JPH06172764A - 低石炭化度炭の改質法及びこれを用いた石炭・水混合物の製造方法 - Google Patents

低石炭化度炭の改質法及びこれを用いた石炭・水混合物の製造方法

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JPH06172764A
JPH06172764A JP15215591A JP15215591A JPH06172764A JP H06172764 A JPH06172764 A JP H06172764A JP 15215591 A JP15215591 A JP 15215591A JP 15215591 A JP15215591 A JP 15215591A JP H06172764 A JPH06172764 A JP H06172764A
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Chikao Yokogawa
親雄 横川
Sadao Wasaka
貞雄 和坂
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Mitsui Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低石炭化度炭を改質しグレードを上げる。 【構成】 低石炭化度炭を水熱処理する際に一酸化炭素
ガスで加圧し、処理温度を水の臨界温度以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分含有量の高い低石
炭化度炭を安全かつ高能率で輸送可能とする低石炭化度
炭の改質法及びその改質処理物を用いた石炭・水混合物
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素含有量が60〜75重量%(無水無
灰基準)の低石炭化度炭は、一般に日本工業規格JIS
M8812に規定される水分(固有水分)が20〜3
0%と高いものが多く、また石炭の種類によっては、常
温で、相対温度98%における水分(平衡水分)が60
〜70%に達するものもある。このような石炭を高い水
分のまま輸送することは不経済であり、また、燃料その
他の目的で使用する際の効率も悪い。石炭の水分を低減
させるために、例えば熱風乾燥や自然乾燥等の方法を用
いて乾燥しても、得られる乾燥炭は貯炭中あるいは輸送
中に水分を再吸収し、更に水分を吸収する過程で石炭が
細分化したり自然発火する危険がある。このような問題
があるため、低石炭化度炭の利用分野は限られており、
利用拡大を図るため、従来より低石炭化度炭を改質し
て、水分の含有量を少なくする方法が求められている。
【0003】また、低石炭化度炭の輸送においては、そ
のままで燃料として使用可能な石炭と水との混合スラリ
ー(以下、CWMという)で輸送できれば、取扱い上極
めて便利である。CWMの調製に関しては、既に多くの
研究がなされており、CWMの性状を支配する因子も数
多く指摘されているが、これらの中で最も重要な因子は
石炭が吸蔵する水の量である。すなわち、石炭濃度の高
いCWMを製造するには、石炭粒子の細孔内に吸蔵され
CWMのカロリーを低下させるが、流動性の向上には寄
与しない水の量が可及的に少ないことが望ましい。ここ
で、石炭粒子の細孔内に吸蔵される水の量は、常温で相
対湿度98%以上の雰囲気中での平衡水分と近似的に比
例関係にあると考えられるため、前記平衡水分をもって
CWM製造の難易の尺度とすることができる。また、C
WMの性状(石炭濃度、粘性ならびに安定性等)は、石
炭粒子の外に存在する水の量に支配されるところが大で
あり、かつ石炭に対してその2〜3%が変化するだけで
決定的な影響を及ぼすことが多い。このような観点か
ら、低石炭化度炭の有効利用に関し、安全かつ高能率で
輸送するため、あるいは良好な性状を有するCWMを製
造するため、低い石炭化度炭の平衡水分を少なくする改
質方法が種々試みられている。例えば、低石炭化度炭の
改質法として、温度473〜573K、圧力1.5〜
8.5MPaの飽和水蒸気を用いて石炭中の水分を低減
させるFleissner法(T.G.Rozgony
i and I.Z.Szigeti,Interna
tional J.Mining Eng.、157
1984等)や石炭と水との混合物を温度473〜6
03K、圧力1.5〜17MPaの加圧水の中で改質す
る水熱処理法(T.A.Potas、R.E.Sear
s、D.J.Maas、G.G.Baker and
W.G.Willson,Chem.Eng.Comm
un.44、133 1986等)が知られている。し
かしながら、これらの方法においては、低石炭化度炭を
改質してその水分を減少させる効果は認められるが、前
記平衡水分は11〜20%程度までである。処理温度を
高くして処理時間を長くすると改質の程度が高められる
傾向にはあるが、工業的には低温、短時間での処理が望
まれており、また処理温度は飽和水蒸気圧も上がるた
め、装置的にも高圧のものが必要となるため、コスト的
にも好ましくない。このような点から見て、従来の方法
では前記平衡水分11%程度までの改質が限界であると
いうのが現状である。この程度の改質では低石炭化度炭
の利用拡大の観点からすれば不十分である。
【0004】一方、本発明とは直接の技術分野を異にす
るが、水と一酸化炭素とを用いて石炭を処理する方法が
知られている。このような技術としては、極めて少量の
水と一酸化炭素との共存下で、水の臨界温度(647.
3K)以上の温度(即ち、液体としての水が存在しない
状態)で石炭ならびにその関連物質を加熱し、水と一酸
化炭素との水性ガス平衡反応(CO+H2 O→CO2
2 )により発生する発生期の水素を利用して特定の触
媒下で石炭を液化しようとする試み(横山ら、燃協誌、
57、182(1977))が知られているが、これは
石炭を分解・液化しようとするものであって、石炭の吸
蔵水分を減らすものと本質的に異なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、石炭を水熱
反応を利用して改質する方法の改良法に関するものであ
り、低石炭化度炭を水の臨界温度以下の温度であって、
液体としての水が存在する状態(即ち、水と蒸気が共存
する状態)で改質し、石炭の平衡水分を従来技術の限界
であった11%程度よりも低下させ、併せて石炭の安
全、高能率な輸送方法に寄与できる低石炭化度炭の改質
法及びこの方法により得られる改質炭を用いた石炭・水
混合物の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来その
含有水分量が多いため輸送方法等に困難があった低石炭
化度炭を改質し、平衡水分を下げる方法について鋭意検
討した結果、特定の条件下で前記石炭を処理することに
より、従来の改質法では到達が困難とされていた低い平
衡水分の石炭が得られること、及びこの改質法により得
られる改質炭を用いて石炭含有量の高い、良好な性状を
有するCWMが製造できることを見いだし本発明を完成
した。
【0007】すなわち、本発明は、低石炭化度炭を、水
及び一酸化炭素の存在下、水の臨界温度以下の温度で熱
処理することを特徴とする低石炭化度炭の改質法及びこ
の改質法により得られる改質処理物に界面活性剤を添加
し水の含有量を調整して混合することを特徴とする石炭
・水混合物の製造方法である。なお、従来技術において
水熱反応とは一般に高温・高圧水を用いた反応をいい、
本発明における反応も、この反応の範疇と言えるが、後
述するように水/石炭重量比が0.3でも処理可能なた
め水熱処理といわず熱処理という。
【0008】本発明は、例えば次のような方法で実施で
きる。すなわち、オートクレーブ等の圧力容器内に水と
石炭とを装填したあと、一酸化炭素(CO)を圧入し、
523K〜647.3K(水の臨界温度)の反応温度に
保持して反応させることにより低い平衡水分の石炭を得
ることができる。また、熱処理後に圧力容器から回収し
た処理物(スラリー)中の液相中には、反応により生成
したフミン酸と総称される有機カルボン酸が多量に含有
されており、これが界面活性剤としての作用を有するの
で、熱処理後のスラリーから直接CWMを調製する場
合、界面活性剤の添加量を減少できる。
【0009】本発明において、低石炭化度炭とは、無水
無灰基準(daf基準)で炭素含有量が75%以下、J
IS M8812に規定される水分(固有水分)が10
%以上、または常温で、相対温度98%における水分
(平衡水分)が15%以上のいずれかの条件に該当する
石炭をいうが、前記条件を満たさない石炭についての実
施を排除するものではない。また、石炭の種類について
も特に限定されるものではない。
【0010】熱処理に使用する装置としては、常圧を超
える圧力で操作するため、圧力容器を使用することが好
ましく、例えば回分式、流通式等のオートクレーブ等を
好適に用い得るが、使用する圧力容器としては、特に限
定されるものではない。
【0011】圧力容器に装填する水と石炭との比は、用
いる圧力容器の種類、熱処理後のプロセスの相違等によ
り適正な比率とすればよいが、水の量としては熱処理時
に石炭粒子に水が十分に接するのに必要な量であればよ
い。即ち、概略0.3〜3.0(水/石炭重量比)の範
囲でよく、CWMとしての利用であれば、水の量を比較
的多くしスラリーとし、又処理物の水を切って利用する
場合は比較的少なくすると有利である。また、石炭の粘
度としては、例えば改質炭をCWM製造に向ける場合は
200メッシュ程度以下、改質炭をそのまま水を切って
使用したり、輸送したりする場合は8〜20メッシュ程
度とすればよいが、用途により適宜粒度調整すればよ
い。
【0012】また、水と一酸化炭素との水性ガス平衡反
応により水素を発生させるには、一酸化炭素の分圧を大
きくすればよいが、一酸化炭素の分圧を大きくすると反
応系の圧力が大きくなり、工業的な実施に際し、設備
的、経済的な課題を生じるので、純度の高い一酸化炭素
ガスを用い、その量は反応系内における一酸化炭素の常
温における分圧表示で、1〜5MPa(ゲージ圧)の範
囲とするのが好ましい。前記一酸化炭素の分圧範囲は、
実用性を勘案した好ましい範囲であり、この範囲以外で
の実施を排除するものではない。
【0013】反応温度は523K〜647.3K(水の
臨界温度)が好ましい。523K以下の反応温度では反
応速度が小さく実用的ではなく、また水の臨界温度64
7.3K以上の温度では処理する石炭の熱分解が起こり
好ましくない。
【0014】一酸化炭素の分圧と反応温度とは、例えば
処理する石炭の種類により特に反応温度を高くする必要
がある場合には、一酸化炭素の分圧を低くして、反応系
内の全圧を抑える等の調整を行なえばよい。
【0015】反応時間は処理する石炭の種類、熱処理に
使用する圧力容器の種類等により変化するが、これらの
選択枝に合わせて適宜設定すればよいが概略0.2〜6
時間の反応時間で処理できる。反応時間が短ければ改質
効果が十分でなく、一方長くなれば平衡水分の低下は認
められるが、長すぎてもそれ以上の効果は認められな
い。
【0016】熱処理後に圧力容器から回収した石炭・水
混合物中の液相の化学的酸素消費量(COD)は、従来
の熱処理法(T.A.Potas等)や本発明の方法と
も、処理温度が高いほど大きくなる傾向が認められる
が、一酸化炭素を加えて熱処理する本発明の方法がより
顕著であり、COD値は従来法の値の約2倍である。ま
た、石炭の改質に対する直接的な効果はないが、系にK
2 CO3 を加えて熱処理することでCOD値は更に大き
くなる。液相中の成分は主にフミン酸と総称される有機
カルボン酸であり、これが界面活性剤としての作用を有
するため、石炭の輸送手段としてCWMを調製する場
合、界面活性剤の添加量を減少できるという効果を有す
る。
【0017】ところで、水性ガス平衡反応は、本来CO
とH2Oから、H2を製造するために工業的に行なわれる
ものであり、CO+H2O→H2+CO2 で示される反応
をいう。この反応は発熱反応であるためその平衡は温度
が低いほどH2の生成に有利であるが、その反応速度が
小さいため一般に720K以上の温度で触媒を用いて行
なわれる。本発明における水性ガス平衡反応は、完全に
解明はされていないが、上記反応とは触媒を用いていな
い点、温度が水性ガス平衡反応に用いられている温度よ
りも低い点で全く相違している。確かにCO+H2O→
2+CO2 の反応により発生する発生期のH(反応速
度は小さい)を利用するが、これが石炭の改質に有効で
あることは、従来考えられたこともなく、また知られて
いなかったと言える。 本発明の方法により低石炭化度
炭の平衡水分を減少できる理由として、水と一酸化炭素
との水性ガス平衡反応により生成する発生期の水素
(H)が石炭に作用して石炭中の含酸素官能基を減少さ
せることにより、石炭中の気孔壁が疎水性となるととも
に、これらの官能基が関与した水素結合による架橋が解
消され石炭マトリックスが緻密になることにより、改質
炭の平衡水分が減少すると考えられる。このことは、一
酸化炭素(CO)を用いる代わりに水素(H2)を用い
て熱処理を行わせた場合は、従来の熱処理に比較して石
炭の改質効果はほとんど向上していないことからも推測
される。
【0018】従って、本発明の改質方法を用いることに
より、石炭中の気孔壁が疎水性となり、石炭マトリック
スが緻密になることにより、炭素含有量が75%以下で
あり、通常20〜30%以上である低石炭化度炭の平衡
水分を10%程度以下に減らすことができ、水分の再吸
着の少ない改質炭を得ることができる。本発明の改質法
による得られる改質炭は必要に応じて乾燥した上で燃料
その他の用途に用いることができるが、また改質処理後
のスラリー状態のままCWM製造に向けることに特に適
している。
【0019】CWMの製造については、例えば次のよう
な方法で実施できる。すなわち、低石炭化度炭を前記改
質法により処理して得られるスラリーの水分量を調整
し、CWMとしての安定性、流動性を持たせるための界
面活性剤を加えて混合すればよい。ここで、用いる界面
活性剤は特に制限はないが、CWMの石炭含有量を高め
るには、例えば減水効果、分散効果等を有する、ナフタ
リンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物を主成分と
する界面活性剤等の使用が好ましい。なお、用いる界面
活性剤の種類により、その効果を発揮させるためにCW
Mスラリー中の液相の水素イオン濃度(pH)調整を行
なってもかまわない。ここで、本発明の方法を利用して
低石炭化度炭を熱処理して得られるスラリーには、界面
活性剤の作用を有する成分が含まれているため、新たに
加える界面活性剤の添加量は少なくてすむ。CWMの概
略組成としては、水分30〜35%,石炭65〜70
%、添加界面活性剤0.2〜0.7%、その他必要によ
り微量のカオリナイトなどのフィラーを含有するのが一
般的であるが、用途により適宜調整すればよい。また、
石炭の粘度は、200メッシュ通過80重量%程度が好
ましい。
【0020】本発明の方法によれば、炭素含有量が75
%以下の低石炭化度炭から石炭濃度が高く、しかも安定
で良好な流動性を有し、遠距離輸送が容易なCWMを容
易に製造することができる。なお、CWMの調製におい
て、本発明の改質法により得られた処理物をそのまま用
いることは処理操作上、便利であり好ましいが、一旦、
改質炭として得たあと、新たにCWMを調製してもよ
い。
【0021】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明する。
【0022】
【実施例】改質処理に先だち、表1に示す石炭を32〜
60メッシュの粒度となるよう粒度調整して試料とし
た。なお、表1において元素分析値は無水無灰基準%で
表示し、また、工業分析値は日本工業規格(JIS)M
8812に基づき分析した値である。
【0023】また、実施例及び比較例において、圧力容
器はその内容積が50cm3 の電磁攪拌式オートクレーブ
(SUS製)を用いた。
【0024】(実施例1〜8、比較例1〜10)表1に
示した石炭A、B及びCを原料石炭として、それぞれの
石炭について、石炭10g(乾燥炭基準)と純水20g
とを前記オートクレーブ内に装填し、表2に示す条件で
常温で0.5〜5MPa(ゲージ圧)の一酸化炭素を加
えたあと、電磁的に攪拌しながら553K、573K、
593Kの反応温度で6時間保持し、熱処理を行った。
熱処理後のスラリーを濾過して、石炭(改質炭)と液相
とに分別した。得られた改質炭については、乾燥炭基準
での収率(原料石炭量に対する改質炭量の比率)、元素
組成及び常温における相対湿度75%、100%での平
衡水分を測定した。また、液相については、オートクレ
ーブより回収した直後のスラリーを濾過分別したものを
直ちにJIS K0101に準拠して化学的酸素消費量
(COD)を測定した。また、一酸化炭素を使用しない
場合の例として、上記3種類の石炭を用いて、石炭10
g、純水30gとしたほかは、実施例の条件に準じて熱
処理を行なった。これらの測定結果を併せて表2に示
す。なお、比較例1、4及び8は表1に示した原料とし
て用いた石炭(未処理)である。表2の結果から、比較
例に示した一酸化炭素を用いない水熱処理では、相対湿
度(R.H.)100%における平衡水分を11%程度
以下とすることは極めて困難であることがわかる。これ
に対して本発明の一酸化炭素を加えた方法では、6〜8
%まで平衡水分を減少でき、また改質が特に困難とされ
ている石炭Aにおいても10%まで低下できることがわ
かる。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】 (実施例9、比較例11〜12)石炭Cを用いて、実施
例9として本発明の方法による熱処理、また比較例11
〜12として、一酸化炭素(CO)の代わりに水素(H
2 )を用いた系、及び一酸化炭素(CO)、水素(H
2 )を用いない系で熱処理を行なった。処理条件は実施
例、比較例とも、反応温度553K、反応時間6時間、
一酸化炭素あるいは水素の添加量はいずれもゲージ圧で
5MPaとした。得られた改質炭の平衡水分、反応後の
ガス組成を表3に示す。表3の結果より、一酸化炭素の
代わりに水素を用いた比較例11では、比較例12の一
酸化炭素を用いない場合よりも幾分石炭の改質が進んで
いるが、実施例9の一酸化炭素を用いた場合と比べてそ
の効果は極めて小さいことがわかる。また、CODは表
2の実施例に示すように一酸化炭素を加えた熱処理では
いずれも高いCOD値(石炭10gに水20mlを用いて
処理した時のCOD値)が得られているのに対して、水
素を用いた比較例11では1450ppm であり、従来の
熱処理である表2に示した比較例(石炭10gに水30m
lを用いて処理した時のCOD値)の値と大差がない。
また、K2 CO3を用いて実施例9の条件で熱処理した
場合のCOD値は7070ppm と極めて大きくなってお
り、熱処理後の液相中にはフミン酸のカリウム塩として
存在している。K2 CO3 は石炭の改質には効果はない
が、界面活性剤としての前記フミン酸のカリウム塩が多
量に存在するため、CWMを調製する場合は好都合であ
る。
【0027】
【表3】 (実施例10、比較例13)実施例10として実施例8
で得られた改質炭を用いて、また比較例13として未処
理の石炭Cを用いてCWMを調製した。なお、改質炭、
石炭とも粒径は200メッシュ通過80%に調整したも
のを用いた。比較例13の場合は、安定で流動性を持つ
CWMを調製するために、ナフタリンスルホン酸ナトリ
ウムホルマリン縮合物を主成分とする界面活性剤を乾燥
石炭量に対して1%加える必要があり、またその時のC
WMの最高石炭濃度(乾燥炭重量/水の重量)は42%
であった。一方、実施例10の場合は、熱処理後のスラ
リーを濾過分別して得られた液に3N−NaOH溶液を
加えてpH値を12程度としたものに、上記界面活性剤
を乾燥石炭量に対して0.5%加えたものを液体成分と
して用いることにより、最高石炭濃度が65%の安定で
良好な流動性を有するCWMを製造することができた。
このように本発明の方法をCWM調製の前処理として利
用することにより、より少ない界面活性剤の添加で、C
WMの石炭濃度を極めて高め得ることがわかる。
【0028】
【発明の効果】水分含有量の高い低石炭化度炭を熱処理
により改質するに際し、一酸化炭素を加えて、水の臨界
温度以下の温度で熱処理する本発明の方法により、石炭
中の気孔壁を疎水性となすとともに石炭マトリックスが
緻密化されるため、熱処理後の改質炭の平衡水分を減少
させることができる。このことにより、石炭の長距離輸
送手段として有用とされているCWMを調製する場合、
本発明の方法をCWM調製の前処理として利用すること
により、より少ない界面活性剤の添加で、石炭濃度が高
く、安定で良好な流動性を有するCWMが得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低石炭化度炭を、水及び一酸化炭素の存
    在下、水の臨界温度以下の温度で熱処理することを特徴
    とする低石炭化度炭の改質法。
  2. 【請求項2】 低石炭化度炭を、水及び一酸化炭素の存
    在下、水の臨界温度以下の温度で熱処理して得られる改
    質処理物に界面活性剤を添加し水の含有量を調整して混
    合することを特徴とする石炭・水混合物の製造方法。
JP15215591A 1991-05-29 1991-05-29 低石炭化度炭の改質法及びこれを用いた石炭・水混合物の製造方法 Pending JPH06172764A (ja)

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