JPH0615942U - ナットランナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ズレて衝合わされたナットランナをボルトの
頭に係合させること。 【構成】 ナットランナの先端に取付けるソケットボッ
クス１の端面２を緩い螺旋状の面として形成するととも
に、段違い状になった垂面３のボルト嵌合孔５と交わる
内端を鋭角な衝当て部４となし、ソケットボックス１を
回転させることにより、この衝当て部４をボルト頭部の
一側面に衝当てつつその側面に沿わせてソケットボック
ス１を移動させることにより、これをボルトの頭部に嵌
合わせるようにしたもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ソケットボックス部分に特徴を有するナットランナに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動ネジ締め機によるネジ締め作業においては、しばしばネジ締め機とネジと の軸線ズレが生じ、これがもとで、ネジ締め機がネジに係合することなくいたず らに空転してネジ込みを不能にしたり、あるいはネジの頭部を破損させてしまう といった不都合が生じる。

【０００３】 特開昭５８−１３２４２５号公報あるいは実公平１−３５７８９号公報に開示 された装置は、このような不都合を解消すべく、丸頭ネジあるいは環状の突条を 有するボルトを締付け対象物とし、これらの丸い頭あるいは環状突条を案内とし て締付け対象物とネジ締め具の軸線を一致させるようにしたものであるが、頂部 が平坦なボルトを締付け対象物とする一般のナットランナの場合には、これらの 頂部を軸心合わせに利用することができないといった問題を有している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこのような問題に鑑みてなされたもので、ボルトの頭の一部を軸心合 わせに利用し得る新たなナットランナを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなわち本考案はこのような課題を達成するためのナットランナとして、ナッ トランナの先端に取付けるソケットボックスの端面一部に、段違い状の垂面を軸 心とほぼ平行に形成し、その垂面のナット嵌合孔と交わる内端をボルト頭部の一 側面に突当てる衝当て部となしたものである。

【０００６】

【実施例】 そこで以下に本考案の実施例について説明する。 図１は本考案の一実施例をなすナットランナのソケットボックス部分を示した ものである。

【０００７】 このソケットボックス１は、従来周知のように、図示しないナットランナの先 端にスプリングによる外向き付勢力が付与された状態で回転駆動力を受けて回転 し得るように取付けられている。

【０００８】 このソケットボックス１の端面２、つまり締付けるべきボルトの頭部Ｗに対向 する面は、一周で１mm及至１．５mmの段差を生じるような緩い螺旋状の斜面とし て形成され、さらに一周することによって生じるこの端面２の低位側斜面２ａと 高位側斜面２ｂとの境には、軸線と並行な向きの垂面３が形成され、さらにこの 垂面３のボルト嵌合孔５の縁と交わる内端部には、鋭角な衝当て部４が形成され ていて、ソケットボックス１の端面２をボルト頭部Ｗの頂面ｂに当接させて回転 させた際、垂面３内端の衝当て部４がボルト頭部Ｗの一側面ａに衝当たることに よって、ソケットボックス１の軸心をボルト頭部Ｗの軸心に一致させ得るように 構成されている。

【０００９】 このように構成されたソケットボックス１をボルト頭部Ｗの頂面ｂに当接させ て回転させると、通常の場合、つまり両者の軸心がほぼ一致している場合には、 従来のナットランナと同様に、ソケットボックス１が若干回転した段階でそのボ ルト嵌合孔５がボルトの頭部Ｗと係合し、これとともに、スプリングに押圧され たソケットボックス１が軸心方向に突出し、ボルトの頭部Ｗと嵌合して所要のネ ジ締めが行われる。

【００１０】 一方、ソケットボックス１の軸心Ｏと、ボルト頭部Ｗの軸心Ｏ’との間に若干 の軸ズレδがある状態でソケットボックス１がボルト頭部Ｗの頂面ｂに衝当てら れると、図３に示したように、垂面３が、ボルト頭部Ｗの頂面ｂから外れている 場合と、図４に示したように、垂面２ｂがボルト頭部Ｗの頂面ｂに位置している 場合が生じる。

【００１１】 しかしいずれの場合でも、ソケットボックス１が回転を始めると、１回転しな い間に、図２に示したように、端面２の低位側斜面２ａがボルト頭部Ｗの頂面ｂ に当接し、垂面３内端の衝当て部４がボルト頭部Ｗの頂面ｂから下方に突出して その一側面ａに当接した状態となる。

【００１２】 そして状態で、ソケットボックス２に働く回転力ｆが衝当て部４に作用すると 、この部分には、ボルトＷの側面ａとの間に生じる摩擦力（つまり、側面ａに垂 直に作用する分力Ｙに比例した力）に打勝って鋭角部４を側面ａに沿わせて滑ら せす力（つまり、一側面ａに並行な分力Ｘに比例した力）が作用する結果、ソケ ットボックス１は、図２に白抜き矢印で示したように側面ａに対して平行に移動 して、ボルト嵌合孔５とボルトの頭部Ｗとが合致し、その点で、スプリングの付 勢力によりソケットボックス１とボルトの頭部Ｗは円滑に係合状態に入る。

【００１３】 ところで、これら一連の動きは、ナットランナの回転と同時に瞬時に行われる ため、実際は、あたかもソケットボックス１がボルト頭部Ｗの頂部ｂでジャンプ して結合したかのような現象を呈する。

【００１４】 以上の説明からも明らかなように、ソケットボックス１がボルト頭部Ｗの一側 面ａに案内されて嵌合するのは、両者間の軸心ズレδがボルト頭部Ｗの１／２以 下の場合に限られ、これ以上の軸心ズレがある場合には、ナットランナの位置を 改めて修正しなければならないことは云うまでもない。

【００１５】 なお、以上は、ソケットボックス１の端面２に緩い螺旋状の傾斜を設けて、そ の段違いをなす垂面３のボルト嵌合孔５と交わる内端部に鋭角状の衝当て部４を 設けるようにしたものであるが、ソケットボックス１の端面に一部突起を設け、 その突起のボルト嵌合孔５と交わる内端に鋭角状の衝当て部を設けるように構成 しても同様の作用を奏する。

【００１６】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、ソケットボックスの端面一部に段違い状の 垂面を形成し、そのナット嵌合孔と交わる内端をボルト頭部の一側面に当接する 衝当て部となしたので、ボルト頭部とソケットボックスとの間に多少の軸ズレが あっても、ソケットボックスを回転させで、その衝当て部をボルト頭部の一側面 に衝当てつつこの面に沿わせることにより、両者を簡単かつ円滑に嵌合わすこと ができて、ナットランナによるネジ締め作業を大幅に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例をなすナットランナのソケッ
トボックス部分を示した斜視図である。

【図２】ボルト頭部との嵌合い動作を示した説明図であ
る。

【図３】（ａ）、（ｂ）はソケットボックスとボルト頭
部の軸心ズレの一態様を示した平面図と斜面図である。

【図４】（ａ）、（ｂ）は別の態様を示した平面図と斜
面図である。

【符号の説明】

１ ソケットボックス ２ 端面 ３ 段違い状の垂面 ４ 衝当て部 ５ ナット嵌合孔 Ｗ ボルトの頭部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ナットランナの先端に取付けるソケット
   ボックスの端面一部に、段違い状の垂面を軸心とほぼ平
   行に形成するとともに、該垂面のナット嵌合孔と交わる
   内端をボルト頭部の一側面に突当てる衝当て部となした
   ことを特徴とするナットランナ。