JPH06166985A - アルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ剤 - Google Patents

アルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ剤

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JPH06166985A
JPH06166985A JP5141295A JP14129593A JPH06166985A JP H06166985 A JPH06166985 A JP H06166985A JP 5141295 A JP5141295 A JP 5141295A JP 14129593 A JP14129593 A JP 14129593A JP H06166985 A JPH06166985 A JP H06166985A
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JP
Japan
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sizing agent
weight
succinic anhydride
polymer
emulsion sizing
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JP5141295A
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English (en)
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Shigeto Hatanaka
重人 畑中
Takeshi Jinnai
武司 神内
Takafumi Aizono
啓文 相園
Yasuaki Taketomi
安昭 武富
Takashi Nakamura
隆 中村
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Eneos Corp
Original Assignee
Mitsubishi Oil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】乳化後の安定性に優れた新規なアルケニルコハ
ク酸無水物エマルションサイズ剤に関するものであり、
酸性域からアルカリ域の広い抄紙pH範囲で高いサイズ
効果を付与するものである。 【構成】(a)水溶性カチオンモノマ−および/または
それらの塩類0.1〜20モル%、 (b)α、β−不
飽和ジカルボン酸および/またはそれらの塩類0.1〜
15モル%、(c)アクリルアミドおよび/またはメタ
アクリルアミド99.8〜65モル%を必須の構成モノ
マ−成分として得られる両性アクリルアミド系ポリマ−
で、界面活性剤を配合したアルケニルコハク酸無水物を
乳化してなるアルケニルコハク酸無水物エマルションサ
イズ剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳化後の安定性に優れ
た新規なアルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ
剤に関するものであり、酸性域からアルカリ域の広い抄
紙pH範囲で高いサイズ効果を付与するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、乳化剤を配合したアルケニル
コハク酸無水物をカチオン化デンプン溶液または水で0.
5 〜3 %程度の低濃度で乳化し、中性抄紙用サイズ剤と
して使用する方法が知られている(米国特許第3821069
号)。またカチオン化デンプン溶液の代わりにある種の
ポリマーを使用する方法も知られている(特開昭58-457
31,特開昭61-34298)。
【0003】しかしながら、これらの方法で調製された
アルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ剤は物理
的安定性が悪く、また水和反応を受けやすいため、サイ
ズ効果が低いばかりでなく、破壊されたエマルションに
より抄紙工程に汚れが発生し、操業上のトラブルの原因
となっていた。また、硫酸バンドを定着剤として用いる
酸性領域ではサイズ効果の立ち上がりが遅く、抄紙直後
のサイズ効果が著しく悪いという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
のようなアルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ
剤の欠点を克服し、広いpH領域においても、低添加率
で抄紙直後から優れたサイズ効果を示し、また抄紙工程
に汚れが発生しない新規なアルケニルコハク酸無水物の
エマルションサイズ剤を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アルケニ
ルコハク酸無水物エマルションサイズ剤に関する上記の
問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(a)水溶
性カチオンモノマーおよび/またはそれらの塩類0.1 〜
20モル%、(b)α、β−不飽和ジカルボン酸および/
またはそれらの塩類0.1 〜15モル%、(c)アクリルア
ミドおよび/またはメタアクリルアミド99.8〜65モル%
を必須の構成モノマー成分として得られる両性アクリル
アミド系ポリマーで、界面活性剤を配合したアルケニル
コハク酸無水物を乳化することにより、サイズ効果に優
れるばかりでなく、物理的安定性や耐水和反応性が改善
されるため、破壊されたエマルションによる抄紙工程汚
れによるトラブルも著しく改善することができることを
見い出した。また、硫酸バンドを定着剤として用いる酸
性領域でもサイズ効果の立ち上がりが速く、酸性域から
アルカリ域の広い抄紙pH範囲で使用できるという、従
来のアルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ剤に
は見られなかった卓越した性能を発揮することを見い出
し本発明を完成するに至った。
【0006】本発明に用いるアルケニルコハク酸無水物
は、特公昭53-28526等公知の方法により、オレフィンと
無水マレイン酸を付加反応させたものが使用できる。用
いるオレフィンとしては、炭素数16〜20の直鎖内部オレ
フィンがサイズ効果に優れている点で望ましい。分岐オ
レフィンを原料としたアルケニルコハク酸はサイズ効果
に劣るが、直鎖内部オレフィンを原料としたアルケニル
コハク酸に、本発明の効果を損なわない範囲で、一部配
合して使用することはできる。
【0007】本発明の分散剤として使用する両性アクリ
ルアミド系ポリマーは、(a)水溶性カチオンモノマー
および/またはそれらの塩類0.1 〜20モル%、(b)
α、β−不飽和ジカルボン酸および/またはそれらの塩
類0.1 〜15モル%、(c)アクリルアミドおよび/また
はメタアクリルアミド99.8〜65モル%を必須の構成モノ
マー成分としている。 (a)成分のカチオンモノマーとしては、1級アミノ
基、2級アミノ基よりは、3級アミノ基、または4級ア
ンモニウム基を有するものが好ましい。中でもカチオン
モノマーとしては、アミド結合を有する水溶性3級カチ
オンモノマ−であるジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド等が好ましく、安定性やサイズ効果に優れ
たエマルションが製造できる。また、アミド結合を有す
る水溶性3級カチオンモノマ−を塩化メチルやベンジル
クロライド等で4級塩としたものも同様に優れたカチオ
ンモノマーとして使用できる。水溶性3級カチオンモノ
マ−でもアミド結合を有せず、代わりにエステル結合を
有するジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等は
使用することはできるが安定性やサイズ効果がやや劣
る。
【0008】(b)成分のα、β−不飽和ジカルボン酸
としては、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラ
コン酸が使用できる。本発明においては、α、β−不飽
和ジカルボン酸を使用することが特徴的であり、アクリ
ル酸等のモノカルボン酸では本発明の優れたサイズ剤エ
マルションを製造することはできない。
【0009】各モノマーの配合割合は、(a)水溶性カ
チオンモノマーおよび/またはそれらの塩類0.1 〜20モ
ル%、(b)α、β−不飽和ジカルボン酸および/また
はそれらの塩類0.1 〜15モル%、(c)アクリルアミド
および/またはメタアクリルアミド99.8〜65モル%であ
るが、好ましくは、(a)水溶性カチオンモノマーおよ
び/またはそれらの塩類2 〜15モル%、(b)α、β−
不飽和ジカルボン酸および/またはそれらの塩類1 〜10
モル%、(c)アクリルアミドおよび/またはメタアク
リルアミド97〜75モル%である。カチオンモノマーは高
価であり、15モル%を越えるあたりより効果の向上が頭
うちとなるので、20モル%以上使用しても不経済であ
る。α、β−不飽和ジカルボン酸は、15モル%以上使用
するとポリマーの重合を疎外する。重合方法としては、
特公平1-49839 に示されているような公知の方法を用い
ることができる。
【0010】本発明に用いる界面活性剤としては、一般
にアルケニルコハク酸無水物の乳化に用いられている界
面活性剤が使用できる。例えば、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアラルキルフェ
ニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エ
ステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸
エステルおよびその塩、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテルリン酸エステルおよびその塩、ポリオキ
シエチレンアラルキルフェニルエーテルリン酸エステル
およびその塩等のアニオン界面活性剤およびポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアラルキルフ
ェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面
活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤の添加量は、
乳化方法等の条件により異なるため、一概に云えない
が、一般にアルケニルコハク酸無水物100 重量部に対し
て1 〜10重量部配合して使用される。
【0011】本発明のサイズ剤の製造には、転相乳化法
やホモジナイザー、ホモミキサー、オリフィス式乳化装
置を用いる方法など従来公知のいずれの乳化方法を用い
ても良いが、実願平3-039747に記載のラインミキサーを
用いた製紙用サイズ剤乳化装置を用いると、ポリマーの
破断が起らず、均一で安定性に優れたエマルションを得
ることができる。
【0012】両性アクリルアミド系ポリマーの配合量
は、アルケニルコハク酸無水物100 重量部に対して、前
記の両性アクリルアミド系ポリマーを固形分として10〜
300 重量部使用すれば良い。実際には、ラインミキサー
式乳化装置を用いる方法では、固形分0.1 〜3 %程度に
希釈した両性アクリルアミド系ポリマーと、界面活性剤
を配合したアルケニルコハク酸無水物とをラインミキサ
ーを通過させることによって、エマルション化できる。
【0013】本発明に係るサイズ剤は、中性・アルカリ
抄紙においては、従来のアルケニルコハク酸無水物エマ
ルションサイズ剤と全く同様に種箱等に添加して使用で
き、酸性抄紙においては、パルプスラリーに本発明のサ
イズ剤を添加する前または後で、硫酸バンドを添加して
pH4.0 〜7.0 に調整することによってパルプに定着さ
せることができる。
【0014】本発明に係るサイズ剤の使用量(添加量)
は、内添サイジングの場合は、乾燥パルプの重量に基づ
いて、パルプに対し0.01〜1.0 重量%、好ましくは0.02
〜0.5 重量%の範囲である。
【0015】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定
されるものではない。
【0016】<ポリマ−の調製> 参考例1 攪拌機、温度計、コンデンサーおよびN2 導入管を備え
た1リットルの4つ口セパラブルフラスコに、ジメチル
アミノプロピルアクリルアミド7.8g(3.8 モル%相
当)、マレイン酸2.9g(1.9 モル%相当)、アクリルア
ミド89.3g 、および蒸留水556gを秤量し、これに燐酸2.
8gを加えてpHを4.0 に調整した。これに2−メルカプ
トエタノール0.04g を加えてN2 置換し、攪拌下で70℃
まで昇温した。過硫酸アンモニウム0.5gを加えて重合反
応を開始し、同温度でさらに2時間保持した。得られた
ポリマーの25℃における粘度は8700cpsで、固形分は
16.6%であった。コロイド滴定法により、ポリマーのイ
オン基を定量したところカチオン基、アニオン基ともに
仕込み量通りに導入されていた。
【0017】参考例2 参考例1において、仕込み量をジメチルアミノプロピル
アクリルアミド23.4g(12.7モル%相当)、マレイン酸
8.7g(6.3 モル%相当)、アクリルアミド67.9g 、水55
6gに変更してポリマーを調製した。触媒量および他の操
作は参考例1と同様に行った。得られたポリマーの25℃
における粘度は10400 cpsで、固形分は16.9%であっ
た。コロイド滴定法により、ポリマーのイオン基を定量
したところカチオン基、アニオン基ともに仕込み量通り
に導入されていた。
【0018】参考例3 参考例1のアニオンモノマーをマレイン酸から同重量の
フマル酸に代えてポリマーを調製した。仕込み量および
操作方法は参考例1と同様に行った。得られたポリマー
の25℃における粘度は10300 cpsで、固形分は16.1%
であった。コロイド滴定法により、ポリマーのイオン基
を定量したところカチオン基、アニオン基ともに仕込み
量通りに導入されていた。
【0019】参考例4 モノマ−としてジメチルアミノプロピルアクリルアミド
の塩化メチルによる4級塩10.2g (3.8 モル%相当)、
マレイン酸2.9g(1.9 モル%相当)、アクリルアミド8
6.9g を用い、水、触媒量および操作方法は参考例1と
同様に行った。得られたポリマーの25℃における粘度は
13500 cpsで、固形分は16.0%であった。コロイド滴
定法により、ポリマーのイオン基を定量したところカチ
オン基、アニオン基ともに仕込み量通りに導入されてい
た。
【0020】参考例5 参考例1において、カチオンモノマ−としてジメチルア
ミノプロピルアクリルアミドの代わりにジメチルアミノ
エチルアクリレ−ト7.8g(3.8 モル%相当)を用いてポ
リマーを調製した。仕込み量および操作方法は参考例1
と同様に行った。得られたポリマーの25℃における粘度
は9500cpsで、固形分は16.5%であった。コロイド滴
定法により、ポリマーのイオン基を定量したところカチ
オン基、アニオン基ともに仕込み量通りに導入されてい
た。
【0021】比較参考例1 参考例1のアニオンモノマーをマレイン酸からアクリル
酸に代えてポリマーを調製した。この際アクリル酸はモ
ノカルボン酸なので、マレイン酸の倍モル加えた。すな
わち、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド7.8g(3.
7 モル%相当)、アクリル酸3.6g(3.7 モル%相当)、
アクリルアミド92.6g 、および蒸留水561gを仕込み、触
媒量および他の操作は参考例1と同様に行った。得られ
たポリマーの25℃における粘度は8500cpsで、固形分
は16.4%であった。コロイド滴定法により、ポリマーの
イオン基を定量したところカチオン基、アニオン基とも
に仕込み量通りに導入されていた。
【0022】比較参考例2 参考例2のアニオンモノマーをマレイン酸からアクリル
酸に代えてポリマーを調製した。この際アクリル酸はモ
ノカルボン酸なので、マレイン酸の倍モル加えた。すな
わち、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド23.6g
(12.3モル%相当)、アクリル酸10.8g (12.2モル%相
当)、アクリルアミド65.8g 、および蒸留水561gを仕込
み、触媒量および他の操作は参考例1と同様に行った。
得られたポリマーの25℃における粘度は9600cpsで、
固形分は16.7%であった。コロイド滴定法により、ポリ
マーのイオン基を定量したところカチオン基、アニオン
基ともに仕込み量通りに導入されていた。
【0023】<アルケニルコハク酸無水物エマルション
サイズ剤の調製> 実施例1 100 重量部のアルケニルコハク酸無水物(商品名:ファ
イブラン68B,王子ナショナル(株)製)に、非イオ
ン界面活性剤(商品名:アクティベーター,王子ナショ
ナル(株)製)を5 重量部配合した。これを、固形分と
して0.5 重量%に希釈した参考例1のポリマーとともに
ラインミキサー(商品名:スタティクミキサ−型式C−
36−12−0S,ノリタケカンパニーリミテット製)
を通過させて乳化した。0.5 重量%ポリマーの流量は15
kg/分で、アルケニルコハク酸無水物の流量は157g/分
とし、乳化圧力はラインミキサー入口で5kg/cm2 であ
った。エマルションサイズ剤の配合比は、アルケニルコ
ハク酸無水物100 重量部に対して、ポリマー50重量部で
ある。 実施例2 参考例2のポリマーを使用し、実施例1と同様にしてア
ルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ剤を調製し
た。エマルションサイズ剤の配合比は、アルケニルコハ
ク酸無水物100 重量部に対して、ポリマー50重量部であ
る。 実施例3 参考例3のポリマーを使用し、実施例1と同様にしてア
ルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ剤を調製し
た。エマルションサイズ剤の配合比は、アルケニルコハ
ク酸無水物100 重量部に対して、ポリマー50重量部であ
る。 実施例4 参考例4のポリマーを使用し、実施例1と同様にしてア
ルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ剤を調製し
た。エマルションサイズ剤の配合比は、アルケニルコハ
ク酸無水物100 重量部に対して、ポリマー50重量部であ
る。 実施例5 参考例5のポリマーを使用し、実施例1と同様にしてア
ルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ剤を調製し
た。エマルションサイズ剤の配合比は、アルケニルコハ
ク酸無水物100 重量部に対して、ポリマー50重量部であ
る。 実施例6 参考例1においてポリマー濃度を固形分として1 重量%
とし、その他の操作は実施例1と同様にしてアルケニル
コハク酸無水物エマルションサイズ剤を調製した。エマ
ルションサイズ剤の配合比は、アルケニルコハク酸無水
物100 重量部に対して、ポリマー100 重量部である。 比較例1 比較参考例1のポリマーを使用し、実施例1と同様にし
てアルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ剤を調
製した。エマルションサイズ剤の配合比は、アルケニル
コハク酸無水物100 重量部に対して、ポリマ−50重量部
である。 比較例2 比較参考例2のポリマーを使用し、実施例1と同様にし
てアルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ剤を調
製した。エマルションサイズ剤の配合比は、アルケニル
コハク酸無水物100 重量部に対して、ポリマー50重量部
である。 比較例3 比較参考例1においてポリマー濃度を1 重量%とし、そ
の他の操作は比較参考例1と同様にしてアルケニルコハ
ク酸無水物エマルションサイズ剤を調製した。エマルシ
ョンサイズ剤の配合比は、アルケニルコハク酸無水物10
0 重量部に対して、ポリマー100 重量部である。 比較例4 カチオン化デンプン(商品名:Cato−15,王子ナ
ショナル(株)製)の1重量%溶液を調製し、実施例1
と同様にしてアルケニルコハク酸無水物エマルションサ
イズ剤を調製した。エマルションサイズ剤の配合比は、
アルケニルコハク酸無水物100 重量部に対して、カチオ
ン化デンプン100 重量部である。
【0024】<エマルション平均粒子径測定および乳化
安定性試験>実施例1〜6および比較例1〜4のエマル
ション平均粒子径をリーズアンドノースラップ社製マイ
クロトラックSPAを用いて測定した。また、乳化液を
1日室温で放置した後の乳化液の安定性を目視により比
較した。結果を表1に示す。本発明の中でもアミド結合
を有する3級カチオンモノマ−およびその4級塩を用い
た場合は1日放置した後でも良好な乳化状態を維持して
いた。
【0025】<中性抄紙におけるサイズ効果測定試験>
晒クラフトパルプ(LBKP)を市水により2.5 %のパ
ルプ濃度に希釈し、ビーターを用いてカナディアンフリ
ーネス460 ミリリットルまで叩解した。次いで得られた
パルプスラリーを30℃の市水で1.0 重量%スラリーと
し、攪拌下、炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP
−121,奥多摩工業(株)製)を対パルプ20重量%添
加した。その後、カチオン化デンプン(商品名:Cat
o−F,王子ナショナル(株)製)を対パルプ0.8 重量
%添加し、続いて実施例1〜6および比較例1〜4のア
ルケニルコハク酸無水物エマルション(アルケニルコハ
ク酸無水物として対パルプ0.1 重量%)を添加し、歩留
剤(商品名:NR−11LH,ハイモ(株)製)を対パ
ルプ0.015 重量%添加して、TAPPIスタンダードマ
シンを用いて成紙坪量が60 g/m 2 になるように抄紙し
た。薬品添加後のスラリーのpHは8.3 であり、抄造水
としては、水道水(pH7.6 )を用いた。ここで得られ
た湿紙を常法どおりプレスし、回転ドライヤーで1分、
105 ℃で乾燥した。得られた成紙は温度20℃、湿度65%
RHの恒温恒湿室内で一日調湿後、JIS P 812
2に準拠し、サイズ効果をステキヒト法により測定し
た。結果を表2に示す。
【0026】<酸性抄紙におけるサイズ効果測定試験>
晒クラフトパルプ(LBKP)を市水により2.5 %のパ
ルプ濃度に希釈し、ビーターを用いてカナディアンフリ
ーネス430 ミリリットルまで叩解した。次いで得られた
パルプスラリーを30℃の市水で2.0 重量%スラリーと
し、攪拌下、硫酸バンド(対パルプ1.0 重量%)を添加
した。硫酸バンド添加後のスラリーのpHは4.7 であっ
た。その後、pH4.5 、30℃の水で0.5 重量%に希釈
し、実施例1〜6および比較例1〜4のアルケニルコハ
ク酸無水物エマルション(アルケニルコハク酸無水物と
して対パルプ0.1 重量%)を添加し、TAPPIスタン
ダードマシンを用いて抄紙した(成紙坪量60 g/m
2 )。ここに得られた湿紙を常法どおりプレスし、回
転ドライヤーで1分、105 ℃で乾燥した。得られた成紙
は乾燥直後および温度20℃、湿度65%RHの恒温恒湿室
内で一日調湿後、JIS P8122に準拠し、サイズ
効果をステキヒト法により測定した。結果を表3に示
す。
【0027】<抄紙機での汚れ発生模擬試験>抄紙機で
発生する汚れを実願平3-109289に記載の模擬試験機を用
いて比較した。図1に汚れ試験装置を示す。1は内容積
10L の下部槽(液面面積600 cm2 )である。2は内容積
5Lの上部槽(液面面積300 cm2 )である。3はパルプス
ラリー循環ポンプ、4はスロープ、5はそれぞれの槽の
攪拌機である。スロープの角度βは15度で、材質は鏡面
仕上げしたステンレス製で、長さ40cmであり、上部槽と
下部槽の液面高低差は40cmである。上部槽からスロー
プ,およびスロープから下部槽への接続は角度αが70度
の傾斜板7、8によった。
【0028】この装置を用いて、実施例1〜6および比
較例1〜4のアルケニルコハク酸無水物エマルションの
汚れの発生試験を行った。まず、離解した0.5 %濃度の
晒しクラフトパルプ(カナディアンフリーネス=450ml
)10L を第1槽に入れて50℃に加温後、攪拌下(200
rpm)で所定の薬品、ここでは中性抄紙を想定し、カ
チオン化デンプン(商品名:Cato−F,王子ナショ
ナル(株)製)0.8重量%、炭酸カルシウム(商品
名:タマパールTP−121,奥多摩工業(株)製)20
重量%、アルケニルコハク酸無水物エマルション0.2 重
量%、歩留剤(商品名:NR−11LH,ハイモ(株)
製)0.015 重量%をパルプ固形分に対して添加した。こ
うして得られたパルプスラリーを循環ポンプにより2L/
分の流量で上部槽へ送入し、オーバーフローしたパルプ
スラリーは、4のスロープを流して下部槽へ戻した。こ
の循環を2時間行い、下部槽に発生した泡状のスカムや
汚れを目視により比較するとともに、発生した泡状のス
カムの重量を測定した。結果を表4に示す。本発明のサ
イズ剤は泡状のスカムや汚れの発生量が少なく、中でも
アミド結合を有する3級カチオンモノマ−およびその4
級塩を用いた場合は特に汚れが少ない。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【発明の効果】本発明のサイズ剤は、サイズ効果に優れ
るばかりではなく、硫酸バンドを定着剤として用いる酸
性領域でもサイズ効果の立ち上がりが速いため、酸性〜
中性・アルカリ性の広いpH範囲で使用することができ
る。また、エマルションは物理的安定性や耐加水分解性
に優れるため、抄紙工程に汚れが発生しにくい。
【0034】
【図面の簡単な説明】 図1に汚れ模擬試験機の概念図を示す。
【符号の説明】
1 下部槽 2 上部槽 3 パルプスラリー循環ポンプ 4 スロープ 5 攪拌機 6 ヒーター 7 傾斜板 8 傾斜板 A パルプスラリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 13/00 A 6345−4G (72)発明者 武富 安昭 神奈川県川崎市中原区小杉町1−403−10 サニーウェル小杉601 (72)発明者 中村 隆 神奈川県横浜市保土ヶ谷区上星川町372上 星川団地2−810

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)水溶性カチオンモノマーおよび/
    またはそれらの塩類0.1 〜20モル%、(b)α、β−不
    飽和ジカルボン酸および/またはそれらの塩類0.1 〜15
    モル%、(c)アクリルアミドおよび/またはメタアク
    リルアミド99.8〜65モル%を必須の構成モノマ−成分と
    して得られる両性アクリルアミド系ポリマーで、界面活
    性剤を配合したアルケニルコハク酸無水物を乳化してな
    るアルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ剤。
  2. 【請求項2】 請求項1において、両性アクリルアミド
    系ポリマーの必須構成モノマ−成分のうち(a)水溶性
    カチオンモノマーおよび/またはそれらの塩類が、アミ
    ド結合を有する水溶性3級カチオンモノマ−および/ま
    たはそれらのアルキルクロライドによる4級塩であるこ
    とを特徴とするアルケニルコハク酸無水物エマルション
    サイズ剤。
  3. 【請求項3】 請求項1においてアルケニルコハク酸無
    水物100 重量部に対して両性アクリルアミド系ポリマー
    を固形分として10〜300 重量部使用するアルケニルコハ
    ク酸無水物エマルションサイズ剤。
JP5141295A 1992-10-02 1993-05-21 アルケニルコハク酸無水物エマルションサイズ剤 Pending JPH06166985A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001140190A (ja) * 1999-11-04 2001-05-22 Harima Chem Inc アルケニルコハク酸無水物系エマルションサイズ剤、並びに当該サイズ剤を含有する紙
US7943789B2 (en) 2002-12-17 2011-05-17 Kemira Oyj Alkenylsuccinic anhydride composition and method of using the same
JP2017500454A (ja) * 2013-12-25 2017-01-05 エコラブ ユーエスエイ インク ポリマー乳化剤によって乳化されたasaエマルションのサイズ効率を改善する方法
CN106928400A (zh) * 2015-12-31 2017-07-07 埃科莱布美国股份有限公司 一种两性聚合物及包含其的烯基琥珀酸酐乳液

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