JPH06178557A - 振動モータの駆動回路 - Google Patents

振動モータの駆動回路

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Publication number
JPH06178557A
JPH06178557A JP43A JP34974292A JPH06178557A JP H06178557 A JPH06178557 A JP H06178557A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 34974292 A JP34974292 A JP 34974292A JP H06178557 A JPH06178557 A JP H06178557A
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JP
Japan
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voltage
resonance frequency
frequency
motor
amplifier
Prior art date
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Pending
Application number
JP43A
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English (en)
Inventor
Masahiko Komoda
晶彦 菰田
Yoshitaka Takemura
芳孝 竹村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asmo Co Ltd
Denso Corp
Original Assignee
Asmo Co Ltd
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asmo Co Ltd, NipponDenso Co Ltd filed Critical Asmo Co Ltd
Priority to JP43A priority Critical patent/JPH06178557A/ja
Publication of JPH06178557A publication Critical patent/JPH06178557A/ja
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 回路規模を縮小すると共に、振動モータの回
転方向を効率良く切替え、かつ最適駆動周波数で駆動す
ることができる振動モータの駆動回路を提供する。 【構成】 駆動回路110は、発振器112,増幅器1
14,掃引回路116,共振周波数検出部118,制御
部120,切替スイッチ124を含んで構成される。掃
引回路116によって発振器112の出力周波数が掃引
され、この周波数範囲内で共振周波数検出部118が共
振点の検出を行う。このとき増幅器114は、発振器1
12の出力を低い増幅率で増幅して振動モータ100に
印加する。また、実際に振動モータ100を駆動する場
合は、発振器112の出力周波数を最適駆動周波数に設
定し、高い増幅率で増幅し振動モータ100に印加す
る。このとき切替スイッチ124を操作することによ
り、駆動電圧を印加する領域を切替えることができ、こ
れにより回転方向が切り替わる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、定在波を用いて駆動さ
れる振動モータの駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、進行波を利用した振動モータ
(超音波モータ)においては、位相が90°異なる2つ
の駆動電圧を印加して圧電素子を振動させている。
【0003】図16は、従来の進行波振動モータの駆動
回路の一例を示す図である。
【0004】駆動回路410は、超音波モータ400を
回転駆動するためのものである。制御対象となる振動モ
ータ400は、圧電素子402を有しており、この圧電
素子402の片面あるいは両面に分割された電極40
4,406,408を有している。電極404,406
は、それぞれ位相が90°異なる駆動電圧を印加するた
めのものであり、これらの電極に対応する圧電素子40
2の各部が振動し、この振動が合成されて進行波が発生
する。また、電極408は、フィードバック信号を取り
出すためのものであり、取り出されたフィードバック信
号は、駆動回路410に入力される。
【0005】駆動回路410は、発振器412,増幅器
414,416,移相器418,周波数追尾回路420
を含んで構成される。発振器412の出力を増幅器41
4で増幅して振動モータ400の電極404に印加する
と共に、発振器412の出力を移相器418を介して位
相を90°ずらした後に、増幅器416で増幅して電極
406に印加する。このようにして位相が互いに90°
異なる2つの交流電圧が振動モータ200に印加され、
進行波に合成されて楕円振動となって振動モータ400
が駆動される。また、周波数追尾回路420は、振動モ
ータ400からのフィードバック信号に基づいて、圧電
素子402の振動状態を監視しており、その振動状態が
最適となるなるように発振器412に制御信号を送る。
発振器212は、周波数追尾回路420からの制御信号
に応じて、出力信号の周波数を変化させる。これによ
り、駆動回路410は、最も効率良く超音波モータ20
0を駆動することができる。
【0006】上述した駆動回路410は、制御方法の一
例としてVFB一定制御を示しているが、そのほかにもV
A −VFB位相一定制御、VA −IA 位相一定制御等種々
のものが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した進
行波型の超音波モータの駆動回路410においては、位
相がそれぞれ90°異なる駆動電圧を2つ発生させる必
要があるため、昇圧部となる増幅器414,416も2
つ必要であり、駆動回路410の規模が大きくなると共
に、製造コストも高くなるという問題点があった。
【0008】ところで、本出願人は、従来の進行波型の
振動モータとは動作原理の異なる定在波型の振動モータ
を提案している。例えば、出願番号特願平4−1154
89号,特願平4−212083号などが出願済みであ
る。これらの定在波型の振動モータは、単一の定在性振
動波を用いて回転駆動させることができることに特徴が
ある。従って、この定在波型の振動モータの駆動回路に
おいては、増幅器の数を減らして回路の簡略化が可能と
なる。また、双方向の回転駆動を行うためには、回転方
向を切り換えるための構成が必要となる。さらに、上述
した従来の進行波型振動モータの駆動回路410では、
回転駆動中も周波数の追尾制御を行うことにより、最適
な駆動周波数で振動モータ400を駆動しているが、こ
のような複雑な構成を有さずに最適な駆動周波数で駆動
することができれば便利である。
【0009】そこで、本発明は定在波型の振動モータの
駆動回路の回路規模を縮小することを目的とする。
【0010】また、本発明は、定在波型の振動モータの
回転方向を効率良く切り換えることを目的とする。
【0011】また、本発明は、定在波型の振動モータを
最適駆動周波数で駆動することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の振動モータの駆動回路は、ステータ部
の圧電素子を複数領域に分割し、この分割された領域に
モータ駆動電圧を印加して、得られた定在性振動波によ
ってロータ部を回転させる振動モータの駆動制御を行う
振動モータの駆動回路において、モータ駆動用の所定周
波数の交流電圧を発生する発振器と、前記発振器で発生
した交流電圧を増幅してモータ駆動電圧を出力する増幅
器と、前記圧電素子内の領域を選択し、この選択した領
域に対して前記増幅器から出力されるモータ駆動電圧を
印加する切替スイッチと、を備え、前記切替スイッチに
よってモータ駆動電圧を印加する前記圧電素子内の領域
を選択することにより、振動モータの正転あるいは反転
駆動を行うことを特徴とする。
【0013】また、本発明の振動モータの駆動回路は、
ステータ部の圧電素子にモータ駆動電圧を印加し、得ら
れた定在性振動波によってロータ部を回転させる振動モ
ータの駆動制御を行う振動モータ駆動の駆動回路におい
て、所定周波数の交流電圧を発生する発振器と、前記発
振器で発生した交流電圧を増幅してモータ駆動電圧ある
いは共振周波数検出用電圧を出力する増幅器と、前記電
圧素子に接続され、前記ステータ部の共振周波数の検出
を行う共振周波数検出部と、前記発振器によって発生す
る共振周波数検出用電圧の周波数を所定範囲で掃引する
掃引部と、前記掃引部によって前記発振器で発生した共
振周波数検出用の周波数を掃引しているときは前記増幅
器の増幅率を低く設定して前記共振周波数検出部による
共振周波数の検出を行い、その後、この検出した共振周
波数に基づいて前記発振器の出力周波数を設定すると共
に、前記増幅器の増幅率を高く設定して共振周波数のモ
ータ駆動電圧を前記ステータ部の圧電素子に印加する制
御を行う制御部と、を備え、モータ駆動に先立って前記
ステータ部の共振周波数を検出し、この共振周波数に基
づいて設定した周波数でモータの回転駆動を行うことを
特徴とする。
【0014】また、本発明の振動モータの駆動回路は、
ステータ部の圧電素子を複数領域に分割し、この分割さ
れた領域にモータ駆動電圧を印加して、得られた定在性
振動波によってロータ部を回転させる振動モータの駆動
制御を行う振動モータの駆動回路において、所定周波数
の交流電圧を発生する発振器と、前記発振器で発生した
交流電圧を増幅してモータ駆動電圧あるいは共振周波数
検出用電圧を出力する増幅器と、前記圧電素子内の領域
を選択し、この選択した領域に対して前記増幅器から出
力されるモータ駆動電圧あるいは共振周波数検出用電圧
を印加する切替スイッチと、前記圧電素子に接続され、
前記ステータ部の共振周波数の検出を行う共振周波数検
出部と、前記発振器によって発生する共振周波数検出用
電圧の周波数を所定範囲で掃引する掃引部と、前記掃引
部によって前記発振器で発生した共振周波数検出用の周
波数を掃引しているときは、前記増幅器の増幅率を低く
設定することにより共振周波数検出用電圧を前記圧電素
子に印加して、前記共振周波数検出部による共振周波数
の検出を行い、その後この検出した共振周波数に基づい
て前記発振器の出力周波数を設定すると共に、前記増幅
器の増幅率を高く設定することによりモータ駆動用電圧
を出力して、この共振周波数のモータ駆動電圧を前記ス
テータ部の圧電素子に印加する制御を行う制御部と、を
備え、前記切替スイッチによって前記ステータ部の共振
周波数に基づいて設定した周波数のモータ駆動電圧を印
加する前記圧電素子内の領域を選択することにより、振
動モータの正転あるいは反転駆動を行うことを特徴とす
る。
【0015】
【作用】本発明の振動モータの駆動回路は、ステータ部
の圧電素子にモータ駆動電圧を印加して得られた定在性
振動波によってロータ部を回転させる振動モータの駆動
を行う。
【0016】発振器によってモータ駆動用の所定周波数
の交流電圧を発生すると、増幅器はこの電圧を増幅して
モータ駆動電圧とする。そして、このモータ駆動電圧を
切替スイッチを介してステータ部の圧電素子に印加す
る。この圧電素子は、複数領域に分割されており、ある
領域にモータ駆動電圧が印加されることにより、振動モ
ータが正転駆動される。また、切替スイッチを切替える
ことにより、モータの駆動電圧が印加される圧電素子の
領域が切り替わる。これにより、振動モータが逆転駆動
される。
【0017】本発明においては、増幅器から出力される
モータ駆動電圧の印加先を切替スイッチによって切替え
ることにより、振動モータを正転及び逆転の双方向に回
転駆動することができる。したがって、切替スイッチに
よる切替えを行うだけで、振動モータの回転方向を効率
よく切替えることができる。
【0018】また、振動モータの正転駆動用のモータ駆
動電圧と、反転駆動用のモータ駆動電圧とを共通の増幅
器から出力することができるため、駆動回路の回路規模
を縮小することができる。
【0019】また、本発明の振動モータの駆動回路は、
発振器の出力周波数を掃引しながらステータ部の共振周
波数検出を行っており、共振周波数を検出した後、この
共振周波数に基づいて設定した周波数のモータ駆動電圧
で振動モータの回転駆動を行う。このとき、共振周波数
の検出を行う際には増幅器の増幅率を低く設定し、低電
圧の交流電圧を振動モータに印加することによって、実
際には振動モータを回転させない状態で共振周波数の検
出を行う。また、振動モータを回転駆動させる場合に
は、増幅器の増幅率を高く設定して実際に振動モータを
回転駆動することができる振幅値の大きなモータ駆動電
圧を印加する。
【0020】本発明においては、振動モータの回転駆動
に先立ってステータ部の共振周波数を検出しており、こ
の共振周波数に基づいて設定した周波数で振動モータの
回転駆動を行うことができるので、最適駆動周波数で駆
動することができる。
【0021】また、共振周波数の検出は、モータの駆動
に先立って行っているため、回転駆動中に随時最適駆動
周波数を追尾するための複雑な構成が不要であり、回路
規模を縮小することができる。
【0022】また、本発明の振動モータの駆動回路は、
上述したように共振周波数を検出した後、増幅器から出
力されるモータ駆動電圧を切替スイッチによって適宜切
替えることにより、ステータ部の圧電素子の異なる領域
に印加して振動モータを正転または反転の双方向に駆動
することができる。したがって、切替スイッチの切替え
を行うだけで効率良く回転方向を切替えることができ
る。
【0023】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。
【0024】第1実施例 (1)第1実施例の構成 図1は、本発明を適用した第1実施例の駆動回路の構成
を示す図である。同図には、駆動回路110の詳細構成
と、この駆動回路110によって駆動制御される振動モ
ータ100との接続状態が示されている。 (1a)駆動回路の構成 駆動回路110は、発振器112,増幅器114,掃引
回路116,共振周波数検出部118,制御部120,
起動スイッチ122,切替スイッチ124,抵抗126
を含んで構成される。
【0025】制御部120は、駆動回路110の全体を
制御するものであり、起動スイッチ122からの指示を
受けて、振動モータ100の駆動制御を行う。起動スイ
ッチ122を操作したときにON信号が制御部120に
送られる。
【0026】発振器112は、電圧制御型発振器(VC
O)であり、制御電圧に1対1に対応した周波数の発振
信号(交流電圧)を出力する。従って、この発振器11
2の制御電圧を連続的に変化させることにより、発振器
112の出力信号の周波数を連続的に変えることができ
る。
【0027】増幅器114は、発振器112の出力信号
を電力増幅するものである。この増幅器114の出力
は、切替スイッチ124を介して、振動モータ100に
供給される。すなわち、増幅器114の出力は、モータ
駆動電圧として振動モータ100に印加されるようにな
っている。
【0028】切替スイッチ124は、増幅器114の出
力を振動モータ100に印加する際に、その印加先を切
り替えるものである。この切替スイッチ124の切替え
操作により、振動モータ100の回転方向が切り替わる
ようになっている。掃引回路116は、発振器112の
出力周波数を一定範囲で掃引するための制御電圧を発生
するためのものである。掃引回路116は、制御部12
0からの指示に応じて、出力電圧を一定方向に変化させ
(例えば増加させ)、この変化する出力電圧が発振器1
12に制御電圧として印加される。従って、発振器11
2では、掃引回路116の出力電圧の変化にともない、
出力周波数が変化する。
【0029】共振周波数検出部118は、振動モータ1
00の共振点を検出するものである。共振点の検出は、
振動モータ100の負荷インピーダンスの変化を観察す
ることにより、あるいは振動モータ100内の圧電素子
の駆動電流の変化を観察することにより行う。検出結果
は、制御部120に通知される。 (1b) 振動モータの構造 次に、制御対象となる振動モータ100の詳細な構造に
ついて説明する。この振動モータ100は、定在性振動
波によって回転駆動されるものであり、従来の進行波型
振動モータとは異なる構造を有している。
【0030】図2は、振動モータ100の概略的な構造
を示す図である。
【0031】本実施例の振動モータ100は、ロータ部
30,ステータ部40とを有する。
【0032】そして、ステータ部40の電極板46,4
8に単相の駆動電圧(高周波交流電圧)を印加すること
により、ステータ部40のロータ対向面60,表面の突
起部62上に楕円振動を発生させ、これにより突起部6
2に接するロータ部30を正転および逆転駆動するもの
である。
【0033】前記ロータ部30は、ロータ対向面60上
の突起部62に一定の圧力で接触する円板32と、この
円板32の回転中心に取り付けられた回転出力軸34と
を含む。
【0034】また、前記ステータ部40は、例えばセラ
ミックス等の圧電体を用いてリング状に形成され、かつ
互いに分極方向の異なる2個の圧電素子42,44と圧
電素子44の両側に設けられた第1の電極板46および
第2の電極板48と、圧電素子42,44の両側にそれ
ぞれ配置された偏平板状の第1の金属ブロック体50お
よび第2の金属ブロック体52と、両金属ブロック体5
0,52を圧電素子42,44を締め付けるように連結
固定する結合ボルト54とを含み、全体として偏平形状
となるように形成されている。
【0035】図3,図4は、前記ステータ部40の詳細
な構造を示す図である。
【0036】図3はステータ部40を組み立てた状態
を、図4はその分解斜視図をそれぞれ示している。
【0037】前記第1,第2金属ブロック体50,52
の中心にはネジ孔が形成され、さらに圧電素子42,第
1の電極板46,圧電素子44,第2の電極板48の中
心にはボルト挿通孔42a,46a,44a,48aが
設けられている。そして、前記ボルト挿通孔42a,4
6a,44a,48aに、絶縁体によって形成されたカ
ラー56が挿通された結合ボルト54を挿通し、この結
合ボルト54の両端に設けられたエッジ部を、前記第1
および第2の金属ブロック体50,52を中心に形成さ
れたネジ孔に螺合させる。これにより、圧電素子42,
44の両端に、第1の金属ブロック体50および第2の
金属体52が、圧電素子42,44を締め付けるように
連結固定されることになる。
【0038】また、前記第1の電極板46は、円周方向
に6分割されるようにスリット部46cが設けられ、そ
の外周部が連結部46bにより互いに連結されている。
この第1の電局板46は、その直径が圧電素子42,4
4の直径より幾分大きめに形成され、ステータ40を組
み立てた際、その外周部および連結部46bがステータ
外部へ突出するようになっている。これにより、ステー
タ部40の組立て終了後に、前記連結部46bを切断す
ることで互いに電気的に絶縁された分割電極板46−
1,46−2…,46−6を得ることができる。
【0039】また、各分割電極板46−1〜46−6の
ステータ外部へ突出する部分は、図3に示すように、外
部接続端子45−1〜45−6を構成することになり、
これに図2に示すよう引き出し線64−1〜64−6が
接続されることになる。
【0040】さらに、前記第2の電極板48の外周に
は、ステータ部40の外部へ突出する外部接続端子49
が設けられ、これに図2に示すよう、接地側の引き出し
線66が接続されることになる。
【0041】また、本実施例の金属ブロック体50,5
2は、金属性の結合ボルト54により相互に連結固定さ
れている。このため、第2の電極板48を加圧すると自
動的に第2の金属ブロック体52,結合ボルト54,第
1の金属ブロック体50がアース電位となる。従って、
第1の金属ブロック体50は、圧電素子42の片面に対
し、第2の電極板48と同様に機能することになる。
【0042】なお、前記結合ボルト54は、絶縁性のカ
ラー56により、圧電素子42,44および第1の電極
板46と電気的に絶縁されている。
【0043】さらに、第1の金属ブロック体50のロー
タ対向面60上には放射状の突起部62が複数個形成さ
れている。上述した6つの分割電極板46−1〜46−
6の隣接する2つずつを1組とし、各組の中央に設けら
れたスリット部46cに対応したロータ対向面60上の
位置および方向に突起部62が形成されている。従っ
て、突起部62は、120°おきに3個設けられてい
る。
【0044】このように構成された振動モータを用い
て、ロータ部30を正転駆動する場合には、第2電極板
48をアースし、1つおきの3つの分割電極板46−
1,46−3,46−5を1つのグループとして、これ
らに共通の単相交流電圧を印加する。これにより、これ
らの分割電極板46−1,46−3,46−5と接する
圧電素子42,44の各電圧印加領域には、交流電圧に
対応した振動が発生する。そして、この発生した振動の
山の中心からずれた位置に形成された突起部62上に
は、一方向(準方向)の楕円振動が発生する。これによ
りロータ対向面60と接するロータ部30は準方向に回
転駆動されることになる。
【0045】図5は、楕円振動の発生を説明するための
概略を示す図である。
【0046】同図(A)は、ステータ部40を円周方向
に展開した図であり、モータ駆動電圧を印加する前の状
態を示している。隣接する2つの分割電極板を一組と
し、各組の一方の分割電極板46−1,46−3,46
−5に対応したステータ40の各領域をA領域、各組の
他方の分割電極板46−2,46−4,46−6に対応
したステータ部40の各領域をB領域とすると、各組の
A領域とB領域の境界に3つの突起部62が形成され、
ロータ部30に接触している。
【0047】同図(B)は、上述したステータ部40の
A領域のみにモータ駆動電圧を印加した場合の振動状態
を示している。突起部62の端面のA領域側に着目する
と、ステータ部40のA領域が延びたときには、ロータ
部30を右方向に押出すように作用し、縮んだときには
ロータ部30から離れる。従って、突起部62端面のA
領域側には楕円振動が発生し、この楕円振動がロータ部
30を一方向に回転駆動する。
【0048】また、ロータ部30を逆転駆動する場合
は、B領域のみに単相の交流電圧を印加する。このと
き、突起部62端面のB領域側には楕円振動が発生し、
この楕円振動がロータ部30を逆方向に回転駆動する。
【0049】このように、本実施例の振動モータ100
においては、駆動電圧を印加する分割電極板46の領域
を切り換えることで、ロータ部30を正転および逆転駆
動することができる。しかも、捩り振動必要とすること
なく、ロータ対向面60表面に設けた突起部62に直接
楕円振動させることができるため、モータの構成が簡単
なものとなり、しかも回転出力を効率良く発生させるこ
とができる。
【0050】本実施例の振動モータ100をより効率良
く駆動するためには、前記駆動電圧の周波数を、ステー
タ部40が共振現象を起こすような値(共振周波数)に
基づいて設定することが好ましいが、この周波数で駆動
する場合の詳細な制御手順については後述する。 (2)第1実施例の動作 次に、本実施例の駆動回路110の詳細動作について説
明する。
【0051】図6は、駆動回路110によって振動モー
タ100を駆動制御する場合の詳細な動作手順を示す図
である。
【0052】本実施例においては、駆動回路110は、
振動モータ100の回転駆動に先立って、共振周波数の
検出動作を行う。そして、次にこの検出した共振周波数
に基づいて設定した周波数で振動モータ100を回転駆
動する。なお、この共振周波数の検出動作は、振動モー
タ100を回転駆動するごとにこの回転駆動に先立って
行うものであり、これにより、温度等の環境条件が異な
り共振周波数が異なった場合でも、常に共振周波数を見
出だして振動モータ100を回転駆動することができる
ようになっている。
【0053】起動スイッチ122を操作することによ
り、振動モータ100の駆動(例えば正転駆動)が指示
され、以下の制御動作を行う。
【0054】まず、駆動回路110は、振動モータ10
0に対し共振周波数検出用の振幅値の小さな交流電圧を
印加する(ステップ601)。具体的には、制御部12
0は、増幅器114に指示を送って増幅器114の増幅
利得を低く設定すると共に、掃引回路116に指示を送
って、掃引回路116から発振器112に印加される電
圧が初期値となるように設定する。発振器112は、掃
引回路116の出力電圧に応じた周波数の信号を出力す
る。そして、増幅器114は、この所定周波数の出力信
号を低利得(低い増幅率)で増幅し、出力する。この増
幅出力は、切替えスイッチ124を介して、分割電極板
46−1〜46−6の内の一群に供給される。正転駆動
の場合は、A群の分割電極板46−1,46−3,46
−5のそれぞれに供給される。
【0055】次に、駆動回路110は、振動モータ10
0に印加する共振周波数検出用交流電圧の周波数を掃引
する。具体的には、制御部120は、掃引回路116に
指示を送り、掃引回路116はこの指示に応じて、出力
する制御電圧を連続的に変化させる。例えば、初期値と
なる制御電圧から徐々に電圧値が上昇するように変化さ
せる。発振器112は、この掃引回路116の制御電圧
の変化に応じて、出力周波数を変化させる。この発振器
の出力は、増幅器114により増幅されて、切替スイッ
チ124を介して振動モータ100の分割電極板46−
1,46−3,46−5に印加される。従って、振動モ
ータ100に印加される共振周波数検出用交流電圧の周
波数が次第に変化し、周波数の掃引動作が行われる。
【0056】次に、駆動回路110は、共振周波数の検
出を行う(ステップ603)。上述したステップ602
において振動モータ100に共振周波数検出用交流電圧
が印加されている際に、共振周波数検出部118は、振
動モータ100のステータ部40が共振点にあるか否か
を検出している。具体的には、負荷インピーダンスが最
少となる周波数、あるいは抵抗126に流れる電流が最
大となる周波数を検出する。検出結果は、制御部120
に通知される。
【0057】次に、駆動回路100は、駆動周波数の設
定を行う(ステップ604)。共振周波数検出部118
からの検出結果が入力されると、制御部120は、検出
した共振周波数に対してΔfだけ加えた周波数を振動モ
ータ100の駆動周波数として設定する(このΔfの意
味については後述する)。
【0058】次に、駆動回路110は、振動モータ10
0に対し駆動電圧を印加する(ステップ605)。
【0059】具体的には、最初に制御部120は、決定
した駆動周波数(「第1の周波数f1」とする)より所
定の値だけ高い周波数(「第2の周波数f2」とする)
を発生させるための制御電圧を、掃引回路116を介し
て発振器112に印加する。発振器112は、この印加
される制御電圧に対応して第2の周波数f2の交流電圧
を出力する。次に制御部120は、第2の周波数f2か
ら第1の周波数f1まで周波数を掃引するために制御電
圧を変化させ、この変化する制御電圧を掃引回路116
を介して発振器112に印加する。発振器112は、こ
の印加される制御電圧に対して、第2の周波数f2から
第1の周波数f1に向けて周波数が変化する交流電圧を
出力する。このようにして、最終的に第1の周波数f1
の交流電圧が発振器112から出力される。
【0060】また、このような周波数の掃引動作と並行
して、制御部120は、増幅器114に指示を送って増
幅器114の増幅利得を高く設定する。従って、増幅器
114は、高い増幅率で掃引される発振器112の出力
を増幅し、この増幅出力は切替スイッチ124を介して
振動モータ100に駆動電圧として供給される。これに
より、第2の周波数f2から第1の周波数f1に向けて
駆動周波数が変化し、最終的には、第1の周波数f1を
駆動周波数として振動モータ100が正転駆動される。
【0061】なお、上述した周波数の掃引動作は、最終
的に目標とする第1の周波数f1で振動モータ100を
効率よく駆動するために行うものであるが、この掃引動
作を行わずに、検出した共振周波数により設定した第1
の周波数f1によって直接振動モータ100を正転駆動
するようにしてもよい。
【0062】図7は、圧電素子42,44に印加される
交流電圧の周波数とインピダンスとの関係を示す図であ
る。横軸が周波数fを、縦軸がインピダンスZをそれぞ
れ示している。
【0063】例えば、周波数fを低周波側から高周波側
に掃引する場合を考える。周波数fを徐々に上げていく
と、インピダンスZは、ほぼ一定の状態を保った後、急
激に低下し、その後再び急激に上昇する。このインピダ
ンスZが極小となる点(図中A点)が共振点であり、こ
のときの周波数f1がステップ603で検出される共振
周波数である。なお、同図に示すようにB点には極大点
があらわれるが、この点は***振点であり実際のモータ
駆動には使われない。
【0064】ところで、実際のモータ駆動に際しては、
モータの駆動周波数を共振周波数よりΔfだけ高く設定
している。これは、共振点Aにおける振幅があまり大き
い場合には圧電素子42,44が割れる等の不都合を生
じる場合があるからである。
【0065】なお、振幅があまり大きくならず、上記不
都合が生じない場合は、モータ駆動周波数を共振周波数
と同一としてもよい。 (3)第1実施例のまとめ このように、本実施例によれば、発振器112から出力
される所定周波数の交流電圧を増幅器114で電力増幅
し駆動電圧とする。そして、この駆動電圧を切替スイッ
チ124によって、振動モータ100の圧電素子44の
片面に設けられたA群の電極板(46−1,46−3,
46−5)、あるいはB群の電極板(46−2,46−
4,46−6)に選択的に印加する。このようにして、
A群の電極板46に駆動電圧を印加することにより、振
動モータ100の正転駆動が行われ、反対にB群の電極
板46に駆動電圧を印加することにより、振動モータ1
00が逆転駆動される。従って、1つの増幅器114を
用い、その出力を切替えスイッチ124により印加先を
切り換えることにより、振動モータ100の正転および
逆転の両方の駆動が可能となる。このため、増幅器11
4が1つで済み、駆動回路110を簡略化することがで
きるとともに、製造コストの低減も可能となる。
【0066】また、本実施例においては、起動スイッチ
112を操作するごとに、振動モータ100の回転駆動
に先立って、共振周波数の検出動作を行っている。すな
わち、低電圧の交流電圧を振動モータ100に印加しな
がら、この交流電圧の周波数を所定方向に掃引し、この
掃引動作と平行して共振周波数の検出を行っている。共
振周波数を検出後、この検出した共振周波数により決定
した駆動周波数で、振動モータ100を駆動するので、
振動モータ100を最大効率で駆動することができる。
しかも、随時周波数を追尾する場合に比べると回路規模
を縮小することができる。 (4)第1実施例の変形態様 上述した実施例においては、共振周波数の検出を負荷イ
ンピーダンスが最少となる周波数、あるいは抵抗126
に流れる電流が最大となる周波数を検出することにより
行っていたが、圧電素子42,44の端面にフィードバ
ック用電極を設け、この電極を介して検出される振動の
振幅が最大となったときの周波数を共振周波数として検
出するようにしてもよい。
【0067】図17は、フィードバック用の電極板47
からの電圧信号に基づいて共振周波数の検出を行う場合
の駆動回路110の構成を示す図である。同図におい
て、共振周波数検出部118は、電極板(FB)47の
電圧を監視しており、その振動振幅が最大となる周波数
を検出する。検出結果は、制御部120に通知される。
【0068】なお、駆動回路110内の他の構成につい
ては、上述した第1実施例と同じであり、その説明は省
略する。また、共振周波数の検出をフィードバック用の
電極板47からの出力電圧によって行っているため、図
1に示した抵抗126は不要であり、電極板48は直接
接地されている。
【0069】また、上述した実施例においては、共振周
波数の検出を負荷インピーダンスが最少となる周波数、
あるいは抵抗126に流れる電流が最大となる周波数、
あるいは抵抗126に流れる電流が最大となる周波数を
検出することにより行っていたが、圧電素子42,44
の端面にフィードバック用電極を設け、この電極を介し
て検出される振動の振幅が最大となったときの周波数を
共振周波数として検出するようにしてもよい。
【0070】図17は、フィードバック用の電極板47
からの電圧信号に基づいて共振周波数の検出を行う場合
の駆動回路110の構成を示す図である。同図におい
て、共振周波数検出部118は、電極板(FB)47の
電圧を監視しており、その振動振幅が最大となる周波数
を検出する。検出結果は、制御部120に通知される。
【0071】なお、駆動回路110内の他の構成につい
ては、上述した第1実施例と同じであり、その説明は省
略する。
【0072】また、上述した実施例においては、制御対
象となる振動モータ100は、ボルト締めランジュバン
型振動モータを例にとって説明したが、図4に示した構
造のもの以外にも種々のものが考えられる。
【0073】図8は、振動モータの他の構造例を示す図
である。なお、上述した実施例と対応する部材には同一
符号を付し、その説明は省略する。
【0074】図8に示した振動モータの特徴は、1枚の
圧電素子44を用いて振動発生部を構成することによ
り、構造が簡単で安価な振動モータを提供することにあ
る。この振動モータは、図4に示した振動モータに比べ
て駆動力が約半分であり、比較的小出力の用途に使用さ
れる。
【0075】この場合のステータ部40は、第1の圧電
素子44のみを有し、図4に示した第2の圧電素子42
を絶縁板43で置き換えた構成をなしている。この絶縁
板43は、アースと同電位である第1の金属ブロック体
50と第1の電極板46の各分割電極板とを電気的に絶
縁するためのものである。その他の構成は、上述した実
施例に示した振動モータ100と特に変わりはない。
【0076】図9は、電極板46を上述した6分割から
4分割に換えた場合の電極板46およびそれに対応する
第1の金属ブロック体50上の突起部62の状態を示す
図である。突起部62は、隣接する分割電極板の中央付
近に対応して形成されているため、電極板46が4分割
された場合には、突起部62は2箇所となる。その他の
構成は、図4あるいは図8に示されたものと同様であ
り、交流電圧を切替スイッチ124により切り換えて選
択的に印加することにより、正転あるいは逆転駆動する
ことができる。
【0077】また、本実施例の駆動回路110は、定在
波型の振動モータであればボルト締めランジュバン型振
動モータ以外の振動モータを駆動制御することも可能で
ある。以下に、一例として定在波を用いた円環型振動モ
ータについて説明する。
【0078】図10は、この円環型振動モータの概略構
造を示す図である。振動モータ200は、リング形状を
した偏平薄型のステータ部210と、このステータ部の
ロータ対向面234に発生する楕円振動により回転駆動
されるロータ部250とを含む。なお、同図において、
ロータ部250は、ステータ部210の構造を視覚的に
解り易く図示するため、その一部が切り欠いて示されて
いる。
【0079】図11は、前記ステータ部210の分解斜
視図を概略的に示す図である。このステータ部210
は、リング形状に形成された圧電素子220と、この圧
電素子220の片面側に積層されたリング形状の振動弾
性体230とを有し、両者は接着剤を介して一体的に固
定されている。
【0080】圧電素子220の表面側には、図12に示
すようロータ部250の回転方向に沿って12個の表面
電極240−1,240−2,…240−12が形成さ
れている。さらに、圧電素子220の裏面側には、図1
2に示すよう4個の表面電極242−1,242−2,
242−3,242−4が同様にして被覆形成されてい
る。なお、等間隔に形成された5個の電極240−1,
240−2,…240−5は、圧電素子220を介して
その裏面側の電極242−1と対向しており、また同様
に等間隔に形成された5個の電極240−7,240−
8,…240−11は、圧電素子220を介してその裏
面側の電極242−3と対向している。さらに、電極2
40−6,240−12は、圧電素子220の裏面側に
形成された電極242−2,242−4と対向してい
る。
【0081】このようにして被覆形成された電極を用
い、図12に示すよう、実施例の圧電素子220は、そ
の表面側にロータ回転方向に沿って12個の分極領域2
44−1,244−2,…244−12が形成される。
隣接する各分極同士は、互いにその分極方向が異なるよ
う形成される。なお、同図において符号「+」,「−」
は、圧電素子の分極方向を示している。そして、等間隔
に分極された244−1,244−2,…244−5の
5つの領域はA相の分極領域として用いられ、等間隔に
分極された244−7,244−5,…244−11の
5つの分極領域はB相分極領域として用いられ、これら
A相及びB相の分極領域の間に位置する244−6,2
44−12の分極領域はフィードバック用分極領域とし
て用いられる。
【0082】前記振動弾性体230は、圧電素子220
に生じた超音波振動を効率よく伝えて振動するよう、例
えば銅合金などを用いて形成されている。そして、前記
圧電素子220のA相分極領域244−1,244−
2,…244−5又はB相分極領域244−7,244
−8,…244−11に所定の単相交流電圧を印加する
ことにより、前記振動弾性体230のロータ対向面23
4には、定在波が発生する。このとき、圧電素子220
に発生する振動の周波数及び振幅等の情報は、フィード
バック用分極領域240−6及び242−2と、240
−12及び242−4を介して検出される。この信号は
図1に示す駆動回路110内の共振周波数検出部118
に入力される。共振周波数検出部118は、この検出信
号の振幅値が最大となる周波数を共振周波数と判定す
る。
【0083】前記振動弾性体230のロータ対向面23
4の上にはロータ部220の回転方向に沿って複数の突
起部232が設けられている。
【0084】これら各突起部232は、前記定在波の腹
と節の中間位置に形成され、ロータ対向面234に発生
する定在波を楕円振動に変換し、突起部232に接する
前記ロータ部250を回転駆動するよう構成されてい
る。実施例ではロータ対向面234に6波長の定在波が
発生するため、前記複数の突起部232は、定在波の腹
と節の中間位置に合計12個形成されている。また、前
記ロータ部250は、リング260と、このリング26
0のステータ接触面に接着固定された摩擦剤270とを
有し、摩擦剤270が振動弾性体230の表面側に設け
られた突起部232に所定の圧力をもって接するよう形
成されている。したがって、振動弾性体230の表面に
発生する超音波の楕円振動による駆動力は、摩擦剤27
0により効率よくロータ部250へ伝達され、ロータ部
250は所定方向に回転駆動されることになる。
【0085】図14は、このような振動モータ200の
駆動原理を示す図である。
【0086】同図(A)は、ステータ部210を円周方
向に展開した概略図であり、符号「+」は印加する交流
電圧が正の時に伸びる領域(圧電素子220の「+」の
分極領域に相当する)を表し、符号「−」は印加する交
流電圧の電位が正の時縮む領域(圧電素子220の
「−」の分極領域に相当する)をそれぞれ示している。
同図(B)は、圧電素子220のA相分極領域244−
1,244−2,…244−5に単相交流電圧を印加し
た場合におけるステータ部210のロータ対向面234
の振動の様子が示されている。この単相交流電圧の印加
は、駆動回路110内の切替スイッチ124を切替える
ことにより行う。同図に示すように、A相分極領域24
4−1,244−2,…244−5に単相交流電圧を印
加した場合には、第1の定在波が発生すし、ロータ部2
50が正転駆動される。
【0087】同図(C)は、圧電素子220のB相分極
領域244−7,244−8,…2144−11に単相
交流電圧を印加した場合におけるステータ部210のロ
ータ対向面234の振動の様子が示されている。この単
相交流電圧の印加は、駆動回路110内の切替スイッチ
124を反対側に切替えることにより行う。同図に示す
よう、B相分極領域244−7,244−8,…244
−11に単相交流電圧を印加した場合には、第2の定在
波が発生する。この定在波によりロータ部250が反転
駆動される。
【0088】このように、円環型振動モータ200を駆
動する場合にも、駆動回路110内の切替スイッチ12
4を切替えることにより、駆動電圧を印加する圧電素子
220の領域(A相,B相)を任意に選択することがで
き、振動モータ200の正転あるいは逆転駆動が可能と
なる。また、この振動モータ200の駆動に先立って共
振周波数を検出する場合には、フィードバック用分極領
域240−6及び242−2、あるいは240−12及
び242−4を介して検出されるフィードバック信号に
基づいて共振周波数検出部118が共振点の検出を行
う。このとき、予め低電圧の交流電圧を印加して共振周
波数の検出を行う点はボルト締めランジュバン型振動モ
ータ100の場合と全く同様である。
【0089】第2実施例 図15は、本発明を適用した第2実施例の駆動回路の構
成を示す図である。同図には、駆動回路310の詳細構
成と、この駆動回路310によって駆動制御される振動
モータ100との接続状態が示されている。
【0090】本実施例の駆動回路310は、第1実施例
の駆動回路110に対して、増幅器114を駆動用増幅
器114aと共振点検出用増幅器114bに置き換えた
点が異なっている。すなわち、発振器112から出力さ
れる交流電圧が駆動用増幅器114aと共振点検出用増
幅器114bの両方にそれぞれ入力されており、増幅器
114a,114bの各出力が共に切替スイッチ124
を介して振動モータ100の圧電素子に印加されるよう
になっている。
【0091】なお、第1実施例の駆動回路110と共通
する構成については同じ符号を付してその詳細説明は省
略する。
【0092】駆動用増幅器114aは、発振器112か
ら出力される所定周波数の交流電圧を高い増幅率で増幅
して、振動モータ100の駆動に必要なモータ駆動電圧
を出力するものである。このモータ駆動電圧は切替スイ
ッチ124を介して振動モー/100の電極板46に印
加される。
【0093】共振点検出用増幅器114bは、発振器1
12から出力される所定周波数の交流電圧を低い増幅率
で増幅して、共振周波数検出用の小さな振幅値の交流電
圧を出力する。この振幅値の小さな交流電圧は切替スイ
ッチ124を介して振動モータ100の電極板46に印
加されるが、共振周波数を検出するためにはA群の分割
電極板46−1,46−3,46−5あるいはB群の分
割電極板46−2,46−4,46−6のいずれを選択
するようにしてもよい。
【0094】駆動用増幅器114aと共振点検出用増幅
器114bは、制御部120からの動作指示に応じて、
選択的に動作するようになっている。したがって、駆動
用増幅器114aのみが動作しているときは、モータ駆
動電圧のみが切替えスイッチ124を介してA群あるい
はB群の電極板46に印加される。また、共振点検出用
増幅器114bが動作しているときは、共振周波数検出
用の交流電圧のみが切替えスイッチ124を介してA群
あるいはB群の電極板46に印加される。
【0095】これにより、第1実施例においては増幅器
114の増幅率を切替えることにより、選択的に出力し
ていたモータ駆動電圧と共振周波数検出用電圧とをそれ
ぞれ異なる増幅器114a,114bで作り出してい
る。したがって、本実施例の制御部120によって駆動
用増幅器114aと共振点検出用増幅器114bを選択
的に切替えて有効にすることにより、第1実施例におい
て増幅器114の増幅率を切替えたのとまったく同様の
動作を行わせることが可能となる。
【0096】この場合であっても、共振点検出用増幅器
114bは低利得であるため、比較的回路規機は小さく
なる。
【0097】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で各種の変形実施
が可能である。
【0098】上述した第1実施例及び第2実施例におい
ては、単相のモータ駆動電圧を振動モータ100あるい
は振動モータ200に印加することにより、正転あるい
は逆転駆動する場合を説明したが、本発明は単相に限ら
ず2相あるいは3相以上のモータ駆動電圧を用いて定在
波を発生させるタイプの振動モータを用いる場合であっ
てもよい。この場合は、増幅器114あるいは駆動用増
幅器114aを相数分備え、これらの各出力(モータ駆
動電圧)を切り替えスイッチ124で切り替えて振動モ
ータに印加する。これにより、振動モータの正転駆動用
および反転駆動用の増幅器114あるいは駆動用増幅器
114aを共用化することができる。したがって、駆動
回路の回路規模を縮小することができると共に、効率よ
く回転方向を切替えることができる。また、この回転駆
動に先立って共振周波数を検出することにより、この共
振周波数に基づいて設定した周波数で駆動することによ
り、最適駆動周波数で駆動できる点は、第1実施例等と
同様である。
【0099】また、上述した各実施例においては、駆動
回路110,310において、制御部120,共振周波
数検出部118等を別個の構成にしたが、それぞれの機
能を有するのもであれば制御部120に共振周波数検出
部118の機能を持たせたり、制御部120に掃引回路
116の機能を持たせたりしてもよい。
【0100】
【発明の効果】本発明においては、増幅器から出力され
るモータ駆動電圧の印加先を切替スイッチによって切替
えることにより、振動モータを正転および逆転の双方向
に回転駆動することができる。従って、切替スイッチに
よる切替えを行うだけで、振動モータの回転方向を効率
良く切替えることができる。
【0101】また、振動モータの正転駆動用のモータ駆
動電圧と、反転駆動用のモータ駆動電圧とを共通の増幅
器から出力することができるため、駆動回路の回路規模
を縮小することができる。
【0102】また、振動モータの回転駆動に先立ってス
テータ部の共振周波数を検出しており、この共振周波数
に基づいて設定した周波数で振動モータの回転駆動を行
うことができるので、最適駆動周波数で振動モータを駆
動することができる。また、この共振周波数の検出は、
モータの駆動に先立って行っているため、回転駆動中に
随時最適駆動周波数を追尾するための複雑な構成が不要
であり、回路規模を縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施例の駆動回路の構成
を示す図である。
【図2】図1の駆動回路によって駆動制御される振動モ
ータの概略的な構成を示す図である。
【図3】振動モータのステータ部を組み立てた状態を示
す図である。
【図4】振動モータのステータ部の分解斜視図である。
【図5】振動モータのステータ部に発生する楕円振動を
説明するための図である。
【図6】第1実施例の駆動回路によって振動モータを駆
動制御する場合の詳細な動作手順を示す図である。
【図7】圧電素子に印加される交流電圧の周波数とイン
ピーダンスとの関係を示す図である。
【図8】振動モータのたの構造例を示す図である。
【図9】振動モータの他の構造例を示す図である。
【図10】円環型振動モータの概略構造を示す図であ
る。
【図11】円環型振動モータのステータ部の分解斜視図
を示す図である。
【図12】円環型振動モータに用いられる圧電素子の正
面の説明図である。
【図13】円環型振動モータに用いられる圧電素子の裏
面の説明図である。
【図14】円環型振動モータの動作原理を示す図であ
る。
【図15】本発明を適用した第2実施例の駆動回路の構
成を示す図である。
【図16】従来の進行波型振動モータの駆動回路の一例
を示す図である。
【図17】フィードバック用電極からの振動振幅によっ
て共振周波数を検出する場合の駆動回路の構成を示す図
である。
【符号の説明】
110 駆動回路 112 発振器 114 増幅器 116 掃引回路 118 共振周波数検出部 120 制御部 122 起動スイッチ 124 切替スイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータ部の圧電素子を複数領域に分割
    し、この分割された領域にモータ駆動電圧を印加して、
    得られた定在性振動波によってロータ部を回転させる振
    動モータの駆動制御を行う振動モータの駆動回路におい
    て、 モータ駆動用の所定周波数の交流電圧を発生する発振器
    と、 前記発振器で発生した交流電圧を増幅してモータ駆動電
    圧を出力する増幅器と、 前記圧電素子内の領域を選択し、この選択した領域に対
    して前記増幅器から出力されるモータ駆動電圧を印加す
    る切替スイッチと、 を備え、前記切替スイッチによってモータ駆動電圧を印
    加する前記圧電素子内の領域を選択することにより、振
    動モータの正転あるいは反転駆動を行うことを特徴とす
    る振動モータの駆動回路。
  2. 【請求項2】 ステータ部の圧電素子にモータ駆動電圧
    を印加し、得られた定在性振動波によってロータ部を回
    転させる振動モータの駆動制御を行う振動モータ駆動の
    駆動回路において、 所定周波数の交流電圧を発生する発振器と、 前記発振器で発生した交流電圧を増幅してモータ駆動電
    圧あるいは共振周波数検出用電圧を出力する増幅器と、 前記圧電素子に接続され、前記ステータ部の共振周波数
    の検出を行う共振周波数検出部と、 前記発振器によって発生する共振周波数検出用電圧の周
    波数を所定範囲で掃引する掃引部と、 前記掃引部によって前記発振器で発生した共振周波数検
    出用の周波数を掃引しているときは前記増幅器の増幅率
    を低く設定して前記共振周波数検出部による共振周波数
    の検出を行い、その後、この検出した共振周波数に基づ
    いて前記発振器の出力周波数を設定すると共に、前記増
    幅器の増幅率を高く設定して共振周波数のモータ駆動電
    圧を前記ステータ部の圧電素子に印加する制御を行う制
    御部と、 を備え、モータ駆動に先立って前記ステータ部の共振周
    波数を検出し、この共振周波数に基づいて設定した周波
    数でモータの回転駆動を行うことを特徴とする振動モー
    タの駆動回路。
  3. 【請求項3】 ステータ部の圧電素子を複数領域に分割
    し、この分割された領域にモータ駆動電圧を印加して、
    得られた定在性振動波によってロータ部を回転させる振
    動モータの駆動制御を行う振動モータの駆動回路におい
    て、 所定周波数の交流電圧を発生する発振器と、 前記発振器で発生した交流電圧を増幅してモータ駆動電
    圧あるいは共振周波数検出用電圧を出力する増幅器と、 前記圧電素子内の領域を選択し、この選択した領域に対
    して前記増幅器から出力されるモータ駆動電圧あるいは
    共振周波数検出用電圧を印加する切替スイッチと、 前記圧電素子に接続され、前記ステータ部の共振周波数
    の検出を行う共振周波数検出部と、 前記発振器によって発生する共振周波数検出用電圧の周
    波数を所定範囲で掃引する掃引部と、 前記掃引部によって前記発振器で発生した共振周波数検
    出用の周波数を掃引しているときは、前記増幅器の増幅
    率を低く設定することにより共振周波数検出用電圧を前
    記圧電素子に印加して、前記共振周波数検出部による共
    振周波数の検出を行い、その後この検出した共振周波数
    に基づいて前記発振器の出力周波数を設定すると共に、
    前記増幅器の増幅率を高く設定することによりモータ駆
    動用電圧を出力して、この共振周波数のモータ駆動電圧
    を前記ステータ部の圧電素子に印加する制御を行う制御
    部と、 を備え、前記切替スイッチによって前記ステータ部の共
    振周波数に基づいて設定した周波数のモータ駆動電圧を
    印加する前記圧電素子内の領域を選択することにより、
    振動モータの正転あるいは反転駆動を行うことを特徴と
    する振動モータの駆動回路。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、 前記増幅器を増幅率が高いモータ駆動用増幅器と増幅率
    が低い共振点検出用増幅器とに分けて構成し、 前記制御部は、増幅率を低く設定するときは前記共振点
    検出用増幅器の増幅動作を有効にし、増幅率を高く設定
    するときは前記モータ駆動用増幅器の増幅動作を有効に
    することを特徴とする振動モータの駆動回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9742313B2 (en) 2013-10-30 2017-08-22 Seiko Epson Corporation Piezoelectric motor, robot hand, robot, finger assist apparatus, electronic component conveying apparatus, electronic component inspecting apparatus, liquid feeding pump, printing apparatus, electronic timepiece, and projection apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9742313B2 (en) 2013-10-30 2017-08-22 Seiko Epson Corporation Piezoelectric motor, robot hand, robot, finger assist apparatus, electronic component conveying apparatus, electronic component inspecting apparatus, liquid feeding pump, printing apparatus, electronic timepiece, and projection apparatus

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