JPH0621076Y2 - デイスク駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、デイスク駆動装置に係り、特にロード時とイ
ジエクト時で異なるダンパ力を有するダンパを備えたデ
イスク駆動装置に関する。

〔従来の技術〕

デイスク駆動装置は、デイスク状に形成された例えば磁
気デイスク或は、光デイスクなどの情報記録媒体を回転
駆動して情報の記録／再生を行い、小型のものは、パー
ソナルコンピユータやワードプロセツサなどに使用され
ている。

デイスク駆動装置においては、情報記録媒体を回転自在
に収納したカートリツジが挿入されるカートリツジホル
ダが、ロード位置と非ロード位置間を上下方向に移動自
在で、かつ、ばね力により常時下方に付勢された状態
で、シヤーシ内に配されている。また、このカートリツ
ジホルダの両側面に突出固定されている係合ピンと係合
する上下動カムを形成したスライド板が、カートリツジ
ホルダを動作するように、シヤーシに取り付けられてい
る。

カートリツジホルダには、ばね偏倚力が印加されたイン
ジエクトレバとロツク板が取り付けられていて、カート
リツジが未装着の待機状態においては、スライド板が押
し込まれロツク板とロツク状態になつている。この状態
では、上下動カムによつて、ピンを介してカートリツジ
ホルダは、上方の非ロード位置に保持されている。

この状態から、カートリツジをカートリツジホルダ内に
挿入して行くと、スライド板を保持していたロツク板
が、インジエクトレバと共に回動し、スライド板のロツ
クが解除され、スライド板が移動する。このスライド板
の移動によつて、上下動カムに沿ってピンが下降するの
で、カートリツジを収容したカートリツジホルダが、下
方のロード位置に降下する。

このカートリツジホルダの動作と連動して、ヘツドが情
報記録媒体と対接するロード位置まで降下し、カートリ
ツジは記録／再生状態にセツトされる。

第３図は、従来のデイスク駆動装置に設けられているダ
ンパの構成を示す平面図であり、ダンパ２５はシヤーシ
に取り付けられ、このダンパ２５は回動軸２６を中心に
回動自在な回動レバ２７を有している。

この回動レバ２７が、前述のスライド板１２の端部に形
成された係合切欠２８に、先端を係合させて配されい
る。このため、スライド板１２が第３図の矢印Ｌ方向に
移動し、カートリツジホルダがロード位置に降下する際
に、スライド板１２の移動速度は、係合切欠２８に係合
しているダンパ２５の回動レバ２７の回動抵抗により適
度の速度に低減される。

従って、この低減された速度でカートリツジホルダが、
ロード位置に下降すると共に、カートリツジホルダに連
動するヘツドがロード位置に移動する。

また、カートリツジのイジエクトを行う際には、イジエ
クトつまみを操作してスライド板を押し込むと、上下動
カムと係合するピンによつてカートリツジホルダが上方
に押し上げられる。同時にロツク板のロツクが解除され
るので、インジエクトレバとロツク板のばね力によりカ
ートリツジが、カートリツジホルダから排出される。

このイジエクト動作時には、第３図の矢印Ｅ方向に移動
するスライド板１２の速度が、同様にダンパ２５によつ
て低減され、低減された速度でイジエクト動作が行われ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

前述したように、従来のデイスク駆動装置においては、
ロード時及びイジエクト時のスライド板１２の移動速度
を、ダンパ２５を使用して調整している。

スライド板１２の移動速度が早過ぎると、カートリツジ
ホルダが急速度でロード位置に移動し、このカートリツ
ジホルダに収納されているカートリツジに対して、ヘツ
ドを搭載したキヤリツジのヘツドアームが、カートリツ
ジホルダに連動して急速度に移動する。

このため、ヘツドが急速度で情報記録媒体をたたきなが
らチヤツキングすることになり、情報記録媒体が傷付け
られることがある。また、チヤツキング時に、情報記録
媒体近傍に浮遊している細塵が、ヘツドと情報記録媒体
間に挟み込まれると一層悪影響を及ぼされる。

一方、スライド板１２の移動速度を遅くするためにダン
パ２５の抵抗を大きくするとイジエクト動作時の押込力
が必要以上に大きくなり、操作性が損なわれる。

本考案は、前述したようなデイスク駆動装置の現状に基
づいてなされたものであり、その目的は構造が簡単で部
品点数を増加させずに、低コストで製作することがで
き、ロード時に情報記録媒体に衝撃を与えたり、細塵を
閉じ込めて傷付けることがなく、操作性も良好であるデ
イスク駆動装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、本考案は、情報記録媒体を
収納したカートリツジが挿入されるカートリツジホルダ
のロード位置と非ロード位置間の動作と、ヘツドの前記
情報記録媒体に対するロード位置と非ロード位置間の動
作とが連動され、前記カートリツジホルダと共に動作す
る部材に係合する回動レバを有するダンパを具備し、こ
のダンパによつて前記カートリツジホルダの動作速度を
抑制するデイスク駆動装置において、前記カートリツジ
ホルダの非ロード位置からロード位置への動作時に、前
記部材に係合する前記回動レバの当接部を、前記カート
リツジホルダのロード位置から非ロード位置への動作時
に、前記部材に係合する前記回動レバの当接部よりも、
前記回動レバの回動中心に近付けた構成となつている。

〔作用〕

本考案によると、カートリツジホルダの非ロード位置か
らロード位置への動作時には、カートリツジホルダと共
に動作する部材と、ダンパの回動レバとは、回動レバの
回動中心に近い位置で互いに係合する。

このために、カートリツジホルダはダンパの比較的大き
なダンパ力に抗して、比較的低速度で移動してロード位
置に達する。そして、カートリツジホルダと連動するヘ
ツドも、比較的低速度で情報記録媒体に対するロード位
置に移動し、情報記録媒体に衝撃を与えることなくチヤ
ツキングが行われる。

一方、カートリツジホルダのロード位置から非ロード位
置への動作時には、カートリツジホルダと共に動作する
部材と、ダンパの回動レバとは、回動レバの回動中心か
ら離れた位置で互いに係合する。

このため、カートリツジホルダはダンパの比較的小さな
ダンパ力に抗して、比較的高速度で移動して非ロード位
置に達し、カートリツジホルダと連動するヘツドも比較
的高速度で非ロード位置に達してイジエクト動作が迅速
に行われる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図及び第２図を参照して説
明する。

ここに、第１図は実施例の要部の構成を示す平面図であ
り、第２図は実施例の全体構成を示すカバーを除去した
平面図である。

第２図に示すように、実施例ではデイスク駆動装置１の
シヤーシの所定位置にデイスク回転軸３、磁気ヘツドを
搭載したキヤリツジ４、このキヤリツジ４の移動をガイ
ドするガイド軸５、キヤリツジ４に係合してキヤリツジ
４を移動するためのスクリユー軸６、このスクリユー軸
６を所定量回転させるステツピングモータ７等が配置さ
れている。

シヤーシの両側面には一対の側板１ａが一体に設けら
れ、この側板１ａの内側には、合成樹脂製のカートリツ
ジホルダ８が上下動自在に配設されている。このカート
リツジホルダ８はその両側に突設したピン９とシヤーシ
間に張設されたコイルばね１０により下方（第２図にお
いて紙面に直交方向）へ付勢されている。

また、カートリツジホルダ８の両側には、係合ピン１
１、１１が突設され、この係合ピン１１に係合する上下
動カムを設けたスライド板１２が配設されている。さら
に、カートリツジホルダ８にはカートリツジの排出力を
蓄勢するイジエクトレバ１３が設けられ、カートリツジ
ホルダ８はデイスク回転軸３の上方に臨んでいる。

イジエクトレバ１３は、カートリツジホルダ８の上面側
に支軸１４ａによつて回転自在に支承され、カートリツ
ジホルダ８の突部８ａとの間に張設したコイルばね１５
によつて常にカートリツジ挿入口２０方向、即ち第２図
において反時計回り方向へ弾性付勢されている。このイ
ジエクトレバ１３はその先端部に当接部１６を有し、カ
ートリツジホルダ８に挿入したカートリツジが、この当
接部１６と当接してイジエクトレバ１３を回転すること
によりコイルばね１５にばね力が蓄えられる。

また、カートリツジホルダ８の下面側に図示せぬロツク
板が、支軸によつて回転自在に支承され、このロツク板
は支軸に巻回された捩りコイルばねによつて、第２図に
おいて反時計回り方向へ付勢されている。このロツク板
には、イジエクトレバ１３と係合する係合部、スライド
板１２と係合する当接部及びロツク部が設けられてい
る。

シヤーシのカートリツジ挿入口２０側に、スライド板１
２を押し込み操作するイジエクトつまみ３５が設けられ
ている。

そして、第１図に示すように、スライド板１２の端部に
係合切欠３８が形成され、この係合切欠３８に対向して
ダンパ３０が、装置の固定部材に対して固設されてい
る。このダンパ３０には、回動軸２６を中心に回動自在
な回動レバ３１が設けられている。

スライド板１２先端には、係合切欠３８の一端縁から一
体に係合片３２が形成されている。また、係合切欠３８
に係合するように延長された回動レバ３１の先端には、
スライド板１２の係合切欠３８の縁部と当接する棒状の
第１の当接部３３が設けられている。また、回動レバ３
１の中央、即ち回動軸２６寄りには、係合片３２の先端
部と当接する半円形状の第２の当接部３４が設けられて
いる。

また、従来と同様に、カートリツジホルダ８のロード位
置と非ロード位置間の動作と、ヘツドを搭載したキヤリ
ツジ４の情報記録媒体に対するロード位置と非ロード位
置間の動作とが連動するように構成されている。

次に、実施例におけるカートリツジの装着動作とイジエ
クト動作について説明する。

カートリツジがカートリツジホルダ８に挿入されていな
い待機状態では、スライド板１２が押し込まれてロツク
板のロツク部に係合されている（第２図に一点鎖線で示
すイジエクトつまみ３２の位置）。このため、スライド
板１２の上下動カムによつてピン１１を介して、カート
リツジホルダ８は上位置、即ちイジエクト位置に保持さ
れている。また、この待機状態では、イジエクトレバ１
３はコイルばね１５及び捩りコイルばねのばね力により
引張られて、カートリツジ挿入口２０寄りに位置されて
いる。

カートリツジをカートリツジ挿入口２０から、カートリ
ツジホルダ８内に挿入すると、カートリツジの先端がイ
ジエクトレバ１３の当接部１６に当接され、さらにカー
トリツジを挿入すると、イジエクトレバ１３が第２図で
時計回り方向に回転し、コイルばね１５に蓄力を与え
る。

このカートリツジの挿入動作によつてスライド板１２を
保持していた図示せぬロツク板が、イジエクトレバ１３
と共に回動され、そのロツク部の係合が外れてスライド
板１２のロツクが解除される。スライド板１２のロツク
が解除されると、スライド板１２は、上下動カムに係合
しているピン１１を下降させる方向にスライドし、スラ
イド板１２の図示せぬカム部が、ロツク板の当接部に係
合されてロツク板のみが押し込み位置でロツクされる。

スライド板１２のスライドによつてピン１１が下降され
るので、カートリツジホルダ８はカートリツジを収容し
たままで下位置、即ちロード位置へ降下する。この際、
第１図においてスライド板１２は矢印Ｌ方向にスライド
するので、係合片３２と回動レバ３１の第２の当接部３
４とが当接した状態でスライド板１２は移動する。

第２の当接部３４は、回動軸２６の中心からの距離が短
いので、第２の当接部３４でダンパ３０の回動レバ３１
を回動させるには、比較的大きな力が必要である。この
ため、スライド板１２の移動速度は低減されて、スライ
ド板１２は低速度でスライドし、カートリツジホルダ８
も低速度でロード位置に下降する。そして、カートリツ
ジホルダ８と連動するキヤリツジ４のヘツドアームも低
速度で回動下降して、ヘツドは情報記録媒体を静かにチ
ヤツキングする。

このため、ヘツドが情報記録媒体をたたいて傷付けるこ
ともなく、また、情報記録媒体近傍に浮遊している細塵
が、キヤリツジ時にヘツドと情報記録媒体間に挟み込ま
れた際にも、記録／再生に一層悪影響を及ぼすこともな
い。

カートリツジのイジエクトに際しては、第２図の実線位
置にあるイジエクトつまみ３５を押し込むと、スライド
板１２が移動して上下動カムによりピン１１を介してカ
ートリツジホルダ８が、ロード位置からイジエクト位置
方向に押し上げられる。さらにスライド板１２が押し込
まれると、スライド板１２はロツク板のロツク部により
押し込み位置でロツクされるので、イジエクトつまみ３
５への押圧力を除去してもスライド板１２は、イジエク
ト位置に保持される。

このようにして、カートリツジホルダ８に収容されたカ
ートリツジがイジエクト位置へ押し上げられると、ロツ
ク板の当接部がスライド板１２のカム部から外れて、ロ
ツク板は回動可能となる。このため、捩りコイルばねの
ばね力がイジエクトレバ１３に加わり、さらにイジエク
トレバ１３のコイルばね１５のばね力も加わってイジエ
クトレバ１３は、第２図において反時計回り方向へ回転
される。そしてイジエクトレバ１３の当接部１６によつ
てカートリツジの先端が押されてカートリツジは、カー
トリツジホルダ８から排出される。

このカートリツジのイジエク時には、第１図に矢印Ｅで
示す方向にスライド板１２が移動するので、スライド板
１２の係合切欠３８の縁部が回動レバ３１の第１の当接
部３３と当接した状態で、スライド板１２の移動が行わ
れる。

第１の当接部３３は、回動軸２６の中心からの距離が長
いので、第１の当接部３３でダンパ３０の回動レバ３１
を回動させる力は小さくてよい。このため、スライド板
１２の移動速度は、ダンパ３０で余り減速されず、スラ
イド板１２は容易に比較的高速度でスライドさせること
ができ、カートリツジホルダ８も比較的高速度でイジエ
クト位置に移動する。そして、カートリツジホルダ８と
連動するキヤリツジ４のヘツドアームも、非ロード位置
に移動する。

このようにして、イジエクト動作時には、カートリツジ
ホルダ８及びヘツドアームは高速度あるいは軽い力で移
動して、イジエクト動作は極めて迅速に行われる。

前述のように実施例では、ロード動作は情報記録媒体を
傷付けたり、細塵を挟み込んでも悪影響を与えないよう
に低速度で行われるが、イジエクト動作は軽くて高速度
で行われて全体としての操作性は失われない。また、従
来に比してスライド板１２の形状とダンパ３０の形状が
変更されているだけで、部品点数の増加もなく、低コス
トで製造することが出来る。

ロード動作速度と非ロード動作速度を、第１の当接部３
３と第２の当接部３４の位置の選定で所望の値に設定出
来るので、動作特性の設計も簡単に行われる。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明したように、本考案によると、ロード時
に情報記録媒体に衝撃を与えたり、細塵を閉じ込めても
悪影響を与えることがなく、また、装置の全動作過程で
の操作性は損われず、構造が簡単で低コストで製造可能
なデイスク駆動装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例の要部の構成を示す平面図、
第２図は、本考案の実施例の全体構成を示すカバーを除
去した平面図、第３図は従来のデイスク駆動装置のダン
パ部分の構成を示す平面図である。 １……デイスク駆動装置、１ａ……側板、４……キヤリ
ツジ、８……カートリツジホルダ、９……ピン、１０…
…コイルばね、１１……係合ピン、１２……スライド
板、２０……カートリツジ挿入口、２６……回動軸、３
０……ダンパ、３１……回動レバ、３２……係合片、３
３……第１の当接部、３４……第２の当接部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】情報記録媒体を収納したカートリツジが挿
   入されるカートリツジホルダのロード位置と非ロード位
   置間の動作と、ヘツドの前記情報記録媒体に対するロー
   ド位置と非ロード位置間の動作とが連動され、前記カー
   トリツジホルダと共に動作する部材に係合する回動レバ
   を有するダンパを具備し、このダンパによつて前記カー
   トリツジホルダの動作速度を抑制するデイスク駆動装置
   において、前記カートリツジホルダの非ロード位置から
   ロード位置への動作時に、前記部材に係合する前記回動
   レバの当接部を、前記カートリツジホルダのロード位置
   から非ロード位置への動作時に、前記部材に係合する前
   記回動レバの当接部よりも、前記回動レバの回動中心に
   近付けた構成としたことを特徴とするデイスク駆動装
   置。