JPH0615714U - 集塵機用パルスジェット式除塵装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧縮空気の噴射によるフイルタの除塵作用
を、ベンチュリー管を取付けた上端周辺部を含むフイル
タの全体に亘って確実に及ぼす。 【構成】 ブローチューブ８を通して送られて来る圧縮
空気を２次空気を誘引しながらベンチュリー管７に吹込
んでフイルタ５の除塵を行うノズル管９を、噴射した圧
縮空気と２次空気がベンチュリー管７の内部で螺旋状に
旋回するように螺旋形又は屈曲した状態に構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バグフイルタ或は成形フイルタと云った各種フイルタ（以下単に フイルタと云う）の面に付着、堆積したダストをフイルタの入口に取付けたベン チュリー管に圧縮空気を吹込むことによって払落すように構成した集塵機用パル スジェット式除塵装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の一般的なパルスジェット式除塵装置は、例えば、特開昭５４−９０６６ ４号公報に開示されている如く、圧縮空気を送るブローチューブの底面に小さな ノズル穴を穿孔し、このノズル穴より圧縮空気をフイルタの入口に取付けたベン チュリー管の内部に噴射させることによって、フイルタに付着、堆積しているダ ストを払い落す仕組に成っているが、この形式の除塵装置は、ノズル穴より噴射 された圧縮空気が誘引した２次空気と一緒にベンチュリー管を通してフイルタの 内部に真直ぐ吹込まれるため、フイルタの全体、特にその上端部周辺に対して充 分な除塵作用を発揮できない場合があった。

【０００３】 即ち、図５は上記従来のパルスジェット式除塵装置の構成を説明したものであ って、図中、Ｐはノズル穴Ｐａを備えたブローチューブ、Ｆは集塵機の仕切板Ｔ に吊下げたフイルタ（バグフイルタ）、ＦＧはフイルタゲージ、ＶはフイルタＦ の入口に取付けたベンチュリー管で、ノズル穴Ｐａより噴射される圧縮空気は周 囲の２次空気を誘引しながらベンチュリー管Ｖの入口Ｖａ内に吹込まれ、次いで 、その下端口Ｖｂより勢い良くフイルタＦの内部に噴出されて、その衝撃によっ てフイルタＦに付着、堆積されているダストの払い落しを行うのであるが、この ベンチュリー管Ｖの下端口ＶｂよりフイルタＦの内部に吹込まれる圧縮空気は、 直進性を持って真直ぐ下方に噴射されてフイルタＦの内側より外側への方向成分 が少くないため、フイルタＦに対する払い落し作用が不充分で、特に、その上端 部、即ち、ベンチュリー管Ｖの下端口Ｖｂの周辺部分には圧縮空気が充分に噴射 されずに、この部分にダストＤＳが付着したまま堆積してしまう問題があった。

【０００４】 そこで、例えば特開昭６３−３１９０１８号公報に見られるように、フイルタ の内部に上面を吹込まれて来る圧縮空気の反射面とした充填体を収容することに より、圧縮空気をフイルタの外側と上端部周辺方向に反射させて、払い落し効果 を向上させることが考えられた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来例のように各フイルタ毎に充填体を収容すると成ると、製造 コストが高くなってしまう経済的問題があり、また、充填体に１度反射させた圧 縮空気はその速度が遅くなって除塵力が可成り衰勢するため、特に、フイルタの 上端部周辺に付着したダストを充分に除塵できない問題があった。

【０００６】 従って本考案の技術的課題は、圧縮空気の噴射によるフイルタの除塵作用を、 比較的簡単な装置を用いてフイルタの上端部周辺部分に対しても充分に及ぼして 、該上端部周辺部分を含むフイルタの外側面全体に付着、堆積したダストを確実 に払い落すことである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の技術的課題を解決するために本考案で講じた手段は以下の如くである。 ブローチューブを通して送られて来る圧縮空気をブローチューブに取付けたノ ズル管よりフイルタの入口に取付けたベンチュリー管に吹込むことによって、フ イルタに付着したダストを払い落すように構成した集塵機用パルスジェット式除 塵装置に於いて、

【０００８】 （１） 圧縮空気を噴射するノズル管の内側を、ノズル管よりベンチュリー管に 吹込まれた圧縮空気がベンチュリー管の内部で螺旋状の流れを起すように螺旋形 に形成すること。

【０００９】 （２） 圧縮空気を噴射するノズル管の全体を、ベンチュリー管に吹込まれた圧 縮空気がベンチュリー管の内部で螺旋状の流れを起すように螺旋形に形成するこ と。

【００１０】 （３） 圧縮空気を噴射するノズル管の噴射口を、ベンチュリー管に吹込まれた 圧縮空気がベンチュリー管の内部で螺旋状の流れを起すように、ベンチュリー管 の入口の接線方向に向けて屈曲すること。

【００１１】

【作用】

上記の手段は以下の如く作用する。 上記（１）で述べた手段によれば、内側を螺旋形に形成したノズル管を通し てベンチュリー管の入口に向けて噴射される圧縮空気と誘引された２次空気は、 ノズル管の噴射口（出口）に於いて放射状の方向ベクトルを持った速度として噴 射され、ベンチュリー管の入口に到達するとベンチュリー管の内壁面に沿って円 周方向に回転する回転力を持った螺旋状の流れとなるため、通常の直管型のノズ ル管と比較してフイルタの内側より外側への方向成分が多くなって、フイルタの 全体に対してより優れた払い落し効果を発揮できると共に、フイルタの上部周辺 部分に対しても圧縮空気を噴射してダストを確実に払い落すことを可能にする。

【００１２】 上記（２）で述べた手段によれば、上記と同様に螺旋形に形成したノズル 管から噴射される圧縮空気と誘引された２次空気が、ベンチュリー管の内壁面に 沿って円周方向に回転する回転力を持った螺旋状の流れを造るため、フイルタの 内側より外側への方向成分が多くなってフイルタの全体に対して優れた払い落し 効果を発揮し、合せて、フイルタの上端部周辺部分に対しても同様な優れた払い 落し作用を発揮することを可能にする。

【００１３】 上記（３）で述べた手段によれば、上記及びと同様にベンチュリー管の 入口の接線方向から吹込まれて来る圧縮空気と誘引された２次空気が、ベンチュ リー管の内壁面に沿った螺旋状の流れを造るため、フイルタの全体に対して優れ た払い落し効果を発揮し、且つ、フイルタの上端部周辺部分に対しても同様の払 い落し効果を発揮することを可能にする。 以上の如くであるから、上記の手段によって上述した技術的課題を解決して、 前記従来の技術の問題点を解消することができる。

【００１４】

【実施例】

以下に、上述した本考案に係る集塵機用パルスジェット式除塵装置の好適な実 施例を添付した図面と共に詳細に説明する。 図１は本考案に係る除塵装置を具備した集塵機の一例を示した構成図で、図２ は本考案の第１実施例の要部を拡大して示した断面図を示したものであって、こ れ等の図面に於いて、１は集塵機の機体で、２はこの機体１の内部を清浄室１ａ と集塵室１ｂの上下２室に区画した仕切板、１ｃは集塵室１ｂの底部に連設した ダスト貯留用のホッパ、３は清浄室１ａに接続した排気ダクト、４は含塵空気の 吸引ダクト、５…は仕切板１ａに吊下げたバグフイルタ、６はこれ等各バグフイ ルタ５…内に収容したフイルタゲージ、７…は各バグフイルタ５…の上部入口部 分に設けたベンチュリー管で、７ａと７ｂはその入口と出口、８は圧縮空気のブ ローチューブ、９…は各ベンチュリー管７の入口７ａに対向させてブローチュー ブ８の底面に取付けた圧縮空気の噴射用ノズル管、１０はバルブ１１を通してブ ローチューブ８に圧縮空気を供給するヘッダパイプである。

【００１５】 以上の如く構成した集塵機によれば、排気ダクト３を通して清浄室１ａ及び集 塵室１ｂにブロアーの吸引作用を及ぼすことにより、吸引ダクウト４を通して集 塵室１ｂに吸引したダストＤＳを各バグフイルタ５…に捕集し、濾過された清浄 空気のみを清浄室１ａより排気ダクト３を通して外部に排気すると共に、各バグ フイルタ５…に付着、堆積したダストＤＳを、ブローチューブ８に取付けた各ノ ズル管９…から圧縮空気を各ベンチュリー管７…の入口７ａ内に噴射することに よって払い落す仕組に成っているが、本考案では、特に、上記各ノズル管９…の 内側を図２に示した如く螺旋形９ａに造ることによって、噴射した圧縮空気をベ ンチュリー管７の内部で螺旋状の流れにする仕組に成っている。

【００１６】 即ち、上記の如く内側を螺旋形９ａに形成したノズル管９から噴射される圧縮 空気は、この螺旋形９ａにガイドされて噴射口に於いて放射状の方向ベクトルを 持った速度として噴射され、ベンチュリー管７の入口７ａに到達すると、誘引さ れた２次空気と一緒にベンチュリー管７の内壁面に沿って円周方向に回転力を持 った螺旋状の流れとなって出口７ｂよりバグフイルタ５内に吹込まれるため、従 来の直管タイプのノズルに比較してバグフイルタ５の内側より外側への方向成分 を多くすることができ、従って、上端周辺部を含むバグフイルタ５の全体に対し て優れた除塵作用を発揮することができる。

【００１７】 また、図３は上記ノズル管９の全体を螺旋形９ｂに形成した本考案の第２実施 例を示したものであって、この螺旋形９ｂを成すノズル管９によっても、上記図 ２に示したノズル管９と同様に噴射した圧縮空気と誘引した２次空気を螺旋状の 流れとしてベンチュリー管７よりバグフイルタ５の内部に吹込んで、上端部周辺 を含むフイルタの全体に対して優れた除塵作用を発揮することができる。

【００１８】 次に、図４は上記ノズル管９の全体をその噴射口９ｃがベンチュリー管７の入 口７ａの接線方向に向くように屈曲した本考案の第３実施例を示したものであっ て、この噴射口９ｃから噴射される圧縮空気と誘引された２次空気も、ベンチュ リー管７の入口７ａに到達すると、ベンチュリー管７の内壁面に沿って円周方向 に回転力を持った螺旋状の流れを造るため、上記図２と図３に示した各実施例と 同様に圧縮空気の流れをバグフイルタ５の内側より外側への方向成分を持った速 度ベクトルとして、バグフイルタ５の上端周辺部を含む全体に対して優れた除塵 作用を発揮することができる。

【００１９】 尚、上述した実施例では本考案をバグフイルタ５に使用した場合の説明を行っ ているが、本考案は成形フイルタにも同様に使用できることは勿論である。

【００２０】

【考案の効果】 以上述べた次第で、本考案に係る集塵機用パルスジェット式除塵装置によれば 、ブローチューブよりノズル管を通してベンチュリー管に噴射される圧縮空気を 、誘引した２次空気と一緒にベンチュリー管の内部で旋回させて円周方向に回転 力を持った螺旋状の流れにしてフイルタ内部に吹込むため、フイルタの内側より 外側への方向成分が多くなってフイルタの全体に対して優れた除塵作用を発揮で きるものであって、従って、ブローチューブに取付けるノズル管を変えるだけで 除塵効果を高めることができる経済性を備え、且つ、除塵が難しかったフイルタ の上端周辺部に対しても充分な払い落し作用を発揮できる利点を備えている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るパルスジェット式除塵装置を備え
た集塵機の内部構造を説明した構成図である。

【図２】本考案の第１実施例の要部を拡大して示した断
面図である。

【図３】本考案の第２実施例の要部を拡大して示した断
面図である。

【図４】同じく本考案の第３実施例の要部を拡大して示
した断面図である。

【図５】従来例の構成を示した断面図である。

【符号の説明】

５ フイルタ（バグフイルタ） ７ ベンチュリー管 ７ａ 入口 ７ｂ 出口 ８ ブローチューブ ９ ノズル管 ９ａ 螺旋形状 ９ｂ 螺旋型 ９ｃ 屈曲した噴射口

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブローチューブを通して送られて来る圧
   縮空気をブローチューブに取付けたノズル管よりフイル
   タの入口に取付けたベンチュリー管に吹込むことによっ
   て、フイルタに付着したダストを払い落すように構成し
   た集塵機用パルスジェット式除塵装置に於いて、 上記ノズル管の内側を、ノズル管よりベンチュリー管に
   吹込まれた圧縮空気がベンチュリー管の内部で螺旋状の
   流れを起すように螺旋形に形成したことを特徴とする集
   塵機用パルスジェット式除塵装置。
2. 【請求項２】 圧縮空気を噴射するノズル管の全体を、
   ベンチュリー管に吹込まれた圧縮空気がベンチュリー管
   の内部で螺旋状の流れを起すように螺旋形に形成したこ
   とを特徴とする請求項１記載の集塵機用パルスジェット
   式除塵装置。
3. 【請求項３】 圧縮空気を噴射するノズル管の噴射口
   を、ベンチュリー管に吹込まれた圧縮空気がベンチュリ
   ー管の内部で螺旋状の流れを起すように、ベンチュリー
   管の入口の接線方向に向けて屈曲したことを特徴とする
   請求項１記載の集塵機用パルスジェット式除塵装置。