JPH06199507A - アジ化ナトリウムの製造方法 - Google Patents

アジ化ナトリウムの製造方法

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JPH06199507A
JPH06199507A JP32187192A JP32187192A JPH06199507A JP H06199507 A JPH06199507 A JP H06199507A JP 32187192 A JP32187192 A JP 32187192A JP 32187192 A JP32187192 A JP 32187192A JP H06199507 A JPH06199507 A JP H06199507A
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sodium azide
tower
absorption tower
alkyl nitrite
reaction
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Tokuyuki Iwanaga
徳幸 岩永
Yukihiro Yoda
幸廣 與田
Mitsusachi Mizoguchi
光幸 溝口
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 吸収塔下部から、亜硝酸アルキルを含む原料
ガスを連続的に導入し、該吸収塔上部からヒドラジン、
水酸化ナトリウム及び生成するアジ化ナトリウムの結晶
が晶析しない量の水を含む溶媒を含有する吸収液を導入
して、原料ガスと吸収液を気−液接触反応させてアジ化
ナトリウムを生成させ、アジ化ナトリウムが溶解してい
る状態の反応溶液を吸収塔の底部から排出し、その後、
晶析器等によりアジ化ナトリウムを晶析させる。 【効果】 高収率、高純度のアジ化ナトリウムを、閉塞
等の問題を生じることなく、低コストで製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アジ化ナトリウムの製
造方法に関する。
【0002】アジ化ナトリウムは、従来から農・医薬の
中間体製造原料用途として製造されてきた。また最近で
は、自動車エアバッグ用インフレーター薬剤として需要
が伸びている。
【0003】
【従来の技術】アジ化ナトリウムの製造方法としては、
(1)ナトリウムアミド法及び(2)ヒドラジン法等が
知られている。更に、(1)は、以下の3法に分類でき
る。 (イ)ナトリウムアミド粉末を150〜250℃の温度
で亜酸化窒素と反応させる高温法。 2NaNH2 + N2O → NaN3 + NaOH +
NH3 (ロ)パラフィン中に懸濁させたナトリウムアミドと亜
酸化窒素を150〜180℃で反応させ、得られる反応
混合物から再結晶精製によりアジ化ナトリウムを得る中
温法(特開昭50−144700)。 (ハ)ナトリウムアミドの液体アンモニア懸濁液に亜酸
化窒素ガスを10〜30℃の温度で作用せしめる低温法
(特公昭33−3625)。
【0004】(イ)の高温法は、製造中に於ける爆発の
危険性が高く工業化はなされていない。また、低温法は
高圧下で多量の液体アンモニアを取り扱う必要があり、
その取り扱い及び安全性の面で問題が多い。また、
(ロ)の中温法にしても十分な品質の製品を得るために
は、再結晶等の精製が必要で製造工程が複雑となる難点
を有する。
【0005】(2)ヒドラジン法は、水加ヒドラジン及
び水酸化ナトリウムのアルコール溶液に亜硝酸エチル等
の亜硝酸アルキルを加えアジ化ナトリウムを析出させる
方法(米国特許1,628,380)である。 N24・H2O+NaOH+C25ONO→ NaN3
25OH+3H2
【0006】あるいは、無水ジエチルエーテルに溶かし
た水加ヒドラジンにナトリウムメトキシドと亜硝酸エチ
ルとを反応させる方法も知られている。
【0007】N24・H2O+CH3ONa+C25ON
O→ NaN3+CH3OH+C25OH+2H2
【0008】これらヒドラジン法は、ナトリウムアミド
法に比べれば工程が簡単で爆発等の危険性は少ないが、
安全性、反応収率の点で問題が残っている。即ち、亜硝
酸アルキル(特に液体状の亜硝酸エチル、亜硝酸プロピ
ル、亜硝酸ブチル等)の取り扱いには、その自己分解性
のため注意を要する。また、副反応や副生成物のため十
分な純度が得られず、高純度のアジ化ナトリウムを得る
には再結晶等の精製操作が必要となる。また、前記米国
特許1, 628, 380では、アルコール溶媒からアジ
化ナトリウムを晶析させるため、実際には反応により生
成する水へのアジ化ナトリウムの溶解度を小さくするた
めに、反応する亜硝酸アルキルに対して水酸化ナトリウ
ムを普通2倍モル以上仕込み、しかも原料として水溶液
よりも価格の高い無水の水酸化ナトリウム固体を用いる
ことから、コスト面や排水処理面ににおいても問題があ
り、より安価な方法が求められていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みヒドラジン法を改良し、安全でより低コストで高
純度のアジ化ナトリウムの製造法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ガス状亜硝酸アルキル
を原料とし、吸収塔を用いて気体−液体の接触反応を生
成アジ化ナトリウムの結晶が吸収塔で晶析しない所定の
条件下で行った後、該アジ化ナトリウムが溶解している
反応溶液を吸収塔の底部から排出し、その後、該反応溶
液を蒸発濃縮して晶析すれば、安全で効率良くしかも低
コストで高純度のアジ化ナトリウムの結晶を製造できる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は吸収塔下部から、亜硝酸ア
ルキルを含む原料ガスを連続的に導入し、該吸収塔上部
からヒドラジン、水酸化ナトリウム及び生成するアジ化
ナトリウムの結晶が晶析しない量の水を含む溶媒を含有
する吸収液を導入して、該原料ガスに接触させてアジ化
ナトリウムを生成させ、反応溶液を吸収塔の底部から排
出し、その後、該反応溶液を蒸発濃縮して該アジ化ナト
リウムを晶析させることを特徴とするアジ化ナトリウム
の製造方法である。
【0012】本発明を更に、詳細に説明する。本発明に
おいて用いる亜硝酸アルキルは亜硝酸メチル(CH3
NO,沸点=−17℃)または亜硝酸エチル(C25
NO、沸点=17℃)である。これらは常温で気体であ
り、液体状の亜硝酸アルキル(亜硝酸プロピル、亜硝酸
ブチル等)に比べ製造が容易であり、純度の高い製品が
容易に得られ、更にこれらの原料も安価であることから
低コストとなる。これらの亜硝酸アルキルの製造法とし
ては、亜硝酸ナトリウムおよび硫酸とアルコールとの
液相反応,二酸化窒素をアルコール中へ通気する方
法,三酸化二窒素等の亜硝酸付与剤とアルコールとの
反応等が従来から知られているが、いずれの方法による
亜硝酸アルキルも使用可能である。
【0013】亜硝酸アルキルは純粋なものでも、あるい
は窒素(N2)やアルゴン(Ar)等の不活性希釈ガス
を含んだものでも使用可能である。希釈ガスの濃度とし
ては、特に制限は無いが1%〜95%が好ましい。適量
の希釈ガスを含む場合は反応が穏和となり反応制御が容
易となるが、あまりにも多量の希釈ガスを含む場合は、
ガス吸収効率が低下し大容量の吸収塔が必要となる。
【0014】また、亜硝酸アルキル製造工程で発生させ
たガスを中間貯蔵タンク無しに直接吸収塔へ導入すれ
ば、多量の比較的不安定な亜硝酸アルキルを工程内に保
持することが無く、それだけ安全性が増す。
【0015】本発明でいう吸収液は、亜硝酸アルキルと
反応させるヒドラジン、水酸化ナトリウム及び生成する
アジ化ナトリウムが晶析しない量の水を含む溶媒を含有
する。又、吸収液中に更にアジ化ナトリウムを含んでも
構わない。
【0016】本発明の吸収液に用いる溶媒はアジ化ナト
リウムが晶析しない量の水を含む。これより水が少ない
と、吸収塔内でアジ化ナトリウムが晶析して、閉塞等の
トラブルを起こし、長時間の運転ができないので好まし
くない。
【0017】溶媒は、ヒドラジン及び水酸化ナトリウム
を溶解し、反応生成物であるアジ化ナトリウムの溶解度
が大きいことが好ましいことから、水の単一溶媒又は水
−アルコールの混合溶媒が好適である。
【0018】尚、混合溶媒のアルコールとしては、例え
ば、炭素原子数1〜8個を有する飽和の1価脂肪族アル
コールまたは脂環族アルコール等の水に溶解し反応を阻
害しないものなら何でも使用できる。また、これらのア
ルコールには、例えばアルコキシ基などのような反応を
阻害しない置換基を含んでいてもかまわない。アルコー
ルは必ずしも単一成分である必要はなく、混合物も同様
に使用できる。
【0019】更に、母液処理(副生物回収)、製品の乾
燥等の操作やアルコールの価格を考えれば、沸点も比較
的低いメタノールあるいはエタノールの使用が望まし
い。また、亜硝酸メチルを原料ガスとして使う場合には
混合溶媒として水−メタノール、亜硝酸エチルの場合で
は水−エタノールを選択すれば反応系の組成が簡素とな
りプロセス的に有利となる。
【0020】水−アルコールの濃度としては、水の濃度
が高い方が該混合溶媒に対するアジ化ナトリウムの溶解
度が大きくなって、それだけヒドラジン及び水酸化ナト
リウムの濃度も大きくでき、更に、アルコールの回収工
程の負担が少なくなることから、溶媒中の水の濃度は2
0重量%以上、更に好ましくは70%以上がよい。
【0021】次に、吸収液に使用するヒドラジン及び水
酸化ナトリウムについて説明する。吸収液のヒドラジン
仕込量は反応する亜硝酸アルキルに対して、0.8〜
1.2倍モル、好ましくは0.9〜1.1倍モルの範囲
内であれば、収率、コスト共に問題無くなる。ヒドラジ
ンが少なければ、アジ化ナトリウムの生成が少なくなる
ばかりか、副反応により亜硝酸ナトリウム等の副生が著
しくなり製品純度にも悪影響を及ぼす。又、ヒドラジン
が多ければ反応には問題ないが、ヒドラジンは該アジ化
ナトリウムの製造法で最も高い原料費であることから、
コスト上大きな問題となる。
【0022】吸収液の水酸化ナトリウム仕込量は反応す
る亜硝酸アルキルに対して、0.8〜1.2倍モル、好
ましくは0.9〜1.1倍モルの範囲内であれば、収
率、純度共に問題無くなる。該水酸化ナトリウムが不足
すれば、ヒドラジンと亜硝酸アルキルの反応で揮発性液
体であるアジ化水素酸(HN3,沸点=37℃)が生成
する。これは 、有害で爆発性を有する非常に危険な化
合物であり注意を要する。又、該水酸化ナトリウムが多
すぎれば後に述べる晶析工程で、該水酸化ナトリウムの
結晶も晶析して製品純度に悪影響を及ぼす。
【0023】また、吸収液に使用する溶媒に水又は水−
アルコール混合溶液を使うことから、原料のヒドラジン
は含水量の多い安価なものでも使用可能である。又、原
料の水酸化ナトリウムも水酸化ナトリウム固体よりも安
価な水酸化ナトリウム水溶液が使用可能である。
【0024】吸収塔の吸収効率を上げるために、吸収塔
底部のアジ化ナトリウムを含む反応溶液の一部を抜き出
し、吸収塔上部に循環する操作も有効である。更には、
循環液を熱交換器等により冷却した後吸収塔に返せば、
反応熱の除去手段ともなる。
【0025】アジ化ナトリウム生成反応は、気液接触効
率が良い充填塔、段塔、気泡塔または濡れ棚塔のいずれ
か一つの構造を有する吸収塔内で進行させる。この場
合、各塔は亜硝酸アルキルのアジ化ナトリウムへの転化
率を高めるのに十分な気体−液体の接触とガス滞留時間
とを与える必要がある。充填塔、段塔、気泡塔、濡れ棚
塔のいずれも通常の構造のものが使用できる。いずれの
構造も反応面からは問題は無いが、圧力損失を可能な限
り低くしたい場合は、充填塔の使用が好ましい。尚、充
填塔の場合は内部の充填物も市販のテラレット、ラシヒ
リング及びベルサドル等を用いることができ、更に、本
発明では固形物(アジ化ナトリウム)による閉塞が起こ
らないので、気液接触効率の高い複雑な構造の充填物ま
で使用できる。
【0026】吸収塔内の反応は、0〜70℃の範囲、好
ましくは10〜50℃で行うことが好ましい。0℃未満
では、吸収液の粘度が上昇し気体−液体の接触効率が低
下するばかりか、冷却のための費用が大きく不経済であ
る。また、70℃を越えると、亜硝酸アルキルの吸収効
率が低下すると共に、副反応(分解等)が顕著となり製
品純度に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0027】吸収塔におけるガス空塔速度は一般的に
は、0.02〜50m/秒、好ましくは0.1〜10m
/秒の範囲とすることが好ましい。この条件の決定に
は、採用される温度、圧力、反応物モル比及び気体希釈
剤等を考慮すべきである。また、吸収塔の構造、吸収塔
内部の充填物及び幾何学的形状も影響する場合がある。
ガス空塔速度が50m/秒を越えると、気体−液体が接
触不足となり、亜硝酸アルキルの未吸収分が多く収率が
低下する。一方、0.02m/秒未満では、吸収塔が必
要以上に大きくなりすぎかえって経済的に不利となる。
【0028】吸収塔内の圧力については、特に制限はな
く通常の大気圧〜10Kg/cm2−ゲージの範囲で行うこと
ができる。所望により、大気圧以下の圧力を使用するこ
ともできる。
【0029】吸収塔を通過したガスは、反応溶媒である
水やアルコール類を多少同伴するためコンデンサーを通
し、水やアルコール類を回収した後系外へ排出し、未反
応の亜硝酸アルキルガスが存在する場合は排ガス処理装
置にて除害する。
【0030】生成物であるアジ化ナトリウムの回収は、
吸収塔を流下する該アジ化ナトリウムの結晶が晶析して
いない状態の反応溶液を吸収塔底部から抜き出して行
う。そして、その後該反応溶液を蒸発濃縮して晶析させ
る。ここで、蒸発濃縮による晶析操作は、バッチ式でも
連続式でもどちらでも差し仕えないが、連続式の方が装
置がコンパクトとなり、更に省力化しやすいことから、
低コストとなり好ましい。従って、該反応溶液の晶析器
への導入は、連続式では連続的に行い、バッチ式では、
該反応溶液を晶析器に導入する前に、該反応溶液の貯液
タンクを設けて、バッチ操作に対応することとなる。
【0031】蒸発濃縮による晶析器の型式は、一般に使
用されている晶析槽型式のうち、基本的には攪拌槽型、
Crystal−Oslo型、D.T.B型のいずれか
の蒸発濃縮式晶析装置もしくはこれらの改良装置であれ
ばよい。これらの選択に当たっては、製品となるアジ化
ナトリウム結晶の要求される粒径及び粒径分布が、一つ
の基準となる。
【0032】蒸発濃縮式晶析器によって得られるアジ化
ナトリウムスラリー溶液の濃度は、5〜35重量%の範
囲が後の操作において好ましい。そして、その後のアジ
化ナトリウム結晶の回収は、固液分離(遠心分離,フィ
ルタープレス等)、乾燥等の一連の一般的な操作で行う
ことができる。
【0033】晶析器での蒸発濃縮によって得られる水−
アルコール蒸気は、一般の蒸留操作によりアルコールが
回収できる。
【0034】次に本発明の一例を図1に基づいて説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】反応槽2は亜硝酸アルキル発生槽である。
硫酸及びアルコールを仕込んだ反応槽2に亜硝酸ナトリ
ウム水溶液を連続的に導管1より供給し、連続的に亜硝
酸アルキルガスを発生させる。発生したガスは、コンデ
ンサー3を経由し導管4を経て吸収塔下部へ送られる。
【0036】底部に液溜5を有する吸収塔6の下部よ
り、該導管4を経て亜硝酸アルキルを含有する原料ガス
を連続的に導入する。ヒドラジン及び水酸化ナトリウム
と水を含む溶媒を含む吸収液が導管7より吸収塔6の上
部に供給される。液溜の反応溶液は溶液抜き出しポンプ
12により、一部が導管13を経て晶析器18に送られ
る。そして、その残りが反応熱を除去し塔内を所定の温
度に保つ目的で熱交換器11を通して冷却した後、導管
10を経て吸収塔上部に再循環される。一方、吸収塔上
部からの排ガスは同伴アルコール回収のためのコンデン
サー8を通した後に排出口9より排出される。
【0037】該導管13を経て晶析器18に送られる反
応溶液(アジ化ナトリウム溶液)は、該溶液の濃縮のた
めに、加熱器14で該溶液の温度を上昇させ導管15を
経て晶析器18に導入し、真空ポンプ16で該溶液の蒸
気を導管17より排出することで濃縮され、該アジ化ナ
トリウム溶液は濃縮させたアジ化ナトリウムの過飽和溶
液となる。尚、導管17より排出された蒸気を蒸留等に
より回収すれば、該蒸気に含まれるアルコールが、反応
槽2に仕込むアルコール等に利用できる。
【0038】該濃縮させたアジ化ナトリウムは、晶析器
18内部で更にアジ化ナトリウムの結晶を晶析し、アジ
化ナトリウムスラリー溶液となり、該スラリー溶液はポ
ンプ19により導管20を経て晶析器18に循環されて
いるが、一部が導管21を経て遠心分離器22に導入さ
れる。尚、晶析器18内の該スラリー溶液の一部は、導
管23を経て導管13より導入される該アジ化ナトリウ
ム溶液と共に加熱器14に導入され、濃縮される。
【0039】遠心分離器22より導管24を経て抜き出
されるアジ化ナトリウムケーキは、製品回収工程(リパ
ルプ、分離、乾燥)へ送られ、アジ化ナトリウム結晶の
製品となる。一方、遠心分離器22で該アジ化ナトリウ
ムケーキが除去された濾液は、ポンプ25により導管2
6を経て晶析器18に戻される。
【0040】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
によって制限されるものではない。
【0041】実施例1 図1と同様の装置において、亜硝酸メチルガスを1.0
l/分の速度でポリエチレン製テラレットを充填した内
径100mm、高さ2mのガラス製充填塔下部よりガス
空塔速度=0.76m/秒で導入した。一方、充填塔上
部より、溶媒としての市水を200g/時間と48%水
酸化ナトリウム水溶液200g/時間及び90%水加ヒ
ドラジン110g/時間にて吸収液を供給しながら、反
応熱を除去し吸収塔内の温度を29〜31℃に保つため
吸収塔下部の液溜からの再循環スラリーは熱交換器を通
し冷却して10l/分の液量で循環した。
【0042】該吸収塔で得られた該反応溶液のうち一部
を650g/時間で、Crystal−Oslo型液容
量10lの晶析器に該吸収塔で得られた溶液を濃縮しな
がら導入して晶析させた。そして、該晶析器より500
g/時間で25重量%アジ化ナトリウムスラリーを抜き
出し、遠心分離により得られたアジ化ナトリウムケーキ
をメタノールでリパルプした。更に、遠心分離後ケーキ
を60℃の温度で24時間乾燥し、130g/時間(収
率 90%)でアジ化ナトリウムを得た。この連続運転
を1週間継続したが、何も問題なく順調に安定して合成
することができた。尚、品質も安定して硝酸銀滴定法に
よる生成物分析の結果、純度99.5%であった(平均
粒径=0.2mm)。また、吸収塔出口ガス(ガス量、
組成)の分析により亜硝酸メチルの反応率は90%であ
ることが分かった。
【0043】なお、アジ化ナトリウムの分析法(硝酸銀
滴定法)は次の方法で行った。 試料約1gを精秤し、100ccメスフラスコに入
れ、標線までイオン交換水を入れる。 の20ccをピペットで採取し、イオン交換水を7
0〜80cc加える。 に10%K2 CrO4 水溶液2ccを添加する。 を0.1MolAgNO3 水溶液で滴定する。 アジ化ナトリウム純度(%)=0.6501×0.1
MolAgNO3滴定量×F/S F:0.1MolAgNO3 水溶液のファクター S:の20cc中の試料重量(g)
【0044】比較例1 吸収液の溶媒としてメタノールを用い、水酸化ナトリウ
ムは結晶170g/時間で該メタノール540g/時間
に溶解した溶液を用いた以外は実施例1と同様の条件で
実験を行った。この結果、反応開始後わずか4時間で吸
収塔である充填塔にて、析出したアジ化ナトリウム固体
での閉塞を生じ、運転が不可能となった。
【0045】実施例2〜9 実施例1と同じ反応装置を用い、溶媒として水−メタノ
ール混合溶媒を使用し、混合溶媒中の水濃度、反応温
度、ガス空塔速度、吸収塔及び晶析槽の種類を表2の条
件に変えてアジ化ナトリウムの合成を行った。ただし、
各種吸収塔はいずれも内径100mm、高さ2mの塔を
使用し、晶析槽は液容量10lのものを使用した。表1
に実験条件および結果を示す。いずれも収率良く、高純
度のアジ化ナトリウムが安定して得られた。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明は、複雑な工程が不要で爆発性の
高い物質を多量取り扱うことなく、安価な装置で簡単な
操作により、アジ化ナトリウムを低コストで製造できる
方法を提供するものであり、その工業的意義は大きい。
【0048】即ち、比較例1の吸収液の溶媒が水を含ま
ない液では、吸収塔で析出したアジ化ナトリウム固体で
の閉塞を生じ、運転が不可能となった。これに対し、本
発明の範囲内である実施例は、高収率、高純度のアジ化
ナトリウムを安定に製造できる。また、従来に比べ、本
法の方が水酸化ナトリウムの使用量が少なく、低価格の
水溶液原料が利用可能なことから、より低コストな方法
となる。従って、本発明の方法は、高収率、高純度更に
低コストのアジ化ナトリウムの長時間製造に極めて好適
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造フローである。
【符号の説明】
1 導管 2 亜硝酸アルキル発生槽 3 コンデンサー 4 導管 5 液溜 6 吸収塔 7 導管 8 コンデンサー 9 排気口 10 導管 11 熱交換器 12 ポンプ 13 導管 14 加熱器 15 導管 16 真空ポンプ 17 排蒸気口 18 晶析器 19 スラリー抜き出しポンプ 20 導管 21 導管 22 遠心分離器 23 導管 24 導管 25 ポンプ 26 導管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収塔下部から、亜硝酸アルキルを含
    む原料ガスを連続的に導入し、該吸収塔上部からヒドラ
    ジン、水酸化ナトリウム及び生成するアジ化ナトリウム
    の結晶が晶析しない量の水を含む溶媒を含有する吸収液
    を導入して、該原料ガスに接触させてアジ化ナトリウム
    を生成させ、該アジ化ナトリウムが溶解している反応溶
    液を吸収塔の底部から排出し、その後、該反応溶液を蒸
    発濃縮して該アジ化ナトリウムを晶析させることを特徴
    とするアジ化ナトリウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 該溶媒が、水の単一溶媒または水−
    アルコールの混合溶媒である請求項1記載のアジ化ナト
    リウムの製造方法。
  3. 【請求項3】 該ヒドラジンの仕込量が該亜硝酸ア
    ルキルに対して0.8〜1.2倍モルであり、該水酸化
    ナトリウムの仕込量が反応する該亜硝酸アルキルに対し
    て0.8〜1.2倍モルである請求項1記載のアジ化ナ
    トリウムの製造方法。
  4. 【請求項4】 該吸収液を原料ガスに接触させる
    際、温度範囲0〜70℃、ガス空塔速度0.02〜50
    m/秒である請求項1記載のアジ化ナトリウムの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 該水酸化ナトリウムとして、水酸化
    ナトリウム水溶液を使用する請求項1記載のアジ化ナト
    リウムの製造方法。
  6. 【請求項6】 該吸収塔の構造が充填塔、段塔、気
    泡塔、濡れ棚塔のいずれがである請求項1記載のアジ化
    ナトリウムの製造方法。
  7. 【請求項7】 該晶析を撹拌槽型、Crystal
    −Oslo型、D.T.P.型又はこれらの改良型のい
    ずれかの晶析器を使用して行う請求項1記載のアジ化ナ
    トリウムの製造方法。
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JP32187192A Pending JPH06199507A (ja) 1992-12-01 1992-12-01 アジ化ナトリウムの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102659088A (zh) * 2012-05-09 2012-09-12 山东艾孚特科技有限公司 一种叠氮化钠的水相合成方法

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