JPH06153315A - 電動車両の制動装置 - Google Patents

電動車両の制動装置

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JPH06153315A
JPH06153315A JP4303448A JP30344892A JPH06153315A JP H06153315 A JPH06153315 A JP H06153315A JP 4303448 A JP4303448 A JP 4303448A JP 30344892 A JP30344892 A JP 30344892A JP H06153315 A JPH06153315 A JP H06153315A
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JP
Japan
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braking force
regenerative braking
brake
output
mode
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Application number
JP4303448A
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English (en)
Inventor
Yasushi Aoki
康史 青木
Takeshi Oba
健 大庭
Iwao Nakamura
巌 中村
Ikuo Nonaga
郁生 野永
Yukihisa Ishii
行久 石井
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動輪の回生制動が可能な電動車両におい
て、内燃機関を駆動源とする車両に近い制動フィーリン
グを得るとともに、エネルギー回収効率を向上させる。 【構成】 ブレーキペダル8の操作量に基づいて通常の
油圧制動力に対応する第1の回生制動力を決定するとと
もに、アクセルペダル28の操作量およびモータ2の回
転数に基づいてエンジンブレーキに対応する第2の回生
制動力を決定し、モータ2に前記第1および第2の回生
制動力の総和の回生制動力を発揮させる。アクセルペダ
ルとブレーキペダル8とが同時操作された場合には、回
生制動が禁止されて油圧制動に切り替えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バッテリをエネルギー
源とするモータに接続されて駆動されるとともに、ブレ
ーキ操作子およびアクセル操作子の操作によって油圧制
動および回生制動が可能な駆動輪を備えた電動車両に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、回生制動が可能な駆動輪を備えた
電動車両として、例えば特公昭56−6204号公報、
あるいは特公昭49−28933号公報に記載されたも
のが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関を
駆動源とする車両では、ブレーキペダルの操作に伴う油
圧制動力に加えて、アクセルペダルを戻すことにより所
謂エンジンブレーキが作用する。一方、モータを駆動源
とする電動車両では、モータを発電機として機能させる
ことにより回生制動力を発揮させることが可能である
が、ブレーキペダルの操作により回生制動力を発揮させ
ると、内燃機関を駆動源とする車両のエンジンブレーキ
に相当する制動力が得られないために違和感が感じら
れ、またアクセルペダルの操作により回生制動力を発揮
させると、車両の運動エネルギーの大部分を油圧制動に
より捨てる必要が生じて不経済である。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、内燃機関を駆動源とする車両に近い制動フィーリン
グを得ることが可能であり、且つエネルギー回収効率に
優れた電動車両の制動装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電動車両の制動装置は、バッテリをエネル
ギー源とするモータに接続されて駆動されるとともに、
ブレーキ操作子およびアクセル操作子の操作によって油
圧制動および回生制動が可能な駆動輪を備えた電動車両
であって、ブレーキ操作子の操作状態に基づいて第1の
回生制動力を決定する手段と、アクセル操作子の操作状
態および前記モータの回転数に基づいて第2の回生制動
力を決定する手段と、前記第1および第2の回生制動力
を加算した総和の回生制動力を出力して駆動輪を回生制
動する手段とを備えたことを第1の特徴とする。
【0006】また本発明は前述の第1の特徴に加えて、
前記アクセル操作子の操作によって前記モータが駆動状
態になった時、回生制動を禁止する手段を備えたことを
第2の特徴とする。
【0007】また本発明は前述の第1の特徴に加えて、
前記ブレーキ操作子の操作量を検出するブレーキ操作量
検出センサが、ブレーキ操作子の非操作時における出力
をゼロに補正する手段を備えたことを第3の特徴とす
る。
【0008】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0009】図1〜図50は本発明の実施例を示すもの
で、図1はその制動装置を備えた電動車両の全体構成
図、図2は制御系のブロック図、図3および図4は制動
モードの概略説明図、図5は差圧バルブの構造および特
性を示す図、図6〜図48は作用を説明するフローチャ
ート、グラフおよびタイムチャート、図49および図5
0は他の実施例による差圧バルブの構造および特性を示
す図である。
【0010】図1に示すように、この電動車両は従動輪
としての一対の前輪Wfと駆動輪としての一対の後輪W
rとを備えた4輪車であって、後輪Wrはバッテリ1を
エネルギー源とする電気モータ2に前進4段のトランス
ミッション3およびデフ4を介して接続される。バッテ
リ1とモータ2との間にはPDU(パワードライブユニ
ット)5が介装され、バッテリ1によるモータ2の駆動
を制御するとともに、回生制動に伴ってモータ2が発電
する電力によるバッテリ1の充電を制御する。前記PD
U5とトランスミッション3とはモータ・ミッション制
御ECU(電子制御ユニット)6に接続され、このモー
タ・ミッション制御ECU6はブレーキECU(電子制
御ユニット)7に接続される。
【0011】ブレーキペダル8により作動するマスタシ
リンダ9は、油圧ポンプ10により蓄圧されるアキュム
レータ11に接続されたモジュレータ12を介して、各
前輪Wfのブレーキシリンダ13fと各後輪Wrのブレ
ーキシリンダ13rとに接続される。モジュレータ12
は前輪用の2チャンネルのABS(アンチロックブレー
キシステム)制御バルブ14fと後輪用の1チャンネル
のABS制御バルブ14rとを有し、前輪Wfおよび後
輪Wrにロック傾向が生じた場合に、それらのブレーキ
シリンダ13f,13rに伝達されるブレーキ油圧を減
圧する。
【0012】マスタシリンダ9とモジュレータ12とを
接続する油路には、前輪Wfのブレーキシリンダ13f
に伝達されるブレーキ油圧を制御する差圧バルブ16f
および後輪Wrのブレーキシリンダ13rに伝達される
ブレーキ油圧を制御する差圧バルブ16rがそれぞれ介
装される。
【0013】前輪用の差圧バルブ16fはスプリング1
7fで開弁方向に付勢された弁体18fと、前記スプリ
ング17fのセット荷重を調整するリニアソレノイド1
9fとを備え、後輪用の差圧バルブ16rは前輪用のそ
れと同一の構造を備える。尚、前記差圧バルブ16f,
16rには、マスタシリンダ9からモジュレータ12へ
の油圧の伝達を規制し、モジュレータ12からマスタシ
リンダ9への油圧の伝達を許容する一方向弁15f,1
5rが並列に設けられる。
【0014】図2を併せて参照すると明らかなように、
前記ブレーキECU7には、バッテリ1に設けられたバ
ッテリ電流センサ201 、バッテリ電圧センサ202
よびバッテリ温度センサ21と、モータ2の回転数を検
出するモータ回転数センサ22と、前輪Wfおよび後輪
Wrに設けられた車輪速センサ23FL,23FR,2
RL,23RRと、前記ブレーキペダル8に設けられたブ
レーキペダル踏力センサ241 およびブレーキ操作スイ
ッチ242 と、アクセルペダル28に設けられたアクセ
ル開度センサ25と、前記アキュムレータ12に設けら
れたアキュムレータ圧センサ26と、差圧バルブ16
f,16rとモジュレータ12との間にそれぞれ設けら
れた一対の油圧センサ27f,27rとが接続されると
ともに、それらの出力信号に基づいて制御される前記油
圧ポンプ10と、前記差圧バルブ16f,16rと、前
記ABS制御バルブ14f,14rとが接続される。
【0015】また、前記ブレーキECU7からの回生制
動指令とミッションシフト指令を受けて作動するモータ
・ミッション制御ECU6には、バッテリ1およびモー
タ2を制御する前記PDU5と、前記トランスミッショ
ン3とが接続される。
【0016】次に、図3および図4に基づいて各制動モ
ードの概要を説明する。
【0017】本制動装置を装備した車両における前輪W
fと後輪Wrの制動モードには、[モード3]、[モー
ド2]、[モード1]の3種類があり、その何れかが初
期判定により選択されて所定のモードによる制動が行わ
れるとともに、運転状態の変化によって制動中にモード
の変更が行われる。 [モード3] このモードは通常の運転状態において選択される。即
ち、各システムが正常に機能しており、しかも急ブレー
キ中でなく、ステアリング中でなく、且つアンチロック
ブレーキシステムの作動中でない場合に選択される。
[モード3]は、前輪Wfを油圧により制動し後輪Wr
を油圧と回生により制動するモードであって、ブレーキ
ペダル8を踏むと先ず後輪Wrのみが回生制動されて前
輪Wfの油圧制動は行われない。そして後輪Wrの制動
力がバッテリ1やモータ2の種々の条件から決定される
回生限界である折点Pを越えると、後輪Wrは回生と油
圧の併用によって制動されるとともに、前輪Wfの油圧
制動が開始される。制動力が折点Qに達すると前記モジ
ュレータ12の内部に設けられた周知の比例減圧弁の作
用によって後輪Wrの制動力が弱められ、結局折れ線O
PQRで示すような制動力配分特性が与えられる。この
制動力配分特性OPQRは破線で示す理想配分特性より
も上側、即ち、後輪Wrの制動力配分が理想配分特性を
上回るよう偏倚しており、これにより後輪Wrの回生制
動を可及的に利用してバッテリ1を充電し、一充電あた
りの走行可能距離の延長を図っている。 [モード2] このモードは各システムが正常に機能しており、且つ急
ブレーキ中でない場合に、ステアリング操作が行われる
か、又はアンチロックブレーキシステムが作動した場合
に選択される。この[モード2]も前述の[モード3]
と同様に、前輪Wfを油圧により制動し後輪Wrを油圧
と回生により制動するモードである。しかしながら、ブ
レーキペダル8を踏むと後輪Wrの回生制動と同時並行
的に前輪Wfの油圧制動が行われ、その間に後輪Wrの
制動力が回生限界を越えると、後輪Wrは回生と油圧の
併用によって制動される。そして制動力が折点Qに達す
ると比例減圧弁により後輪Wrの制動力が弱められ、そ
の結果[モード2]の制動力配分特性を示す折れ線OQ
Rは、破線で示す理想配分特性よりも前輪Wfの制動力
に比重を置いたものとなる。このようにステアリング中
やアンチロックブレーキシステムの作動中に[モード
2]を選択して初期制動時から前輪Wfと後輪Wrとを
同時に制動することにより、操縦安定性の低下を回避す
ることができる。 [モード1] このモードは各システムが正常に機能しない場合、ある
いは各システムが正常に機能している場合であっても、
急ブレーキ中や所定の条件下でのアンチロックブレーキ
システムの作動中に選択される。この[モード1]では
後輪Wrの回生制動は行われず、前輪Wfおよび後輪W
rは何れも油圧により制動される。このように後輪Wr
の回生制動を行わずに油圧制動のみを行うことにより、
後輪Wrの回転をデフ4やトランスミッション3を介し
てモータ2に伝達する間に応答性に若干の遅れが生じる
回生制動に比べて、制動力の応答性を高めることが可能
となる。而して、折れ線OQRで示す制動力配分特性
は、前述の[モード2]と同様に破線で示す理想配分特
性よりも前輪Wfの制動力に比重を置いたものとなる。
上述のように急ブレーキ中等に[モード1]を選択する
ことにより、制動の応答性向上が図られる。
【0018】要するに、前述の[モード3]又は[モー
ド2]による制動中における急ブレーキ時には、[モー
ド1]への変更が行われる。一方、[モード3]による
制動中にステアリング操作が行われた場合、あるいは低
摩擦係数路(低μ路)による車輪のロック傾向が検出さ
れてアンチロックブレーキシステムが作動した場合に
は、[モード3]から[モード2]への変更が行われ、
また[モード2]による制動中に低摩擦係数路による一
層強い車輪のロック傾向が検出された場合には、[モー
ド2]から[モード1]への変更が行われる。このよう
に、ステアリング条件や路面摩擦係数により[モード
2]あるいは[モード1]を選択することにより、操縦
安定性の低下を回避することができる。前記[モード
3]から[モード2]あるいは[モード1]への変更
は、等制動力線、即ち前輪Wfの制動力と後輪Wrの制
動力との和が一定に保たれるような線に沿って行われ、
これにより前後両輪Wf,Wrのトータルの制動力が急
変することが回避される。
【0019】図5(A)は、前輪Wf側の差圧バルブ1
6fの具体的な構造を示すもので、後輪Wf側の差圧バ
ルブ16rもこれと同一の構造を有するものである。同
図から明らかなように、差圧バルブ16fは、スプリン
グ17fで開弁方向に付勢された弁体18fと、スプリ
ング17fのセット荷重を調整するリニアソレノイド1
9fと、マスタシリンダ9からモジュレータ12への油
圧の伝達を規制する一方向弁15fとを備える。
【0020】この差圧バルブ16fによれば、リニアソ
レノイド19fの消磁状態では入力油圧PINと出力油圧
OUT とが一致するが、リニアソレノイド19fを励磁
して付勢力fS で弁体18fを付勢した状態では、図5
(B)にO,A,B,Cで示すようなヒステリシスを持
つ入出力特性が得られる。即ち、入力油圧PINがO点か
らA点まで増加する間の出力油圧POUT はゼロであり、
A点において弁体18fが開弁すると、入力油圧PIN
増加に伴って出力油圧POUT は POUT =PIN−fs/a …(1) の関係で増加する。ここで、aは入力ポートの断面積で
ある。そして、B点で入力油圧PINを減少させても弁体
18fは閉弁状態に保たれて出力油圧POUT は即座に減
少せず、出力油圧POUT は入力油圧PINと一致するC点
まで一定に保持される。そしてC点で一方向弁15fが
開弁すると出力油圧POUT と入力油圧PINとが一致し、
出力油圧POUT は、 POUT =PIN …(2) の関係を保ってO点まで減少する。このとき、増圧時と
減圧時とのヒステリシスHは、 H=fs/a …(3) により決定され、その値は比較的に大きなものとなる。
【0021】従って、ブレーキペダル8の踏力を増加ま
たは減少させる過程で油圧制動力と回生制動力との比率
が変化した場合に、両制動力の総和が急変しないために
は、回生制動力の大きさを図5(C)のように制御する
必要がある。つまり、入力油圧PIN(即ち踏力)が増加
しても出力油圧POUT (即ち油圧制動力)が増加しない
O点〜A点の領域では、回生制動力を踏力の増加に伴っ
て増加させ、出力油圧POUT が増加するA点〜B点の領
域では、回生制動力の増加を抑制し、入力油圧PINが減
少しても出力油圧POUT が減少しないB点〜C点の領域
では、回生制動力を踏力の減少に伴って減少させ、出力
油圧POUT が減少するC点〜O点の領域では、回生制動
力の減少を抑制する必要がある。上記作用は、後からフ
ローチャートおよびグラフに基づいて詳述する。
【0022】次に、前述の構成を備えた制動装置の作用
を、図6に示すメインルーチンのフローチャートに基づ
いて説明する。
【0023】先ずステップS100において、ブレーキ
ECU7およびモータ・ミッション制御ECU6の記憶
装置に各種プログラムやデータが記憶され、制動装置が
作動可能な状態に初期設定される。
【0024】ステップS200では、前記バッテリ電流
センサ201 、バッテリ電圧センサ202 、バッテリ温
度センサ21、モータ回転数センサ22、車輪速センサ
23 FL,23FR,23RL,23RR,、ブレーキペダル踏
力センサ241 、アクセル開度センサ25、アキュムレ
ータ圧センサ26および油圧センサ27f,27rの出
力信号がブレーキECU7に読み込まれる(図2参
照)。そして、車速演算ルーチン(図7参照)により車
速Vの演算が行われるとともに、舵角演算ルーチン(図
8〜図9参照)により舵角θの演算が行われる。
【0025】ステップS300では、エンジンブレーキ
(以下エンブレと略記する)相当回生制動力演算ルーチ
ン(図10〜図11参照)により、内燃機関を駆動源と
する車両のエンジンブレーキに相当する回生制動力の演
算が行われる。
【0026】ステップS400では、回生リミット演算
ルーチン(図12〜図16参照)により、各瞬間におい
て発揮可能な回生制動力の制限値が、バッテリ1の状態
やモータ2の状態に基づいて演算される。
【0027】ステップS500では、先ずブレーキペダ
ル8に設けたブレーキ操作スイッチ242 の出力に基づ
いてブレーキ操作の有無が判断される。そこで制動中で
あれば、モード決定ルーチン(図17〜図21参照)に
より、制動操作やステアリング操作の状態、あるいは路
面の摩擦係数に基づいて前記[モード3],[モード
2],[モード1]が選択されるとともに、[モード
3]から[モード2]あるいは[モード1]へのモード
変更が決定される。続いて、差圧バルブ操作量決定ルー
チン(図22〜図28参照)により、前輪Wfおよび後
輪Wrの油圧制動力を決定する差圧バルブ操作量が求め
られるとともに、回生制動力指令値決定ルーチン(図2
9〜35参照)により、後輪Wrの回生制動力の大きさ
が求められる。
【0028】一方、ブレーキ操作スイッチ242 の出力
に基づいて制動中でないと判断された場合には、ブレー
キペダル踏力センサ0補正ルーチン(図36参照)によ
り、ブレーキペダル踏力センサ241 のゼロ点補正が行
われる。そして差圧バルブ出力値および回生指令値が共
にゼロにセットされた後、各変数クリアルーチン(図3
7参照)により、各変数がゼロにセットされる。
【0029】ステップS600では、シフト指令ルーチ
ン(図38〜図42参照)により、回生制動力を最大限
に発揮し得るシフト位置が演算され、トランスミッショ
ン3が前記シフト位置へ向けて自動的に操作される。
【0030】ステップS700では、フェイル判定ルー
チン(図43〜図47参照)により、各システムのフェ
イルが判定される。そこで何等かのフェイルが生じたと
判定された場合には、無条件で[モード1]が選択さ
れ、通常の油圧制動システムの如く前輪Wfおよび後輪
Wrが油圧により制動される。
【0031】ステップS800では、差圧バルブ出力ル
ーチンにより、前輪Wfおよび後輪Wrの油圧制動が実
行される。
【0032】ステップS900では、回生指令出力ルー
チン(図48参照)により、後輪Wrの回生制動が実行
される。
【0033】ステップS1000では、前輪Wfあるい
は後輪Wrの過剰スリップを防止すべくアンチロック制
御が行われる。即ち、車輪速センサ23FL,23FR,2
RL,23RRの出力信号により車輪がロック状態に入り
かかったことが検出されると、図1のABS制御バルブ
14f,14rが制御される。これにより、マスタシリ
ンダ9とブレーキシリンダ13f,13r間に介装され
たモジュレータ12が作動し、前記ロック傾向にある車
輪のブレーキシリンダ13f,13rに伝達されるブレ
ーキ油圧が減圧されて車輪のロックが防止される。
【0034】次に、前述の図6のフローチャートのステ
ップS200における車速演算ルーチンの具体的内容
を、図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0035】先ず、ステップS201において、従動輪
である左右の前輪Wfの車輪速センサ23FL,23FR
よって検出した左前輪Wfの車輪速VWFL および右前輪
Wfの車輪速VWFR を比較し、左前輪Wfの車輪速V
WFL が右前輪Wfの車輪速VWF R よりも大きい場合、即
ち右旋回中の場合には、ステップS202で左右の車輪
速差ΔVをVWFL −VWFR により演算するとともに、旋
回内輪の車輪速VWFR を車速Vとして採用する。一方、
左前輪Wfの車輪速VWFL が右前輪Wfの車輪速VWFR
以下である場合、即ち左旋回中の場合には、ステップS
203で左右の車輪速差ΔVをVWFR −VWFL により演
算するとともに、旋回内輪の車輪速VWFLを車速Vとし
て採用する。
【0036】次に、前述の図6のフローチャートのステ
ップS200における舵角演算ルーチンの具体的内容
を、図8のフローチャートおよび図9の模式図に基づい
て説明する。
【0037】先ず、ステップS211において、舵角推
定値θCnを以下の式に基づいて演算する。
【0038】 θCn=(L/T)*(1+KV2 )*(ΔV/V) …(4) ここで、Lは車両のホイールベス、Tは車両のトレッ
ド、Kはスタビリティファクタである。
【0039】上式を図9に基づいて更に説明する。車両
が旋回半径Rで定常旋回している状態を考えると、旋回
内輪の車輪速および旋回外輪の車輪速は、それぞれVお
よびV+ΔVとなる。これら車輪速V,V+ΔVは、そ
れぞれ旋回中心からの距離に比例するため、V:V+Δ
V=R:R+Tが成立し、従って、旋回半径Rは、 R=T*(V/ΔV) …(5) で表される。
【0040】一方、良く知られているように、旋回半径
Rと実舵角θとの間には、 θ=(L/R)*(1+KV2 ) …(6) の関係があるため、(6)式に(5)式を代入すること
により、上記(4)式が得られる。
【0041】而して、ステップS212で、上記(4)
式をループ毎に3回演算した結果θ Cn,θCn-1,θCn-2
の平均値を求めることにより、舵角推定値θC が得られ
る。このようにして演算された舵角推定値θC は、それ
以後、舵角θC として用いられる。
【0042】次に、前述の図6のフローチャートのステ
ップS300におけるエンブレ相当回生制動力演算ルー
チンの具体的内容を、図10のフローチャートおよび図
11のグラフに基づいて説明する。
【0043】先ず、ステップS301において、モータ
回転数NM およびアクセル開度THに基づいてモータト
ルクTM が求められる。図11は前記モータトルクTM
を求めるためのマップを示すもので、モータ回転数NM
およびアクセル開度THが決定されると、それに対応す
るモータトルクTM が関数fM (NN ,TH)で与えら
れる。そして、そのモータトルクTM の値は、縦軸原点
よりも上方にある場合には駆動トルクとなり、原点より
も下方にある場合には回生トルクとなる。
【0044】続くステップS302において、前記ステ
ップS301で求めたモータトルクTM の正負が判断さ
れ、そのモータトルクTM が負であって回生制動が行わ
れる場合には、ステップS303でエンブレ相当回生制
動力TRGE が−TM として設定される。一方、ステップ
S302でモータトルクTM が非負であって通常の駆動
が行われる場合には、ステップS304でエンブレ相当
回生制動力TRGE がゼロに設定されるとともに、ステッ
プS305で車軸トルク相当の回生制動力リミットT
RGLMがゼロに設定される。
【0045】上述のように、アクセルペダル28を踏み
込むことによってモータトルクTMが非負になった場合
に、車軸トルク相当の回生制動力リミットTRGLMがゼロ
に設定されるので、アクセルペダル28とブレーキペダ
ル8とを同時に操作した場合に、アクセルペダル28の
操作によってモータ2の駆動力を発生させるのと同時
に、ブレーキペダル28の操作によって回生制動力に代
わる油圧制動力を発生させることが可能となる。これに
より、内燃機関を駆動源とする車両と同様のフィーリン
グを得ることができるばかりか、坂道発進時に油圧制動
力を発生させて車両の後退を防止することができる。
【0046】次に、前述の図6のフローチャートのステ
ップS400における回生リミット演算ルーチンの具体
的内容を、図12のフローチャートおよび図13〜図1
6のグラフに基づいて説明する。
【0047】先ず、ステップS401において、回生リ
ミットフラグLMTFLが「1」にセットされているか
否かが判断され、NOの場合にはステップS402にお
いてモータ2の回生制動力リミットTMRGLM が、図13
のマップとモータ回転数センサ22が出力するモータ2
の回転数NM とから求められる。回生制動力リミットT
MRGLM は関数fLM(NM )によって与えられるもので、
モータ回転数センサ22の出力信号NM による回生制動
力リミットTMRGLM の変化は、モータ2の回転数NM
増加に伴ってリニアに増加した後に略一定になり、その
後急激に減少する。
【0048】続いて、ステップS403において、バッ
テリ1の温度リミット係数KT が、図14のマップとバ
ッテリ温度センサ21が出力するバッテリ温度TEMP
とから求められる。即ち、バッテリ1の容量は温度上昇
によって増加するため、図14に示すように、バッテリ
温度TEMPが基準値TEMP0 を越えるに伴って温度
リミット係数KT が1からリニアに増加するように設定
する。そして、ステップS404において、前記ステッ
プS402で求めた回生制動力リミットTMRGL M にステ
ップS403で求めた温度リミット係数KT を乗算する
ことにより、回生制動力リミットTMRGLM の値が補正さ
れる。
【0049】ステップS405,406において、所定
のバッテリ電圧判定周期毎にリセットされるバッテリ判
定タイマBTMがカウント中であれば、ステップS40
7で前記回生制動力リミットTMRGLM から前記エンブレ
相当回生制動力TRGE を減算して正味の回生制動力リミ
ットTMRGLM を算出するとともに、ステップS408で
トランスミッション3のギヤ比RTMを乗算して最終的な
車軸トルク相当の回生制動力リミットTRGLMを決定す
る。
【0050】また、前記ステップS405においてバッ
テリ判定タイマBTMがタイムアップしていれば、その
都度ステップS409でバッテリ判定タイマBTMをリ
セットし、続くステップS410〜ステップS417で
バッテリ1の電圧による回生制動力リミットTMRGLM
補正を行う。
【0051】即ち、ステップS410において、バッテ
リ電圧センサ202 で検出したバッテリ電圧VBATTが所
定のバッテリ電圧リミットVBTLM以下であければ、ステ
ップS411で回生リミットフラグLMTFLを「0」
にセットする。また、前記ステップS410において、
バッテリ電圧センサ202 で検出したバッテリ電圧V
BATTが所定のバッテリ電圧リミットVBTLMを上回ってお
り、且つステップS412で回生リミットフラグLMT
FLが1にセットされていなければ、即ち、バッテリ判
定タイマBTMのタイムアップ後に初めてバッテリ電圧
BATTがバッテリ電圧リミットVBTLM以上になった場合
には、ステップS413で現在の回生制動力TMRGRL
回生制動力リミットTMRGLM に設定するとともに、ステ
ップS414で回生リミットフラグLMTFLを「1」
にセットする。
【0052】次のループにおいて前記ステップS412
がYESであれば、ステップS415でバッテリ電圧セ
ンサ202 で検出したバッテリ電圧VBATTからバッテリ
電圧リミットVBTLMを減算してバッテリ過電圧ΔVを求
め、続くステップS416において、図15のマップに
基づいて前記バッテリ過電圧ΔVの関数としてリミット
低減係数KLMDNを求める。そして、ステップS417に
おいて、回生制動力リミットTMRGLM にリミット低減係
数KLMDNを乗算して回生制動力リミットTMRGL M を補正
する。
【0053】而して、図16に示すように、予め設定し
たバッテリ電圧リミットVBTLMよりもバッテリ電圧V
BATTが上昇すると、回生制動力リミットTMRGLM を逐次
減少させることにより回生制動力TMRGRL を減少させ、
これによりバッテリ電圧VBATTの過度の上昇によるバッ
テリ1の劣化やPDU5の素子の破損等のトラブルを未
然に防止することができる。しかも、回生制動力T
MRGRL はバッテリ判定タイマBTMにより決定されるバ
ッテリ電圧判定周期毎に段階的に減少するので、回生制
動力TMRGRL の急変を来すことが無い。また、回生制動
力リミットTMRGLM を減少させてからバッテリ電圧V
BATTが低下するまでの応答速度は制御ループの周期より
もはるかに遅いため、各ループ毎に判断を行うと回生制
動力リミットTMR GLM が必要以上に減少してしまう場合
があるが、制御ループの周期よりも長いバッテリ電圧判
定周期毎に判断を行うことにより、バッテリ電圧VBATT
を適切に制御することができる。
【0054】次に、前述の図6のフローチャートのステ
ップS500におけるモード決定ルーチンの具体的内容
を、図17、図18、図19、図21のフローチャート
および図20のグラフに基づいて説明する。
【0055】先ず、図17のフローチャートのステップ
S501において、後述のフェイルフラグFAILFL
が「1」にセットされていない場合には、ステップS5
02に移行し、ブレーキペダル8に設けたブレーキペダ
ル踏力センサ241 のゼロ点を補正すべく、その出力値
2 から後述の平均偏差P20(図36参照)を減算して
差圧バルブ16f,16rへの補正された入力油圧PIN
を求める。即ち、このブレーキペダル踏力センサ241
のゼロ点補正は、ブレーキペダル踏力センサ241 の出
力が過大であると、その出力に基づいて決定される回生
制動力が規定値を上回っていしまい、逆にブレーキペダ
ル踏力センサ241 の出力が過少であると回生制動力が
規定値を下回ってしまうのを防止するために、ブレーキ
ペダル8を操作していない状態でブレーキペダル踏力セ
ンサ241 の出力を正しくゼロに合致させ、ブレーキペ
ダル8の操作量と回生制動力との大きさとを整合させる
ために行われる。
【0056】続いて、ステップS503において、現在
行われている制動が急ブレーキであるか否かが判定され
る。
【0057】図18は急ブレーキ判定ルーチンを示すも
ので、先ず、ステップS′1においてブレーキペダル踏
力センサ241 により検出された踏力FB が所定のしき
い値以上である場合には、無条件で急ブレーキであると
判定され、ステップS′2で急ブレーキフラグが「1」
にセットされる。
【0058】一方、前記ステップS′1で踏力FB が所
定のしきい値未満であり、且つステップS′3で急ブレ
ーキ判定タイマPTMがカウント開始時の初期値t0
ある時には、ステップS′4でその時の踏力FB が初期
踏力FB1とされる。続くステップS′5で急ブレーキ判
定タイマPTMがゼロまでカウントダウンされていない
場合には、ステップS′6でカウントダウンが行われる
とともに、ステップS′7で急ブレーキフラグが「0」
にセットされる。
【0059】前記ステップS′5で急ブレーキ判定タイ
マPTMがゼロまでカウントダウンされた時、即ち所定
時間t0 が経過した時に、ステップS′8でその時の踏
力F B がt0 後の踏力FB2とされ、ステップS′9で急
ブレーキ判定タイマPTMがt0 にリセットされる。そ
して、続くステップS′10でt0 後の踏力FB2と初期
踏力FB1との差が踏力変化しきい値ΔFB と比較され、
前記差が踏力変化しきい値ΔFB を上回っていればステ
ップS′2で急ブレーキフラグが「1」にセットされ、
上回っていなければステップS′7で急ブレーキフラグ
が「0」にセットされる。
【0060】このように、踏力FB が第1のしきい値を
上回った場合および所定時間内の踏力FB の増加量が第
2のしきい値を上回った場合に、急ブレーキであると判
定される。
【0061】続いて、図17のフローチャートのステッ
プS505において、現在転舵中であるか否かが判定さ
れる。
【0062】図19は転舵条件判定ルーチンを示すもの
で、先ず、ステップS′11において、図20に示すマ
ップに基づいて車速Vから転舵判定舵角しきい値θCS
求め、ステップS′12で前記舵角演算ルーチン(図8
参照)で求めた舵角θC と前記転舵判定舵角しきい値θ
CSとを比較し、舵角θC が転舵判定舵角しきい値θCS
上回っていれば、転舵中であると判断してステップS′
13でステアリングフラグSTRFLを「1」にセット
し、逆に舵角θC が転舵判定舵角しきい値θCS以下であ
れば、転舵中でないと判断してステップS544でステ
アリングフラグSTRFLを「0」にセットする。
【0063】図20から明らかなように、転舵判定舵角
しきい値θCSは車速Vの大きい時に小さく、車速Vの小
さい時に大きくなるため、高速走行中は小さな舵角θC
であっても転舵中であると判断され、逆に低速走行中は
大きな舵角θC でないと転舵中であると判断されない。
【0064】図21は転舵条件判定ルーチンの他の実施
例を示すものであって、ステップS′21で車体の横加
速度αが左右の車輪速差ΔVと、車体速度Vと、トレッ
ドTとから、α=ΔV*V/Tによって算出される。そ
して、ステップS′22で前記横加速度αと転舵判定横
加速度しきい値αS とを比較し、横加速度αが転舵判定
横加速度しきい値αS を上回っていれば、転舵中である
と判断してステップS′23でステアリングフラグST
RFLを「1」にセットし、逆に横加速度αが転舵判定
横加速度しきい値αS 以下であれば、転舵中でないと判
断してステップS′24でステアリングフラグSTRF
Lを「0」にセットする。
【0065】而して、図17のフローチャートのステッ
プS506で転舵中でないと判断され、ステップS50
7で後述のモード2フラグM2FLが「1」にセットさ
れておらず、ステップS508で前輪Wfのアンチロッ
クブレーキシステムが作動しておらず、且つステップS
509で後輪Wrのアンチロックブレーキシステムが作
動していない場合には、即ち、フェイル中でなく、急ブ
レーキ中でなく、転舵中でなく、且つアンチロックブレ
ーキシステムの作動中でない場合には、ステップS51
0で〔モード3〕が選択されてモード3フラグM3FL
が「1」にセットされる。
【0066】また、前記ステップS506で転舵中であ
ると判断されると、ステップS511およびステップS
512でモード2タイマM2TMのカウントを開始する
とともに、ステップS513で〔モード2〕が選択され
てモード2フラグM2FLが「1」にセットされる。更
に、前記ステップS508で前輪Wfのアンチロックブ
レーキシステムが作動中である場合、あるいは前記ステ
ップS509で後輪Wrのアンチロックブレーキシステ
ムが作動中である場合には、同様にしてステップS51
1〜ステップS513でモード2フラグM2FLが
「1」にセットされる。
【0067】また、前記ステップS501でフェイルフ
ラグFAILFLが「1」にセットされている場合、あ
るいは前記ステップS504で急ブレーキ中であると判
断された場合には、ステップS514で〔モード1〕が
選択されてモード1フラグM1FLが「1」にセットさ
れる。更に、前記ステップS507でモード2フラグM
2FLが「1」にセットされており、且つステップS5
15で前記モード2タイマM2TMがタイムアップ後で
あってステップS516で前輪Wfまたは後輪Wrのア
ンチロックブレーキシステムが作動中である場合には、
前記ステップS514に移行してモード1フラグM1F
Lが「1」にセットされる。即ち、〔モード2〕が選択
されてからモード2タイマM2TMで規定される所定時
間の経過後にアンチロックブレーキシステムが作動中で
ある場合には、〔モード2〕を選択して制動力を減少さ
せたにもかかわらず依然として車輪がロック傾向にある
と判断され、〔モード1〕に移行することになる。
【0068】而して、〔モード3〕が選択されている時
に、転舵が行われるかアンチロックブレーキシステムが
作動すると〔モード2〕に移行し、また〔モード2〕に
移行してから所定時間が経過しても依然としてアンチロ
ックブレーキシステムが作動している場合には、更に
〔モード1〕に移行する。そして、フェイルが発生した
場合と急ブレーキがかけられた場合には、〔モード3〕
および〔モード2〕の何れの状態からも無条件で〔モー
ド1〕に移行する。
【0069】次に、前述の図6のフローチャートのステ
ップS500における差圧バルブ操作量決定ルーチンの
具体的内容を、図22〜図24のフローチャートおよび
図25〜図28のグラフに基づいて説明する。
【0070】先ず、図22のフローチャートのステップ
S521において、モード1フラグM1FLが「1」に
セットされておらず、且つステップS522でモード2
フラグM2FLが「1」にセットされていない場合、即
ち〔モード3〕が選択されている場合には、ステップS
523において、フロント側の差圧バルブ操作量ΔP OF
およびリヤ側の差圧バルブ操作量ΔPORが、それぞれ車
軸トルク相当の回生制動力リミットTRGLMと、フロント
油圧・トルク換算定数KF と、リヤ油圧・トルク換算定
数KR とに基づいて、 ΔPOF=TRGLM /(KF +KR ) …(7) ΔPOR=TRGLM /(KF +KR ) …(8) によって演算される(図24(A)参照)。
【0071】上式を更に説明すると、図25(A)およ
び(B)に示すように、本来フロント側の油圧制動力T
OFは入力油圧PIN(図17のモード決定ルーチンのステ
ップS502参照)にフロント油圧・トルク換算定数K
F を乗算することにより求められ、リヤ側の油圧制動力
ORは前記入力油圧PINにリヤ油圧・トルク換算定数K
R を乗算することにより求められる。しかしながら実際
には、図3に示す〔モード3〕の制動力配分において、
O点からP点までは後輪Wrの回生制動力のみが作用
し、車軸トルク相当の回生制動力リミットTRGLMに達し
たP点以後は回生制動力が一定値に保持され、後輪Wr
の油圧制動力および前輪Wfの油圧制動力がゼロから増
加し始める。従って、後輪Wrの回生制動力が回生制動
力リミットTRGLMとなるP点に達し、後輪Wrおよび前
輪Wfの油圧制動が開始されるとき、その油圧制動力が
ゼロから増加を始めれば、P点における回生制動と油圧
制動との接続が滑らかに行われることになる。
【0072】このためには、回生制動力リミットTRGLM
と前記フロント側の差圧バルブ操作量ΔPOFおよびリヤ
側の差圧バルブ操作量ΔPORが、前記(7)式および
(8)式に対応する図26(A)に示す関係にあれば良
い。つまり、前記(7)式および(8)式の関係が満た
されていれば、入力油圧PINがフロント側の差圧バルブ
操作量ΔPOFに達するまでにKF *TRGLM /(KF
R )だけの油圧制動力が差圧バルブ16fによって抑
制され、同様に入力油圧PINがリヤ側の差圧バルブ操作
量ΔPORに達するまでにKR *TRGLM /(KF
R )だけの油圧制動力が差圧バルブ16rによって抑
制される結果、トータルで車軸トルク相当の回生制動力
リミットTRGLMに等しいだけの油圧制動力が抑制され
る。これにより、P点で初めて前輪Wfおよび後輪Wr
の油圧制動力が作用し、回生制動と油圧制動との接続が
滑らかに行われる。
【0073】一方、図3に示す〔モード2〕の制動力配
分において、O点から後輪Wrの回生制動力と前輪Wf
の油圧制動力が作用し、後輪Wrの回生制動力が回生制
動力リミットTRGLMに達した以後は、その回生制動力が
一定値に保持されて新たに後輪Wrの油圧制動力が作用
し始める。従って、後輪Wrの回生制動力が車軸トルク
相当の回生制動力リミットTRGLMとなった時、後輪Wr
の油圧制動力がゼロから増加を始めれば、回生制動と油
圧制動との接続が滑らかに行われる。
【0074】このためには、回生制動力リミットTRGLM
と前記リヤ側の差圧バルブ操作量ΔPORが、 ΔPOR=TRGLM /KR …(9) を満たす関係、即ち図27(B)に示す関係にあれば良
い。つまり、前記(9)式の関係が満たされていれば、
入力油圧PINがリヤ側の差圧バルブ操作量ΔPORに達す
るまでに車軸トルク相当の回生制動力リミットTRGLM
に等しいだけの油圧制動力が差圧バルブ16rによって
抑制され、これにより、図26(B)に示すように、回
生制動力リミットTRGLMにおいて初めて後輪Wrの油圧
制動力が作用し、回生制動と油圧制動との接続が滑らか
に行われる。
【0075】続いて、図23のフローチャートのステッ
プS526ではフロント側の差圧バルブ操作量ΔPOF
ゼロであるか否かが判断され、ΔPOFがゼロでなけれ
ば、ステップS527でその時のΔPOFの値をディレイ
時保持値ΔPOFD とするとともに、ステップS528で
フロントディレイタイマDLYTMF をリセットする。
前記ステップS526でΔPOFがゼロであれば、続くス
テップS529およびステップS530でフロントディ
レイタイマDLYTMF がタイムアップするまでの間、
ステップS531で前記ディレイ時保持値ΔPOFD を差
圧バルブ操作量ΔPOFとするとともにステップS532
で使用するΔPOFD0の初期値とする。そして、前記ステ
ップS529でフロントディレイタイマDLYTMF
タイムアップすると、ステップS532で一時遅れのフ
ィルタリング処理を行ってΔPOFのフィルタ値ΔPOFD
を、 ΔPOFD =KODF *ΔPOFD0+(1−KODF )ΔPOF …(10) により算出し、続くステップS573でフィルタ値ΔP
OFD を1ループ前のディレイ時保持値ΔPOFD0とすると
ともに差圧バルブ操作量ΔPOFとする。ここで、KODF
は一次遅れ係数である。
【0076】図24のフローチャートは、リヤ側の差圧
バルブ操作量ΔPORに関する一時遅れのフィルタリング
処理を示すもので、その内容は図23のフローチャート
と実質的に同一であるため、重複する説明は省略する。
図24と図23との相違は、フロント側を表す「F
r」,「 F」をリヤ側を表す「Rr」,「 R」に変える
ともに、ステップ番号に「′」を付した点のみである。
尚、前記差圧バルブ操作量決定ルーチンは、ブレーキペ
ダル8の操作中にのみ実行されるため(図6参照)、無
駄な電力消費を防止することができる。
【0077】而して、図28から明らかなように、回生
制動から油圧制動に切り換わる際に油圧制動力の立ち上
がりが早すぎる場合であっても、油圧制動力の立ち上が
りをディレイ時間だけ遅らせるとともに、油圧制動力の
立ち上がり速度を一時遅れ制御により遅らせているの
で、回生制動力と油圧制動力の総和を略一定に保ったま
ま回生制動から油圧制動への切り換えをスムーズに行う
ことができる。
【0078】次に、前述の図6のフローチャートのステ
ップS500における回生制動力指令値決定ルーチンの
具体的内容を、図29〜図32のフローチャートおよび
図33〜図34のグラフに基づいて説明する。
【0079】先ず、図34のグラフによって回生制動力
指令値を決定する手法の概略を説明する。
【0080】前述のように、図5に示す構造の差圧バル
ブ16f(16r)を用いると、ブレーキペダル8の踏
力を増加させる過程と減少させる過程とで、差圧バルブ
16f(16r)の出力油圧POUT に図34に示すよう
なヒステリシスが発生する。即ち、踏力の増加に比例し
て入力油圧PINがO点から増加しても、その入力油圧P
INが差圧バルブ操作量ΔP0 に達して差圧バルブ16f
(16r)が開弁するまでの領域では出力油圧POUT
は発生せず、入力油圧PINと出力油圧POUT との差圧Δ
Pは、入力油圧PINの値に等しくなる。
【0081】A点において差圧バルブ16f(16r)
が開弁すると出力油圧POUT が発生し、その出力油圧P
OUT が出力油圧最大値POUTmaxに達するB点までの領域
では、入力油圧PINと出力油圧POUT との差圧ΔPは
一定値の前記差圧バルブ操作量ΔP0 となる。B点にお
いて踏力を緩めても出力油圧POUT は減少せず、入力油
圧PINと出力油圧POUT とが一致するC点まで出力油圧
最大値POUTmaxに保持され、その領域では差圧ΔPは
IN−POUTmaxとなる。そしてC点に達して漸く出力油
圧POUT はO点に向けて減少し始め、その領域では差
圧ΔPはゼロとなる。踏力を緩める過程のD点でブレー
キペダル8を踏み込んで再び踏力を増加させると、差圧
バルブ16f(16r)の特性によって出力油圧POUT
は増加せず、D点からE点までの間出力油圧最小値P
OUTminに保持され、その領域では差圧ΔPはPIN−P
OUTminとなる。
【0082】要するに、領域,,では差圧ΔPが
IN−POUTmaxで求められ、領域では差圧ΔPがゼロ
になり、領域では差圧ΔPがPIN−POUTminで求めら
れることになる。そして出力油圧最大値POUTmaxの値
は、各ループ毎に入力油圧PINから差圧バルブ操作量Δ
0 を減算することにより出力油圧POUT を求め、その
出力油圧POUT の最大値を出力油圧最大値POUTmaxとす
れば良い。領域に入ったことは、入力油圧PINが出力
油圧最大値POUTmaxを下回ることにより判断することが
可能であり、この領域では入力油圧PINと出力油圧P
OUT が等しいため、出力油圧POUT の最小値を出力油圧
最小値POUTminとすれば良い。また領域に入ったこと
は、入力油圧PINが出力油圧最小値POUTminを上回るこ
とにより判断することが可能であり、この領域で出力
油圧最小値POUTminを出力油圧最大値POUTmaxとして持
ち替えることにより、領域と同じ考え方をすることが
できる。
【0083】以上のことを、フロント側の差圧バルブ1
6fに関して、図29のフローチャートを参照しながら
更に詳しく説明する。尚、図29のフローチャートで
は、図34における出力油圧最大値POUTmaxをフロント
側及びリヤ側の出力油圧最大値POFmax ,PORmax で表
すとともに、出力油圧最小値POUTminをフロント側及び
リヤ側の出力油圧最小値PORmin ,PORmin で表してい
る。
【0084】図29のフローチャートのステップS53
1で減圧フラグPDNFLF が「0」である場合、即ち
図34の領域以外の領域にある場合には、ステップS
532でフロント側の差圧バルブ16fの出力油圧P
OUTFを、入力油圧PINから差圧バルブ16fの差圧バル
ブ操作量ΔPOFを減算するにより算出する。続いてステ
ップS533で出力油圧POUTFが出力油圧最大値P
OUTmaxを上回ると、その都度ステップS534で出力油
圧最大値POUTmaxを前記出力油圧POUTFで置き換える。
【0085】ステップS535で入力油圧PINが出力油
圧最大値POUTmaxを下回った場合には、出力油圧POUTF
が減圧する領域に入ったと判断され、ステップS53
6で減圧フラグPDNFLF を「1」にセットするとと
もに、ステップS537で出力油圧最小値POUTminを出
力油圧最大値POUTmaxで置き換えた後、ステップS53
8で、領域の特性が得られるように差圧ΔPF をゼロ
に設定する。一方、前記ステップS535で入力油圧P
INが出力油圧最大値POUTmax以上になった場合、即ち領
域以外の領域,,,の何れかの領域にある場
合には、ステップS539で差圧ΔPF を入力油圧PIN
から出力油圧最大値POUTmaxを減算することにより算出
する。
【0086】前記ステップS531で減圧フラグPDN
FLF が「1」にセットされている場合、即ち領域の
領域にある場合には、先ずステップS540で入力油圧
INを出力油圧POUTFとし、続いてステップS541で
出力油圧POUTFが出力油圧最小値POUTminを下回ると、
その都度ステップS542で出力油圧最小値POUTmin
前記出力油圧POUTFで置き換える。そしてステップS5
43で入力油圧PINが出力油圧最小値POUTminを上回る
と領域に入ったと判断し、ステップS544で減圧フ
ラグPDNFLF を「0」にセットするとともに、ステ
ップS545で出力油圧最大値POUTmaxを出力油圧最小
値POUTminで置き換え、前記ステップS539で差圧Δ
F を入力油圧PINから出力油圧最大値POUTmaxを減算
することにより算出する。一方、ステップS543で入
力油圧PINが出力油圧最小値POU Tmin以下になると領域
に入いらなかったと判断し、ステップS538で差圧
ΔPF をゼロに設定する。
【0087】図30のフローチャートは、リヤ側の差圧
バルブ16rに関する差圧ΔPR を求めるフローチャー
トであって、その内容は図29のフローチャートと実質
的に同一であるため、重複する説明は省略する。尚、図
30と図29との相違は、フロント側を表す添字「 F
をリヤ側を表す添字「 R」に変えるともに、ステップ番
号に「′」を付した点のみである。
【0088】上述のようにしてフロント側の差圧ΔPF
とリヤ側の差圧ΔPR とが決定されると、図30のステ
ップS546において、回生制動出力値TRGが、フロン
ト油圧・トルク換算定数KF およびリヤ油圧・トルク換
算定数KR を用いて、 TRG=KF ΔPF +KR ΔPR …(11) に基づいて算出される。
【0089】ところで、図29および図30のフローチ
ャートでは、差圧バルブ16f,16rの出力油圧P
OUTF,POUTRを検出する前記油圧センサ27f,27r
を用いていないが、前記油圧センサ27f,27rを用
いて出力油圧POUTF,POUTRを直接検出することによ
り、その制御を簡略化することができる。
【0090】図35は油圧センサ27f,27rを用い
た場合の回生制動力指令値決定ルーチンを示すものであ
る。即ち、油圧センサ27f,27rによってフロント
側の出力油圧POUTFとリヤ側の出力油圧POUTRとが直接
検出されることにより、ステップS571で入力油圧P
INから前記検出された出力油圧POUTF,POUTRを減算す
ることにより、フロント側およびリヤ側の差圧ΔPF
ΔPR が算出される。而して、ステップS572で、上
記(11)式により回生制動出力値TRGが算出される。
【0091】続いて、図30のフローチャートから図3
1のフローチャートに移行する。ここでは、[モード
2]が選択された場合における回生制動力の一時遅れ制
御が示される。
【0092】先ず図31のフローチャートのステップS
547でモード2フラグM2FLが「1」にセットされ
ていない場合には、ステップS548でその時の回生制
動出力値TRGをディレイ時保持値TRGD とし、ステップ
S549でモード2ディレイタイマM2DLYTMをリ
セットし、更にステップS550でモード2ディレイフ
ラグM2DLYFLを「1」にセットする。前記ステッ
プS547でモード2フラグM2FLが「1」にセット
されており、且つステップS551でモード2ディレイ
フラグM2DLYFLが「1」にセットされており、且
つステップS552でモード2ディレイタイマM2DL
YTMがタイムアップしていなければディレイ中である
と判断され、ステップS553でモード2ディレイタイ
マM2DLYTMのカウントを継続するとともに、ステ
ップS554で前記ディレイ時保持値TRGD を回生制動
出力値TRGとして回生制動力を一定に保持するととも
に、そのディレイ時保持値TRGD を1ループ前のフィル
タ値TRGD0とする。
【0093】前記ステップS552でモード2ディレイ
タイマM2DLYTMがタイムアップすると、ステップ
S555で一時遅れのフィルタリング処理を行って回生
制動出力値TRGのフィルタ値TRGD を、 TRGD =KD RGD0+(1−KD )TRG …(12) により算出する。ここで、KD は一時遅れ係数である。
続くステップS556でフィルタ値TRGD が回生制動出
力値TRG以下になるまでの間、前記一次遅れ制御が継続
され、ステップS557でフィルタ値TRGD を1ループ
前のフィルタ値T RGD0とするとともに、そのフィルタ値
RGD を回生制動出力値TRGとする。そして、前記ステ
ップS556でフィルタ値TRGD が回生制動出力値TRG
以下になると一時遅れ制御が終了し、ステップS558
でモード2ディレイフラグM2DLYFLが「0」にセ
ットされる。
【0094】次の図32のフローチャートには、[モー
ド1]が選択された場合における回生制動力の一次遅れ
制御が示される。
【0095】このフローチャートは前述の図31のフロ
ーチャートにおけるモード2フラグM2FL、モード2
ディレイフラグM2DLYFLおよびモード2ディレイ
タイマM2DLYTMが、それぞれモード1フラグM1
FL、モード1ディレイフラグM1DLYFLおよびモ
ード1ディレイタイマM1DLYTMに変わっただけで
実質的に同じ制御内容を持つもので、図31のステップ
S547〜ステップS558に対応する部分に、対応す
るステップ番号であるステップS547′〜ステップS
548′を付すことにより重複する説明を省略する。
【0096】但し、[モード2]にてディレイ中または
フィルタリング中に[モード1]に入った場合、[モー
ド2]によるディレイおよびフィルタリング処理を中止
し、[モード1]によるディレイおよびフィルタリング
処理に切り換えるため、ステップS547′でモード1
フラグM1FLが「1」にセットされている時、ステッ
プS559およびステップS560でモード2フラグM
2FLが「1」にセットされており、且つモード2ディ
レイフラグM2DLYFLが「1」にセットされている
場合には、ステップS561でモード2ディレイフラグ
M2DLYFLが「0」にセットされる点で異なってい
る。
【0097】而して、図33から明らかなように、回生
制動から油圧制動に切り換わる際に油圧制動力の立ち上
がりに遅れがあっても、回生制動力の低減開始をディレ
イ時間だけ遅らせるとともに、回生制動力の低減速度を
一時遅れ制御により遅らせているので、回生制動力と油
圧制動力の総和を略一定に保ったまま回生制動から油圧
制動への切り換えをスムーズに行うことができる。
【0098】尚、油圧制動力のディレイ制御(図28参
照)および回生制動力のディレイ制御(図33参照)
は、制動装置の特性に応じて適宜選択されるもので、油
圧制動力および回生制動力のディレイ制御を併用するこ
とも可能である。
【0099】次に、前述の図6のフローチャートのステ
ップS500において、制動中でない場合に実行される
ブレーキペダル踏力センサ0補正ルーチンの具体的内容
を、図36のフローチャートに基づいて説明する。
【0100】先ず、ステップS581において加算値S
AMにブレーキペダル踏力センサ241 が今回検出した
出力値P2 を加算して新たな加算値SAMを算出し、ス
テップS582でNが所定回数N0 に達するまで、ステ
ップS583でNをインクリメントしながら前記出力値
2 の加算を繰り返す。そしてステップS582でNが
所定回数N0 に達すると、ステップS584でその時の
加算値SAMを前記所定回数N0 で除算することにより
平均偏差P20を算出した後、ステップS585でNを1
にリセットするとともにSAMをゼロにリセットする。
【0101】而して、ブレーキペダル8の不操作時にお
けるブレーキペダル踏力センサ24 1 の出力値の平均偏
差P20が求められると、図17のステップS502で説
明したように、ブレーキペダル踏力センサ241 の出力
値P2 から前記平均偏差P20を減算することにより、差
圧バルブ16f,16rの入力油圧PINが求められる。
【0102】次に、前述の図6のフローチャートのステ
ップS500における各変数クリアルーチンの具体的内
容を、図37のフローチャートに基づいて説明する。
【0103】ここでは、前記モード1フラグM1FL、
モード2フラグM2FL、モード3フラグM3FL、M
2タイマM2TM、フロント減圧フラグPDNFLF
リヤ減圧フラグPDNFLR 、フロント出力油圧最大値
OFmax 、リヤ出力油圧最大値PORmax 、フロント出力
油圧最小値POFmin 、リヤ出力油圧最小値PORmin 、フ
ロントディレイ時保持値ΔPOFD 、リヤディレイ時保持
値差圧ΔPORD およびディレイ時保持値TRGD がゼロに
セットされる。
【0104】次に、図6のフローチャートのステップS
600におけるシフト指令ルーチンの具体的内容を、図
38〜図40のフローチャートと、図41および図42
のグラフとに基づいて説明する。
【0105】図38〜図40のフローチャートのステッ
プS601においてシフト中である場合には、ステップ
S602でシフトフラグSHFLが「1」にセットさ
れ、続いてステップS603で車軸トルク相当の換算回
生制動力TRGがゼロに設定されるとともに、ステップS
604でフロント側の差圧バルブ操作量ΔP0Fとリヤ側
の差圧バルブ操作量ΔP0Rが共にゼロとされる。これに
より、シフト中には回生制動が行われずに前輪Wfおよ
び後輪Wrは通常の油圧により制動される。
【0106】ステップS601でシフト中でないにも関
わらずステップS605でシフトフラグSHFLが
「1」にセットされている場合には、シフトが完了した
と判断され、続くステップS606で前輪Wfおよび後
輪Wrの油圧制動が解除されるとともに、ステップS6
07でシフトフラグSHFLが「0」にセットされる。
【0107】また、ステップS608でステアリング中
であってステアリングフラグSTRFLが「1」にセッ
トされている場合には、後述のシフト指令は行われな
い。
【0108】続くステップS609〜S613では、現
在のシフト位置nにおける推定回生電力E(n) が演算さ
れる。即ち、ステップS609で換算回生制動力TRG
ギヤレシオR(n) で除算することによりn速におけるモ
ータトルクTMT(n) が演算される。そして、ステップS
612で図21のグラフに基づいて前記モータトルクT
MT(n) とモータ2の回転数NM からモータ効率η(n)
求められ、続くステップS613で前記モータ効率η
(n) にモータトルクTMT(n) とモータ2の回転数NM
乗算することにより、当該シフト位置nにおける推定回
生電力E(n) が演算される。
【0109】次に、ステップS614〜S622におい
て、現在のシフト位置からシフトダウンした場合の推定
回生電力E(n-1) が演算される。即ち、ステップS61
4で現在のシフト位置nが1速である場合には、シフト
ダウンが実質的に不可能であるため、ステップS615
でシフトダウンした場合の推定回生電力E(n-1) がゼロ
に設定される。一方、前記ステップS614で現在のシ
フト位置nが2速〜4速の何れかである場合には、ステ
ップS616〜S622で前述と同様にn−1速にシフ
トダウンした場合の推定回生電力E(n-1) が演算され
る。その際に、ステップS617でモータトルクT
MT(n-1) が回生制動力制限値TLMを上回った場合には、
ステップS618で前記回生制動力制限値TLMがモータ
トルクTMT(n-1 ) とされる。またシフトダウンの場合に
は、ステップS619でシフトダウン時のモータ2の回
転数NM (n-1) が、ギヤレシオR(n) ,R(n-1) とn速
における回転数NM (n) から演算され、その結果ステッ
プS620で回転数NM (n-1) がオーバーレブになった
場合には、前記ステップS615で推定回生電力E
(n-1)がゼロに設定される。
【0110】次に、ステップS623〜S630におい
て、現在のシフト位置からシフトアップした場合の推定
回生電力E(n+1) が演算される。即ち、ステップS62
3で現在のシフト位置nが4速である場合には、シフト
アップが実質的に不可能であるため、ステップS624
でシフトアップした場合の推定回生電力E(n+1) がゼロ
に設定される。続くステップS625〜S630では、
前述と同様にシフトアップした場合の推定回生電力E
(n+1) が演算される。その際に、ステップS626でモ
ータトルクTMT(n+1) が回生制動力制限値TLMを上回っ
た場合には、ステップS627で前記回生制動力制限値
LMがモータトルクTMT(n+1) とされる。尚、前記シフ
トアップの場合にはオーバーレブが発生することが無い
ため、シフトダウンの場合に行ったオーバーレブの判定
は行われない。
【0111】而して、ステップS631〜S633で現
在の推定回生電力E(n) 、シフトダウンした場合の推定
回生電力E(n-1) およびシフトアップした場合の推定回
生電力E(n+1) の3者が比較され、E(n-1) が最大にな
る場合にはステップS634でシフトダウン指令が発せ
られ、逆にE(n+1) が最大になる場合にはステップS6
35でシフトアップ指令が発せられる。
【0112】上述のシフト操作を図22のタイムチャー
トに基づいて説明する。例えばブレーキペダル8の踏力
が時刻T1 ,T3 ,T8 において次第に強まるように操
作され、時刻T2 に回生制動指令が発せられたとする。
この時回生エネルギーを最大にすべくシフト位置を例え
ば3速から2速にシフトダウンするように判断された場
合、時刻T4 においてクラッチが解除される。
【0113】クラッチが解除されると後輪Wrとモータ
2が切り離されて回生制動力不能になるため、時刻T4
からT7 までモータ2の回生制動指令がキャンセルされ
る。そして回生制動が行われない間即ち時刻T4 からT
7 までの間は、油圧ブレーキ指令が出されて油圧制動が
回生制動に代替する。而して、時刻T4 からT6 までの
クラッチの係合解除期間における時刻T5 において、シ
フト指令が発せられて3速から2速へのシフトダウンが
実行される。
【0114】上述のようにしてトータル制動力は、時刻
2 〜T4 では回生制動により、時刻T4 〜T7 では油
圧制動により、時刻T7 〜T9 では回生制動により、時
刻T 9 以降は回生制動と油圧制動の併用により確保され
る。
【0115】次に、図6のステップS700におけるフ
ェイル判定ルーチンの具体的内容を、図43〜45のフ
ローチャートと図46および図47のグラフとに基づい
て説明する。
【0116】図43のフローチャートのステップS70
1において、何れの故障も発生しておらずに前記フェイ
ルフラグFAILFL(図17のステップS501参
照)が「1」にセットされていない場合には、続くステ
ップS702〜S708で回生制動システムのフェイ
ル、ブレーキペダル踏力センサ241 のフェイル、アク
セル開度センサ25のフェイル、車輪速センサ23FL
23FR,23RL,23RRのフェイル、ABS制御バルブ
14f,14rのフェイル、差圧バルブ16f,16r
のフェイルおよび油圧ポンプ10のフェイルが順次判定
される。
【0117】次に、前記図43のステップS702(回
生フェイル判定)のサブルーチンを、図44のフローチ
ャートに基づいて説明する。
【0118】先ず、ステップS′31でモータ2が発生
する実回生発生電力ERGを、バッテリ電圧センサ202
の出力信号VB とバッテリ電流センサ201 の出力信号
Bを乗算することにより演算する。続くステップS′
32,S′33では、前述の図38のステップS613
で演算した推定回生電力E(n) に所定値αを加減算した
2つの値の間、つまりE(n) +αとE(n) −αの間に前
記実回生電力ERGがあるか否かが判断される。即ち、実
回生電力ERGと推定回生電力E(n) が図46の斜線領域
にある場合には回生制動システムに異常があると判断さ
れる。
【0119】前記異常判断が最初になされた場合であっ
てステップS′34で仮フェイルフラグFAILFL′
が「1」にセットされていない時には、ステップS′3
5で仮フェイルフラグFAILFL′が「1」にセット
される。そして次のループで再び回生制動システムに異
常があると判断された時、即ちステップS′34で仮フ
ェイルフラグFAILFL′が「1」にセットされてい
る時には、ステップS′36で最終的にフェイルフラグ
FAILFLが「1」にセットされる。そして、ステッ
プS′32,S′33で回生制動システムが正常である
と判断された場合には、ステップS′37,S′38で
仮フェイルフラグFAILFL′とフェイルフラグFA
ILFLが「0」にセットされ、またステップS′35
で仮フェイルフラグFAILFLが「1」にセットされ
た場合には、ステップS′38でフェイルフラグFAI
LFLが「0」にセットされる。
【0120】上述のように推定回生電力E(n) と実回生
電力ERGを比較し、実回生電力ERGが所定値を越えて過
大または過少であって異常があると判断された場合に仮
フェイルフラグFAILFL′を立て、次のループでも
連続して前記異常が検出された場合にフェイルフラグF
AILFLを立てることにより、電波障害等の影響を受
けること無く回生制動システムのフェイルを確実に判定
することができる。
【0121】次に、前記図43のステップS703(ブ
レーキペダル踏力センサフェイル判定)のサブルーチン
を、図45のフローチャートに基づいて説明する。
【0122】先ず、ステップS′41,S′42でブレ
ーキペダル踏力センサ241 の出力信号が0.4Vから
4.6Vの間にあるか否かが判別される。図47のグラ
フに示すように、ブレーキペダル踏力センサ241 の出
力VFBは踏力FB が増加するに伴って0.5Vから4.
5Vまでリニアに増加し、その後は一定値4.5Vに保
持されるように設定される。そして、ブレーキペダル踏
力センサ241 の誤差はプラスマイナス0.1Vが許容
範囲とされるため、ブレーキペダル踏力センサ241
正常であれば、前記出力VFBは最小値0.4Vと最大値
4.6Vの間にあるはずである。しかるに、前記ステッ
プS′41,S′42で出力VFBが0.4Vから4.6
Vの範囲にない場合には、ブレーキペダル踏力センサ2
1 に異常があると判断される。
【0123】前記異常判断が最初になされた場合であっ
てステップS′43で仮フェイルフラグFAILFL′
が「1」にセットされていない時には、ステップS′4
4で仮フェイルフラグFAILFL′が「1」にセット
される。そして次のループで再びブレーキペダル踏力セ
ンサ241 に異常があると判断された時、即ちステップ
S′43で仮フェイルフラグFAILFL′が「1」に
セットされている時には、ステップS′45で最終的に
フェイルフラグFAILFLが「1」にセットされる。
【0124】また、ステップS′46でブレーキペダル
スイッチがONしていないにもかかわらず、即ちブレー
キペダル8が操作されていないにもかかわらず、ステッ
プS′47でブレーキペダル踏力センサ241 の出力V
FBが0.6Vを越えている場合には、ブレーキペダル踏
力センサ241 に異常があると判断されて前記ステップ
S′43に移行する。
【0125】そして、ステップS′41,S′42,
S′46,S′47でブレーキペダル踏力センサ241
が正常であると判断された場合には、ステップS′4
8,S′49で仮フェイルフラグFAILFL′とフェ
イルフラグFAILFLが「0」にセットされ、またス
テップS′46でブレーキペダルスイッチがONした場
合とステップS′44で仮フェイルフラグFAILF
L′が「1」にセットされた場合には、ステップS′4
9でフェイルフラグFAILFLが「0」にセットされ
る。
【0126】上述のように、ブレーキペダルを8を操作
した場合にブレーキペダル踏力センサ241 の出力VFB
があり得ない値(0.4V以下と4.6V以上)を示し
た時、およびブレーキペダルを8を操作しない場合にブ
レーキペダル踏力センサ24 1 の出力VFBがあり得ない
値(0.6V以上)を示した時に異常があると判断して
いるので、ブレーキペダル踏力センサ241 の出力異常
だけで無く、該ブレーキペダル踏力センサ241 の固着
によるトラブルを確実に検知することができる。しか
も、仮フェイルフラグFAILFL′を用いて前記異常
が連続して検出された場合に最終的な異常判断を下して
いるので、電波障害等の影響を受けること無くブレーキ
ペダル踏力センサ241 のフェイルを確実に判定するこ
とができる。
【0127】而して、図6のステップS800におい
て、図22のステップS523〜ステップS525で決
定された差圧バルブ操作量ΔFOF,ΔFORが出力される
とともに、ステップS900のサブルーチンである図4
8の回生指令出力ルーチンのステップS901で、最終
的な回生トルク指令値TRGT が回生出力指令値TRGとエ
ンブレ相当回生制動力TRGE との和として算出され、回
生トルク指令値ステップS902で前記回生トルク指令
値TRGT が出力される。これにより、[モード3]、
[モード2]及び[モード1]の各モードにおいて、図
4に示す所定の比率で回生制動力と油圧制動力とが発揮
される。
【0128】図49は差圧バルブ16f(16r)の第
2実施例を示すものである。
【0129】図49(A)に示すように、この実施例の
差圧バルブ16fは、弁体18fが着座する弁座が移動
可能なスプール29fによって構成されており、このス
プール29fはスプリング30fによって弁体18fに
向けて付勢されている。そしてスプール29fが右動す
ると、出力ポートは油路31fによってマスタシリンダ
9のリザーバ32に連通する。
【0130】図49(B)を併せて参照すると明らかな
ように、リニアソレノイド19fを励磁して弁体18f
に付勢力をfs1 を作用させた状態では、入力ポートに
加わる入力油圧PINがO点からA点に増加するまで出力
ポートに出力油圧POUT が発生せず、A点において弁体
18fがスプール29fから離間すると、出力油圧P
OUT は、 POUT =PIN−fs1 /b …(13) の関係を以て増加する。ここで、bはスプール29fの
内径断面積である。
【0131】続いて、B点において踏力を緩めて入力油
圧PINを減少させると、弁体18fが閉弁するために出
力油圧POUT は一定に保持され、やがて入力油圧PIN
C点まで減少すると、スプール29fが右動して出力ポ
ートをリザーバ32に連通させるため、出力油圧POUT
は、 POUT =PIN−(fs1 −fs2 )/a …(14) の関係を保ってD点まで減少する。ここで、fs2 はス
プリング30fがスプール29fを左方に押圧する付勢
力であり、aはスプール29fの外径断面積である。そ
して、D点において出力油圧POUT がゼロになった後
は、入力油圧PINがD点からO点に減少するまで、出力
油圧POUT はゼロに保持される。
【0132】而して、この実施例ではヒステリシスHの
大きさが、 H={(1/b)+(1/a)}*fs1 +(fs2 /a) …(15) となり、図5(B)および49(B)から明なように、
第1実施例ものに比べて第2実施例のものは、そのヒス
テリシスHを実質的に無視し得る程度に小さくすること
が可能となる。従って、回生制動力の大きさを図49
(C)のように制御するだけで、即ち、ブレーキペダル
8の踏力の増加時と減少時とで同じ制御を行うだけで、
回生制動力および油圧制動力の総和をブレーキペダル8
の踏力に比例させることができ、これにより前記回生制
動力指令値決定ルーチンを大幅に簡略化することができ
る。
【0133】図50は差圧バルブ16f(16r)の第
3実施例を示すものである。
【0134】図50(A)に示すように、この実施例の
差圧バルブ16fは、リニアソレノイド19fによって
右方に付勢されるとともにスプリング30fによって左
方に付勢されたスプール29fが左右摺動可能に設けら
れており、このスプール29fの中央に設けたグルーブ
33fを介して、入力ポートに連なる油路34fと出力
ポートに連なる油路35fとが相互に連通される。そし
てスプール29fが右動すると、出力ポートは油路35
f、グルーブ33fおよび油路31fを介してマスタシ
リンダ9のリザーバ32に連通する。
【0135】図50(B)を併せて参照すると明らかな
ように、リニアソレノイド19fを励磁して弁体18f
に付勢力をfs1 を作用させた状態では、入力ポート
に加わる入力油圧PINがO点からA点に増加するまで出
力ポートに出力油圧POUT が発生せず、A点においてス
プール29fが左動するとグルーブ29fを介して入力
ポートと出力ポートとが連通し、出力油圧POUT は、 POUT =PIN−(fs1 −fs2 )/a …(16) の関係を以て増加する。ここで、aはスプール29fの
断面積である。
【0136】続いて、B点において踏力を緩めて入力油
圧PINを減少させると、スプール29fが右動するため
に出力ポートと入力ポートとが遮断されて出力油圧P
OUT は一定に保持され、やがて入力油圧PINがC点まで
減少すると、グルーブ29fを介して出力ポートがリザ
ーバ32に連通するために、出力油圧POUT は、 POUT =PIN−(fs1 −fs2 ′)/a …(17) の関係を保ってD点まで減少する。ここで、fs2 ′は
スプール29fの移動後のスプリング30fの付勢力で
ある。そして、D点において出力油圧POUT がゼロにな
った後は、入力油圧PINがD点からO点に減少するま
で、出力油圧POUT用はゼロに保たれる。
【0137】而して、この実施例ではヒステリシスHの
大きさが、 H=kδ/a …(18) となる。ここで、kはスプリング30fのバネ定数、δ
はスプール29fの移動量である。この第3実施例によ
れば、図50(B)から明らかなように、前記第2実施
例ものよりもヒステリシスHが更に小さなものとなる。
従って、この場合も回生制動力の大きさを図50(C)
のように制御するだけで、回生制動力および油圧制動力
の総和に誤差が発生することを回避することができ、こ
れにより前記回生制動力指令値決定ルーチンを大幅に簡
略化することができる。
【0138】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の設計
変更を行うことが可能である。
【0139】例えば、実施例では前輪Wfが従動輪であ
り後輪Wrが駆動輪である車両を例示したが、本発明は
前輪Wfが駆動輪であり後輪Wrが従動輪である車両に
対しても適用可能である。
【0140】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、ブレーキ操作子の操作状態に基づいて第1の回生制
動力を決定するとともに、アクセル操作子の操作状態お
よびモータの回転数に基づいて第2の回生制動力を決定
し、これら第1および第2の回生制動力を加算した総和
の回生制動力を出力して駆動輪を回生制動するので、内
燃機関を駆動源とする車両における油圧制動力に相当す
る制動力とエンジンブレーキに相当する制動力とを回生
制動により同時に発揮させて、違和感の無い制動フィー
リングを得るとともに、回生制動によるエネルギー回収
効率を高めることが可能となる。
【0141】また本発明の第2の特徴によれば、アクセ
ル操作子の操作によってモータが駆動状態になった時に
回生制動を禁止するので、アクセル操作子とブレーキ操
作子とを同時に操作した場合に、アクセル操作子により
モータの駆動力を充分に発生させつつブレーキ操作子に
より油圧制動力を不足なく発揮させて、内燃機関を駆動
源とする車両と同様のフィーリングを得ることができ
る。
【0142】また本発明の第3の特徴によれば、ブレー
キ操作量検出センサがブレーキ操作子の非操作時におけ
る出力をゼロに補正する手段を備えたことにより、ブレ
ーキ操作子の非操作時にブレーキ操作量検出センサの出
力を正しくゼロに合致させることが可能となり、これに
よりブレーキ操作量検出センサの出力に基づいて決定さ
れる回生制動力の大きさが過大または過少になることが
防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による制動装置を備えた電動
車両の全体構成図
【図2】制御系のブロック図
【図3】制動モードの概略説明図
【図4】各モードの制動力配分を示すグラフ
【図5】差圧バルブの構造および特性を示す図
【図6】メインルーチンのフローチャート
【図7】車速演算ルーチンのフローチャート
【図8】舵角演算ルーチンのフローチャート
【図9】定常旋回中の車両を示す模式図
【図10】エンブレ相当回生制動力演算ルーチンのフロ
ーチャート
【図11】モータ回転数およびアクセル開度に対するモ
ータトルクの関係を示すグラフ
【図12】回生リミット演算ルーチンのフローチャート
【図13】モータ回転数に対する回生制動力制限値の関
係を示すグラフ
【図14】バッテリ温度に対するバッテリ温度係数の関
係を示すグラフ
【図15】バッテリ過電圧に対するリミット低減係数の
関係を示すグラフ
【図16】バッテリ電圧制御に伴うバッテリ電圧および
回生制動力の変化を示すグラフ
【図17】モード決定ルーチンのフローチャート
【図18】急ブレーキ判定ルーチンのフローチャート
【図19】転舵条件判定ルーチンのフローチャート
【図20】車速に対する転舵判定舵角しきい値の関係を
示すグラフ
【図21】転舵条件判定ルーチンの他の実施例のフロー
チャート
【図22】差圧バルブ操作量決定ルーチンのフローチャ
ートの第1分図
【図23】差圧バルブ操作量決定ルーチンのフローチャ
ートの第2分図
【図24】差圧バルブ操作量決定ルーチンのフローチャ
ートの第3分図
【図25】入力油圧に対する制動力の関係を示すグラフ
【図26】入力油圧に対するトータル制動力の関係を示
すグラフ
【図27】回生制動力制限値に対する差圧バルブ操作量
の関係を示すグラフ
【図28】油圧制動力をディレイ制御した場合の作用を
示すグラフ
【図29】回生制動力指令値決定ルーチンのフローチャ
ートの第1分図
【図30】回生制動力指令値決定ルーチンのフローチャ
ートの第2分図
【図31】回生制動力指令値決定ルーチンのフローチャ
ートの第3分図
【図32】回生制動力指令値決定ルーチンのフローチャ
ートの第4分図
【図33】回生制動力をディレイ制御した場合の作用を
示すグラフ
【図34】入力油圧に対する出力油圧の関係を示すグラ
【図35】回生制動力指令値決定ルーチンの他の実施例
のフローチャート
【図36】ブレーキペダルセンサ0補正ルーチンのフロ
ーチャート
【図37】各変数クリアルーチンのフローチャート
【図38】シフト指令ルーチンのフローチャートの第1
分図
【図39】シフト指令ルーチンのフローチャートの第2
分図
【図40】シフト指令ルーチンのフローチャートの第3
分図
【図41】モータ回転数およびモータトルクに対するモ
ータ効率の関係を示すグラフ
【図42】制動中にシフトチェンジが行われた場合にタ
イムチャート
【図43】フェイル判定ルーチンのフローチャート
【図44】回生フェイル判定ルーチンのフローチャート
【図45】ブレーキペダル踏力センサフェイル検出ルー
チンのフローチャート
【図46】回生フェイル判定に使用するグラフ
【図47】ブレーキペダル踏力センサフェイル検出に使
用するグラフ
【図48】回生指令出力ルーチンのフローチャート
【図49】差圧バルブの第2実施例の構造および特性を
示す図
【図50】差圧バルブの第3実施例の構造および特性を
示す図
【符号の説明】
1 バッテリ 2 モータ 8 ブレーキペダル(ブレーキ操作子) 24 ブレーキペダル踏力センサ(ブレーキ操作
量検出サンサ) 28 アクセルペダル(アクセル操作子) TRG 回生出力指令値(第1の回生制動力) TRGE エンブレ相当回生制動力(第2の回生制動
力) TRGT 回生トルク指令値(総和の回生制動力) Wr 後輪(駆動輪)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野永 郁生 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 石井 行久 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリ(1)をエネルギー源とするモ
    ータ(2)に接続されて駆動されるとともに、ブレーキ
    操作子(8)およびアクセル操作子(28)の操作によ
    って油圧制動および回生制動が可能な駆動輪(Wr)を
    備えた電動車両であって、 ブレーキ操作子(8)の操作状態に基づいて第1の回生
    制動力(TRG)を決定する手段と、アクセル操作子(2
    8)の操作状態および前記モータ(2)の回転数に基づ
    いて第2の回生制動力(TRGE )を決定する手段と、前
    記第1および第2の回生制動力(TRG,TRGE )を加算
    した総和の回生制動力(TRGT )を出力して駆動輪(W
    r)を回生制動する手段とを備えたことを特徴とする、
    電動車両の制動装置。
  2. 【請求項2】 前記アクセル操作子(28)の操作によ
    って前記モータ(2)が駆動状態になった時、回生制動
    を禁止する手段を備えたことを特徴とする、請求項1記
    載の電動車両の制動装置。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキ操作子(8)の操作量を検
    出するブレーキ操作量検出センサ(24)が、ブレーキ
    操作子(8)の非操作時における出力をゼロに補正する
    手段を備えたことを特徴とする、請求項1記載の電動車
    両の制動装置。
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