JPH06171441A - バンパービームおよびバンパー - Google Patents
バンパービームおよびバンパーInfo
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- JPH06171441A JPH06171441A JP4323598A JP32359892A JPH06171441A JP H06171441 A JPH06171441 A JP H06171441A JP 4323598 A JP4323598 A JP 4323598A JP 32359892 A JP32359892 A JP 32359892A JP H06171441 A JPH06171441 A JP H06171441A
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Abstract
およびバンパーを提供する。 【構成】 ビーム断面内に車体の前後進方向と直角な上
下方向に補強板を設ける。
Description
ンパーに係り、自動車用などとして好ましいバンパービ
ームおよびバンパーを提供しようとするものである。
の安全性を確保するためのバンパーを用いることが一般
的であり、このようなバンパーを得るためのバンパービ
ームの形状としては、例えば図48に示すような断面コ
字形の開断面のもの16と、図49に示すような断面箱
型の閉断面(例えば実開平1─169463)のもの1
8とがあり、またこのような断面のものに対して更に図
50や図51に示すように補強材や補剛材17を設け、
あるいは弾性材または緩衝材20を充填するものも発表
されている。
ては特開昭58─218453号において開断面の開口
部に板を配したものが提案され、また実開昭57─67
853のものにおいては閉断面の前後方向にリブを配し
たものが提案されている。
バンパービームおよびバンパーにおいては補強材のない
ものは、衝突方向に対し直角な上下方向の変形および衝
突方向の座屈に対する抵抗が乏しい。即ちこのような変
形抵抗を得るには板厚を増大しなければならず、重量が
大とならざるを得ないという不利がある。このことは、
自動車の省エネルギーの面から好ましくない。
おいては、基本的に閉断面と同じであって、上記したと
ころと同様の問題点があるし、閉断面において衝突方向
にリブのあるものは、衝突方向と直角な上下方向の変形
および衝突方向の座屈に対して効果があるとしても接合
部材においては接合工数が増加する不利がある。
る課題を解消することについて検討を重ね、ビーム断面
内に特定の補強板を設けることにより有効に解決したも
のであって、以下の如くである。
直角な上下方向に補強板を設けたことを特徴とするバン
パービーム。
ェイシヤ後面に着脱可能または固着した状態で配置した
ことを特徴とするバンパー。
直角な上下方向に補強板を設け、該補強板の取付け位置
をビーム断面における車体前後方向の寸法(H)に対す
る衝突面から補強板までの距離(l)の値(l/H)が
0.05〜0.65とされたことを特徴とするバンパービー
ム。
直角な上下方向に補強板を設け、該補強板の強度をビー
ム部材の強度より大としたことを特徴とするバンパービ
ーム。
直角な上下方向に補強板を設け、該ビーム部材の前面
側、後面側および前記補強板の板厚を異ならしめたこと
を特徴とするバンパービーム。
、後面側板厚(tB )、前面側引張強さ(σtF) 、後
面側引張強さ(σtB) が次の(1)式の関係を有し、し
かもαが次の(2)式で与えられる範囲をとることを特
徴とした前記(5)に記載のバンパービーム。 α=(tB /tF )√(σtB/σtF) ・・・・・・・(1) α≧k√〔(H/l)−1〕 ・・・・・・・(2) k=0.4 〜0.5 ・・・・・・・(3)
直角な上下方向に補強板を設け、該補強板に上下方向に
おいて開孔部を形成したことを特徴とするバンパービー
ム。
(φ)を60%以下とすることを特徴とした前記(7)
に記載のバンパービーム。
強板のスポット溶接部、ハット型断面を有するビーム部
材の折曲部に接する範囲を除いた部分に切込みを形成し
た補強板を有することを特徴とする前記(7)または
(8)の何れかに記載のバンパービーム。
と直角な方向の補強板を設け、しかもビーム部材に差厚
材を用いたことを特徴とするバンパービーム。
と直角な上下方向に補強板またはリブを配することによ
りバンパービーム上下方向の変形および衝突方向の座屈
を抑制する。
増大し、従ってまた軽量化を達せしめる。なお補強板に
は接合面以外において開孔きてより軽量化を図り、更に
は開孔を利用したバンパー内の利用を図らしめる。
車体前後方向の寸法(H)に対する衝突面から補強板ま
での距離(l)の値(l/H)が、0.05〜0.65とし
たことにより効果的な補強効果を得しめ、適切な強度を
具備しながら軽量化を図る。前記l/Hのより好ましい
範囲は0.15〜0.5であり、特に0.2〜0.4である。
をビーム部材の強度より大としたことにより所定の補強
効果を確保しながら補強板の板厚を減少せしめ、バンパ
ービームまたはバンパーの軽量化をもたらす。板厚が小
さい範囲においては軽量化効果が大きく、従って補強板
の引張強さを大きくし板厚を薄肉化することにより軽量
化に大きな効果を上げ得る。
び前記補強板の板厚を異ならしめたことにより、衝突時
におけるエネルギー吸収条件に即応した部材の肉厚構成
を採用せしめ、有効な耐荷重性を確保し、しかも適切な
軽量効果を得しめる。
厚(tF ) 、後面側板厚(tB ) 、前面側引張強さ
(σtF) 、後面側引張強さ( σtB) がα=(tB /
tF )√(σtB/σtF)の関係を有し、しかもαがα≧
k √〔(H/l) −1 〕(k=0.4〜0.5)で与えられる範
囲をとることにより同等の耐荷重性を有しながら軽量化
効果を高度に得しめる。
円形または略直線状孔縁を有する開孔部を形成したこと
により、該補強板の車体上下方向における拡がり変形を
適切に抑制し、部分的な応力集中による破断などを防止
した条件下で補強板の面積を減少して軽量化を有効に達
成する。
0%以下とすることにより該補強板の耐荷重性を高く維
持して軽量化を得しめる。軽量化をそれなりに得しめる
好ましい開孔率としては20〜50%程度である。
ポット溶接部、ハット型断面を有するビーム部材の折曲
部に接する範囲を除いた部分に切込みを形成した補強板
を用いたことにより補強板の軽量化を図りながら強度性
を高く得しめる。
向の補強板を設け、しかもビーム部材に差厚材を用いた
ことによりビームを構成する各部材間においてそれぞれ
の部材に耐荷重性を確保しながら薄肉化、軽量化を図ら
しめて効率的なバンパービームを提供する。
説明すると、本発明による1つの実施例として図1に示
すように高張力鋼などによるハット型の如きコ字形断面
部材1、2の間にビーム補強板3を介装して周縁接合部
6で例えば溶接、接着などにより接合したバンパービー
ムを製造した。
例として、アルミニウム系合金、合成樹脂などによる押
出成形材で箱型断面部材5内補強板部4を一体として形
成したものであって、場合によっては自動内面溶接して
補強板部4を設けることができる。図2または図10に
示す如き形状のバンパービームをアルミニウムまたはア
ルミニウム系合金で製造する場合は熱間押出成形法の如
きが好ましい。
材1、2の間にビーム補強板3を用いるに当たって該ビ
ーム補強板3に図3に併せて示すように開口部31を配
設したもので、開口部31の間隔、形状については適宜
に選び、要するに強度の必要な部分以外に開口部31を
形成することにより目的の強度を確保しながら軽量化を
図るようにしたものである。
ット型断面をなす前後ビーム部材1、2の中央に位置す
るようにされたものであるが、本発明によるものは図4
に示すように補強板3の前面板1面からの取付距離lが
ビーム断面全体の厚さHに対する割合(l/Hの値)を
0.05〜0.65の範囲とする。
え、後述する図13の静圧壊試験を行った結果を示した
ものであるが、l/H=0およびl/H=1は補強板が
なくなった状態となり、即ち後述する図12の閉断面ビ
ームの耐荷重と一致する。これに対し、補強板3を取付
けた本発明実施例の耐荷重は何れも補強板なしのものの
耐荷重を上回っている。
補強板3の取付けにより補強板なしのものよりも補強板
の分だけ重量が増加する。図5に示したものの試験状態
を次の表1に示すが、補強板3のあるものの重量は8.1
9kg、補強板のないものは6.29kgであり、補強板3の
あるものの重量は補強板のないものの1.3倍である。補
強板なしの閉断面ビームにおける板厚増加による耐荷重
の補強効果は、理論上は1.3×1.3=1.69倍となる
が、実験では製品断面形状の精度や、治具の設定精度の
ばらつきにより耐荷重が低下するため、理論値よりも低
く、1.5倍程度の補強効果となる。なお、このような関
係は図7に示すように箱型断面部材5に補強板部4を取
り付けた場合にも同様である。
倍以上になる領域がビーム重量の増加以上に耐荷重が増
加する領域と判断され、本発明により軽量化を達成でき
ることは明らかである。
即ちl/H=0.5における変形形状を示すが、衝突時の
エネルギーを吸収する変形はビーム衝突側にあるビーム
部材1の座屈が支配的であり、後面側に位置するビーム
2の変形は殆どない。ビーム断面の車体前後方向に純粋
な圧縮荷重のみが作用するのであれば、ビーム部材1お
よびビーム部材2は同時に座屈するはずである。しか
し、バンパーでは圧縮荷重と同時に曲げ荷重が作用する
ため、衝突面側のビーム部材1の側壁部(図9の斜線
部)および後面側のビーム部材2の側壁部(図9の斜線
部)ではそれぞれビーム長手方向に圧縮応力、引張応力
が発生する。
座屈に対して抵抗となり、ビーム部材1よりも座屈に対
する抵抗が高まり、結果としてビーム部材1で座屈が支
配的に生じるものと考えられる。従って、補強板の取付
け位置をビーム断面の中央(l/H=0.5)より衝突面
側に近づけることにより、ビーム部材1の側壁部の長さ
が短くなり、座屈に対する抵抗を高めることが可能とな
る。
置が衝突面に近づくにつれ、側壁部の長さが長くなり、
座屈に対する抵抗は弱まり、0<l/H<0.5の間でビ
ーム部材1と2の側壁部が同時に座屈する位置が存在
し、ここが耐荷重の最高値となる。
て1枚だけを用いたものであるが、本発明においては別
に図10として示すように複数のビーム補強板41、4
2を設けて荷重がより高い場合に対応するようにでき
る。
るものと比較例によるものについての具体的な性能につ
いての検討を説明すると、先ず本発明者等は代表的に図
1に示したものに対しビーム補強板3を用いない図12
に示すような比較例を準備した。即ち140kg級鋼で厚
さ1.4mmの部材により幅が115mmで高さが95mmのバ
ンパービームを形成したものである。
ービームと図12の比較例によるバンパービームは図1
3に示すように間隔1000mmを採って配設された支持
台13、13に横架し、その中間部に接合面両端を円弧
状面14とし、幅600mmで高さ100mm(従って中間
の接合面の幅は400mm)の押圧治具12を圧下し、静
荷重を作用させて試験した。
ービームの変形状態は図14に対比して示す如くであっ
て、同図Aの比較例によるものは荷重方向に平行な両側
壁は座屈を発生してビーム全体が圧扁化されるに対し、
同図Bの本発明によるものは荷重方向と平行な両側壁は
原形を維持しており、従ってバンパービームの圧扁凹入
量も少なくとも半減することが確認され、充分な強度上
昇を得しめていることが知られる。
対するもう1つの実施例として複数のビーム補強板を設
ける別の態様である前記したようなハット形断面部材
1、2の間に断面コ字形のビーム部材11、11を用
い、これらのビーム部材11、11と各コ字形断面部材
1、2の間に夫々ビーム補強板33、34を設けたもの
で、これらの補強板33、34には開口部31を配設し
てよいことは上述した図3のものと同様である。
ルミニウム合金および樹脂により形成したバンパービー
ムの本発明実施例およびその比較例についてそれぞれ上
述したような静圧壊試験を実施し、それらの耐荷重を測
定した結果は次の表2に示す如くであり、本発明例によ
るものは何れにしても比較例に比しその重量は補強板相
当分として10〜25%増加するとしても耐荷重におい
て35〜75%(特に50〜65%)程度増加し、耐荷
重の増加が著しいことを確認した。
重と変位量の関係は別に図15〜図17に示す如くであ
って、図1に示した本発明例によるものと図11による
比較例の場合は図15にようになり、高張力鋼板で形成
されたこれらの本発明例のものは11500kgf である
のに対して比較例のものは7000kgf 程度であり、ま
た図3に示したように開口部31を配設したものは適切
な軽量化を図り、しかも図16に示すように静荷重によ
る変形量は殆ど変化がない。
金によって押出成形したものとその比較例について変位
量の関係は別に図17に示す如くであり、この場合には
ビーム補強板のない比較例2と共にビーム補強板が車体
前後進方向と平行に設けた場合も比較例3として示した
が、同じく補強板が形成されても比較例3のものは静荷
重の上昇が半減する。
に優れ、衝撃時における変形の少ないバンパービーム
(従ってバンパー)を提供し、従ってまたバンパーの軽
量化をも図り得ることは明らかで、このことは比較的コ
ンパクトなバンパーによっても適切なバンパー作用を得
しめることとなることは当然であるが、また比較的大
型、幅広のバンパーにおいてもその衝突時における変
形、損傷を軽微化し得るのでバンパーに関する設計を充
分に自在化し得る。
識手段の採用が不可欠であり、且つこれらの手段を各種
美的機能を満足しつつバンパーに取入れ、バンパーと結
合せしめることにより適切は配設位置を得しめ、またバ
ンパーに車体の保護のみならず、それらの照明ないし標
識表示手段の保護をも図らしめる。内部に位置する補強
板3などは前記のように開口部31などが配設されるこ
とからそれらの手段の取付けを妨害することなく、むし
ろ開口部31などを利用した取付けによってそうした手
段の取付状態を安定化する。更に配線ダクトとしての機
能もバンパーに求め得ることとなり、その強度が増大し
ていることから自由度の高いものとなり、車体への取付
け、フェイシャとの取合い、エネルギー吸収体などの配
置も有効適切に得られる。
と、全部材を高張力鋼で製造する場合は、図1、図3、
図11におけるビーム部材1、2あるいは12を曲げ又
は絞り成形した後、あるいはその成形時に部材1、2、
補強板3、33、34を各々打抜き加工した後、接合部
6でスポット溶接などの抵抗溶接を主体とした施工をな
すものである。
0に示す如き接合部6のない形状の場合は、MIG 溶接、
レーザ溶接などで施工する。また図2の如き形状の場合
は部材1または2の何れかの寸法をやや大きくし、他方
に被さるように接合して接合部を同じく溶接してもよ
い。即ち溶接部の数は増すが強度上は特に問題はない。
更に図10の如き形状の場合は、部材1、2の中に補強
板41、42を溶接する方法のみでなく、補強板つきの
2つの長方形状部材を施工後、その後部(バンパー成形
後はその上下部)に平板を溶接接合してもよい。即ち部
材数、溶接数は増すが施工の困難な内面溶接を減少して
施工が容易となる。
ていない形状は、自動車などのバンパーに成形したと
き、バンパーの上部または下部からの空気流によるエン
ジンなどの駆動部冷却用気体の乱れが少なく、この面に
おいて有利な形状である。
成樹脂素材のよって製造する場合、図1、図3、図11
に示すようなビーム部材1、2をスタンパブルシートな
どのスタンピング成形可能な樹脂シートを用いてスタン
ピング(プレス)し、補強板3、33、34も樹脂シー
ト(適宜に打抜き、レーザ加工などで穿孔したもの)を
用い、接合部6に相当する部分には必要に応じて表面処
理を施し接着または融着する。基本的には同質材同志を
用いるが、他材料と組み合わせることもできる。
2、図10に示す如き接合部6のない形状の場合は、一
体構造部品として押出成形、射出成形等により製作す
る。スタンパブルシート等の熱可塑性樹脂をベースとし
てガラス繊維を強化材とするFRPでは、押出成形が一
般的であるが、熱硬化静樹脂をベースとしたFRPでは
射出成形が一般的である。
せしめて車幅方向において分割したバンパーや上下方向
において少なくとも一部で分割した形式のものでもよい
し、更には材質的に高張力鋼とアルミニウム合金および
合成樹脂材とを併用することもできる。例えば強度が1
0倍程度もある高張力鋼を補強部材となし、これに剛性
樹脂またはアルミニウム材を併用し全体としての軽量性
を得しめることができる。
発明において、補強板による補強効果が充分あるにもか
かわらず、手持ちの薄板がない、あるいは薄板が入手で
きない場合を考慮して、補強板を穴あけする方法、開孔
率の範囲を規定することにより、薄肉化する方法と同等
の軽量化を実現させようとすることができる。
下方向の拡がり変形を抑制することである。この補強板
に穴をあけると補強板の車体上下方向に作用する引張応
力が増加し、伸び変形を助長するため、車体上下方向の
拡がり変形が生じやすくなり、剛性および強度の低下を
来すこととなってビームの耐荷重が低下する。しかし補
強板の強度が充分あり、耐荷重の低下が起きない範囲で
穴をあけることにより軽量化を達成することができる。
て、応力集中の生じやすい形状は部分的な破断が起きや
すく適切でない。ビーム断面の車体上下方向に取付けら
れた補強板の面積を減少させるような形状としては、ビ
ーム断面の車体上下方向の変形の抑制を図るため車体上
下方向と平行な略直線部分を持つ穴形状が補強板に作用
する引張応力を効率よく受けることができる。平行でな
いときには曲げが生じ、応力集中の原因となるため、例
えば図18の上部に示すようなビームにおいてその下部
にa〜dとして示すような形状が良い。
な開口部31の形状により補強板の中心線上の断面積が
同じになるようにして、前記した図13の静圧壊試験を
行ったときの荷重−変位曲線を図19に示すが、穴形状
による差は殆どない。
率を変化させたときの耐荷重を図20に示すが、開孔率
φ=100%は補強板のない場合であり、前述した図1
2のものに一致する。これに対して、補強板を取り付け
たものは開口率の小さなものほど大きな耐荷重を示し、
何れの開孔率でも補強板のないものより大きな耐荷重を
示すことは明らかである。
するため、縦軸に耐荷重比(=補強板に開孔したビーム
の単位ビーム重量当りの耐荷重を補強板のないビームの
単位ビーム重量当りの耐荷重比)と開孔率φの関係を示
したものである。φ=60%前後で耐荷重比は急激に減
少しており、これ以下の開孔率で(即ちφ≦60%で)
軽量効果が得られることは図示の如くである。
場合、板圧延により可能な厚み以下の板厚を得ることは
できない。その際、軽量化の方法として穴あけが有効な
手段となる。補強板3として適切な板厚の板を得ること
ができず、厚めの板を適用しなければならない場合にお
いても穴あけは有効である。なおこのような穴あけにつ
いては適宜にスポッ溶接フランジを有する補強板3のス
ポット溶接部、ハット型断面のビーム部材の折り曲げに
接触する部分を除いた部分に切込みをいれた補強板を用
いる。
板3の強度範囲を規定することにより補強板の板厚を減
少させ、軽量化して効果的に達成するもので、即ち補強
板の材質として、ビーム本体以上の強度を有する高張力
鋼板を用いるものである。
板3の作用はビーム断面の車体上下方向の図14に示し
たような拡がり変形を抑制し、側壁の変形による断面形
状の変化を防止し、圧壊に対する抵抗を増すことにあ
る。このような静圧壊試験または衝突試験では、荷重負
荷とともにビーム断面が車体の上下方向に拡がろうと
し、この拡がりに応じた反力として補強板3は図23に
示すような引張荷重(引張応力)を受ける。
して補強板が弾性状態を保持すれば、補強板3に作用す
る引張応力に対する伸びは非常に小さいため、上下方向
の拡がり変形を抑制する。ところが補強板が降伏して塑
性状態となると、補強板に作用する引張応力の増加に対
して変形の抑制効果は弱まり、全面降伏が起きれば変形
の抑制効果は極端に低下することは図24cに示す如く
である。
分に大きければ閉断面バンパービームの補強板としての
役割を果たす。しかし補強板の板厚が大きくなるとビー
ム重量が増加するため軽量効果を阻害することとなり、
また引張強さの高い鋼種では薄肉であっても高い荷重で
降伏するため、薄肉で拡がり変形に対する抑制効果を得
ることができる。従って、軽量効果を上げるためには補
強板を高張力化することにより板厚を薄くすることが好
ましい。
ーム部材1、2を板厚1.2mmの120キロ級ハイテン材
とし、補強板3の板厚と引張強さの組合せを表3に示す
ように変えて前述した図13に示したような静圧壊試験
を実施した。なおここで軽量化の効果を表すパラメータ
として、単位ビーム重量当りの耐荷重、即ち耐荷重をそ
のビーム重量で除した値Pmax/GB を用いる。
の関係を表している。補強板3の板厚に依らず、Pmax/G
B はσtRの増加とともに増加しており、補強板3の高張
力化により軽量化が達成されることは明らかである。こ
れに対して、図27は単位ビーム重量当りの耐荷重Pmax
/GB と補強板の板厚tR の関係を示したものである。板
厚tR が0.8〜1.6mmの範囲ではtR が小さい方が軽量
化効果が大きい。従って、補強板の引張強さを大きく
し、板厚を薄肉化することにより軽量化に大きな効果を
上げることができる。
板厚1.2mmの100キロ級高張力ハイテン材に関する図
26および図27と同様の結果を示したものであるが、
具体的な数値においてそれなりに異なるとしても同様の
傾向を示すことは明らかである。
て、縦軸のPmax/GB をビーム部材1、2と補強板の材質
と板厚が同一の場合(図26で120K−1.2t )を基
準値として規格化したものである。即ち(Pmax/GB )は
各条件の単位ビーム重量当りの耐荷重であり、(P0max/
G B0)は図30と図31の何れにおいてもビーム部材
1、2と同等の引張強さ以上のハイテン材を用いると耐
荷重比〔(Pmax/GB )/(Pmax/GB )〕は1.0 より大き
くなり、軽量化効果を示すことは明らかである。
の引張強さとしてビーム部材と同等以上のものを用いる
ことが好ましいことは明らかである。
板3をビームの中央より衝突面に近づけた場合として代
表的にビーム厚さ0.3の位置にセットした場合につい
て、その補強板取付位置の効果により中央位置の場合よ
り耐荷重が増加することは図示の如くである。
すべての材質が120キロ級高張力鋼で板厚が1.2t の
耐荷重をP0max とし、重量をG B0としてP0max/G B0に対
してPmax/GB を基準化した結果を示すが、補強板の衝突
面側への移動により中央位置に補強板があるときよりも
更に軽量化領域が拡がり、軽量化効果が大きくなること
は明らかである。
と補強板3との間において各部材の板厚を適切に変化さ
せることをも提案するものであって、このように各部材
1〜3間で、相対的にそれらの板厚を変化させること
(差厚材を用いること)により、耐荷重を保持しつつ板
厚を減少させて軽量化することができる。より具体的に
は、異なる板厚の板を溶接し、あるいは部分的な板圧延
方法により製造した差厚材を用いて、前面部、後面部の
板厚を側壁部より薄肉化することにより合理的に有利な
バンパービーム(あるいはバンパー)を得ることができ
る。
いくと、補強板後部に位置するビーム部材2の側壁部で
座屈が生じるようになる。
るいはビーム部材2側壁部の材質と寸法で定まり、ビー
ム部材1、2の車体上下方向の前面部および後面部の役
割はそれぞれのビーム部材の側壁部の間隔を正規の寸法
に保持することにある。例えば極端な例として、前面部
および後面部のない状態を考えると、負荷と同時に側壁
部からは自由に車体上下方向に動くことができ、側壁部
の座屈荷重が大となることを期待できず、好ましい耐荷
重も望むことができない。従って、前面部、後面部を側
壁部の間隔を保持するに足る板厚範囲内で薄肉化するこ
とにより軽量化が達成できる。
について、側壁部板厚t0 と前面部、後面部の板厚tの
比率を次の表4のように変え、前記した図13に示すよ
うな静圧壊試験を実施した結果を示したものであって、
縦軸は単位ビーム重量当りの耐荷重即ち耐荷重をビーム
重量で除した値であり、これが大きい程少ないビーム重
量で大きな耐荷重を有することを示している。横軸の板
厚比は側壁部の板厚t0 に対する前面部、後面部の板厚
tの比を示している。
を示し、ほぼ0.5≦t/t0 ≦1で板厚一定なビームの
単位ビーム重量当りの耐荷重を示している。従って、前
面部および後面部の板厚を側壁部の板厚の0.5〜1倍と
することによって同一板厚のビームに比して軽量化を達
成できる。なお、補強板については高強度化により薄肉
化が可能であり、これを採用することにより更に軽量化
されることは明らかである。
のビームに関しそのビーム部材について板厚差を採るこ
とを提案するものであり、既述した図34のように、衝
突によるエネルギーの吸収は主として前側ビーム部材1
の変形(座屈)によってなされ、後側ビーム部材2はほ
とんど変形していない。従って、後側ビーム部材2は必
要以上の剛性を有していることが明らかで、ビーム重量
は過剰となっていることが理解される。
材の前面側部材の厚み(tF ) に対して後面側部材の厚
み(tB ) を薄くすることにより、同等の耐荷重で軽量
効果を得ようとするものであって、これを具体的に言う
ならば補強板前後のビーム部材1、2の板厚をtF 、t
B としたとき、 α=(tB /tF ) ・・・・・(1) と定義し、αがビームの車体前後方向の寸法Hに対し
て、補強板取付け位置lにより、 α=k√〔(H/l)−1〕 ・・・・・(2) で与えられ、上式の係数kが、 k=0.45 ・・・・・(3) であって、これら(1)、(2)、(3)で規定される
範囲にあることを提案するもので、このようなバンパー
ビームにより軽量効果を適切に得しめる。
示すようにビーム部材1の板厚tFをビーム部材2の板
厚tB より大としたビーム構成のものにおいて、次の表
6に示すように各板厚tF 、tB を変えた場合において
既述した図13の静圧壊試験を実施し結果を要約して示
すと図37の如くである。
=1より剛性は若干低下するが、耐荷重(座屈荷重)は
ほぼ同等となっている。更にtB /tF を0.67まで低
下させると、耐荷重はtB /tF =1およびtB /tF
=0.83に比較して低下することは図示の如くである。
/tF =0.83のときの変形状況を示し、図40はtB
/tF =0.67のときの変形状況を示す。即ち、tB /
tFを1から低下させていくと、座屈による変形はビー
ム断面において補強板の前部に位置し、衝突面側で起こ
り、tB /tF =0.67になると補強板の後部に位置す
る車体側で発生する。従って、衝突面側で座屈を起こす
現象においては、衝突面の反対側のビーム部材の断面形
状は変わらないので、反対側の肉厚を減少させてもほぼ
同様の耐荷重が期待される。
ときの耐荷重Pmaxの変化を示したもので、α≧0.8では
Pmaxに大きな変化はないが、α≦0.8ではPmaxは急激に
低下することは図示の如くである。
ーム重量当たりの耐荷重Pmax/G B(kgf/kg)として示す
と次の図42の如くなる。即ちこの図42によればαが
1を若干下回った当たりで最大値を採っており、従って
補強板後部のビーム部材2の板厚tB を補強板前部のビ
ーム部材1の板厚tF より小さくすることが可能であ
り、軽量化が適切に達成される。
から補強板3までの距離lと後部ビーム部材の板厚tB
を変化させ実験を行った結果より前述した(2)式のα
とl/Hの関係を示したものであって、補強板前部のビ
ーム部材1で座屈が生じるもの、補強板後部のビーム部
材2で座屈が生じるもの、両者が混在するものを示して
ある。
置l/H=0では、上述したようなαは非常に大きな値
を採り、l/H=1ではα=0となるからビーム部材1
と2の座屈の生じる境界を結ぶ曲線は、 α=k√〔(H/l)−1〕 ・・・・・(4) で近似される。なおこの(4)式で、kは定数であり、
図43においてはk=0.45である。
質と板厚との組合せを変えると共に補強板の衝突面から
の取付け位置(l)を変えた実験を行った。
とから、パラメータαに引張強さを加え、次の(5)式
で再定義する。 α=(tB /tF )√〔(σtB)/(σtF)〕 ・・・(5) このαとl/Hの関係を示したのが図44であり、材質
と板厚の組合せたものとして、前側ビーム部材1で座屈
したもの、後側ビーム部材2で座屈したもの、両者で座
屈したものを示し、前記した図43に加えたものであ
る。αは、 α=k√〔(H/l)−1〕 ・・・(6) で近似され、このときk=0.4〜0.5を採る。
単位ビーム重量当たりの耐荷重を示す。α≧k√〔(H
/l)−1〕で規定される範囲ではビームの圧壊が軽度
で断面形状が保全されるため、Pmax/GB はα<k√
〔(H/l)−1〕より大きな値をとり、有効範囲と規
定できる。なお表8から明らかなようにαを1.00より
小さく、l/Hを0.50より小さくすればPmax/GB は向
上する。
(6)の曲線より大きなαを範囲として採れば、同一板
厚のビームに比較して軽量化が達成されることは図示の
如くである。
トとアルミ板により前面板1、後面板2および補強板3
の板厚を変えて、耐荷重が10tf、重量4.95kg(ビー
ム長さ1200mm)の条件下に軽量化を高度に達成した
具体的ビームの断面構造は図46に示す如くであり、従
来技術によるものに比し充分な有利性を有していること
が確認される。
て、同じく耐荷重10tf、重量6.05kg(ビーム長さ1
200mm) として得られたものは図47に示す如くであ
って、このものにおいても有利な製品であるこては明ら
かである。
は、自動車などの車体に関して衝突時の損傷、衝撃に対
処するバンパーの強度を適切に向上し且つ変形の少ない
部体を提供して有効な緩衝作用を得しめると共にその設
計、配設装備を自在化し何れにしても有利な車体保護手
段を提供し得るものであるから、工業的にその効果の大
きい発明である。
ある。
な断面図である。
置についての説明図である。
/P0max) の関係を示した図表である。
である。
の具体的断面図である。
ての断面図である。
面図である。
についての断面図である。
図である。
を本発明例と比較例について対比して示した説明図であ
る。
験結果を示した図表である。
板に穿孔を形成したものと形成しないものの試験結果を
示した図表である。
を変えたもの、及び補強板を有しないものについての試
験結果を示した図表である。
な関係と、その穴あきの状態とを併せて示した説明図で
ある。
との関係を示した図表である。
ある。
て、100キロ級鋼の1.2mm厚の場合について、耐荷重
比と開孔率の関係を示したものである。
て図21と同様の関係を示した図表である。
荷についての説明図である。
塑性状態)および前面降伏後の作用状態説明図である。
いての概念的説明図である。
り強さの関係を示した図表である。
厚との関係を示した図表である。
図26と同様な関係を示した図表である。
関して図27と同様な関係を示した図表である。
一材質、板厚の場合を基準値として規準化した図表であ
る。
表である。
設けた場合について、補強板の引張強さと単位ビーム重
量当たりの耐荷重との関係を示した図表である。
力鋼で耐荷重をG B0としてP0max/G B0に対し、Pmax/G B
を基準化した結果の図表である。
状態についての説明図である。
部板厚と前面部、後面部の板厚の比率を変え静圧壊試験
を実施した結果を示す図表である。
ある。
ついての静圧壊試験結果を示した図表である。
図である。
厚(tF ) の比tB /tF =1および0.83のときの変
形状況説明図である。
である。
況を示した図表である。
重として示した図表である。
材板厚を変化させ実験した結果より板厚比αと補強板取
付け位置l/Hとの関係を示した図表である。
張強さを加えた(tB /tF )√〔(σtB)/
(σtF)〕との関係を示した図表である。
(tB /tF )√〔(σtB)/(σtF)〕とl/Hとの
関係を示した図表である。
量状態を得た実施ビームの断面についての説明図であ
る。
ビームを得た実施ビームの断面に関する説明図である。
る。
Claims (10)
- 【請求項1】 ビーム断面内に車体の前後方向と直角な
上下方向に補強板を設けたことを特徴とするバンパービ
ーム。 - 【請求項2】 請求項1に記載したビームをフェイシヤ
後面に着脱可能または固着した状態で配置したことを特
徴とするバンパー。 - 【請求項3】 ビーム断面内に車体の前後方向と直角な
上下方向に補強板を設け、該補強板の取付け位置をビー
ム断面における車体前後方向の寸法(H)に対する衝突
面から補強板までの距離(l)の値(l/H)が0.05
〜0.65とされたことを特徴とするバンパービーム。 - 【請求項4】 ビーム断面内に車体の前後方向と直角な
上下方向に補強板を設け、該補強板の強度をビーム部材
の強度より大としたことを特徴とするバンパービーム。 - 【請求項5】 ビーム断面内に車体の前後方向と直角な
上下方向に補強板を設け、該ビーム部材の前面側、後面
側および前記補強板の板厚を異ならしめたことを特徴と
するバンパービーム。 - 【請求項6】 ビーム部材の前面側板厚(tF ) 、後面
側板厚(tB )、前面側引張強さ(σtF) 、後面側引張
強さ(σtB) が次の(1)式の関係を有し、しかもαが
次の(2)式で与えられる範囲をとることを特徴とした
請求項5に記載のバンパービーム。 α=(tB /tF )√(σtB/σtF) ・・・・・・・(1) α≧k√〔(H/l)−1〕 ・・・・・・・(2) k=0.4 〜0.5 ・・・・・・・(3) - 【請求項7】 ビーム断面内に車体の前後方向と直角な
上下方向に補強板を設け、該補強板に上下方向において
開孔部を形成したことを特徴とするバンパービーム。 - 【請求項8】 開孔部の補強板に対する開孔率(φ)を
60%以下とすることを特徴とした請求項7に記載のバ
ンパービーム。 - 【請求項9】 スポット溶接フランジを有する補強板の
スポット溶接部、ハット型断面を有するビーム部材の折
曲部に接する範囲を除いた部分に切込みを形成した補強
板を有することを特徴とする請求項7または請求項8の
何れかに記載のバンパービーム。 - 【請求項10】 ビーム断面内に車体の前後方向と直角
な方向の補強板を設け、しかもビーム部材に差厚材を用
いたことを特徴とするバンパービーム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4323598A JPH06171441A (ja) | 1992-10-09 | 1992-11-09 | バンパービームおよびバンパー |
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JP29770892 | 1992-10-09 | ||
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