JPH06201641A - 酸素センサ - Google Patents

酸素センサ

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JPH06201641A
JPH06201641A JP4359200A JP35920092A JPH06201641A JP H06201641 A JPH06201641 A JP H06201641A JP 4359200 A JP4359200 A JP 4359200A JP 35920092 A JP35920092 A JP 35920092A JP H06201641 A JPH06201641 A JP H06201641A
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oxygen
solid electrolyte
oxygen sensor
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mixed conductor
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Shinko Shibata
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Kazunori Suzuki
一徳 鈴木
Makoto Nakae
誠 中江
Shuichi Nakano
秀一 中野
Masatoshi Suzuki
雅寿 鈴木
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    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/406Cells and probes with solid electrolytes
    • G01N27/407Cells and probes with solid electrolytes for investigating or analysing gases
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気化学的反応を促進させ,かつ低温で実用
的に作動することができる酸素センサを提供すること。 【構成】 固体電解質5と,その表面に設けた外側電極
31,内側電極32とを有する。固体電解質5と外側電
極31,及び固体電解質5と内側電極32との間には,
酸素分子を吸着させると共にイオン化反応を行う混合伝
導体11,12をそれぞれ介設している。混合伝導体1
1,12は,多孔性であり,固体電解質5よりも高い酸
素イオン導通性を有し,また,固体電解質5と同程度の
電子導電性を有する。上記混合伝導体としては,ホタル
石型酸化物,ペロブスカイト型酸化物等を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,自動車内燃機関の空燃
比制御などに用いられる酸素センサに関する。
【0002】
【従来技術】自動車内燃機関における排気ガス中の酸素
濃度を検出するための酸素センサとしては,起電力式,
2 (酸素)ポンプ電流式,限界電流式などが一般的に
よく知られており,実用化されている。上記起電力式酸
素センサは,酸素イオン化反応により変化した電位を,
別途設けた基準電位と比較することにより,酸素濃度を
検出するものである。
【0003】上記O2 ポンプ式酸素センサは,例えば酸
素イオン導通性の安定化ジルコニア(ZrO2 −Y2
3 等)系固体電解質を用い,電流を流したときの固体電
解質間に生ずる酸素イオン起電力を測定するものであ
る。上記限界電流式酸素センサは,電圧を印加して固体
電解質中を流れる酸素イオン電流を拡散抵抗層により制
限して測定するものである。
【0004】該限界電流式酸素センサは,図8に示すご
とく,その先端にセンサ素子90を有している。該セン
サ素子90は,図8,図9に示すごとく,コップ型素子
であり,内側電極32,ZrO2 固体電解質5,外側電
極31,拡散抵抗層2を,内側から順に積層することに
より形成されている。センサ素子90の内肭901に
は,ヒータ6が挿入されている。外側電極31を除く固
体電解質5の外周と拡散抵抗層2との間には,絶縁層4
が介在している。
【0005】上記外側電極31,内側電極32は,図
8,図10に示すごとく,リード線91,92を介し
て,センサ素子90の上方のコネクタ98と接続されて
いる。上記両電極は,多孔性白金電極等を用いている。
上記ヒータ6は,リード線96を介して上記コネクタ9
8と接続している。
【0006】上記絶縁層4は,絶縁体であり,電極面積
を規定して,出力電流密度を制御している。上記拡散抵
抗層2は電極を保護すると共に,限界電流値を制御して
いる。尚,センサ素子90は,図8に示すごとく,ハウ
ジング96に取り付けられたフランジ97により,排気
パイプ等に固定される。センサ素子90の外方には保護
カバー95が設けてある。
【0007】この酸素センサ9においては,外側電極3
1と内側電極32との間に電圧を印加すると,両電極の
間で電気化学的反応が起こる。このときに流れる電流を
検知することにより,酸素濃度を測定することができ
る。上記印加電圧と出力電流の関係を図11に示す。
【0008】上記電気化学的反応は,図12(a)に示
すごとく,酸素がカソード(外側電極)とアノード(内
側電極)との間で電子の授受を行うことにより進行す
る。即ち,図12(b),図12(c),図13に示す
ごとく,気相中に含まれる酸素分子(O2 )は,外側電
極31と固体電解質5と気相との三相境界点1に吸着す
る。
【0009】三相境界点1に吸着した酸素分子(O2
は,この状態のままで酸素原子(O)に解離する。解離
した酸素原子(O)は,外側電極31から電子(e-
を受け取り,イオン化する。そして,三相境界点1から
離れて酸素イオン(O2-)となる。
【0010】この酸素イオン(O2-)は,図12(b)
に示すごとく,固体電解質5を通り抜けて,内側電極3
2と気相と固体電解質5との三相境界点1に到達する。
ここで,酸素イオン(O2-)は内側電極32へ電子(e
- )を供与する。このようにして電気化学的反応がおこ
る。
【0011】
【解決しようとする課題】ところで,この電気化学的反
応における律速段階は,酸素分子が三相境界点1に吸着
する吸着反応である。この吸着を容易にするために,外
側電極31を多孔性にして,三相境界点1を増加させる
ことが考えられる。しかし,図14に示すごとく,いく
ら三相境界点1の数を増加させても,各三相境界点1自
身の体積は変わらない。更に,三相境界点1は,固体電
解質5の表面にのみ形成されるので,増加可能な数に
も,限界がある。
【0012】また,上記酸素センサを実用的に作動させ
るためには,ヒータ6により両電極を700℃の高温に
熱する必要がある。また,高温作動のため,熱損失が大
きく,内蔵させるヒータ6の消費電力が大きくなる。本
発明はかかる従来の問題点に鑑み,電気化学的反応を促
進させ,かつ低温で実用的に作動することができる酸素
センサを提供しようとするものである。
【0013】
【解決しようとする課題】本発明は,固体電解質とその
表面に設けた電極とを有する酸素センサにおいて,上記
固体電解質と電極との間には,酸素分子を吸着させると
共にイオン化反応を行う混合伝導体を介設したことを特
徴とする酸素センサにある。
【0014】本発明において,上記混合伝導体とは,イ
オンと電子の両方が電気伝導に関与する物質である。ま
た,該混合伝導体は,本発明に関する酸素センサにおい
ては,固体電解質と電極との間に,酸素分子を吸着させ
るとともに,イオン化反応を行う電極反応層の役割を果
たすものである。また,該混合伝導体は,多孔性であ
り,固体電解質よりも高い酸素イオン導電性を有し,イ
オン導電性と同程度以上の電子導電性を有する。混合伝
導体の電子導電性はn型半導性に基づくものが好まし
い。
【0015】更に,混合伝導体は,固体電解質との接合
性が良好なものが好ましい。また,結晶系,熱膨張率が
固体電解質と近似していることが好ましい。混合伝導体
の物理的強度の向上及び強度維持のためである。このよ
うな混合伝導体としては,ペロブスカイト型酸化物,ホ
タル石型酸化物等がある。
【0016】上記ペロブスカイト型酸化物の化学組成式
は,La1-x Srx CoO3 ,Nd1-x Srx Co
3 ,Nd1-x Cax CoO3 ,La1-x Srx NiO
3 等である。上記ホタル石型酸化物の化学組成式は,C
1-x Lax 3 ,Ce1-x-y (M2 3 x (M’2
5 y 等である。
【0017】ここで,x は0.5以下であり,y は0.
03以下である。MはCd3+,Y3+,Yb3+,La3+
Gd3+等の3価の金属元素の1種であり,M’はN
5+,Ta5+等の5価の金属元素の1種である。x
0.5を越えた場合,或いはy が0.03を越えた場合
には,混合伝導体の酸素イオン導電性が低下するおそれ
がある。
【0018】上記ホタル石型酸化物を混合伝導体として
用いた場合には,酸素分圧が高くなると,混合伝導体の
n型半導性が減少して電子導電率が低下するおそれがあ
る。そのため,酸素イオン導電性に影響を及ぼさない範
囲で,混合伝導体の過剰電子濃度を増やして,高い電子
導電率を確保する必要がある。かかる観点から,混合伝
導体は,(CeO2 0.915 (Gd2 3 0.08(Nb
2 5 0.005 のように,Nb5+,Ta5+等の5価金属
を微量添加したものが望ましい。
【0019】また,混合伝導体のポロシティーは,20
〜40%であることが好ましい。20%未満では,混合
伝導体の酸素透過性に支障を来すおそれがある。40%
を越える場合には,混合伝導体の物理的強度に欠けるお
それがある。混合伝導体の層厚は25μm以下が好まし
い。25μmを越える場合には,酸素の通気性が悪くな
るなるおそれがある。また,スパッタリング法によれ
ば,混合伝導体を5μm以下の層厚に塗布することがで
きる。混合伝導体の層厚は,薄いほど酸素透過性が向上
する傾向にある。
【0020】上記固体電解質は,酸素イオンのみを通
し,電子は通さない性質を有するものである。かかる固
体電解質としては,ZrO2 系酸化物がある。上記電極
は,多孔性の白金電極等を用いる。その他は,従来例と
同様である。
【0021】次に,本発明にかかる酸素センサを製造す
る方法の概要についてその一例を説明する。まず,混合
伝導体の金属元素の酢酸塩を所定量の水に溶解し,これ
を減圧下,約60〜100℃で乾燥固化する。得られた
乾固物を200℃に加熱し,上記金属元素の酢酸塩を分
解する。この分解物を粉砕した後,空気中で900〜1
100℃にて焼成して,化合物粉末を得る。次いで,こ
れをペースト化して,混合伝導体ペーストを得る。
【0022】次いで,酸素センサの固体電解質焼成体の
表面に,印刷法,スパッタリング法等により,上記混合
伝導体ペーストを塗布する。次いで,この混合伝導体の
表面に白金等の電極をペースト法またはメッキ法等で付
与して焼き付ける。次いで,絶縁層,拡散抵抗層を形成
してセンサ素子とする。その後該センサ素子を前記の図
8に示したごとく組付け酸素センサを完成する(図
4)。
【0023】また,上記他の製造方法としては,固体電
解質のグリーンシートの表面に,上記混合伝導体ペース
トを塗布し,これらを焼成した後,上記電極ペーストを
塗布し,焼き付けることもできる。
【0024】本発明の酸素センサは,限界電流式,O2
ポンプ電流式等の酸素センサに利用することができる。
また,上記限界電流式酸素センサは,1セル構造で,実
施例1に示すごとき多孔質型のものと,ピンホール又は
スリットを設けたホール型のものとがある。また,O2
ポンプ電流式酸素センサは2セル構造でも上記と同様に
多孔質型,ホール型のものがある。
【0025】
【作用及び効果】本発明においては,固体電解質と電極
(カソード,アノード)との間に,酸素分子を吸着させ
ると共にイオン化反応を行う混合伝導体を介設してい
る。そのため,酸素センサを,酸素ガスを含有する雰囲
気中に置いた場合には,カソードに接触している混合伝
導体には,酸素分子が侵入する。侵入した酸素分子は,
混合伝導体に吸着される。酸素分子は,この状態のまま
で酸素原子に解離する。解離した酸素は,電極から電子
を受け取り,イオン化して,混合伝導体から離脱して酸
素イオンとなる(図12参照)。
【0026】ここで注目すべきことは,本発明において
は,この吸着,解離,イオン化,離脱の一連の反応は,
混合伝導体の表面だけでなく内部においても行われるこ
とである。即ち,本発明においては,後述する図3に示
すごとく,上記反応を行う三相境界点(電極と気相と固
体電解質)が上記混合伝導体の内部に形成されている。
そのため,上記反応は,この混合伝導体の内部における
あらゆる部位,即ち三次元的部位で行われる。
【0027】これに比して,従来の酸素センサにおいて
は,上記三相境界点は,固体電解質とこれに接触する電
極の外周との接点付近にしかない。つまり,三相境界点
は電極外周の環状部分にしか形成されない(図12
c)。そのため,従来酸素センサの三相境界点は,二次
元的部位でしかなかった。それ故,本発明の酸素センサ
においては,上記反応が大量,かつスムースに行われる
ことになる。
【0028】また,混合伝導体は多孔性であるため,酸
素分子の吸着面積も大きい。そのため,上記吸着反応を
促進することができる。また,混合伝導体は,イオン導
電性と同程度以上の電子導電性を有する。そのため,電
極から生じた電子を酸素原子にスムーズに運ぶことがで
きる。それ故,上記イオン化反応を促進することができ
る。また,イオン化反応が促進するに追従して,その前
反応である解離反応もすばやく行われる。
【0029】また,混合伝導体は固体電解質よりも優れ
た酸素イオン導電性を有する。そのため,イオン化した
酸素を容易に固体電解質に移行させることができる。そ
のため,上記離脱反応を促進することができる。
【0030】一方,アノードに接触している混合伝導体
も,カソード側の混合伝導体と同様のものである。その
ため,固体電解質から移送した酸素イオンを容易に吸着
する。そして,この酸素イオンから電子を放出し,酸素
分子となる(図12参照)。放出された電子はすばやく
電極に供与される。
【0031】このように,電極と固体電解質との間に混
合伝導体を介設することにより,電気化学的反応が三次
元的にスムーズに行われる。また,そのため,500℃
程度の低温でも容易に電気化学的反応が進行する。従っ
て,本発明の酸素センサは,上記低温で実用的に作動す
ることができる。本発明によれば,電気化学的反応を促
進させ,かつ低温で実用的に作動することができる酸素
センサを提供することができる。
【0032】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例にかかる酸素センサについて,図1〜図
3を用いて説明する。本例の酸素センサは,図1に示す
ごとく,固体電解質5と,その表面に設けた外側電極
(カソード)31,内側電極(アノード)32とを有す
る。固体電解質5と外側電極31,及び固体電解質5と
内側電極32との間には,酸素分子を吸着させると共に
イオン化反応を行う混合伝導体11,12をそれぞれ介
設している。混合伝導体11,12は,多孔性であり,
固体電解質5よりも高い酸素イオン導電性を有し,ま
た,このイオン導電性と同程度の電子導電性を有する。
【0033】上記混合伝導体11,12としては,ホタ
ル石型酸化物を用いる。該ホタル石型酸化物は,具体的
には,(CeO2 0.915 (Y2 3 0.08(Nb2
5 0.005 を用いる。上記混合伝導体のポロシティー
は,30%である。混合伝導体の層厚みは5〜10μm
である。上記外側電極31,内側電極32は,多孔性の
白金電極を用いる。上記固体電解質5は,ZrO2 を用
いている。
【0034】本例の酸素センサ9は限界電流式酸素セン
サである。該酸素センサは,その先端にセンサ素子90
を有している。該センサ素子90は,図1,図2に示す
ごとく,コップ型素子であり,内側電極32,固体電解
質5,外側電極31,拡散抵抗層2を内側から順に積層
して形成されている。センサ素子90の内腔901に
は,ヒータ6が挿入されている。
【0035】拡散抵抗層2は,絶縁体よりなる多孔質で
あり,外側電極31及び絶縁層4の全表面を覆ってい
る。外側電極31を除く固体電解質5の外周と拡散抵抗
層2との間には,絶縁層4が介在している。上記外側電
極31,内側電極32は,リード線91,92を介し
て,センサ素子90の上方のコネクタと接続されてい
る。その他は,前記従来例と同様である。
【0036】次に,本例の作用効果について説明する。
本例の酸素センサにおいては,図3(a)に示すごと
く,固体電解質5と外側電極(カソード)31,及び固
体電解質5と内側電極(アノード)32との間に,上記
混合伝導体11,12を各々介設している。
【0037】そのため,酸素センサを,酸素ガスを含有
する雰囲気中に置いた場合には外側電極31に接触して
いる混合伝導体11には,酸素分子(O2 )が侵入す
る。この酸素分子(O2 )は,混合伝導体11に吸着さ
れる。吸着した酸素分子(O2 )は,この状態のままで
酸素原子(O)に解離する。解離した酸素原子は,外側
電極31から電子(e- )を受け取り,イオン化して,
混合伝導体11から離脱して酸素イオン(O2-)とな
る。
【0038】本例においては,この吸着,解離,イオン
化,離脱の一連の反応は,混合伝導体11の表面だけで
なく内部においても行われる。即ち,本例においては,
上記反応を行う三相境界点1(外側電極又は内側電極と
気相と固体電解質)が上記混合伝導体11,12の内部
に形成されている。そのため,上記反応は,図3(b)
に示すごとく,この混合伝導体の内部におけるあらゆる
部位,即ち三次元的部位で行われる。それ故,本例の酸
素センサにおいては,上記反応が大量,かつスムーズに
行われることになる。
【0039】また,上記混合伝導体11は多孔性である
ため,酸素分子の吸着面積も大きい。そのため,上記吸
着反応を促進することができる。また,上記混合伝導体
11は,イオン導電性と同程度の電子導電性を有する。
そのため,電極から生じた電子を酸素原子にスムーズに
運ぶことができる。それ故,上記イオン化反応を促進す
ることができる。また,イオン化反応が促進するに追従
して,その前反応である解離反応もすばやく行われる。
【0040】また,上記混合伝導体11は固体電解質5
よりも優れた酸素イオン導電性を有する。そのため,イ
オン化した酸素を容易に固体電解質5に移行させること
ができる。それ故,上記離脱反応を促進することができ
る。このように,本例の混合伝導体11においては,上
記の4段階の一連の反応がスムーズに行われる。上記反
応は,電気化学的反応の律速反応である。そのため,上
記反応がすばやく進行することにより,電気化学的反応
もスムーズに行われる。
【0041】また,内側電極32と固体電解質5との間
に介設された混合伝導体12(アノード)も,外側電極
(カソード)側の混合伝導体11と同様のものであり,
内側電極32と固体電解質5と気相との接点である三相
境界点1に相当する。それ故,固体電解質5から移送し
た酸素イオン(O2-)を容易に吸着する。そして,この
酸素イオン(O2-)から電子(e- )を放出し,酸素分
子(O2 )となる。放出された電子(e- )はすばやく
内側電極32に供与される。
【0042】このように,本例の混合伝導体において
は,外側電極31及び内側電極32の双方において,ス
ムーズに電気化学的反応が進行する。従って,500℃
程度の温度でも十分に作動することができる。従って,
本例の酸素センサは,上記低温で実用的に作動すること
ができる。
【0043】実施例2 本例においては,実施例1の酸素センサの製造方法につ
いて,図4を用いて説明する。まず,図4(a)に示す
ごとく,ZrO2 固体電解質ペーストをコップ型に成形
し,これを1300〜1500℃にて焼成して,ZrO
2 固体電解質の焼成体を作製する。
【0044】そして,混合伝導体を作製する。その作製
にあたっては,まず,混合伝導体の金属元素Ce,G
d,Nbの酢酸塩を所定量の水に溶解し,これをロータ
リーエバポレータにより,減圧下,約60〜100℃で
乾燥固化させる。得られた乾固物を200℃に加熱し,
上記金属元素の酢酸塩を分解する。この分解物を粉砕し
た後,空気中で900〜1100℃にて焼成して,化合
物粉末を得る。次いで,これをペースト化して混合伝導
体ペーストを得る。
【0045】次に,該混合伝導体ペーストを,上記のZ
rO2 固体電解質の焼成体に,層厚み約1μmに印刷塗
布する。更に,この混合伝導体ペーストの表面に,電極
用の白金電極ペーストを塗布する。次に,これを800
〜1200℃にて加熱して混合伝導体11,12及び外
側電極31,内側電極32を焼き付ける(図2参照)。
【0046】次いで,固体電解質の表面における混合伝
導体のない部分に,絶縁層4を形成する。その後,外側
電極31及び絶縁層4の表面に,溶射法により,拡散抵
抗層2を形成する。これにより,センサ素子90が得ら
れる。該センサ素子90の内腔901にはヒータ6を挿
入し,前記のごとくして,酸素センサ9を完成する(図
1,図8参照)。また,上記製造方法においては,図4
(b)に示すごとく,固体電解質のグリーンシートの表
面に,混合伝導体11,12を塗布し,これらを焼成し
た後,白金電極ペーストを塗布して焼き付けることもで
きる。
【0047】実施例3 本例の酸素センサにおいては,混合伝導体としてペロブ
スカイト型酸化物を用いた。該ペロブスカイト型酸化物
の化学組成式は,La0.6 Sr0.4 CoO2.8である。
その他は,実施例1と同様であり,同様の効果が得られ
た。
【0048】実施例4 本例においては,上記実施例1,実施例3の酸素センサ
について,その作動温度と出力電流の関係について測定
した。測定に供した気体は,空燃比(A/F)25で運
転したエンジンの排ガスである。尚,比較のために,混
合伝導体を設けていない従来例にかかる酸素センサにつ
いても,上記と同様に測定した。その結果を図5に示
す。
【0049】図5より知られるように,実施例1の酸素
センサは480℃で,実施例2については500℃で,
出力電流が安定した。一方,従来例の酸素センサにおい
ては,出力電流の安定は,700℃という高温であっ
た。このことから,本発明にかかる酸素センサは,50
0℃程度の温度でも,電気化学的反応が何の支障もなく
スムーズに進行することが分かる。
【0050】実施例5 本例の酸素センサは,O2 ポンプ電流式酸素センサであ
る。上記酸素センサは,図6に示すごとく,2つの固体
電解質51,52を有し,各固体電解質51,52の表
面には外側電極(カソード)33,36及び内側電極
(アノード)34,35を設けている。
【0051】上記固体電解質51と外側電極33及び内
側電極34との間,上記固体電解質52と内側電極35
及び外側電極36との間には,それぞれ混合伝導体1
3,14,15,16が介設している。固体電解質5
1,52の両端部には絶縁体4が配置され,これらの間
には空洞室57が形成されている。また,固体電解質5
2側にはピンホール58が設けてある。
【0052】固体電解質51の電極33,34の間の起
電力Vs が一定となるように,ピンホール58を通して
流入または流出する酸素分子(O2 )に見合う分をポン
ピング電流によって補償し,空洞室57の酸素分圧を一
定に保つ。ポンピング電流は酸素イオン(O2-)が固体
電解質52を通り抜けることにより流れ,この酸素イオ
ン(O2-)は電極35,36の間の固体電解質52を通
り抜ける間に,電子(e- )を電極35または電極36
に供与して酸素分子(O2 )となる。
【0053】従って,電極35,36の間に電流iPが
流れる。この出力電流Aを検出することにより,酸素濃
度を測定することができる。尚,図7は,排気側酸素濃
度と電極35,36の間に流れる出力電流iPとの関係
を示す。その他は,実施例1と同様である。本例のO2
ポンプ式酸素センサにおいても実施例1と同様に優れた
効果を発揮した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の酸素センサの要部断面図。
【図2】図1の要部拡大断面図。
【図3】実施例1にかかる酸素センサの,混合伝導体に
おける作用を示す説明図。
【図4】実施例2の酸素センサの製造工程を示す説明
図。
【図5】実施例4における,酸素センサの作動温度と出
力電流との関係を示す線図。
【図6】実施例5の酸素センサの作用を示す説明図。
【図7】実施例5にかかる,酸素濃度とO2 ポンプ式酸
素センサの出力電流との関係を示す線図。
【図8】従来例の酸素センサの一部切断側面図。
【図9】従来例の酸素センサの要部断面図。
【図10】図8の要部拡大断面図。
【図11】限界電流式酸素センサの印加電圧と出力電流
との関係を示す線図。
【図12】従来例にかかる酸素センサの作用を示す説明
図。
【図13】酸素センサの電気化学的反応の説明図。
【図14】従来例における,電極と固体電解質と気相と
の三相境界点の状態を示す説明図。
【符号の説明】
1...三相境界点, 11〜16...混合伝導体, 2...拡散抵抗層, 31,33,36...外側電極, 32,34,35...内側電極, 4...絶縁層, 5,51,52...固体電解質, 6...ヒータ, 9...酸素センサ, 90...センサ素子,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7363−2J G01N 27/46 327 Z (72)発明者 中江 誠 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 中野 秀一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 鈴木 雅寿 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体電解質とその表面に設けた電極とを
    有する酸素センサにおいて,上記固体電解質と電極との
    間には,酸素分子を吸着させると共にイオン化反応を行
    う混合伝導体を介設したことを特徴とする酸素センサ。
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