JPH0620152Y2 - 巻真受の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は，腕時計の巻真受の構造に関する。

（従来の技術） 従来，巻真受は樹脂材によりできており、地板に固定す
るための中空のダボを設けた部分とは別にかんぬきのか
んぬきばねを引っ掛け，前記かんぬきばねが外れないよ
うにかんぬきばねを押圧する側面に突起を設けた引掛け
部があった。

（考案が解決しようとする課題） しかし，このような巻真受においては，前記ダボと引掛
け部を別々に設けるスペースを必要とした。また，樹脂
成形の金型には，中空のダボを設けるためのピンと引掛
け部を設けるためのピンを別々に設けなければならなか
った。

そこで本考案は，ダボと引掛け部のスペースを減少する
こと，および金型の構造を簡単にすることを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） 本考案の巻真受の構造は，時計用巻真の少なくとも一部
を支持するため樹脂製絶縁部材で形成した巻真受におい
て，巻真受を固定するための中空のダボと，かんぬきの
ばね部を引っ掛ける引掛け部と，前記ばね部が外れない
ように設けた突起を設け，前記ダボの中空部と前記引掛
け部と前記突起の一部を金型の一本のピンで成形した。

（実施例） 以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は，本考案のかんぬき，おしどり，巻真，つづみ
車および巻真受の一部を示す平面図である。

第２図は，巻真受の主要部の断面図である。

巻真１は，外部から操作される。巻真１の操作により，
かんぬき２はかんぬきピン３を中心に回動する。かんぬ
き２は歯車を規正する規正レバー部２ａと，つづみ車を
動作する係合部２ｂと，巻真１を操作したとき動きを伝
達する部分と，かんぬきのばね部２ｃと，リセットレバ
ー部２ｄからなる。かんぬきのばね部２ｃは，ばね部２
ｃの先端を巻真受４の引掛け部４ａに引っ掛け，ばね部
の弾性力によってかんぬきをかんぬきピン３の中心に時
計回りとは逆の方向に回転させるように働いている。リ
セットレバー部２ｄは，巻真１の操作によりモーターを
電気的に停止せしめる働きをする。巻真受４は、巻真１
の一部を支持し，樹脂製絶縁部材で形成されている。巻
真受４の引掛け部４ａは，かんぬき２のばね部２ｃを引
っ掛け，ばね部２ｃの先端が外れないように突起４ｂが
設けてある。引掛け部４ａの面は，ダボ４ｃの中空部の
一面を形成している。中空のダボ４ｃは，金属の地板に
圧入され，ダボ４ｃが逃げられるように中空になってい
る。突起４ｂと中空のダボ４ｃの成形は，金型にピンを
立て，前記ピンを共通に使用することによってなされて
いる。従って，巻真受４は一本の前記ピンによりダボ４
ｃの中空と突起４ｂの一部を形成する。

すなわち、第２図に示すように、金型のピン１０を立設
して樹脂成形が行われる。すると、ピン１０の下部１０
Ａによつてダボ４Ｃの中空が形成されるとともに、ピン
１０の上部側面１０Ｂに沿つて引掛け部４ａが形成され
る。そして更に、ピン１０の頂部１０Ｃによつて突起４
ｂが形成される。

上述したように、従来技術によれば、ダボ，引掛け部，
及び突起が異なる配置となつている。このため、ダボを
形成するためのピンと、引掛け部及び突起を形成するた
めのピンと、２つのピンが樹脂成形の金型に必要とな
る。

しかし、本実施例によれば、１つのピンを設けるのみ
で、ダボ，引掛け部，及び突起を形成することができ
る。

（考案の効果） 本考案は，以上説明したように中空のダボと引掛け部を
同一箇所に設け，樹脂でできた巻真受のダボの中空とか
んぬきのばね部の引掛け部と突起の一部を金型の一本の
ピンにより成形したので，ダボと引掛け部のスペースを
減少し，巻真受のレイアウトを容易にし，さらに，金型
の構造を簡単にすることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は，本考案の一実施例を示す巻真受の一部と切換
え機構の平面図である。 第２図は，本考案の一実施例を示す巻真受の一部の断面
図である。 １……巻真、３…かんぬきピン ２……かんぬき、４……巻真受 ２ａ……規正レバー部、４ａ…引掛け部 ２ｂ……係合部、４ｂ……突起 ２ｃ……ばね部、４ｃ……ダボ ２ｄ……リセットレバー部 １０……ピン １０Ａ……下部 １０Ｂ…上部側面 １０Ｃ……頂部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】時計用巻真の少なくとも一部を支持するた
   めの樹脂製絶縁部材で形成した巻真受の構造において、 巻真受を固定するための中空のダボを一方の面に設ける
   とともに、かんぬきのばね部を引っ掛ける引掛け部と、
   ばね部が外れるのを防止する突起とを、他方の面に設
   け、 かつ、前記ダボの中空側壁を延長して前記引掛け部とす
   るとともに、この延長部の端部を前記突起の一部とする
   ことによって、金型の一本のピンでダボの中空，引掛け
   部，及び突起の一部を形成可能としたことを特徴とする
   巻真受の構造。