JPH06215619A - Crt用リード線 - Google Patents
Crt用リード線Info
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- JPH06215619A JPH06215619A JP2470893A JP2470893A JPH06215619A JP H06215619 A JPH06215619 A JP H06215619A JP 2470893 A JP2470893 A JP 2470893A JP 2470893 A JP2470893 A JP 2470893A JP H06215619 A JPH06215619 A JP H06215619A
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- JP
- Japan
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- weight
- wire
- glass
- lead
- crt
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- Conductive Materials (AREA)
- Non-Insulated Conductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 CRTのステムに導入線を封止する際、ガラ
ス中に均一な気泡を形成でき、しかも都市ガスの加熱に
対して均一に酸化して緻密な酸化膜を形成するアウター
リード及びインナーリードを提供する。 【構成】 C,Si,Mn,Cu,Fe,Cr,Mg,
Al,Ti,P,Sを含むNi線であって、そのうちC
u+Fe+Cr+Mg+Al+Ti+P+Sが0.08
〜0.6重量%、Cが0.02〜0.08重量%、Si
が0.05〜0.20重量%、Mnが0.10〜0.3
0重量%とする。Ni合金中の微量成分をコントロール
することで、都市ガスの加熱による脆化を防止して、ガ
ラス中に均一な気泡を生じさせることができる。
ス中に均一な気泡を形成でき、しかも都市ガスの加熱に
対して均一に酸化して緻密な酸化膜を形成するアウター
リード及びインナーリードを提供する。 【構成】 C,Si,Mn,Cu,Fe,Cr,Mg,
Al,Ti,P,Sを含むNi線であって、そのうちC
u+Fe+Cr+Mg+Al+Ti+P+Sが0.08
〜0.6重量%、Cが0.02〜0.08重量%、Si
が0.05〜0.20重量%、Mnが0.10〜0.3
0重量%とする。Ni合金中の微量成分をコントロール
することで、都市ガスの加熱による脆化を防止して、ガ
ラス中に均一な気泡を生じさせることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビブラウン管等の
CRT(Cathorde Ray Tube )の端末部等に用いられる
リード線に関するものである。
CRT(Cathorde Ray Tube )の端末部等に用いられる
リード線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子管の電極接続材料は真空中で動作し
ている電極の作用を大気中に電気的に引き出す重要な役
割をするもので、例えば、図2に示すように、CRTの
ステム4にはガラス容器の気密を保持して通過する導入
線が用いられている。導入線は、一般にガラスとの気密
封止を行うジュメット線2を中央にして、CRT内部に
位置するインナーリード1と同外部に位置するアウター
リード3が溶接されたもので、これらリード線はNiや
Ni合金で構成されている。
ている電極の作用を大気中に電気的に引き出す重要な役
割をするもので、例えば、図2に示すように、CRTの
ステム4にはガラス容器の気密を保持して通過する導入
線が用いられている。導入線は、一般にガラスとの気密
封止を行うジュメット線2を中央にして、CRT内部に
位置するインナーリード1と同外部に位置するアウター
リード3が溶接されたもので、これらリード線はNiや
Ni合金で構成されている。
【0003】このようなリード線に要求される特性とし
て次のようなものが挙げられる。 ジュメット線と溶接し易いこと。 ガラス封止をする際、図3に示すように、ジュメット
線との接合部付近のガラス中に外圧のクッションとなる
気泡9が形成されること。 CRT製造中や移動中に都市ガス(メタンガス等)な
どによる脆化が起こらないこと。
て次のようなものが挙げられる。 ジュメット線と溶接し易いこと。 ガラス封止をする際、図3に示すように、ジュメット
線との接合部付近のガラス中に外圧のクッションとなる
気泡9が形成されること。 CRT製造中や移動中に都市ガス(メタンガス等)な
どによる脆化が起こらないこと。
【0004】従来、リード線には、表5に示す成分のN
i或はNi合金が一般に使用されており、上記の要求特
性をほぼ満足しているものの、近年、特に大型カラーテ
レビの普及に伴い、次のような問題がクローズアップさ
れてきた。
i或はNi合金が一般に使用されており、上記の要求特
性をほぼ満足しているものの、近年、特に大型カラーテ
レビの普及に伴い、次のような問題がクローズアップさ
れてきた。
【0005】
【表5】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 アウターリードが外圧を受けても十分なクッションと
なるように気泡が均一に分布すること。特に、カラー用
CRTはピン数が多いため小さい気泡が均一に分散する
ことが要求され、白黒用は大きい気泡が均一に分散する
ことが要求される。従来は単にガラス中にクッションと
なる気泡があるだけでよかったが、特にカラー用CRT
への対応が十分とはいえなくなってきたからである。 前記ガラス封止やCRT移動中に高温にさらされるた
め、インナーリードは均一に酸化膜を形成すること。従
来、成分の不均一などにより酸化膜が部分的に厚く形成
され、CRTの移動中に剥離してCRT前部に飛散し、
画面のちらつきなどの原因となったからである。
なるように気泡が均一に分布すること。特に、カラー用
CRTはピン数が多いため小さい気泡が均一に分散する
ことが要求され、白黒用は大きい気泡が均一に分散する
ことが要求される。従来は単にガラス中にクッションと
なる気泡があるだけでよかったが、特にカラー用CRT
への対応が十分とはいえなくなってきたからである。 前記ガラス封止やCRT移動中に高温にさらされるた
め、インナーリードは均一に酸化膜を形成すること。従
来、成分の不均一などにより酸化膜が部分的に厚く形成
され、CRTの移動中に剥離してCRT前部に飛散し、
画面のちらつきなどの原因となったからである。
【0007】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、CRTのステムに封止
する際、ガラス中に均一な気泡を形成でき、しかも都市
ガスの加熱に対して均一に酸化して緻密な酸化膜を形成
するアウターリード及びインナーリードを提供すること
にある。
れたものであって、その目的は、CRTのステムに封止
する際、ガラス中に均一な気泡を形成でき、しかも都市
ガスの加熱に対して均一に酸化して緻密な酸化膜を形成
するアウターリード及びインナーリードを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々の検討
を行った結果、Ni又はNi合金中の微量成分或はガス
含有量のコントロールで上記の目的を達成できるとの知
見を得た。その特徴は、C,Si,Mn,Cu,Fe,
Cr,Mg,Al,Ti,P,Sを含むNi線であっ
て、そのうちCu+Fe+Cr+Mg+Al+Ti+P
+Sを0.08〜0.6重量%、Cを0.02〜0.0
8重量%、Siを0.05〜0.20重量%、Mnを
0.10〜0.30重量%としたことにある。このリー
ド線は、特にカラー用CRTに適している。
を行った結果、Ni又はNi合金中の微量成分或はガス
含有量のコントロールで上記の目的を達成できるとの知
見を得た。その特徴は、C,Si,Mn,Cu,Fe,
Cr,Mg,Al,Ti,P,Sを含むNi線であっ
て、そのうちCu+Fe+Cr+Mg+Al+Ti+P
+Sを0.08〜0.6重量%、Cを0.02〜0.0
8重量%、Siを0.05〜0.20重量%、Mnを
0.10〜0.30重量%としたことにある。このリー
ド線は、特にカラー用CRTに適している。
【0009】又、白黒用CRTに適したリード線とし
て、C,Si,Mn,Cu,Fe,Cr,Mg,Al,
Ti,P,Sを含むNi線であって、Cu+Fe+Cr
+Mg+Al+Ti+P+Sが0.08〜0.6重量%
で、Cが0.08〜0.15重量%、Siが0.05〜
0.20重量%、Mnが0.10〜0.30重量%であ
ることを特徴とする。
て、C,Si,Mn,Cu,Fe,Cr,Mg,Al,
Ti,P,Sを含むNi線であって、Cu+Fe+Cr
+Mg+Al+Ti+P+Sが0.08〜0.6重量%
で、Cが0.08〜0.15重量%、Siが0.05〜
0.20重量%、Mnが0.10〜0.30重量%であ
ることを特徴とする。
【0010】上記の各リード線において、Cu:0.0
01〜0.10、Fe:0.01〜0.20、Cr:
0.01〜0.10、Mg:0.005〜0.05、A
l:0.005〜0.05、Ti:0.01〜0.0
5、P:0.01以下、S:0.01以下(全て重量
%)とすることが好ましい。
01〜0.10、Fe:0.01〜0.20、Cr:
0.01〜0.10、Mg:0.005〜0.05、A
l:0.005〜0.05、Ti:0.01〜0.0
5、P:0.01以下、S:0.01以下(全て重量
%)とすることが好ましい。
【0011】さらに、特にインナーリードに適するもの
としては、C,Si,Mn,Cu,Fe,Cr,Mg,
Al,Ti,P,Sを含むNi線であって、Cu+Fe
+Cr+Mg+Al+Ti+P+Sが0.08〜0.6
重量%で、Cが0.01〜0.15重量%、Siが0.
05〜0.20重量%、Mnが1.5〜3.5重量%で
あることを特徴とする。
としては、C,Si,Mn,Cu,Fe,Cr,Mg,
Al,Ti,P,Sを含むNi線であって、Cu+Fe
+Cr+Mg+Al+Ti+P+Sが0.08〜0.6
重量%で、Cが0.01〜0.15重量%、Siが0.
05〜0.20重量%、Mnが1.5〜3.5重量%で
あることを特徴とする。
【0012】ここで、Cu:0.001〜0.10、F
e:0.01〜0.20、Cr:0.01〜0.10、
Mg:0.005〜0.05、Al:0.005〜0.
01、Ti:0.01〜0.05、P:0.01以下、
S:0.01以下(全て重量%)とすることが好まし
い。
e:0.01〜0.20、Cr:0.01〜0.10、
Mg:0.005〜0.05、Al:0.005〜0.
01、Ti:0.01〜0.05、P:0.01以下、
S:0.01以下(全て重量%)とすることが好まし
い。
【0013】又、以上に述べた各リード線においては、
酸素:15PPM以下、窒素:15PPM以下、水素:
10PPM以下であることが好ましい。
酸素:15PPM以下、窒素:15PPM以下、水素:
10PPM以下であることが好ましい。
【0014】
【作用】 (1)アウターリード用Ni線 CRTには白黒用とカラー用があるが、ステムにおける
ガラス中の発泡について、白黒用は大きな発泡が、カラ
ー用には小さな発泡が望ましい。先ず、カラー用の場
合、Cの含有量を0.02〜0.08重量%とすると、
発泡性に一番効果があることが知られていたが、この発
泡を均一にするには微量元素を一定の範囲内でコントロ
ールすることが重要で、上記の限定はこのような観点か
らなされた。
ガラス中の発泡について、白黒用は大きな発泡が、カラ
ー用には小さな発泡が望ましい。先ず、カラー用の場
合、Cの含有量を0.02〜0.08重量%とすると、
発泡性に一番効果があることが知られていたが、この発
泡を均一にするには微量元素を一定の範囲内でコントロ
ールすることが重要で、上記の限定はこのような観点か
らなされた。
【0015】ここで、微量元素のうち、Cu,Fe,C
r,Mg,Al,Tiはガラス中の発泡を安定にし、又
酸化膜を緻密にすることに寄与する。そのうち、Mg、
Al、Tiは酸素及び窒素を安定化する上で重要で、M
g及びAlは0.005〜0.05重量%、Tiは0.
01〜0.05重量%とすることが肝要である。この範
囲を下回ると酸素及び窒素を安定化する効果が不十分
で、逆に上回ると硬度が高くなって加工性が低くなった
り、かえって酸化膜が厚くなったりする。
r,Mg,Al,Tiはガラス中の発泡を安定にし、又
酸化膜を緻密にすることに寄与する。そのうち、Mg、
Al、Tiは酸素及び窒素を安定化する上で重要で、M
g及びAlは0.005〜0.05重量%、Tiは0.
01〜0.05重量%とすることが肝要である。この範
囲を下回ると酸素及び窒素を安定化する効果が不十分
で、逆に上回ると硬度が高くなって加工性が低くなった
り、かえって酸化膜が厚くなったりする。
【0016】又、Si、Mnは耐熱性や都市ガスによる
脆化防止に重要で、前記限定を下回るとこのような効果
が不十分となり、逆に上回ると硬度が高くなり、曲げに
対してガラス割れが起こったりする。
脆化防止に重要で、前記限定を下回るとこのような効果
が不十分となり、逆に上回ると硬度が高くなり、曲げに
対してガラス割れが起こったりする。
【0017】そして、Cu,Fe,Cr,Mg,Al,
Tiに加えてP及びSの合計量が0.08〜0.6重量
%であればよい。0.6%を越え、特に1.0%を越え
ると硬度と酸化膜の問題が発生してくる。
Tiに加えてP及びSの合計量が0.08〜0.6重量
%であればよい。0.6%を越え、特に1.0%を越え
ると硬度と酸化膜の問題が発生してくる。
【0018】次に、白黒用の場合は、Cの含有量を0.
08〜0.15重量%とすることが重要である。その他
の微量元素は前記カラー用の場合と同様に制御する。
0.15%を越え、特に0.18%を越えると硬度が高
くなって、曲げに対してガラス割れが発生することがあ
る。
08〜0.15重量%とすることが重要である。その他
の微量元素は前記カラー用の場合と同様に制御する。
0.15%を越え、特に0.18%を越えると硬度が高
くなって、曲げに対してガラス割れが発生することがあ
る。
【0019】(2)インナーリード用Ni線 CRTの内部に配置されるインナーリードの場合、高真
空での特性、ガラス封止の際の均一な酸化膜形成及び都
市ガスによる脆化(内部酸化により結晶が脆くなる)防
止が重要となる。
空での特性、ガラス封止の際の均一な酸化膜形成及び都
市ガスによる脆化(内部酸化により結晶が脆くなる)防
止が重要となる。
【0020】ここで、Mnを1.5〜3.5重量%とし
たのは、都市ガスによる脆化防止と加熱後の強度維持に
基づくもので、1.5%未満の場合、特に1.0%未満
の場合脆化防止に効果がなく、逆に3.5%を越え、特
に4%以上となるとかえって硬度が高くなり過ぎ、直線
加工での加工性に問題が出たりする。
たのは、都市ガスによる脆化防止と加熱後の強度維持に
基づくもので、1.5%未満の場合、特に1.0%未満
の場合脆化防止に効果がなく、逆に3.5%を越え、特
に4%以上となるとかえって硬度が高くなり過ぎ、直線
加工での加工性に問題が出たりする。
【0021】加えて、インナーリードはCRTスクリー
ンに直結するため特に重要で、過去、都市ガスによって
部分的に厚い酸化膜が形成され、それがCRT稼働中に
剥離し、スクリーンにあたって画面のちらつきとなる事
故があった。そこで、酸化膜を緻密かつ均一にするに
は、微量元素の含有量を制御する必要がある。ここで重
要なのは、Cu,Fe,Cr,Mg,Al,Tiで、特
にMg、Al、Tiは前記限定範囲未満では緻密な膜形
成に効果がなく、逆にその範囲を越えるとかえって脆い
膜になったりする。ここでAlを0.005〜0.01
にしたのは、Mnの効果により必要以上に添加する必要
がないからである。
ンに直結するため特に重要で、過去、都市ガスによって
部分的に厚い酸化膜が形成され、それがCRT稼働中に
剥離し、スクリーンにあたって画面のちらつきとなる事
故があった。そこで、酸化膜を緻密かつ均一にするに
は、微量元素の含有量を制御する必要がある。ここで重
要なのは、Cu,Fe,Cr,Mg,Al,Tiで、特
にMg、Al、Tiは前記限定範囲未満では緻密な膜形
成に効果がなく、逆にその範囲を越えるとかえって脆い
膜になったりする。ここでAlを0.005〜0.01
にしたのは、Mnの効果により必要以上に添加する必要
がないからである。
【0022】又、ここではCの量を0.01〜0.15
重量%としたが、これはインナーリードもアウターリー
ドと同様にある程度ガラス中の発泡が要求されているた
めである。0.01%未満では発泡が見られず、0.1
5%を越えると硬度が高くなりすぎるといった問題があ
る。そして、Cu,Fe,Cr,Mg,Al,Tiに加
えてP及びSの合計量が0.08〜0.6重量%であれ
ばよい。0.6%を越え、特に1.0%を越えると硬度
と酸化膜の問題が発生してくる。
重量%としたが、これはインナーリードもアウターリー
ドと同様にある程度ガラス中の発泡が要求されているた
めである。0.01%未満では発泡が見られず、0.1
5%を越えると硬度が高くなりすぎるといった問題があ
る。そして、Cu,Fe,Cr,Mg,Al,Tiに加
えてP及びSの合計量が0.08〜0.6重量%であれ
ばよい。0.6%を越え、特に1.0%を越えると硬度
と酸化膜の問題が発生してくる。
【0023】(3)ガス含有量 上記アウター及びインナーリードのガス含有量の限定を
行ったのは、ガラス中発泡を均一にするためである。こ
の限定を超えると、発泡が極めて不均一な形状,大きさ
になってしまうからである。
行ったのは、ガラス中発泡を均一にするためである。こ
の限定を超えると、発泡が極めて不均一な形状,大きさ
になってしまうからである。
【0024】
【実施例】以下、比較例と併せて本発明の実施例を説明
する。先ず、溶解用の電極Niを容量1tの高周波誘導
溶解炉又は真空溶解炉で溶解しながらSi,Mn,Cを
添加して所定の成分にする。このとき、Ti,Al,M
gの添加時間を終わりの方にし、所定の成分になるよう
にして最後にインゴットを鋳込んだ。このインゴットを
鍛造後ビレットとして熱間圧延にかけ、約6mmφの線
材とした。そして、この線材を脱スケールしてから冷間
伸線を繰り返し、アウターリード用Ni線は1.0mm
φに、インナーリード用のNi線は0.65mmφに伸
線、軟化した。得られた線材のうち、アウターリードの
組成を表1に、そのガス量を表2に示し、インナーリー
ドの組成を表3に、そのガス量を表4に示す。尚、表1
において、実施例1〜6はカラー用、同7〜12迄は白黒
用である。
する。先ず、溶解用の電極Niを容量1tの高周波誘導
溶解炉又は真空溶解炉で溶解しながらSi,Mn,Cを
添加して所定の成分にする。このとき、Ti,Al,M
gの添加時間を終わりの方にし、所定の成分になるよう
にして最後にインゴットを鋳込んだ。このインゴットを
鍛造後ビレットとして熱間圧延にかけ、約6mmφの線
材とした。そして、この線材を脱スケールしてから冷間
伸線を繰り返し、アウターリード用Ni線は1.0mm
φに、インナーリード用のNi線は0.65mmφに伸
線、軟化した。得られた線材のうち、アウターリードの
組成を表1に、そのガス量を表2に示し、インナーリー
ドの組成を表3に、そのガス量を表4に示す。尚、表1
において、実施例1〜6はカラー用、同7〜12迄は白黒
用である。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】その後、図1に示すように、アウターリー
ド1を8mm長に、インナーリード3を16mm長に切
断し、0.35mmφのジュメット線2を中央において
溶接してステムピンを作製した。そして、このステムピ
ンをガラス封止して、そのときのガラス中発泡の程度
や、酸化膜の状態を調べてみた。用いたガラスは、R2
O・BaO・SrO・SiO2 系カラー用ガラスで、都
市ガスの成分は、H2 :47%、N2 :16%、O2 :
4%、CO:10%、CO2 :6%、CH4 :11%と
し、700〜900℃に加熱して封止を行った。
ド1を8mm長に、インナーリード3を16mm長に切
断し、0.35mmφのジュメット線2を中央において
溶接してステムピンを作製した。そして、このステムピ
ンをガラス封止して、そのときのガラス中発泡の程度
や、酸化膜の状態を調べてみた。用いたガラスは、R2
O・BaO・SrO・SiO2 系カラー用ガラスで、都
市ガスの成分は、H2 :47%、N2 :16%、O2 :
4%、CO:10%、CO2 :6%、CH4 :11%と
し、700〜900℃に加熱して封止を行った。
【0030】上記試験結果をアウターリードについては
前記表2に、インナーリードについては前記表4に示
す。各表中、発泡性はガラス中の発泡の均一性を示した
もので、○は均一、△はがらつきがある、×は従来品並
であることを示す。又、酸化膜はそれが緻密で均一かど
うかを示したもので、○は緻密で均一であり、かつ色も
均一である、△は部分的に変色が見られる、×は部分的
に厚いところや剥離が見られることを示す。さらに、硬
度はステムピン加工時に硬すぎて真直度がでない場合を
×、軟らかくて火炎の加熱で変形するものを△、問題の
ないものを○で示した。
前記表2に、インナーリードについては前記表4に示
す。各表中、発泡性はガラス中の発泡の均一性を示した
もので、○は均一、△はがらつきがある、×は従来品並
であることを示す。又、酸化膜はそれが緻密で均一かど
うかを示したもので、○は緻密で均一であり、かつ色も
均一である、△は部分的に変色が見られる、×は部分的
に厚いところや剥離が見られることを示す。さらに、硬
度はステムピン加工時に硬すぎて真直度がでない場合を
×、軟らかくて火炎の加熱で変形するものを△、問題の
ないものを○で示した。
【0031】上記の各表に示すように、比較例はいずれ
も発泡性や酸化膜の状態が不十分であったのに対し、実
施例は全て良好であり、本発明の有効性が確認された。
も発泡性や酸化膜の状態が不十分であったのに対し、実
施例は全て良好であり、本発明の有効性が確認された。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明リード線に
よれば、都市ガスによる脆化、過酸化並びにガラスクラ
ックのないCRTを得ることができる。従って、OA機
器、モニターなどの発展に伴い、多くの分野で利用でき
ることが期待される。
よれば、都市ガスによる脆化、過酸化並びにガラスクラ
ックのないCRTを得ることができる。従って、OA機
器、モニターなどの発展に伴い、多くの分野で利用でき
ることが期待される。
【図1】本発明リード線を用いたステムピンの側面図で
ある。
ある。
【図2】CRTの概略を示す断面図である。
【図3】CRTステムの概略を示す一部断面図である。
【符号の説明】 1 インナーリード 2 ジュメット線 3 アウターリード 4 ステム 5 カソード 6 グリッド 7 偏向ヨーク 8 アノードボタン 9 気泡 10 タングステンワイヤ
Claims (6)
- 【請求項1】 C,Si,Mn,Cu,Fe,Cr,M
g,Al,Ti,P及びSを含むNi線であって、その
うちCu+Fe+Cr+Mg+Al+Ti+P+Sが
0.08〜0.6重量%、Cが0.02〜0.08重量
%、Siが0.05〜0.20重量%、Mnが0.10
〜0.30重量%であることを特徴とするCRT用リー
ド線。 - 【請求項2】 C,Si,Mn,Cu,Fe,Cr,M
g,Al,Ti,P及びSを含むNi線であって、Cu
+Fe+Cr+Mg+Al+Ti+P+Sが0.08〜
0.6重量%で、Cが0.08〜0.15重量%、Si
が0.05〜0.20重量%、Mnが0.10〜0.3
0重量%であることを特徴とするCRT用リード線。 - 【請求項3】 Cu:0.001〜0.10、Fe:
0.01〜0.20、Cr:0.01〜0.10、M
g:0.005〜0.05、Al:0.005〜0.0
5、Ti:0.01〜0.05、P:0.01以下、
S:0.01以下(全て重量%)であることを特徴とす
る請求項1又は2記載のCRT用リード線。 - 【請求項4】 C,Si,Mn,Cu,Fe,Cr,M
g,Al,Ti,P及びSを含むNi線であって、Cu
+Fe+Cr+Mg+Al+Ti+P+Sが0.08〜
0.6重量%で、Cが0.01〜0.15重量%、Si
が0.05〜0.20重量%、Mnが1.5〜3.5重
量%であることを特徴とするCRT用リード線。 - 【請求項5】 Cu:0.001〜0.10、Fe:
0.01〜0.20、Cr:0.01〜0.10、M
g:0.005〜0.05、Al:0.005〜0.0
1、Ti:0.01〜0.05、P:0.01以下、
S:0.01以下(全て重量%)であることを特徴とす
る請求項4記載のCRT用リード線。 - 【請求項6】 酸素:15PPM以下、窒素:15PP
M以下、水素:10PPM以下であることを特徴とする
請求項1、2、3、4又は5記載のCRT用リード線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2470893A JPH06215619A (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | Crt用リード線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2470893A JPH06215619A (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | Crt用リード線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06215619A true JPH06215619A (ja) | 1994-08-05 |
Family
ID=12145681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2470893A Pending JPH06215619A (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | Crt用リード線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06215619A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2808377A1 (fr) * | 2000-04-26 | 2001-11-02 | Thomson Tubes & Displays | Cathode a oxydes pour tube a rayons cathodiques |
JP2011012330A (ja) * | 2009-07-06 | 2011-01-20 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ニッケル材及びニッケル材製造方法 |
-
1993
- 1993-01-19 JP JP2470893A patent/JPH06215619A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2808377A1 (fr) * | 2000-04-26 | 2001-11-02 | Thomson Tubes & Displays | Cathode a oxydes pour tube a rayons cathodiques |
CN1298008C (zh) * | 2000-04-26 | 2007-01-31 | 汤姆森许可公司 | 阴极射线管阴极及其合金 |
JP2011012330A (ja) * | 2009-07-06 | 2011-01-20 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ニッケル材及びニッケル材製造方法 |
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