JPH06211551A - セメントクリンカ冷却装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定サイズ以上の大塊セメントクリンカを分
離し、充填層に充填されるセメントクリンカの粒度を均
一としてセメントクリンカの冷却効率を向上させる。 【構成】 ロータリーキルン３の排出下端４と所要の間
隔を隔てた横方向位置に大塊排出ホッパ１３を配設し、
前記排出下端４と大塊排出ホッパ１３との間に排出下端
４側から大塊排出ホッパ１３側に向って下り勾配となる
よう所要の間隔Ａをおいて複数のローラ１６を配設して
大塊分離装置１７を構成し、該大塊分離装置１７の下方
位置における排出下端４側に上部に細粒吹上分離部３６
を備えた粗粒充填層式クーラ１８を配設すると共に、前
記大塊分離装置１７の下方位置における大塊排出ホッパ
１３側に細粒充填層式クーラ１５を配設してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、セメントクリンカ冷却
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図７は従来考えられている、セメントク
リンカ冷却装置の一例を示す概略断面図である。

【０００３】本従来例では、下部に振動フィーダ１を備
えた充填層式クーラ２をロータリーキルン３の排出下端
４に接続して設け、ロータリーキルン３の内部で焼成さ
れロータリーキルン３の排出下端４から落下するセメン
トクリンカ５を前記充填層式クーラ２内に充填し得るよ
う形成している。

【０００４】前記充填層式クーラ２内の内側上部位置に
は、冷却空気供給装置６に接続され、充填層式クーラ２
上部のセメントクリンカ５を流動化させて急冷却するた
めの分配導入部７が架設されている。

【０００５】又、前記充填層式クーラ２の上下方向中間
部外周には、空気吹込リング８が環状に形成されてお
り、該空気吹込リング８は冷却空気供給装置９に接続さ
れた空気供給部１０を有している。前記空気吹込リング
８の空気供給部１０には、周方向複数箇所から充填層式
クーラ２内部に均一に冷却空気１１を分配導入するため
の半径方向に延びた分配導入部１２が接続されている。

【０００６】充填層式クーラ２に落下供給されたセメン
トクリンカ５は、先ず冷却空気供給装置６により分配導
入部７を介して供給される冷却空気１１により充填層式
クーラ２の上部で噴流層となって急冷され、更に冷却空
気供給装置９により空気吹込リング８を介して充填層式
クーラ２の上下方向中間部から均一に分配供給される冷
却空気１１により効率良く冷却され、振動フィーダ１に
より順次充填層式クーラ２から切り出される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、充填層
式クーラ２は層厚を大きくとれることにより、熱回収効
率は優れているが、セメントクリンカ５のように大塊か
ら微粉まで粒度が均一でないものを扱う場合、充填層式
クーラ２内において、偏析によって冷却空気１１が均一
に流れなくなり、吹き抜けを起こす等して冷却ムラが生
じ、冷却効率が著しく低下してしまう問題を有し、又前
記ロータリーキルン３から大塊セメントクリンカ５ａが
供給された場合には充填層式クーラ２からの排出が困難
になると言った問題がある。

【０００８】本発明は、上述の実情に鑑み、所定サイズ
以上の大塊セメントクリンカを分離し得ると共に、充填
層に充填されるセメントクリンカを一定の粒度以下とし
て冷却効率を向上し得るようにしたセメントクリンカ冷
却装置を提供することを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、ロータリーキ
ルンの排出下端と所要の間隔を隔てた横方向位置に大塊
排出ホッパを配設し、前記排出下端と前記大塊排出ホッ
パとの間に前記排出下端側から前記大塊排出ホッパ側に
向って下り勾配となるよう所要の間隔をおいて複数のロ
ーラを配設して大塊分離装置を構成し、該大塊分離装置
の下方位置における前記排出下端側に上部に細粒吹上分
離部を備えた粗粒充填層式クーラを配設すると共に、前
記大塊分離装置の下方位置における前記大塊排出ホッパ
側に細粒充填層式クーラを配設したことを特徴とするセ
メントクリンカ冷却装置に係るものである。

【００１０】

【作用】本発明によると、ロータリーキルンの排出下端
から排出された粒度不均一のセメントクリンカのうち、
大塊は大塊分離装置によって一部が粉砕され、粉砕され
なかった残りの大塊は大塊排出ホッパに導出され、粗粒
及び細粒は大塊分離装置のローラ間から落下し、粗粒は
粗粒充填層式クーラの細粒吹上分離部からの上昇空気流
によって急冷却された後粗粒充填層式クーラにより冷却
され、細粒は前記細粒吹上分離部からの上昇空気流によ
って吹上分離されて細粒充填層式クーラに導かれ、該細
粒充填層式クーラに充填されて冷却される。

【００１１】従って、セメントクリンカの大塊を分離し
て、冷却するセメントクリンカを一定の粒度以下とする
と共に、粗粒と細粒に分けて冷却するようにしているの
で、セメントクリンカの冷却効率が向上する。

【００１２】

【実施例】図１〜図６は、本発明の一実施例であり、
又、図中、図７と同一の構成部分については同一の符号
を付すことによって説明を省略するものとし、以下、本
発明に特有の構成についてのみ説明して行く。

【００１３】図中、１３はロータリーキルン３の排出下
端４から排出されたセメントクリンカ５の大塊セメント
クリンカ５ａを外部に導出する大塊排出ホッパであり、
該大塊排出ホッパ１３は、ロータリーキルン３の排出下
端４からロータリーキルン延設方向に所要の間隔を隔て
た位置に配設され、且つ大塊排出ホッパ１３の開口部１
３ｂの下辺が、前記排出下端４の最も低い高さ位置４ａ
より所要分低い高さ位置１３ａに位置するよう配設され
ている。又、前記開口部１３ｂには回動軸等を介してロ
ータリーキルン延設方向に回動自在な遮蔽板１４が配設
されている。

【００１４】前記排出下端４の最も低い高さ位置４ａと
開口部１３ｂとの間には、ロータリーキルン延設方向と
直交する方向へ水平に延びるローラ１６が所要の間隔Ａ
を隔てて複数（図示の場合は７本）下り勾配に配設され
て大塊分離装置１７が構成されている。尚、各ローラ１
６間の間隔Ａは、後述する粗粒充填層式クーラ１８で要
求されるセメントクリンカ５の粒度に見合ったものとし
ている。

【００１５】前記大塊分離装置１７の各ローラ１６は、
図５及び図６に示すようにケーシング１９の両側に設け
たサポート２０，２１により回転自在に支持された円筒
管状のローラ軸２２と、ケーシング１９の両側壁を貫通
している部分の間のローラ軸２２の外周を被覆した耐火
材２３（例えばセラミック、キャスタブルなど）とによ
り構成し、ローラ軸２２の一方の端部のサポート２０の
外側に被駆動用のスプロケット２４を取り付け、該スプ
ロケット２４に駆動用チェーン２５を介して連結したロ
ーラ回転駆動装置２６により図１に示す矢印ａの方向へ
回転するよう構成してある。

【００１６】又、ローラ回転駆動装置２６側の前記サポ
ート２０は、ローラ軸２２を軸方向に移動しないよう固
定し得る構造とし、反ローラ回転駆動装置２６側の前記
サポート２１はローラ軸２２の軸方向にルーズな構造と
して、熱影響によるローラ１６の軸方向への膨張を吸収
し得るよう構成してある。

【００１７】更に又、ローラ軸２２の反ローラ回転駆動
装置２６側の端部には伸縮自在な冷風ダクト２７を接続
し、該冷風ダクト２７の端末を図示していないダクトに
接続することによって、図示していない冷却ファンから
ローラ軸２２のローラ回転駆動装置２６側の端部に冷却
空気１１を導入して、ローラ軸２２を管内面から冷却す
る冷却機構２８を構成してある。又、冷風ダクト２７側
へ通り抜けた冷却空気１１はバーナの一次空気その他に
利用し得るよう構成してある。尚、２９はケーシング１
９のローラ軸２２貫通部に設けたエアシール機構であ
り、３０は冷風ダクト２７のローラ軸２２接続部に設け
たエアシール機構である。

【００１８】尚、各ローラ１６の間隔Ａは、例えば前記
各サポート２０，２１のローラ１６並設方向の両側に水
平方向に向けた押しボトルを介して調整することができ
るようにしてある。

【００１９】前記大塊分離装置１７の下方における排出
下端４側位置には、図１、図３に示すように、下端に排
出口３１を有するホッパー部３２と、該ホッパー部３２
の上部に連通し、外部に配設した図示しない冷却空気供
給装置からの冷却空気１１を吹出し可能な空気吹込ダク
ト３３を備えた充填層部３４と、該充填層部３４の上部
に設けられ、外部に配設した冷却空気供給装置からの冷
却空気１１を吹出し可能な空気吹込ダクト３５を備えた
細粒吹上分離部３６とからなる粗粒充填層式クーラ１８
が配設されている。

【００２０】更に、前記大塊分離装置１７の下方におけ
る大塊排出ホッパ１３側位置には、図１、図４に示すよ
うに、下端に排出口３７を有するホッパー部３８と、該
ホッパー部３８の上部に連通し、外部に配設した冷却空
気供給装置からの冷却空気１１を吹出し可能な空気吹込
ダクト３９を備えた充填層部４０とからなる細粒充填層
式クーラ１５が配設されている。

【００２１】上記した構成のセメントクリンカ冷却装置
によると、ロータリーキルン３の排出下端４から排出さ
れたセメントクリンカ５の大塊セメントクリンカ５ａは
大塊分離装置１７のローラ１６の回転駆動により一部は
粉砕され、粉砕されなかった残りはローラ１６上を大塊
排出ホッパ１３側へと移動し、遮蔽板１４を押し開いて
大塊排出ホッパ１３内に落下する。

【００２２】前記セメントクリンカ５の粗粒セメントク
リンカ５ｂ及び細粒セメントクリンカ５ｃは、各ローラ
１６の間隔Ａを通過して粗粒充填層式クーラ１８の細粒
吹上分離部３６へと落下し、該細粒吹上分離部３６にお
いて空気吹込ダクト３５からの冷却空気１１によって急
冷却され、このとき、細粒セメントクリンカ５ｃは前記
冷却空気１１の速い風速によって細粒吹上分離部３６の
上方へと吹上げられ、細粒充填層式クーラ１５側へオー
バーフローされる。前記粗粒セメントクリンカ５ｂは、
細粒吹上分離部３６下側の粗粒充填層式クーラ１８の充
填層部３４へと落下し、充填層部３４において空気吹込
ダクト３３からの冷却空気１１によって冷却され、その
後ホッパー部３２の排出口３１から外部へと導出され
る。

【００２３】前記細粒吹上分離部３６によって吹上げら
れてオーバーフローされた細粒セメントクリンカ５ｃ
は、細粒吹上分離部３６の上方では流速が落ちるため、
前記粗粒充填層式クーラ１８に隣り合って配設されてい
て空気の吹上力が小さい細粒充填層式クーラ１５へと落
下し、該細粒充填層式クーラ１５の充填層部４０におい
て空気吹込ダクト３９からの冷却空気１１によって冷却
される。又、大塊排出ホッパ１３の開口部１３ｂには遮
蔽板１４が配設されているので、上方へ吹上げられた細
粒セメントクリンカ５ｃが大塊排出ホッパ１３へと落下
することは防止される。

【００２４】従って、上記したセメントクリンカ冷却装
置によれば、各ローラ１６によって形成される間隔Ａか
ら落下し得ない大塊セメントクリンカ５ａを分離除去し
得ると共に、粗粒充填層式クーラ１８には粗粒セメント
クリンカ５ｂのみを供給し、細粒充填層式クーラ１５に
は細粒セメントクリンカ５ｃのみを充填して各充填層部
３４，４０内のセメントクリンカ５の粒度を均一として
冷却することができるので冷却効率を著しく向上するこ
とができる。

【００２５】又、前記ローラ１６は、ローラ軸２２の外
周が耐火材２３によって被覆されると共に、冷却機構２
８を備えているので、ロータリーキルン３から排出され
るセメントクリンカ５が１２００℃〜１４００℃と高温
であっても耐えることができる。

【００２６】尚、本発明は、上述の実施例にのみ限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得ることは勿論である。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のセメント
クリンカ冷却装置によれば、大塊分離装置によって所定
サイズ以上の大塊セメントクリンカを分離し得ると共
に、充填層に充填されるセメントクリンカの粒度を粗粒
と細粒に分離して別個に冷却するようにしているので、
セメントクリンカの冷却効率を著しく向上することがで
きるという優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の概略模式図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ方向概略平面図である。

【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ方向概略模式図である。

【図４】図１のＩＶ−ＩＶ方向概略模式図である。

【図５】図２のＶ部拡大平面図である。

【図６】図５のＶＩ−ＶＩ矢視図である。

【図７】従来のセメントクリンカ冷却装置の一例を示す
概略断面図である。

【符号の説明】

３ ロータリーキルン ４ 排出下端 １２ 大塊排出ホッパ １５ 細粒充填層式クーラ １６ ローラ １７ 大塊分離装置 １８ 粗粒充填層式クーラ ３６ 細粒吹上分離部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロータリーキルンの排出下端と所要の間
   隔を隔てた横方向位置に大塊排出ホッパを配設し、前記
   排出下端と前記大塊排出ホッパとの間に前記排出下端側
   から前記大塊排出ホッパ側に向って下り勾配となるよう
   所要の間隔をおいて複数のローラを配設して大塊分離装
   置を構成し、該大塊分離装置の下方位置における前記排
   出下端側に上部に細粒吹上分離部を備えた粗粒充填層式
   クーラを配設すると共に、前記大塊分離装置の下方位置
   における前記大塊排出ホッパ側に細粒充填層式クーラを
   配設したことを特徴とするセメントクリンカ冷却装置。