JPH06212343A - 低炭素フェロクロムの製造方法 - Google Patents

低炭素フェロクロムの製造方法

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JPH06212343A
JPH06212343A JP2336893A JP2336893A JPH06212343A JP H06212343 A JPH06212343 A JP H06212343A JP 2336893 A JP2336893 A JP 2336893A JP 2336893 A JP2336893 A JP 2336893A JP H06212343 A JPH06212343 A JP H06212343A
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silicochrome
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JP2336893A
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Hiroichi Sugimori
博一 杉森
Takashi Yuya
敬志 油谷
Koichi Igarashi
公一 五十嵐
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Japan Metals and Chemical Co Ltd
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Japan Metals and Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低炭素フェロクロムの製造において、省エネ
ルギー、省資源的に優れた方法の提供である。 【構成】 クロム鉱石に配合する生石灰を高塩基度(Ca
O/SiO2=1.5〜2.1)として燃焼気流中で転動させながら
900℃以上に加熱して焼成原料を得る第1工程、該焼成
原料を電気炉で溶融原料とする第2工程、第2工程の溶
融原料、Si含有量40%以上のシリコクロムと、第2工程
の溶融原料に対して0.2〜1.4倍量の前記第1工程の焼成
原料を装入し、Ar,CO2,CO,O2,N2,H2O及び炭化水素ガス
の少なくとも1種のガスを底吹き攪拌することによって
反応させる第3工程と、更に第3工程で得られたスラグ
とSi含有率45%以上のシリコクロムとを、前記と同様の
ガスを底吹き攪拌することによって反応させ、最終スラ
グ中の酸化クロム含有率を1%以下とする第4工程を含
む方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低炭素フェロクロムの
製造方法であって、クロム鉱石と生石灰の混合物を溶融
した後、取鍋による還元精練を行う方法の改良に関する
もので、特に低電力原単位、高クロム収率で、かつ不純
物の低い低炭素フェロクロムを有利に製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】低炭素フェロクロムの製造方法には、ア
ルミノテルミット法、真空脱炭法及びシリサイド法等が
あるが、工業的にはシリサイド法が広く用いられてい
る。シリサイド法は、炭素を下げるためにシリコン含有
率の高い鉄ークロム合金、即ちシリコクロムを製造した
後、シリコクロム中のシリコンでクロム鉱石中の酸化ク
ロム及び酸化鉄を還元する方法である。この方法には、
更に前記還元精練を電気炉内部で行うスエーデン法と取
鍋で行うペラン法があり、最近はペラン法若しくはその
改良法が広く用いられている。
【0003】出願人は、先に低炭素フェロクロムの製造
法としてペラン法を改良した方法を提案した(特公昭49
-15323号公報)。この発明は、クロム鉱石と生石灰との
混合原料をロータリーキルンで900℃以上に加熱して混
合原料中のCO2 含有率を0.1%以下とする第1工程と、
第1工程で得た焼成原料の30〜60部を電気炉で溶融する
第2工程と、第2工程で得られた溶融スラグに対し、第
1工程で得た焼成原料の残り70〜40部とシリコクロムを
理論所要量の80%以上を溶湯で、残部を冷材で添加反応
せしめる第3工程からなるものである。
【0004】前記発明は、ペラン法と比較すると工程が
短く操作が簡単であること、クロム鉱石と生石灰とを予
熱し、かつその半量を電気炉で溶融し、残り半量は焼成
原料のまま添加させることにより電力消費が極めて少な
いという特徴をもつものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の方法で
は、なお省エネルギー的、省資源的には充分ではない。
即ち、前記の方法は、シリコンと酸化クロム及び酸化鉄
との反応による発熱を有効に利用して焼成原料を出来る
だけ多く添加し、溶解、反応させることが基本である
が、その反応を進めるための攪拌方法として従来2個の
取鍋によるレードリング法を用いている。しかし、レー
ドリング法は、熱放散が比較的大きいこと、また時間が
かかることによって熱効率の面で問題があった。
【0006】更に、前記の方法におけるクロム収率は約
87%、最終スラグの酸化クロム含有率は3〜7%である
が、省資源の面から見れば、クロム収率のより以上の向
上が望ましく、またスラグの有効利用を考えれば、酸化
クロム含有率を出来るだけ低くすることが重要な問題で
ある。本発明は、前述先行発明を更に改良するため研究
の結果、省エネルギー及び省資源的に優れた低炭素フェ
ロクロムの製造方法を達成したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、 a)クロム鉱石に対して、生石灰をスラグのCaO/SiO2が1.
5〜2.1となるように配合した混合原料を燃焼気流中で転
動させながら900℃以上に加熱して焼成原料を得る第1
工程、 b)前記焼成原料を電気炉で溶融する第2工程、 c)次いで、ガスの底吹き装置を有する反応容器に、前記
第2工程の溶融原料、Si含有量40%以上のシリコクロム
及び第2工程の溶融原料に対して0.2〜1.4倍量の前記第
1工程の焼成原料を装入し、Ar,CO2,CO,O2,N2,H2O及び
炭化水素ガスから選ばれる少なくとも何れか1種のガス
を底吹きすることにより攪拌して反応させる第3工程、
からなる低炭素フェロクロムの製造方法である。
【0008】また、第2の発明は、 a)クロム鉱石に対して、生石灰をスラグのCaO/SiO2が1.
5〜2.1となるように配合した混合原料を燃焼気流中で転
動させながら900℃以上に加熱して焼成原料を得る第1
工程、 b)前記焼成原料を電気炉で溶融する第2工程、 c)次いで、ガスの底吹き装置を有する反応容器に、前記
第2工程の溶融原料、Si含有量40%以上のシリコクロム
及び第2工程の溶融原料に対して0.2〜1.4倍量の前記第
1工程の焼成原料を装入し、Ar,CO2,CO,O2,N2,H2O及び
炭化水素ガスから選ばれる少なくとも何れか1種のガス
を底吹きすることにより攪拌して反応させる第3工程、 d)前記第3工程で得られたスラグを、ガスの底吹き装置
を有する反応容器に移した後、Si含有率45%以上のシリ
コクロムを装入し、前記と同様のガスを底吹きすること
によって攪拌し、最終スラグ中の酸化クロム含有率を1
%以下とする第4工程、からなる低炭素フェロクロムの
製造方法である。
【0009】
【作用】本発明の作用を以下詳細に説明する。先ず、第
1工程における原料は、クロム鉱石と生石灰を使用する
が、シリサイド法による低炭素フェロクロムの製造にお
いては造滓剤として必ず生石灰を必要とする。これは反
応生成物であるSiO2を更にCaOと結合させて遊離したSiO
2をなくすことにより還元反応を促進させるためであ
る。
【0010】クロム鉱石中の酸化クロム及び酸化鉄とシ
リコクロム中のシリコンとの反応は次の式に従う。 2Cr2O3+3Si=4Cr+3SiO2 (1) 2FeO + Si=2Fe+ SiO2 (2)
【0011】ここで生成したSiO2は、次の式で生石灰(C
aO)と反応し、スラグを形成する。 CaO+SiO2=CaO・SiO2 (3) 2CaO+SiO2=2CaO・SiO2 (4) 前記(3)式、(4)式のようにスラグが形成されると、(1)
及び(2)式における遊離のSiO2がなくなるため、(1)及び
(2)式の反応は左から右に進行するのである。
【0012】生石灰の必要量は、上述のことからスラグ
のCaO/SiO2比で表すことが行われており、例えば従来の
方法ではスエーデン法の場合1.1〜1.3、ペラン法では1.
2〜1.4程度としている。上式に従うとすると、(3)式の
場合は0.93、(4)式の場合は1.86であるから、ほぼ中間
程度の量としている。
【0013】本発明では、CaO/SiO2を1.5〜2.1の範囲
内、即ち(4)式の近辺とした。これはCaO/SiO2の高い方
が、高融点スラグであり、高温が保持できることから還
元反応が速やかに進行し、スラグ中の酸化クロム含有率
を低くできること、またそれに伴ってスラグの有効利用
を考慮したものである。
【0014】茲に、CaO/SiO2が1.5未満では高温度の保
持が難しく、かつスラグ中の酸化クロムが低下しきれな
い。また、2.1を超えると遊離のCaOが多くなり、スラグ
の融点が高くなり過ぎ、かつ全体のスラグ量が多くな
り、クロム収率が逆に低下する。通常好適に用いられる
CaO/SiO2は1.6〜1.9である。
【0015】クロム鉱石と生石灰との混合原料は、燃焼
気流中で転動させながら900℃以上に加熱して焼成原料
とする。これは加熱することによって炭素分や水分を除
去するほか、安価なエネルギーである程度予熱するため
であり、900℃以下ではその目的が達せられない。
【0016】加熱は通常重油バーナー当の燃焼気流中で
行う。また、静止状態で加熱すると焼結する等の欠点が
生ずるため動転させながら加熱する。そのためには、通
常のロータリーキルンが好適である。
【0017】次に、第2工程では、前記焼成原料を電気
炉に装入して溶融する。電気炉は、焼成原料が溶融した
後取鍋に移し易いことから、傾動型の電気炉が良い。ま
た、電気炉に装入するときの焼成原料の温度は特に限定
しない。しかし、その温度の高い方が溶融電力が少なく
なるので、焼成原料の温度が低下する前に電気炉に装
入、溶融することが望ましい。
【0018】本発明の最も特徴とするところは、第2工
程で得た溶融原料、第1工程で得た焼成原料及びシリコ
クロムを混合して反応させる還元、脱珪方法(第3工
程)にある。
【0019】まず、第3工程で還元、脱珪を行う反応容
器は、ガスの底吹き装置を有するものを使用する。前記
反応容器に、第2工程で得た溶融原料を受け、これにシ
リコクロムを添加して反応させ、更に第1工程で得た焼
成原料を投入して溶解、反応させる。その間、反応容器
の底から適当量のガスを吹き込んで攪拌する。
【0020】第2工程で得た溶融原料にシリコクロムを
添加すると、前記(1)〜(4)式の反応が生ずる。これらの
反応は全体として大きな発熱を生ずるので反応容器内の
溶湯全体の温度が上昇する。ここで、第1工程の焼成原
料を添加し、上記発熱を利用して溶解せしめ、同時に反
応させるというものである。
【0021】従って、本発明においては、溶解電力を用
いていない焼成原料をできるだけ多く加えることが大切
であり、そのためには次に示すようにして熱の利用を効
率よく行う必要がある。
【0022】第3工程の反応容器に添加する各種原料の
内、第2工程の溶融原料は約1900℃程度の高温溶融物で
あり特に問題はない。次に、シリコクロムは、予め別の
電気炉で製造するが、溶湯の状態で加えるのが効果的で
ある。冷却、破砕したものでもよいが、焼成原料の添加
量はかなり減少する。また、シリコクロムのシリコン含
有率は40%以上が良い。40%未満では反応が遅くなって
くるため発熱も緩やかなものとなり、焼成原料の添加量
が減少する。
【0023】次に、焼成原料は、ロータリーキルン等で
加熱したものを、加熱状態のまま使用するのが良い。冷
却したものでも使用できるが、当然添加量は減少する。
焼成原料の添加量について本発明者等が詳細に研究した
結果、操業規模の大小によってもかなり異なるが、通常
の工業的規模(生成する低炭素フェロクロムとして1ト
ン以上)で行う場合次の通りである。
【0024】即ち、溶融原料1に対して、シリコクロム
溶湯を用いた場合は焼成原料の添加量が0.6〜1.4の範囲
内、またシリコクロムの破砕品を用いた場合は0.2〜0.6
程度であった。
【0025】反応をスムースに進めるためには、各原料
添加と共に強制的に攪拌する必要がある。しかし、内容
物が約2000℃若しくはそれ以上の高温溶湯であることか
ら、攪拌方法が熱効率に大きく影響する。このような高
温溶湯の攪拌方法として従来2個の取鍋によるレードリ
ング法が用いられている。
【0026】本発明者等は、上記レードリング法に加え
て適用可能な種々の攪拌方法について詳細に検討した。
その結果、溶湯中へのガスの吹き込みによる攪拌が熱効
率の面で有効であることが判った。更に、ガス吹き込み
方法として、ランスパイプを溶湯中に挿入して吹き込む
方法や反応容器の底に取付けたガス吹き込み装置から吹
き込む方法についてテストした結果、後者の底吹き方法
が最も良好であり、特に従来のレードリング法に比較す
ると格段の効果が認められた。
【0027】本発明のような高温溶湯の取扱いの場合、
取扱い容器(反応容器)のライニングが重要であるが、
その材料について従来多くの材料がテストされ、現在低
炭素フェロクロムの場合は一般にマグネシア系耐火材料
が用いられている。実操業においてライニングが損傷す
る原因は、高温であることによる溶損もあるが、スラグ
による浸食が大きいことが知られている。
【0028】ガス吹き方法として、ランスパイプを溶湯
中に挿入する方法は、ランスパイプがスラグ層を通して
挿入されるため、上記理由によってその損傷が激しく実
用に耐えられない。一方、底吹き法は、ガス吹き装置が
反応容器の底に設置されているのでスラグとの接触が殆
どないため損傷が少なく、充分実用可能であり、更に溶
湯全体が攪拌できるため、ランスパイプに比較して攪拌
効果が良好である。
【0029】使用するガスは、低炭素フェロクロムの品
質に影響を与えないものであれば良いが、Ar,CO2,CO,
O2,N2,H2O及び炭化水素ガスの何れかを単独で又は混合
して用いることができ、なかでもArガスが好適である。
ガスの吹き込み圧力及び流量は、操業規模によって異な
るので、予備テストを行って攪拌状態を観察し、最も良
い条件を設定することが大切である。
【0030】ガス吹き攪拌は、反応容器に第2工程の溶
融原料を受けたときから反応が終了するまで行う。通常
の工業的規模で行う場合、おおよそ10〜30分である。反
応終了後、スラグを除去し、生成した低炭素フェロクロ
ムを鋳造する。
【0031】本発明は、以上述べたように熱効率が非常
に良いため、更にスラグからのクロムの回収を行うこと
ができる。第3工程において生成するスラグは酸化クロ
ムを少なくとも2%以上、通常3〜7%程度含有してい
る。これは低炭素フェロクロムのSi含有率を1.0%以下
(JIS規格)とするために、スラグ中の酸化クロムをそ
れ以下に下げることが不可能なことによる。
【0032】しかし、底吹き攪拌が非常に熱効率が良い
ため、反応終了後の溶湯温度があまり低下していないこ
とを利用して第3工程で生成するスラグからクロムを回
収、除去することができる。
【0033】即ち、第2の発明は、第3工程で生成した
スラグを除去する際に、第4工程として、そのスラグを
底吹き装置を有する第2の反応容器に移し、これにシリ
コクロム溶湯を添加し、かつ前述した方法と同様の方法
でガス吹きを行う。このときのシリコクロムのSi含有率
はできるだけ高い方が良い。このときの底吹き攪拌は、
10分前後で充分である。
【0034】前記第4工程で生成する最終スラグ中の酸
化クロム含有率は1%以下となり、またシリコクロム中
のSi含有率は3〜5%低下する。その結果として全体のク
ロム収率は92〜95%となる。
【0035】更に、第4工程で生成するシリコクロム溶
湯は、Si含有率が最大5%低下するだけであるため、そ
のまま第3工程で使用するシリコクロム溶湯として使用
することができる。このように使用するためには、第3
工程で使用するシリコクロム中のSi含有率が40%以上を
必要とすることから、第4工程で使用するシリコクロム
は45%以上とする必要がある。
【0036】次に、第4工程で生成する最終スラグは、
全アルカリ分が高く、珪酸含有量が適切であることか
ら、農業用肥料として利用することができる。従って、
第2の発明によれば産業廃棄物がないという利点があ
る。
【0037】更に、本発明で製造した低炭素エロクロム
は、クロム鉱石と生石灰を予め加熱処理するためC含有
率が非常に低く、かつ安定しており、また最近問題とさ
れてきているガス成分、例えば水素、酸素、窒素含有率
については、吹き込みガスの種類を適宜選択することに
よって低くすることができるので、不純物の少ない高品
質の製品を製造することができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例を参照して具体的に説
明する。 実施例1 クロム鉱石と生石灰を1:0.74の割合で配合した後、ロー
タリーキルンで連続的に焼成した(第1工程)。焼成温
度は約1,200℃である。使用したクロム鉱石、生石灰及
び焼成原料の組成の一例を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】次に、前工程で得た焼成原料を、三相交流
傾動式電気炉に加熱状態のまま(約1,000℃)投入して
溶融した(第2工程)。ここで得られる溶融原料は、溶
融前とほぼ同じ組成である。
【0041】第3工程で使用する反応容器は、通常の取
鍋の底部を改造し、ガス吹き装置を取付けたものを使用
した。該取鍋に、第2工程で得た溶融原料を受け、ガス
を吹き込みながらシリコクロム溶湯及び第1工程で得た
焼成原料を徐々に添加した。全原料の添加が終了してか
ら、更に所定の時間、ガスの底吹き攪拌を続けた。
【0042】このときのガス圧力は、1.0〜3.0Kg/cm2
ガス流量は50〜400リットル/min.の間で調整し、最初は強く
して原料添加が終了した時点で一定の攪拌状態が得られ
るようにした。所定の時間攪拌を行った後、ガス吹き込
みを中止し、生成した低炭素フェロクロムを鋳造した。
【0043】第3工程における溶融原料に対する焼成原
料の混合比、シリコクロム溶湯のSi含有率、ガスの種類
及びガス吹き時間並びに得られた低炭素フェロクロム及
びスラグの組成を表2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】尚、表2中に比較例として本発明の第3工
程の溶湯攪拌方法に、レードリング法を用いた場合の結
果を併記した。この結果から本発明のガス底吹き攪拌が
従来のレードリング法に比較して焼成原料の添加を多く
できることが判る。
【0046】実施例2 実施例1中の第3工程で得たスラグを、続いて別の底吹
き装置を有する取鍋に移し、これに実施例1と同様にし
てガスを吹き込みながら、シリコクロム溶湯を添加し
た。ガスの吹き込みは5〜10分間行った(第4工程)。
結果を表3に示した。尚、表3中のNo.は実施例1のNo.
4〜8について行ったことを示すものである。
【0047】
【表3】
【0048】この処理によって得られる最終スラグは、
酸化クロム含有率が低いこととCaO及びSiO2含有率が適
当であることにより、農業用肥料の規格に合うものとな
っている。従って、例えば、水砕によって粒状にすると
かの適当な冷却手段を用いて形状を整え、肥料として利
用できる。
【0049】また、処理後のシリコクロムは、実操業に
おいては、溶湯のまま保持して次の操業の第3工程に用
いるシリコクロムとして活用する。このようにすること
によって回収されたクロム分は全て低炭素フェロクロム
となるため、クロム収率と電力原単位(KWH/tー低炭素フ
ェロクロム)が大幅に向上する。第1の発明、第2の発
明及び比較例におけるクロム収率及び電力原単位を表4
に示した。
【0050】
【表4】
【0051】
【発明の効果】以上の如く、本発明はクロム鉱石に配合
する生石灰を高塩基度(CaO/SiO2=1.5〜2.1)とするこ
と、第3工程で添加するシリコクロム中のSi含有率を40
%以上とすること、かつ攪拌方法をガスの底吹き攪拌を
用いることによって、第3工程における還元精練反応時
に高温度が保持できるためクロム収率が良くなり、かつ
焼成原料の添加量が大幅に増加するため電力消費が少な
くなる。
【0052】更に、第4工程として、第3工程で得たス
ラグにSi含有率45%以上のシリコクロムを添加してガス
底吹き攪拌を行うことにより、最終スラグの酸化クロム
含有率を1.0%以下とすることができ、他方処理後のシ
リコクロムは第3工程に循環して使用できるので、これ
ら第1工程から第4工程の効果が相乗されることによっ
て、より一層のクロム収率の向上と、電力消費の低減が
図られる。更に、その上、最終スラグは、珪酸石灰肥料
として利用することができるので産業廃棄物の発生もな
いという優れた効果もある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム鉱石に対して、生石灰をスラグの
    CaO/SiO2が1.5〜2.1となるように配合した混合原料を燃
    焼気流中で転動させながら900℃以上に加熱して焼成原
    料を得る第1工程、前記焼成原料を電気炉で溶融する第
    2工程、次いで、ガスの底吹き装置を有する反応容器
    に、前記第2工程の溶融原料、Si含有量40%以上のシリ
    コクロム及び第2工程の溶融原料に対して0.2〜1.4倍量
    の前記第1工程の焼成原料を装入し、Ar,CO2,CO,O2,N2,H
    2O及び炭化水素ガスから選ばれる少なくとも何れか1種
    のガスを底吹きすることにより攪拌して反応させる第3
    工程からなることを特徴とする低炭素フェロクロムの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 クロム鉱石に対して、生石灰をスラグの
    CaO/SiO2が1.5〜2.1となるように配合した混合原料を燃
    焼気流中で転動させながら900℃以上に加熱して焼成原
    料を得る第1工程、前記焼成原料を電気炉で溶融する第
    2工程、次いで、ガスの底吹き装置を有する反応容器
    に、前記第2工程の溶融原料、Si含有量40%以上のシリ
    コクロム及び第2工程の溶融原料に対して0.2〜1.4倍量
    の前記第1工程の焼成原料を装入し、Ar,CO2,CO,O2,N2,H
    2O及び炭化水素ガスから選ばれる少なくとも何れか1種
    のガスを底吹きすることにより攪拌して反応させる第3
    工程、前記第3工程で得られたスラグを、ガスの底吹き
    装置を有する反応容器に移した後、Si含有率45%以上の
    シリコクロムを装入し、前記と同様のガスを底吹きする
    ことによって攪拌し、最終スラグ中の酸化クロム含有率
    を1%以下とする第4工程からなることを特徴とする低
    炭素フェロクロムの製造方法。
JP2336893A 1993-01-18 1993-01-18 低炭素フェロクロムの製造方法 Pending JPH06212343A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022149577A1 (ja) * 2021-01-08 2022-07-14 Jfeミネラル株式会社 低炭素フェロクロムの製造方法

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WO2022149577A1 (ja) * 2021-01-08 2022-07-14 Jfeミネラル株式会社 低炭素フェロクロムの製造方法

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