JPH06211591A - 単結晶体の製造方法及びその装置 - Google Patents

単結晶体の製造方法及びその装置

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JPH06211591A
JPH06211591A JP5000340A JP34093A JPH06211591A JP H06211591 A JPH06211591 A JP H06211591A JP 5000340 A JP5000340 A JP 5000340A JP 34093 A JP34093 A JP 34093A JP H06211591 A JPH06211591 A JP H06211591A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単結晶体の酸素析出量が場所によらず均一と
なるようにすること。 【構成】 加熱制御装置40から供給される電力によ
り発熱する環状の環状加熱ヒータ30を、電極を兼ねた
支持部材31によって支持して、融液の固液界面から所
定距離離れたかつ引き上げられる単結晶体Sの外周面近
傍となる位置に当該単結晶体Sを取り囲むように配置
し、単結晶体Sが所定の距離引き上げられるまでは環状
加熱ヒータ30に所定の電力を供給して引き上げられる
単結晶体Sの外周面を徐冷し、その後は、環状加熱ヒー
タ30への供給電力を低減して単結晶体Sの外周面の冷
却を促進させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体回路製造用の単
結晶基板の材料となる単結晶体の製造方法及びその装置
にかかるものであり、特に、単結晶体の酸素析出量が場
所によらず均一となるようにした単結晶体の製造方法及
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造の分野においては、従来から
シリコン単結晶の成長方法としてチョクラルスキー法が
一般的に使用されている。この方法を用いた装置の一例
としては、例えば、図4(特開昭63−319293号
公報)及び図5(特開昭64−65086号公報)に示
したような装置が例示できる。
【0003】図4に示す装置1は、主にシリコン溶融の
ための構造体が収容される加熱チャンバ2aと引き上げ
られるシリコン結晶体Sを収納する引き上げチャンバ2
bとからなるチャンバ2を有し、加熱チャンバ2a内に
は、るつぼ5と、このるつぼ5の主に側面部を取り囲む
ように配置された加熱ヒータ6とが設けられている。る
つぼ5にはこの加熱ヒータ6によって溶融されたシリコ
ンが収容される。このるつぼ5は、図示されていない駆
動装置と回転軸4によって接続され、この駆動装置によ
って所定の速度で回転される。通常、るつぼ5は、石英
るつぼ5aとこれを保護する黒鉛製るつぼ5bとから構
成されている。
【0004】一方、引き上げチャンバ2b内には、頂壁
を挿通して垂下された引き上げワイヤ7が設けられ、こ
の引き上げワイヤ7の下端には種結晶8を保持するチャ
ック9が設けられている。この引き上げワイヤ7の上端
側は、ワイヤ巻上機10に巻回されており、シリコン結
晶体Sを所定の速度で引き上げるようになっている。な
お、図示されている加熱ヒータ6の加熱チャンバ2a側
には断熱部材11が設けられているが、これは、加熱ヒ
ータ6からの熱が加熱チャンバ2a外部に逃げるのを防
止するためである。
【0005】チャンバ2内には、引き上げチャンバ2b
に形成されたガス導入口12からアルゴンガスが導入さ
れ、図示されているように加熱チャンバ2a内をまんべ
んなく流通してガス流出口13から排出される。このよ
うにアルゴンガスを流通させるのは、シリコンの溶融に
伴ってチャンバ2内に発生する炭酸ガスをシリコン融液
内に混入させないようにするためである。引き上げチャ
ンバ2bには、引き上げられるシリコン結晶体の上側
(温度は1000℃未満)の部分は急冷する一方、シリ
コン融液の固液界面付近(温度は1000℃以上)の部
分は徐冷されるように機能する冷却制御部材14が取り
付けられている。この冷却制御部材14の引き上げチャ
ンバ2bに接する部分では、シリコン結晶体の冷却が促
進されるような構成とされており、引き上げチャンバ2
b内に円錘状に伸延する部分では、溶融しているシリコ
ンからの輻射熱をシリコン結晶体S側に反射させる構成
とされている。この冷却制御部材14の作用によって、
成長するシリコン単結晶体の温度履歴を均一化し、シリ
コン結晶体の熱履歴を理想に近付け、特に、シリコン結
晶体内の酸素析出量を低減できるようにしてある。
【0006】図5に示す構成の装置も図4に示したもの
と同様に、ガス流れを改善してシリコン結晶体Sに理想
的な熱履歴を与えるようにしたものである。この図に示
す構成のほとんどの部分は図4に示したものと同様であ
るので、これらと同一の部材には同一の符号を付してあ
る。図4に示した装置の構成と唯一異なるのは、加熱チ
ャンバ2aから固液界面近傍まで伸延する円筒15が取
り付けられ、この先端に逆円錘状のカラー16が取り付
けられていることである。
【0007】この円筒15の存在によって、ガス導入口
12から供給されるアルゴンガスは必ず円筒15内を通
過して固液界面からチャンバ2内に導入されることにな
り、シリコン結晶体Sのトップ側が急冷されることにな
る。また、カラー16は溶融しているシリコンや加熱ヒ
ータ6からの輻射熱を遮断するものであり、これによっ
て引き上げ中のシリコン結晶体Sの熱履歴を広範囲に調
整することができるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
理想的な熱履歴が得られるようにした従来の単結晶体の
製造装置にあっては、熱履歴の制御が加熱ヒータ6やシ
リコン融液等からの輻射熱を単に利用するものであるの
で、熱履歴の制御はある程度の限界が生じてしまう。し
たがって、酸素析出量は確かに抑制されるものの、その
効果は十分ではなく、集積回路製造プロセスでの歩留り
が下がるのを完全には防止できなかった。また、集積回
路製造プロセスでの歩留りとよく対応すると言われてい
る酸化膜耐圧という品質指標を調べてみると、従来方法
よりは多少良いものの大きな改善は見られなかった。
【0009】さらに、図4に示した装置によって製造さ
れた単結晶体の酸素析出量を調べると、図6に示されて
いるように、結晶のトップ側とボトム側とでは酸素析出
量が不均一となっているのが判る。酸素析出量が不均一
であると、このようにして作られたシリコン単結晶を用
いて半導体集積回路を製造した際の歩留りが低下してし
まうという問題があった。これを防止するために従来
は、シリコン単結晶長さを短く制限して、結晶が出来上
がった時点で、上部チャンバ2cに結晶が頭を突っ込ま
ないようにし、酸素析出量を少なく抑え、かつ均一に保
つということが行なわれてきた。
【0010】しかし、この方法では、ウエーハに加工で
きるストレート部が短くなってしまい、頭部と尾部の比
率が高くなり、これでは歩留りの低下をきたすのみなら
ず、生産能率も悪いという問題点があった。
【0011】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
て成されたものであり、固液界面から所定距離離れた位
置に設置した加熱ヒータにより単結晶体の温度を積極的
に調整することによって理想的な熱履歴を実現すると共
に酸素析出量が均一な単結晶体の製造方法及びその装置
の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、るつぼ内で溶融する融液に種結晶を接触さ
せ、この種結晶を徐々に引き上げることで単結晶体を成
長させる単結晶体の製造方法において、外部から供給さ
れる電力により発熱する環状のヒータを、電極を兼ねた
支持部材によって支持して、前記融液の固液界面から所
定距離離れたかつ引き上げられる単結晶体の外周面近傍
となる位置に当該単結晶体を取り囲むように配置し、前
記ヒータに所定の電力を供給して当該引き上げられる単
結晶体の外周面を徐冷するようにしたことを特徴とする
ものである。
【0013】また、るつぼ内で溶融する融液に種結晶を
接触させ、この種結晶を徐々に引き上げることで単結晶
体を成長させる単結晶体の製造方法において、外部から
供給される電力により発熱する環状のヒータを、電極を
兼ねた支持部材によって支持して、前記融液の固液界面
から所定距離離れたかつ引き上げられる単結晶体の外周
面近傍となる位置に当該単結晶体を取り囲むように配置
し、前記単結晶体が所定の距離引き上げられるまでは前
記ヒータに所定の電力を供給して当該引き上げられる単
結晶体の外周面を徐冷し、その後は、前記ヒータへの供
給電力を低減して前記単結晶体の外周面の冷却を促進さ
せるようにしたことを特徴とするものである。
【0014】さらに、るつぼ内で溶融する融液から単結
晶体を引上げ成長させる単結晶体の製造装置において、
前記融液の固液界面から所定距離離れたかつ引き上げら
れる単結晶体の外周面近傍となる位置に当該単結晶体を
取り囲むように配置され、電極を兼ねた支持部材によっ
て支持される加熱手段と、当該加熱手段からの発熱量を
前記単結晶体の引き上げ距離に応じて調整可能に構成さ
れた発熱量調整手段とを有することを特徴とするもので
ある。
【0015】
【作用】上記のようなプロセスで製造されると、徐々に
冷却したほうが品質の関係上好ましいと思われる単結晶
体の部分はヒータによって適当に加熱され、また、急激
に冷却したほうが品質の関係上好ましいと思われる部分
については急冷されることになり、さらに、その加熱の
程度も単結晶体の部分によって異ならしめているので、
熱履歴を理想的なものに近付けることができるようにな
り、品質の非常に優れた単結晶体を製造することができ
るようになる。
【0016】また、上記したような構成とすることによ
って、加熱手段の発熱量は発熱量調整手段によって単結
晶体の引き上げ距離に応じて調整することができるよう
になる。この調整を単結晶体の引き上げに応じて最適に
することによって、非常に理想的な熱履歴を実現させる
ことができるようになる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明にかかる単結晶体の製造装
置の概略の構成図であり、図2は、図1に示す装置に設
けられている加熱ヒータの詳細な図である。
【0018】この単結晶体の製造装置1は、シリコンを
溶融するための部材や結晶化したシリコンを引き上げる
機構などを有しており、シリコン溶融のための部材は加
熱チャンバ2a内に収容され、シリコン単結晶を引き上
げる機構は、この加熱チャンバ2aから分離機構20に
よって分離可能とされた引き上げチャンバ2b内外に設
けられている。
【0019】加熱チャンバ2a内には、溶融しているシ
リコンを収容するるつぼ5が設けられ、このるつぼ5は
駆動装置22に回転軸4によって回転,昇降自在に支持
されている。駆動装置22は、シリコン単結晶Sの引き
上げに伴う液面低下を補償すべくるつぼ5を液面低下分
だけ上昇させ、また、シリコン融液の撹拌を行なうため
にるつぼ5を常時所定の回転数で回転させる。回転軸4
は加熱チャンバ2aを貫通しているが、チャンバ内外の
気密を保持し、また極めて悪い温度条件の下での使用と
なるために、特殊なベアリング23で保持してある。る
つぼ5は、従来と同様に石英るつぼ5aとこれを保護す
る黒鉛製るつぼ5bとから構成されている。
【0020】るつぼ5の側壁部分には、シリコンを溶融
させる加熱ヒータ6がその周囲を取り囲むように配置さ
れている。この加熱ヒータ6の外側には、この加熱ヒー
タ6からの熱が加熱チャンバ2aに直接輻射されるのを
防止する断熱部材11がその周囲を取り囲むように設け
られている。なお、加熱ヒータ6と断熱部材11とは支
持台24に取り付けられている。この支持台24は熱抵
抗率の非常に大きな材料を用いて製造されているもので
ある。
【0021】引き上げチャンバ2bには、ワイヤ巻上機
10に一端が取り付けられ、この引き上げチャンバ2b
の頂壁を挿通して垂れ下げられた引き上げワイヤ7が設
けられ、この引き上げワイヤ7の下端には、種結晶8を
保持するチャック9が取り付けられている。ワイヤ巻上
機10は種結晶8の下端側に徐々に成長するシリコン単
結晶体Sをその成長速度等にしたがって引き上げ、同時
に、るつぼ5の回転方向とは反対に常時回転させる。
【0022】チャンバ2内には、引き上げチャンバ2b
に形成されたガス導入口12からアルゴンガスが導入さ
れ、加熱チャンバ2a内をまんべんなく流通してガス流
出口13から排出される。このようにアルゴンガスを流
通させるのは、シリコンの溶融に伴ってチャンバ2内に
発生するSiOガスをシリコン融液内に混入させないよ
うにするためである。
【0023】また、引き上げチャンバ2bにはるつぼ5
の固液界面に向けて伸延する黒鉛製の円筒25が設けら
れ、この円筒25によって加熱チャンバ2aからの輻射
熱が遮断され、シリコン結晶体Sのトップ部の急冷を可
能としている。
【0024】この円筒25の下端部とシリコン溶融液面
との間には、加熱手段として機能する環状の加熱ヒータ
30が設けてある。これを配置する位置は引き上げられ
るシリコン単結晶体Sの温度が900℃から1100℃
を呈する部分となるような位置が最適である。シリコン
融液面からどの程度の距離をおいて配置するか、また、
加熱ヒータの容量をどの程度にするかは、個々の装置に
よってシリコン単結晶体に対して最適の熱履歴が得られ
るように適宜決定する。この環状加熱ヒータ30は電極
を兼ねた支持部材31によって引き上げチャンバ2bに
取り付けられている。この環状加熱ヒータ31には加熱
制御装置40から電力が供給されるようになっている
が、この加熱制御装置40は要求に応じてその供給電力
を可変できるように構成してある。なお、加熱制御装置
40は、発熱量調整手段として機能するものである。
【0025】図2は、環状加熱ヒータ30の具体的な構
成を示した図である。図示されているように、この環状
加熱ヒータ30は環状型のものであり、この内部を引き
上げられるシリコン単結晶体Sの外周面を加熱するもの
である。この環状加熱ヒータ30は、電極を兼ねた一対
の支持部材にボルトなどの手段によって引き上げチャン
バ2bに取り付けられている。環状加熱ヒータ30及び
支持部材31は高融点の金属又は炭素を用いて形成す
る。一対の電極は例えば引き上げチャンバ2bから外部
に引き出され、加熱制御装置40に接続される。
【0026】次に、以上のように構成されている本発明
の装置の作用と、この装置によって実現される本発明の
方法とを詳細に説明する。
【0027】まず、シリコン単結晶体を製造するにあた
って、分離機構20により引き上げチャンバ2bを加熱
チャンバ2aから分離し、るつぼ5に原料となるシリコ
ン粗結晶体と非常に微量の不純物を投入して、分離機構
20により引き上げチャンバ2bを加熱チャンバ2aに
取り付ける。この状態で環状加熱ヒータ6を加熱してる
つぼ5内のシリコンが溶融されるのを待つ。このシリコ
ンが溶融状態となったら、ワイヤ巻上機10を作動させ
て引き上げワイヤ7を下ろし、チャック9に取り付けら
れた種結晶がシリコン融液表面に接するようにする。こ
の状態で、種結晶にシリコンの結晶が成長し始めると、
今度はワイヤ巻上機10を所定の速度で引き上げて図1
に示すようにシリコン結晶体Sを成長させて行く。この
引き上げに伴って、加熱手段として機能する環状の環状
加熱ヒータ30を作動させる。この環状加熱ヒータ30
には加熱制御装置40から電力が供給されるが、引き上
げ開始から所定距離引き上げられるまでは約7Kw程度
の電力が供給されて、環状加熱ヒータ30は比較的高温
に保たれる。これによって、引き上げられつつあるシリ
コン単結晶体Sの急冷状態を徐冷状態にする。
【0028】環状加熱ヒータ30への電力供給の変化状
態は図3に示してある。図3に示す通り、環状加熱ヒー
タ30への電力の供給は、概ねインゴットのトップ側が
環状加熱ヒータの中を通り抜ける最中には高めに設定
し、それ以外のときには低めに設定する。その理由は次
の通りである。
【0029】インゴットのトップ側は上部チャンバ2c
の中で十分ゆっくりと冷却される。一方、1100℃以
上の高温域では、多くの欠陥核が形成されており、上部
チャンバ2cの中で十分ゆっくり冷却される最中にこの
欠陥核に酸素が拡散凝集し、多くの酸素析出核が形成さ
れる。そのために酸素析出量が多くなる。しかるに、1
100℃から900℃の範囲では、上記1100℃以上
の高温域で形成された欠陥核が消滅する現象が起こる。
したがって、この温度に相当する部位を環状加熱ヒータ
30により加熱すると、欠陥核が消滅し、上部チャンバ
2cの中でゆっくり冷却されても、酸素析出量は多くな
らない。
【0030】さらに、円筒25内では、ガス導入口12
からのアルゴンガスが下方向に流れているので、110
0℃から900℃以外の温度域は急速に冷却を受けるこ
とになる。そのため、酸素の拡散凝集と酸素析出核との
形成をより完全に抑制することができ、結果として、集
積回路製造プロセスでの歩留りを低下させる因子の発生
を根絶できるという効果をもたらす。
【0031】一方、インゴットのボトム側は、結晶尾部
形成後、速やかに上部チャンバ2cに巻上げられるの
で、急速冷却を受けることになる。そのため、酸素の拡
散凝集と酸素析出核とが形成され難く、酸素析出量が少
なくなる傾向にある。したがって、1100℃から90
0℃の範囲を徐々に冷やすという度合いもインゴットの
トップ側に比較して暖めたほうが良い。したがって、環
状加熱ヒータ30に供給する電力を低めに設定するので
ある。なお、1100℃から900℃以外を急冷する効
果はインゴットのトップ側と同様に説明される。
【0032】このように本発明によれば、加熱すべき部
位と冷却すべき部位とをメリハリ良く区分することがで
き、かつインゴットのトップ側とボトム側といった部位
別にそれぞれにマッチした加熱,冷却の制御ができるの
で、従来技術では不可能であった高品質でしかも酸素析
出量を厳密にコントロールしたシリコン単結晶を能率良
く生産できるようになる。
【0033】これを裏づけるために、本実施例の装置及
び方法に基づいて製造された単結晶体の酸素析出量及び
OSF及び酸化膜耐圧を従来技術と比較する実験を行な
った。
【0034】この実験においては、環状加熱ヒータ30
をシリコン融液面から200〜300mm付近に配置さ
せ、単結晶体の900℃付近が徐冷されるようにした。
また、比較する単結晶体は、図4に示す装置を用いて製
造したものである。
【0035】OSFについては、1100℃ウエット酸
素雰囲気中で60分熱処理した後のエッチピットの面積
密度で評価した。酸化膜耐圧は、ウエーハ上にポリシリ
MOSダイオードを形成し、これに電圧をかけていった
ときの酸化膜の絶縁破壊特性を調べ、その平均耐圧を以
て酸化膜耐圧とした。
【0036】
【表1】
【0037】以上の結果からわかるように、本発明の装
置を用いて本発明の方法を実施すると単結晶体の全ての
部位が上表のように、また、図3にも示されているよう
に、均一な酸素析出量を呈することになる。また、酸化
膜耐圧を向上させることもできる。
【0038】なお、本実施例においては、円筒25を備
えたものを例示したが、均一な酸素析出量の単結晶体を
製造するという目的を達成させるのであれば、この円筒
25は特に設けなくとも良い。環状加熱ヒータ30によ
る徐冷状態が確実に実現されれば、酸素析出量の均一化
は可能だからである。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、単
結晶体の引き上げに際して徐冷が必要な部分を加熱手段
により任意の温度で加熱するようにしたので、引き上げ
られる単結晶体酸化膜耐圧を向上させ、また、酸素析出
量をインゴットの部位に拘らずに均一にすることができ
る。
【0040】また、加熱手段の発熱量は発熱量制御手段
によって任意に調整できるようにしたので、単結晶体の
熱履歴を積極的に調整することができるようになる。
【0041】さらに、本発明の適切な利用によって単結
晶体の長さに拘らずに均一な品質のものを製造すること
ができるようになるので、連続フィードのような長い結
晶を作る引き上げ法には非常に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の単結晶体の製造装置の概略構成図
である。
【図2】は、図1に示した環状加熱ヒータの詳細図であ
る。
【図3】は、本発明の効果の説明に供する図である。
【図4】は、従来の単結晶体の製造装置の概略構成図で
ある。
【図5】は、従来の単結晶体の製造装置の概略構成図で
ある。
【図6】は、従来の装置で製造した単結晶体の酸素析出
量を示す図である。
【符号の説明】
1…単結晶体の製造装置 2…チャンバー 2a…加熱チャンバー 2b…引き上げチャンバー 2c…上部チャンバ 5…るつぼ 6…環状加熱ヒータ 7…引き上げワイヤー 8…種結晶 30…環状加熱ヒータ(加熱手段) 31…支持部材 40…加熱制御装置(発熱量調整手段) S…シリコン単結晶体(単結晶体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津森 泰生 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 岩崎 俊夫 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】るつぼ内で溶融する融液に種結晶を接触さ
    せ、この種結晶を徐々に引き上げることで単結晶体を成
    長させる単結晶体の製造方法において、 外部から供給される電力により発熱する環状のヒータ
    を、電極を兼ねた支持部材によって支持して、前記融液
    の固液界面から所定距離離れたかつ引き上げられる単結
    晶体の外周面近傍となる位置に当該単結晶体を取り囲む
    ように配置し、 前記ヒータに所定の電力を供給して当該引き上げられる
    単結晶体の外周面を徐冷するようにしたことを特徴とす
    る単結晶体の製造方法。
  2. 【請求項2】るつぼ内で溶融する融液に種結晶を接触さ
    せ、この種結晶を徐々に引き上げることで単結晶体を成
    長させる単結晶体の製造方法において、 外部から供給される電力により発熱する環状のヒータ
    を、電極を兼ねた支持部材によって支持して、前記融液
    の固液界面から所定距離離れたかつ引き上げられる単結
    晶体の外周面近傍となる位置に当該単結晶体を取り囲む
    ように配置し、 前記単結晶体が所定の距離引き上げられるまでは前記ヒ
    ータに所定の電力を供給して当該引き上げられる単結晶
    体の外周面を徐冷し、 その後は、前記ヒータへの供給電力を低減して前記単結
    晶体の外周面の冷却を促進させるようにしたことを特徴
    とする単結晶体の製造方法。
  3. 【請求項3】るつぼ内で溶融する融液から単結晶体を引
    上げ成長させる単結晶体の製造装置において、 前記融液の固液界面から所定距離離れたかつ引き上げら
    れる単結晶体の外周面近傍となる位置に当該単結晶体を
    取り囲むように配置され、電極を兼ねた支持部材によっ
    て支持される加熱手段と、 当該加熱手段からの発熱量を前記単結晶体の引き上げ距
    離に応じて調整可能に構成された発熱量調整手段とを有
    することを特徴とする単結晶体の製造装置。
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Cited By (7)

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