JPH06174753A - 大電流検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 どのような大電流でも装置を取り替えること
なく、測定することができる。 【構成】 ブスバー12の周囲に磁束検出体14が巻回され
ている。この磁束検出体14は、可撓性を有する袋状体内
にフェライトの粉を詰めたもので、任意の形状とするこ
とができる。この磁束検出体14の両端に形成されたギャ
ップ16内に、ホール素子18を設けて、ブスバー12を流れ
る電流によって生じた磁束に比例した電圧をホール素子
18に発生させる。この電圧を基に表示装置20に、ブスバ
ー12を流れる電流を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば電気メッキや電
気分解用の電源等を流れる電流のように大きな値の電流
を測定する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記のような大電流を計測する場
合、その大電流を直接に計測することが困難であるの
で、この大電流によって発生する磁界を基に当該大電流
を測定することが行われている。例えば、図２に示すよ
うに、電気メッキや電気分解用の電源から、負荷に大電
流を流すためのアルミニウム製または銅製のブスバー２
がギャップ４付きの鉄心６の窓８内に位置するように、
鉄心６を配置し、ブスバー２を流れる電流に比例して発
生した磁束を鉄心６で収束し、その集束された磁束が通
っているギャップ４内に磁電素子、例えばホール素子１
０を設け、このホール素子１０を貫通する磁束に比例し
た電圧をホール効果によってホール素子１０に発生させ
て、ブスバー２を流れる電流を測定している。なお、こ
のような装置では、図２には示していないが、窓８の部
分を除いて、鉄心６とホール素子１０とは、樹脂によっ
て一体にモールドされている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような大電流測
定装置では、今まで測定していた電流と大きく値が異な
ると予想される電流を測定する場合、その変更された電
流に応じたものに、鉄心も変更しなければならず、特に
測定する電流が大きくなると、鉄心６には大きなものを
使用しなければならなかった。また、大きな鉄心６を使
用した装置に変更すると、この鉄心６とホール素子１０
とが一体に形成されているので、必然的に使用するホー
ル素子１０も変更されることになり、ホール素子１０の
選択の自由がなかった。さらに既設のブスバーに流れる
電流を測定する場合には、既設のブスバーを解体し、ブ
スバーを鉄心の窓に貫通させ、あらためてブスバーを組
立てる必要があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】内部に導電性粉を収容し
た可撓性を有する袋状体であって、大電流が流れる被計
測体に巻き付けられる磁束検出体と、この磁束検出体の
両端間に配置された磁電素子と、この磁電素子の出力を
基に上記被計測体を流れる電流を表示する表示手段と、
を具備するものである。

【０００５】

【作用】本発明によれば、被計測体を流れる電流に比例
して発生した磁束が、磁束検出体によって集束され、こ
の磁束検出体の両端間を通る。この両端間に磁電素子が
配置されているので、磁電素子によって、磁束が電気出
力に変換される。この変換された電気出力に基づいて、
表示手段が被計測体を流れる電流を表示する。

【０００６】

【実施例】本実施例も、図１に示すように、電気メッキ
や電気分解用の電源から、負荷に大電流を流すためのア
ルミニウム製または銅製のブスバー１２に流れる電流
が、発生した磁束を検出して、上記電流を測定するもの
である。

【０００７】このブスバー１２の周囲に、磁束検出体１
４が設けられている。この磁束検出体１４は、可撓性を
有する袋状体、例えばシリコン製のチューブ内に、導電
性を有する粉体、例えばフェライトの粉を充填したもの
である。この磁束検出体１４は、袋状体が可撓性を有し
ているので、ブスバー１２の周囲に任意の形状、任意の
回数だけ巻回することができる。図１では、磁束検出体
１４を１回だけブスバー１２の周囲に巻回している。

【０００８】この磁束検出体１４は、例えばブスバー１
２に接触することによって支持されている。なお、ブス
バー１２や磁束検出体１４の損傷を防止する場合には、
ブスバー１２の表面にマイラー等を巻いてから、磁束検
出体１４をブスバー１２に接触させるようにすればよ
い。

【０００９】この磁束検出体１４の両端は、図１に示す
ように間隔を隔てて配置されている。即ち、ギャップ１
６が形成されている。磁束検出体１４は、ブスバー１２
の周囲に巻回されているので、ブスバー１２を流れる電
流によって発生した磁束が、磁束検出体１４に集束さ
れ、ギャップ１６内を磁束が通過する。

【００１０】このギャップ１６内に、磁電素子、例えば
ホール素子１８が配置されている。このホール素子１８
には、図示していないが、制御電流が磁束の方向と直角
に供給されており、これによって磁束に比例した電圧が
発生する。この磁束は、ブスバー１２を流れる電流に比
例しているので、結局、ブスバー１２を流れる電流に比
例した電圧をホール素子１８は、発生している。

【００１１】このホール素子１８に発生した電圧は、表
示装置２０に供給され、この電圧に対して適切な換算を
行うことによって、ブスバー１２を流れる電流を表示す
る。

【００１２】もし、電流を測定するブスバー１２の形状
が、流れる電流の大きさが異なることによって変化した
場合、例えば厚み、幅または並列接続される枚数が変化
した場合、磁束検出体１４が可撓性を有するので、例え
ばブスバー１２への巻回数を減少させることによって対
応することができ、新たな磁束検出体に取り替える必要
はない。

【００１３】同様に、今まで測定していた電流よりも小
さな電流を測定する場合には、ブスバー１２への磁束検
出体１４の巻回数を多くすればよく、別の磁束検出体に
変更する必要はない。

【００１４】また、磁束検出体１４に対して使用される
ホール素子１８は、一体に形成されていないので、大き
な電流を測定するような場合には、ホール素子１８のみ
を取り替えればよい。

【００１５】なお、上記の実施例では、直流の大電流を
測定する場合に、本発明を実施したが、交流の大電流を
測定する場合にも、同様に実施することができる。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、可撓性
を有する袋状体に導電粉を内蔵させることによって、磁
束検出体を構成しているので、磁束検出体が可撓性を有
している。従って、測定する電流が流れる被計測体の大
きさが、どのようなものでも対応することができる。ま
た、磁束検出体と、磁電素子とによって構成されている
ので、小型化することができ、このような測定装置を設
置するスペースが小さいような場所でも測定することが
できる。さらに、磁束検出体と磁電素子とを分離可能で
あるので、測定しようとする電流に応じて磁電素子を変
更できる。また既設のブスバーに流れる電流を測定する
場合、磁束検出体をブスバーに巻回するのみでよく、既
設ブスバーを解体する必要もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による大電流測定装置の１実施例の概略
斜視図である。

【図２】従来の大電流測定装置の概略斜視図である。

【符号の説明】

１２ ブスバー（被計測体） １４ 磁束検出体 １８ ホール素子（磁電素子） ２０ 表示装置（表示手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に導電性粉を収容した可撓性を有す
   る袋状体であって大電流が流れる被計測体に巻き付けら
   れる磁束検出体と、この磁束検出体の両端間に配置され
   た磁電素子と、この磁電素子の出力を基に上記被計測体
   を流れる電流を表示する表示手段と、を具備する大電流
   検出装置。