JPH0616177A

JPH0616177A - 放爆ハッチ用カバー

Info

Publication number: JPH0616177A
Application number: JP17355792A
Authority: JP
Inventors: Tadateru Murakami; 忠輝村上; Masaki Ishikawa; 正樹石川
Original assignee: Hitachi Zosen Corp
Current assignee: Hitachi Zosen Corp
Priority date: 1992-07-01
Filing date: 1992-07-01
Publication date: 1994-01-25

Abstract

(57)【要約】【目的】従来の鋼板製の放爆ハッチ用カバーの欠点を
解消するために、繊維強化合成樹脂製の放爆ハッチ用カ
バーを提供する。【構成】放爆ハッチ２の上面開口部５に張設した放爆
用ラプチャーディスク６の上方を被包するカバー３であ
って、繊維強化合成樹脂により構成するとともに、その
周縁部が放爆ハッチ２のハッチコーミング４に取り付け
られてなる構成とする。【効果】カバー３を繊維強化合成樹脂製としたので、
カバー３は耐食性に優れ且つ軽量になる。耐食性に優れ
るので、カバー３のペイント補修塗り等のメンテナンス
が不要になり、また軽量になるので、カバー３の取扱い
が簡単になるとともに放爆時にカバー３が飛散しても周
囲に被害を及ぼすおそれが少ない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、タンカーや石油備蓄船
等に設けるラプチャーディスク型式の放爆ハッチを風雨
から保護する放爆ハッチ用カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、タンカーや石油備蓄船等に
は、火災によるタンクの爆発を防止するために、ラプチ
ャーディスク型式の放爆ハッチを設けることが多い。

【０００３】この放爆ハッチは、上面開口部に鋼板製ラ
プチャーディスクが溶接により凹面形に張設されてお
り、火災時にはタンク内圧の上昇によりラプチャーディ
スクが凸面形に反転して溶接部が破断し、ラプチャーデ
ィスクが吹き飛ばされることにより放爆する。そして、
ラプチャーディスクは、凹面部に雨水が溜って腐食する
ことのないよう、上方が鋼板製カバーで被包されてい
る。このカバーは、周縁部が放爆ハッチのハッチコーミ
ングに取り付けられており、放爆時にはラプチャーディ
スクにより持ち上げられて取付け部が破断し、ラプチャ
ーディスクと共に吹き飛ばされるように構成されてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のカ
バーは、鋼板製であるために、ペイント補修塗り等のメ
ンテナンスを必要とし、また放爆時には飛散して周囲に
被害を及ぼすおそれがあるなどの問題があった。

【０００５】本発明は従来のカバーを改良して、このよ
うな問題点を解消することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の放爆ハッチ用カバーは、放爆ハッチの上面
開口部に張設した放爆用ラプチャーディスクの上方を被
包するカバーであって、繊維強化合成樹脂により構成す
るとともに、その周縁部を前記放爆ハッチのハッチコー
ミングに取り付けた構成としている。

【０００７】

【作用】上記構成のカバーは、繊維強化合成樹脂製であ
るので、鋼板製カバーよりも耐食性に優れ且つ軽量であ
る。そのため、ペイント補修塗り等のメンテナンスが不
要であり、また放爆時に飛散しても周囲に被害を及ぼす
おそれが少ない。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１〜図４に基づ
いて説明する。図１において、１はタンカーや石油備蓄
船等の原油タンクで、原油タンク１は上部にラプチャー
ディスク型式の放爆ハッチ２を備え、放爆ハッチ２の上
方を本発明にかかる放爆ハッチ用カバー３が被包してい
る。

【０００９】放爆ハッチ２は、円筒状ハッチコーミング
４の上面開口部５に放爆用ラプチャーディスク６を張設
し、ハッチコーミング４の中間部内周にラプチャーディ
スク６を支持する支持梁７を直径方向に架設してなるも
のである。ラプチャーディスク６は、内方に向かって凹
面形に形成した鋼板製円盤で、中央部が補強部材８によ
り補強されてなり、周縁部が溶接により開口部５の内周
に固着されるとともに、中央部が補強部材８に植設した
支持棒９を介して支持梁７上に載置されている。また、
図４に示すように、補強部材８にはラプチャーディスク
６の飛散を防止するチェーン１０の一端が接続され、チ
ェーン１０の他端はハッチコーミング４の外周に固着し
たブラケット１１に接続されている。

【００１０】カバー３は、図１及び図２に示すように、
外方に向かって凸面形に形成した繊維強化合成樹脂製円
盤で、上面に山形の断面形状を有する大小２種類の補強
リブ１２，１３が４本ずつ放射状に交互に形成されてな
り、周縁部が図３に示すようにハッチコーミング４に取
り付けられている。即ち、カバー３の周縁部内周は、そ
の各補強リブ１２，１３の位置に支持金具１４をボルト
１５で固定し、支持金具１４を介してハッチコーミング
４の上端面に載置されている。他方、カバー３の周縁
部外周は、その大補強リブ１２の位置にフランジ部１６
を形成し、フランジ部１６がテンションボルト１７によ
りハッチコーミング４の外周に固着した固定金具１８に
締結されている。フランジ部１６は、厚肉に形成される
とともに、内部にＬ字形の補強板１９を埋設することに
より補強されている。テンションボルト１７は、中間部
に環状の切欠き溝２０を有し、両端のねじ部に螺合した
ダブルナット２１により大径の座金２２を介してフラン
ジ部１６と固定金具１８とを締結している。切欠き溝２
０の直径は、強風時にカバー３に作用する揚力によって
は切断することなく、カバー３が飛び去るのを防止し、
放爆時にラプチャーディスク６がカバー３を持ち上げる
力により切断して、カバー３がばらばらに破壊するのを
防止することができる程度の太さに設定されている。座
金２２は、ダブルナット２１の締付け力によるフランジ
部１６の面圧を小さくするためのものである。また、カ
バー３の周縁部内周には、図４に示すように凹部２３を
形成し、凹部２３内にＵ字形のブラケット２４をボルト
２５及びナット２６により取り付け、ブラケット２４に
前記チェーン１０を通過させることにより、放爆時にカ
バー３が飛び去るのを防止している。なお、カバー３の
表面には導電性を付与して、帯電による静電気スパーク
の発生を防止している。

【００１１】次に、上記構成のカバー３の挙動について
説明する。火災等何らかの原因で原油タンク１の内部温
度が上昇すると、タンク内圧も上昇する。タンク内圧が
予め設定した一定値に達すると、ラプチャーディスク６
は外方に向かって凸面形に反転し、その周縁部の溶接が
破断して上方に吹き飛ばされ、放爆する。同時に、ラプ
チャーディスク６はカバー３を持ち上げ、そのためカバ
ー３のテンションボルト１７はその切欠き溝２０で切断
して、カバー３を開放する。開放されたカバー３は、ラ
プチャーディスク６と共に吹き飛ばされるが、両者はチ
ェーン１０を介してハッチコーミング４に繋がっている
ので一緒に甲板上に落下する。

【００１２】なお、発明者は、下記の装置により放爆テ
ストを実施したが、装置の挙動が計画通りであることを
確認した。（１）ハッチコーミング４内径…２２５０ｍｍ放爆時の設定タンク内圧…０．４３Ｋｇ／ｃｍ² （２）カバー３凸面の曲率半径…３０００ｍｍ自重…３５Ｋｇ（鋼板製は３５０Ｋｇ以上）（３）テンションボルト１７材質…ステンレス鋼（ＳＵＳ３０４）ねじ径…１０ｍｍ切欠き溝２０の直径…４．０ｍｍ（風速７０ｍ／ｓでカ
バー３に作用する揚力３５０Ｋｇに耐え、前記設定タン
ク内圧０．４３Ｋｇ／ｃｍ² で切断するように設定）

【００１３】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように、カバー
を繊維強化合成樹脂により製作するので、以下の利点を
有する。カバーは優れた耐食性を有するので、ペイント
補修塗り等のメンテナンスが不要になる。また、カバー
が軽量になるので、取扱いが簡単であり、しかも放爆時
に飛散しても周囲に被害を及ぼすおそれが少ない。さら
に、カバーの強度が高くなるにも拘わらず製作コストは
鋼板製とほぼ同等である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を利用した放爆ハッチの一部切欠き正面
図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】本発明のカバーの取付け状態を示す部分拡大断
面図である。

【図４】図２のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図５】図４のＢ矢視図である。

【符号の説明】

２放爆ハッチ３カバー４ハッチコーミング５開口部６ラプチャーディスク

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】放爆ハッチの上面開口部に張設した放爆
用ラプチャーディスクの上方を被包するカバーであっ
て、繊維強化合成樹脂により構成するとともに、その周
縁部を前記放爆ハッチのハッチコーミングに取り付けた
ことを特徴とする放爆ハッチ用カバー。