JPH06199898A - 新規なペプチドおよびその用途 - Google Patents

新規なペプチドおよびその用途

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JPH06199898A
JPH06199898A JP4089149A JP8914992A JPH06199898A JP H06199898 A JPH06199898 A JP H06199898A JP 4089149 A JP4089149 A JP 4089149A JP 8914992 A JP8914992 A JP 8914992A JP H06199898 A JPH06199898 A JP H06199898A
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JP
Japan
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peptide
present
amino acids
tyrosinase activity
acid
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JP4089149A
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English (en)
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Takuji Tsukamoto
卓治 塚本
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Sansho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Sansho Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/90Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in food processing or handling, e.g. food conservation

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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 次に示すアミノ酸分析値を示し、かつN末端
からの4個のアミノ酸がH−Glu−Ile−またはH
−Glu−Leu−である分子量3,350±900の
ペプチドまたはその塩。 AspまたはAsn 4.2±2% GluまたはGln 4.5±2% Ser 3.1±2% Gly 19.4±2% His 1.2±2% Arg 3.8±2% Thr 4.1±2% Ala 6.5±2% Pro 3.7±2% Tyr 3.4±2% Val 8.8±2% Met 0 Cys 16.1±2% Ile 3.4±2% Leu 7.3±2% Phe 1.4±2% Lys 7.6±2% 上記ペプチドまたはその塩を有効成分とすることを特徴
とするチロシナーゼ活性阻害剤。 【効果】 本発明の新規なペプチドは、優れたチロシナ
ーゼ活性抑制効果を示し、これを医薬品、医薬部外品、
化粧品、美白食品、甲殻類の褐変防止剤、鮮度保持剤な
どとして使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は、新規な生理活性ペプチ
ドに関するものであり、より詳しくはチロシナーゼ活性
の阻害作用を有する新規なペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】チロシナーゼは、メラ
ニン色素の生成を触媒する酵素で、天然界に広く存在し
ており、そのチロシナーゼ活性を抑制する作用を有する
ものは、産業上種々の用途が知られている。
【0003】例えば、特公昭61−10447号公報等
に開示されているように、チロシナーゼ活性阻害剤は、
美容上の観点からメラニン生成の予防および治療のため
に美白剤としての用途に用いられている。また、植物の
果実、種子および穀物では、例えば、特開昭62−19
8372号公報などに開示されているように、チロシナ
ーゼによるメラニンの生成により褐変化が起こり、これ
に対して褐変化防止剤が用いられている。
【0004】エビ、カニなどの甲殻類では、例えば、特
開平1−257427号公報等に開示されているよう
に、チロシナーゼの活性を抑制して、鮮度を保つために
鮮度保持剤として用いられている。さらに害虫では、例
えば、特開平1−132502号公報などに開示されて
いるように、メラニン生成を抑制することにより、害虫
駆除剤として利用されている。
【0005】しかしながら、これらの用途に利用されて
いるチロシナーゼ活性阻害剤は、そのチロシナーゼ活性
阻害効果の点で十分に満足できるものではなく、さらに
効果の高いものが望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような観点から、
動物とりわけ昆虫に存在するチロシナーゼの活性阻害剤
について研究を行った結果、特定のペプチドが非常に高
いチロシナーゼ活性阻害作用を有するという知見を得、
本発明を完成するに至った。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明は、非常に高い
チロシナーゼ活性阻害効果を有する新規なペプチドを提
供するものであり、さらに、その有用な用途を提供する
ものである。すなわち、本発明によれば、次のアミノ酸
分析値を示し、かつN末端からの4個のアミノ酸がH−
Glu−Ile−またはH−Glu−Leu−である分
子量3,350±900のペプチドまたはその塩、なら
びにそれらを有効成分とすることを特徴とするチロシナ
ーゼ活性阻害剤が提供される。 AspまたはAsn 4.2±2% GluまたはGln 4.5±2% Ser 3.1±2% Gly 19.4±2% His 1.2±2% Arg 3.8±2% Thr 4.1±2% Ala 6.5±2% Pro 3.7±2% Tyr 3.4±2% Val 8.8±2% Met 0 Cys 16.1±2% Ile 3.4±2% Leu 7.3±2% Phe 1.4±2% Lys 7.6±2%
【0008】なお、アミノ酸、ペプチド等が本発明にお
いて記号で示される場合、IUPAC およびIUP により規定
された記号、あるいはペプチド化学の分野で使用される
通常の記号を用いる。記号の例は次の通りである。 Ala・・・アラニン Arg・・・アルギニン Asn・・・アスパラギン Asp・・・アスパラギン酸 Cys・・・システイン Gln・・・グルタミン Glu・・・グルタミン酸 Gly・・・グリシン His・・・ヒスチジン Ile・・・イソロイシン Leu・・・ロイシン Lys・・・リジン Met・・・メチオニン Phe・・・フェルニルアラニン Pro・・・プロリン Ser・・・セリン Thr・・・スレオニン Tyr・・・チロシン Val・・・バリン
【0009】また、本発明のペプチドとしては、チロシ
ナーゼ活性阻害効果を失わないかぎり、ペプチドから少
なくとも一個のアミノ酸が欠損しているものでもよい。
【0010】
【発明の具体的説明】
【ペプチドの製法】本発明のペプチドは、従来から知ら
れているペプチドの調製方法を用いることにより製造す
ることができる。その調製方法としては、例えば、生体
からの抽出法、合成法、遺伝子組み替え法などの方法が
知られている。とくに、生体からの抽出法を利用する方
法が好ましく、その場合には、昆虫、とりわけハエか
ら、種々の抽出精製法を組み合わせて、前記ペプチドを
製造することができる。
【0011】
【ペプチドの用途】かくして得られたペプチドのチロシ
ナーゼ活性阻害効果について調べたところ、コウジ酸に
比べて著しく高いチロシナーゼ活性阻害効果を有してい
ることが判明し、該ペプチドは、医薬品、医薬部外品、
化粧品、食品および害虫駆除剤などのチロシナーゼ活性
抑制効果が求められる種々の用途に使用可能である。
【0012】医薬品としては、例えば、シミ、老人性黒
子、内因性肝斑、母斑などの皮膚の真皮部分に発症する
色素沈着症治療剤に対しても、優れたチロシナーゼ活性
抑制作用を及ぼし、さらに、医薬部外品や化粧品として
は、例えば色白剤などとして有用なものである。
【0013】また、食品としては、例えば、そのチロシ
ナーゼ活性抑制作用が求められる、例えば甲殻類や魚類
の褐変防止剤および生鮮食品や野菜などの鮮度保持剤な
ど、種々の用途が挙げられる。
【0014】害虫駆除剤としては、種々の害虫、例え
ば、ツマグロヨコバイなどの半翅目害虫、ハンスモヨト
ウ、コナガなどの鱗翅目害虫、そのほか鞘翅目害虫、双
翅目害虫、ゴキブリ目害虫、クモ綱害虫に対する駆除剤
としての用途が挙げられる。
【0015】本発明のペプチドの好適な用途について具
体的に説明する。本発明のペプチドを有効成分として配
合した医薬品、医薬部外品および化粧品の剤型として
は、外用可能な種々の形態、例えばクリーム、軟膏、乳
剤、注射剤、リニメント剤、パップ剤、プラスター剤、
点眼剤、ペースト剤、ローション、乳液、エッセンス、
パック、ゲル剤、口紅、ファンデーション、ヘアシャン
プー、ヘアリンス、ヘアトニックなどの公知の形態の
他、経口可能な固形や液状の種々の形態、例えば、カプ
セル剤、錠剤、顆粒剤、粉剤、シロップ剤、ドリンク剤
などの公知の形態に製剤化して自由に使用でき、その基
材も皮膚および毛髪施用上あるいは内服上許容し得る任
意の液状および固形状の原料を巾広く使用できることは
言うまでもない。
【0016】有効成分としては、本発明のペプチド以外
にも公知の有効成分、例えば色白剤として使用されてい
るアスコルビン酸、ハイドロキノン、リキリチンおよび
それらの誘導体、コウジ酸およびコウジ酸誘導体、アル
ブチン、末梢血管拡張剤として使用されているセファラ
ンチン、ビタミンE、ビタミンEニコチネート、ニコチ
ン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、ショウ
キョウチンキ、トウガラシチンキ、清涼剤として使用さ
れているカンフル、メントール、抗菌剤として使用され
ているるヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム、ウン
デシレン酸、消炎されている塩化リゾチーム、グリチル
リチン、アラントイン、動物・植物由来の各種抽出物で
ある甘草エキス、センブリエキス、ニンニクエキス、シ
ンジンエキス、オウゴンエキス、ローズマリーエキス、
アロエエキス、胎盤抽出液、肝臓抽出物などから選ばれ
る1種または2種以上を適宜選択して自由に併用するこ
とができる。
【0017】その際、必要に応じて防腐剤、香料、安定
剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘
剤など種々の公知の添加剤を加えることができる。
【0018】<医薬品、医薬部外品および化粧品として
の用途>本発明の有効成分であるペプチドの医薬品、医
薬部外品および化粧品への配合量は適用部位、症状の度
合い、剤型などによって適宜変更してよいが、通常0.
0001ないし10.00重量%程度、好ましくは0.
01ないし5.00重量%程度を製剤中に配合する。
【0019】配合するペプチドは、精製したものを用い
ても良いが、抽出液や反応液をそのまま使用することが
できる。
【0020】<美白食品としての用途>本発明のペプチ
ドを有効成分として配合した美白食品の形態は、例え
ば、ゼリー、ドリンク、ジャム、ビスケット、飴、チョ
コレートなど一般に飲食するために加工した種々の公知
の形態が使用できる。
【0021】<褐変防止剤、および鮮度保持剤としての
用途>また、褐変防止剤、および鮮度保持剤として使用
する場合は、野菜、海産物、飼料などに公知の使用法で
本ペプチドを使用することができる。
【0022】その際、必要に応じて食品として使用可能
な公知の他のチロシナーゼ活性抑制剤、例えばアスコル
ビン酸、コウジ酸などの他、防腐剤、香料、安定剤、着
色剤、乳化剤、酸化防止剤、調味料、増粘剤など種々の
公知の添加剤、例えば、アルコール、プロタミン、赤色
2号、黄色4号、BHA、カラギーナン、天然香料、β
−カロチンモノグリセライド、グルタミン酸ナトリウ
ム、ソルビトール、ステビア、果糖、クエン酸などを加
えることができる。
【0023】本発明の有効成分であるペプチドの配合量
は、食品など配合するものの形態等によって適宜変更し
てよいが、通常0.0001ないし10.00重量%程
度、好ましくは0.01ないし5.00重量%程度を配
合するとよい。
【0024】配合するペプチドは、精製したものを用い
ても良いが、抽出液や反応液をそのまま使用することが
できる。
【0025】<害虫駆除剤としての用途>本発明のペプ
チドを有効成分として配合した害虫駆除剤の形態は、例
えば、ペースト、溶液、パウダー等の種々の公知の形態
が使用できる。
【0026】その際、必要に応じて他の公知の害虫駆除
剤、防腐剤、香料、安定剤、着色剤、乳化剤、酸化防止
剤、増量剤、増粘剤など種々の公知の添加剤、例えば、
コウジ酸、ジフルベンゾロウン、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、ジメチルホルムアミド、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル、カオリン、ケイ酸な
どを加えることもできる。
【0027】本発明の有効成分であるペプチドの配合量
は害虫駆除剤の形態等によって適宜変更してよいが、通
常0.0001ないし10.00重量%程度、好ましく
は0.01ないし5.00重量%程度を駆除剤中に配合
するとよい。
【0028】配合するペプチドは、精製したものを用い
ても良いが、抽出液や反応液をそのまま使用することが
できる。
【0029】次に、本発明の有効成分であるペプチドの
製造法、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品およびその
他の実施例およびその効果の試験例を挙げるが、これら
は本発明を何等限定するものではない。
【0030】〈ペプチドの製造例〉本発明の新規なペプ
チドの製造例として、イエバエからの抽出法を示す。本
ペプチドは、イエバエからの粗抽出液の調製、SP−トヨ
パール550Cカラムを用いた分画、セファデックスG −25
カラムを用いた分画、およびYMC C8ノHPLC カラムを用い
た分画の4段階で精製した。
【0031】各種カラムを用いた本ペプチドの分画にお
ける溶出クロマトグラムをそれぞれ図に示した。この
時、本チロシナーゼ活性阻害画分を点線で、又蛋白質量
画分を実践で図に示した。
【0032】チロシナーゼ活性阻害画分は、次の方法を
用いてその阻害の程度を測定した。すなわち、ハエから
調製したチロシナーゼを酵素液として用い、終濃度2mM
のDOPAおよび各画分を添加して、全量3mlとなるように
50mMのリン酸緩衝液を加え25℃でインキュベートして、
470 nmの吸光度を追跡することにより、チロシナーゼ活
性阻害効果の程度を求めた。各画分の蛋白質量は、Lowr
y らの方法[ジャーナル・オブ・ザ・バイオロジカル・
ケミストリー、193巻、265 −275 頁、1951年]を用
いて測定した。
【0033】(1) イエバエからの粗抽出液の調製 イエバエの蛹1.5 Kgに6 L の0.1M酢酸緩衝液(pH 4.0)
を加え、4℃でホモジネートした。ホモジネート液をガ
ーゼでろ過し、ろ液を70℃で30分間加熱し、遠心分離に
より澄明な上澄液を得た。その上澄液に、60%飽和濃度
になるように固体の硫酸アンモニウムを加え、遠心分離
を行った。さらに、その上澄液に80%飽和濃度になるよ
うに固体の硫酸アンモニウムを加え、遠心分離を行っ
た。沈殿物を水に対して透析処理した。透析内液を遠心
分離し、澄明な上澄液を粗抽出液として得た。
【0034】 (2) SP−トヨパール550Cカラムを用いた分画 この粗抽出液を50mMのリン酸緩衝液で平衡化したSP−ト
ヨパール550Cの440mlカラムに添加し、塩化ナトリウム
濃度0Mから0.6Mのグラジエントにより、チロシナ
ーゼ活性阻害画分を溶出した。溶出クロマトグラムを図
1に示す。チロシナーゼ活性阻害画分は、塩化ナトリウ
ム濃度0.5M付近で溶出された。
【0035】 (3) セファデックスG −25カラムを用いた分画 チロシナーゼ活性阻害画分を凍結乾燥して、水に溶解し
た。その溶液を50mMのリン酸緩衝液で平衡化したセファ
デックスG −25のカラム(直径2.8cm ×長さ110cm)に添
加し、チロシナーゼ活性阻害画分を溶出した。溶出クロ
マトグラムを図2に示す。チロシナーゼ活性阻害画分
は、250ml から400ml の溶出液に検出された。その画分
を集め、透析後、凍結乾燥して、乾燥物を水で溶解し
た。
【0036】(4) YMC C8ノHPLC カラムを用いた分画 その画分をYMC C8ノHPLC カラム(直径4.6cm ×長さ250m
m)を用いて分画した。すなわち、0.1 %のトリフルオロ
酢酸を含む12%から24%のアセトニトリルのグラジエン
トで、流速1ml/分で分画した。溶出クロマトグラム
を図3に示す。チロシナーゼ活性阻害画分の保持時間
は、約47分であった。
【0037】〈分析結果〉このようにして得られた本発
明のペプチドの分析結果を次に示す。 (1) アミノ酸分析 本発明のペプチドのアミノ酸分析は、次の方法により行
った。精製したペプチドを0.05%の2−メルカプトエタ
ノールを含む6Nの塩酸に溶解し、減圧してガラスチュ
ーブに封入した。そのガラスチューブを、110 ℃で24
時間、48時間、72時間加熱し、ペプチドの加水分解
を行った。ワコウパックWS−PTCカラム(和光純薬
株式会社製)を用いて、PTC−ラベリング法により、
本発明のペプチドのアミノ酸分析値を求めた。また、シ
ステイン含量は過ギ酸で酸化して生成するシステイン酸
から求めた。
【0038】アミノ酸分析値は、つぎのとおりである。 AspまたはAsn 4.2±2% GluまたはGln 4.5±2% Ser 3.1±2% Gly 19.4±2% His 1.2±2% Arg 3.8±2% Thr 4.1±2% Ala 6.5±2% Pro 3.7±2% Tyr 3.4±2% Val 8.8±2% Met 0 Cys 16.1±2% Ile 3.4±2% Leu 7.3±2% Phe 1.4±2% Lys 7.6±2%
【0039】(2) N末端アミノ酸配列の測定 本発明のペプチドのアミノ酸配列は、4−N,N−ジメ
チルアミノアゾベンゼン−4’イソチオシアネートおよ
びフェニルチオシアネートを用いるダブルカップリング
法により行った。本発明のペプチドのアミノ酸配列は、
N末端からの4個のアミノ酸として分析され、H−Gl
u−Ile−またはH−Glu−Leu−であった。
【0040】(3) 分子量の測定 本発明のペプチドの分子量は、12.5%のアクリルアミド
の分離ゲルを用いるLaemmli の方法(ネイチャー、227
巻 680−685 頁、1970年)に従ってSDSポリアクリル
アミドゲル電気泳動を行うことにより、求めた。本ペプ
チドの分子量は3,550±900であった。
【0041】(4) 安定性 各種条件下における、本発明のペプチドのチロシナーゼ
活性残存率は、80℃,1時間の条件下で60%であっ
た。
【0042】(5) pH安定性 本発明のペプチドのチロシナーゼ活性阻害効果は、pH
4ないし10において安定であった。
【0043】次に、チロシナーゼ活性阻害試験の効果を
示す。 〈試験例〉ハエから調製したチロシナーゼを酵素液とし
て用い、終濃度1.25mMから5.0mMのDOPAおよび本ペプチ
ド1.5nM から6.0nM を添加して、全量が3mlとなるよ
うに50mMのリン酸緩衝液を加え、25℃でインキュベート
して、生成するドーパクロムの470nm の吸光度を追跡し
た。ドーパクロムの初期生成速度を用いて、Lineweaver
−BurkプロットおよびDixon プロットを行い、チロシナ
ーゼ活性阻害の型式および阻害定数を算出した。その結
果を表1に示した。 この結果からも明らかなように、本発明のペプチドに
は、非常に高いチロシナーゼ活性阻害効果が認められ
た。
【0044】次に本発明の有用な用途のより具体的な例
を処方例で示す。処方例中、「適量」とは、全体で10
0重量%になる配合量を意味する。 〈処方例1〉 クリーム (重量%) A モノステアリン酸 2.0 ポリエチレングリコール(40.E.O.) 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 5.0 ステアリン酸 5.0 ベヘニルアルコール 1.0 流動パラフィン 10.0 トリオクタン酸グリセリル 10.0 B グリセリン 5.0 エチルパラベン 0.1 本発明のペプチド 1.0 精製水 適量 Aに属する成分を加熱溶解する。別に、Bに属する成分
を加熱溶解する。AにBを添加して攪拌、乳化後、冷却
してクリームを製造した。
【0045】 〈処方例2〉 乳液 (重量%) 本発明のペプチド 0.5 A モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20.E.O.) 1.0 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット(60.E.O.) 0.5 親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0 ステアリン酸 0.5 ベヘニルアルコール 0.5 アボカド油 4.0 トリオクタン酸グリセリル 4.0 B 1,3−ブチレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.2 精製水 適量 Aに属する成分を加熱溶解する。別に、Bに属する成分
を加熱溶解する。AにBを添加して有効成分であるペプ
チドを加えて攪拌、乳化後、冷却して乳液を製造した。
【0046】 〈処方例3〉 化粧水 (重量%) 本発明のペプチド 0.5 アラントイン 0.1 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60.E.O.) 8.0 エタノール 15.0 エチルパラベン 0.1 クエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.3 1,3−ブチレングリコール 4.0 エデト酸二ナトリウム 0.01 精製水 適量 上記の各成分を混合、均一に攪拌、溶解して化粧水を製
造した。
【0047】 〈処方例4〉 クリームパック (重量%) 本発明のペプチド 1.0 A ベーガム 5.0 スクワレン 2.0 プロピレングリコール 5.0 ビタミンB12 0.05 精製水 適量 B 酸化亜鉛 10.0 C エタノール 5.0 Aに属する成分を混合、攪拌して膨潤させ、Bを少しず
つ加える。これにCを徐々に加え、さらに本発明のペプ
チドを加えてペースト状になるまで混練し、クリームパ
ックを製造した。
【0048】 〈処方例5〉 エッセンス (重量%) 本発明のペプチド 0.2 1%カルボキシビニルポリマー溶液 10.0 グリセリン 20.0 ヒアルロン酸 0.5 エタノール 1.0 精製水 適量 上記の各成分を混合、均一に攪拌、溶解してエッセンス
を製造した。
【0049】 〈処方例6〉 親水性軟膏 (重量%) 本発明のペプチド 0.1 アスコルビン酸 0.5 A ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.0 グリセリンモノステアレート 10.0 流動パラフィン 10.0 ワセリン 4.0 セタノール 5.0 B プロピレングリコール 10.0 メチルパラベン 0.1 精製水 適量 Aに属する成分を加熱溶解する。別に、Bに属する成分
を加熱溶解する。AにBを添加して有効成分である本発
明のペプチドを加えて攪拌、乳化後、冷却して親水性軟
膏を製造した。
【0050】 〈処方例7〉 エアゾール剤 (重量%) 本発明のペプチド 2.0 ニコチン酸ベンジル 0.01 ビタミンEアセテート 0.05 セタノール 1.2 プロピレングリコール 4.0 エタノール 8.0 精製水 適量 上記成分を均一に混合・溶解してエアゾール容器に入
れ、常法により、この混合物100重量%に対して1
0.0重量%のフロン123/141b(57:43)
を容器に充填してエアゾール剤を製造した。
【0051】 〈処方例8〉 パップ剤 (重量%) 本発明のペプチド 10.0 A ポリアクリル酸 30.0 モノオレイン酸ソルビタン 1.0 精製水 30.7 B ポリアクリル酸ソーダ 7.0 塩化アルミニウム 0.3 濃グリセリン 20.0 酸化チタン 1.0 Aに属する成分を加熱溶解する。別に、Bに属する成分
を加熱溶解する。AにBを添加して有効成分である本発
明のペプチドを加えて攪拌、乳化後、冷却してパップ剤
を製造した。
【0052】 〈処方例9〉 錠菓 (重量%) クエン酸 1.0 脱脂粉乳 15.0 ショ糖脂肪酸エステル 1.0 フレーバー 0.8 本発明のペプチド 0.1 コウジ酸 0.05 グラニュー糖 20.0 乳糖 61.65 上記原料を均一に混合し、これを造粒して打錠して製造
した。
【0053】 〈処方例10〉 キャンデー (重量%) A 粉末マルビット 83.0 クエン酸 0.4 水 14.8 B フレーバー 1.0 黄色4号 0.001 本発明のペプチド 0.05 Aに属する成分を混合しバキュームパンで減圧下、加熱
して水分が2ないし5%になるまで濃縮し、これを冷却
盤上に移した後、Bに属する成分を順次加えて60℃位
まで冷却し、これをローラー又はスタンピングマシンで
成形して製造した。
【0054】 〈処方例11〉 害虫駆除剤 (重量%) 本発明のペプチド 0.5 無水ケイ酸 5.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2.0 カオリン 73.0 上記成分を混合し、ミキサーで微粉砕した後、20%水
和剤として製造した。
【0055】 〈処方例12〉 害虫駆除剤 (重量%) 本発明のペプチド 1.0 ジメチルホルムアミド 40.0 メタノール 20.0 エタノール 10.0 イソプロピルアルコール 10.0 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10.0 上記成分を均一に混合溶解して乳剤を得た。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、高いチロシナーゼ活性
阻害効果を有する新規なペプチドが提供され、このペプ
チドは、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品および害虫
駆除剤等のチロシナーゼ活性抑制効果が求められる種々
の用途に有効に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イエバエからの粗抽出液をSP−トヨパール5
50Cカラムを用いて分画した結果を示すグラフであ
る。
【図2】イエバエからの粗抽出液をセファデックスG−
25カラムを用いて分画した結果を示すグラフである。
【図3】イエバエからの粗抽出液をYMC C8のHP
LCカラムを用いて分画した結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/00 K 9164−4C 7/48 9051−4C 37/64 ADA 8314−4C C07K 3/20 8318−4H C12N 9/99

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次に示すアミノ酸分析値を示し、かつN
    末端からの4個のアミノ酸がH−Glu−Ile−また
    はH−Glu−Leu−である分子量3,350±90
    0のペプチドまたはその塩。 AspまたはAsn 4.2±2% GluまたはGln 4.5±2% Ser 3.1±2% Gly 19.4±2% His 1.2±2% Arg 3.8±2% Thr 4.1±2% Ala 6.5±2% Pro 3.7±2% Tyr 3.4±2% Val 8.8±2% Met 0 Cys 16.1±2% Ile 3.4±2% Leu 7.3±2% Phe 1.4±2% Lys 7.6±2%
  2. 【請求項2】 1個以上の構成アミノ酸が欠損している
    請求項1記載のペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のペプチドまたは
    その塩を有効成分とすることを特徴とするチロシナーゼ
    活性阻害剤。
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