JPH0615397U - 電磁誘導型音響発生機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】等価的磁気空隙を小さくして、音響輻射効率の
向上を図る。 【構成】円環状磁気空隙を構成する磁気回路のセンタポ
ールの頭部外周に巻着して固着した磁性を有する一次コ
イル導線に相対向して、 磁気空隙内において、両端を直
結ショート接続した二次可動コイルを配置し振動板に連
結した構成。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、スピーカ、 マフラ用の発音機等の音響発生機に関するものである。

【従来の技術】

従来この種の音響発生機は、図７、図８に示した様に、円環状磁気空隙(13)に 懸垂して支持された音声コイル(12)に音声電流を流して発生する二次磁界と、 磁 気空隙(13)内の磁束による一次磁界との鎖交によって、 磁気誘導を誘起して、 発 生する駆動力を利用して音声コイル(12)を振動させて、 その振動を振動板(6)に 伝えて発音させていた。

【考案が解決しようとする課題】

したがって、従来のこの種音響発生機にあっては、一次磁界と二次磁界とは離 隔した相対位置に配置すると、 一次、 二次両コイル間の電磁結合が疎遠になって、 電磁誘導の効率が低くなるという問題があった。また、これを改良した磁気空 隙に近接して配置した音響発生機にあっては、一次磁界発生コイルを磁気空隙内 に配置すると、 電磁結合の度合いは密になって向上するが、磁気空隙内に固定コ イルの体積を占有するので、勢い磁気空隙の形状が大になり、磁気空隙の磁束密 度が小さくなって、 効率が良くないという問題もあった。 そこで、本考案は、 このような従来の音響発生機が有していた課題を解決するために、一次磁界の発 生源のコイルを誘導効率のよい位置に設定するするとともに、 一次コイルに磁性 体材料を使用することによって、等価的に磁気空隙を小さくして、音響輻射効率 をの向上を図ることを目的とし、構成材料の節減を図ることができる音響発生機 を提供しようとするものである。

【課題を解決するための手段】

該目的を達成するための本考案の構成を、実施例に対応する図１乃至図６を用 いて説明すると、本考案は、円環状磁気空隙(3)を構成する磁気回路のセンタポ ール(4)の頭部外周に巻着して固着した磁性を有する一次コイル導線(1a)に相対 向して、 磁気空隙(3)内において、 両端を直結ショート接続した二次可動コイル( 2)を配置し振動板(6)に連結した電磁誘導型音響発生機である。

【作用】 本考案は、このような構造としたものであるから、従って、本考案の音響発生 機は、一次磁界発生コイル(1a)及び又は(1b)に電気誘導率の良い、かつ磁気透磁 率の良い磁性体として軟鉄製の導線を使用して、二次磁界発生コイル(2)への誘 導効率を良好にする位置に配置するとともに、等価的に磁気空隙(3)を小さくし て変換効率の向上を得ることができる。

【実施例】

以下本考案の実施例について図面に基づいて説明する。 図中、図１乃至図６は、本考案の第１実施例を示す図であって、図１はその断 面図、 図２はその電気接続図を示している。 (1a)は、 円環状磁気空隙(3)を構成する磁気回路のセンタポール(4)の頭部外周 に巻着して固着した磁性を有する例えば軟鉄製の一次コイル導線であって、 電気 音声回路(ｅ)の出力に接続される。その一次コイル導線(1a)にに相対向して、 円 環状磁気空隙(3)内に、 二次コイル(2)を懸垂して支持するように配置してその巻 着ボビン(2a)の先端を振動板(6)に連結してある。 そして、 前記二次コイル(2)は その巻着両端は、 直結してシヨート接続状態をなしている。 図３、図４に示す本考案第２実施例は、円環状磁気空隙(3)を構成する磁気回 路のプレート(4b)の中心穴(4c)の内周に巻着して固着した磁性を有する一次コイ ル導線(1b)に相対向して、 磁気空隙(3)内において、 両端を直結ショート接続し た二次可動コイル(2)を配置し振動板(6)に連結した電磁誘導型音響発生機である 。 図５、図６に示す本考案第３実施例は、円環状磁気空隙(3)を構成する磁気 回路のセンタポール(4)の頭部外周及びプレート(4b)の中心穴(4c)の内周とに巻 着して固着した磁性を有する一次コイル導線(1a),(1b)に相対向して、 磁気空隙( 3)内において、 両端を直結ショート接続した二次可動コイル(2)を配置し振動板( 6)に連結した電磁誘導型音響発生機である。両一次コイル(1a),(1b)は直列、 並 列、 又はそれぞれ単独に電気音声回路(ｅ)の出力端に接続される。 以上本考案の代表的と思われる実施例について説明したが、本考案は必ずしも これらの実施例構造のみに限定されるものではなく、本考案にいう前記の構成要 件を備え、かつ、本考案にいう目的を達成し、以下にいう効果を有する範囲内に おいて適宜改変して実施することができるものである。

【考案の効果】

以上の説明から既に明らかなように、本考案の音響発生機は、一次磁界発生コ イル(1a)、(1b)に電気誘導率の良い、かつ磁気透磁率の良い磁性体として軟鉄製 の導線を使用して、二次磁界発生コイル(2)への誘導効率を良好にする位置に配 するとともに、等価的に磁気空隙(3)を小さくして変換効率の向上を得ることが できるという実用上における顕著な効果を期待することが出来るに至ったのであ る。 また、本考案は、以上の構成により、音声電流の給電は、固定した導線で可能 であるから、機械的振動を排除したものであるから、従来のような導線の断線と いう故障は解消されて、信頼性が増大できるという効果をも期待することが出来 るに至ったのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示した断面図。

【図２】同上、 電気接続図。

【図３】本考案の第２実施例を示した断面図。

【図４】同上、 電気接続図。

【図５】本考案の第３実施例を示した断面図。

【図６】同上、 電気接続図。

【図７】従来例の断面図。

【図８】同上、 電気接続図。

【符号の説明】

(1a),(1b) 一次コイル導線 (2) 二次コイル(ボイスコイル)導線 (2a) ボビン (3) 磁気空隙 (4) センタポール (4b) 上部プレート (4c) 中心穴 (ｅ) 電気音声回路 (6) 振動板

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円環状磁気空隙(3)を構成する磁気回路の
   センタポール(4)の頭部外周に巻着して固着した磁性を
   有する一次コイル導線(1a)に相対向して、 磁気空隙(3)
   内において、 両端を直結ショート接続した二次可動コイ
   ル(2)を配置し振動板(6)に連結した電磁誘導型音響発生
   機。
2. 【請求項２】 円環状磁気空隙(3)を構成する磁気回路の
   プレート(4b)の中心穴(4c)の内周に巻着して固着した磁
   性を有する一次コイル導線(1b)に相対向して、 磁気空隙
   (3)内において、 両端を直結ショート接続した二次可動
   コイル(2)を配置し振動板(6)に連結した電磁誘導型音響
   発生機。
3. 【請求項３】 円環状磁気空隙(3)を構成する磁気回路の
   センタポール(4)の頭部外周及び上部プレート(4b)の中
   心穴(4c)の内周とに巻着して固着した磁性を有する一次
   コイル導線(1a),(1b)に相対向して、 磁気空隙(3)内にお
   いて、 両端を直結ショート接続した二次可動コイル(2)
   を配置し振動板(6)に連結した電磁誘導型音響発生機。