JPH0615215A - 塗装乾燥用ユニット - Google Patents

塗装乾燥用ユニット

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JPH0615215A
JPH0615215A JP5601993A JP5601993A JPH0615215A JP H0615215 A JPH0615215 A JP H0615215A JP 5601993 A JP5601993 A JP 5601993A JP 5601993 A JP5601993 A JP 5601993A JP H0615215 A JPH0615215 A JP H0615215A
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JP
Japan
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air
coating
drying
heated air
chamber
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JP5601993A
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English (en)
Inventor
Yukio Shoji
幸雄 庄子
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SHIYOOJI KK
Original Assignee
SHIYOOJI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車修理工場(所謂板金塗装工場)等にお
ける車体の吹付け塗装と塗装後の熱風乾燥とを同室内で
行う小規模の塗装乾燥装置に用いられる塗装乾燥用ユニ
ットに関し、送風機や加熱空気発生装置等をユニット化
して、通風路の外に出し、送風設備を簡略化して、被塗
装乾燥体の各部の温度を可及的に均一化させて乾燥させ
ることができる、コンパクトな塗装乾燥用ユニットを提
供することを目的とする。 【構成】 空気を加熱して昇温させる加熱空気発生装置
(30)と、該加熱空気発生装置(30)へ空気を送給
するとともに加熱空気を塗装乾燥室(10)へ送給する
送風機(53)と、前記加熱空気発生装置(30)へ送
給する空気の一部を外部に逃気して風量を調整する調風
器(54)とを備えるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車修理工場(所謂
板金塗装工場)等における車体の吹付け塗装と塗装後の
熱風乾燥とを同室内で行う小規模の塗装乾燥装置に用い
られる塗装乾燥用ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車修理工場(所謂板金塗装工
場)における車体の吹付け塗装と塗装後の乾燥とを同室
内で行う一室型塗装乾燥装置として、例えば図9に示す
ように、自動車Cを被塗装乾燥体とする一室型塗装乾燥
装置1が知られている(例えば実開昭55−94691
号公報参照)。
【0003】これは、塗装乾燥室2の天井に吹出口5を
開設し、塗装乾燥室2の屋根に吹出口5に連通するダク
ト4を設けるとともに、塗装乾燥室2の側部にはダクト
4内に新鮮空気を送給して吹出口5から塗装乾燥室2内
に該新鮮空気を吹出させる塗装時用のファン(図示せ
ず)を設け、更に塗装乾燥室2の側部には適時に作動す
る加熱空気発生装置3を介してダクト4内に外気を送給
し吹出口5から加熱空気を吹出させる乾燥時用の送風機
8を設け、また、塗装乾燥室2の床に排気口6を開設
し、排気ファン(図示せず)で吸引流を生じる排気ダク
ト7に上記排気口6を連通させてある。
【0004】ところで、一般に、この種の装置は、後述
する吹付け塗装時における塗装作業者の安全衛生を考慮
して良好な塗装環境を作りだすために、労働安全衛生法
の有機溶剤中毒予防規則に基づいて設計されている。そ
のため、吹出口5は床面積(最低でも26平方メート
ル)の0.6倍以上の開口面積を有し、該吹出口からの
気流の風速が床面の略前面に亘り0.2メートル毎秒以
上、即ち、塗装乾燥室の所要通風量は最低でも312立
方メートル毎分(26m2 ×0.2m/s×60s)以
上となるように、ダクト,ファン,排気ファン等の大き
さが比較的大きなものに定められている。そのため、乾
燥システムにおいては、塗装条件に合わせて設計された
吹出口5や排気ファンをそのまま利用しているので、送
風機8もそれに見合う風量を送給しうる大きさに定めら
れている。
【0005】そして、塗装乾燥室1内において吹付塗装
を行なう際は、新鮮空気をファンによって送給して吹出
口5から吹き降ろし、更に、排気口6から排気ファンに
よって排気し、強制的に送排風を行って、略半分以上発
生する飛散塗料カスを気流に乗せて排出させている。ま
た、塗装された自動車Cを乾燥させるときは、加熱空気
発生装置3を作動させ、送風機8によって加熱空気を自
動車Cの上方からこれに向けて吹出させるとともに、排
気口6から排気して行なうようにしている。
【0006】なお、赤外線電球等の高温発熱体によって
乾燥させることもできるが、塗装時に、付着堆積した塗
料カスの低温発火を生じ、または溶剤蒸気が籠りやすく
容易に発火点温度に達しやすいことから爆発火災の危険
をともなうので、上記の熱風式の乾燥方式を採ってい
る。このような自動車Cの乾燥においては、一般に車体
の表面温度を60℃前後に上昇させ、この温度で40分
程度保持して乾燥を終わらせることが塗料の硬化や生産
性の点で最適条件とされ、そのため、加熱空気の温度8
0℃前後に設定して所要の条件を作り出すようにしてい
る。尚、塗料をより早く硬化させるために車体の表面温
度を80℃以上の高いものにすると車体各部に取付けら
れた樹脂製艤装部品等が損傷する虞れがあり好ましくな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の一室
型塗装乾燥装置1にあっては、自動車Cのフェンダ、ド
アおよびドアのステップ部等の車体側面部Xは加熱時に
温度が上昇しにくく、ルーフ、ボンネットまたはトラン
クリッド部等の車体上面部Yに比較して、20〜40℃
程温度が低くなる傾向にあり、そのため、側面部Xが生
乾き状態になったり、生乾き状態になることからごみの
付着が多くなったり、所謂つやびけを生じたりすること
になって、側面部Xと上面部Yとの塗膜品質が不均一に
なるという問題点があった。
【0008】また、できるだけ側面部Xを乾燥させよう
とすると、乾燥時間を延長しなければならないので、そ
の分、時間を消費してしまい生産性を損ねてしまうとい
う問題点もあった。これらは、車体側面部Xは車体上面
部Yに比較して単位面積あたりの鉄板の重合度が高く、
その分、伝熱が遅いこと、また、この場合、加熱空気が
車体上面部Yには垂直方向から直接当たることから、こ
の部位においては所要の温度まで容易に上昇するが、車
体側面部Xにおいては、車体側面に沿って平行に流れて
おりしかも加熱空気の温度も降下しているため、その温
度上昇が緩慢になる等の理由による。
【0009】さらにまた、一般に吹付塗装の特性とし
て、側面部よりも上面部のほうが垂れ流れが少ない等の
理由で塗料の塗着率が良く、その分、厚膜になる。乾燥
システムにおいては塗装条件に合せて設計された吹出口
や排気ファンを利用していることから天井からは不必要
に多量の加熱空気が吹降りてくることになるが、このよ
うな状態で、上記の風量の比較的多い加熱空気が上面部
に直接当たると表面と内部との乾燥条件が異ってしま
い、相対的に表面の乾燥が早くなり、内部において溶剤
の蒸発が不十分になって所謂ワキ、ピンホールやクレー
タ等が未蒸発のガスによって発生し易くなり、塗膜肌を
荒らしてしまうという問題点も生じる。
【0010】このため、仮に、これらの発生がないよう
に吹出流量や温度を下げたり、段階的に吹出流量や温度
を上げるようにして除々に乾燥させるようにすると、側
面部の乾燥が増々不十分になり、上記の問題点を生じ易
くする。このような諸々の問題点を回避しようとして、
被塗装乾燥体の各部の温度を可及的に均一化させて乾燥
させることができるようにするための熱風発生機(B)
および排気洗浄装置(C)を設置しようすると、各装置
が通風路内に組み込まれているため、比較的大型の塗装
乾燥設備が形成され、塗装乾燥室本体(A)に対して設
備費が大きくなりすぎるという問題点があった。
【0011】そこで、本発明における課題は、送風機や
加熱空気発生装置等をユニット化して、通風路の外に出
し、送風設備を簡略化して、被塗装乾燥体の各部の温度
を可及的に均一化させて乾燥させることができる、コン
パクトな塗装乾燥用ユニットを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の技術的手段は、図1の実施例図に例示
するように、塗装乾燥用ユニットとして、空気を加熱し
て昇温させる加熱空気発生装置(30)と、該加熱空気
発生装置(30)へ空気を送給するとともに加熱空気を
塗装乾燥室(10)へ送給する送風機(53)と、前記
加熱空気発生装置(30)へ送給する空気の一部を外部
に逃気して風量を調整する調風器(54)とを備えたこ
とを特徴とするものである。
【0013】また、この塗装乾燥用ユニットとしては、
前記送風機(53)の吸込み側に前記塗装乾燥室(1
0)の空気を吸引して前記加熱空気発生装置(30)に
送給する循環ダクト(51)を接続させたことを特徴と
するものが望ましい。そしてまた、この調風器(54)
の逃気量を前記送風機(53)からの送風量の約15%
を逃がすものであることが望ましい。
【0014】また、この塗装乾燥用ユニットは、塗装乾
燥室(10)へ外気を送給する送給装置(20)および
前記塗装乾燥室(10)から室内の空気を外部へ排出さ
せる吸引装置(40)を備えた塗装用ユニット(N1)
と、空気を加熱して昇温させる加熱空気発生装置(3
0)、該加熱空気発生装置(30)へ空気を送給すると
ともに加熱空気を前記塗装乾燥室(10)へ送給する送
風機(53)、および前記加熱空気発生装置(30)へ
送給する空気の一部を外部に逃気して風量を調整する調
風器(54)を備えた乾燥用ユニット(N2)とからな
ることを特徴とする。
【0015】
【作用】この塗装乾燥用ユニットを用いると、塗装乾燥
室(10)内の吸気と排気を行いながら被塗装乾燥体
(C)を乾燥させる場合に、送風機(53)および加熱
空気発生装置(30)を作動させて、加熱空気発生装置
(30)が加熱して昇温させた空気を調風器(54)に
よって風量を調節しながら送給し、被塗装乾燥体(C)
に一様な加熱空気を送風させるとともに調風器(54)
によって排気した空気量に相当する外気を塗装乾燥室
(10)内に導入させる。これにより、一様な加熱空気
を送風させるコンパクトな塗装乾燥用ユニットが実現さ
れる。
【0016】そして、この塗装乾燥用ユニットによれ
ば、塗装乾燥室(10)の空気を循環ダクト(51)を
介して送風機(53)に吸引させ、加熱空気発生装置
(30)を介して塗装乾燥室(10)へ加熱空気を送給
させることよって、塗装乾燥室(10)と加熱空気発生
装置(30)との間を循環させることができるように
し、加熱空気を効率良く利用して加熱用燃料の消費量を
最小限に抑えることができるようにする。
【0017】そしてまた、この塗装乾燥用ユニットによ
れば、調風器(54)の逃気量を送風機(53)からの
送風量の約15%を逃がすことによって、塗装乾燥室
(10)に適当量の新鮮な空気を導入させ、被塗装乾燥
体(C)に送風される加熱空気と、被塗装乾燥体(C)
に送風させる温度を下げた空気との割合を最適化させ、
被塗装乾燥体(C)の各部に送風される空気温度を適切
に調節し、乾燥効率を向上させる。
【0018】また、この塗装乾燥用ユニットによれば、
塗装用ユニット(N1)を作動させることにより送給装
置(20)が塗装乾燥室(10)へ外気を送給するとと
もに吸引装置(40)が塗装乾燥室(10)から室内の
空気を外部へ排出して、塗装乾燥室(10)を換気して
塗料ミストを室外へ排出させる。また、乾燥用ユニット
(N2)を作動させることにより、調風器(54)によ
って加熱空気発生装置(30)へ送給する空気の一部を
外部に逃気して風量を調整するとともに送風機(53)
により加熱空気発生装置(30)へ空気を送給し、加熱
空気発生装置(30)により空気が加熱されて昇温さ
れ、適当温度に加熱昇温された空気が適量だけ塗装乾燥
室(10)へ送給される。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。なお、この実施例は、自動車用の一室型塗装乾燥装
置に適用した場合を例として、図面を添付して説明す
る。図1乃至図3に示す一室型塗装乾燥装置Bの基本的
構成は、塗装乾燥室10と、送給装置20と、加熱空気
発生装置30と、第一の吸引装置40および第二の吸引
装置50を備えた二系統になっている吸引装置とからな
る。
【0020】また、送給装置20は第一の吸引装置40
と組み合されて塗装用ユニットN1を構成し、加熱空気
発生装置30は第二の吸引装置50と組み合されて乾燥
用ユニットN2を構成している。塗装乾燥室10は、適
宜の材で形成され、内部を目視できる窓11を周囲に設
け、被塗装乾燥体としての自動車Cを一面に設けた出入
口から出し入れする簡易建屋に形成する。
【0021】この塗装乾燥室10内には加熱空気発生装
置30からの加熱空気が通るダクト12が配設されてい
る。このダクト12は塗装乾燥室10内を囲むように塗
装乾燥室10内の側壁に延設され、ダクト出口部を自動
車Cのドアパネルが位置する高さに設定してある。13
はダクト12のダクト出口部に開設された複数の吹出口
であり、塗装乾燥室10の中央に向かって開口してい
る。そして、自動車Cが塗装乾燥室10内に配置された
ときには、吹出口13は自動車Cの側方に位置する。1
4は吹出口13の開度を調整するスライドドアである。
一般に、吹出口13の開度は、各吹出口13から均一な
加熱空気量を吹出させるため、加熱空気の供給源側が広
く末端側が狭く設定される。また、自動車Cの形状等に
より各吹出口13の開度調整を適宜に行なうことによ
り、被塗装乾燥体としての自動車Cの各部に対する吹出
し量を適正にさせる。
【0022】15は塗装乾燥室10の天井部に開設され
た上部開口であり、微塵用のフィルタ16が嵌め込まれ
ている。また、屋根部はこの上部開口15を覆う給気チ
ャンバボックス17になっている。18は塗装乾燥室1
0の床に開設された下部開口であり、網状の床板19が
嵌め込まれている。
【0023】塗装用ユニットN1における送給装置20
は、給気チャンバボックス17に連通するダクト21
と、外気と連通する外部開口22からダクト21を介し
て上部開口15に強制的に外気を送風する送風ファン2
3とを備えている。24は外部開口22に嵌め込まれた
給気フィルタである。塗装用ユニットN1における第一
の吸引装置40は、排気装置として機能し、下部開口1
8に連通する排気ダクト41と、外部へ連通する排気塔
42を介して塗装乾燥室10内の空気を吸引して排気す
る排気ファン43と、逆流防止装置を兼ねた風量調節弁
43aを備えている。44は排気ファン43の前位に設
けられた塗料ミスト吸引フィルタである。
【0024】乾燥用ユニットN2における加熱空気発生
装置30は、例えば都市ガス等を燃焼させるガスバーナ
を内蔵しており、第二の吸引装置50から送りこまれる
空気を加熱空気源としている。乾燥用ユニットN2にお
ける第二の吸引装置50は塗装乾燥室10の空気を吸引
して加熱空気発生装置30に送りこみ、該空気を循環さ
せるものであり、下部開口18に連通する循環ダクト5
1と、これに連通しフィルタを備えたフィルタボックス
52と、加熱空気発生装置30に塗装乾燥室10内の空
気を送風する循環ファン53と、加熱空気発生装置30
と循環ファン53との間に設けて循環ファン53からの
空気の一部を外部に逃気して加熱空気発生装置30への
風量を調整する調風器54とを備えている。
【0025】本実施例の場合、この調風器54の逃気量
は、循環ファン53からの送風量のうち15%を逃がす
ようにしてある。60は制御装置であり、手動の始動ス
イッチ、運転時間を制御するタイマなどを備えていると
ともに、上記塗装用ユニットN1又は乾燥用ユニットN
2を選択的に駆動させる選択スイッチを備えている。
【0026】62は塗装乾燥室10の出入口に設けた開
閉扉、63は天井部両側に設けた照明用の蛍光灯であ
る。なお、この装置Bにおける上部開口、送風ファン、
排気ファン等の大きさについては、上述した労働安全衛
生法の有機溶剤中毒予防規則に基づいて定められ、設計
されている。
【0027】このように構成された一室型塗装乾燥装置
Bを使用して塗装を行なう時には、図4に示すように、
自動車Cを塗装乾燥室10の略中央に設置し、制御装置
60により塗装用ユニットN1を選択して駆動させ、送
給装置20の送風ファン23及び第一の吸引装置40の
排気ファン43のみを駆動させる。この場合、上部開口
15から外気が導入されるとともに下部開口18から室
内の空気が排気され、天井から床へ向かう空気流が生じ
る。このため、塗装時において室内に飛散した塗料ミス
トは、この空気流に乗って室外へ排出される。
【0028】この状態で、さらに加熱空気発生装置30
を作動させるようにすれば、暖房しながら塗装を行なう
ことができる。次に、この塗装された自動車Cの乾燥を
行なう時には、制御装置60により乾燥用ユニットN2
を選択して駆動させ、加熱空気発生装置30及び第二の
吸引装置50の循環ファン53を作動させる。すると、
図2及び図3に示すように、循環ファン53により塗装
乾燥室10内から空気が吸引されるとともに、ダクト1
2の吹出口13から自動車Cの側面部Xに向けて加熱空
気が吹出す。
【0029】更に、上記の吸引量を100と表すことに
すると、吸引された空気は調風器54から15%排出さ
れるので、吹出口13からの吹出量は85となり、その
ため、吸引量(100)と吹出量(85)との差(1
5)の分、外部から新鮮な空気が上部開口15を介して
供給され、上部開口15から下部開口18へ向けて新鮮
空気の流れを生じる。
【0030】この場合、吹出口13から吹出した加熱空
気は温度が高いことから上方へ立上ろうとするが、上記
天井から床に向かう新鮮空気の流れによって、一部下方
へ向かうことになる。即ち、吹出口13からの加熱空気
は側面部Xへ当たりながら上方へ向かうものと下方に向
かうものとに分散されることになって、側面部Xに垂直
に当たる空気流、斜めに当たる空気流が生じ、側面部X
には加熱空気が万遍なく当たることになる。
【0031】この側面部Xへ当たる加熱空気によって、
鉄板重合度が高くて伝熱の遅い側面部Xは急速に加温さ
れ、温度上昇が促進される。また、上へ立上る加熱空気
は新鮮空気と混合するので、側面部Xの加熱空気よりも
多少温度が低くなるが、新鮮空気の流れに押えられて比
較的緩やかな空気流になることから上面部Yを包み込む
ように上昇し、また、上面部Yは側面部Xに比較して鉄
板重合度が低いので、上面部Yは十分に加温されること
になる。
【0032】図5は、加熱空気の吹出量と新鮮空気の吹
出量を85:15に設定して、車体各部の表面温度の上
昇を測定した温度−時間曲線の一例である。その測定位
置(温度センサの取付位置)は、図6に示す位置に設定
され、上面部においてボンネット、ルーフ、トランクの
適宜の3個所、側面部Xにおいて前フェンダ、ステッ
プ、後フェンダの適宜3個所である。
【0033】図5の結果が示すように、側面部Xは上面
部Yよりも僅かに高温度に保たれて上面部Yと略均一に
60℃前後まで上昇するとともに、その上昇時間も20
分程度になっており、その後の乾燥時間を上面部Yと略
同等のものにすることができる。そのため、上面部Yと
側面部Xとの乾燥条件が略同様になるので、塗膜品質を
均一なものにすることができる。更に、乾燥に要する時
間は短くなる。即ち、従来においては、側面部Xの温度
は上面部Yが60℃になった状態でも20〜40℃低く
なっており、その分、乾燥終了までの所要時間を長くし
なければならなかったが、これに比較して大幅な短縮が
図られる。
【0034】従って、乾燥終了までの所要時間が短くな
る分、ガス消費量が少なくなって燃費が削減される。更
に、加熱空気発生装置30は、塗装乾燥室10内の加熱
空気の一部を加熱空気源としているので、熱効率が良い
ものになっており、この点においても、ガス消費量が少
なくなって燃費が削減される。また、吹出された加熱空
気は上下方向へ向かうので、従来において上面部Yに見
られたような垂直にのみ当たる場合に比較して、側面部
Xへの衝突が和らげられることになり、また塗膜も比較
的薄いことから、その分、ワキ、ピンホールやクレータ
等の発生が抑制される。
【0035】さらにまた上面部Yにおいても、加熱空気
は新鮮空気と混合し、新鮮空気の流れに押えられて比較
的緩やかな空気流になることから、従来のように上面部
Yに垂直に衝突するものではなく、それだけ、ワキ、ピ
ンホールやクレータ等の発生が抑制される。特に、本実
施例のように加熱空気と新鮮空気との割合を85:15
にした場合には、図5に示す測定値からわかるように、
側面部Xよりも上面部Yの温度を低い状態に保持できる
ので、上述した塗膜の厚いことに起因して生じるワキ、
ピンホールやクレータ等の発生が抑制される。
【0036】さらにまた、従来においては、天井部の大
きな開口から比較的大容量の加熱空気が吹き降りてくる
ので、塗装乾燥室内に乱気流が生じ、ごみが舞い上がり
易くなってその浮遊量も多くなり、その分、塗装面への
ごみの付着率が高いという欠点があったが、本発明の実
施例によれば、天井部からの吹き降しが少なくなり、か
つ吹出口15から適量の風量が吹出すことから乱気流が
生じにくくなって、ごみが舞い上がりにくく、その浮遊
量も少なくなり、それだけ、塗装面へのごみの付着率が
低くなり、この点においても塗膜品質の向上が図られ
る。
【0037】このように、それぞれ塗装用ユニットN1
および乾燥用ユニットN2を、独立させてユニット化し
たことによって、設備としてコンパクトに纏まり、通風
路外に出したことによって、大型化を回避でき、必要最
小限のダクト21,41,51,または12を介して塗
装乾燥室10に送給させることができて、設備費を安価
にすることができる。
【0038】他の実施例としては、上記実施例における
加熱空気発生装置30の加熱空気源を外気にし、そして
第二の吸引装置50を設けない形式の装置とする。この
場合に、乾燥時においては、図7又は図8に示すような
システムにすればよい。図7では、第一の吸引装置40
及び加熱空気発生装置30のみ駆動し、排気ファン43
によって新鮮空気を取入れるようにしている。これによ
れば、熱効率の点では、上記実施例よりも不利ではある
が、その作用は上記実施例と略同様である。
【0039】また、図8では、加熱空気発生装置30の
みを駆動させている。これによれば、吹出された加熱空
気は温度が高いことから上方に立上るとともに、上部開
口15から排出されていくが、この加熱空気は上方へ立
上りながら側面部Xに当たるとともに、上面部Yを包み
込むように上昇するので、側面部Xの温度上昇が促進さ
れかつ、上面部にも加熱空気が十分に行き渡るので、上
面部Y及び側面部Xともに略均一に所要温度まで上昇さ
せることができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の塗装乾燥
ユニットを用いると、被塗装乾燥体(C)の乾燥時に塗
装乾燥室(10)内の吸気と排気を行う場合に、調風器
(54)によって送風量を調節しながら加熱して昇温さ
せた空気を送給し、被塗装乾燥体(C)に一様な加熱空
気を送風させることができるとともに調風器(54)に
よって排気した空気量に相当する外気を塗装乾燥室(1
0)内に導入させることができるようになるため、容易
に空気温度の調節ができて、被塗装乾燥体(C)の各部
の乾燥条件を略均一にでき、塗膜品質を向上させること
ができ、しかも、被塗装乾燥体(C)の乾燥時間が短縮
できて運転費を安価にすることができ、しかも、コンパ
クトにユニット化されて設備費が安価となる塗装乾燥用
ユニットが実現できる。
【0041】そして、塗装乾燥室(10)の空気を循環
ダクト(51)を介して送風機(53)に吸引させ、加
熱空気発生装置(30)を介して塗装乾燥室(10)へ
加熱空気を送給させることができるようにしたことによ
って、塗装乾燥室(10)と加熱空気発生装置(30)
との間を空気が循環でき、加熱空気を効率良く利用でき
て、加熱用燃料の消費量を最小限に抑えることができ
る。
【0042】そしてまた、調風器(54)の逃気量を送
風機(53)からの送風量の約15%を逃がせるように
したことによって、塗装乾燥室(10)に適当量の新鮮
な空気を導入させることができ、被塗装乾燥体(C)に
送風される加熱空気と、被塗装乾燥体(C)に送風させ
る温度を下げた空気との割合を最適化させることがで
き、被塗装乾燥体(C)の各部に送風される空気温度を
適切に調節し、乾燥効率を向上させることができる。
【0043】また、この塗装乾燥用ユニットを用いる
と、塗装用ユニット(N1)を作動させることにより送
給装置(20)が塗装乾燥室(10)へ外気を送給する
とともに吸引装置(40)が塗装乾燥室(10)から室
内の空気を外部へ排出して、塗装乾燥室(10)を換気
して塗料ミストを室外へ排出させることができ、また、
乾燥用ユニット(N2)を作動させることにより、調風
器(54)によって加熱空気発生装置(30)へ送給す
る空気の一部を外部に逃気して風量を調整することがで
きるとともに、送風機(53)により加熱空気発生装置
(30)へ空気を送給し、加熱空気発生装置(30)に
より空気を加熱昇温させ、適当温度に加熱昇温された空
気が適量だけ塗装乾燥室(10)へ送給でき、コンパク
トで運転効率がよく設備費用が安価に済む塗装乾燥用ユ
ニットが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る一室型塗装乾燥装置の構
造を一部破断一部分解して示す斜視図である。
【図2】実施例に係る一室型塗装乾燥装置の平面断面図
であって乾燥時における作用を示す図である。
【図3】実施例に係る一室型塗装乾燥装置の縦断面図で
あって乾燥時における作用を示す図である。
【図4】実施例に係る塗装時における作用を示す第3図
相当図である。
【図5】実施例に係る乾燥時における自動車C各部の温
度上昇状態の一例を示すグラフである。
【図6】実施例に係る温度上昇測定点を示す自動車Cの
側面図である。
【図7】実施例に係る一室型塗装乾燥装置の他の例を示
す縦断面図であって乾燥時における新鮮空気を取り入れ
る場合の作用を示す図である。
【図8】実施例に係る一室型塗装乾燥装置の他の例を示
す縦断面図であって乾燥時における新鮮空気を取り入れ
ない場合の作用を示す図である。
【図9】従来の一室型塗装乾燥装置の一例をその作用と
ともに示す縦断面図である。
【符号の説明】
B 一室型塗装乾燥装置 C 自動車(被塗装乾燥体) X 側面部 Y 上面部 10 塗装乾燥室 12 ダクト 13 吹出口 15 上部開口 18 下部開口 20 送給装置 21 ダクト(吸気ダクト) 23 送風ファン 30 加熱空気発生装置 40 第一の吸引装置 41 排気ダクト 43 排気ファン 50 第二の吸引装置 51 循環ダクト 53 循環ファン 54 調風器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気を加熱して昇温させる加熱空気発生装
    置(30)と、 該加熱空気発生装置(30)へ空気を送給するとともに
    加熱空気を塗装乾燥室(10)へ送給する送風機(5
    3)と、 前記加熱空気発生装置(30)へ送給する空気の一部を
    外部に逃気して風量を調整する調風器(54)とを備え
    たことを特徴とする塗装乾燥用ユニット。
  2. 【請求項2】前記送風機(53)の吸込み側に前記塗装
    乾燥室(10)の空気を吸引して前記加熱空気発生装置
    (30)に送給する循環ダクト(51)を接続させたこ
    とを特徴とする請求項1記載の塗装乾燥用ユニット。
  3. 【請求項3】前記調風器(54)の逃気量を、前記送風
    機(53)からの送風量の約15%を逃がすものである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の塗装乾燥用ユ
    ニット。
  4. 【請求項4】塗装乾燥室(10)へ外気を送給する送給
    装置(20)および前記塗装乾燥室(10)から室内の
    空気を外部へ排出させる吸引装置(40)を備えた塗装
    用ユニット(N1)と、 空気を加熱して昇温させる加熱空気発生装置(30)、
    該加熱空気発生装置(30)へ空気を送給するとともに
    加熱空気を前記塗装乾燥室(10)へ送給する送風機
    (53)、および前記加熱空気発生装置(30)へ送給
    する空気の一部を外部に逃気して風量を調整する調風器
    (54)を備えた乾燥用ユニット(N2)とからなるこ
    とを特徴とする塗装乾燥用ユニット。
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