JPH06179375A - 車両の舵角制御装置 - Google Patents

車両の舵角制御装置

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JPH06179375A
JPH06179375A JP33601892A JP33601892A JPH06179375A JP H06179375 A JPH06179375 A JP H06179375A JP 33601892 A JP33601892 A JP 33601892A JP 33601892 A JP33601892 A JP 33601892A JP H06179375 A JPH06179375 A JP H06179375A
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JP
Japan
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steering
steering angle
current
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rear wheel
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Application number
JP33601892A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Yamamura
吉典 山村
Hideki Sudo
秀樹 数藤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 転舵手段の転舵方向間における伝達特性の差
があっても、両方向最大舵角を同じに保ち得る舵角制御
装置を構築する。 【構成】 後輪舵角指令値δRMと、後輪実舵角δR との
偏差eから、実舵角δRを指令値δRMに追従させるため
のモータ駆動電流値iPID をPID演算により求める。
このiPID は、電流リミッタ21により操舵方向ごとの
限界値iMAXP及びiMAXNを設定されて電流指令値iM
なる。電流制御アンプ3は、後輪操舵機構4への電流i
を指令値iM に追従させる。電流リミッタ21の両転舵
方向における電流限界値は、操舵機構4の伝達効率が小
さな転舵方向における限界値が、効率の大きな転舵方向
における限界値よりも大きくなるよう設定する。よっ
て、電流指令値iM が限界値に至る場合において、転舵
方向ごとの伝達効率の違いがあっても、実舵角δR の最
大値が転舵方向間で異なるのを防止し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の車輪舵角を制御す
る舵角制御装置に関し、特に左右最大実舵角が異なるこ
とのないよう舵角制御装置を改良する提案に係わる。
【0002】
【従来の技術】車両の舵角制御装置としては従来より種
々のものが提案されているが、車両への搭載性を考慮し
て今日、動力源に電気モータを用いることが多々検討さ
れている。そしてこの場合、電気モータの高精度で応答
の速い位置決めを行う必要に鑑み、例えば計測自動制御
学会論文集 vol.27,No.6,第705頁乃至
第710頁の「デルタ演算子を用いて設計したロバスト
な自動車用位置決めサーボ系の制御器」に記載の如きサ
ーボシステムを用いることが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかるサー
ボ系においては、電気モータの回転をギヤ等の方向変換
器を介して車輪転舵系に伝達することとなるが、この方
向変換器は、モータ側からの駆動効率(正効率)が大で
あり、路面側からモータ側への駆動効率(逆効率)が小
であることを要求されることから、この要求にかなうウ
オームギヤやハイポイドギヤ等のギヤを用いるため、回
転方向によって、つまり車輪の転舵方向によってトルク
伝達効率が異なるのを免れない。
【0004】また、電気モータへの電流を制御する電流
制御アンプやアクチュエータも、製品のバラツキや径年
変化から、電流の極性に応じて、つまり車輪の転舵方向
に応じて出力特性が異なることが多い。
【0005】従って、指令値に対する舵角の追従性が転
舵方向ごとに異なり、車輪の転舵角が、同じ舵角指令値
にもかかわらず舵角方向によって異なるという不都合を
生ずるのを禁じ得ない。これがため、舵角方向によって
車両挙動が違ってしまう懸念を払拭しきれなかった。
【0006】ちなみに、電気モータの電流値が限界値に
未たない場合における上記の問題は、制御ゲインを大き
くすることで解決することができる。
【0007】しかして、舵角指令値が速く、大きく変化
する場合等のように、実舵角を舵角指令値に持ち来すた
めのモータ駆動電流指令値が、パワー素子やシステム全
体の保護を目的として設定した限界値に至るような場
合、制御結果がもともと装置のメカニカルな特性により
決ってしまうため、上記制御ゲインを大きくする対策が
役に立たず、同じ舵角指令値にもかかわらず最大車輪転
舵角が舵角方向によって異なり、舵角方向によって車両
挙動が違ってしまうという不都合を生ずるのを禁じ得な
い。
【0008】本発明は、転舵方向ごとに電流(操作量)
の限界値を異ならせたり、適宜変更し得るようにして上
述の問題を解消することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
は、舵角制御量に応じた操作量を演算する操作量演算手
段と、該操作量に応じて車輪を左右両方向へ転舵する転
舵手段と、前記操作量の限界値を設定する操作量制限手
段とを具備した車両の舵角制御装置において、前記転舵
手段の車輪転舵方向間における伝達効率の大小に応じ、
該伝達効率が小さな転舵方向における前記操作量の限界
値が、伝達効率の大きな転舵方向における操作量の限界
値よりも大きくなるよう、これら両限界値を設定したも
のである。
【0010】また、第2発明は、舵角制御量に応じた操
作量を演算する操作量演算手段と、該操作量に応じて車
輪を左右両方向へ転舵する転舵手段と、前記操作量の限
界値を設定する操作量制限手段とを具備した車両の舵角
制御装置において、前記舵角制御量に対する前記転舵手
段の両方向舵角達成状況をモニタする舵角達成状況モニ
タ手段と、該舵角達成状況が低い転舵方向における前記
操作量の限界値が、舵角達成状況の高い転舵方向におけ
る操作量の限界値よりも大きくなるよう、これら両限界
値の少なくとも一方を変更する操作量限界値変更手段と
を設けたものである。
【0011】
【作用】第1発明において、操作量演算手段は、操作量
制限手段が設定した限界値を上限とし、舵角制御量に応
じた操作量を演算する。転舵手段は該操作量に応じて車
輪を左右方向へ転舵する。
【0012】ところで、上記限界値は以下の如くに設定
されている。つまり上記転舵手段の車輪転舵方向間にお
ける伝達効率の大小に応じ、伝達効率が小さな転舵方向
における操作量の限界値が、伝達効率の大きな転舵方向
における操作量の限界値よりも大きくなるよう、これら
両限界値は設定されている。このため、舵角制御量が速
く、大きく変化する場合等のように、車輪実舵角を該舵
角制御量に持ち来すための操作量が限界値に至るような
場合において、転舵手段が転舵方向に応じ伝達効率を異
にしていても、最大車輪舵角を両転舵方向とも同じにす
ることができ、舵角方向によって車両挙動が違ってしま
うという不都合を回避し得る。
【0013】第2発明においても、操作量演算手段は、
操作量制限手段が設定した限界値を上限とし、舵角制御
量に応じた操作量を演算する。又、転舵手段は該操作量
に応じて車輪を左右方向へ転舵する。
【0014】ところで、上記限界値を第2発明では以下
の如くに可変とする。即ち、まず舵角達成状況モニタ手
段が上記舵角制御量に対する転舵手段の両方向舵角達成
状況をモニタし、このモニタ結果に応じて操作量限界値
変更手段は、上記舵角達成状況が低い転舵方向における
上記操作量の限界値が、舵角達成状況の高い転舵方向に
おける操作量の限界値よりも大きくなるよう、これら両
限界値の少なくとも一方を変更する。
【0015】よって、舵角制御量が速く、大きく変化す
る等の場合ように、車輪実舵角を該舵角制御量に持ち来
すための操作量が限界値に至るような場合において、電
流制御特性が転舵方向で違っていても、また転舵手段が
転舵方向に応じ伝達効率を異にしていても、最大車輪舵
角を両転舵方向とも同じにすることができ、舵角方向に
よって車両挙動が違ってしまうという不都合を回避し得
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1乃至図3は、前輪を運転者がステアリン
グホイールにより操舵し、後輪を狙いとする車両挙動が
得られるよう舵角制御する車両の後輪舵角制御系に対し
て本発明の着想を適用した例を示す。
【0017】図1において、1は後輪舵角指令演算部、
2は電流指令値演算部、3は電流制御アンプ、4は後輪
操舵機構、5は車両を夫々示す。車両5は、前輪にステ
アリングホイール操舵角θを入力され、後輪に、後輪舵
角指令演算部1、電流指令値演算部2、電流制御アンプ
3、後輪操舵機構4で構成される後輪舵角制御装置から
後輪舵角δR を入力されて操向されるものとする。な
お、後輪舵角指令演算部1、電流指令値演算部2、電流
制御アンプ3は1つのマイクロコンピュータを可とする
コントローラ10によって構成するが、図1では便宜上
これを機能別ブロック図として示した。
【0018】後輪舵角指令演算部1は、操舵角θ及び車
速Vを夫々のセンサにより検出されて入力され、これら
入力情報から、例えば特開昭61−67670号公報に
記載の如き演算により、狙いとする車両挙動を得るため
の後輪舵角指令値δRMを求める。電流指令値演算部2は
この後輪舵角指令値δRMと、後輪操舵機構4による後輪
実舵角δR の検出値とを入力され、両者の差から後輪実
舵角δR を後輪舵角指令値δRMに追従させるための電気
モータ駆動電流指令値iM を、詳細には後述するように
演算する。電流制御アンプ3は、後輪操舵機構4におけ
る電気モータへの電流iを、上記の指令値iM に追従さ
せるよう機能する。
【0019】後輪操舵機構4は図2に示す如くに構成す
る。即ち、上記の電流iにより駆動されてこれに比例し
たトルクを発生する電気モータ41を具え、該モータの
出力軸にウオーム42を結着し、これにウオームギヤ4
3を噛合させる。ウオームギヤ43の軸上にピニオン4
4を結合し、このピニオンに後輪操舵リンク機構のタイ
ロッドを成すラック45を噛合させる。これがため、ラ
ック45の両端にサイドロッド46を介してナックルア
ーム47を連接し、ナックルアーム47に後輪48を回
転自在に支持する。
【0020】かかる後輪操舵機構の構成において、モー
タ41は供給される電流iに応動してウオーム42を回
転し、その回転をウオームギヤ43及びピニオン44を
介してラック45に伝える。これによるラック45のス
トロークはサイドロッド46及びナックルアーム47を
介して後輪46に伝達し、これら後輪を電流iに応じた
舵角、つまり後輪舵角指令演算部1により演算した指令
舵角δRMに向け操舵する。
【0021】なお、ラック45のストローク、つまり後
輪実舵角δR を検出する後輪舵角センサ49をラック4
5に近接させて設け、検出値を図1に示すように電流指
令値演算部2にフィードバックする。
【0022】次に、電流指令値演算部2を詳述し、電流
指令値iM の算出要領を説明するに、該演算部2は図3
の如くに構成し、周知のPID演算により電流指令値i
M を求めるものとする。即ち、後輪実舵角δR と後輪舵
角指令値δRMとの偏差eを先ず求め、この偏差に基づき
比例ゲインKp、微分ゲインKD 、及び積分ゲインKI
(Sは微分演算子d/dt)を用いて、上記の偏差eを
0にするための、つまり後輪実舵角δR を後輪舵角指令
値δRMに追従させるための電流値iPID をPID演算に
より算出する。
【0023】ところで、図1乃至図3に示すようなサー
ボ系においては、電流制御アンプ3のパワー素子やシス
テム全体の保護を図るために、供給電力の上限を設定す
る必要があり、本例においては電流指令値演算部2に図
3の如く電流リミッタ21を設け、上記のPID演算値
PID をそのまま電流指令値iM とせず、電流リミッタ
21により転舵方向ごとの限界値iMAXP(左転舵方向)
及びiMAXN (右転舵方向)を設定して電流指令値iM
とする。
【0024】なおこれら限界値は、上記の通り電流指令
値演算部2のPID制御ロジック内に設置する代わり
に、電流制御アンプ3内にハードウエア的に内蔵させて
もよいことは言うまでもない。
【0025】しかして、何れにしても上記の限界値は、
車輪の両転舵方向ともに同じであるように決定すると、
電流指令値が限界値に達する時、従来技術につき前述し
た如く転舵方向間で最大実舵角が異なってしまうという
問題を生ずるから、本例ではこれら限界値iMAXP(左転
舵方向)及びiMAXN (右転舵方向)を以下の如くに決
定する。
【0026】今、図2におけるモータ41に、許容され
る最大制限電流iMAX を流したとして、この時の出力ト
ルクをTMAX とすると、両者の関係はトルク定数Ktを
用いて以下の如くに表される。
【数1】TMAX =Kt・iMAX ----(1) ここで、ウオームギヤ組42,43の正方向(左転舵方
向)のギヤ効率(正効率)をη+ 、同方向の最大伝達ト
ルクをTW+、逆方向(右転舵方向)のギヤ効率(逆効
率)をη- 、同方向の最大伝達トルクをTW-とし、ギヤ
組42,43のギヤ比をNとすると、
【数2】TW+=N・η+ ・TMAX ----(2) TW-=N・η- ・TMAX ----(3) の関係が成立する。ここで、上記(2)式の左右両辺に
η- /η+ を乗ずると、次式が得られる。
【数3】 TW+・η- /η+ =N・η+ ・η- /η+ ・TMAX =N・η- ・TMAX =TW- ----(4) この(4)式と、(1)式とから明らかなように、両方
向の最大伝達トルクT W+及びTW-が等しくなるために
は、正方向(左転舵方向)の電流限界値iMAXP
【数4】iMAXP=(η- /η+ )・iMAX とし、逆方向(右転舵方向)の電流限界値iMAXN
【数5】iMAXN=iMAX にすれば良いことが判る。そこで、本例においては、こ
のようにして求めた電流限界値iMAXP及びiMAXNを図3
の電流リミッタ21に設定する。
【0027】次に、電流制御アンプ3を詳述するに、こ
れは図4の如くに構成する。この図において、31a,
31b,31c,31dは夫々、電気モータ41の回転
方向及び出力トルクを決定するパワー素子を示し、32
a,32b,32c,32dは夫々、各パワー素子のコ
レクタ−エミッタ間に接続したダイオードを示す。パワ
ー素子31a,31dを導通する時、これらの導通度に
応じた出力トルクを発生ずるよう電気モータ41は電源
電圧Vccにより正転されて、図2のギヤ組を介し後輪
48を左転舵し、パワー素子31b,31cを導通する
時、これらの導通度に応じた出力トルクを発生するよう
電気モータ41は電源電圧Vccにより逆転されて、図
2のギヤ組を介し後輪を右転舵するものとする。
【0028】正転時のモータ通電量(左後輪実舵角)を
検出するシャント抵抗33aと、逆転時のモータ通電量
(右後輪実舵角)を検出するシャント抵抗33bを設
け、これら抵抗による検出電流を差動増幅器34a,3
4bにより増幅して左右後輪実舵角信号とする。モータ
通電量は上記シャント抵抗に代え、ホール素子等のセン
サを用いて検出してもよいこと勿論であるが、シャント
抵抗の方がコスト的に有利である。
【0029】電流指令変換器35は、例えば図5(a)
に示すような電流指令値iM を極性ごとに振り分けて、
同図(b)、(c)に例示する左操舵用電流指令値
LM、及び右操舵用電流指令値iRMとなすもので、パル
ス幅変調(PWM)信号発生器36はこれら指令値に対
する実舵角信号の偏差(左右操舵電流偏差)eL ,eR
と、三角波発生器37からの三角波信号とから、当該偏
差を0にするためのPWM信号を作り出す。
【0030】極性判定器38は電流指令値iM の極性を
判定し、その判定結果及びPWM信号発生器36からの
PWM信号に基づきPWMロジック演算部39は、モー
タ41に供給すべき電流値及びその供給方向を決定し、
パワー素子ドライバ40を介して対応するパワー素子3
1a,31b,31c,31dを導通させる。
【0031】上記実施例の作用を次に説明する。車両5
は、運転者からのステアリングホイールによる操舵角θ
を前輪に与えられて主操舵され、更に後輪48を以下の
如くに舵角制御され、この舵角制御により狙い通りの挙
動を生じ得る。
【0032】後輪舵角の制御に当たっては、先ず後輪舵
角指令演算部1が、操舵角θ及び車速Vを検出するセン
サの検出情報から、狙いとする車両挙動を得るための後
輪舵角指令値δRMを求める。電流指令値演算部2はこの
後輪舵角指令値δRMと、センサ49が検出した後輪実舵
角δR とを入力され、両者の差から後輪実舵角δR を後
輪舵角指令値δRMに追従させるための電気モータ41の
駆動電流指令値iM を図2につき前述したPID演算に
より求める。この際、電流指令値iM には電流リミッタ
21により、前記した操舵方向ごとの限界値iMAXP及び
MAXNを定める。そして電流制御アンプ3は、後輪操舵
機構4における電気モータ41への電流iを上記の指令
値iM に追従させる。
【0033】後輪操舵機構4は、図2及び図4における
モータ41に上記の電流iを供給され、これによるモー
タ41の駆動で、ギヤ組42,43,44,45を介
し、またステアリングリンケージ46,47を介し後輪
48を操舵すると共に、後輪実舵角δR を後輪舵角指令
値δRMに持ち来すよう舵角制御する。
【0034】ところで、電流リミッタ21の両転舵方向
における電流限界値を前記の如くに決定し、ギヤ組42
〜45の効率(伝達効率)が小さな転舵方向における電
流限界値が、効率の大きな転舵方向における電流限界値
よりも大きくなるよう、これら両限界値を設定したた
め、後輪舵角指令値δRMが速く、大きく変化する等の場
合ように、後輪実舵角δR を指令値δRMに持ち来すため
の電流指令値iM が上記の限界値に至るような場合にお
いても、転舵方向ごとの伝達効率の違いによって後輪実
舵角δR の最大値が転舵方向間で異なってしまうような
ことがなくなり、最大後輪舵角を両転舵方向とも確実に
同じにすることができ、転舵方向によって車両挙動が違
ってしまうという不都合を回避し得る。
【0035】図6及び図7は、上記実施例のように電流
リミッタ21における操舵方向ごとの電流限界値
MAXP,iMAXNを固定とする代わりに、逐一修正して、
電流制御アンプ3の正負電流特性(操舵方向ごとの電流
特性)間の差や、後輪操舵機構4の経年変化等による操
舵方向間の伝達特性の差に基づく、左右最大後輪舵角の
差に対処して、この差を生ずることのないようにした本
発明の他の例を示す。
【0036】図6においては、ステップ61〜65で後
輪舵角指令値δRM及びモータ駆動電流指令値iM を求め
て出力する。即ち、先ずステップ61で操舵角θ及び車
速Vを読み込み、これらを基にステップ62で前述した
例と同様にして、狙いとする車両挙動を生じさせるため
の後輪舵角指令値δRM(K)を演算する(KはK回目の
演算であることを意味する)。次いでステップ63にお
いて、後輪実舵角δR(K)を読み込み、ステップ6
4,65で前述した例と同様にして電流指令値i
M (K)を演算し、これを出力する。但し、本例では、
電流指令値を演算するに当たって用いる両方向限界値i
MAXP,iMAXNを固定とせず、以下の演算によって逐一修
正する。
【0037】これがため、ステップ66〜69におい
て、電流指令値iM (K)が電流限界値iMAXPまたはi
MAXNに達したか否かをチェックし、達しない間、電流指
令値i M (K)が電流限界値iMAXPまたはiMAXNに達し
ている継続時間を後述の如くに計測するためのタイマカ
ウンタCNTP,CNTNを0にリセットし続ける。
【0038】この処理の後、ステップ70で、後輪舵角
指令値δRM(K)の時間変化割合(変化速度)(d/d
t)δRM(K)を演算し、ステップ71でこの変化速度
(d/dt)δRM(K)が設定値(d/dt)δoを越
えた後輪舵角指令値高速変化時か否かをチェックする。
また、ステップ72では後輪実舵角δR (K)の時間変
化割合(変化速度)(d/dt)δR (K)を演算し、
ステップ73でこの変化速度(d/dt)δR (K)が
設定値(d/dt)δoを越えた後輪実舵角高速変化時
か否かをチェックする。
【0039】さらにステップ74,75において、後輪
実舵角変化速度(d/dt)δR (K)の極性、つまり
後輪実舵角の変化方向ごとに、電流指令値iM (K)が
対応する限界値iMAXP,iMAXNに至る電流指令値最大状
態か否かをチェックする。
【0040】ステップ74または75で、電流指令値最
大状態と判別すると、つまりステップ74において後輪
が左舵角増大中で且つ電流指令値iM (K)が対応する
限界値iMAXPに達したと判別するか、若しくはステップ
75において後輪が右舵角増大中で且つ電流指令値iM
(K)が対応する限界値iMAXNに達したと判別すると、
後輪舵角増大方向に対応した図7におけるループ76〜
80または81〜85に制御を進める。
【0041】ループ76〜80が選択されている間は、
ステップ76,77で、後輪実舵角変化速度(d/d
t)δR (K)の最高値(d/dt)δP を更新し続
け、更にステップ78,79で、ステップ80における
インクリメントにより電流指令値iM (K)が電流限界
値iMAXPに達している継続時間を計測するためのタイマ
カウンタCNTPが設定時間TP 以上を示すようになっ
た時、後輪実舵角変化速度の最高値(d/dt)δP
(d/dt)δPMAXにセットしてこれを後述した対応す
る電流限界値iMAXPの修正に資する。
【0042】ループ81〜85が選択されている間は、
ステップ81,82で、後輪実舵角変化速度(d/d
t)δR (K)の最高値(d/dt)δN を更新し続
け、更にステップ83,84で、ステップ85における
インクリメントにより電流指令値iM (K)が電流限界
値iMAXNに達している継続時間を計測するためのタイマ
カウンタCNTNが設定時間TN 以上を示すようになっ
た時、後輪実舵角変化速度の最高値(d/dt)δN
(d/dt)δNMAXにセットしてこれを後述した対応す
る電流限界値iMAXNの修正に資する。
【0043】これらの処理の後に選択され、またステッ
プ71で後輪舵角指令値高速変化時でないと判定した
り、ステップ73で後輪実舵角高速変化時でないと判定
したり、ステップ74,75で電流指令値最大状態でな
いと判定した時に、当該処理をスキップして選択される
ステップ86〜89では、電流指令値iM (K)が限界
値iMAXP,iMAXNでなく、更に上記(d/dt)δPMAX
または(d/dt)δ NMAXが0でなく、且つ上記(d
/dt)δP または(d/dt)δN が0でないことを
条件に、以下の如く電流限界値iMAXP,iMAXNの修正を
行う。
【0044】即ち、先ず操舵方向ごとの後輪実舵角変化
速度の最高値(d/dt)δPMAXおよび(d/dt)δ
NMAX間における差ε
【数6】 ε=(d/dt)δPMAX−(d/dt)δNMAX を、後輪舵角達成状況判定資料として演算する。そし
て、後輪舵角達成状況判定資料εと、電流指令値修正ゲ
イン△Iとから、両方向の電流限界値iMAXP,i
MA XNを、
【数7】iMAXP←iMAXP−ε・△I
【数8】iMAXN←iMAXN−ε・△I により修正する。この修正は、後輪舵角達成状況の高い
転舵方向における電流限界値が、後輪舵角達成状況の低
い転舵方向における電流限界値よりも大きくなるよう、
両限界値を修正することに通じる。なお、この時併せて
(d/dt)δP及び(d/dt)δN を夫々、次回の
制御のために0にリセットする。
【0045】以上の本例装置においては、電流リミッタ
21(図3参照)の両転舵方向における電流限界値i
MAXP,iMAXNを、後輪舵角達成状況の高い転舵方向にお
ける電流限界値が、後輪舵角達成状況の低い転舵方向に
おける電流限界値よりも大きくなるよう、逐一修正する
から、電流制御アンプ3の正負電流特性(操舵方向ごと
の電流特性)間の差や、後輪操舵機構4の経年変化等に
よる操舵方向間の伝達特性の差が本来なら、左右最大後
輪舵角間に差を生じさせる処ながら、この差を生ずるこ
とのないようにして、最大後輪舵角を両転舵方向とも確
実に同じにすることができ、舵角方向によって車両挙動
が違ってしまうという不都合を回避し得る。
【0046】尚、本例では、これのみに留まらず、前記
実施例と同様に、ギヤ組42〜45(図2参照)の伝達
効率が転舵方向で異なることによって生ずる転舵方向間
における最大後輪舵角の違いをなくすのにも有効であ
る。
【0047】本例において、電流指令値iM に対するモ
ータ駆動電流iの初期特性が図8に破線で示すようにず
れている場合の、つまり電流指令値iM が正の時実電流
iが20%多く流れ、電流指令値iM が負の時実電流i
が20%少なくなる場合のシミュレーション結果を図9
に示す。このシミュレーション結果から明らかなよう
に、電流指令値iM は当初、正方向及び負方向とも同じ
電流限界値iMAXP0 ,i MAXN0 まで出力されるが、その
後正負で異なる電流限界値iMAXP1 ,iMAXN1 を限界と
して電流指令値iM は設定されるようになる。これによ
り、電流制御アンプ3の正負電流特性間の差や、後輪操
舵機構4の経年変化等による操舵方向間における伝達特
性の差があっても、これらを補償して最大後輪舵角を両
転舵方向とも確実に同じにすることができ、ヨーレイト
(d/dt)φの目標値(d/dt)φM に対する追従
状態から明らかなように転舵方向によって車両挙動が違
ってしまうという不都合をなくし得ることを確かめた。
【0048】なお本例では、後輪舵角達成状況として転
舵方向間におけるモータ回転数の差を用いたが、その他
にモータの回転数及び駆動電流(出力トルク)の積で表
されるモータ出力の転舵方向間における差を用いてもよ
いことは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】かくして本発明の舵角制御装置は請求項
1に記載の如く、転舵手段の車輪転舵方向間における伝
達効率の大小に応じ、伝達効率が小さな転舵方向におけ
る転舵手段操作量の限界値が、伝達効率の大きな転舵方
向における転舵手段操作量の限界値よりも大きくなるよ
う、これら両限界値を設定したから、舵角制御量が速
く、大きく変化する場合等のように、車輪実舵角を該舵
角制御量に持ち来すための操作量が限界値に至るような
場合において、転舵手段が転舵方向に応じ伝達効率を異
にしていても、最大車輪舵角を両転舵方向とも同じにす
ることができ、転舵方向によって車両挙動が違ってしま
うという不都合を回避し得る。
【0050】また、請求項2に記載の本発明装置は、舵
角制御量に対する転舵手段の両方向舵角達成状況をモニ
タし、このモニタ結果に応じて、舵角達成状況が低い転
舵方向における上記操作量の限界値が、舵角達成状況の
高い転舵方向における操作量の限界値よりも大きくなる
よう、これら両限界値の少なくとも一方を変更すること
から、舵角制御量が速く、大きく変化する等の場合よう
に、車輪実舵角を該舵角制御量に持ち来すための操作量
が限界値に至るような場合において、電流制御特性が転
舵方向で違っていても、また転舵手段が転舵方向に応じ
伝達効率を異にしていても、車輪舵角を両転舵方向とも
同じにすることができ、舵角方向によって車両挙動が違
ってしまうという不都合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の舵角制御装置の一実施例を示す機能別
ブロック線図である。
【図2】後輪操舵機構の一構成例を示す略線図である。
【図3】電流指令値演算部の詳細ブロック線図である。
【図4】電流制御アンプの詳細ブロック線図である。
【図5】電流制御アンプ内における電流指令変換器の動
作説明に用いた入出力動作波形図である。
【図6】本発明舵角制御装置の他の例を示す電流限界値
修正プログラムのフローチャートである。
【図7】同例における電流限界値修正プログラムの残部
を示すフローチャートである。
【図8】同例のシミュレーションに当り設定した電流制
御特性を示す図である。
【図9】同例のシミュレーション結果を示す動作波形の
タイムチャートである。
【符号の説明】
1 後輪舵角指令演算部 2 電流指令値演算部 3 電流制御アンプ 4 後輪操舵機構 5 車両 21 電流リミッタ 31 パワー素子 32 ダイオード 33 シャント抵抗 34 差動増幅器 35 電流指令変換器 36 パルス幅変調信号発生器 37 三角波発生器 38 極性判定器 39 PWMロジック演算部 40 パワー素子ドライバ 41 電気モータ 42 ウオーム 43 ウオームギヤ 44 ピニオン 45 ラック 46 サイドロッド 47 ナックルアーム 48 後輪

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵角制御量に応じた操作量を演算する操
    作量演算手段と、該操作量に応じて車輪を左右両方向へ
    転舵する転舵手段と、前記操作量の限界値を設定する操
    作量制限手段とを具備した車両の舵角制御装置におい
    て、 前記転舵手段の車輪転舵方向間における伝達効率の大小
    に応じ、該伝達効率が小さな転舵方向における前記操作
    量の限界値が、伝達効率の大きな転舵方向における操作
    量の限界値よりも大きくなるよう、これら両限界値を設
    定したことを特徴とする車両の舵角制御装置。
  2. 【請求項2】 舵角制御量に応じた操作量を演算する操
    作量演算手段と、該操作量に応じて車輪を左右両方向へ
    転舵する転舵手段と、前記操作量の限界値を設定する操
    作量制限手段とを具備した車両の舵角制御装置におい
    て、 前記舵角制御量に対する前記転舵手段の両方向舵角達成
    状況をモニタする舵角達成状況モニタ手段と、 該舵角達成状況が低い転舵方向における前記操作量の限
    界値が、舵角達成状況の高い転舵方向における操作量の
    限界値よりも大きくなるよう、これら両限界値の少なく
    とも一方を変更する操作量限界値変更手段とを設けたこ
    とを特徴とする車両の舵角制御装置。
JP33601892A 1992-12-16 1992-12-16 車両の舵角制御装置 Pending JPH06179375A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010254272A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Honda Motor Co Ltd 車両の後輪操舵制御装置
JP5429290B2 (ja) * 2009-09-11 2014-02-26 トヨタ自動車株式会社 後輪操舵装置の制御装置

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JP2010254272A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Honda Motor Co Ltd 車両の後輪操舵制御装置
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