JPH06190197A - ガス衣類乾燥機の点火方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ガスバーナを弱火状態で点火させるようにし、
これにより、該点火時に衣類が熱的損傷を受けないよう
にする。 【構成】ガスバーナ(42)へのガス回路(43)にガス量調整
弁(44)を挿入すると共に、前記ガスバーナ(42)の近傍に
点火装置(47)及び点火確認装置(48)を配設し、前記点火
装置(47)を作動させてガスバーナ(42)に点火すると共に
点火完了状態を上記点火確認装置(48)で確認するように
したガス衣類乾燥機の点火方法において、ガス量調整弁
(44)を所定の絞り状態に維持した状態で点火装置(47)を
作動させ、その後点火確認装置(48)が点火確認信号を出
すまでガス量調整弁(44)の開度を次第に増加させるよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はガス衣類乾燥機の点火方
法に関するもので、ガスバーナを弱火状態で点火させる
ようにし、これにより、該点火時に衣類が熱的損傷を受
けないようにしたものである。

【０００２】

【従来技術及び課題】電気ヒータに比べて大きな発熱量
が得られるガスバーナの特性に鑑み、該ガスバーナを用
いた衣類乾燥機が開発されるようになった。かかる衣類
乾燥機として例えば図１に示す如きものがある。ケーシ
ング(1) には衣類(M) (M) を回転攪拌する回転ドラム(1
0)が収容されていると共に、該回転ドラム(10)の正面側
開放部を支持する支持リング(3) には温度センサ(27)が
配設されている。又、回転ドラム(10)で包囲される乾燥
室(13)の背面壁にはファン(5) の吸引口(52)が形成され
ていると共に、前記ファン(5) に続く排気路(51)には湿
度センサ(28)が配設されている。又、ケーシング(1) の
下部にはガスバーナ(42)が配設されており、該ガスバー
ナ(42)で発生した燃焼排気はこれと乾燥室(13)を繋ぐ給
気路(4) から該乾燥室(13)内に供給され、ファン(5) の
吸引力で排気路(51)から外部に排出されるようになって
いる。又、上記ガスバーナ(42)の近傍には点火装置(47)
や点火確認装置(48)が配設されている。

【０００３】図示しない運転スイッチを操作すると点火
装置(47)とファン(5) が作動し始めると共に、ガスバー
ナ(42)が点火状態になったか否かを点火確認装置(48)が
継続的に監視する。そして、ガスバーナ(42)が燃焼し始
めると、該ガスバーナ(42)の燃焼排気が給気路(4) から
回転ドラム(10)内に供給されて衣類(M) (M) の乾燥動作
が始まる。そして、この乾燥動作時には温度センサ(27)
で乾燥室(13)内の温度を監視しながらガスバーナ(42)の
燃焼量を制御し、これにより、乾燥室(13)内を設定温度
に維持しながら乾燥動作を進行させる。そして、排気路
(51)に配設した湿度センサ(28)が検知する排気の湿度に
基づいて衣類(M) (M) の乾燥状態を判断し、これが乾燥
状態に達するとガスバーナ(42)を消火させると共にファ
ン(5) を停止させる。これにより、衣類(M) (M) の乾燥
動作が終了する。

【０００４】しかしながら、上記従来のものでは乾燥動
作の開始初期に衣類(M) (M) に熱的損傷を与える場合が
あるという問題があった。上記問題点について更に詳述
する。通常の乾燥機では、熱に弱い素材の衣類(M) (M)
を乾燥させる場合を考慮して乾燥室(13)内の温度を切り
替え得るようになっている。

【０００５】ところが、熱に強い素材の衣類(M) (M) や
大量の衣類(M) (M) を乾燥させる時にはガスバーナ(42)
を大きな火力で燃焼させる必要があることから、かかる
条件の乾燥動作が終了した時には、ガスバーナ(42)への
ガス回路(43)に挿入したガス量調整弁(44)は大開放状態
に放置されたままになっている。従って、ガス量調整弁
(44)の開度が大きくなっている上記の状態で熱に弱い素
材の衣類(M) (M) を乾燥させる場合、ガスバーナ(42)は
点火直後に強火燃焼し、その後、火力が低下せしめられ
て乾燥室(13)内が所定の温度に維持されることとなる。
すると、ガスバーナ(42)の点火直後には、該ガスバーナ
(42)から乾燥室(13)内に高温の燃焼排気が供給され、こ
れが熱に弱い上記衣類(M) (M) に直接に吹き付けられた
場合には該衣類(M) (M) が熱的損傷を受けることとなる
のである。

【０００６】本発明は上記の点に鑑みて成されたもの
で、『ガスバーナ(42)へのガス回路(43)にガス量調整弁
(44)を挿入すると共に、前記ガスバーナ(42)の近傍に点
火装置(47)及び点火確認装置(48)を配設し、前記点火装
置(47)を作動させてガスバーナ(42)に点火すると共に点
火完了状態を上記点火確認装置(48)で確認するようにし
た衣類乾燥機の点火方法』において、点火時に於けるガ
スバーナ(42)の火力を低く設定し得るようにして衣類
(M) (M) が熱的損傷を受けないようにすることをその課
題とする。

【０００７】

【技術的手段】上記課題を解決するための本発明の技術
的手段は、『ガス量調整弁(44)を所定の絞り状態に維持
した状態で点火装置(47)を作動させ、その後点火確認装
置(48)が点火確認信号を出すまでガス量調整弁(44)の開
度を次第に増加させるようにした』ことである。

【０００８】

【作用】上記技術的手段は次のように作用する。先ずガ
スバーナ(42)へのガス回路(43)に挿入したガス量調整弁
(44)の開度を所定の絞り状態に維持し、その後に点火装
置(47)を作動させる。そして点火装置(47)を作動させた
結果ガスバーナ(42)が点火状態にならず点火確認装置(4
8)が点火確認信号を出さない場合は、点火装置(47)を作
動させたままガス量調整弁(44)の開度を次第に増加させ
て行く。即ち、ガスバーナ(42)に供給するガス量を順次
増加させながら点火装置(47)による点火動作を継続させ
るのである。そして、ガスバーナ(42)が点火状態になっ
て点火確認装置(48)から点火確認信号が出されると、ガ
ス量調整弁(44)を所定の開度に変化させて設定火力が得
られるようにする。

【０００９】このように、上記技術的手段によれば、ガ
ス量を絞り状態から次第に増加させながらガスバーナ(4
2)への点火動作を実行するから、供給ガス圧力の変動及
び点火装置の作動バラツキ等によって点火可能なガス量
が各点火毎に異なっても、ガスバーナ(42)が弱火状態で
燃焼し始めることとなり、点火時にガスバーナ(42)が突
然に強火燃焼することはない。

【００１０】

【効果】本発明は次の特有の効果を有する。点火時に於
けるガスバーナ(42)が突然に強火燃焼しないから、該燃
焼開始時に衣類(M) (M) が過剰加熱されてこれが熱的損
傷を受ける不都合が無い。

【００１１】

【実施例】次に、上記した本発明の実施例を図面に従っ
て詳述する。乾燥機本体は既述した図１のものと同様に
構成されており、回転ドラム(10)の前面開放部を支持す
る固定の支持リング(3) の下部近傍には温度センサ(27)
が配設されていると共に排気路(51)内には湿度センサ(2
8)が設けられている。又、ガスバーナ(42)へのガス回路
(43)にはその上流側から元弁(45)とガス量調整弁(44)が
この順序で挿入されている。更に、回転ドラム(10)やフ
ァン(5) は共通のモータ(50)で回転されるようになって
いる。

【００１２】図２に示すように、上記各電気部品はマイ
クロコンピュータを組み込んだ制御回路(6) で制御され
るようになっており、該制御回路(6) には上記温度セン
サ(27)や湿度センサ(28)等のほか、運転スイッチ(35)や
温度切替スイッチ(36)が接続されている。尚、上記温度
切替スイッチ(36)は熱に弱い素材の衣類(M) (M) を乾燥
させる場合に操作するもので、該温度切替スイッチ(36)
や上記運転スイッチ(35)等は器具本体前面に形成された
図示しない操作部に配設されている。

【００１３】上記制御回路(6) に具備させたマイクロコ
ンピュータには図３のフローチャートで示す内容の制御
プログラムが格納されており、以下、上記衣類乾燥機の
動作の実際を同図に基づいて説明する。 ．ステップ(71)で運転スイッチ(35)が操作されるのを
監視し、これが操作されると更にステップ(72)を実行し
て温度切替スイッチ(36)が投入されているか否かを判断
する。そして、温度切替スイッチ(36)が投入されている
ときは設定温度Ｔを「６０℃」にセットし、逆にこれが
投入されていないときは上記設定温度Ｔを「８０℃」に
セットする（ステップ(73)参照）。 ．次に、ステップ(74)を実行し、ガス量調整弁(44)の
開弁度Ｋを最大開度の３０％にセットする。即ち、先行
する乾燥動作の終了時に於けるガス量調整弁(44)の開度
に関わらず、これを最大開度の３０％に維持するのであ
る。そして、この状態でステップ(75)を実行して元弁(4
5)を開放すると共にモータ(50)を駆動してファン(5) 及
び回転ドラム(10)を回転させ、更に、点火装置(47)を動
作状態に保持する。又、点火確認装置(48)の出力を判断
することによりガスバーナ(42)が燃焼したか否かを監視
する（ステップ(76)参照）。次に、１秒間経過してもガ
スバーナ(42)が燃焼しない場合は開弁度Ｋの値を１０％
単位で段階的に増加させながら（ステップ(78)参照）ガ
スバーナ(42)が燃焼するか否かを監視する。即ち、ガス
バーナ(42)が燃焼するまでステップ(76)〜(78)を繰り返
すことにより、ガス量調整弁(44)を段階的に開度増加さ
せるのである。

【００１４】尚、ガス量調整弁(44)の開度増加は最大開
度の９０％に抑えられ、点火動作の開始から２０秒間点
火確認装置(48)の出力が無い場合は、点火不能と判断し
て点火動作を中止する。即ち、元弁(45)を閉じると共
に、点火装置(47)を停止させるのである。そして、ステ
ップ(76)を実行した時にガスバーナ(42)の燃焼が開始し
たことが確認できると、ステップ(79)を実行して点火装
置(47)を停止させる。

【００１５】この場合、上記のものではガス量調整弁(4
4)の開度を絞り状態から次第に開度増加させながらガス
バーナ(42)への点火動作を継続させるから、供給ガス圧
力の変動及び点火装置の作動バラツキ等によって点火可
能なガス量が各点火毎に異なっても、供給されるガスに
点火し得る最も弱火状態でガスバーナ(42)が点火し燃焼
し始める。従って、衣類(M) (M) に高温の熱風が吹きつ
けられてこれが熱的損傷を受ける不都合が防止できる。 ．次に、ステップ(80)〜(83)を実行し、乾燥室(13)内
に配設した温度センサ(27)の検知する乾燥室温度Ｓが既
述した設定温度Ｔより大きい場合は開弁度Ｋの値を１０
％小さくし、逆に乾燥室温度Ｓが設定温度Ｔより小さい
場合は開弁度Ｋの値を１０％増加させる。尚、上記ステ
ップ(82)を実行した際に乾燥室温度Ｓが設定温度Ｔより
小さくない場合は、開弁度Ｋの値は現状に維持されるこ
ととなる。 ．ステップ(84)でマイクロコンピュータの内蔵タイマ
ーＡを「０」にセットし、続けてステップ(85)(86)を実
行して湿度センサ(28)が乾燥終了信号を出すか否かを監
視しながら１０秒間の時間待ちを行う。そして、湿度セ
ンサ(28)から乾燥終了信号が出る前に上記１０秒の時間
が経過すると、再びステップ(80)に戻って乾燥室温度Ｓ
と設定温度Ｔを比較し、上記と同様にガス量調整弁(44)
の開度を調整しながら、乾燥室(13)内を設定温度Ｔに維
持する。

【００１６】他方、ステップ(86)を実行した際に湿度セ
ンサ(28)が乾燥終了信号を出してい場合には、元弁(45)
を閉じてガスバーナ(42)を消火させると共にモータ(50)
を停止させて乾燥動作を終了させる。尚、上記実施例で
はガス量調整弁(44)の開度を１０％単位で増加させるよ
うにしたが他の単位（例えば、２０％や５％等の単位）
で増加させるようにしてもよい。又、点火動作を開始す
る際におけるガス量調整弁(44)の開度は３０％に設定す
る必要は無く、該ガス量調整弁(44)を２０％又は５０％
の開度に保った状態で点火動作を開始させてもよい。
又、上記実施例では１秒間隔でガス量調整弁(44)の開度
を増加させたが該時間間隔は必ずしも１秒に設定する必
要はない。

【００１７】更に、上記実施例ではガス量調整弁(44)の
開度を段階的に増加させたがこれを連続的に増加させな
がら点火してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】衣類乾燥機の断面図

【図２】制御回路図

【図３】制御用フローチャート

【符号の説明】

(1) ・・・ケーシング (42)・・・ガスバーナ (43)・・・ガス回路 (44)・・・ガス量調整弁 (47)・・・点火装置 (48)・・・点火確認装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガスバーナ(42)へのガス回路(43)にガス
   量調整弁(44)を挿入すると共に、前記ガスバーナ(42)の
   近傍に点火装置(47)及び点火確認装置(48)を配設し、前
   記点火装置(47)を作動させてガスバーナ(42)に点火する
   と共に点火完了状態を上記点火確認装置(48)で確認する
   ようにした衣類乾燥機の点火方法において、ガス量調整
   弁(44)を所定の絞り状態に維持した状態で点火装置(47)
   を作動させ、その後点火確認装置(48)が点火確認信号を
   出すまでガス量調整弁(44)の開度を次第に増加させるよ
   うにしたガス衣類乾燥機の点火方法。