JPH06192978A - 霊芝染め繊維製品の製造法 - Google Patents

霊芝染め繊維製品の製造法

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JPH06192978A
JPH06192978A JP4358268A JP35826892A JPH06192978A JP H06192978 A JPH06192978 A JP H06192978A JP 4358268 A JP4358268 A JP 4358268A JP 35826892 A JP35826892 A JP 35826892A JP H06192978 A JPH06192978 A JP H06192978A
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dyeing
reishi
treatment
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tannic acid
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Hiroki Miyamatsu
宏樹 宮松
Okihiro Kawai
沖▲ひろ▼ 川合
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 霊芝の自然感ある独特の色相および風合を有
し、染着性が良好で、染色堅牢度が極めて高く、さらに
は抗アレルギー性や抗菌性を示す霊芝染め繊維製品を製
造する方法を提供することを目的とする。 【構成】 木綿、絹、麻などの繊維製品をカチオン化剤
を含む前処理液と接触させてカチオン化処理した後、必
要に応じてタンニン酸処理してから、霊芝の菌糸体また
は子実体の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させ
る。「カチオン化処理(→タンニン酸処理)→媒染処理
→霊芝抽出物染色」のルートをとることもできる。ま
た、媒染剤および霊芝抽出物を含む媒染−染色液と接触
させて、媒染反応および染色反応を同時に行うこともで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自然感ある独特の色相
および風合を有し、染着性が良好で、染色堅牢度が高
く、しかも抗アレルギー性や抗菌性を有する霊芝染め繊
維製品を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】天然染料が合成染料により駆逐されて久
しいが、草木染めは、合成染料では出せない独特の渋
さ、落ちつき、光沢、風合を有するため、自然志向が高
まってきた今日においては再評価されつつある。
【0003】草木染めに適用できる天然染料としては、
くちなし、うこん、きはだ、つゆくさ、藍、紅花、えん
じゅ、阿仙、梅、桜、ざくろ、茶、もっこく、あかね、
すおう、紫根、五倍子、ひさかき、よもぎ、すすき、
菊、南天、ひいらぎ南天、葛、くぬぎ、白樫、げんのし
ょうこ、矢車、やまもも、くるみ、ログウッド、柏、朝
顔、ばら、サフラン、マリーゴールド、ぶどう、なす、
どんぐり、刈安、つつじ、おうれん、はまなす、杉、
桧、松、ひいらぎ、桃、ドクダミ、萩、柿、栗、サフラ
ン、小豆、黒豆、はぜのき、すおう、セイタカアワダチ
ソウ、タマネギ、イチイ、ハンノキ、アセビ、ねむのき
をはじめ、極めて多種の植物から得られる染料が用いら
れている。
【0004】微生物、菌類、藻類または苔類あるいはこ
れらの産生物を染料として用いることについてもいくつ
かの提案がなされている。
【0005】特開平2−234988号公報には、椎茸
を煮沸して染液を抽出し、その液で布を染色し、媒染剤
を用いて発色、定着させる椎茸による染色方法が示され
ている。この方法は「後媒染」にかかるものであり、媒
染液としては草木灰の灰汁が用いられるとの記載があ
る。
【0006】特開平1−132886号公報には、石英
はん岩の微粉末を水溶性アクリル樹脂液に混合分散さ
せ、この分散液に熱水を注入し、これに植物性エキスお
よび染料を添加混合して、繊維品類を浸漬した後、ソー
ピング、乾燥などの通常の後処理を行う繊維品類の染色
方法が示されている。
【0007】この方法は、石英はん岩の遠赤外線放射作
用を利用して繊維品類の保温性を高めようとするもので
あるが、さらに植物性エキスを併用して保温、保冷また
は虫よけ機能を付加している。植物性エキスとしては、
保温を目的とするときには、にんにく、唐辛子、サルの
こしかけ、訶子、山豆根、盤梯キノリ、盤梯ウド、蓼の
実、コンクリー、枸杷の実、アロエの葉、クロレラなど
を、保冷を目的とするときは、蜜柑、橙などの柑橘類
を、虫よけを目的とするときは桧等の樹木の皮や葉など
が用いられるとしている。ただし、植物エキスは染料と
して用いているのではなく、染料としては別に天然染料
(草木染めに用いられるもの)や合成染料を用いてい
る。
【0008】平成3年5月22日に発行の日経産業新聞
には、霊芝の茎を細かく切ってたき出し汁を作り、この
汁で織物を下染めし、その後に人工染料で着色し、最後
に霊芝の胞子をふりかけることにより絹を染色した記事
が掲載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の草木染めは、染
色工程が煩雑であることのほか、特に木綿や麻に対して
は染着性および染色堅牢度が劣り、その物質特有の個性
の持続性に乏しいという弱点があり、この点が草木染め
の最大の問題点になっている。
【0010】また一般に草木染めは、自然志向の趨性に
は沿うものの、新たな機能性の発現には必ずしもつなが
らないという限界がある。特開平2−234988号公
報の椎茸染めも、この点では珍しい植物で草木染めした
ということにとどまる。なお染色が機能性の新たな発現
につながらない点は、合成染料による染色の場合も同様
である。
【0011】特開平1−132886号公報の染色方法
は、天然染料や合成染料による染色液に石英はん岩と植
物性エキスとを添加して、石英はん岩による遠赤外線放
射作用、植物性エキスによる保温、保冷または虫よけ作
用を発揮させるようにしたものであるが、繊維品類への
石英はん岩の付着は風合を損ない、また染料として天然
染料を用いたときには染色堅牢度が劣ることを免かれな
い。
【0012】平成3年5月22日の日経産業新聞の記事
の技術は、霊芝で下染めしているとは言え、この下染め
は言わば前処理であって染色自体は人工染料で行ってい
る。なおこの記事の中には、「霊芝は青、赤、黄、紫と
変色を重ねる」旨の記載および「霊芝の茎を細かく切っ
てたき出し汁を作る」旨の記載があるが、霊芝には青
芝、赤芝、黄芝、白芝、黒芝、紫芝の6種類があること
は知られているものの変色を重ねるという事実はない
上、有効成分の多い「傘」の部分を使用しないで有用性
が比較的に小さい茎の部分を用いているなど、事実関係
および技術的な点でいくつかの疑問がある。結局、この
記事の染色品は、霊芝で染色を行って「霊芝色」を出し
ているのではなく、単に霊芝の茎のたき出し汁で織物を
前処理したり、霊芝の胞子をふりかけたりすることで高
級感を出しているにすぎない。
【0013】本発明は、このような背景下において、霊
芝の自然感ある独特の色相および風合を有し、染着性が
良好で、染色堅牢度が極めて高く、さらには抗アレルギ
ー性や抗菌性を示す霊芝染め繊維製品を製造する方法を
提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の霊芝染め繊維製
品の第1の製造法は、繊維製品をカチオン化剤を含む前
処理液と接触させてカチオン化処理した後、霊芝の菌糸
体または子実体の抽出物を含む染液と接触させて染色反
応させることを特徴とするものである。
【0015】本発明の霊芝染め繊維製品の第2の製造法
は、繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と接触させ
てカチオン化処理した後、タンニン酸を含む処理液と接
触させてタンニン酸処理し、ついで霊芝の菌糸体または
子実体の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させる
ことを特徴とするものである。
【0016】本発明の霊芝染め繊維製品の第3の製造法
は、繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と接触させ
てカチオン化処理した後、必要に応じてタンニン酸を含
む処理液と接触させてタンニン酸処理し、ついで媒染剤
を含む媒染液と接触させてから、媒染後の繊維製品を霊
芝の菌糸体または子実体の抽出物を含む染液と接触させ
て染色反応させることを特徴とするものである。
【0017】本発明の霊芝染め繊維製品の第4の製造法
は、繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と接触させ
てカチオン化処理した後、必要に応じてタンニン酸を含
む処理液と接触させてタンニン酸処理し、ついで媒染剤
および霊芝の菌糸体または子実体の抽出物を含む媒染−
染色液と接触させて、媒染反応および染色反応を同時に
行うことを特徴とするものである。
【0018】以下本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明における繊維製品としては、原繊
維、糸、パイル、綿状物、織布、編布、不織布、植毛布
などがあげられる。そのほか、紙製品、木製品なども本
発明に言う繊維製品に含まれる。
【0020】これらの繊維製品の材質は、木綿、麻、
絹、羊毛など、あるいはそれらと化学繊維との混紡品、
交織品、交編品など任意であるが、特に従来の草木染め
では染着性が劣り、堅牢度も低かった木綿や麻にも適用
できる点が本発明の特長の一つでもある。
【0021】本発明においては、必要に応じ糊抜き、精
練、漂白などを行ってから、まず繊維製品をカチオン化
剤を含む前処理液と接触反応させてカチオン化処理す
る。
【0022】カチオン化剤としては、市販の種々のカチ
オン化剤を用いることができる。カチオン化処理は、ア
ルカリの存在下で行う。
【0023】カチオン化処理時の浴比は繊維製品の重量
に対し10〜100倍程度、浴温は50〜95℃程度
(殊に60〜90℃程度)、処理時間は10分〜2時間
程度(殊に20分〜1.5 時間程度)とすることが多い。
カチオン化剤濃度は適宜に設定される。
【0024】カチオン化処理後は、必要に応じてタンニ
ン酸を含む処理液と接触させてタンニン酸処理すること
もできる。カチオン化処理後にタンニン酸処理を行う方
法は、洗濯堅牢度の向上、抗菌性の向上の点で有利であ
る。
【0025】タンニン酸処理を行うときのタンニン酸と
しては、精製されたものを用いることもできるが、五倍
子、没食子などタンニン酸を多量に含む高タンニン酸含
有天然植物の抽出物またはその半精製物をそのまま用い
ることも好ましい。五倍子は60〜75%程度、没食子
は55〜65%程度のタンニン酸を含んでいる。なお精
製タンニン酸も、五倍子や没食子を粉砕してエーテルと
エタノールとの混合液で抽出し、浸出液に水を加えてタ
ンニン酸を水に移し、さらに必要に応じて精製処理を行
うことにより取得されるので、天然物であるということ
ができる。
【0026】タンニン酸処理時の浴比、浴温、処理時間
は、カチオン化処理の場合と同様の条件とすることがで
きる。タンニン酸濃度は繊維製品の重量に対し5〜20
重量%程度とすることが多いが、必ずしもこの範囲に限
定されるものではない。
【0027】タンニン酸処理後は、タンニン酸を固着さ
せるために吐酒石(酒石酸アンチモンカリ)の1〜3重
量%程度(繊維製品の重量に対し)の溶液と接触させる
ことができる。しかしながらタンニン酸の固着は次の工
程として媒染工程を設けるときにはその媒染工程によっ
ても達成できるので、吐酒石によるタンニン酸の固着工
程は省略することもできる。
【0028】タンニン酸処理後は、媒染剤を含む媒染液
と接触反応させてタンニン酸の固着と媒染とを行うこと
ができ。この工程は任意工程であるが、次工程である染
色工程における染着性および染色堅牢度の点でこの工程
を設ける方が好ましい。
【0029】ここで媒染剤としては、ツバキ灰、サワフ
タギ灰、ヒサカキ灰、クヌギ灰、アカザ灰、早稲藁灰な
どの草木灰(木灰や藁灰)を用いることが好ましい。こ
れらの草木灰は、アルミニウムイオンのほか、染色に有
用な他の金属イオンやアルカリ物質を含んでいる。
【0030】また、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、ミョウバン、焼ミョウバン、カ
リミョウバンなどのアルミニウム塩や、市販のアルミ液
などのアルミナ媒染剤を用いることもできる。さらには
上記の草木灰、アルミニウム塩、アルミ液と共に、炭酸
カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸
化ナトリウムなどのアルカリを併用することもできる。
【0031】上記の媒染剤のほか、場合によっては、鉄
媒染剤(木酢酸鉄、硫酸第一鉄、賞賛鉄、酢酸第一鉄等
の鉄塩)、銅媒染剤(銅塩)、スズ媒染剤(スズ塩)、
クロム媒染剤(クロム塩)、コバルト媒染剤(コバルト
塩)なども用いることができる。
【0032】媒染時の浴比は繊維製品の重量に対し10
〜100倍程度(殊に20〜60倍程度)、浴温は常温
ないし沸騰温度、処理時間は10分〜1時間程度とする
ことが多いが、必ずしもこの範囲に限定されない。
【0033】カチオン化処理後(タンニン酸処理を行う
ときはその処理後、さらに媒染を行うときはその媒染
後)は、繊維製品を霊芝の菌糸体または子実体の抽出物
を含む染液と接触させることにより染色反応させる。こ
れにより独特の色調の染色がなされる。
【0034】ここで霊芝(Ganoderma Kucidum)とは、担
子菌類、ヒダナシタケ目、サルノコシカケ科、マンネン
タケ属に属する菌であって、サルノコシカケ属とは明確
に属が異なる。民間薬として良く知られているサルノコ
シカケはサルノコシカケ属に属するものであり、霊芝と
は外観、形状、薬効のいずれも相違している。
【0035】霊芝については、漢方医学の原典である神
農本草経には青芝、赤芝、黄芝、白芝、黒芝、紫芝の6
種類があげられると共にそれぞれの薬効が記載されてい
る。このように霊芝は古くから漢方医学において用いら
れてきた漢方薬の一つであり、また最近では、抗アレル
ギー作用、マクロファージ活性化作用、抗腫瘍作用、血
圧降下作用、血糖降下作用、抗高脂血症作用、抗血栓作
用などの薬理活性を有することが文献上多数報告されて
いる。
【0036】原料霊芝としては菌糸体または子実体を用
いる。霊芝の菌糸体または子実体を水または/および親
水性有機溶剤(アルコール等)で抽出すれば、有効成分
(糖蛋白結合体など)が浸出して抽出液が得られる。も
し必要なら、この抽出液を透析または限外ろ過したり、
さらには抽出を行うようにしてもよい。
【0037】染色反応処理時の浴比は繊維製品の重量に
対し10〜100倍程度(殊に20〜60倍程度)、浴
温は50〜95℃程度(殊に60〜90℃程度)、処理
時間は20分〜3時間程度(殊に30分〜2時間程度)
とすることが多いが、必ずしもこの範囲に限定されな
い。染料濃度は目的に応じ広い範囲から選択しうる。
【0038】染色工程終了後は、適宜ソーピング、水洗
などの後処理を行ってから、自然乾燥または熱風乾燥す
る。
【0039】上記においては媒染剤を含む媒染液と接触
反応させることにより媒染を行ってから、霊芝の菌糸体
または子実体の抽出物を含む染液と接触させることによ
り染色反応させているが、媒染剤および霊芝の菌糸体ま
たは子実体の抽出物を含む媒染−染色液と接触させるこ
とにより媒染反応および染色反応を同時に行うようにし
てもよい。
【0040】以上の工程を実施することにより、カチオ
ン化処理され(さらにはタンニン酸処理され)、かつ霊
芝の菌糸体または子実体の抽出物で染色された霊芝染め
繊維製品が得られる。
【0041】
【作用】霊芝抽出物との染色反応に先立ちカチオン化処
理反応(またはこれとタンニン酸処理反応、さらには媒
染反応)を行うと、霊芝抽出物による染色反応が円滑に
なされると共に、霊芝抽出物中の有効成分と繊維製品と
の間の結合が確実に行われ、独特の色調が得られると共
に、濃い染色も可能となり、染色堅牢度も極めて高くな
る。そして染色繊維製品には霊芝中の有効成分が固着さ
れているので、皮膚にやさしく、整肌作用やかゆみを抑
える作用も示すなどの抗アレルギー作用も得られる。
【0042】加えて、この霊芝染め繊維製品は好ましい
抗菌性を有することが判明した。これは、霊芝抽出物
(またはこれとタンニン酸)の抗菌作用によるものであ
る。この抗菌作用は人体の生態系を冒さない静菌作用で
あるため、皮膚病やかゆみを有する人体に対し薬用的に
使用することも可能である。
【0043】従って本発明の方法により得られる霊芝染
め繊維製品は、肌と接触する用途、たとえば、下着類、
シャツ類、夜着、シーツ、手袋、帽子、スポーツ用サポ
ータ、水着、包帯、病人用衣類、マスクなどに特に有用
である。またファッション性を有することから、肌に接
触しない用途であっても何ら差し支えない。
【0044】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0045】実施例1 水150mlに霊芝子実体5gを投入し、約1時間懸濁、
加熱反応させた後、ろ過し、霊芝抽出液を得た。
【0046】エジプト綿生地100gを水道水2000
ml(浴比1:20)中に投入し、この液にカチオン化剤
(一方社油脂工業株式会社製の「uk」200ml(uk
100g/リットル)を加え、常温にて5分間浸透させ
た後、約30分かけてゆっくりと約80℃まで加温し
た。ついでNaOH75g(NaOH15g/リット
ル)を、はじめ3/10、ついで7/10加えて約1時
間加熱した。次に綿生地を取り出して水洗し、この液に
酢酸10ml(酢酸5ml/リットル)を加えて中和し、4
0℃にて5分間浸透させた。最後に水洗、脱水してカチ
オン化処理布を得た。
【0047】このカチオン化処理布100gを取り、こ
れに上記で調製した霊芝抽出液を加えて全量を3000
mlとしてから、10分間かけてゆっくり加熱し、90℃
にて1時間反応させた。反応終了後、水洗、脱水、乾燥
した。
【0048】これにより、独特の風合を有する黄茶褐色
の霊芝染め綿布が得られた。この霊芝染め綿布の染着
性、染色堅牢度、肌触り(抗アレルギー性)は、非常に
好ましいものであった。
【0049】実施例2 水道水に実施例1におけるカチオン化処理布100gを
投入し、タンニン酸5g(5%)を加えてから水道水を
追加して全量を3000mlとし、約10分間かけて35
℃にまで加温し、この温度で1時間反応させた。1昼夜
放置後、吐酒石8gを加え、約1時間放置後、脱水、乾
燥した。
【0050】このようにして得られたカチオン化および
タンニン酸処理布を水3000mlに入れ、霊芝の刻み1
0gを入れて約10分間かけて撹拌しながら90℃にま
で加熱し、この温度で約1時間反応後、水洗、脱水、乾
燥した。これにより、独特の風合を有する黄茶褐色の濃
い霊芝染め綿布が得られた。、肌触り(抗アレルギー
性)も非常に好ましいものであった。なおこの実施例で
は、霊芝の抽出を染色処理と同時に行っている。
【0051】この霊芝染め綿布の切片(2cm×2cm)を
用いて抗菌力新評価法(防菌防黴、16,2,49−5
7(1988))に準じて抗菌力試験を行ったところ
(培地:ニュートリエントブロス、ニュートリエント寒
天培地、試験菌:E. coli ATCC25922、S. aureus ATCC
25923)、これらの試験株に対して下記のように明らか
な抗菌性が認められた。 ・ E. coli ATCC 25922 初発菌数:2.00×105 cells/g (cloth) 生菌数: 1.83×107 cells/g (cloth) 活性SA(静菌):92.3% Contorolは、2.36×108 cells/g (cloth) ・ S. aureus ATCC 25923 初発菌数:1.90×106 cells/g (cloth) 生菌数: 1.30×104 cells/g (cloth) 活性CA(殺菌):99.3% Contorolは、5.93×106 cells/g (cloth)
【0052】また、この霊芝染め綿布につき下記の堅牢
度試験を行った。いずれも場合も、実用としては3級以
上が合格である。 耐光性試験(太陽光線、蛍光灯などの紫外線、赤外
線などの光による影響検査) 洗濯試験(通常の選択により色落ちがどの程度か、
また白生地と一緒に洗濯したとき色が移行するかどうか
の試験、草木染めは弱アルカリ性洗剤により変色する場
合が多いので特に注意が必要である。) 汗試験(人間の汗(酸性、アルカリ性)により変色
するかどうかの試験)。 摩擦堅牢度試験(摩擦による染色色素の移行がある
かどうかの試験)。
【0053】耐光性試験は4級、洗濯試験は中性洗剤を
用いた場合および弱アルカリ性洗剤を用いた場合のいず
れも4−5級、汗試験は4−5級、摩擦堅牢度試験は4
−5級であり、全て合格であった。この結果から、本発
明の方法により得られる霊芝染め綿布が、従来にない草
木染めとしての品質を有していることがわかる。
【0054】比較例1 霊芝の茎5gを細かく裁断してから水150mlに投入し
て煮沸した。この抽出液に水を加えて全量を3000ml
としてから、綿布100gを投入して10分間かけてゆ
っくり加熱し、90℃にて1時間反応させた。反応終了
後、水洗、脱水、乾燥した。しかしながら、得られた霊
芝染め綿布は色が極めて薄く、染色むらが認められる
上、洗濯による堅牢度も劣っていた。
【0055】比較例2 水150mlに霊芝子実体5gを投入し、約1時間懸濁、
加熱反応させた後、ろ過し、霊芝抽出液を得た。この抽
出液に水を加えて全量を3000mlとしてから、綿布1
00gを投入して10分間かけてゆっくり加熱し、90
℃にて1時間反応させた。反応終了後、水洗、脱水、乾
燥した。しかしながら、得られた霊芝染め綿布は色が極
めて薄く、染色むらが認められる上、洗濯による堅牢度
も劣っていた。
【0056】実施例3 木綿用のアルミ液5g(5%)を水で稀釈して約8リッ
トルとなし、この液に実施例2のカチオン化およびタン
ニン酸処理布100gを投入してから加温し、85℃に
て1時間加熱反応させた後、水洗し、乾燥した。
【0057】ついでこのアルミ媒染布を水3000mlに
入れ、霊芝の刻み10gを入れて約10分間かけて撹拌
しながら90℃にまで加熱し、この温度で約1時間反応
後、水洗、脱水、乾燥した。
【0058】得られた染色布は、実施例1〜2で得られ
た染色布とは異なる色調の美しい色調を有していた。ま
たこの霊芝染め綿布は、染着性、染色堅牢度、肌触り
(抗アレルギー性)、抗菌性が非常に好ましいものであ
った。
【0059】実施例4 木綿用のアルミ液5g(5%)を10倍の水に溶解し、
この液に実施例1の霊芝抽出液を加え、ついで水で稀釈
して約8リットルとなした。この液に実施例2のカチオ
ン化およびタンニン酸処理布100gを投入してから加
温し、85℃にて1時間加熱反応させた後、水洗し、乾
燥した。
【0060】得られた染色布は、実施例1〜3で得られ
た染色布とは異なる色調の美しい色調を有していた。ま
たこの霊芝染め綿布は、染着性、染色堅牢度、肌触り
(抗アレルギー性)、抗菌性が非常に好ましいものであ
った。
【0061】実施例5〜6 綿生地に代えて絹生地(実施例5)、麻生地(実施例
6)を用いたほかは実施例2を繰り返したが、染色は円
滑に行うことができ、美麗な色調を有する霊芝染め布が
得られた。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、絹や羊毛はもとより、
木綿、麻など従来草木染めの難しいとされていた被染物
に対しても染着性良く染色することができ、自然感ある
独特の色相および風合を有すると共に染色堅牢度の極め
て高い霊芝染め繊維製品を得ることができる。
【0063】しかも得られた霊芝染め繊維製品は、皮膚
にやさしく、整肌作用やかゆみを抑える作用を有するな
ど抗アレルギー性を有し、さらには抗菌性も示すという
機能的な特長も有している。
【0064】よって本発明の方法により得られる霊芝染
め繊維製品は、消費者のナチュラル志向および健康志向
に完全に応えることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と
    接触させてカチオン化処理した後、霊芝の菌糸体または
    子実体の抽出物を含む染液と接触させて染色反応させる
    ことを特徴とする霊芝染め繊維製品の製造法。
  2. 【請求項2】繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と
    接触させてカチオン化処理した後、タンニン酸を含む処
    理液と接触させてタンニン酸処理し、ついで霊芝の菌糸
    体または子実体の抽出物を含む染液と接触させて染色反
    応させることを特徴とする霊芝染め繊維製品の製造法。
  3. 【請求項3】繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と
    接触させてカチオン化処理した後、必要に応じてタンニ
    ン酸を含む処理液と接触させてタンニン酸処理し、つい
    で媒染剤を含む媒染液と接触させてから、媒染後の繊維
    製品を霊芝の菌糸体または子実体の抽出物を含む染液と
    接触させて染色反応させることを特徴とする霊芝染め繊
    維製品の製造法。
  4. 【請求項4】繊維製品をカチオン化剤を含む前処理液と
    接触させてカチオン化処理した後、必要に応じてタンニ
    ン酸を含む処理液と接触させてタンニン酸処理し、つい
    で媒染剤および霊芝の菌糸体または子実体の抽出物を含
    む媒染−染色液と接触させて、媒染反応および染色反応
    を同時に行うことを特徴とする霊芝染め繊維製品の製造
    法。
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