JPH06198206A - ローラミル - Google Patents

ローラミル

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JPH06198206A
JPH06198206A JP8420791A JP8420791A JPH06198206A JP H06198206 A JPH06198206 A JP H06198206A JP 8420791 A JP8420791 A JP 8420791A JP 8420791 A JP8420791 A JP 8420791A JP H06198206 A JPH06198206 A JP H06198206A
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JP
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roller
crushing
mill
ring
crushing roller
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JP8420791A
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English (en)
Inventor
Kazunori Satou
一教 佐藤
Nobuyasu Meguri
信康 廻
Kazunori Shoji
一紀 正路
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Tadashi Hasegawa
忠 長谷川
Yoshinori Taoka
善憲 田岡
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ローラミルに発生する振動、特に低負荷域に
て発生する激しい振動を抑制する。 【構成】 回転テーブル3と、断面U字形のリング状溝
を有する粉砕リング24と、粉砕ローラ5b、5cと、
ローラブラケット11と、ローラピボット13と、ロー
ラブラケット11およびローラピボット13を介して粉
砕ローラを加圧する加圧フレーム14を有するローラミ
ルにおいて、粉砕ローラの、直径を含む厚さ方向断面の
中心軸を境としてミルハウジング側のローラ幅を他の粉
砕ローラと異なるようにした粉砕ローラを一つ以上設け
たこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転するテーブルと粉
砕ローラの連動により、石炭等の固体燃料、石灰石、セ
メントクリンカまたは各種化学製品の原料を微粉砕する
ローラミルに係り、特に粉砕ローラを首振り式に支持す
る構造であって、粉砕ローラとリングセグメントの構成
によって振動を防止したローラミルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】石炭焚ボイラでは、低公害燃焼(低NO
x、低灰中未燃分低減)や広域付加運用が行われ、それ
に伴い微粉砕機(ミル)も性能向上が要求されている。
石炭、セメント原料、新素材原料などの塊状物を細かく
粉砕するミルの1つのタイプとして、回転するテーブル
と複数個のローラで粉砕を行う竪型のローラミルが広く
用いられるようになり、最近では、代表機種の1つとし
ての地位を固めつつある。
【0003】この種のミルは、図1のように円筒型をし
たミルハウジング20内下部にあって電動機で駆動され
減速機を介して低速で回転する略円板状の回転テーブル
3と、そのテーブルの外周部の上面において円周方向へ
等分する位置へ油圧またはスプリング等で圧下されて回
転する複数個の粉砕ローラ5を備えている。テーブルの
中心へシュート2から供給された被粉砕原料1は、テー
ブル上において遠心力により渦巻状の軌跡を描いてテー
ブルの外周へ移動し、テーブル上面の粉砕レース25と
粉砕ローラの間にかみ込まれて粉砕される。ミルハウジ
ングの下部には、ダクトを通して熱風22が導入されて
おり、この熱風がテーブルとハウジングの間にあるスロ
ートベーン21から吹き上がっている。粉砕後の粉粒体
は、スロートベーンから吹き上がる熱風によってハウジ
ング内を上昇しながら乾燥される。ハウジングの上方へ
輸送された粉粒体は、粗いものから重力により落下し
(1次分級)粉砕部で再粉砕される。この1次分級部を
貫通したやや細かな粉粒体は、ハウジングの上部に設け
たセパレータまたはロータリセパレータ(回転分級機)
17で再度分級される。所定の粒径より小さな微粉は気
流により搬送され、ボイラでは微粉炭バーナまたは微粉
炭貯蔵ビン(図示せず)へと送られる。分級機を貫通し
なかった所定粒径以上の粗粉は、テーブル上へ重力によ
り落下し、ミル内へ供給されたばかりの原炭(塊炭)と
ともに再度粉砕される。このようにして、ミル内では粉
砕が繰返され、製品微粉(炭)ができ上がっていく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ローラミルを低負荷で
運用しようとする場合、負荷の切り下げにおいて問題と
なるのはミルの振動である。この振動現象は複雑であ
り、詳細なメカニズムまで明らかにされているわけでは
ないが、炭層内部や炭層とローラの界面の滑りに起因す
る一種の摩擦振動(不連続な非線形振動の代表として知
られるステック−スリップ運動)であるといわれてい
る。振動のタイプに関しては、励振源をはっきりと特定
できないことから、また振動波形がスパイク状になるこ
とから、自励振動の一種とも考えることができる。通常
の石炭では、図12に示すように、低負荷運用時(ミル
内における石炭ホールドアップの少ない条件)にこの振
動が激しくなることが、石炭種によってはかなりの高負
荷時にも発生することがある。このような振動を起こし
易い石炭の粉砕性は、良好なものから悪いものまでさま
ざまである。したがって石炭の粉砕性のみで、振動を起
こし易いか否かを予測することは一般に難しい。
【0005】図13は、従来式粉砕ローラの支持構造を
断面図として示したものである。このタイプのローラミ
ルでは、ローラブラケット1311を介して、ローラピ
ボット1313を支軸として、粉砕ローラ1305が首
振り可能なように支持される。この首振り機能は大変に
重要であり、粉砕ローラ1305が鉄片等粉砕されにく
い異物をかみ込んだ場合、粉砕ローラ1305は首を振
ることによって衝撃を回避することができる。また粉砕
ローラ1305や粉砕レース1325が摩耗したときに
は、適切な押圧位置(粉砕ローラ1305と粉砕レース
の位置関係)を自動調心的に見つけ出す作用も、この首
振り機能にはある。
【0006】一般に高負荷粉砕時には、粉砕ローラ13
05はほとんど首を振ることがない。上記したように、
ミルの起動時または負荷上昇時などにおいて粉砕ローラ
1305が原料を活発にかみ込む場合には、粉砕ローラ
1305は首を振るものの、この首振り動作において3
個の粉砕ローラの動きは同期しない。このときミルは振
動しかけるが、粉砕ローラ1305が同期しないため
に、卓越周波数は特定できず、周波数がブロードないわ
ゆる強制振動的なものであり、ミルの運用を妨げること
はない。
【0007】一方、ローラが激しく自励振動する場合に
は、図10に示すように、粉砕ローラ1305は3個と
もほぼ同時に横ずれし(β)、次いで図11のように上
下に振動する。3個の粉砕ローラは、同期して(同位相
で)一緒に上下振動する。このような振動現象は、発明
者らが、パイロットスケールのローラミル内に変位計ま
たは加速度計を設置し振動時に測定した結果に基づいて
いる。
【0008】以上から、ミルの振動を、粉砕部のハード
ウエアの工夫によって抑止しようとするには、3個の粉
砕ローラが同期して動くこと、すなわち同位相運用を阻
止することが肝要であることがわかる。ところでローラ
ミルの振動が、粉層上における粉砕ローラの滑りに起因
することはすでに認識されている。図14に構造を示す
先行技術では、粉砕ローラ1405の中央に溝1433
を設け、ローラ形状の工夫によってローラ下の圧縮粉層
を分断して振動を防止しようとしたものである。ただ
し、この技術にも、同一ミル内の各粉砕ローラ1405
にいずれも同じ形状の溝1433を刻設したのでは、前
述したように、各粉砕ローラが同期して同位相で振動す
る可能性が残っている。
【0009】これに対し、図15に示す先行技術は、同
一ミル内の粉砕ローラごとに粉砕面の形状を(a)、
(b)および(c)と変化させたものであり、この方法
によるなら同位相運動を防止できるが、粉砕ローラと粉
砕レース面がメタルタッチするタイプのローラへそのま
ま適用するのは難しい。本発明の目的は、以上のような
考え方に基づき、粉砕ローラが同期して首を振ったり、
または上下振動する運動を防止し、振動を起こすことな
く広域負荷または多炭種での運用を可能にするローラミ
ルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願の第1の発明は、ミルハウジング内下方の水平面内
を回転する回転テーブルと、回転テーブルの上面外周部
に設けられ断面U字形のリング状溝を有する粉砕リング
と、粉砕リング上に配置された複数個の粉砕ローラと、
粉砕ローラを回転可能に支持するローラブラケットと、
ローラブラケットを首振り可能に支持するローラピボッ
トと、ローラブラケットとローラピボットを介して粉砕
ローラを粉砕リング上に加圧する装置とを備えたローラ
ミルにおいて、上記粉砕ローラの直径を含む厚さ方向断
面の中心軸を境としてミルハウジング側の幅を、他の粉
砕ローラと異なるごとくなした粉砕ローラを少なくとも
1つ以上設けたことを特徴とするローラミルに関する。
【0011】第2の発明は、前記第1の発明において、
粉砕ローラの厚さ方向断面中心軸を境としてミルハウジ
ング側の幅を、粉砕ローラごとに異ならせたことを特徴
とするローラミルに関する。第3の発明は、前記第1お
よび第2の発明において、粉砕ローラの厚さ方向断面中
心軸を境とするミルハウジング側幅の、粉砕ローラ間偏
差を3〜25%としたことを特徴とするローラミルに関
する。
【0012】第4の発明は、ミルハウジング内下方の水
平面内を回転する回転テーブルと、回転テーブルの上面
外周部に設けられ断面U字形のリング状溝を有する粉砕
リングと、粉砕リング上に配置された複数個の粉砕ロー
ラと、粉砕ローラを回転可能に支持するローラブラケッ
トと、ローラブラケットを首振り可能に支持するローラ
ピボットと、粉砕ローラを粉砕リング上に加圧する装置
とを備えたローラミルにおいて、上記粉砕ローラの直径
を含む厚さ方向断面中心軸を境としてミルハウジング側
の幅を、他の粉砕ローラと異なるごとくなした粉砕ロー
ラを少なくとも1つ以上設けるとともに、上記粉砕リン
グを、断面U字形溝の外側に傾斜平坦部形状を設けた部
分と設けない部分とを組合わせて構成したものとしたこ
とを特徴とするローラミルに関する。
【0013】
【作用】各粉砕ローラが横滑りし(ちなみに本発明によ
れば、各粉砕ローラが同時に横滑りする動作も防止でき
る可能性が高い)、上下方向の振動または回転テーブル
の回転方向に対する横揺れ状のねじれ振動が起きかけて
も、それらの頻度や周期が粉砕ローラごとに異なれば、
すなわち各粉砕ローラの外周側幅の違いによる1回の首
振り動作における周期の不一致や、粉砕ローラと外周側
傾斜平坦状レースとの接触(粉層を挟んで間接的な)間
隔の不規則さによって、各粉砕ローラの横滑り運動はき
わめてランダムになる。結果的に、各粉砕ローラの振動
のきっかけとなる動きは、粉砕ローラ同士の相互干渉作
用の結果として打ち消されてしまう。たとえ1つの粉砕
ローラの振動が自励的に増幅しかけても、他の粉砕ロー
ラの動きによって、即座に沈静化されてしまう。主な理
由の1つは、粉砕レース上の粉層が、同位相振動時とは
異なり、周期的に波立つ(粉砕レース上の粉層には、上
下振動の結果として回転テーブルの円周方向に対して、
または横ずれする首振り運動の結果として粉砕レースの
幅方向に対して、粉層の厚い部分と薄い部分が交互に周
期的にでき易く、これが自励系をつくるフィードバック
要因となる)ことがなくなるためである。
【0014】粉砕ローラと粉砕レースの形状を、本発明
のように加工した場合には、空回転時における振動・騒
音の問題が伴う。ミル内に粉砕原料のない空回転時に
は、粉砕ローラと粉砕レースの両粉砕面がメタルタッチ
するが、各粉砕ローラの形状の違いやリングセグメント
の粉砕レース形状の違いによって、粉砕ローラはランダ
ムに首を振り易くなり、振動・騒音がやや大きくなる。
しかしながらこの振動はいわゆる不釣合回転由来の強制
振動であり増幅することはないし、本発明で問題として
いる自励振動とは較べものにならないほど微弱である。
【0015】本発明の特徴は、粉砕ローラと粉砕リング
(リングセグメント)の上面に刻設した粉砕レースの形
状、すなわちローラミルの粉砕部にかかわり、粉砕ロー
ラおよび粉砕リングセグメントに対しておのおのの形状
を工夫しそれらを組合わせたものである。まず、粉砕レ
ース外周側(ミルハウジング側またはエアスロート側)
に、レースの断面形状として傾斜直線状になる形を採用
した(ただし、粉砕レースの内側、つまりテーブルの回
転中心軸側の断面形状は略円弧のまま)粉砕リングセグ
メントを、回転テーブルの円周方向に対して、不規則
(非周期的)に配設する。粉砕レース面の外側が傾斜平
坦になると、粉砕ローラはやや首を振り易くなる。この
ようなレース形状になるリングセグメントは、回転テー
ブルの円周方向に対し非等間隔に設けられていることか
ら、各粉砕ローラの首振り動作はランダムなものとな
り、同位相運動はほぼ完全に起こり得なくなる。
【0016】一方、粉砕ローラごとに、粉砕ローラの外
側(ミルハウジング側あるいはエアスロート側)の幅を
異ならせる。各粉砕ローラ間の幅の偏差は最大で20%
が好ましい。すなわち、外側の幅に最も大きな変化をつ
ける場合、粉砕ローラ外側の幅が最も大きな粉砕ローラ
と最小の粉砕ローラでは、外側の幅が20%(テーブル
の回転中心軸側の幅も含めた粉砕ローラ全体の幅にする
と10%)異なっていることになる。
【0017】このような外側の幅の変化は小さすぎると
(例えば偏差が2%未満)効果が生まれず、ローラは同
期して首を振り易くなる。また大きすぎると(例えば2
5%を超える偏差の場合)、ローラが外側へ首を振った
際に、ローラの粉砕面が粉砕リングの外周と接触した
り、または外側の抵抗の増大によって内側へ首を振り戻
しにくくなる場合が生じるなど大きな不釣合強制振動が
発生する可能性も生じてくる。したがって、偏差には最
適範囲が存在する。この範囲は、基礎的な実験により確
かめられた。外側の幅が小さな粉砕ローラは、投影面積
当たりの荷重(面圧)が増大するものの、接触面の減少
から、横ずれ状の滑り運動を、幅の広い粉砕ローラより
も起こし易くなる。したがって、粉砕ローラごとに横ず
れ状の首振り運動の周期や振幅が異なることになる。
【0018】以上の2つの方法を組合わせることによっ
て、粉砕ローラと粉砕レースの接触(粉層を挟んで間欠
的な)状態が不規則になるため、粉砕ローラの首振り動
作がランダムとなり、粉砕ローラが同位相で首振り運動
する激しい自励振動を防止できるようになる。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。本実施例では、同一ローラミル内における粉砕ロー
ラの幅(または厚み)を、粉砕ローラごとに少し変化さ
せたものである。図2に、本実施例の3個の粉砕ローラ
の形状を示す。(a)の標準タイプの粉砕ローラ205
aでは、断面中心軸210を中心として、半分幅aを内
側と外側で等しくしている。(b)では、粉砕ローラ2
05の外側(つまりミルハウジング側)の幅を狭めたタ
イプであり、内側の半分幅aに対し外側を15%減少さ
せて0.85aとしている。粉砕ローラ全体としては、
(a)の標準タイプに較べて幅が7.5%少なくなる。
(c)の粉砕ローラ205cでは、(b)とは逆に、粉
砕ローラ205cの外側の幅を15%だけ拡大してい
る。
【0020】このような粉砕ローラの幅変化とともに、
さらに本実施例では、粉砕リングの粉砕レース面の形状
をセグメントごとに変化させている。図3は、粉砕ロー
ラ305の粉砕面断面形状と、粉砕レース325の断面
形状を略円弧(図中では仮想円弧305′、325′と
して示してある)とするリングセグメントの例である。
従来式のローラミルで用いられる粉砕レースの形状は、
同一ミルの全リングセグメントに対して、これと同じく
略円弧状であった。これに対し本実施例では、一部のリ
ングセグメントにおける粉砕レースの形状を、図4に示
すように、その外側(ミルハウジング側)に傾斜角度3
0°の傾斜平坦部425αを設けたものとした。この例
の粉砕リング424における粉砕レース425は、内側
(回転テーブル403の回転中心側)が略円弧で外側が
傾斜平坦となり、両形状の境界は粉砕ローラ断面中心軸
410の延長線上にある。すなわち本実施例では、図3
と図4に構造を示した粉砕リング(リングセグメント)
を、回転テーブル上に不規則に配設したものであり、配
置例としては、例えば図5(A)に示した不規則配設が
あげられる。本実施例は、図3に構造を示す従来構造の
リングセグメント524Aを8枚、また図4に示すよう
な傾斜平坦部を有するリングセグメント524Bを4枚
用いている。本実施例においてリングセグメントの配置
は、図5(B)に示すような不規則配設であってもよ
い。
【0021】ここで本実施例になる粉砕ローラと粉砕リ
ングセグメントを搭載したローラミルの全体構成(図
1)について説明する。ミル上部の中心軸上にある原料
供給管(センターシュート)2から被粉砕原料1が供給
され、ミルの下部で回転する回転テーブル3上に落下す
る。回転テーブル3上の被粉砕原料には遠心力が働き、
回転テーブル3の外周にある粉砕リング(リングセグメ
ント)24上に送給されて、この粉砕リング(リングセ
グメント)24の上面に刻設された粉砕レース25上
で、粉砕ローラ5により圧縮粉砕される。粉砕されて生
成した粉粒体は、スロートベーン21の間を貫通してミ
ル内へ吹込まれる熱風22により乾燥されながらミル上
方へと輸送される。かなり粗い粒子は、重力により回転
テーブル3上に落下し、粉砕部で再粉砕される(1次分
級)。この1次分級部を貫通した粒子群は、回転分級機
17により遠心分級される。比較的粗い粒子は、遠心力
でハウジング20の内壁へ飛ばされ、重力により落下し
再粉砕される。細かな粒子は、回転分級機17の羽根の
間を貫通し、製品微粉として製品微粉排出ダクト19か
ら排出される。石炭の場合は、微粉炭バーナへ直接送ら
れるか(熱風22が燃焼用1次空気となる)もしくは貯
蔵ビンへ回収される。
【0022】図6(a)および(b)は本実施例におけ
る外周側の幅を変化させた粉砕ローラにおける横滑り状
の首振り運動を、やや誇張して模式的に描いて比較した
ものである。図6(a)のように、粉砕ローラの外側の
幅を少し狭めた粉砕ローラ605aでは、ローラの外側
において、粉砕レース625上の圧縮粉層627から受
ける抵抗が少し弱く、比較的横ずれ量δS が多く首を振
るように横滑り(II)する。逆に、図6(b)に示した
ようなローラの外側の幅を少し大きくした粉砕ローラ6
05bでは、幅の広くなったローラ外側の粉砕面が、粉
砕レース625上の圧縮粉層627を強く圧縮し、もし
くは圧縮粉層へ強い剪断力を与えるために、横ずれ量δ
S が、(a)の粉砕ローラに較べてやや少なくなる。以
上のように、粉砕ローラの外側の幅を変化させる作用
は、粉砕ローラごとの横ずれ(首振り)量δS の違い、
もしくは首振り運動の周期の違いとなってあらわれ、こ
の作用が、同一ミル内における各粉砕ローラの首振り運
動((I)←→(II))をランダム(不規則)なものと
する。
【0023】図7(a)および(b)は、本実施例にお
ける略円弧状レースを刻設した粉砕リングとレース外周
部に傾斜平坦部を設けた粉砕リングについて粉砕ローラ
705の形状を同一とする条件で該粉砕ローラ705の
首振り挙動(II)を比較して示した模式図である。図7
(a)は略円弧状レース725aを刻設した粉砕リング
724aを用いた場合であり、図7(b)はレース外周
部に傾斜平坦部725αを有する粉砕リング724bを
用いた場合である。図7(a)の略円弧状レース725
aの場合は、横ずれして首を振る粉砕ローラ705が、
略円弧状レース725aの外側へやや乗り上げるように
動くため、横ずれ量δS は比較的少ない。一方、図7
(b)のように粉砕レースの外側が傾斜平坦部725α
となる場合は、横ずれ状に首を振る際に、粉砕ローラ7
05が傾斜平坦部725α上の圧縮粉層727から受け
る抵抗が小さく((a)の略円弧状レース725aの場
合に較べて乗り上げるような動きがなくなるため)、横
ずれ量δS は多くなる。このようにして、粉砕レースの
形状をリングセグメントごとに変化させることで、各粉
砕ローラの首振り運動(II)を異ならせることが可能と
なる。粉砕レース形状の異なるリングセグメントを、回
転テーブル703の回転(円周)方向に不規則に配設す
ることで、粉砕ローラの首振り運動はランダムなものと
なる。
【0024】以上のように、本実施例によれば、回転テ
ーブルの回転に伴う粉砕ローラの首振り動作の不規則さ
(リングセグメントのレース形状の変化)と、粉砕ロー
ラごとの首振り動作の不規則さを組合わせることで、粉
砕ローラにおける同位相の首振り動作およびそれに伴う
自励振動をほぼ抑止することが可能になる。図8は、ミ
ル内における石炭ホールドアップに対する振動の振幅の
変化をまとめ、本発明の実施例と従来技術を比較したも
のである。縦軸の振幅δ0Cは、メタルタッチ(石炭の全
くない空回転)時の振幅δ0C * で割られて無次元化され
ている。この実験結果は、振動を起こし易い石炭を粉砕
したときに得られたものである。従来技術では、低負荷
域(W/W* ≒0.25)で著しく振幅が大きくなるの
に対し、本発明になる粉砕ローラとリングセグメントを
用いた場合には、振幅の大幅な低減が可能であることが
確認された。本発明のローラミルにおいても、W/W*
≒0.25の条件で振幅がやや大きくなるが、これは強
制振動の1タイプであると考えられる。本発明の実施例
では、メタルタッチするときの振幅が従来技術よりもや
や大きいが、これは、粉砕ローラごとに外周側の幅を変
化させ、さらに粉砕レースの形状をリングセグメントご
とに不規則に変化させたことを原因とするランダム荷重
変動による振動、つまりいわば強制振動的な不釣合振動
のためと考えられる。
【0025】図9は、給炭量に対する製品微粉粒度の変
化を本発明の実施例と従来技術を比較して示したもので
ある。縦軸の粒度qは、定格給炭量Qc * のときの従来
式ミルにおける基準微粉粒度q* で割られて相対値とし
て表わされている。横軸の給炭量Qc もQc * で割られ
て無次元化されている。一般に粒度qは、給炭量Qc
反比例するかのように減少する。本発明になる実施例で
は、従来式ローラミルと比較して製品微粉の粒度がほと
んど同等であることが判明した。つまり、本発明で具体
化した程度の粉砕ローラと粉砕レースの形状変化では、
粉砕性能に大きな違いが出ないことがわかる。粉砕ロー
ラの形状に関しては、粉砕ローラの外周側の幅を広げた
場合と狭くした場合が相殺し合ったものと考えられる。
【0026】本発明になる粉砕ローラとリングセグメン
トを搭載するローラミルは、具体化例として説明した石
炭焚ボイラ用のミルに限らず、同じ固体燃料であるオイ
ルコークス用のミル、脱硫用の石灰石を微粉砕するため
のミル、鉄鋼スラグもしくは非鉄精錬スラグを微粉砕す
るミル、セメントクリンカを微粉砕するセメント仕上げ
用のミル、各種化学製品の原料を微粉砕するミルへもほ
ぼそのまま適用することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明を実施することにより、粉砕ロー
ラの滑りに起因するミルの振動を防止できる。特に、従
来激しい振動の発生し易かった低負荷時のミルの振動を
大幅に抑制できるので、運転可能なミルの最低負荷の切
り下げができる結果、ミルを使用するプラント、例えば
石炭粉砕ミルの場合は石炭を使用するボイラプラントの
最低負荷域を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するローラミルの全体構成図であ
る。
【図2】本発明におけるローラの実施例説明図である。
【図3】、
【図4】、ならびに
【図5】(a)および(b)本発明における粉砕レース
の実施例説明図である。
【図6】(a)および(b)本発明に係るローラ使用時
の粉砕部の作動模式図である。
【図7】(a)および(b)本発明に係る粉砕レース使
用時の粉砕部の作動模式図である。
【図8】および
【図9】本発明を実施した場合のミルの振動と粉砕物粒
度の試験結果説明図である。
【図10】、
【図11】、
【図12】、
【図13】、
【図14】および
【図15】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
2…原料供給管、3…回転テーブル、4…テーブル回転
軸、5b…粉砕ローラ(外側の幅小)、5c…粉砕ロー
ラ(外側の幅大)、6…ローラシャフト、8…ローラ回
転軸、9…鉛直軸、10…ローラ断面中心軸、11…ロ
ーラブラケット、12…ピボットボックス、13…ロー
ラピボット、14…加圧フレーム、15…加圧用スプリ
ング、16…スプリングフレーム、17…回転分級機、
20…ミルハウジング、21…スロートベーン、22…
熱風、24…粉砕リング、25…粉砕レース、25α…
レース外周の傾斜平坦部、27…圧縮粉層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 長谷川 忠 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 田岡 善憲 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミルハウジング内下方の水平面内を回転
    する回転テーブルと、回転テーブルの上面外周部に設け
    られ断面U字形のリング状溝を有する粉砕リングと、粉
    砕リング上に配置された複数個の粉砕ローラと、粉砕ロ
    ーラを回転可能に支持するローラブラケットと、ローラ
    ブラケットを首振り可能に支持するローラピボットと、
    ローラブラケットとローラピボットを介して粉砕ローラ
    を粉砕リング上に加圧する装置とを備えたローラミルに
    おいて、上記粉砕ローラの直径を含む厚さ方向断面の中
    心軸を境としてミルハウジング側の幅を、他の粉砕ロー
    ラと異なるごとくなした粉砕ローラを少なくとも1つ以
    上設けたことを特徴とするローラミル。
  2. 【請求項2】 請求項1において、粉砕ローラの厚さ方
    向断面中心軸を境としてミルハウジング側の幅を、粉砕
    ローラごとに異ならせたことを特徴とするローラミル。
  3. 【請求項3】 請求項1および2において、粉砕ローラ
    の厚さ方向断面中心軸を境とするミルハウジング側幅
    の、粉砕ローラ間偏差を3〜25%としたことを特徴と
    するローラミル。
  4. 【請求項4】 ミルハウジング内下方の水平面内を回転
    する回転テーブルと、回転テーブルの上面外周部に設け
    られ断面U字形のリング状溝を有する粉砕リングと、粉
    砕リング上に配置された複数個の粉砕ローラと、粉砕ロ
    ーラを回転可能に支持するローラブラケットと、ローラ
    ブラケットを首振り可能に支持するローラピボットと、
    粉砕ローラを粉砕リング上に加圧する装置とを備えたロ
    ーラミルにおいて、上記粉砕ローラの直径を含む厚さ方
    向断面中心軸を境としてミルハウジング側の幅を、他の
    粉砕ローラと異なるごとくなした粉砕ローラを少なくと
    も1つ以上設けるとともに、上記粉砕リングを、断面U
    字形溝の外側に傾斜平坦部形状を設けた部分と設けない
    部分とを組合わせて構成したものとしたことを特徴とす
    るローラミル。
JP8420791A 1991-04-16 1991-04-16 ローラミル Pending JPH06198206A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012014271A1 (ja) * 2010-07-26 2012-02-02 アイエヌジ商事株式会社 竪型ミルローラ
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