JPH06212405A - ポリフェニレンサルファイド支持体上に銅をめっきする方法 - Google Patents

ポリフェニレンサルファイド支持体上に銅をめっきする方法

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JPH06212405A
JPH06212405A JP29448592A JP29448592A JPH06212405A JP H06212405 A JPH06212405 A JP H06212405A JP 29448592 A JP29448592 A JP 29448592A JP 29448592 A JP29448592 A JP 29448592A JP H06212405 A JPH06212405 A JP H06212405A
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copper
titanium
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JP29448592A
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Joseph W Sell
ジョセフ・ダブリュー・セル
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Hoechst Celanese Corp
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    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0333Organic insulating material consisting of one material containing S
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
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    • H05K3/381Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by special treatment of the substrate

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  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ポリフェニレンサルファイド支持
体上に銅をめっきする方法を提供する。 【構成】 ポリフェニレンサルファイド支持体を、真空
下にてRFアルゴンプラズマでエッチングする。真空を
破ることなく、エッチングされた表面にチタンの層をス
パッタリングし、そしてチタンによりスパッタリングさ
れた表面に第1の銅層をスパッタリングする。スパッタ
リング手順の後、支持体に第2の銅層を所望の厚さに電
気めっきする。4.5〜5.5ポンド/インチの剥離強
さが得られる。本発明の方法は、EMIシールド用やプ
リント回路基板用の製品を造るのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般には、ポリフェニレ
ンサルファイド支持体と前記支持体の表面上に付着され
た銅層との間の改良された接着性に関する。さらに詳細
には本発明は、ポリフェニレンサルファイド支持体と前
記支持体の表面上に電着された銅層との間に改良された
接着性を得る方法、及び本方法にしたがって製造された
製品に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジニアリングプラスチック(例えば
ポリフェニレンサルファイド等)の金属被覆物は、電気
的用途や化粧用〔例えば、電磁障害(EMI)を受けな
いよう保護しているか、あるいはプリント配線基板用途
において電気伝導を与えている導電性パターン〕に使用
されている。こうした導電性パターンの用途や、金属の
みからなる部品の代わりに金属めっきしたプラスチック
部品が使用されている他の機能的用途に対して、益々工
業的な関心が高まってきている。これらの金属めっきプ
ラスチック部品は、製造面からみてより経済的であるこ
とに加えて、多くの重要な点において金属部品より優れ
ている。金属性の外観と感触を保持しつつ、しばしばか
なりの軽量化を果たすことができる。
【0003】しかしながら、これらの利点を発揮させる
ためには、金属被膜とエンジニアリングプラスチック支
持体との間に高レベルの接着性を与えることが必要であ
る。この接着強さは、剥離強さとして測定することがで
きる。必要とする高レベルの接着性が得られない場合、
金属被膜は、温度変化にさらされるか、あるいはわずか
な歪みにさらされると、前者の場合は金属とプラスチッ
クの熱膨張率の差により、また後者の場合は弾性率の差
により、ふくれを生じたりプラスチック支持体から剥が
れたりすることがある。プリント配線基板の用途に関し
ては、剥離強さは少なくとも約4ポンド/インチでなけ
ればならない。
【0004】ポリフェニレンサルファイドは、EMIシ
ールド、電気伝導、及び他の類似の用途に対して所望さ
れる多くの特性(例えば、高い耐薬品性、難燃性、高い
機械的強度と硬度)をもった物質である。しかしなが
ら、ポリフェニレンサルファイドは、こうした用途に対
する適切な物質とは見なされていない。導電性金属とポ
リフェニレンサルファイド支持体との間に満足できるよ
うな接着性が得られない、と考えられているからであ
る。
【0005】金属をポリフェニレンサルファイド支持体
に付着させるための、当業界に公知の方法は無電解めっ
き法である。該プロセスによれば、先ずポリフェニレン
サルファイド支持体の表面を化学的又は物理的手段(例
えば、化学エッチング、グリットブラスト仕上、又は機
械的研磨)によって改質する。次いで、無電解めっきの
操作を行う前に、ポリフェニレンサルファイドの表面を
触媒(例えばパラジウム−錫触媒)で処理する。次い
で、活性化された支持体を無電解めっき浴中(一般には
金属イオンと還元剤を含んでいる)に浸漬し、金属を支
持体上にめっきする。導電性金属の層を無電解付着させ
た後、無電解めっき法又は従来の電気めっき法にしたが
って支持体を導電性金属でさらにめっきして、層の厚さ
を増大させることができる。
【0006】上記の説明からわかるように、このような
一連の工程は多くの時間を必要とし、したがってコスト
高となる。これとは対照的に、本明細書にて特許請求し
ているより速やかで且つより低コストの方法を使用する
と、上記のプロセスに匹敵する接着性が得られる。湿式
の化学プロセス工程には、それに付きものの問題点があ
り、また必然的にコスト高となるので、湿式の化学プロ
セスは完全に避けるのが好ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、無電解めっき法においてしばしば必要とされる煩
雑で且つコストのかかる手順を取り除きつつ、銅をポリ
フェニレンサルファイド支持体上にめっきする方法を提
供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、銅めっきされたポリ
フェニレンサルファイド支持体を製造する方法で、且つ
4.5〜5.5ポンド/インチの剥離強さを有すること
を特徴とする方法を提供することにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、このような方
法によって製造され、且つ優れた特性を有することを特
徴とする製品(例えば、遮蔽コネクターや回路基板)を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、銅をポリフェ
ニレンサルファイド支持体上にめっきする方法に関す
る。本発明の広い態様によれば、ポリフェニレンサルフ
ァイド支持体を、真空チャンバー中にて無線周波数(R
F)アルゴンプラズマによってエッチングする。真空を
破ることなく、エッチングされ且つアルゴン増強された
表面(etched and argon enhan
ced surface)上に、チタンの層を接着促進
用中間層としてスパッタリング付着させ、次いでこのチ
タン中間層上に第1の銅層をスパッタリング付着させ
る。第1の銅層上に第2の銅層を電気めっきによって付
着させて(このとき剥がれやふくれは起こらない)、所
望の厚さを得る。
【0011】本発明はさらに、ポリフェニレンサルファ
イド支持体と、本発明の方法にしたがって前記支持体上
に形成された銅層とを含んだ製品に関する。
【0012】本発明の他の目的、特徴、及び利点は、以
下に記載の説明から明らかとなろう。
【0013】本発明の好ましい方法においては、ポリフ
ェニレンサルファイドで造られた誘電性支持体が、真空
中においてRFアルゴンプラズマによってエッチングさ
れる。真空を破ることなく、エッチングされ且つアルゴ
ン増強された表面上に、チタンの層をスパッタリング付
着させ、次いでこのチタン層上に第1の銅層をスパッタ
リング付着させた。引き続き、付随して起こりやすいふ
くれや剥がれを生じることなく、追加の銅層で支持体を
電気めっきすることができる。アルゴン中でエッチング
され、チタンでスパッタリング被覆され、銅でスパッタ
リング被覆され、そして銅で電気めっきされた形のポリ
フェニレンサルファイド支持体の場合には、約4.5〜
5.5ポンド/インチの剥離強さが得られる。
【0014】支持体は、各工程の前に孔をあけることに
よって、支持体中に孔を配置させてもよい(これらの孔
は、基板上に設けられる導電性パターンを、支持体の反
対側の導電性パターン及び/又は導電性部材に連結する
のに必要なものである)。
【0015】本発明が意図する目的に対し、支持体は、
結晶質の熱可塑性物質であるポリフェニレンサルファイ
ドで造られる。ポリフェニレンサルファイドは、望まし
い特性を有していることから(例えば、高い耐薬品性、
難燃性、高い機械的強度と硬度等)、EMIシールドや
回路基板用として適切な材料となっている。好ましいポ
リフェニレンサルファイドポリマーとしては、米国特許
第4,654,826号(該特許を参照文献としてここ
に引用する)に記載されているものがあるが、これらに
限定されるわけではない。該特許によれば、予備重合に
したがって低分子量〜中分子量のポリアリーレンサルフ
ァイドプレポリマーを形成させ、相分離系を加えて強ア
ルカリ条件下で重合系を加熱することによって温度を上
昇させ、これによって重合系を高粘度相(ポリマー溶
液)と低粘度相(溶媒相)の二つの相に分離させ、そし
てこのような状態で反応を行うことによって、助剤を使
用せずに、約数万ポイズの溶融粘度をもったかなり高分
子量の直鎖状ポリアリーレンサルファイドが容易に得ら
れる。
【0016】この二相分離重合は、5〜3,000ポイ
ズ(310℃において;剪断速度=200sec-1)の
溶融粘度を有するアリーレンサルファイドプレポリマー
を強アルカリ条件下(水で10倍に希釈したときに反応
混合物のpH範囲が9.5〜14)にて貧溶媒中に溶解
する工程;この状態を1〜50時間保持して、アリーレ
ンサルファイドプレポリマーを高分子量のポリマーに転
化させる工程;重合系からポリマーを分離する工程;及
び中和処理後にポリマーを精製する工程;を含む。
【0017】米国特許第4,645,826号にしたが
って高分子量〜超高分子量のポリアリーレンサルファイ
ドを製造するプロセスは、基本的には、アルカリ金属硫
化物とジハロ芳香族化合物を介在させて結合しているポ
リアリーレンサルファイド分子を形成させる工程;及び
/又は前記のポリアリーレンサルファイド分子を高分子
量のポリマーに転化させる工程;を含む。少なくとも
7,000ポイズの溶融粘度を有するポリフェニレンサ
ルファイドも含めて、少なくとも3,000ポイズの溶
融粘度を有するポリフェニレンサルファイドが、該特許
に開示のプロセスによって得られる。
【0018】本発明は他の結晶質の熱可塑性支持体に対
しても強い接着性を付与すると思われるが、この点につ
いてはまだ研究されていない。
【0019】以下に記載の直鎖状のポリフェニレンサル
ファイド、架橋したポリフェニレンサルファイド、及び
枝分かれしたポリフェニレンサルファイド(ホモポリマ
ー、コポリマー、ターポリマー、あるいはこのようなポ
リマーのブレンド物のいずれであろうとも)を本発明の
実施に際して使用することができるが、これらに限定さ
れることはない。支持体を作製するのに使用されるポリ
フェニレンサルファイドは、必要に応じて、例えば充填
剤や加工助剤等の他の物質を含有してもよい。強化用と
してガラス繊維を組み込むのが好ましい。
【0020】ポリフェニレンサルファイドは、無電解及
び電解による標準的なプラスチックめっき法によっては
めっきするのが困難であることが判明している。本発明
の場合、減圧条件下にて支持体をアルゴンプラズマでエ
ッチングし、次いで減圧を破ることなく支持体の一方の
側に、あるいはより典型的には両側にチタン層と銅層を
逐次スパッタリングすることによって、ポリフェニレン
サルファイド支持体上にめっきされた銅層間の接着性が
強められている、ということが明らかとなっている。不
導電性のポリフェニレンサルファイド支持体をエッチン
グするのにRFエネルギー源が使用され、金属皮膜をス
パッタリングするのにDC電源が使用される。
【0021】スパッタリングプロセスとその応用につい
ては、R.F.Bunshahらによる「Decomp
osition Technologies for
Film and CoatingsDevelo
pments and Applications
Noyes Pub.,1982」及びJ.A.Tho
rntonによる「“Sputtering”, En
cyclopediaof Polymer Scie
nce and Engoneering,9, p.
598, Wiley−Interscience,
1987」に適切にまとめられている。物質の表面を変
性し、且つ物質間の接着性を高めるためにプラズマを使
用することについては、H.V.Boeningによる
Fundamentals of Plasma C
hemistry and Technology
Technomic Pub. Co., 1988,
pp.155−193, 283−306」に説明され
ている。製造プロセスとして、スパッタリングは環境に
対するインパクトが極めて少ない。本発明のプロセスの
唯一の副生物は少量の不活性ガス(Ar)であり、被覆
すべき部品の表面清浄化に対してはどのような溶媒でも
使用することができる。本発明のプロセスは容易に自動
化することができ、これによりプロセスの実施ごとの再
現性が高まり、部品の特性に対するオペレーターの依存
性は最小限に抑えられる。
【0022】チタン層と第1の銅層を支持体の表面上
に、そして孔が存在する場合は支持体の孔にもスパッタ
リングした後、調製された表面上に銅の接着性電着被膜
が形成され、この被膜の剥離強さは4.5〜5.5ポン
ド/インチである。
【0023】本発明にしたがってポリフェニレンサルフ
ァイド支持体をめっきする好ましいプロセスにおいて
は、0.030”の孔を有するFORTRON(商標)
ポリフェニレンサルファイド(65%ガラス/無機物充
填)で造られた1/16”基板のサンプルを先ず石鹸と
水で洗浄して相当量の汚染物を取り除き、次いでアセト
ン中ですすぎ洗いしてからメタノールですすぎ洗いし
た。超音波洗浄を使用して、溶媒の有効性を高めた。サ
ンプルを引き続き送風乾燥してからスパッタリングチャ
ンバー中に入れた。図1に示されているように、洗浄・
乾燥したポリフェニレンサルファイドのサンプル2を、
MRC−902 DC−マグネトロンスパッタリングシ
ステムのスパッタリングチャンバー1中に配置した。ス
パッタリングチャンバー1は一体型の装置であって、ポ
リフェニレンサルファイドのサンプル2がエッチングさ
れる時点からチタンと銅で真空被覆される時点まで、サ
ンプル2の表面全体にわたって真空を一定に保持するこ
とができる。
【0024】洗浄されたポリフェニレンサルファイドサ
ンプル2を、チャンバー1の一端にてロード−ロックチ
ャンバー(load−lock chamber)を介
してチャンバー1に入れ、12”×12”のパレット4
によってエッチングステーション5、チタンスパッタリ
ングステーション7、及び銅スパッタリングステーショ
ン8に順次送った。エッチングステーション5におい
て、サンプルをアルゴンプラズマに暴露してエッチング
を行った。この場合、支持体をエッチングするのにアル
ゴンプラズマだけを使用したが、他の不活性ガスも使用
することができる。不導電性のポリフェニレンサルファ
イドサンプル2をエッチングするのにRFエネルギー源
6を使用した。エッチング条件を表Iに示す。減圧のト
ータル圧力は10ミリトル以下であるのが好ましい。チ
ャンバー1において、サンプル2をエッチング位置に静
止させたままエッチングを行った。しかしながら、均一
で且つ充分な暴露を確実に施すために、プラズマ処理中
に支持体を回転させることもできる。エッチング位置に
保持した状態で、基板2をアルゴンプラズマに約30秒
間暴露した。
【0025】 被覆操作の前にプラズマを使用して表面をエッチングす
ることは、金属付着を施す前の支持体表面の洗浄と調製
における最終工程である。すなわち、被覆される表面が
イオン衝撃の対象物となるよう、RFポテンシャル又は
DCポテンシャル(使用する場合)が支持体に加えられ
る。これにより、もしこうした操作を施さなければ金属
皮膜の接着性を阻害しうるような、最も取りにくい原子
スケールの汚染物を除去することができる。このプラズ
マエッチングは、元素の選択的エッチング又は表面にお
ける原子−原子結合の変性によって、表面の化学や形態
学を変えることもできる。各工程に反応性の化学種(例
えば酸素)を導入すると、表面化学にさらに大きな影響
を付与することができる。
【0026】エッチング操作時に使用したのと同じ装置
1を使用し、真空を破ることなく、エッチングされた基
板2をスパッタリングターゲット7と8の下に移送し
た。この移送時に、活性化されたチタンターゲット7か
ら基板2上にチタン層をスパッタリングし、孔を通して
基板2中にチタン層をスパッタリングし、そしてチタン
層を付着させた後、活性化された銅ターゲット8からチ
タン層上に、及び孔を通して基板2中に銅層をスパッタ
リングした。この銅層により、容易にめっき可能で且つ
強固に接着するオーバー層がチタン層上に得られる。金
属層のスパッタリングにはDC電源を使用した。チタン
層と銅層に対する被覆パラメーター(coating
parameter)を表IIに示す。完全な覆いを確
実に得るために、チタン層と銅層は1000Åの厚さに
付着させた。少なくとも約200〜300Åの厚さが必
要である。好ましい厚さは500〜1000Åである。
より大きな厚さも使用することができるが、製造コスト
が高くなり、利点も得られない。
【0027】 アルゴンガス及び酸素(使用される場合)を、正確な電
子流量制御メーター(electronic flow
control meter)、アルゴンガスに対す
る弁10、及び酸素に対する弁11を使用して、チャン
バー1中に導入した。主要絞り弁13を使用し、真空ポ
ンプ12により操作温度を保持した。アルゴンの圧力は
10ミリトル以下であるのが好ましい。
【0028】銅スパッタリングステーション8において
チタン被膜上に銅層を施した後、真空を解除した。次い
で、銅被覆したポリフェニレンサルファイド支持体を周
囲大気に暴露し、0.002”の銅で電気めっきした。
従来のいかなる電気めっき法も使用することができる。
【0029】比較試験のために、三通りの異なるエッチ
ング環境〔エッチングなし;アルゴンによるエッチン
グ;及び(アルゴン+O2)によるエッチング〕を使用
して、皮膜の接着性に及ぼすプラズマ処理の影響を調べ
た。これらのエッチング環境の一つに暴露させた後、ポ
リフェニレンサルファイド基板のサンプルを、チタン層
のみ、銅層のみ、又はチタン層と銅層でスパッタリング
した。次いで、スパッタリングにより被覆したサンプル
を追加の銅層で電気めっきした。以下に詳細に説明して
あるように、セバスチャン接着試験(Sebastia
n adhesion test)と引張試験(pul
l test)を使用して、銅めっきされたサンプルの
すべてを評価した。
【0030】セバスチャン接着試験は、エポキシ被覆し
た釘状スタッドを、めっきしたポリフェニレンサルファ
イドサンプルに取り付けることを含む。ピン(スタッ
ド)のヘッドは直径3.0mmであり、エポキシは15
0℃で硬化される。サンプルをしっかり支持し、スタッ
ドを表面に対して垂直に引っ張り、破断時の力を記録す
る。この試験は、かなり小さな試験片について行うこと
ができる、という利点をもっている。
【0031】電気めっきしたポリフェニレンサルファイ
ドサンプルの2.5”×2.5”プラックに関して、次
のように標準的な剥離試験を行った: スパッタリング
手順を施した後、各サンプルに対し、単純な酸銅浴(a
cid copper bath)から銅を電気めっき
して、金属の厚さを約0.002”にした。プラックの
面を横断して金属を通って、1.0”離した状態で平行
にカットした。一方の端部にて金属のタブをプラスチッ
クから引き上げた。幅1.0”×厚さ0.003”×長
さ5.0”の銅ストリップをタブに接着し、インストロ
ン型引張試験機の一方のジョーに取り付けるに足る長さ
を与える。被覆したプラックを、インストロン型試験機
の他方のジョーにて保持することのできる取付具にクラ
ンプ止めした。この取付具は、引っ張られるストリップ
が、引張試験時においてプラックの表面に対して垂直を
維持して移動するよう設計されている。50ポンドのロ
ードセルを使用し、引張速度は1インチ/分に設定し
た。適切な減衰を使用してストリップチャート記録計に
より結果を記録して、所望のフルスケール読み取り値を
得た。チヤート速度は2インチ/分であった。
【0032】セバスチャン試験と剥離試験の結果を表I
IIに示す。表IIIにおける“皮膜”の項は、ポリフ
ェニレンサルファイド支持体の表面上にスパッタリング
される金属を表している。“プラズマエッチング”の項
は、プラズマエッチング工程において使用されるガスの
種類を表している。“破断モードセバスチャン(FAI
LURE MODE SEBASTIAN)”は、セバ
スチャン引張試験において金属被膜がどの箇所で破断し
たかを表している。図2は、アルゴンプラズマにてエッ
チングし、真空を破ることなくチタン中間層と銅の第1
層をスパッタリング被覆し、次いで銅の第2層を電気め
っきした形のポリフェニレンサルファイド支持体につい
て行って得られた、剥離試験からインストロンチャート
を複写したものである。
【0033】 図2からわかるように、エッチングされ、減圧条件下に
てチタン層と銅層をスパッタリング被覆され、そして銅
めっきされたポリフェニレンサルファイド支持体に対す
る剥離荷重は、約4.5で始まり、引っ張り操作中約
5.0〜5.5に維持される。このことは、表面全体に
わたって比較的均一な接着が得られていることを示して
いる。同じ試験を繰り返し、類似の結果が得られた。破
断試験−荷重は4〜5ポンドの範囲であった。さらに、
1000Åのチタン中間層と第1の銅層は、その後の電
気めっきに対して充分であること、そしてスパッタリン
グ操作時に両側から被覆すれば、サンプルの孔(直径
0.030”)を完全に被覆し且つめっきすることがで
きる。異なった深さのエッチング、異なった中間層組成
(例えばクロムとニッケル)、又は熱による後処理を適
用すると、より高い接着強さが得られる場合もある。
【0034】これらの結果はさらに、ある特定のプロセ
ス条件に対しては、皮膜の接着強さが支持体材料の強度
を越えることがあることを示している。プラズマエッチ
ングした表面上のチタン皮膜は常に、ポリフェニレンサ
ルファイド支持体の凝集強さを越える接着強さを示し
た。銅皮膜は、(アルゴン+O2)エッチングの場合以
外は、チタンと同様には接着しなかった(セバスチャン
試験により測定)。大まかに言えば、ポリフェニレンサ
ルファイド支持体の表面から分離した金属皮膜に対して
は3Ksi以下の降伏強さが相関した。値が約5Ksi
以上の場合、一般には支持体材料において破断が起こっ
た。支持体材料の強度は、セバスチャン試験器の小エリ
ア接触ピン(small area contact
pin)を使用した場合、3.5〜8.2Ksiの範囲
で可変であることがわかった。
【0035】この試験法は、得られる情報に影響を及ぼ
すことがある、ということに留意することが大切であ
る。例えば、セバスチャン試験は、サンプルを150℃
に加熱して金属被膜とのエポキシ結合を硬化させること
を含む。この加熱サイクルは、ポジティブな方向もしく
はネガティブな方向のいずれかにおいて、金属とポリフ
ェニレンサルファイドとの間の結合に影響を与えるであ
ろう。
【0036】セバスチャン試験からのポジティブな結果
は、スパッタリングされたポリフェニレンサルファイド
基板を、皮膜の接着性の大きな低下を起こさずに少なく
とも150℃に暴露できる、ということである。一方ネ
ガティブな結果は、硬化温度が150℃を約50℃越え
た場合、支持体の変色と接着強さの明らかな低下が起こ
る、ということである。したがって、めっき操作後の基
板の処理は、皮膜の接着強さを満足できるレベルに保持
しなければならない場合、温度の制約を受けることがあ
る。
【0037】剥離試験の場合、めっきプロセスが金属/
ポリフェニレンサルファイド界面の結合に影響を与える
こと、及びスパッタリングされた皮膜の厚さがこのよう
な影響においてある役割を果たすということが考えられ
る。スパッタリングされた皮膜の厚さの影響に加えて、
観察された剥離−試験荷重(peel−test lo
ad)がめっき層の厚さに強く依存する、ということが
わかる。この点は、付着条件と付着時間を一定に保持す
ることによって、セットの試験において一定に保持され
た。
【0038】以上のことからわかるように、本発明は、
銅をポリフェニレンサルファイド支持体上にめっきする
方法、及びこのような方法によって製造された製品、を
提供する。
【0039】好ましい実施態様に関して本発明を説明し
てきたが、当業者にとっては、本発明の精神、範囲、及
び開示内容を逸脱することなく、種々の変形や改良形が
可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法において使用されるスパッタリン
グシステムの概略図である。
【図2】本発明の方法にしたがって銅めっきしたポリフ
ェニレンサルファイド支持体に対する剥離試験において
得られた、荷重−距離の関係を示したインストロンチャ
ートをコピーしたものである。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンサルファイド支持体上に
    銅をめっきする方法であって、 (a) 真空中にて、前記支持体の表面をRFアルゴン
    プラズマでエッチングする工程; (b) 真空を破ることなく、エッチングされた前記支
    持体表面上にチタンの層を接着促進用中間層としてスパ
    ッタリングし、そして前記チタン中間層上に第1の銅層
    をスパッタリングする工程;及び (c) 前記第1の銅層上に第2の銅層を所望の厚さに
    電気めっきする工程;を含む前記方法。
  2. 【請求項2】 前記真空が約8〜10ミリトルの圧力に
    調節される、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリフェニレンサルファイド支持体
    が約30秒間エッチングされる、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記チタン中間層と前記第1の銅層をス
    パッタリングするのにDC電源が使用される、請求項1
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記チタン中間層が約200〜1000
    Åの厚さを有する、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の銅層が約200〜1000Å
    の厚さを有する、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記工程が前記支持体の両側に対して同
    時に施される、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 ポリフェニレンサルファイド支持体及び
    その上に形成された銅層を含み、 (a) 真空中にて、前記支持体の表面をRFアルゴン
    プラズマでエッチングする工程; (b) 真空を破ることなく、エッチングされた前記支
    持体表面上にチタンの層を接着促進用中間層としてスパ
    ッタリングし、そして前記チタン中間層上に第1の銅層
    をスパッタリングする工程;及び (c) 前記第1の銅層上に第2の銅層を所望の厚さに
    電気めっきする工程;を含んだ方法によって製造された
    製品。
  9. 【請求項9】 前記真空が約8〜10ミリトルの圧力に
    調節される、請求項8記載の製品。
  10. 【請求項10】 前記ポリフェニレンサルファイド支持
    体が約30秒間エッチングされる、請求項9記載の製
    品。
  11. 【請求項11】 前記チタン中間層と前記第1の銅層を
    スパッタリングするのにDC電源が使用される、請求項
    8記載の製品。
  12. 【請求項12】 前記チタン中間層が約200〜100
    0Åの厚さを有する、請求項8記載の製品。
  13. 【請求項13】 前記第1の銅層が約200〜1000
    Åの厚さを有する、請求項8記載の製品。
  14. 【請求項14】 前記工程が前記支持体の両側に対して
    同時に施される、請求項8記載の製品。
JP29448592A 1991-10-31 1992-11-02 ポリフェニレンサルファイド支持体上に銅をめっきする方法 Pending JPH06212405A (ja)

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