JPH0615906B2 - ピストン - Google Patents

ピストン

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JPH0615906B2
JPH0615906B2 JP13721886A JP13721886A JPH0615906B2 JP H0615906 B2 JPH0615906 B2 JP H0615906B2 JP 13721886 A JP13721886 A JP 13721886A JP 13721886 A JP13721886 A JP 13721886A JP H0615906 B2 JPH0615906 B2 JP H0615906B2
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piston
pin hole
piston pin
fiber
forming portion
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正晴 大島
広衛 大川
隆治 後藤
敏宏 皆木
征彦 山崎
研一 柴田
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Nissan Motor Co Ltd
Nichias Corp
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Nissan Motor Co Ltd
Nichias Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、例えば、内燃機関の構成部品として使用さ
れ、シリンダブロック内で往復運動するピストンの改良
に関するものである。
(従来の技術) 内燃機関の構成部品として使用されるピストンは、シリ
ンダ内を往復運動して往復時には燃料混合気体を圧縮
し、また復動時には燃焼気体の圧力を受けて、前記気体
との間でエネルギの授受を行う部品であり、このピスト
ンの往復運動はコネクチングロッドを介してクランクシ
ャフトの回転力に変換される。そして、このピストンに
は、ピストンリング溝が2本ないし3本形成してあると
共に、前記コネクチングロッドの小端部を連結するピス
トンピンを装着するためのピストンピン穴が形成してあ
る。このようなピストンの一般的な構造は、「新編 自
動車工学便覧 第4編 第1−80〜81頁」(昭和5
8年9月30日 社団法人 自動車技術会 発行)に記
載してある。
このピストンにおいては、上記のように、コネクチング
ロッドの小端部を連結するピストンピンを装着するため
のピストンピン穴が形成してあるが、このピストンピン
穴形成部分の表面は摺動特性および耐摩耗特性に優れて
いることが要求されると同時に、相手材であるピストン
ピンへの攻撃性が小さいことも要求される。
一方、この種のピストンにおいて軽量化を行うことは、
燃費や振動の低減に大きな効果があるため、マグネシウ
ム合金やアルミニウム合金から製作することが考えら
れ、マグネシウム合金はアルミニウム合金よりもさらに
比重が小さいため、往復運動部の軽量化に寄与する度合
が大である。しかしながら、マグネシウム合金とした場
合にはピストンピン穴形成部分において受ける大きな荷
重に耐えうるようにするために、受け面積を大きくして
対処するようになす必要があるが、このようにした場合
にはピストンピンが大きくなり、とくにピストンピンは
鋼製であることが多いことから、ピストンの軽量化にと
って好ましくないものであった。
他方、従来より、表面の摺動特性を向上させるために、
液体潤滑剤や固体潤滑剤を使用することがよく行われて
おり、さらには固体潤滑剤を内部に複合化させた複合材
料も開発されている。この複合材料の一例としては、固
体潤滑剤の粒状粉体と強化繊維との混合液から繊維成形
体を形成し、マトリックス金属を溶湯鍛造法により複合
化させたものがある(特開昭58−93845号)。
(発明が解決しようとする問題点) そこで、ピストンピン穴形成部分の摺動特性を改善する
ために、ピストンピン穴形成部分を上記の複合材料から
形成することも考えられるが、このような従来の固体潤
滑複合材料では、繊維表面層だけでなく内部の繊維間隙
にも固体潤滑剤粉末が存在するものとなっていたため、
固体潤滑剤の熱分解を考慮して、摺動部分に固体潤滑剤
を最初から多量に存在させなければならず、それゆえか
さ密度が高くなりすぎ、溶湯鍛造法によっては十分な複
合化が達せられないという問題点を有していると共に、
固体潤滑剤の使用効率が低く、耐久性にも劣るものにな
るという問題点があった。
(発明の目的) この発明は、上述した従来の問題点にかんがみてなされ
たもので、ピストンピン穴形成部分の摺動特性が著しく
良好であり、耐久性にも優れていると同時に、ピストン
ピン穴に装着されるピストンピンへの攻撃性が小さいピ
ストンを提供することを目的としている。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) この発明は、ピストンピン穴を有すると共に、少なくと
も前記ピストンピン穴形成部分を繊維で強化したピスト
ンにおいて、前記ピストンピン穴形成部分の表面に、金
属の硫化物,セレン化合物および酸化物よりなる固体潤
滑剤のうちから選ばれる1種または2種以上の固体潤滑
剤からなる固体潤滑複合層を形成していることを特徴と
しており、前記固体潤滑剤を前記強化繊維によって効果
的に担持させるようにしたことを特徴としている。
第1図はこの発明の一実施態様によるピストンを示す図
であって、図に示すピストン1は、ピストンヘッド部分
に凹部2を有していると共に、上部側の外表面にピスト
ンリング溝3を有し、中央部分において水平方向に貫通
するピストンピン穴4を有していると共に、底部で開口
するコネクチングロッド装着穴5を有している。そし
て、ピストンピン穴4を形成している部分は繊維6で強
化された繊維強化層7となっていると共に、ピストンピ
ン穴形成部分の表面には固体潤滑複合層8を有している
ものである。
このようなピストン1を製造するに際しては、例えば、
円筒形状にした繊維成形体の内周面側に固体潤滑剤を担
持させた状態とし、この繊維成形体をピストン成形型内
に設置して、前記ピストン成形型内に溶湯を供給するこ
とにより、前記繊維成形体を複合化させ、ピストンピン
穴形成部分を繊維6で強化した繊維強化層7にすると共
に、繊維強化層7の表面に固体潤滑複合層8を有するピ
ストン1を得る。
この発明によるピストン1において、当該ピストン1自
体の素材は特に限定されず、強化用繊維6についても特
に限定されない。また、固体潤滑剤としては、金属の硫
化物,セレン化物および酸化物よりなるものが使用さ
れ、より具体的には、二硫化モリブデン,二硫化グステ
ン,セレン化モリブデン,セレン化タングステン,酸化
鉛などのような金属の硫化物,セレン化物および酸化物
が用いられる。ただし、固体潤滑剤として知られている
黒鉛は、ピストン素材がとくに酸化傾向の強いマグネシ
ウム(合金)からなる場合には、マグネシウム(合金)
溶湯中で酸化されるので好ましくない。
(実施例) 平均繊維径2.2μmのアルミナシリケート質繊維(ニ
チアス(株)製 商品名:ファインフレックス,50重
量%A,50重量%SiO)13.6gを1
のコロイダルシリカ10%溶液に加えてよく撹拌し調合
した後、真空成形法により筒状の繊維成形体を成形し、
さらにプレスにより所定形状に成形してかさ密度0.4
g/cmの筒状繊維成形体を作成した。
次いで、上記筒状繊維成形体を150℃にて2時間乾燥
させた後、さらに800℃にて1時間焼成してコロイダ
ルシリカにより繊維間を強く結合させた。
次いで、前記焼成後の筒状繊維成形体を遠心分離器にセ
ットし、次に二硫化モリブデン(100メッシュ以下お
よび350メッシュ以上の粒度に分級)粉末を水に分散
させた溶液を加え、遠心分離によって二硫化モリブデン
の粉末層を成形体の内周面に厚さ0.5mmとなるよう
に形成させた。このとき、二硫化モリブデンのかさ密度
は2.38g/cmであった。
続いて、この成形体を150℃にて2時間乾燥させた
後、ピストン成形用鋳型にセットし(左右2個)、次い
で前記鋳型内にマグネシウム合金(Al:2重量%,S
i:1重量%,残部マグネシウム)の溶湯(溶湯温度;
720℃)を注湯し、これと同時に鋳型内を1000k
gf/cmの圧力で加圧し、鋳型内のマグネシウム合
金が完全に凝固するまで加圧状態を保持し、その後ノッ
クアウトピンによって、ピストンピン穴形成部分が無機
質繊維6で強化された繊維強化層7となっているととも
にピストンピン穴形成部分の表面に固体潤滑剤からなる
固体潤滑複合層8が形成されているピストン1(A)を
得た。
(比較例) マグネシウム合金からなりかつピストンピン穴形成部分
を繊維強化しないピストン(B)と、マグネシウム合金
からなりかつピストンピン穴形成部分に固体潤滑剤を付
着させたピストン(C)と、マグネシウム合金からなり
かつピストンピン穴形成部分を繊維強化したピストン
(D)とを製作した。
(評価例) 次に、上述の実施例および比較例で用意したピストン
(A,B,C,D)において、ピストンピン穴形成部分
の耐摩耗性およびその相手材に体する摩擦摩耗特性を把
握するために、当該ピストンから試験片を切り出し、第
1表に示す試験片と相手材との組合わせとして、第2図
に知した摩耗試験機によって第2表に示す条件で摩耗試
験を行った。
なお、ここで用いた摩耗試験機は、第2図に示すよう
に、回転軸11に固定した相手材ホルダ12に相手材円
板13が取外し可能に取付けられており、図示しない駆
動装置によって所定速度で回転するようにしてある。ま
た、相手材円板13に相対向させて固定軸14が設置し
てあり、図示しない油圧装置によって、第2図右方向に
向けて所定圧力で押圧力が作用するようにしてある。そ
して、固定軸14の先端フランジ部15には試験片ホル
ダ16が固定してあり、この試験片ホルダ16には試験
片17が合計4個取外し可能に取付けてあって、試験片
17に対して前記相手材円板13が圧接摺動するように
なっている。また、オイルは試験片ホルダ16の中心か
ら循環供給されるようになっている。
このような構造の摩耗試験機において、固定軸14に所
定の押圧力をかけることにより所定の面圧(第2表に示
す押圧荷重)で相手材円板13と試験片17とが接触す
るようにしておきながら、回転軸11を所定速度(第2
表に示すすべり速度)で所定時間(第2表に示す試験時
間)回転させ、試験片17および相手材円板13の各々
の摩耗量を調べることにより、ピストンピン穴形成部分
自体の耐摩耗特性および相手材に対する摩擦摩耗特性の
評価を行った。この評価結果を同じく第1表に示す。
第1表に示すように、試験片の組合わせA(ピストン
A)の場合には、試験片の組合わせD(ピストンD)に
比べて、相手材への攻撃性が小さく自分自身の耐摩耗性
も良好であることから明らかである。また、試験片の組
合わせB,C(ピストンB,C)の場合には、試験片の
組合わせA(ピストンA)に比べて相手材への攻撃性は
小さくなっているものの、自分自身の摩耗量が著しく大
きなものとなっている。すなわち、ピストンピン穴形成
部分が繊維強化されていない場合に、マグネシウム合金
自体は非常に軟らかいため、大きな面圧が加わった場合
に摩耗しやすく、組合わせCのように固体潤滑剤を用い
た場合には、軟らかいマトリックス金属と共に固体潤滑
剤が容易に破壊して摺動面外へ排出されるため、固体潤
滑剤の自己犠牲潤滑効果がうすれるので摩耗しやすいも
のとなる。
従って、この摩耗試験の結果より、第1図に示したよう
に、繊維強化層7の表面に、固体潤滑複合層8を積層し
たこの発明によるピストン1の場合には、自らの耐摩耗
性に優れていると同時に相手材に対する摩擦摩耗特性に
も優れているのであることが明らかである。そして、こ
の場合において、高荷重に対しては繊維強化層7で荷重
を受け持ち、潤滑は固体潤滑複合層8中から固体潤滑剤
が摺動面に存在するために著しく優れたものとなる。
[発明の効果] 以上説明してきたように、この発明によれば、ピストン
ピン穴を有すると共に、少なくとも前記ピストンピン穴
形成部分を繊維で強化したピストンにおいて、前記ピス
トンピン穴形成部分の表面に、金属の硫化物,セレン化
合物および酸化物よりなる固体潤滑剤のうちから選ばれ
る1種または2種以上の固体潤滑剤からなる固体潤滑複
合層を形成している構成としたから、ピストンピン穴形
成部分の耐摩耗性に著しく優れていると共に、ピストン
ピン穴に装着されるピストンピンに対する攻撃性も著し
く小さく、ピストンピン穴形成部分およびピストンピン
の摩耗量をきわめて少ないものとして適切な摺動クリア
ランスを長期にわたって維持することが可能であるとい
う著大なる効果がもたらされ、とくに、アルミニウム合
金よりもさらに比重が小さくより一層の軽量化が可能で
あるものの耐摩耗性に問題のあるマグネシウム(合金)
製のピストンに適用した場合に有効なものである。そし
て、このような往復運動部の軽量化によって内燃機関に
おける燃費の節減ならびに振動の低減に有効なものとな
り、特にピストンの軽量化に対する寄与率が大きいマグ
ネシウム合金製としたときに当該ピストンピン穴の直径
を従来のアルミニウム合金製ピストンのピストンピン穴
の直径と同等のものにできるため、材料の置き換えによ
る軽量効果が一段と大きくなり、内燃機関の燃費節減な
らびに振動低減に効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例によるピストンの断面図、
第2図はピストンのピストンピン穴形成部分における摩
擦摩耗特性を評価するのに使用した摩耗試験機の概略図
である。 1……ピストン、 4……ピストンピン穴、 6……繊維、 8……固体潤滑複合層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 隆治 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 皆木 敏宏 神奈川県鎌倉市寺分2丁目24番21号 (72)発明者 山崎 征彦 東京都目黒区自由が丘1丁目3番5号 (72)発明者 柴田 研一 神奈川県横浜市戸塚区中田町257番地 (56)参考文献 特開 昭62−191954(JP,A) 特開 昭57−105541(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンピン穴を有すると共に、少なくと
    も前記ピストンピン穴形成部分を繊維で強化したピスト
    ンにおいて、前記ピストンピン穴形成部分の表面に、金
    属の硫化物,セレン化合物および酸化物よりなる固体潤
    滑剤のうちから選ばれる1種または2種以上の固体潤滑
    剤からなる固体潤滑複合層を形成していることを特徴と
    するピストン。
JP13721886A 1986-06-11 1986-06-11 ピストン Expired - Lifetime JPH0615906B2 (ja)

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