JPH0620337Y2 - 作業機の連結用ブラケット構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、乗用作業車等の前後に作業機を連結するため
の作業機の連結用ブラケット構造に関するものである。

〔本考案の背景となる技術〕

乗用作業車等の車体の前、後に所定の作業、例えば芝刈
を行う作業機を車体の前方に取り付けた（所謂フロント
モアタイプの芝刈機）を昇降自在に吊り下げ支持したも
のが知られている。このタイプの芝刈機ではエンジンの
出力をカッターブレードに伝達する手段としてベルトに
よる伝達方式を多く採用している。

即ち、乗用作業車に搭載したエンジン側に配置した垂直
の駆動プーリとカッターハウジング上に設けた水平方向
の被駆動プーリとの間に相当長いベルトを掛け渡し、し
かも垂直状態で繰り出されるベルトを途中で水平方向に
変換して被駆動プーリに巻回して所定の回転力を伝達す
る方式である。かかるベルト伝達方式を採用する利点は
起伏の多い地面に生えた芝を刈り取る際に、カッターハ
ウジングが地面の起伏に応じて上下に揺動し、これに伴
いベルトに弛み或いは張りが生じるが、係る伝達方式は
そうしたベルトの弛み或いは張をその上下の揺動に追従
させて調整し易いことにある。

しかし、このベルト伝達方式の場合は前記したように車
体の前方に芝刈機が配置され、しかもエンジン側の駆動
プーリとカッターブレードを回転せしめる被駆動プーリ
間との距離が相当長く、しかも垂直状態で繰り出される
ベルトを途中で水平方向に変換して被駆動プーリに巻回
して所定の回転力を伝達する方式であるから、少なくと
も乗用作業車に対する芝刈機の連結に加えてベルトの位
相変換、ベルトに所定のテンションを付与するためのテ
ンションプーリを取り付けなければならず、従って、そ
うした連結乃至テンション部材の取り付けは車体の前部
位置に装備するブラケットによって行わなければならな
かった。

然るに、従来に於いては車体の前部に芝刈機を連結する
ためのブラケットと、ベルトの位相の変換、ベルトのテ
ンションを付与するテンションプーリを支持するアーム
を取り付けるためのブラケットはそれぞれ別個独立した
ものとして車体の前部下方に装備しているのが実情であ
った。そのため、スペース的にも相当な制約があり、か
つブラケットの取り付け強度をはじめ連結強度の点に於
いても弱さが見られた。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案は、上記の事情に鑑みてなされたもので、車体の
前方或いは後方に配置した所定のリフト装置に所定の作
業機を連結して所定の作業を行うことが可能な乗用作業
車に於いて、前記乗用作業車の車体の前端左右或いは後
端左右に取り付けた一対のブラケットに前記リフト装置
でもって昇降自在と成した作業機の支持フレームの基端
を取り付けると共に、前記乗用作業車のＰＴＯに取り付
けた駆動プーリと前記作業機の被駆動部に取り付けた被
駆動プーリ間に巻回したベルト支承用のテンションプー
リを装備したテンションアームを取り付けるべく構成
し、以て乗用作業車の前方に装備する、例えばフロント
モアータイプの芝刈機等の支持フレームの取り付けと、
ＰＴＯに取り付けた駆動プーリと前記芝刈機のブレード
等に直結した被駆動プーリ間に巻回したベルトの位相変
換及びテンションプーリを取り付けたテンションアーム
を前記一対のブラケットで兼用できるようにして部品点
数の削減とブラケットの剛性の向上を図ることのできる
作業機の連結用ブラケット構造を提供しようとするもの
である。

〔実施例〕

以下、添付した図面に基づいて本考案に係る作業機の連
結用ブラケット構造の一実施例を詳細に説明する。

この実施例ではフロントモアタイプの芝刈機を例にして
説明する。

第１図はフロントモアタイプの芝刈機の要部を示したも
のであり、10は芝刈機11を装備する乗用作業車である。
12はその乗用作業車10のフロントに装備した油圧シリン
ダーであり、該油圧シリンダー12のリフトアーム12a及
びこれに連結したリフトロッド12bを介して前記芝刈機1
1は吊り下げ、かつ昇降自在となっている。

一方、前記芝刈機11のカッターハウジング11a内に装備
したカッターブレート（本実施例では三枚装備したもの
として説明する）13a・・の回転は前記乗用作業車10の
エンジン10a（第２図参照）のPTOに取り付けた駆動プー
リ10bと前記芝刈機11の上面に配置した被駆動プーリ14
（中央のカッターブレードの回転軸に取り付けたもの）
に巻回するベルト15を介してなされるように成ってい
る。16は前記被駆動プーリ14の両側部斜め前方に配置し
たアイドルローラ、17、17は中間に配置したテンション
ローラである。

ところで、前記芝刈機11の前記乗用作業車10との連結は
第３図(a)、(b)に示す如く、車体10cの左右下方に取り
付けたブラケット18、18にデッキリフトアーム19、19の
後端をボルト20によって揺動可能に取り付けてなされ、
かつ前記ブラケット18、18には前記ベルト15の位相変換
とテンションを付与するための左右のテンショナープー
リ20a、20bを取り付けた左右のテンショナーアーム21
a、21bのそれぞれが共用して取り付けられている。22a
は前記テンショナーアーム21aに張設したスプリング、2
2bは同じく前記テンショナーアーム21bに張設したスプ
リングである。

以下、上記の構成に基づいて本考案に係る作業機の連結
用ブラケット構造の作用を説明する。

即ち、本考案に係る作業機の連結用ブラケット構造は車
体10cの前端、後端左右に設けたブラケット18、18に先
ず芝刈機11を吊り下げるデッキリフト19、19の後端を揺
動自在にボルト20で枢着すると共に、前記ベルト15の位
相変換とテンションを付与するための左右のテンショナ
ープーリ20a、20bを取り付けた左右のテンショナーアー
ム21a、21bの取り付け用として共用することが出来従っ
て、部品点数の削減とフレームの剛性の向上を図ること
が極めて簡単な構造にて達成することが可能となる。

〔考案の効果〕

以上、詳細に説明した如く、本考案は、車体の前方或い
は後方に配置した所定のリフト装置に所定の作業機を連
結して所定の作業を行うことが可能な乗用作業車に於い
て、前記乗用作業車の車体の前端左右或いは後端左右に
取り付けた一対のブラケットに前記リフト装置で昇降自
在と成した作業機の支持フレームの基端を取り付けると
共に、前記乗用作業車のＰＴＯに取り付けた駆動プーリ
と前記作業機の駆動部に取り付けた被駆動プーリ間に巻
回したベルト支承用のテンションプーリを装備したテン
ションアームを取り付けたるべく構成したので、例えば
フロントモアタイプの芝刈機等のように乗用作業車の前
方に所定の作業機を装備する構造の乗用作業車に於ける
作業機の支持フレームの取り付けと、ＰＴＯに取り付け
た駆動プーリと作業機の被駆動プーリ間に巻回するベル
トのテンションプーリ等の支承用テンションアームの取
り付けが一対のブラケットで兼用でき、部品点数の削
減、組み立て作業性が向上し、かつブラケットの剛性の
向上が図られる等種々の優れた効果を有するテンショナ
ーブラケット構造を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る作業機の連結用ブラケット構造の
一実施例を示す斜視図、第２図は同上実施例の側面図、
第３図(a)、(b)は同上実施例の要部構成を示す説明図で
ある。 10……乗用作業車、11……芝刈機、11a……カッターハ
ウジング、13a……カッターブレート、10a……エンジ
ン、10b……駆動プーリ、14……被駆動プーリ、15……
ベルト、16……アイドルローラ、17……テンションロー
ラ、10c……車体、18……ブラケット、19……デッキリ
フトアーム、20……ボルト、20a、20b……テンショナー
プーリ、21a、21b……テンショナーアーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体の前方或いは後方に配置した所定のリ
   フト装置に所定の作業機を連結して所定の作業を行うこ
   とが可能な乗用作業車に於いて、前記乗用作業車の車体
   の前端左右或いは後端左右に取り付けた一対のブラケッ
   トに前記リフト装置でもって昇降自在と成した作業機の
   支持フレームの基端を取り付けると共に、前記乗用作業
   車のＰＴＯに取り付けた駆動プーリと前記作業機の被駆
   動部に取り付けた被駆動プーリ間に巻回するベルトを支
   承するためのテンションプーリを装備したテンションア
   ームを取り付けたことを特徴とする作業機の連結用ブラ
   ケット構造。