリ置換サリチル酸12
%、その他2%であった。得られた3,5−ジ(α−メ
チルベンジル)サリチル酸組成物のIRを(図2)に示
した。
【0028】実施例3 実施例2で得られた3,5−ジ(α−メチルベンジル)
サリチル酸組成物85gに、2%苛性ソーダ500g
(NaOH、0.25モル)を加え、60〜70℃に昇
温し溶解させた。その後、20〜30℃に冷却し、43
%硫酸亜鉛水溶液90gを1時間かけて滴下し、2時間
熟成後、濾過、水洗、乾燥して3,5−ジ(α−メチル
ベンジル)サリチル酸組成物の亜鉛塩93gを得た。融
点112〜152℃ 実施例4 サリチル酸メチル152g(1.0モル)と96.5%
硫酸28.4g(サリチル酸メチルに対して18.7重
量%)および1,2−ジクロロエタン68gの混合物
に、α−クロロエチルベンゼン281g(0.2モル)
を20℃で4時間かけて滴下した。滴下終了後 同温度
で2時間攪拌した。水565gを装入し、49%苛性ソ
ーダにより中和した後、さらに49%苛性ソーダ83.
3g(NaOH、1.02モル)を100〜102℃で
1時間かけて滴下し、次いで同温度で2時間攪拌し、加
水分解を行った。加水分解生成物の高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)による分析結果は、サリチル酸1
%、モノ置換サリチル酸10%、ジ置換サリチル酸75
%、トリ置換サリチル酸12%、その他2%であった。
その後、水1200gを加えて希釈し、30%硫酸によ
りpH9.2に調節し、20〜30℃で43%硫酸亜鉛
水溶液360gを1時間かけて滴下し、2時間熟成後、
濾過、水洗、乾燥して3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸組成物の亜鉛塩375gを得た。融点1
08〜152℃ 実施例5 サリチル酸メチル152g(1.0モル)と95%硫酸
28.8g(サリチル酸メチルに対して18.9重量
%)および1,2−ジクロロエタン68gの混合物に、
α−クロロエチルベンゼン281g(0.2モル)を2
0℃で4時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で3
時間攪拌した。水565gを加え、49%苛性ソーダに
より中和した後、49%苛性ソーダ83.3g(NaO
H、1.02モル)を100〜102℃で1時間かけて
滴下し、次いで同温度で2時間攪拌した。加水分解生成
物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分
析結果は、サリチル酸2%、モノ置換サリチル酸12
%、ジ置換サリチル酸70%、トリ置換サリチル酸15
%、その他1%であった。その後、水1200gを加え
て希釈し、30%硫酸によりpH9.2に調節し、20
〜30℃で43%硫酸亜鉛水溶液360gを1時間かけ
て滴下し、2時間熟成後、濾過、水洗、乾燥して3,5
−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸組成物の亜鉛塩
375gを得た。融点102〜150℃ 実施例6〜8 実施例3、4、5で得られた組成物の金属塩を、それぞ
れ顕色剤として用いた感圧複写紙用顕色シートを、下記
の方法で作製し、下記の評価方法で評価した。性能評価
結果は一括して第1表(表1)、第2表(表2)に示し
た。
【0029】比較例 下記の方法で製造したp−フェニルフェノールホルムア
ルデヒド共重合体を顕色剤として使用し、感圧複写紙用
顕色シートを作製し、性能評価し、結果を第1表、第2
表に示した。p−フェニルフェノール170g、80%
パラホルムアルデヒド22.5g、p−トルエンスルホ
ン酸2.0gおよびベンゼン200gをガラス製反応器
に装入し、攪拌させながら加熱し、反応により副生する
水をベンゼンと共沸させて系外に留去させながら70〜
80℃で2時間攪拌した。反応後、10%苛性ソーダ水
溶液320gを加え、水蒸気蒸留によりベンゼンを留去
した。次に冷却して希硫酸を滴下し、析出したp−フェ
ニルフェノールホルムアルデヒド共重合体を濾過、水
洗、乾燥して白色粉末176gを得た。
【0030】感圧複写紙用顕色シートの作製方法 下記組成のものを、サンドグラインディングミルで分散
させて懸濁液を調製した。 顕色剤 6重量部 ポリビニールアルコール(クラレ#117)10%水溶液 3重量部 水 22.5重量部 次に、この懸濁液を用いて下記組成の塗料を調製した。 懸濁液 10重量部 軽質炭酸カルシウム 10重量部 澱粉 0.8重量部 合成ゴムラテックス 0.8重量部 水 32.5重量部 この塗料を上質紙に乾燥時の塗布量が5.0〜5.5g
/m2 となるように塗布して乾燥し、顕色シート(下用
紙)を作製する。
【0031】感圧複写紙用顕色シートの評価方法 (1)発色速度および発色濃度の測定(5℃、60%R
Hおよび20℃、65%RHの恒温恒湿室内で実施し
た) クリスタルバイオレットラクトン(CVL)を主な感圧
色素成分とする市販の青発色用上用紙(十条製紙製NW
−40T)を用い、前記の方法で得られた感圧複写紙用
顕色シート(下用紙)との両塗布面を対向させて重ね合
わせ、電子タイプライターで打圧発色させる。打刻後、
1分30秒後および24時間後の発色濃度をそれぞれ測
定し、Y値で表示する。Y値が低いほど発色濃度が高い
ことを示している。 (2)発色画像の耐水性 上記(1)の方法で発色させた顕色シートを、20℃の
水中に2時間浸漬し、発色像の濃度をΣ−80色差計を
用いて測定しY値で表示する。Y値が低く、かつ試験前
の値との差が小さいほど発色画像の耐水性が良好である
ことを意味する。 (3)顕色シートの黄変性 光による黄変性 顕色シートをカーボンアークフェドメーター(スガイ試
験機製)に、4時間照射し、照射後Σ−80色素計を用
いて反射率を測定し、WB値で表示する。WB値が大き
く、かつ未処理シートのWB値との差が小さいほど、光
照射による黄変性が少ないことを意味する。 NOX による黄変 JIS L−1055〔染色物および染料の酸化窒素ガ
ス堅牢度試験〕に基づき、顕色シートをNaNO2 (亜
硫酸ナトリウム)とH3 PO4 (リン酸)との反応によ
り発生するNOx ガス雰囲気の密閉容器中に1時間保存
する。保存終了後、1時間目にΣ−80色素計を用いて
反射率を測定し、WB値で表示する。WB値が大きく、
かつ未処理シートのWB値との差が小さいほど、NOX
ガス雰囲気下での黄変性がすくないことを意味する。
【0032】
【表1】 第1表の結果より、本発明のサリチル酸誘導体組成物の
亜鉛塩を顕色シートとする感圧複写紙は、低温時の発色
性に優れており、また発色画像の保存安定性(耐水性)
に優れていることが判明した。
【0033】
【表2】 第2表の結果より、本発明のサリチル酸誘導体組成物の
亜鉛塩を顕色シートとする感圧複写紙は、耐光性、耐N
X 性に優れていることが判る。
【0034】
【発明の効果】本発明は、安全性を考慮し、かつ容易に
3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸誘導体組
成物を製造する方法を提供する。さらに、3,5−ジ
(α−メチルベンジル)サリチル酸誘導体を主成分とす
る本発明のサリチル酸誘導体組成物の金属塩を用いた顕
色シートは、低温時の発色性に優れるため、従来から問
題となっていた寒冷地での使用にも好適である。また、
発色画像が水に対して消失するという問題点も飛躍的に
改良されるため、従来使用が制限されていた分野におい
ても好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた3,5−ジ(α−メチル
ベンジル)サリチル酸メチルエステル組成物のIR図で
ある。
【図2】 実施例2で得られた3,5−ジ(α−メチル
ベンジル)サリチル酸組成物のIR図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中塚 正勝 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 和田 勝 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 古屋 政幸 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1)で表されるサリチ
    ル酸エステル誘導体 【化1】 (式中、R1 はアルキル基、アラルキル基またはアリー
    ル基を表す)に、一般式(2)(化2)で表されるα−
    メチルベンジルハライド誘導体を 【化2】 (式中、R2 およびR3 は水素原子またはアルキル基を
    表し、Xはハロゲン原子を表す)硫酸の存在下で反応さ
    せる、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸エ
    ステル誘導体を60〜90重量%含有するサリチル酸エ
    ステル誘導体組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により得られるサリ
    チル酸エステル誘導体組成物を加水分解する、3,5−
    ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸誘導体を60〜9
    0重量%含有するサリチル酸誘導体組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法で製造される3,5
    −ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸エステル誘導体
    を60〜90重量%含有するサリチル酸エステル誘導体
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の方法で得られる3,5−
    ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸誘導体を60〜9
    0重量%含有するサリチル酸誘導体組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のサリチル酸誘導体組成物
    を金属塩と反応させて製造される3,5−ジ(α−メチ
    ルベンジル)サリチル酸の金属塩を60〜90重量%含
    有する3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸誘
    導体組成物の金属塩。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の金属塩を顕色剤として用
    いた顕色シート。
JP5016595A 1993-02-03 1993-02-03 サリチル酸誘導体組成物、その金属塩、それらの製造方法およびそれを用いた顕色シート Pending JPH06227117A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005040242A1 (fr) 2003-10-29 2005-05-06 Zonglai Liu Composition de resine a developpant de couleur, emulsion et processus de preparation de celle-ci

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005040242A1 (fr) 2003-10-29 2005-05-06 Zonglai Liu Composition de resine a developpant de couleur, emulsion et processus de preparation de celle-ci

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