JPH06167015A - 場所打ちコンクリート杭における杭頭処理用仕切り部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 場所打ちコンクリート杭の余盛りコンクリー
トの除去作業を簡素化し、杭頭処理作業の能率向上を図
る。 【構成】 トレミー管６の挿入部分回りにその中心から
半径方向に配置される仕切り板２と、隣接する仕切り板
２，２間に周方向に架設され、仕切り板２と共に余盛り
コンクリート８の領域を複数個のブロック81に区分する
連結仕切り板３からなり、余盛りコンクリート８を複数
個の互いに切り離されたブロック81に分割することによ
りブロック81毎に下端から切り離して除去することを可
能にし、杭頭処理作業の能率向上を図るものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は場所打ちコンクリート
杭の構築後に余盛りコンクリートの除去を行う、場所打
ちコンクリート杭における杭頭処理用仕切り部材に関す
るものである。

【０００２】

【従来技術及び発明が解決しようとする課題】場所打ち
コンクリート杭の頭部にはレイタンスの発生分等を見込
んだ余盛りコンクリートが打設され、硬化後に除去され
るが、除去作業はブレーカによって全体を斫ることによ
り行われているため多くの時間を要し、非能率的である
ことに加え、騒音と振動を発生させる問題がある。

【０００３】この発明は従来の杭頭処理作業の実情を踏
まえてなされたもので、作業能率の向上を図る杭頭処理
用の部材を提案しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明では余盛りコンク
リートの領域を平面上、複数個のブロックに区分し、余
盛りコンクリートをブロック毎に切り離すことにより硬
化後にはブロック毎に斫るのみで余盛りコンクリートの
除去を可能にし、杭頭処理作業の能率向上を図る。

【０００５】余盛りコンクリートは平面上、トレミー管
の挿入部分回りにその中心から半径方向に配置される仕
切り板と、隣接する仕切り板間に周方向に架設されてこ
れに接合される連結仕切り板からなる仕切り部材によっ
て複数個の互いに分割されたブロックに区分される。仕
切り部材は鉄筋籠の上部に接続され、鉄筋籠と共に削孔
内に設置され、コンクリートの打設によって余盛りコン
クリート中に埋設される。

【０００６】余盛りコンクリートが複数個のブロックに
分割されることにより杭頭処理時には各ブロックの下端
を斫り、ブロック毎に回収するのみで余盛りコンクリー
トの除去が行われ、その作業が簡素化され、作業能率の
向上が図られる。

【０００７】

【実施例】以下本発明を一実施例を示す図面に基づいて
説明する。

【０００８】この発明の仕切り部材１は図１に示すよう
に削孔４内に主筋51とフープ52からなる鉄筋籠５を挿入
し、トレミー管６を通じてコンクリート７を打設して構
築される場所打ちコンクリート杭において、杭頭部分に
余分に打設される余盛りコンクリート８を分割し、その
除去作業を容易にするものである。

【０００９】仕切り部材１は図２に示すように平面上、
トレミー管６の挿入部分を除いてその中心から半径方向
に、放射状に配置される仕切り板２と、隣接する仕切り
板２，２間に周方向に架設され、溶接等により仕切り板
２，２に接合される連結仕切り板３から組み立てられ、
鉄筋籠５の主筋51に番線等により切り離し可能に結束さ
れてこれに仮止めされる。仕切り部材１の中央部はトレ
ミー管６の挿入用に開放し、トレミー管６は放射状に配
置された仕切り板２に周囲を包囲される形で挿入され、
挿入時の安定性が得られる。

【００１０】仕切り部材１は図１に示すように鉄筋籠５
の上部に接続され、鉄筋籠５と共に削孔４内に挿入さ
れ、コンクリート７の打設によって余盛りコンクリート
８中に埋設される。図１中、一点鎖線は杭のコンクリー
ト７と余盛りコンクリート８の境界を示す。

【００１１】仕切り板２と連結仕切り板３は余盛りコン
クリート８の領域を複数個のブロック81に区分し、余盛
りコンクリート８は仕切り部材１の余盛りコンクリート
８中への埋設深さだけブロック81毎に互いに切り離され
る。ブロック81は下端で余盛コンクリート８に連続し、
下端が斫られることにより余盛りコンクリート８から分
離し、除去される。

【００１２】仕切り板２と連結仕切り板３には鉄板やプ
ラスチック板等が使用されるが、鉄板の場合は両面に剥
離剤が塗布され、余盛りコンクリート８との縁が切られ
ることにより施工後に転用される。プラスチック板の場
合は捨て材として使用され、ブロック81と共に除去され
る。

【００１３】図３は仕切り部材１を鉄板を用いて製作し
た場合に、連結仕切り板３を上方から下方へかけて次第
に削孔の中心に向かう傾斜を付けた場合の実施例を示し
たものであるが、この実施例では余盛りコンクリート８
のブロック81を下端から分離させておくことにより仕切
り部材１の引き抜き時にブロック81を同時に除去できる
利点がある。この場合、仕切り板２や連結仕切り板３に
余盛りコンクリート81の付着のためにアンカーを突設す
ればその効果が高められる。

【００１４】施工は掘削に続いて削孔４内の１次スライ
ム処理後、仕切り部材１が一体化した鉄筋籠５を削孔４
内に建て込み、２次スライム処理（孔底ざらい）を行っ
てトレミー管６を仕切り部材１を通じて挿入し、コンク
リート７を打設する、という要領で行われ、杭頭処理作
業はコンクリート７の硬化後、鉄板製の場合は仕切り部
材１を撤去し、余盛りコンクリート８のブロック81をそ
の下端を斫って除去する、という要領で行われる。鉄板
製の仕切り部材１は前記の通り、繰り返して使用され
る。

【００１５】

【発明の効果】この発明は以上の通りであり、余盛りコ
ンクリートの領域を平面上、複数個のブロックに区分
し、余盛りコンクリートをブロック毎に切り離すもので
あるため硬化後にはブロック毎に斫るのみで余盛りコン
クリートの除去が可能になり、除去作業が簡素化され、
杭頭処理作業能率の向上を図ることができる。同時に、
斫り箇所が削減されるため騒音や振動の発生を低減する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】仕切り部材の設置状況を示した縦断面図であ
る。

【図２】図１の横断面図である。

【図３】仕切り部材の他の製作例を示した縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１……仕切り部材、２……仕切り板、３……連結仕切り
板、４……削孔、５……鉄筋籠、51……主筋、52……フ
ープ、６……トレミー管、７……コンクリート、８……
余盛りコンクリート、81……ブロック。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 削孔内に鉄筋籠を挿入し、トレミー管を
   通じてコンクリートを打設して構築される場所打ちコン
   クリート杭において、杭頭部分に打設される余盛りコン
   クリートを除去するための仕切り部材であり、平面上、
   トレミー管の挿入部分回りにその中心から半径方向に配
   置される仕切り板と、隣接する仕切り板間に周方向に架
   設されて仕切り板に接合され、仕切り板と共に余盛りコ
   ンクリートの領域を複数個のブロックに区分する連結仕
   切り板からなり、鉄筋籠の上部に接続され、余盛りコン
   クリート中に埋設されるものであることを特徴とする場
   所打ちコンクリート杭における杭頭処理用仕切り部材。