JPH0619512Y2

JPH0619512Y2 - 収納箱入り衛生用紙

Info

Publication number: JPH0619512Y2
Application number: JP1989093827U
Authority: JP
Inventors: 徳七山崎
Original assignee: 徳七山崎
Priority date: 1989-08-11
Filing date: 1989-08-11
Publication date: 1994-05-25
Anticipated expiration: 2004-05-25
Also published as: JPH0335078U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、一枚づつ連続的に取出せるように多数枚折
り重ねたティッシュペーパー等の衛生用紙を収納箱の中
に収納した収納箱入り衛生用紙に関する。

（従来の技術）従来の収納箱入り衛生用紙は、箱の中に直接、衛生用紙
を収納し、その収納箱の上面壁に開設した細長い開口を
スリットを有する合成樹脂フィルムで裏から塞ぎ、紙を
１枚、引き出すと、次に使用する紙の一部は引き上げら
れ、フィルムのスリットを下から上に通り抜けてフィル
ム上に突出し、上記スリットは紙を挟んで次の紙の一部
を突出状態に保持し、次の紙の引き出しを容易、且つ迅
速に行えるようにする。なお、細長い開口はミシン目に
沿い上面壁の一部を切離して開設する。

（考案が解決しようとする課題）しかし、上記収納箱を製作するには、上面壁の裏の細長
い開口の回りにスリット付きフィルムを位置決めして接
着などで取付ける工程を要し、製作に手数がかかると共
に、コストも嵩む。

また、紙を多数回引き出して使用することによって箱内
に残っている紙の量が少なくなると、箱内の紙の上面が
箱の上面壁から下に離れる距離が長くなる。そうする
と、前の紙が次の紙の一部を引き上げる距離も長くな
り、フィルムのスリットを下から上に通り抜ける前に重
力で箱内に落ち、フィルムのスリットから外に突出しな
くなることがある。

この場合は、フィルムのスリットを拡げて指を箱の中に
入れ、その指で次の紙を引き上げて外に引き出さねばな
らない。この操作中、箱の中の紙は外から見えないた
め、指先でさぐりながら引き上げるのに非常に手数がか
かり、面倒であると共に、紙を使用するのは誤ってこぼ
した液を紙でぬぐって拭き取るなど緊急のことが多いた
めイライラする。また、このように指でスリットを拡げ
ると、スリットが紙を保持する機能が低下してしまうた
め、その後は前の紙の引き出しで次の紙の一部がスリッ
トを下から上に通り抜けても、スリットの保持機能の低
下により次の紙の一部は再び箱の中に落下してしまうこ
とがある。

さらに、上面壁の細長い開口を開設せず、ミシン目をそ
のままにしておいたとしても、使用をしないで長期間保
管しておくと小さな虫の類が様々な隙間から収納箱の中
に入ってしまうことがある。このような場合、従来のよ
うに収納箱中に衛生用紙を直接収納してあると、衛生用
紙の紙の間、衛生用紙と箱の内面の間に虫が巣を作った
りして衛生的でない。

（課題を解決するための手段）そこで、本考案に係る収納箱入り衛生用紙は、一枚づつ
連続的に取出せるように折り重ねた多数枚の衛生用紙
を、浅い直線上の溝を裂くことで衛生用紙引出し兼保持
手段を形成することのできる包装体により真空包装する
と共に、上記包装体を、衛生用紙を取出可能な開口を備
えた収納箱の中に収納し、前記溝を前記収納箱の開口の
下に位置させたことを特徴とする。

（実施例）以下、図示した収納箱入り衛生用紙により本考案の概略
を説明する。

先ず、図示の収納箱入り衛生用紙においては、上面壁にあるミシン目に沿い該上面壁の一部を切離すこ
とによって得られる衛生用紙取出し用の開口１を備えた
周知の厚紙製の収納箱２の中に、プラスチックフィルム
等の適当な柔軟材料で成形した透明又は半透明な包装体
４を密に収納してあり、上記包装体４の中には一枚づつ
連続的に引出せるように折り重ねた多数枚の衛生用紙３
が詰め込んである。上記衛生用紙３を包装した包装体４
は収納箱２の容積とほぼ等しい体積を有し、収納箱２の
開口１を有する上面壁に対応した包装体の上面には衛生
用紙引出し兼保持手段としてのスリット５を形成してあ
る。

したがって、上記の構成に係る収納箱入り衛生用紙を使
用するには、収納箱２の上面壁に開口１を形成し、上記
開口１に臨む包装体４の上面のスリット５を通して衛生
用紙３を引出す。これにより、次の紙の一部は前の紙の
引き出しで引き上げられ、スリット５を下から上に通り
抜けて開口１から外に出、スリット５は次の紙を挟んで
保持する。したがって、次の紙の引き出しを容易、且つ
迅速に行うことができる。

このようにして何回も紙を引き出して使用すると、第３
図に示してあるように包装体４内の衛生用紙３の量は減
少し、紙の上面が開口１を有する箱の上面壁から下に離
れる距離は長くなる。また、これに伴い包装体４の上部
は紙の減少でたるみ、スリット５を有する包装体の上面
は紙の上面ほどではないが、箱の開口１を有する上面壁
から下に離れる。

この状態で開口１の外から紙P1を引き出すと、たるんで
箱の上面壁から下に離れていた包装体４の上面、特にス
リット５を有する部分はスリットを下から通り抜けよう
とする紙との摩擦で本来の高さ、つまり箱の上面壁の下
まで引き上げられるが、そのように上昇する途中で次の
紙P2の一部は引き上げられてスリット５を下から上に通
り抜け、その途中をスリット５で挟まれる（第４図）。
こうして、前の紙P1の末端がスリット５、開口１から外
に出ると、前の紙P1が包装体に摩擦で加えていた引上力
は消失し、包装体は再びたるむが、次の紙P2の途中は包
装体の上面のスリット５で保持され、その先端は開口１
から上に突出する（第５図）。

したがって、包装体４内の最後の一枚の紙まで、収納箱
の開口１から外に確実に突出させることができる。

なお、第１図乃至第５図においては衛生用紙引出し兼保
持手段として包装体にスリットを予め形成してあるが、
上記スリットに代えて容易に裂くことができる浅い直線
状の溝を形成する。

さらに、前記包装体により衛生用紙を真空包装し、その
包装体を収納箱の中に収納する。

このように、衛生用紙を包装体内に真空包装し、その体
積を収納箱の容積にほぼ等しくすると、包装体の中に詰
め込める衛生用紙の量は、単に多数枚の衛生用紙を折り
重ねて収納箱に収納した場合の量の約1.5〜２倍程度に
なる。これは、真空包装をすることによって各衛生用紙
間の空気が除かれ、衛生用紙の束が圧縮されて体積が減
少することに基づく。したがって、例えば単に多数枚を
折り重ねたに過ぎない場合には二枚重ねで200組（400
枚）しか収納することができなかった収納箱の中に、30
0組乃至400（600枚乃至800枚）程度の衛生用紙を収納す
ることができ、従来に比して長期間の使用に耐えること
が可能になる。また、上記のように衛生用紙を包装体で
真空包装しておくと、包装体にスリット５を形成して真
空を破った場合に、収納箱の中に密に収納された包装体
内の衛生用紙には元の状態に復元しようとする弾力が生
じる。したがって、使用して暫くの間、衛生用紙はスリ
ットを有する包装体の上面を、収納箱の開口を有する上
面壁に押付けるのであって、開口１、スリット５を通じ
ての紙の引出しは極めて容易に行える。

本考案は実用新案登録請求の範囲に記載の技術的思想を
逸脱することなく、多様に変化、応用することが可能で
ある。

（考案の効果）以上説明したように、本考案は衛生用紙引出し兼保持手
段を形成してある包装体により衛生用紙を包装し、その
包装体を収納箱の中に収納するものである。したがっ
て、従来のようにスリット付きのフィルムを収納箱の開
口の裏に付す必要がないので製作コストを抑えることが
可能になり、製品を安価に提供することができる。ま
た、包装体内の衛生用紙の量の減少につれ、該衛生用紙
を引出し、保持する手段の位置も下がり、前の紙が次の
紙の一部を該手段に保持させるために引き上げる長さは
短くなる。したがって、包装体内の衛生用紙の最後の一
枚まで先端を確実に収納箱の開口から外に突出させるこ
とができる。これにより、従来のように開口部分に付さ
れたフィルムのスリットを指で拡げ、手さぐりで摘んで
取出すような繁雑さは解消し、快適に使用することがで
きる。

さらに、使用せずに長期間保管しておくことによって収
納箱の中に虫等が入ったとしても、衛生用紙は包装体に
より保護されているので紙に巣を作られてしまうことが
ない。また、保管中に湿度や温度の変化があっても、衛
生用紙は包装体によって包装されているので影響を受け
ることが少なくなる。

また、衛生用紙を真空包装することによって体積を収納
箱の容積にほぼ等しくすることにより、包装体の中に詰
め込める衛生用紙の量は、単に多数枚の衛生用紙を折り
重ねて収容箱に収納した場合の約１．５〜２倍程度にな
るので、長期間使用することができる。そして、衛生用
紙を包装体で真空包装した場合、包装体に衛生用紙引出
し兼保持手段を形成するために真空を破ると、収納箱の
中に密に収納された包装体内の衛生用紙には元の状態に
戻ろうとする弾力が生じるので、使用して暫くの間、衛
生用紙は衛生用紙引出し兼保持手段を有する包装体の上
面を、収納箱の開口を有する上面壁に押付け、開口、衛
生用紙引出し兼保持手段を通じての衛生用紙の引き出し
が極めて容易に行えるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の概略を説明するもので、第１図は衛生用
紙を包装した包装体を収納箱中に納めた状態を示す一部
を切載した斜視図、第２図は使用当初における衛生用紙
の取出し状態を示す部分拡大断面図、第３図、第４図、
第５図は夫々使用状態を示す説明図である。１……開口、２……収納箱、３……衛生用紙、４……包
装体、５……スリット。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一枚づつ連続的に取出せるように折り重ね
た多数枚の衛生用紙を、浅い直線上の溝を裂くことで衛
生用紙引出し兼保持手段を形成することのできる包装体
により真空包装すると共に、上記包装体を、衛生用紙を
取出可能な開口を備えた収納箱の中に収納し、前記溝を
前記収納箱の開口の下に位置させたことを特徴とする収
納箱入り衛生用紙。