JPH062042A - 積鉄芯用低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents

積鉄芯用低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法

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JPH062042A
JPH062042A JP15679592A JP15679592A JPH062042A JP H062042 A JPH062042 A JP H062042A JP 15679592 A JP15679592 A JP 15679592A JP 15679592 A JP15679592 A JP 15679592A JP H062042 A JPH062042 A JP H062042A
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electron
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Masao Iguchi
征夫 井口
Kazuhiro Suzuki
一弘 鈴木
Eiji Hina
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子ビームの照射を利用し、低鉄損一方向性
珪素鋼板における、磁区細分化効果の安定化のほか、特
に積鉄芯とした際の磁歪、トランスとして使用した際の
騒音及び鋼板形状の改善を図る。 【構成】 仕上焼鈍後に絶縁被膜を被成した一方向性珪
素鋼板の表面に、電子銃から射出した電子ビームを、ビ
ーム光学系にて収束および偏向して、圧延方向と交わる
向きへ照射するに当たり、該ビーム光学系を1段絞りと
するとともに、そのワーキング・ディスタンスを 300〜
700 mmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子ビームの照射を
利用する低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法において、
磁区細分化効果の安定化のほか、特に積鉄芯とした際の
磁歪(以下単に磁歪と示す)、トランスとして使用した
際の騒音(以下単に騒音と示す)及び鋼板形状の改善を
図ったもので、この一方向性珪素鋼板は、トランスや電
気機器の鉄心用材料として有利に使用される。
【0002】一方向性珪素鋼板は製品の2次再結晶粒を
ゴス方位に高度に集積させること、その鋼板表面上にフ
ォルステライト被膜を被成し、さらにその上に熱膨張係
数の小さい絶縁被膜を被成して鋼板に張力を付与するこ
と、などにより磁気特性の向上を計るもので、厳格な制
御を必要とする複雑、多岐にわたる工程を経て製造され
ている。
【0003】このような一方向性珪素鋼板は、主として
変圧器、その他電気機器の鉄心として使用されており、
磁気特性として製品の磁束密度(B8 値で代表される)
が高く、鉄損(W17/50 値で代表される) が低いこと、
さらに表面性状が良好な絶縁被膜を被成していることな
どが要求されている。とくにエネルギー危機を境にして
電力損失の低減を至上とする要請が著しく強まり、変圧
器用鉄心材料としての鉄損のより低い一方向性珪素鋼板
の必要性はますます高まってきている。そして、この一
方向性珪素鋼板の鉄損改善の歴史は、ゴス方位2次再結
晶集合組織の改善の歴史であると云っても過言ではな
い。
【0004】
【従来の技術】2次再結晶粒を制御する方法として、Al
N ,MnS 及び MnSe 等の1次再結晶粒成長抑制剤、いわ
ゆるインヒビターを用いてゴス方位2次再結晶粒を優先
成長させる方法が実施されている。
【0005】一方、上記の2次再結晶集合組織を制御す
る冶金的手段とは異なる鉄損改善技術も種々開発されて
いる。すなわち、市山 正:鉄と鋼、69(1983), P. 89
5、特公昭57−2252号公報、特公昭57−53419 号公報、
特公昭58−26405 号公報、及び特公昭58−26406 号公報
などにはレーザーを、又特開昭62−96617 号公報、特開
昭62−151511号公報、特開昭62−151516号公報、及び特
開昭62−151517号公報などにはプラズマを、それぞれ鋼
板表面に照射することにより、鋼板に局部微小歪を導入
して磁区を細分化し、鉄損を低下させる画期的な方法が
提案開示されている。しかしながら、これらの方法はい
ずれもエネルギー効率が5〜20%と低いため、鉄損の低
下にはコスト増を余儀なくされる不利があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで発明者らは、エ
ネルギー効率が高い磁区細分化の手法について、特開昭
63−186826号、特開平2−118022号及び同2−277780号
各公報にて提案した。すなわち鋼板の表面に、高電圧及
び小電流で発生した電子ビームを圧延方向と交わる鋼板
の幅方向へ局所的に断続照射し、被膜を地鉄に圧入する
方法である。しかしながらこれらの方法は磁気特性の向
上は達成されるものの、磁歪、騒音及び鋼板形状のばら
つきが大きく、製品としての品質を備える鋼板の安定生
産が難しいところに問題を残していた。これは電子ビー
ムの鋼板表面から内部への侵入深さが、レーザー等の他
の手法と比較して深いためと考えられる。
【0007】一方、電子ビーム照射による磁区細分化に
関し、米国特許第4199733 号及び同4195750 号各明細書
には、積鉄芯用では60J/in2 以上のエネルギー密度
で、及び巻鉄芯用では150 〜4000J/in2 のエネルギー
密度で行うことが開示されているが、電子ビームの侵入
深さに関しての配慮はなく、またエネルギー密度および
ビーム径は電子ビーム照射装置の種類や照射法によって
変化するため、製品の安定生産は難しい。
【0008】この発明は、上記の問題を解消し、高品質
の製品を安定に製造する方法について提案することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは、電子ビーム
照射による積鉄芯用の一方向性珪素鋼板の磁区細分化処
理を、工業的に安定して行うための手法について検討し
たところ、電子ビームを確実にかつ安定して走査するこ
とが肝要で、これらの実現には電子ビームの収束や偏向
を司るビーム光学系が重要な役目を担っていることを知
見した。そこで、図1に使用目的および用途別に示し
た、現行の電子ビーム利用技術に関して詳細に検討し
た。
【0010】すなわち、従来は細く絞った電子ビームを
容易にかつ長時間安定して使用するには、図1の左側に
示した、電子顕微鏡技術で多用されている3段、2段絞
りのビーム光学系を適用することが最適と考えられてい
た。電子顕微鏡に使用されている電子銃のフィラメント
は、W製の細いヘアーピン(0.1〜0.3mm φ) あるいは先
端が尖ったLaB6の単結晶であり、この方法は極めて細い
ビームの使用目的に最良と考えられるが、電子ビームを
容易かつ安全に使用ができないこと、さらに、高電圧ビ
ーム、ヘアーピン・フィラメントおよび数段絞りの光学
系を採用して高速極細ビームとなっているため、電子ビ
ーム照射の際は珪素鋼板上の絶縁被膜を破壊し、絶縁を
確保することが困難となることなどの問題点があり、こ
のため照射後再コートが必要となり、コスト・アップに
なるとともに、珪素鋼板の占積率が低下する不利があ
る。
【0011】また、図1の右側に示す、電子溶接、加熱
および溶解に使用する電子ビームは、1段絞りの電子光
学系を使用しているが、ここで使用される電子銃のフィ
ラメントは太い線状あるいは棒状のWのフィラメント
で、 0.5〜10mmφのビーム径であるため、珪素鋼板の磁
区細分化処理には不向きである。
【0012】そこで、電子ビーム照射を容易にかつ長時
間安定して使用可能な電子光学系について、原点に立ち
返って数多くの試行実験を行った。その結果、ビーム光
学系を一段絞りとし、かつ、そのワーキング・ディスタ
ンスを調節することによって、磁区特性、磁歪、騒音お
よび鋼板形状の優れた積鉄芯用磁区細分化一方向性珪素
鋼板を極めて安定に製造し得ることを新たに見出した。
また、電子銃のフィラメントについても検討したとこ
ろ、リボンフィラメントが有利であることが判明した。
【0013】すなわちこの発明は、仕上焼鈍後に絶縁被
膜を被成した一方向性珪素鋼板の表面に、電子銃から射
出した電子ビームを、ビーム光学系にて収束および偏向
して、圧延方向と交わる向きへ照射するに当たり、該ビ
ーム光学系を1段絞りとするとともに、そのワーキング
・ディスタンスを 300〜700 mmとしたことを特徴とす
る、積鉄芯用低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法であ
る。
【0014】ここに、ワーキング・ディスタンスとは、
図2で後述するところの、電子ビーム5を集束させる集
束コイル7の中心から、鋼板9の位置(電子ビーム照射
板)までの距離を云う。
【0015】また、実施に当たり、電子銃にリボン状フ
ィラメントを用いることが有利である。
【0016】さて図2に、この発明に直接使用する電子
ビーム照射装置を示す。同図における番号1は排気口1
a,1bを備え真空槽を形成するするためのケーシング、
好ましくは10-2Torr以下の高真空としたケーシング1内
において、高圧インシュレータ2、電子を放出する電子
銃3及び電子銃3より放出された電子を加速するために
電子銃3と対向して配置したアノード4にて、電子ビー
ム5の射出を行う。さらに6は上記の電子線発生部を常
に高真空に維持するためのコラム弁、7は電子ビーム5
を集束させる集束コイル、そして8は集束させた電子ビ
ーム5を鋼板9の幅方向に走査するための偏向コイルで
ある。
【0017】この電子ビーム照射装置は、図2の装置に
おいて、電子銃3のビーム発生から偏向コイル8までの
ビーム通路に、一段絞りのビーム光学系を採用している
のが特徴で、加速電圧は60〜500kV の高電圧および加速
電流は5mA以下の低電流で発生した電子ビームを細く絞
り、さらに長時間の安定使用を達成するため、ビーム光
学系のワーキング・ディスタンスを 300〜700 mmの範囲
に設定して用いることが肝要である。また、電子銃3に
は、リボン状フィラメントを用いることが好ましい。
【0018】
【作用】次に、この発明の基礎となった実験結果につい
て、説明する。図2に示した電子ビーム照射装置を用い
て、仕上げ焼鈍後に絶縁被膜を施した一方向性珪素鋼板
の表面に、電子ビームを6mm間隔で圧延方向に直角に照
射するに当たって、ビーム光学系のワーキング・ディス
タンスを 100mmから1000mmまで変化させたときの、鉄損
の変化を、図3(a) に示す。なお、このときの電子ビー
ムの発生条件は、加速電圧:150kV 、加速電流:0.7mAお
よび真空度:3×10-4 Torr とした。また、図3の(b)
は、電子ビーム照射した後の製品の板形状(C反り量)
をワーキング・ディタンスに対してプロットしたもので
ある。同時に、同図(b) には電子ビーム照射後の製品に
ついて、再コートの必要があるか否かを調査した結果
も、併記する。
【0019】図3(a) および(b) から明らかなように、
一方向性珪素鋼板製品の磁気特性が向上する領域は、ワ
ーキング・ディスタンスが 200〜700mm の範囲である
が、C反り量が少なく、かつ再コートが不要の領域は、
ワーキング・ディスタンスが 300mm以上の範囲であるこ
とがわかる。すなわち、ワーキング・ディスタンスが 3
00mm未満の場合は磁気特性は良好であるが、C反り量が
極端に悪くなるとともに、絶縁被膜の再コーティングが
必要となる。これはワーキング・ディスタンスが300mm
未満になると、ビーム径が小さくなり過ぎて、鋼板の局
所歪が大きくなるために、製品における板形状が劣化
し、かつ絶縁被膜の再コーティングが必要となるものと
考えられる。従って、ワーキング・ディスタンスを 300
〜700 mmの範囲に設定することによって、長時間の安定
使用が可能になるのである。
【0020】なお、電子ビーム照射条件としてワーキン
グ・ディスタンスを 300〜700mm の範囲に制御すること
によって、鋼板上の被膜は具体的には0.01〜5 μm の深
さまで圧入することができる。また、このときの電子ビ
ームの発生条件は、加速電圧を60〜500kV 、加速電流を
5mA以下とするのが望ましいことは既に述べた通りであ
るが、さらに照射エネルギー密度は2〜9J/cm2
し、これらの条件下で発生させたビーム径: 0.2〜0.45
mmの電子ビームを、スポット中心間隔:50〜500μm で
断続して、あるいは連続して照射することが好ましい。
【0021】ちなみに、この発明の方法の適用に関し一
方向性珪素鋼板の成分組成については、従来公知の成分
組成のものいずれもが適合するが、代表組成をあげると
以下の通りである。 C:0.01〜0.10wt% 熱間圧延、冷間圧延中の組織の均一微細化のみならず、
ゴス方位の発達に有用な成分であり、少なくとも0.01wt
% 以上の含有が好ましい。しかしながら0.10wt% を越え
て含有するとかえってゴス方位に乱れが生じるので上限
は0.10wt% が好ましい。
【0022】Si : 2.0〜4.5 wt% 鋼板の比抵抗を高め鉄損の低減に有効に寄与するが、2.
0 wt% に満たないと比抵抗が低下するだけでなく、2次
再結晶・純化のために行われる最終高温焼鈍中にα−γ
変態によって結晶方位のランダム化が生じ、十分な鉄損
改善効果が得られず、また、4.5 wt% を越えると冷延性
が損なわれる。従って、下限を4.5 wt%とすることが好
ましい。
【0023】Mn : 0.02 〜0.12wt% 熱間脆化を防止するため少なくとも0.02wt% を必要とす
るが、あまり多すぎると磁気特性を劣化させるので、上
限は0.12wt% が好ましい。
【0024】インヒビターとしては、大別してMns, mnS
e 系とAlN 系とがある。MnS, MnSe系の場合は、S:0.0
05 〜0.06wt% およびSe : 0.005〜0.06wt% のうちから
選ばれる少なくとも1種 S,Seはいずれも方向性珪素鋼板の2次再結晶を制御す
るインヒビターとして有力な成分である。ともに抑制力
確保の観点からは、少なくとも0.05wt% 程度を必要とす
るが、0.06wt% を越えるとその効果が損なわれるので、
その下限を0.005 wt% 、上限を0.06wt% とすることが好
ましい。
【0025】AlN 系の場合は、 Al:0.005〜0.10wt% およびN:0.004 〜0.015 wt% AlおよびNの範囲についても、上述したMnS 系、MnSe系
の場合と同様の理由により上限の範囲とすることが好ま
しい。
【0026】インヒビター成分としては上記したS,S
e, Alの他に、Cr, Mo, Cu, Sn, Ge,Sb, Te, BiおよびP
などについても有利に適合するもので、それぞれ少量併
せて含有させてもよい。ここに上記成分の好適添加範囲
はそれぞれCr, Cu, Sn : 0.01 wt% 以上、0.5 wt% 以
下、Mo, Ge, Sb, Te, Bi : 0.005wt% 以上、0.1 wt% 以
下、P:0.01wt% 以上、0.2 wt% 以下であり、これら各
インヒビター成分についても単独使用および複合使用の
いずれの場合もが適合する。
【0027】次にこの発明の製造工程について述べる。
上記のように成分調整された溶鋼は連続鋳造によってス
ラブとされた後、1250℃以上の温度で加熱される。この
加熱は鋼中のインヒビターを解離・固溶するのに不可欠
である。加熱処理されたスラブは次に熱間圧延されて
1.5〜3.5mm 厚の熱延板とされる。その後均一化焼鈍を
行い、途中で中間焼鈍をはさむ1回以上の冷間圧延を施
して0.15〜0.35mm厚の最終冷延板とされる。その後鋼板
表面を脱脂し、 750〜850 ℃の温度範囲で湿水素中で脱
炭を兼ねる1次再結晶焼鈍が施される。その後この鋼板
表面上に MgOを主成分とする焼鈍分離剤がスラリー塗布
される。その後ゴス方位に高度に集積した2次再結晶粒
を発達させるために2次再結晶焼鈍が 830℃以上の温度
において焼鈍される。このとき一定の温度に30〜50時間
の長時間保定あるいは徐熱焼鈍が採用される。その後鋼
板を純化するために1150℃以上で3〜10時間乾H2中で焼
鈍される。その後鋼板表面上にリン酸塩とコロイダルシ
リカを主成分とする張力絶縁被膜が施される。次に、こ
のように処理された鋼板表面上に磁区細分化を行うため
電子ビーム照射が施される。
【0028】電子ビーム照射処理においては、図2に示
したような、1段絞りのビーム光学系の電子ビーム照射
装置が好適に使用される。特にこの発明においては、図
2におけるビーム光学系のワーキング・ディスタンスを
300〜700mm の範囲にすることを必須条件とする。
【0029】このような電子ビーム照射は、通常エア・
トウ・エア(Air-to-Air)方式の連続ラインを用いて行
われるが、バッチタイプのものも好適であり、そのとき
の真空度は5×10-6〜5×10-2 Torr が推奨される。
【0030】
【実施例】
(A) C:0.044 wt% 、Si:3.38 wt% 、Mn:0.066wt% 、Mo:
0.012wt% 、Se:0.018wt%およびSb:0.023wt% (B) C:0.068 wt% 、Si:3.35 wt% 、Mn:0.078wt% 、Mo:
0.012wt% 、Se:0.019wt%、Cu:0.08 wt% 、Sn:0.009wt%
およびAl:0.026wt% をそれぞれ含有する珪素鋼スラブを、1350℃で4時間加
熱後、熱間圧延して 2.3mm厚の熱延板とした後、1050℃
で3分間の中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延を施して0.
23mm厚の最終冷延板とした。ついで 835℃の湿水素中で
脱炭・1次再結晶焼鈍を施した後、鋼板表面上に MgOを
主成分とする焼鈍分離剤をスラリー塗布し、その後10℃
/hで昇温して 850℃で50時間の2次再結晶焼鈍を行って
ゴス方位2次再結晶粒を優先成長させた後、1220℃の乾
水素中で5時間の純化焼鈍を施した。次いで鋼板表面上
にリン酸塩とコロイダルシリカを主成分とする絶縁被膜
を被成した。
【0031】その後、図2に示した装置を用いて、電子
ビーム〔電圧:150kV,電流:0.7mA、ワーキング・ディ
スタンス:500mm 、ビーム径:0.32mmφ(ナイフエッジ
法測定による)、真空度:5×10-4Torr〕を鋼板の圧延
方向と直交する方向に、照射幅:0.18mmおよび走査間
隔:6mmでジグザグ状に照射する処理を行った。かくし
て得られた製品の磁気特性および鋼板形状について調べ
た結果を、表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】電子ビーム照射された一方向性珪素鋼板
はそのまま切断されて積鉄芯用のトランス材料として使
用されるが、この発明による、鋼板の被膜は電子ビーム
照射によって破壊されていないため、再コーティングは
不要である。またこの発明範囲に従う電子ビーム照射条
件を用いることによって、積鉄芯用に用いる製品の磁気
特性および鋼板形状を優れたものにでき、高品質の積鉄
芯用鋼板を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】現行の電子ビーム利用技術を使用目的および用
途別に示した図である。
【図2】この発明で用いる電子ビーム照射装置を示す模
式図である。
【図3】ワーキング・ディスタンスと鉄損または鋼板形
状および絶縁被膜の質との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 ケーシング 1a 排気口 1b 排気口 2 高圧インシュレータ 3 電子銃 4 アノード 5 電子ビーム 6 コラム弁 7 集束コイル 8 偏向コイル 9 鋼板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仕上焼鈍後に絶縁被膜を被成した一方向
    性珪素鋼板の表面に、電子銃から射出した電子ビーム
    を、ビーム光学系にて収束および偏向して、圧延方向と
    交わる向きへ照射するに当たり、該ビーム光学系を1段
    絞りとするとともに、そのワーキング・ディスタンスを
    300〜700 mmとしたことを特徴とする、積鉄芯用低鉄損
    一方向性珪素鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 電子銃にリボン状フィラメントを用い
    る、請求項1記載の製造方法。
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