JPH06190582A - 加工ヘッド及びレーザ加工装置 - Google Patents

加工ヘッド及びレーザ加工装置

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JPH06190582A
JPH06190582A JP5263608A JP26360893A JPH06190582A JP H06190582 A JPH06190582 A JP H06190582A JP 5263608 A JP5263608 A JP 5263608A JP 26360893 A JP26360893 A JP 26360893A JP H06190582 A JPH06190582 A JP H06190582A
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周治 小川
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融 村井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定して高速、高品質加工を行うことのでき
るレーザ加工装置の加工ヘッドを提供する。 【構成】 レーザビームが通過する主アシストガスノズ
ル1とこれを囲繞する環状の補助アシストガスノズル2
を設け、補助アシストガスノズル噴出口2aの内径を主
アシストガスノズル噴出口1aの内径より大きくし、主
アシストガスノズル噴出口1aが補助アシストガスノズ
ル噴出口2aよりもガス流の上流側に位置するように
し、噴出口における噴出ガス圧力及び噴出ガス流速が連
続的に変化し、かつ主アシストガス流の圧力変動及び流
速変動値が大きくなるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ加工装置、特に
その加工ヘッドに関するものである。なお、この明細書
においてはレーザ加工の例としてレーザ切断について説
明する。
【0002】
【従来の技術】レーザ加工における切断性能は、レーザ
ビームの出力、被切断材料表面に対するレーザビームの
焦点位置、アシストガス圧力、被切断材料表面とレーザ
ビームノズル先端との距離、等の運転条件に左右され、
また材料の種類、表面状態、品質、組成、厚み、等の材
料の条件にも依存する。レーザ加工装置は、このような
運転条件や、材料の条件に対して広い裕度を持ち、安定
した加工品質が得られることが求められる。特に、鋼な
どの切断においては、アシストガスとして使用する酸素
噴流により、レーザビームによる直接加熱によって被切
断材料を融解してその溶融金属を吹き飛ばすだけでな
く、強い燃焼酸化反応を伴って被切断材料を昇華あるい
は融解させて切断効率を著しく向上させているので、被
切断材料の切断面品質は、切断面表面での燃焼酸化速度
により決定されるところが大きい。即ち、燃焼酸化速度
が大きいほど、切断面の粗度は小さくなり、また供給酸
素が連続的に消費されるので、酸素過多によるセルフバ
ーニング(レーザビームが到達していないのに爆発的に
強い自己燃焼が発生し切断面品質が損なわれる現象)が
発生しにくくなる。さらに、切断速度が増すので、より
高速切断が可能になる。従って、ガスの供給条件を最適
化して、燃焼酸化速度を向上させることは非常に重要で
ある。以上の見地に立ち、これまでに、ガス供給用のノ
ズルについて様々な改良が施されてきた。
【0003】図46は、例えば特公昭61−60757
号公報に示された従来のレーザ加工装置における加工ヘ
ッドに備えられたレーザビームノズルを示す縦断面模式
図である。図中、1は主アシストガスノズル、2は補助
アシストガスノズル、3は切断板表面、10はアシスト
ガス供給源である。
【0004】次に動作について説明する。従来のレーザ
加工装置における加工ヘッドに備えられたレーザビーム
ノズルは上記のように構成され、このノズルは、多重構
造を持ち、中心軸上のガス流路と、それを囲むように同
心円状に多重に形成された流路を有する。中心軸上の流
路から切断材料に供給される酸素は、比較的高圧であ
り、流速も大きい。この酸素は、おもに、切断溝内部に
流入し、その一部は酸化燃焼反応に消費され、残りは、
融解・酸化した金属を下方へ吹き飛ばして除去すること
に使用される。外周部の流路から供給されるガスは、比
較的低速であって、周囲空気の巻き込みを防ぎ、中心軸
付近の流れを安定化させ、酸素濃度を高水準に保つ役割
を持つ。更に、各補助アシストガス噴出口の噴出方向を
主アシストガス噴出口の噴出方向と平行状に設け、層流
状に噴出させており、また主アシストガス噴出口、各補
助アシストガス噴出口の境界には肉厚のある隔壁が存在
し、主アシストガスとの干渉も極力抑制されているた
め、主アシストガスも層流状態に保たれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】レーザ加工において
は、レーザビームのエネルギにより高温に加熱された金
属切断面にアシストガス(酸素ガス)が供給されて酸化
燃焼反応が起こるが、切断中は、1.0mm 未満の狭い切断
溝幅の中に常に必要量のアシストガス(酸素ガス)を供
給する必要がある。また、切断面のごく近傍では、酸化
反応によって燃焼生成物(ガスあるいは溶融金属)が生
成している。アシストガス(酸素ガス)噴流が層流状態
であれば、この燃焼生成物(ガス成分)雰囲気中をアシ
ストガスが拡散して金属表面に到達しなければならな
い。従って、酸化速度を高めるためには、このアシスト
ガス噴流を乱流状態にし、切断面近傍の燃焼反応領域の
境界層を撹乱し、新鮮なアシストガスと燃焼生成物(ガ
ス成分)との表面更新を行うことが有効である。
【0006】従来のレーザ加工装置における加工ヘッド
に備えられたレーザビームノズルは、各補助アシストガ
ス噴出口の噴出方向を主アシストガス噴出口の噴出方向
と平行状に設け、層流状に噴出させており、主アシスト
ガスとの干渉も極力抑制されているため、主アシストガ
スも層流状態に保持され流れが安定化されており、中心
部のアシストガス純度(酸素純度)を高水準に保つはた
らきがあるが、中心部の流れが安定しているため、狭い
切断溝幅内に有効にアシストガス(酸素ガス)を供給す
るためには主アシストガス供給圧力を高くする必要があ
った。また、ノズル流中心部の速度変動量(乱れ強度)
が小さいために、金属の酸化反応表面にアシストガス濃
度(酸素濃度)の低い境界層が形成され、新鮮なアシス
トガス(酸素ガス)が直接、反応表面に到達しにくい。
このため、供給されたアシストガス(酸素ガス)が有効
に酸化反応に寄与しないという問題点があった。また、
この場合、流量等の条件によっては、有効に消費されな
い酸素が切断溝内部のくぼみ等に残在することが有り得
るため、セルフバーニングの原因となるという問題点も
あった。また、主アシストガス噴出口、各補助アシスト
ガス噴出口の境界には肉厚のある隔壁が存在し、レーザ
ービームノズル先端からのアシストガス噴出圧力あるい
は噴出速度分布は連続して変化していない。従って、こ
の肉厚部分において主アシストガス噴流、各補助アシス
トガス噴流および周囲空気との境界において剥離を生
じ、このため主アシストガスと各補助アシストガスの拡
散混合が促進され、最終的には最外側補助アシストガス
の周囲空気との遮断効果が低下して主アシストガスの純
度(酸素純度)の低下を招くという問題点もあった。
【0007】本発明は、かかる問題点を解決するために
なされたものであり、例えば切断面粗さの減少、セルフ
バーニングの抑制が達成できる、周囲空気の巻き込み量
の小さい高純度で、かつ乱れの大きいアシストガス(酸
素ガス)を加工面に供給でき、酸化反応を促進でき、安
定して高速・高品質加工を行うことのできるレーザ加工
装置の加工ヘッドを得ることを目的とし、この加工ヘッ
ドを用い、安定に精度良く加工できるレーザ加工装置を
得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザ加工装置
の加工ヘッドは、レーザビームノズルの中央部にレーザ
ビームが通過する主アシストガスノズルを設け、この主
アシストガスノズルを囲繞する環状の補助アシストガス
ノズルを一重以上設けてなり、上記補助アシストガスノ
ズルの最も内側の噴出口の内径を上記主アシストガスノ
ズルの噴出口の内径より大きいかもしくは等しくすると
ともに、主アシストガス流の圧力変動および流速変動値
が大きくなるようにしたものである。
【0009】主アシストガス流の圧力変動および流速変
動値を大きくするために、主アシストガスノズル噴出口
から吹き出される主アシストガス流の少なくとも一部を
旋回流とする旋回流形成手段を設ける。
【0010】また、本発明の別の発明のレーザ加工装置
の加工ヘッドは、補助アシストガスノズルの最も内側の
噴出口の内径を主アシストガスノズルの噴出口の内径よ
り大きいかもしくは等しくするとともに、噴出口におけ
る噴出ガス圧力及び噴出ガス流速が連続的に変化し、か
つ主アシストガス流の圧力変動及び流速変動値が大きく
なるようにしたものである。
【0011】噴出口における噴出ガス圧力及び噴出ガス
流速が連続的に変化し、かつ主アシストガス流の圧力変
動及び流速変動値を大きくするために、主アシストガス
ノズルの噴出口の位置を補助アシストガスノズルの噴出
口よりもガス流の上流側に設ける。
【0012】また、旋回流形成手段は主アシストガスノ
ズル内壁面に設けた螺旋状にねじれた静止翼または溝で
ある。
【0013】また、旋回流形成手段は主アシストガスノ
ズル内壁面にノズル口が設けられ、ガスを上記主アシス
トガスノズル周方向に並行に噴出する主アシストガス副
流ノズルからなる。
【0014】さらに、補助アシストガスノズル内に補助
アシストガス供給口から流入した補助アシストガス流が
持つ動圧を静圧に変換する静圧変換手段が設けている。
【0015】また、補助アシストガス供給口から流入す
る補助アシストガス流に対向して静圧変換面を設けると
ともに、この静圧変換面端部にガス滞留空間を形成する
返り壁面を突設している。
【0016】さらにまた、主アシストガスノズル供給口
の周囲に補助アシストガスの流量が調整可能な補助アシ
ストガスノズル供給口が設けられ、上記両供給口が同一
のガス供給源に接続されている。
【0017】また、補助アシストガスノズル供給口にそ
の開口面積を調整する開口面積調整手段が設けられてい
る。
【0018】また、補助アシストガスノズル供給口に流
体抵抗体を有する。
【0019】そして、補助アシストガスノズル噴出口で
の流速分布を調整する手段を設ける。例えば流速分布を
ノズル径方向断面において中心軸に対して非対称に変化
させる、具体的には加工進行方向前方と後方でガスの流
速分布、流量を変化させる手段を設ける。
【0020】少なくとも補助アシストガスノズル内壁に
補助アシストガスノズルへのガス供給口を複数設ける
か、あるいは補助アシストガスノズル内を隔壁によって
径方向に小部屋に分割し、補助アシストガスノズル噴出
口での流速分布を調整している。
【0021】また、各小部屋内への供給ガス流量を個別
に調整する手段を有する。
【0022】また、補助アシストガス供給口が形成さ
れ、補助アシストガスノズル内を軸方向に仕切る環状隔
壁、この環状隔壁の下流側面に接して回動可能に設けら
れ、上記ガス供給口の一部を遮蔽し、一部が切欠かれた
環状平板、この平板の両端部に取着され、上記環状隔壁
より下流の補助アシストガスノズル内を径方向に仕切
り、上記平板と連動して回動する2枚の仕切板、上記平
板を駆動する駆動装置、及びこの駆動装置を動作させる
制御装置を設ける。
【0023】そして、本発明のレーザ加工装置は、上記
加工ヘッドを備え、加工中に被加工物表面の温度、切断
溝幅、火花の光量などの情報を検知する情報検知手段を
設け、この情報検知手段の信号に応じて上記加工ヘッド
から噴出されるアシストガスのガス種、流量あるいは圧
力を調整するようにしたものである。
【0024】また、本発明の別のレーザ加工装置は、上
記加工ヘッド及び運転制御装置を備え、上記加工ヘッド
から噴出されるアシストガスのガス種、流量あるいは圧
力を上記運転制御装置によりプログラミング制御するよ
うにしたものである。
【0025】さらに、被加工物の板厚を検出する板厚測
定手段を設け、この板厚測定手段の出力に応じて、加工
ヘッドから噴出されるアシストガスの流量あるいは圧力
を運転制御装置により制御するようにしたものである。
【0026】
【作用】本発明のレーザ加工装置の加工ヘッドは、最内
側の補助アシストガス噴出口の内径が主アシストガス噴
出口の内径より大きいかまたは等しくなるように形成
し、主アシストガス流の圧力変動および流速変動値を大
きくするようにしたので、その圧力変動に伴うポンピン
グ作用によって、切断溝幅内に必要なアシストガス流量
を供給する。また、材料切断面のごく近傍に供給されて
有効に燃焼反応に寄与するアシストガス(酸素ガス)量
を増大させ、酸化反応速度を高める。さらにまた、アシ
ストガス(酸素ガス)流と周囲流の境界に発生する乱れ
の大きい領域の最外周部に、環状に補助アシストガス
(酸素ガス)の流れる領域を形成するようノズルを同心
状に多重に構成したので、周囲空気の巻き込みを防止し
て中央部のアシストガス(酸素ガス)、即ち主アシスト
ガスを高純度に保ち、酸化燃焼速度をさらに高める。
【0027】旋回流形成手段を設けることにより、主ア
シストガスノズル内部を流れるガスに旋回流が生じ、中
心軸上での乱れ度が増大し、主アシストガス流の圧力変
動および流速変動値が大きくなる。
【0028】また、噴出口における噴出ガス圧力及び噴
出ガス流速が連続的に変化し、かつ主アシストガス流の
圧力変動及び流速変動値が大きくなるようにすることに
より、圧力変動に伴うポンピング作用によって、切断溝
幅内に必要なアシストガス流量を供給する等、上記作用
に加え、主アシストガス流および各補助アシストガス流
との間、および周囲空気との境界における剥離を生じる
ことがない。
【0029】主アシストガスノズルの噴出口の位置を補
助アシストガスノズルの噴出口よりもガス流の上流側に
設けることにより、主アシストガス噴出口と被加工材料
表面との距離が増大することに伴い、主アシストガス流
の圧力変動および流速変動値が大きくなる。また、アシ
ストガス噴出口における噴出ガス圧力および噴出ガス流
速が連続的に変化する分布を達成できる。
【0030】また、主アシストガスノズル内壁面に螺旋
状にねじれた静止翼または溝を設けることにより容易に
旋回流を形成できる。
【0031】また、主アシストガスノズル内壁面にノズ
ル口が設けられ、ガスを上記主アシストガスノズル周方
向に並行に噴出する主アシストガス副流ノズルを設け、
これから主アシストガスを噴出させることにより容易に
旋回流を形成できる。
【0032】さらに、補助アシストガス流が持つ動圧を
静圧に変換する静圧変換手段は、補助アシストガスノズ
ル内部に導かれたガスの静圧を回復させて補助アシスト
ガスの流れを均一化し、流速変動を小さくして、外部空
気の巻き込みを防止する。
【0033】また、静圧変換面を設け、この静圧変換面
端部にガス滞留空間を形成する返り壁面を突設すること
により、この空間に導かれたガスの静圧回復を行い、整
流することができ、外周流をさらに安定化させて、空気
の巻き込みが防止される。
【0034】さらにまた、主アシストガスノズル供給口
の周囲に補助アシストガスの流量が調整可能な補助アシ
ストガスノズル供給口を設け、上記両供給口を同一のガ
ス供給源に接続しており、主アシストガスと補助アシス
トガスを分岐するようにしているので、例えば補助アシ
ストガスノズル供給口の小孔の面積および数量を適切に
設定することにより、補助アシストガスの流量を調整
し、主アシストガス流流量と、補助アシストガス流流量
が適正値に設定される。
【0035】また、補助アシストガスノズル供給口に設
けた開口面積調整手段により、主アシストガスと補助ア
シストガスの流量および圧力を自動または手動にて個別
に容易に調整することが可能となる。手動の場合はノズ
ル交換なしに適正流量および流量比が得られ、自動の場
合は切断中の一定あるいは変化する条件に応じて適正流
量および流量比が制御される。
【0036】また、補助アシストガスノズル供給口に設
けられる、例えばメッシュもしくは多孔質材からなる流
路抵抗体により、容易に補助アシストガスの流量を調整
できる。また、補助アシストガス流れをより均一化し、
流速変動を小さくして、外部空気の巻き込みが防止され
る。
【0037】そして、補助アシストガスノズル噴出口で
の流速分布を調整する手段を設けており、例えば流速分
布をノズル径方向断面において中心軸に対して非対称に
変化させる、具体的には加工進行方向前方と後方でガス
の流速分布、流量を変化させたりすることができるの
で、加工進行方向、加工の種類、条件等に応じて溝内部
に有効にガス供給をおこなうことができる。
【0038】また、少なくとも、補助アシストガスノズ
ル内壁に補助アシストガスノズルへのガス供給口を複数
設けるか、あるいは補助アシストガスノズル内を隔壁に
よって小部屋に分割するかしているため、上記ガス供給
口の位置、個数、上記隔壁の寸法、位置、個数を適切に
設定することにより、補助アシストガスノズル出口での
アシストガス流量分布を自在に設定できる。
【0039】さらに、各小部屋内への供給ガス流量を個
別に調整する手段、たとえば、個別のガス供給源と流量
制御装置を有するため、加工条件にあわせて補助アシス
トガスノズルの出口流量分布を自在に制御でき、例え
ば、加工進行方向に合わせて、常に溝の後方からアシス
トガスを供給することができるため、溝内部へのガス供
給が効率的に行われ、加工速度、加工品質が向上する。
【0040】また、補助アシストガス供給口が形成さ
れ、補助アシストガスノズル内を軸方向に仕切る環状隔
壁、この環状隔壁の下流側面に接して回動可能に設けら
れ、上記ガス供給口の一部を遮蔽し、一部が切欠かれた
環状平板、この平板の両端部に取着され、上記環状隔壁
より下流の補助アシストガスノズル内を径方向に仕切
り、上記平板と連動して回動する2枚の仕切板、上記平
板を駆動する駆動装置、及びこの駆動装置を動作させる
制御装置を設けているため、加工条件にあわせて補助ア
シストガスノズルの出口流量分布を自在に制御でき、例
えば、加工進行方向に合わせて、常に溝の後方からアシ
ストガスを供給することができるため、溝内部へのガス
供給が効率的に行われ、加工速度、加工品質が向上す
る。
【0041】そしてまた、上記加工ヘッドを用いた加工
装置においては、加工中に被加工物表面の温度、切断溝
幅、火花の光量などの情報を検知する情報検知手段を設
け、上記情報検知手段の出力に応じて上記加工ヘッドか
ら噴出されるアシストガスのガス種、流量あるいは圧力
を調整するようにしたので、加工異常が回避できる。
【0042】また、加工条件に応じて、上記加工ヘッド
から噴出されるアシストガスのガス種、流量あるいは圧
力を上記運転制御装置によりプログラミング制御するよ
うにしたので、いっそう安定した加工を行うことができ
る。
【0043】さらに、被加工物の板厚を検知する板厚測
定手段を設け、この板厚測定手段の出力に応じて、加工
ヘッドから噴出されるアシストガスの流量あるいは圧力
を運転制御装置により制御するようにしたので、作業者
が板厚に応じてガス流量等を設定せずとも安定に加工が
行える。
【0044】
【実施例】
実施例1.図1の縦断面模式図に本発明の実施例1の請
求項4に相当するレーザ加工装置の加工ヘッドを示す。
最内周部に位置する直径D1 の主アシストガスノズル噴
出口1aとそれに連接する主アシストガスノズルダクト
1bからなり、レーザビームが通過する主アシストガス
ノズル1と、主アシストガスノズル1の外周側に内径D
2 (D2≧D1、この場合はD2>D1)の補助アシストガ
スノズル噴出口2aとそれに連接するダクト2bからな
る補助アシストガスノズル2を有する多重構造、この場
合は2重構造を持つ。そして主アシストガスノズル1の
噴出口1aが、補助アシストガスノズル2の噴出口2a
よりもアシストガス流上流側に配置され、噴出口におけ
る噴出ガス圧力及び噴出ガス流速が連続的に変化し、か
つ主アシストガス流の圧力変動及び流速変動値が大きく
なるように構成されている。アシストガス(酸素ガス)
は図中の矢印に示した経路で被加工物の切断板表面3に
供給される。
【0045】この実施例のアシストガス流の切断板表面
3での圧力変動の分布の概要を図2の説明図に示す。縦
軸は圧力変動p/P(%)(p:圧力の変動量、P:圧力
の絶対値)であり、アシストガスの噴出口と対応させて
示す。主アシストガスノズル1を流れるアシストガスは
その流速変動量が大きいため、主アシストガスノズルの
噴出口1a直下での圧力変動値は大きく、補助アシスト
ガスノズルの噴出口2a直下では小さい値に抑えられて
いる。この圧力の変動によるポンピング作用で、元圧を
高圧にすることなく、切断溝に必要なガス流量を供給さ
せることができる。
【0046】また、流速変動量が大きいことは、切断溝
に流入する酸素ガスの乱れが大きく乱流化していること
を表す。燃焼反応の起きている切断面の近傍では、反応
により生成した酸化物と酸素が混合層を形成しており、
酸化反応速度は酸素ガスが上記混合層内部を拡散により
移動して反応表面に到達する速度に依存するので、流れ
を乱流化して、上記混合層を不安定化することが酸化速
度を上昇させるためには有効である。従って本実施例の
ノズル構成を有する加工ヘッドを用い、酸素ガスの流れ
を乱流化することにより、図3の説明図に模式的に示す
ように、上記混合層を不安定化して、酸素ガスを直接反
応面近傍に輸送し、同時に酸化物濃度の高い混合ガス
を、反応面近傍から除去することが可能になるので、酸
素の供給量が増大して酸化燃焼速度が著しく向上し、高
速切断が可能になる。また、供給された酸素ガスは連続
的に有効消費されるため、レーザによる温度上昇と酸化
反応速度のアンバランスによって生じるセルフバーニン
グを防ぎ、安定した加工を行うことができる。
【0047】また、補助アシストガスノズルから流出す
るアシストガス(酸素ガス)により、周辺空気の巻き込
みを防止するので、切断溝内に流入する中心流(即ち主
アシストガス)の酸素の純度が保持され、より安定した
切断が可能となる。
【0048】また、図4は切断板表面での流速分布の概
要を示す説明図であり、縦軸が噴出ガス流速u(m/s)
で、アシストガスの噴出口と対応させて示している。本
実施例によれば、図3、図4に示すように、アシストガ
ス噴出口における噴出ガス圧力および噴出ガス流速の分
布がノズル中心ほど高くかつ連続的に変化する分布が達
成されるため、主アシストガス流および各補助アシスト
ガス流との間、および周囲空気との境界における剥離を
生じることがないため、補助アシストガスの空気遮断効
果が低下して主アシストガスの純度(酸素純度)の低下
を招くという問題点も解決される。
【0049】図5の特性図に、圧力変動値と切断面粗さ
の関係を示す。横軸が圧力変動値(%)、主アシストガ
スノズル中心軸直下での切断板表面での圧力Pに対する
変動成分pの割合p/P、縦軸は切断面粗さRmax(μ
m)である。切断した材料は軟鋼 SS400、板厚12mmであ
り、加工条件は、レーザパワー1400W、加工速度0.7m/
min である。図により明らかに圧力変動値の大きいほど
表面粗さは小さく、従って加工品質が向上することがわ
かる。即ち、このことは、本実施例のノズル構成の加工
ヘッドによる加工により良品質の高速切断が可能である
ことを示している。また、本実施例の加工ヘッドによっ
て加工を行った切断面と従来のノズル構成の加工ヘッド
によって加工を行った切断面の性状をその断面写真によ
り比較して示す。切断した材料は軟鋼 SS400、板厚12mm
であり、加工条件は、レーザパワー3000W、加工速度
1.5m/minである。従来ノズルの加工ヘッドによる切断
結果を参考写真1に、本実施例のノズル構成の加工ヘッ
ドによる切断結果を参考写真2に示す。なお、本実施例
の加工ヘッドの圧力変動値は p/P=1.0%、従来例の
加工ヘッドの圧力変動値は p/P=0.1%である。この
写真から、本実施例の加工ヘッドを用いることにより、
切断面の加工品質が向上していることがわかる。
【0050】また、図6(a)(b)のグラフに本実施例と
従来の加工ヘッドによるレーザ切断試験におけるレーザ
出力値と加工速度に対する裕度を示す。縦軸が加工速度
(m/min )、横軸がレーザ出力(kW)である。材料は S
S400、厚さ12mmt である。図6(a)は従来ノズルの加工
ヘッド(圧力変動値0.1%)の加工裕度、(b)は本実施例
の加工ヘッドによる加工裕度を示し、図中の斜線を施さ
れた領域が正常に切断できる範囲を示している。明らか
に本実施例の加工ヘッドによって、高速切断が可能にな
っていることがわかる。
【0051】次に、この実施例における主アシストガス
流の圧力および流速変動と、アシストガスノズル噴出口
1a、2aの位置関係、及び切断板表面3とノズル下端
(噴出口)との距離との関係を図7の模式断面図を用い
て説明する。図において、l1 は補助アシストガスノズ
ル2の噴出口2aとこれよりもアシストガス流上流側に
位置する主アシストガスノズル1の噴出口1aとの距
離、Hが切断板表面3とノズル下端(噴出口)との距離
である。図8の特性図に、切断板表面3とノズル下端と
の距離をHmmとし、このHを変化させた場合の、ノズル
中心軸直下の圧力変動値p/P%と噴出口間の距離l1
との関係を示す。直径D1 =1.5mm、D2 =5mmの
条件下で行った。縦軸が圧力変動値p/P(%)、横軸が
噴出口間の距離l1 (mm)を示し、○印の特性曲線はH=
4mmの特性を、△印の特性曲線はH=2mmの特性を、□
印の特性曲線はH=1mmの特性を表す。この図より、圧
力変動が0.8%以上になる条件は、 H+l1 ≧ 5×D1 であり、l1≧5×D1とすれば、ノズル高さHに対する
加工裕度が向上する。簡単な構造により、大きな圧力変
動が得られる。
【0052】実施例2.なお、上記実施例1において
は、加工ヘッドを主アシストガスノズル1と一つの補助
アシストガスノズル2から構成しているが、図9の縦断
面模式図に示すように補助アシストガスノズル2が多重
に構成されていてもよいことは言うまでもない。この場
合、主アシストガスノズルの噴出口1aが複数ある補助
アシストガスノズルの噴出口2aの少なくともどれか一
つよりアシストガス流上流側に位置していれば、上記実
施例1と同様の効果を奏する。
【0053】実施例3.図10(a)、(b)、(c)に本発
明の実施例3の請求項5,6に相当するレーザ加工装置
の加工ヘッドを示す。この実施例では主アシストガス流
の圧力および流速変動を増大させる他の具体的手段とし
て、旋回流形成手段の螺旋状にねじれた複数の静止翼を
設けている。図10(a)は本実施例3の加工ヘッドの縦
断面模式図、図10(b)は主アシストガスノズルを内部
を透視して示す斜視図である。本実施例においては、主
アシストガスノズル1のダクト内壁のストレート部分
に、螺旋状にねじれた複数の静止翼4を設けている。こ
の静止翼4により、主アシストガスノズル1内部を流れ
るガスに旋回流が生じる。噴流においては、ノズル噴出
時に旋回成分を有する場合、中心軸状での乱流強度が大
きい。ノズルと切断板表面との距離がノズル直径と同程
度の大きさの場合で、乱れ度は10%以上に達する。従
って、有効に酸化燃焼反応が起こり、酸化速度が早ま
り、加工品質、安定性が高まると同時に高速切断が可能
になる。
【0054】なお、この実施例の主アシストガス流の少
なくとも一部を旋回流とする方法では、主アシストガス
ノズル下端(即ち噴出口1a)位置と、補助アシストガ
スノズル下端(即ち噴出口2a)位置の相対距離l1
0にしても主アシストガスに流速変動を与えることがで
きる。上記実施例においては、主アシストガスを従来の
ノズルよりも加工レンズ側に近づけるために主アシスト
ガスノズル下端位置でのレーザビーム径が大きく、レー
ザビーム光軸とノズル中心軸を合わせる調整、およびレ
ーザビーム焦点と被加工物表面の距離の調整が比較的難
しいのに対して、この実施例においては、両ノズル噴出
口位置の相対距離l1 を0にしても主アシストガスに流
速変動を与えることができので、上記調整作業が容易に
なるという利点がある。
【0055】また、静止翼は図10(c)の内部を透視し
て示す主アシストガスノズルの斜視図に示すごとく主ア
シストガスノズル1下流の縮流部に設けてもよい。
【0056】実施例4.図11(a)、(b)は本発明の実
施例4の請求項6に相当する加工ヘッドの主アシストガ
スノズルを示す斜視図である。図11(a)に示す本実施
例4では旋回流形成手段として、主アシストガスノズル
1のダクト内壁のストレート部に螺旋状にねじれた溝5
を複数設けている。この螺旋溝5により、主アシストガ
スノズル1内を流れるアシストガス(酸素ガス)の一部
が、上記溝5により形成される螺旋状の流路に沿って流
れるため旋回流が生じ、主アシストガス噴流の中心部で
の乱流強度が増大する。従って、この場合も、酸化速度
の促進が図られ、切断速度、切断品質の向上が可能とな
る。
【0057】また、螺旋溝5は図11(b)に示すごと
く、主アシストガスノズル1下流の縮流部に設けてもよ
い。
【0058】実施例5.図12(a)、(b)は本発明の実
施例5の請求項7に相当する加工ヘッドの主アシストガ
スノズルを示しており、図12(a)は上面図、図12
(b)は縦断面模式図である。本実施例5では旋回流形成
手段として、主アシストガスノズル1内壁面にノズル口
6aを有し、ガスを主アシストガスノズル1周方向に並
行に噴出する(即ち主アシストガス主流の外周の接線方
向に主アシストガス副流を噴出する)主アシストガス副
流ノズル6が対称に設けられており、主アシストガスの
一部を主アシストガス副流ノズル6から噴出させて主ア
シストガスに旋回を与えている。これにより、上記実施
例3、4と同様の効果が得られる。
【0059】実施例6.図13は本発明の実施例6の請
求項8に相当するレーザ加工装置の加工ヘッドを示す縦
断面模式図である。補助アシストガス供給口2cから流
入した補助アシストガスノズル2のダクト2b内部のガ
ス流をさまたげる位置に、補助アシストガス流が持つ動
圧を静圧に変換する静圧変換手段、この場合は静圧変換
面7が設けられている。破線矢印はアシストガス流を示
す。補助アシストガスノズルダクト2b内へと導かれた
ガスは、静圧変換面7に衝突して、いったん静圧回復す
るため、この静圧変換面7下流では、均一な流れとなり
補助アシストガスノズル噴出口2aから排出される。従
って、ノズルの外周部のガス流れは乱れの少ない均一な
流れとなり、周辺空気の巻き込み防止効果が向上する。
【0060】なお、この実施例においては、静圧変換手
段としてノズル噴出口2a下面に平行な平面部の静圧変
換面7を示したが、平行でなくても、また平面部でなく
ても、周囲流ノズル(即ち補助アシストガスノズル)の
流路へと導かれたガスと衝突して静圧回復させるもので
あれば同様の効果を有することは言うまでもない。
【0061】実施例7.図14は本発明の実施例7の請
求項9に相当するレーザ加工装置の加工ヘッドを示す縦
断面模式図である。本実施例においては、上記実施例6
において述べた補助アシストガスのダクト2b内部に設
けられた静圧変換面7の端部に、環状に形成された返り
壁面8が突設している。返り壁面8は、その上端と内周
ノズル、この場合は主アシストガスノズル1の外壁の間
に適切な隙間を有するように高さが調節され、ガス滞留
空間8aを形成している。図中の破線矢印はガス流を示
す。補助アシストガスのダクト2bへ導かれたガスは、
上記返り壁面8と補助アシストガスノズル2内壁と静圧
変換面7で構成されるガス滞留空間8aにいったん充満
して静圧回復する。その後、上記返り壁面8の上端部か
ら、均一な流速をもって補助アシストガスノズルのダク
ト2bに流出し、噴出口2aから外部に排出される。従
って、外周部の流れは乱れの小さい安定した均一な流れ
となり、空気の巻き込み防止効果がさらに向上する。
【0062】図15は実施例6、実施例7及び従来例の
加工ヘッドによるアシストガス流の切断板表面での圧力
変動量の分布を比較して示す特性図である。縦軸が圧力
変動値p/P(%)、横軸がノズル中心からの距離r(mm)
を示し、実線の特性曲線は実施例7の特性を、破線の特
性曲線は実施例6の特性を、一点鎖線の特性曲線は従来
例の特性を表す。この図より、補助アシストガス流の切
断板表面での圧力変動値は実施例7が最も圧力変動値が
小さく、均一な安定した流れとなっていることを表して
いる。これにより、周囲空気の巻き込み量が減少し、酸
素純度が高い水準に保たれる。
【0063】実施例8.図16は本発明の実施例8のレ
ーザ加工装置の加工ヘッドを示す縦断面模式図である。
本実施例においては、補助アシストガスノズル2の先端
部分に流路断面積が補助アシストガスノズル噴出口2a
に向かって序々に拡大する拡大流路9を形成している。
このようにすることにより、補助アシストガスノズル2
から噴出するアシストガス(酸素ガス)が加速流となら
ず、またノズル中心軸に平行な流れとなり、ノズル内壁
からはがれないため、ノズル噴出口直後での周辺空気の
周囲流内への巻き込みを小さく抑えることが可能とな
り、酸素純度が保持され、安定した加工が行える。な
お、本実施例では流路面積が序々に拡大する構造を有す
るが、流路面積が一定としても同様の効果を有する。
【0064】実施例9.図17は本発明の実施例9のレ
ーザ加工装置の加工ヘッドを示す縦断面模式図である。
本実施例においては、多重ノズルの最外壁、即ち補助ア
シストガスノズル2壁を円錐台形状にして、その仮想頂
角θを45度以下としている。これにより、レーザビー
ムノズルと被加工材料表面の間に停留するアシストガス
量を少なくし、セルフバーニングが防止できる。また、
周囲流ノズル、即ち補助アシストガスノズル噴出直後の
周辺空気の巻き込み量を低く抑えることが可能となり、
酸素純度が保持され、安定した加工が行える。
【0065】実施例10.図18は本発明の実施例10
の請求項11に相当するレーザ加工装置の加工ヘッドを
示す一部破断模式斜視図である。この実施例において
は、ノズル上流に同一(共通)のアシストガス(酸素ガ
ス)供給源10が設けられ、このアシストガス供給源1
0から補助アシストガスノズル2へのガス分岐を行う部
分は、ノズル中央部の主アシストガスノズル1、即ち主
アシストガスノズル供給口1cの周囲の環状の部位に複
数の小孔11からなる補助アシストガス供給口が設けら
れた構造をもつ。アシストガス(酸素ガス)は上記小孔
11を通過して補助アシストガスノズルダクト2b内に
流入する。この実施例においては、上記小孔11の面積
および小孔11の数量の設定値に応じて、中心流ノズ
ル、即ち主アシストガスノズル1から吹き出す主アシス
トガス(酸素ガス)流量と、周囲流ノズル、即ち補助ア
シストガスノズル2から吹き出す補助アシストガス(酸
素ガス)流量とが変化する。従って、加工すべき材料の
品質、板厚等によって適正なノズル、即ち適切な面積お
よび数量の小孔11を有するノズルを選択することによ
り、容易に所望の主アシストガス流量と、補助アシスト
ガス流量が得られる。
【0066】本実施例による加工ヘッドノズルは、厚板
切断に際して特に大きな効果を発揮する。通常、酸素ガ
スをアシストガスとして利用し切断を行う軟鋼厚板の場
合、切断溝下部では材料温度が低く酸化物の粘性が増大
して排出速度が減少するとともに、燃焼反応も抑制され
るため、加工前面に遅れが生じ、板厚が増加するにつれ
てこの遅れ量は増加する。従って、加工を高速でかつ安
定して行う為には、この遅れ部分に流速の大きな酸素ガ
スを供給し、酸化物の排出と、酸化反応の促進を行う必
要がある。本実施例の加工ヘッドノズルを用いて、補助
アシストガスノズル流量を適正に設定する事により、上
記の条件を満たすことが可能である。
【0067】本実施例の加工ヘッドノズルを用いて、切
断溝内にガスを供給した場合の溝下部から排出されるガ
スの、溝に沿った方向の全圧分布を図19の特性図に示
す。横軸は溝前面からの距離x(mm)、縦軸は溝下端での
ガスの全圧P(kg/cm2) である。板厚は25mm、ノズル
の各寸法は、補助アシストガスノズル内径 D2=4mm、
主アシストガスノズル内径D1=1.5mm、小孔11の内
径1mmであり、導入小孔数が8個の場合の全圧を実線の
特性曲線で、24個の場合の全圧を破線の特性曲線で示
した。これによれば、小孔数が多い場合の方が、補助ア
シストガスの流量および流速が大きく、溝下部の遅れ部
分に対応した溝下部の広い領域にわたって、高い圧力が
得られることがわかる。
【0068】また、図20のグラフに導入小孔数の相違
によるレーザ出力と加工速度についての加工裕度の違い
を示した。縦軸は加工速度(m/min)、横軸はレーザ出力
(kw)である。材料は板厚25mmのSS400材、ノズル
の各寸法は、図19と同じく、補助アシストガスノズル
内径D2 =4mm、主アシストガスノズル内径D1=1.5
mm、小孔11の内径1mmであり、導入小孔数が8個の
場合と24個の場合とを比較して示してある。領域A
は、導入小孔数8個の場合の良好加工範囲、領域Bが導
入小孔24個の場合の良好加工範囲であり、明らかに小
孔数が多いほど加工裕度が拡大し、高速切断も可能にな
ることがわかる。実際には、アシストガスの流量・流速
が過大であると、切断面に局所的なセルフバーニングが
発生して傷が発生し易いため、品質の良好な加工を実現
できるアシストガスの適正流量・流速範囲が存在する。
【0069】図21のグラフに、厚板切断時の被加工材
料の板厚に応じた適正総流量を示す。横軸は被加工材板
厚(mm)、縦軸はアシストガスの総流量N(l/min)であ
り、斜線で示した範囲が良好切断のために推奨される範
囲である。また、図22のグラフに厚板切断時の主アシ
ストガスノズル流の噴出口での適正流速を示す。斜線で
示した範囲が良好切断のために推奨される範囲である。
また、図23のグラフに厚板切断時の補助アシストガス
ノズル流の噴出口での適正流速を示す。斜線で示した範
囲が良好切断のために推奨される範囲である。本発明に
よる加工ヘッドノズルを用いた場合、図21〜図23中
で示した流量および流速の範囲内では、傷やドロス付着
のない高品質切断が可能である。図21〜図23に従
い、板厚に適合した流量および流速を実現するような小
孔径および小孔数を選択すればよい。
【0070】本実施例にて示したノズルを用いて、この
流量および流速を実現するために必要な小孔11の個数
の範囲は、図24のグラフに示したようになる。縦軸は
小孔数(個)、横軸は板厚(mm)である。ノズルの各部寸法
は図19と同様、補助アシストガスノズル内径D2=4m
m、主アシストガスノズル内径 D1=1.5mm、小孔11
の内径1mmとしている。この条件以外の寸法において
も、図21〜図23の流量・流速条件を満たすよう寸法
を選択すれば傷やドロスのない高品質切断が可能である
ことは言うまでもない。
【0071】なお、図18においては小孔11の形状が
円形の場合を示したが、図25(a)、(b)のノズルのガ
ス分岐部を示す模式平面図のごとく、楕円、矩形など、
いかなる形状でも同様の効果を有することは言うまでも
ない。
【0072】実施例11.図26は本発明の実施例11
の請求項12に相当するレーザ加工装置の加工ヘッドを
示す一部破断模式斜視図である。上記実施例10では、
主アシストガスノズル供給口1cの周囲の環状の部位、
補助アシストガスノズル2へのガス流入部に補助アシス
トガス供給口である複数の小孔11を設けて流路調整を
行っているが、この実施例においては、図25に示すご
とく上記環状の部位にメッシュ状の流体抵抗体12を配
設し、これによって補助アシストガスの流量調整を行っ
ている。流体抵抗体12は多孔質材料であってもよい。
この場合、補助アシストガスノズル2へ流入するガス流
れは均一であり、メッシュあるいは多孔質材料を適切に
選択することにより乱れの少ない安定した流れを実現で
きる。
【0073】実施例12.図27は本発明の実施例12
の請求項11に相当するレーザ加工装置の加工ヘッドを
示す縦断面模式図である。この実施例においては、補助
アシストガスノズル2の補助アシストガス供給口に開口
面積調整手段13を設けており、これを可動とし、駆動
装置によって、手動または自動で開口面積を変更する。
このような構造にすることにより、アシストガス流量、
および主アシストガスと補助アシストガスの流量比の調
整をノズルの交換なしに行うことができるので作業の効
率化が図れる。
【0074】実施例13.図28は本発明の実施例13
の請求項11に相当する加工ヘッドにおける開口面積調
整手段を示す模式平面図で、ノズルの主アシストガス流
と、補助アシストガス流の分岐部を加工ヘッド上流側か
ら見たものである。この実施例においては上記実施例1
2の開口面積調整手段13の具体的方法を示している。
補助アシストガスノズルにアシストガスを導く供給口の
複数の小孔11を有する環状部分に接して、この環状部
分同様の小孔15を有する環状円板14を設置し、この
環状円板14と接続し手動にて環状円板14を回転する
ことができるノブ15をノズル外部に設けている。小孔
15を有する環状円板14とノブ16で構成される、こ
の開口面積調整手段はにおいては、ノズルに設けられた
小孔11と環状円板14上に設けられた小孔15との重
なり合う部分が、アシストガスを補助アシストガスノズ
ルへと導くガス流入口となる。従って上記環状円板14
を回転させることにより、ガス流入口面積を変化させ、
補助アシストガスノズルへのアシストガス流量を容易に
調整することができる。
【0075】なお、この実施例において、環状円板14
はノズル外部のノブ16による手動としたが、駆動装置
と連結して自動としても良いことは言うまでもない。
【0076】実施例14.図29は本発明の実施例14
の請求項11に相当する加工ヘッドにおける開口面積調
整手段を示す模式平面図で、ノズルの主アシストガス流
と、補助アシストガス流の分岐部を加工ヘッド上流側か
ら見たものである。この実施例においては上記実施例1
2の開口面積調整手段13の他の具体的方法を示してい
る。補助アシストガスノズルにアシストガスを導く供給
口の複数の小孔11を有する環状部分に接して、絞り機
構17が設けられ、この絞り機構17に接続して外部か
ら絞り度合いを手動にて調整するためのノブ16を有す
る。絞り機構17とノブ16で開口面積調整手段13が
構成され、絞り機構17を調整することにより、補助ア
シストガスへの供給口の面積が変化し、供給ガス流量を
調整することができる。
【0077】なお、この実施例において、絞り機構17
はノズル外部のノブ16による手動としたが、駆動装置
と連結して自動としても良いことは言うまでもない。
【0078】実施例15.図30は本発明の実施例15
のレーザ加工装置の加工ヘッドを示す縦断面模式図であ
る。この実施例においては、主アシストガスノズル1お
よび補助アシストガスノズル2へのガス(酸素ガス)供
給源がそれぞれ別個に設けられている。このように構成
することにより適正なアシストガス流量、および適正な
主アシストガスと補助アシストガスの流量比で酸素を供
給できる。
【0079】実施例16.図31は、本発明の実施例1
6の請求項14に相当するレーザ加工ノズルを示す一部
破断模式斜視図である。補助アシストガスノズル2内壁
に1個のアシストガス供給口30が設けられ、さらに、
補助アシストガスノズル2内が複数の隔壁31によって
分割され、小部屋32を形成している。アシストガスは
アシストガス供給口30から補助アシストガスノズル2
内に流入した後、隔壁31の抵抗によりエネルギを減少
させながら、各小部屋32に分配される。従って、補助
アシストガスノズル噴出口での周方向の流速分布は均質
になり、アシストガス供給口の偏在による補助アシスト
ガスの噴出口で流量の不均衡の発生が防止できる。
【0080】なお、本実施例においては、ガス供給口が
1個であり、かつ同一寸法の隔壁を軸対称に配置した
が、ガス供給口の位置や個数に応じて、隔壁の面積、高
さ、間隔などを隔壁ごとに個別に設定することにより、
補助アシストガスノズル出口での流量分布を自在に設定
することが可能である。例えば、図32の一部破断模式
斜視図に示すように、ガス供給口の近傍の隔壁は高さを
小さくし、ガス供給口のから距離が増加するのに応じ
て、隔壁の高さを増加させ、かつ隔壁同士の間隔を狭め
ることにより、補助アシストガスノズル流の出口流量を
均質化する効果が増大する。
【0081】実施例17.図33(a)は、本発明の実施
例17の請求項15に相当するレーザ加工ノズルを示す
縦断面図である。また、同図(b)は上記ノズルを同図
(a)におけるB−B線で切った断面を真上から見た横断
面図である。補助アシストガスノズル2へのアシストガ
ス供給口30が補助アシストガスノズル内壁に放射状に
複数、この場合は4個設けられ、隔壁31によってノズ
ルのアシストガス供給口30の数と同数の小部屋32に
分割されている。各アシストガス供給口30は図34の
模式図に示すようにそれぞれ別々のアシストガス供給源
18に連結し、各供給源18からのガス流量は流量制御
装置20によって制御される。あるいは、図35の模式
図に示すように、各アシストガス供給口30は同一の供
給源18から弁33を介して連結しており、弁の開閉
は、運転制御装置21によって行われる。
【0082】この実施例により、各小部屋に供給される
ガス流量を調整することにより、補助アシストガスノズ
ル流の噴出口でのアシストガス流速分布を自由に調整す
ることができる。例えば、図36の模式説明図に示すよ
うに、加工進行方向の後方側に位置する小部屋32へガ
ス供給を行うことによって、ノズル進行方向の後方の流
速が大きく、前方の流速が小さくなるように調整すれ
ば、アシストガスが溝内部に侵入しやすく溝下部まで高
い圧力が得られる。また流速の加工面前面に向かう方向
成分を有するため、加工面前面でのガス流の剥離現象が
抑制され、燃焼反応が促進されるため加工品質が向上す
る。
【0083】なお、本実施例では、小部屋32数が4個
である場合の実施例を示したが、4個以上または以下で
も同様の効果を奏することは言うまでもない。また、各
小部屋32へのアシストガス供給口30の数は2つ以上
あっても同様の効果を奏することは言うまでもない。ま
た、本実施例ではガス供給口へのガス供給は同一供給源
あるいは各々別々の供給源としたが、複数の供給源が、
それぞれ複数のガス供給口と連結していてもよい。
【0084】実施例18.図37(a)(b)は、本発明の
実施例18の請求項16に相当するレーザ加工ノズルを
示すもので、(a)は一部破断模式斜視図、(b)は縦断面
図模式図である。補助アシストガス供給口の小孔11が
設けられた環状隔壁の下流側面に接し、補助アシストガ
ス供給口の小孔11の一部分を遮蔽して補助アシストガ
ス流を遮断する働きを持つ一部が切り欠かれた環状平
板、この場合は扇型板35aが設けられている。そし
て、扇型板35aの両端部には仕切板35bが固定され
て一体に形成されている。この仕切板35bは上記実施
例16,17における隔壁31に相当し、補助アシスト
ガスノズル2内部に小部屋を形成する。また、この扇型
板35aと仕切板35bとは、ノズル中心軸に対して回
動可能に形成されている。さらに、この扇型板35aお
よび仕切板35bを駆動する駆動装置36と、この駆動
装置36を動作させる制御装置37を有する。補助アシ
ストガスは、扇型板35aに遮蔽されていないガス供給
口11を通じて、仕切板35bと補助アシストガスノズ
ル内2壁と主アシストガスノズル1外壁とにより形成さ
れた小部屋32に流入し、補助アシストガスノズル出口
から噴出される。従って、加工進行方向に合わせて加工
進行方向の後方に小部屋が位置するよう制御することに
より、実施例17と同様の効果を奏することができる。
【0085】実施例19.図38は本発明の実施例19
の請求項17に相当するレーザ加工装置を示す構成図で
ある。アシストガス(酸素ガス)供給源18を別個に有
する図30に示すノズル構成の加工ヘッドを用い、図の
ように、加工中に、材料表面の温度、切断溝幅、火花の
発光量などの情報を検知する情報検知手段、この場合は
センサー19と、このセンサー19から得られた情報に
応じて、ノズルから噴出される主アシストガスおよび補
助アシストガスの流量及び圧力を調整する流量制御装置
20を設けている。これにより、加工異常が回避され、
より安定した加工が行える。
【0086】なお、本実施例においては、アシストガス
供給源を別個に有するノズル構成の加工ヘッドを用いた
が、アシストガス供給源は同一であって、実施例13、
14に示したような補助アシストガス供給口の開口面積
調整手段を設け、主アシストガス流量と補助アシストガ
ス流量を調整するノズル構成の加工ヘッドに適用して
も、同様な効果を奏することは言うまでもない。
【0087】実施例20.図39は本発明の実施例20
の請求項17に相当するレーザ加工装置を示す構成図で
ある。セルフバーニングを予知または検知するセンサー
19を備え、このセンサー19からの信号により、セル
フバーニングの発生を予知または検知した時には、主ア
シストガス及び補助アシストガスの少なくともいずれか
一方の圧力および流量を各々低下させるように制御する
ようにしている。これによりバーニング発生が抑えら
れ、より安定な加工が行える。
【0088】実施例21.図40は本発明の実施例21
の請求項18に相当するレーザ加工装置を示す構成図で
ある。この実施例では、レーザ加工装置の運転制御装置
21とアシストガス供給源18の流量制御装置20とを
連結している。そして、加工の初期条件として、例え
ば、材料の種類、加工速度条件、板厚条件に応じて、主
アシストガスノズルおよび補助アシストガスノズルそれ
ぞれのガス流量、ガス圧力を運転制御装置21によりプ
ログラミング制御するようにしている。また、加工中の
プロセスに応じて、例えば、ピアシング時、直線切断
時、鈍角のコーナ切断時の角度に応じて、カーブ切断時
の曲率に応じて、あるいは円形、半円形、楕円径形状等
切断時の直径に応じて、加工中に主アシストガスおよび
補助アシストガスのガス流量、ガス圧力を運転制御装置
21により、プログラミング制御するようにしている。
これにより、作業者が直接適正流量を入力する手間が省
け効率化が図れるとともに、加工品質の安定が得られ信
頼性が増す。
【0089】実施例22.図41は、本発明の実施例2
1の請求項18に相当する他の実施例を示す構成図であ
る。この実施例では、主アシストガスおよび補助アシス
トガスの供給源としてガス種類Aのガス供給源A18a
およびガス種類Bのガス供給源B18bを用意し、これ
ら供給源18a,18bから加工ヘッドへの導入口に切
り替え弁23を設け、この切り替え弁の切り替えを運転
制御装置21により制御するよう構成している。このよ
うな構成とすることにより、例えば、ピアシング時、直
線切断時、鈍角のコーナ切断時の角度に応じて、カーブ
切断時の曲率に応じて、あるいは円形、半円形、楕円径
形状等切断時の直径に応じて、主アシストガスあるいは
補助アシストガスのガス種を例えば、酸素ガスから窒素
ガスへと切り替えることにより燃焼を抑制してセルフバ
ーニングを防止することができるため、より安定した加
工が可能となる。この実施例においては、ガス種が二種
類の場合の例を示しているが、3種類以上を切り替える
よう装置を構成してもよいことは言うまでもない。
【0090】実施例23.図42は、本発明の実施例2
2の請求項19に相当するレーザ加工装置を示す構成図
である。加工しようとする被加工物の板厚を検出する板
厚検出手段、この場合は板厚測定センサー40が加工ヘ
ッドに設置されており、加工前に被加工物の板厚を検知
し運転制御装置21に出力する。運転制御装置21から
出力された主アシストガスおよび補助アシストガスの板
厚に応じた適正流量および流速を流量制御装置20にて
実現する。これにより、作業者が、板厚に応じてガス圧
を設定する必要がなく、効率的で信頼性の高い加工装置
が提供できる。なお、この実施例では、板厚測定センサ
ー40は、加工ヘッドに設置されているが、板厚を測定
できる位置であれば、どこに設置されていてもよいこと
は言うまでもない。
【0091】実施例24.図43は本発明の実施例24
のレーザ加工装置の加工ヘッドを示す縦断面模式図であ
る。この実施例においては、主アシストガスノズル1、
補助アシストガスノズル2をそれぞれ別個に構成し、補
助アシストガスノズル2の内壁に、主アシストガスノズ
ル1を固定、係止する係止部、この場合は突起22を有
する構造を有している。これにより、各ノズルは着脱可
能となり、例えばアシストガス供給口となる小孔面積、
数量等の条件の異なるノズルの組み合わせを自由に選択
して、材料の材質、板厚等により、主アシストガスノズ
ル1と補助アシストガスノズル2の適正流量および適正
流量比を選択できる。
【0092】なお、上記実施例においては二重環構造の
ノズルの場合について説明したが、多重環ノズルについ
ても同様で、ノズルをそれぞれ別個に構成し、各ノズル
の内壁は、その内側のノズルを固定、係止する係止部を
設けるようにすれば良く、同様の効果を奏する。また、
ノズルをその外側のノズル内壁に係止、固定する係止部
は、突起でなくともよく、図44(a)の縦断面模式図に
示すごとき段差22a、あるいは図44(b)の縦断面模
式図に示すごとき、テーパ形状部22bであってもよ
い。
【0093】実施例25.図45は本発明の実施例25
のレーザ加工装置の加工ヘッドを示す縦断面模式図であ
る。この実施例においては、主アシストガスノズル1と
補助アシストガスノズル2の材質を同一とせず、主アシ
ストガスノズル1は加工し易い金属(例えば真鍮)と
し、最外周部の補助アシストガスノズル2は、融点の高
い高硬度の金属により形成している。この場合、外周部
では、切断時に発生する高温の酸化物あるいは融解した
金属が飛散した場合にスパッタリング等による損傷を受
けにくく、内部のノズルを保護する役割を果たすため、
ノズルの寿命が向上する。
【0094】なお、上記実施例においては、レーザ切断
について述べたが、レーザ加工装置として同様の構造を
有するレーザ溶接に対しても同様の効果を有することは
言うまでもない。
【0095】また、本発明のレーザ加工装置、加工ヘッ
ドは上記実施例に限るものはなく、色々な構成、形態が
考えられる。例えば加工ヘッドにおいては、主アシスト
ガスノズルの噴出口と補助アシストガスノズルの噴出口
の位置が同じで旋回流形成手段を設けたもの、旋回流形
成手段と静圧変換手段を設けたもの等であってもよく、
同様の効果を奏する。被加工物(材料の種類、板厚)、
穴明け、切断等の加工条件、加工用途等により、それに
応じた各種手段を講じた各種構成の加工ヘッド、及び加
工装置が用いられる。
【0096】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果がある。
【0097】レーザビームノズルの中央部にレーザビー
ムが通過する主アシストガスノズルを設け、この主アシ
ストガスノズルを囲繞する環状の補助アシストガスノズ
ルを一重以上設けてなる加工ヘッドにおいて、上記補助
アシストガスノズルの最も内側の噴出口の内径を上記主
アシストガスノズルの噴出口の内径より大きいかもしく
は等しくするとともに、主アシストガス流の圧力変動お
よび流速変動値が大きくなるようにしたので、その圧力
変動に伴うポンピング作用によって、切断溝幅内に必要
なアシストガス流量を供給し、また有効に燃焼反応に寄
与するアシストガス(酸素ガス)量を増大させ、酸化反
応速度を高めることができる。さらに周囲空気の巻き込
みを防止して中央部のアシストガス(酸素ガス)を高純
度に保ち、酸化燃焼速度をさらに高めることができる。
即ち、周囲空気の巻き込み量の小さい高純度で、かつ乱
れの大きいアシストガス(酸素ガス)を加工面に供給で
き、酸化反応が促進されるので、安定した加工が行え、
加工品質、加工速度を向上できる。
【0098】主アシストガスノズル噴出口から吹き出さ
れる主アシストガス流の少なくとも一部を旋回流とする
旋回流形成手段を設けることにより、主アシストガスノ
ズル内部を流れるガスに旋回流が生じ、中心軸上での乱
れ度が増大し、主アシストガス流の圧力変動および流速
変動値を大きくできる。
【0099】また、補助アシストガスノズルの最も内側
の噴出口の内径を主アシストガスノズルの噴出口の内径
より大きいかもしくは等しくするとともに、噴出口にお
ける噴出ガス圧力及び噴出ガス流速が連続的に変化し、
かつ主アシストガス流の圧力変動及び流速変動値が大き
くなるようにしたので、圧力変動に伴うポンピング作用
等による上記効果に加え、主アシストガス流および各補
助アシストガス流との間、および周囲空気との境界にお
ける剥離の発生を防止でき、より安定に高速、高品質な
加工が行える。
【0100】主アシストガスノズルの噴出口の位置を補
助アシストガスノズルの噴出口よりもガス流の上流側に
設けることにより、主アシストガス噴出口と被加工材料
表面との距離が増大することに伴い、簡単な構成であり
ながら、主アシストガス流の圧力変動および流速変動値
を大きくできる。また、アシストガス噴出口における噴
出ガス圧力および噴出ガス流速が連続的に変化する分布
を達成できる。
【0101】また、主アシストガスノズル内壁面に螺旋
状にねじれた静止翼または溝を設けるという簡単な構成
で、容易に旋回流を形成できる。
【0102】また、主アシストガスノズル内壁面にノズ
ル口が設けられ、ガスを上記主アシストガスノズル周方
向に並行に噴出する主アシストガス副流ノズルを設け、
これから主アシストガスを噴出させることにより容易に
旋回流を形成できる。
【0103】さらに、補助アシストガスノズル内に補助
アシストガス供給口から流入した補助アシストガス流が
持つ動圧を静圧に変換する静圧変換手段を設けることに
よって、補助アシストガスノズル内部に導かれたガスの
静圧を回復させて補助アシストガスの流れを均一化し、
流速変動を小さくして、外部空気の巻き込みを防止で
き、酸素純度が保持され、安定した加工が行える。
【0104】また、補助アシストガス供給口から流入す
る補助アシストガス流に対向して静圧変換面を設けると
ともに、この静圧変換面端部にガス滞留空間を形成する
返り壁面を突設しているので、この空間に導かれたガス
の静圧回復を行い、整流することができ、外周流をさら
に安定化させて、空気の巻き込みを防止でき、酸素純度
が保持され、安定した加工が行える。
【0105】さらにまた、主アシストガスノズル供給口
の周囲に補助アシストガスの流量が調整可能な補助アシ
ストガスノズル供給口を設け、上記両供給口を同一のガ
ス供給源に接続しており、主アシストガスと補助アシス
トガスを分岐するようにしているので、例えば補助アシ
ストガスノズル供給口の小孔の面積および数量を適切に
設定することにより、主アシストガス流流量と、補助ア
シストガス流流量を適正値に設定できる。
【0106】また、補助アシストガスノズル供給口にそ
の開口面積を調整する開口面積調整手段が設けられてい
るので、これにより、主アシストガスと補助アシストガ
スの流量および圧力を自動または手動にて個別に簡便に
調整することが可能となり、加工条件に応じて適正流量
および流量比を制御できる。
【0107】また、補助アシストガスノズル供給口に例
えばメッシュもしくは多孔質材からなる流路抵抗体を設
けており、これを適切に設定することにより、容易に補
助アシストガスの流量を調整できる。また、補助アシス
トガスの流れをより均一化し、流速変動を小さくして、
外部空気の巻き込みを防止でき、安定した加工が行え
る。
【0108】そして、補助アシストガスノズル噴出口で
の流速分布を調整する手段を設けているので、例えば加
工進行方向前方と後方でガスの流速分布、流量を変化さ
せることができ、加工進行方向に応じて有効にガス供給
を行うことができる。
【0109】また、少なくとも補助アシストガスノズル
内壁に補助アシストガスノズルへのガス供給口を複数設
けるか、あるいは補助アシストガスノズル内を隔壁によ
って径方向に小部屋に分割しているので、即ちガス供給
口の位置、個数、隔壁の寸法、位置、個数を適切に設定
することにより、補助アシストガスノズル噴出口でのア
シストガス流量分布を自在に設定できる。
【0110】また、各小部屋内への供給ガス流量を個別
に調整する手段を有しているので、加工条件に応じて補
助アシストガスノズルの出口流量分布を自在に制御で
き、ガス供給が効率的に行われ、加工速度、加工品質が
向上する。
【0111】さらにまた、補助アシストガス供給口が形
成され、補助アシストガスノズル内を軸方向に仕切る環
状隔壁、この環状隔壁の下流側面に接して回動可能に設
けられ、上記ガス供給口の一部を遮蔽し、一部が切欠か
れた環状平板、この平板の両端部に取着され、上記環状
隔壁より下流の補助アシストガスノズル内を径方向に仕
切り、上記平板と連動して回動する2枚の仕切板、上記
平板を駆動する駆動装置、及びこの駆動装置を動作させ
る制御装置を設けることにより、加工条件に応じて補助
アシストガスノズルの出口流量分布を自在に制御でき、
ガス供給が効率的に行われ、加工速度、加工品質が向上
する。
【0112】そしてまた、上記加工ヘッドを用いた加工
装置においては、加工中に被加工物表面の温度、切断溝
幅、火花の光量などの情報を検知する情報検知手段を設
け、上記情報検知手段の出力に応じて上記加工ヘッドか
ら噴出されるアシストガスのガス種、流量あるいは圧力
を調整するようにしたので、加工異常が回避できる。
【0113】また、運転制御装置を設け、加工条件に応
じて、上記加工ヘッドから噴出されるアシストガスのガ
ス種、流量あるいは圧力を上記運転制御装置によりプロ
グラミング制御するようにしたので、いっそう安定した
加工を行うことができる。
【0114】また、被加工物の板厚を検出する板厚測定
手段を設け、この板厚測定手段の出力に応じて、加工ヘ
ッドから噴出されるアシストガスの流量あるいは圧力を
上記運転制御装置により制御するようにしたので、作業
者が板厚に応じてガス流量等を設定する必要がないた
め、作業の効率化が図られ、加工の信頼性が増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の請求項4に相当するレーザ
加工装置の加工ヘッドを示す縦断面模式図である。
【図2】本発明の実施例1に係わる切断板表面でのアシ
ストガス流の圧力変動分布を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例1における切断特性向上の原理
を説明する模式説明図である。
【図4】本発明の実施例1における切断板表面での流速
分布を示す説明図である。
【図5】本発明に係わるアシストガス流の圧力変動値と
切断面粗さとの関係を示す特性図である。
【図6】本発明の実施例1による加工速度のレーザパワ
ーに対する裕度を比較の従来例とともに示すグラフであ
る。
【図7】本発明の実施例1の加工ヘッドにおける噴出口
の位置関係を示す縦断面模式図である。
【図8】本発明の実施例1に係わるアシストガス流の圧
力変動値と噴出口間の距離との関係を示す特性図であ
る。
【図9】本発明の実施例2の請求項4に相当する加工ヘ
ッドを示す縦断面模式図である。
【図10】本発明の実施例3の請求項5に相当する加工
ヘッドを内部を透視して示す斜視図である。
【図11】本発明の実施例4の請求項6に相当する加工
ヘッドの主アシストガスノズルを示す斜視図である。
【図12】本発明の実施例5の請求項7に相当する加工
ヘッドの主アシストガスノズルを示す上面図である。
【図13】本発明の実施例6の請求項8に相当する加工
ヘッドを示す縦断面模式図である。
【図14】本発明の実施例7の請求項9に相当する加工
ヘッドを示す縦断面模式図である。
【図15】本発明の実施例6、7及び従来例における切
断板表面でのアシストガス流の圧力変動値を比較して示
す特性図である。
【図16】本発明の実施例8の加工ヘッドを示す縦断面
模式図である。
【図17】本発明の実施例9の加工ヘッドを示す縦断面
模式図である。
【図18】本発明の実施例10の請求項11に相当する
加工ヘッドを示す一部破断模式斜視図である。
【図19】本発明の実施例10に係わる補助アシストガ
ス導入小孔数による、溝下部ガス排出部での全圧分布の
差を示す特性図である。
【図20】本発明の実施例10に係わる補助アシストガ
ス導入小孔数による、加工裕度の差を示すグラフであ
る。
【図21】本発明に係わる被加工物の板厚に対するアシ
ストガスの適正総流量を示すグラフである。
【図22】本発明に係わる被加工物の板厚に対する主ア
シストガスノズル流の適正流速を示すグラフである。
【図23】本発明に係わる被加工物の板厚に対する補助
アシストガスノズル流の適正流速を示すグラフである。
【図24】本発明の実施例10に係わる加工ノズルの適
正小孔数の一例を、板厚との関係で示すグラフである。
【図25】本発明の実施例10に係わる補助アシストガ
ス供給口である小孔の他の形状例を示す模式平面図であ
る。
【図26】本発明の実施例11の請求項12に相当する
加工ヘッドを示す一部破断模式斜視図である
【図27】本発明の実施例12の請求項11に相当する
加工ヘッドを示す縦断面模式図である。
【図28】本発明の実施例13の請求項11に相当する
加工ヘッドにおける開口面積調整手段を示す模式平面図
である。
【図29】本発明の実施例14の請求項11に相当する
加工ヘッドにおける開口面積調整手段を示す模式平面図
である。
【図30】本発明の実施例15のレーザ加工装置の加工
ヘッドを示す縦断面模式図である。
【図31】本発明の実施例16の請求項14に相当する
加工ヘッドを示す一部破断模式斜視図である。
【図32】本発明の実施例16の加工ヘッドの他の例を
示す一部破断模式斜視図である。
【図33】本発明の実施例17の請求項15に相当する
加工ヘッドを示す断面図である。
【図34】本発明の実施例17の加工ヘッドへのアシス
トガス供給手段の一例を示す模式図である。
【図35】本発明の実施例17の加工ヘッドへのアシス
トガス供給手段の他の例を示す模式図である。
【図36】本発明の実施例17に係わる加工ヘッドを用
いたガス流量制御例におけるガス供給状態を示す模式説
明図である。
【図37】本発明の実施例18の請求項16に相当する
加工ヘッドを示す一部破断模式斜視図である。
【図38】本発明の実施例19の請求項17に相当する
レーザ加工装置を示す構成図である。
【図39】本発明の実施例20の請求項17に相当する
レーザ加工装置の他の例を示す構成図である。
【図40】本発明の実施例21の請求項18に相当する
レーザ加工装置を示す構成図である。
【図41】本発明の実施例22の請求項18に相当する
レーザ加工装置の構成を示した模式図である。
【図42】本発明の実施例23の請求項19に相当する
レーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【図43】本発明の実施例24のレーザ加工装置の加工
ヘッドを示す縦断面模式図である。
【図44】本発明の実施例24のレーザ加工装置の加工
ヘッドの他の例を示す縦断面模式図である。
【図45】本発明の実施例25のレーザ加工装置の加工
ヘッドを示す縦断面模式図である。
【図46】従来例のレーザ加工装置の加工ヘッドを示す
縦断面模式図である。
【符号の説明】
1 主アシストガスノズル 1a 主アシストガスノズル噴出口 1c 主アシストガスノズル供給口 2 補助アシストガスノズル 2a 補助アシストガスノズル噴出口 2c 補助アシストガスノズル供給口 3 被加工物の切断板表面 4 静止翼 5 螺旋溝 6 主アシストガス副流ノズル 7 静圧変換面 8 返り壁面 10、18、18a、18b アシストガス供給源 11 補助アシストガスノズル供給口の小孔 12 流体抵抗体 13 開講面積調整手段 14 開講面積調整手段を構成する環状円板 15 環状円板の小孔 17 開講面積調整手段を構成する絞り機構 19 情報検知手段のセンサー 21 運転制御装置 30 アシストガス供給口 31 隔壁 32 小部屋 33 弁 35a 扇型板 35b 仕切板 36 駆動装置 37 制御装置 40 板厚測定センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金岡 優 名古屋市東区矢田南五丁目1番14号 三菱 電機株式会社名古屋製作所内 (72)発明者 村井 融 名古屋市東区矢田南五丁目1番14号 三菱 電機株式会社名古屋製作所内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビームノズルの中央部にレーザビ
    ームが通過する主アシストガスノズルを設け、この主ア
    シストガスノズルを囲繞する環状の補助アシストガスノ
    ズルを一重以上設けてなる加工ヘッドにおいて、上記補
    助アシストガスノズルの最も内側の噴出口の内径を上記
    主アシストガスノズルの噴出口の内径より大きいかもし
    くは等しくするとともに、主アシストガス流の圧力変動
    および流速変動値が大きくなるようにしたことを特徴と
    するレーザ加工装置の加工ヘッド。
  2. 【請求項2】 主アシストガスノズル噴出口から吹き出
    される主アシストガス流の少なくとも一部を旋回流とす
    る旋回流形成手段を設けたことを特徴とする請求項1記
    載のレーザ加工装置の加工ヘッド。
  3. 【請求項3】 レーザビームノズルの中央部にレーザビ
    ームが通過する主アシストガスノズルを設け、この主ア
    シストガスノズルを囲繞する環状の補助アシストガスノ
    ズルを一重以上設けてなる加工ヘッドにおいて、上記補
    助アシストガスノズルの最も内側の噴出口の内径を上記
    主アシストガスノズルの噴出口の内径より大きいかもし
    くは等しくするとともに、噴出口における噴出ガス圧力
    及び噴出ガス流速が連続的に変化し、かつ主アシストガ
    ス流の圧力変動及び流速変動値が大きくなるようにした
    ことを特徴とするレーザ加工装置の加工ヘッド。
  4. 【請求項4】 主アシストガスノズルの噴出口の位置を
    補助アシストガスノズルの噴出口の少なくともいずれか
    よりもガス流の上流側に設けたことを特徴とする請求項
    3記載のレーザ加工装置の加工ヘッド。
  5. 【請求項5】 主アシストガスノズル噴出口から吹き出
    される主アシストガス流の少なくとも一部を旋回流とす
    る旋回流形成手段を設けたことを特徴とする請求項4記
    載のレーザ加工装置の加工ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項2または5記載の旋回流形成手段
    は主アシストガスノズル内壁面に設けた螺旋状にねじれ
    た静止翼または溝であることを特徴とするレーザ加工装
    置の加工ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項2または5記載の旋回流形成手段
    は主アシストガスノズル内壁面にノズル口が設けられ、
    ガスを上記主アシストガスノズル周方向に並行に噴出す
    る主アシストガス副流ノズルからなることを特徴とする
    レーザ加工装置の加工ヘッド。
  8. 【請求項8】 補助アシストガスノズル内に補助アシス
    トガス供給口から流入した補助アシストガス流が持つ動
    圧を静圧に変換する静圧変換手段が設けられていること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のレー
    ザ加工装置の加工ヘッド。
  9. 【請求項9】 補助アシストガス供給口から流入する補
    助アシストガス流に対向して静圧変換面を設けるととも
    に、この静圧変換面端部にガス滞留空間を形成する返り
    壁面を突設したことを特徴とする請求項8記載のレーザ
    加工装置の加工ヘッド。
  10. 【請求項10】 主アシストガスノズル供給口の周囲に
    補助アシストガスの流量が調整可能な補助アシストガス
    ノズル供給口が設けられ、上記両供給口が同一のガス供
    給源に接続されているとを特徴とする請求項1ないし5
    のいずれかに記載のレーザ加工装置の加工ヘッド。
  11. 【請求項11】 補助アシストガスノズル供給口にその
    開口面積を調整する開口面積調整手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項10記載のレーザ加工装置の加
    工ヘッド。
  12. 【請求項12】 補助アシストガスノズル供給口に流体
    抵抗体を有することを特徴とする請求項10記載のレー
    ザ加工装置の加工ヘッド。
  13. 【請求項13】 補助アシストガスノズル噴出口での流
    速分布を調整する手段を設けたことを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれかに記載のレーザ加工装置の加工ヘ
    ッド。
  14. 【請求項14】 少なくとも、補助アシストガスノズル
    内壁に補助アシストガスノズルへのガス供給口を複数設
    けるか、あるいは上記補助アシストガスノズル内を隔壁
    によって径方向に小部屋に分割し、補助アシストガスノ
    ズル噴出口での流速分布を調整するようにしたことを特
    徴とする請求項13記載のレーザ加工装置の加工ヘッ
    ド。
  15. 【請求項15】 分割された小部屋内への供給ガス流量
    を個別に調整する手段を有することを特徴とする請求項
    14記載のレーザ加工装置の加工ヘッド。
  16. 【請求項16】 補助アシストガス供給口が形成され、
    補助アシストガスノズル内を軸方向に仕切る環状隔壁、
    この環状隔壁の下流側面に接して回動可能に設けられ、
    上記ガス供給口の一部を遮蔽し、一部が切欠かれた環状
    平板、この平板の両端部に取着され、上記環状隔壁より
    下流の補助アシストガスノズル内を径方向に仕切り、上
    記平板と連動して回動する2枚の仕切板、上記平板を駆
    動する駆動装置、及びこの駆動装置を動作させる制御装
    置を設けたことを特徴とする請求項13ないし15のい
    ずれかに記載のレーザ加工装置の加工ヘッド。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれかに記載
    の加工ヘッドを備え、加工中に被加工物表面の温度、切
    断溝幅、火花の光量などの情報を検知する情報検知手段
    を設け、上記情報検知手段の出力に応じて上記加工ヘッ
    ドから噴出されるアシストガスのガス種、流量あるいは
    圧力を調整するようにしたことを特徴とするレーザ加工
    装置。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし16のいずれかに記載
    の加工ヘッド及び運転制御装置を備え、上記加工ヘッド
    から噴出されるアシストガスのガス種、流量あるいは圧
    力を上記運転制御装置によりプログラミング制御するよ
    うにしたことを特徴とするレーザ加工装置。
  19. 【請求項19】 被加工物の板厚を検出する板厚測定手
    段を有し、この板厚測定手段の出力に応じて、加工ヘッ
    ドから噴出されるアシストガスの流量あるいは圧力を運
    転制御装置により制御するようにしたことを特徴とする
    請求項18記載のレーザ加工装置。
JP5263608A 1992-10-23 1993-10-21 加工ヘッド及びレーザ加工装置 Expired - Lifetime JP2998517B2 (ja)

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