JPH06150083A - 識別情報を備えた磁気記録媒体およびその真偽判定方法 - Google Patents

識別情報を備えた磁気記録媒体およびその真偽判定方法

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JPH06150083A
JPH06150083A JP4314374A JP31437492A JPH06150083A JP H06150083 A JPH06150083 A JP H06150083A JP 4314374 A JP4314374 A JP 4314374A JP 31437492 A JP31437492 A JP 31437492A JP H06150083 A JPH06150083 A JP H06150083A
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Masao Muramatsu
正男 村松
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 ランダムに分布する金属ファイバが埋設され
た基材上に少なくとも磁気記録層、熱溶融型塗膜層およ
び金属薄膜層を順次設けらた磁気記録媒体において、前
記磁気記録媒体に前記金属薄膜層の存在する部分と存在
しない部分とを混在させた領域R1,R2を設け、前記
領域の前記金属薄膜層は、前記磁気記録媒体の使用時に
形成された任意のパターンを形成し、さらに前記磁気記
録層に前記領域をマイクロ波センサで読み取ったアナロ
グデータに対応するデータを記録するための磁気トラッ
クTを設けた。 【効果】 磁気記録媒体を偽造、改ざんすることは実際
上不可能で、磁気記録媒体の安全性および信頼性が向上
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリペイドカードのよ
うな磁気記録媒体に関し、とくに個々の媒体に固有の識
別情報、すなわち識別情報を備えた磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】身分証明書やプリペイドカードのような
磁気記録媒体においては、不正な使用や偽造または改ざ
んを防止するために、それが真正なものであることを示
す識別情報が設けられる。このような目的に適合するカ
ードとして、紙あるいはプラスチックからなるカード基
材の内部に、導電体からなる微細なファイバをランダム
に分散させたものが知られている(たとえば特開昭50
−69999号公報、特開昭56−108172号公
報、特開平3−27489号公報など)。この従来の技
術では、カードの識別情報の識別は、カードの所定の領
域をマイクロ波センサ(マイクロ波を発射し、対象物か
らの反射波を読み取ることができる)でスキャンするこ
とによって実際の使用時に得られた信号パターンを、あ
らかじめ得られたパターンと比較し、この両者が一致し
たときに当該カードを真正なものと判定することで行な
われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の識別情報を備え
たカードの特長は、ファイバの分布がランダムである
ためにその複製が困難であること、同一カードが1枚
だけであること、の2点である。したがってこのカード
を身分証明書やキャッシュカードに利用した場合、きわ
めて高い安全性が得られる。ところが、このカードに設
けられた識別情報は、そのカードの真偽を判定するため
に利用できるのみで、たとえばプリペイドカードのよう
に、利用可能残高などの情報を記録した磁気情報につい
ては、その改ざんを防止する機能はない。
【0004】このような磁気情報を保護するためには、
情報を平文ではなく、適当な方式にしたがって暗号化し
たり、あるいは全てのデータにスクランブルをかけて、
データの構成が利用者には分からないようにすることが
必要となる。しかし、データの構成をどのように複雑に
しても、解読を完全に防止することはできない。また解
読できなくても、未使用のカードの磁気データを読み出
して適当なメモリに蓄えておき、何回か使用して残高が
減少したカードにこの保存データをコピーすることによ
り、カードは新品として再生されることになる。このよ
うな改ざんを防止するために、多くのプリペイドカード
では、使用済みであることを示すパンチ穴をあけている
が、構造上の制約から、形成できる穴の数には限りがあ
り、またテープ等で穴をふさげば光学的に穴の有無は判
定できなくなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ランダ
ムに分布する金属ファイバが埋設された基材上に少なく
とも磁気記録層、熱溶融型塗膜層および金属薄膜層を順
次設けらた磁気記録媒体において、磁気記録媒体に金属
薄膜層の存在する部分と存在しない部分とを混在させた
領域を設け、領域の金属薄膜層は、磁気記録媒体の使用
時に形成された任意のパターンを形成し、さらに磁気記
録層に領域をマイクロ波センサで読み取ったアナログデ
ータに対応するデータを記録するための磁気トラックを
設けたことを特徴とする識別情報を備えた磁気記録媒体
が提供される。
【0006】金属薄膜層の存在する部分と存在しない部
分とを混在させた領域に形成された金属薄膜層は、たと
えば格子状に区分された複数の区画を形成し、磁気記録
媒体の状態に対応して、これらの区画の任意の数が、任
意のパターンで除去される。すなわちこの領域には、磁
気記録媒体の状態に対応したデータを示し、そしてこの
データに対応するデータが、磁気トラックに磁気信号と
して記録される。
【0007】磁気記録媒体の識別は、マイクロ波センサ
により領域から読み出されたデータと、磁気トラックか
ら読み出されたデータとを照合することにより行なわれ
る。マイクロ波センサにより領域から読み出されたデー
タは、この領域に特定のパターンで存在する金属薄膜層
と、同じ領域において基材に混入されている金属ファイ
バとが複合されたものであるので、他の手段で偽造ない
し改ざんすることは不可能であり、きわめて高い安全性
が確保できる。
【0008】さらにこの領域に設けられている金属薄膜
層は、その一部を除去することで、磁気記録媒体の使用
状況に応じて任意に変更するが可能である。したがって
偽造や改ざんに対する安全性はさらに高いものとなる。
【0009】
【実施例】以下に本発明をカード型の磁気記録媒体に適
用した場合の一実施例について図面を参照して説明す
る。
【0010】図1および図2において、符号1で示すカ
ードは、基材2の一方の表面上に、磁気記録層3、熱溶
融型塗膜層4、金属薄膜層5および保護層6をこの順序
で積層した構造を有している。
【0011】この例では、金属薄膜層5は、図1に示す
カード1表面の下方約1/3の部分に位置して、カード
1の長辺に平行に延びる細長い長方形の領域R1を形成
し、さらにこの領域R1の周囲で欠除した領域R2を形
成している。すなわちカード1の一部に、他の部分から
隔離された長方形の島の形態で領域R2が設けられてい
る。またカード1の別の部分には、磁気記録層3に後述
する磁気情報を記録するための磁気トラックTが設けら
れている。
【0012】領域R2は、この例では、4行×30桁の
格子状をなす、120の単位7からなり、各単位7は、
所定のパターンにしたがって金属薄膜層5が設けられた
単位と、金属薄膜層5が除去された単位とからなってい
る。図1では、金属薄膜層5が除去された単位が黒色で
示されている。
【0013】基材1は、一般の磁気記録媒体に使用され
ている材料に、微細な金属ファイバ10を混入した材料
から構成されている。このような基材は、たとえばポリ
エステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリ塩化ビニリ
デンなどのマトリックス中に、適当な長さの金属ファイ
バ10を混入し、これを通常の方法でフィルムまたはシ
ートに成形することにより得られる。このようにして得
られた基材は、マトリックス中に金属ファイバ10がラ
ンダムに分布するもので、この分布の形態は全く無作為
に形成されるために、カード毎に異なる。
【0014】磁気記録層2は、通常の磁気記録媒体に使
用されているものと同じものを使用することができる。
【0015】また熱溶融型塗膜層4は、その上方に位置
する金属薄膜層5がサーマルヘッドの加熱により溶融さ
れたときに、金属薄膜層5の金属の表面張力により細粒
化し、金属薄膜層5をその内部に吸収する。そして周囲
の温度が下がると熱溶融型塗膜層は再び固化され、金属
薄膜層5は細粒の状態で熱溶融型塗膜層4に保持され
る。このように金属薄膜層5を部分的に除去されたとき
に、金属薄膜層5が存在する部分と存在しない部分と
で、マイクロ波の反射率に十分な差を生じさせる上で重
要な役割を持つ。
【0016】金属薄膜層5は実際にマイクロ波が反射さ
れるために必要な層で、その構成材料は薄膜状態で充分
な導電性を有し、かつ加熱により充分に溶融破壊される
もの、たとえばSn,Bi,Se,Te,Zn,In,
Al,Pb,Fe,Co,Ni,Cr,Cu,Cd,T
iなどの単体あるは合金、あるいはTe−カーバイドな
どの上記金属の化合物からなる低融点金属を用いること
ができる。この金属薄膜層5は基体あるいは熱溶融型塗
膜層4上に真空蒸着法、スパッタリング法、めっき法な
どにより形成できる。金属薄膜層5としての特性を得る
ために、0.04〜0.1μm、好ましくは0.05μ
m以上の厚みを有することが望ましい。したがって熱溶
融型塗膜層4には、金属薄膜層5との密着性が良好であ
ることが好ましい。のような材料としては、たとえばエ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロ
ースアセテートプロピオネート、酢酸セルロースなどの
セルロース誘導体、溶剤可溶型のポリウレタン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等
の種々の熱可塑性樹脂や水性ポリビニルアルコールが挙
げられる。これらの樹脂には、可塑剤としてフタル酸エ
ステル、脂肪酸エステル、正リン酸エステル等を添加す
ることができる。
【0017】熱溶融型塗膜層4は通常のグラビア法、ロ
ール法ナイフエッジ法オフセット法などの塗布方法、あ
るいは印刷方法を用いて、それぞれ基材上、金属薄膜層
5上に形成することができる。その厚さは1〜5μm程
度が好ましい。
【0018】保護層6は、金属薄膜層5を保護する目的
で設けられるもので、アクリル系、エポキシ系、ポリエ
ステル系の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂を用い
て形成することができる。紫外線硬化型樹脂や電子線硬
化型樹脂を保護層6に用いた場合には、耐熱性、耐光
性、耐薬品性だけでなく、耐摩耗性も向上する。
【0019】また一般の磁気記録媒体と同様に、金属薄
膜層5の上に、任意の文字、図形、模様等を印刷した印
刷層を設けることができることはいうまでもない。
【0020】つぎに、図1および図2に示したカード1
がプリペイドカードであり、このプリペイドカードにつ
いて、図3の装置を使ってカードの発行、およびカード
の使用時における真偽判定を行なう方法を、図4および
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0021】図3において、符号11は、カード1の真
偽判定に際して、領域R2をスキャンするマイクロ波セ
ンサ、12は磁気トラックTをスキャンする磁気ヘッ
ド、13は真偽判定後に領域R2の所定の位置にある単
位の金属薄膜層のみを所定の数だけ除去するサーマルヘ
ッドである。
【0022】マイクロ波センサ11で反射波を読み取っ
た信号は、A/D変換器14でディジタル信号に変換さ
れた後、比較回路15および変調回路16に供給され
る。また磁気ヘッド12の出力信号は、復調回路17で
復調され、比較回路15においてA/D変換器14の出
力信号と比較される。またコントローラ16から、所定
のパターンに対応する蒸着破壊位置データが変換回路1
8に送られ、このデータにもとづいて、カード1の領域
R2の所定の単位をサーマルヘッド13で加熱し、溶融
破壊が行なわれる。
【0023】(カードの発行時)発行前のカード1で
は、領域R1およびR2は金属薄膜層5で覆われてい
る。このカードを図3の装置に挿入して、所定の発行処
理を行なう手順を図4に示す。最初のステップS1で
は、コントローラ16からの指令にもとづいて、当該カ
ードの種類に応じてあらかじめ定められたパターンに対
応する蒸着破壊を行なう位置データが変換回路17に送
られ、このデータにもとづいて、カード1に領域R1を
形成するとともに領域R2を所定の単位で金属薄膜層5
の溶融破壊がサーマルヘッド13により行なわれる。つ
ぎにステップS2において、マイクロ波センサ11でカ
ード1の領域R2のスキャンが行なわれ、読み出された
信号が、A/D変換器14および変調回路16を経て、
磁気ヘッド12により、当該カードの磁気トラックTに
磁気信号として書き込まれる。このとき、必要であれ
ば、カードの金額、発行者、発行日等の情報も同時に書
き込まれる。この処理が終了すれば、カードは排出さ
れ、未使用のプリペイドカードとなる。
【0024】(カードの使用時)プリペイドカードの残
金額から使用金額を差し引く場合、この動作に先立っ
て、当該カードの真偽判定が行なわれる。すなわち図5
において、カードが挿入されると、まずステップS11
において、マイクロ波センサ11による領域R2の反射
波の検出動作が行なわれ、次にステップS12におい
て、磁気ヘッド12による磁気トラックTの検出動作が
行なわれる。ステップS11およびS12で得られた信
号は、次のステップS13で予め定められた基準にした
がって比較し、当該カードの真偽判定が行なわれる。こ
の判定の結果、当該カードが「偽」と判定された場合に
は、このカードを排出するとともに異常を報知する。
【0025】当該カードが「真」と判定されると、ステ
ップS14において、当該カードの残額から使用金額を
差し引いた残高に応じたパターンで、サーマルヘッド1
3による領域R2の残存金属薄膜層5が除去される。一
例を示せば、100個の区画が利用できる場合、初期の
金額の1/100が使用される毎に(10,000円券
であれば100円毎に)、1個の区画の金属薄膜層5を
除去する。
【0026】つぎに、ステップ15において、残存金属
薄膜層の除去後の領域R2について、マイクロ波センサ
11による領域R2の反射波の検出動作が行なわれ、検
出された信号がA/D変換された後、変調回路16を経
て磁気ヘッド12に供給され、コントローラ16から送
られた他のデータとともに磁気トラックTに書き込まれ
る。
【0027】ステップ17では、今回の使用金額が、所
定の金額よりも大きいかどうかの判断が行なわれ、使用
金額が小さい場合には、その後の処理を経ることなく、
カードは排出される。一方、使用金額が大きい場合に
は、つぎのステップS18において、ステップ11およ
びステップS16での領域R2のスキャンからそれぞれ
得られたデータと比較され、変化が認められた場合に
は、残存金属薄膜層5が正常に除去されたものとして、
処理を終了し、カードが排出される。しかし変化が認め
られなかった場合には、除去すべき位置に金属薄膜層5
が存在しない不正なカードであるか、または装置に異常
があると認定し、カードを排出するとともに異常を報知
する(ステップS19)。
【0028】図1に示したように、金属薄膜層5が形成
された領域R2を、4×30のほぼ正方形の格子状に区
分し、そのうち20個の区域を予め除去したものから始
め、ランダムに1区画づつ金属薄膜層5を除去していっ
た場合における、マイクロ波センサの出力信号波形を図
5に、またその相関係数をプロットしたものを図6にそ
れぞれ示す。マイクロ波センサの出力は、領域R2の金
属薄膜層5の配置パターンと、基材に埋め込まれた金属
ファイバ10との重なり合いに対応しているが、領域R
2の金属薄膜層5だけを少しずつ除去した場合にも、そ
のパターンに対応して徐々に変化していることが明らか
であり、プリペイドカードの使用残高の減少に応じてマ
イクロ波センサの出力信号を利用してカードの真偽判定
を確実に行なうことが可能であり、十分な実用性が期待
できる。
【0029】なお上記の実施例では、マイクロ波センサ
で検出される識別情報の更新は、長方形の領域に金属薄
膜層5を形成し、この金属薄膜層5を格子状の区画を単
位としてランダムに除去することにより行なわれている
が、1または複数の線条に金属薄膜層5を形成し、カー
ドの使用状況に応じて、この金属薄膜層5を一端から所
定の長さずつ順次に、もしくは適当な長さの区画だけラ
ンダムに除去することにより行なうこともできる。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、個々の磁気記録媒体の識別は、基材にランダムに混
入された金属ファイバと、所定の領域に設けられた金属
薄膜層の面積およびパターンとの複合により生じたマイ
クロ波センサ出力に対して、このマイクロ波センサの出
力に対応して磁気トラックに書き込まれた磁気情報を照
合することにより行なわれる。しかも金属薄膜層は、カ
ードの使用状況に応じて更新される。したがって個々の
磁気記録媒体を偽造、改ざんすることは実際上不可能で
あり、磁気記録媒体の安全性および信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるカードの形態の磁気記
録媒体の平面図。
【図2】図1のカードの部分縦断面図。
【図3】図1のカードの真偽判定および更新を行なうた
めの装置のブロック図。
【図4】図3装置において真偽判定および更新が行なわ
れるカードの発行時の動作を示すフローチャート。
【図5】図3の装置において行なわれるカードの真偽判
定および更新動作を示すフローチャート。
【図6】図1のカードの金属薄膜層パターンの変化とマ
イクロ波センサの出力との関係を示すチャート。
【図7】図1のカードの金属薄膜層パターンの変化とマ
イクロ波センサの出力の相関係数との関係を示すチャー
ト。
【符号の説明】
1 カード 2 基材 3 磁気記録層 4 熱溶融型塗膜層 5 金属薄膜層 6 保護層 R1,R2 領域 T 磁気トラック 10 金属ファイバ 11 マイクロ波センサ 12 磁気ヘッド 13 サーマルヘッド 14 A/D変換器 15 比較回路 16 コントローラ 18 変換回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 識別情報を備えた磁気記録媒体および
その真偽判定方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリペイドカードのよ
うな磁気記録媒体に関し、とくに個々に固有の識別情報
を備えた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】身分証明書やキャッシュカード、クレジ
ットカードおよびプリペイドカードのような磁気記録媒
体においては、不正な使用や偽造または改ざんを防止す
るために、それが真正なものであることを示す識別情報
が設けられる。このような目的に適合する媒体として、
紙あるいはプラスチックからなるカード状の基材の内部
に、導電体からなる微細なファイバをランダムに分散さ
せたものが知られている(たとえば特開昭50−699
99号公報、特開昭56−108172号公報、特開平
3−27489号公報など)。この従来の技術では、カ
ードの識別は、磁気記録媒体の所定の領域をマイクロ波
センサ(マイクロ波を発射し、対象物からのマイクロ波
の反射波を検出することができるセンサ)でスキャンす
ることによって実際の使用時に得られた信号パターン
(マイクロ波の反射波の波形)と、予め得られているパ
ターン(磁気記録媒体の発行時に記録しているマイクロ
波の反射波の波形)とを比較し、この両者が一致したと
きに当該媒体を真正なものと判定することで行なわれ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の磁気記録媒体の
特長は、ファイバの分布がランダムであるために、そ
の複製が困難であること、同一の磁気記録媒体が1枚
だけであること、の2点である。したがって、この磁気
記録媒体を上述の身分証明書やキャッシュカード等に利
用した場合、きわめて高い安全性が得られる。ところ
が、この磁気記録媒体に設けられた識別のための情報
は、その磁気記録媒体の真偽を判定するために利用でき
るのみで、たとえばプリペイドカードのような使い捨て
の該カードを改ざんして再利用される可能性がある。
【0004】これらの使い捨てされるプリペイドカード
では、その改ざんを防止する手段として使用金額に応じ
たパンチ穴を開ける等があるが、該カードの大きさの制
約から形成できる穴の数には限りがあり、また、テープ
等で穴を塞ぐことにより穴の光学的な検出は不可能とで
あり、従って、改ざんが可能となる。
【0005】このようなプリペイドカードの改ざんを防
止する手段として、使用金額に応じた磁気情報を書換え
る時に、その磁気情報を平文ではなく、適当な方式にし
たがって暗号化して記録したり、あるいは書き換える全
ての該情報を暗号化して該情報の構成が分からないよう
にすることもできる。しかし、データの構成をいくら複
雑にしても、該情報の解読を完全に防止することはでき
ない。
【0006】また解読できないとしても、未使用のプリ
ペイドカードの磁気情報を読み出し、その磁気情報を一
旦適当なメモリに蓄えておき、何回か使用して残高が減
少した別のプリペイドカードにこの保存している未使用
のプリペイドカードの磁気情報をコピーすることによ
り、未使用のプリペイドカードとして再生されることと
なる。したがって、プリペイドカードの様に使い捨てさ
れるカードの改ざんを有効に防止する手段がなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ランダ
ムに分布する金属ファイバが埋設された基材上に少なく
とも磁気記録層、熱溶融型塗膜層および金属薄膜層を順
次設けた磁気記録媒体であって、磁気記録媒体には識別
情報が設けられ、識別情報は認証領域および情報記録領
域からなることを特徴とする識別情報を備えた磁気記録
媒体が提供される。
【0008】また、その識別情報を備えた磁気記録媒体
の真偽判定方法として、ランダムに分布する金属ファイ
バが埋設された基材上に少なくとも磁気記録層、熱溶融
型塗膜層および金属薄膜層を順次設けた磁気記録媒体の
真偽判定方法であって、磁気記録媒体には認証領域およ
び情報記録領域からなる識別情報が設けられ、認証領域
に位置する金属薄膜層を任意のパターン状に除去する工
程、金属薄膜層が任意のパターン状に除去された認証領
域をセンサで読み取る工程、認証領域をセンサで読み取
った読み取りデータを情報記録領域に記録することによ
って磁気記録媒体を使用可能状態とする工程、使用可能
状態となった磁気記録媒体の認証領域をセンサで読み取
る工程、認証領域をセンサで読み取った読み取りデータ
と情報記録領域に記録されている記録データとを比較す
る工程を含むことを特徴とする識別情報を備えた磁気記
録媒体の真偽判定方法が提供される。
【0009】即ち、本発明の磁気記録媒体によれは、ラ
ンダムに分布する金属ファイバが埋設された基材上に磁
気記録層、熱溶融型塗膜層および金属薄膜層が設けられ
た、磁気記録媒体には、認証領域および情報記録領域か
らなる識別情報が設けられ、磁気記録媒体の認証領域に
位置する金属薄膜層を磁気記録媒体の使用に応じてラン
ダムに金属薄膜層の存在する部分と存在しない部分と
が、例えば、格子状に区分された複数の区画が混在する
ように除去される。
【0010】この認証領域は、磁気記録媒体の使用状態
に対応した情報を示し、そして該認証領域をセンサ(以
下マイクロ波センサとする。)で読み取った読み取りデ
ータが情報記録領域(磁気トラック)に記録(磁気信号
として)される。
【0011】そして、認証領域に位置する金属薄膜層
は、磁気記録媒体毎に異なる様に除去される。
【0012】磁気記録媒体の真偽判定は、認証領域をマ
イクロ波センサで読み取った読み取りデータと情報記録
領域に記録された記録データとを照合することにより行
なわれる。認証領域のデータはマイクロ波センサにより
読み取られ、基材中に埋設されたランダムに分布する金
属ファイバと任意のパターン状に金属薄膜層の存在する
部分と存在しない部分とが重なった(複合)波形とな
る。
【0013】また、磁気記録媒体の使用に応じてランダ
ムに認証領域の金属薄膜層を上述した様に除去し、磁気
記録媒体毎に異なる様するので、磁気記録媒体の情報記
録領域に記録されているデータを単にコピーしても、コ
ピーされた情報記録領域のデータと認証領域をマイクロ
波センサで読み取った読み取りデータとが異なるため、
磁気記録媒体を改ざんすることが非常に困難となり、き
わめて高い安全性が確保できる。
【0014】
【実施例】以下に本発明をカード形状の磁気記録媒体
(以下カードとする。)に適用した場合の一実施例につ
いて図面を参照して説明する。
【0015】図1、図2、図3および図4において、符
号1で示すカードは、基材2の一方の表面上に、磁気記
録層3、熱溶融型塗膜層4、金属薄膜層5および保護層
6をこの順序で積層した構造を有している。
【0016】この例では、金属薄膜層5は、図1に示す
カード1表面の全域に設けられ、そのカード1には、長
辺に平行に延びる細長い長方形の認証領域Rが100の
枡目となるように5×20に区画される。この認証領域
Rは、図2に示す様に認証領域Rに位置する金属薄膜層
5をカード1の発行時に20区画分任意のパターン状に
金属薄膜層5の存在する部分Rb(□で示す。)と、存
在しない部分Ra(■で示す。)とが混在するように除
去される。なお、図4は、図2のA−A′断面である。
【0017】図3は、認証領域Rに位置する金属薄膜層
5をカード1の使用に応じて40区画分任意のパターン
状に金属薄膜層5を除去したものである。
【0018】また、図1に示すカード1の別の部分に
は、後述する磁気情報(認証領域Rに位置する基材2中
に埋設されたランダムに分布する金属ファイバ10と任
意のパターン状に金属薄膜層の存在する部分と存在しな
い部分とが重なった(複合)波形)を記録するための情
報記録領域(磁気トラック)Tが設けられている。
【0019】基材1は、一般の磁気記録媒体に使用され
ている材料に、微細な金属ファイバ10を混入した材料
から構成されている。このような基材1として、たとえ
ばポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリ塩化
ビニリデンなどのマトリックス中に、適当な長さの金属
ファイバ10を混入し、これを通常の方法でフィルムま
たはシートに成形することにより得られる。このように
して得られた基材1は、マトリックス中に金属ファイバ
10がランダムに分布するもので、この分布の形態は全
く無作為に形成されたものとなり、カード1毎に異な
る。
【0020】磁気記録層2は、通常の磁気記録媒体に使
用されているものと同じものを使用することができる。
【0021】また、熱溶融型塗膜層4は、その上方に位
置する金属薄膜層5がサーマルヘッド13の加熱により
溶融されたときに、金属薄膜層5の金属の表面張力によ
り細粒化し、金属薄膜層5をその内部に吸収し、そして
周囲の温度が下がると熱溶融型塗膜層4は再び固化さ
れ、金属薄膜層5は細粒の状態で熱溶融型塗膜層4に保
持され、金属薄膜層5が除去されたこととなる。
【0022】この金属薄膜層5は、部分的に除去された
ときに金属薄膜層5が存在する部分と存在しない部分と
で、マイクロ波の反射率に十分な差を生じさせることが
できる材料が望ましく、また、それらの材料は薄膜状態
で充分な導電性を有し、さらに、サーマルヘッド13の
加熱により充分に溶融破壊される金属材料であることが
望ましい。その様な金属材料として、例えば、例えば、
Sn,Bi,Se,Te,Zn,In,Al,Pb,F
e,Co,Ni,Cr,Cu,Cd,Tiなどの単体あ
るいは、これらの合金、もしくはTe−カーバイドなど
の上記金属との化合物からなる低融点金属を用いること
ができる。この金属薄膜層5は熱溶融型塗膜層4上に真
空蒸着法、スパッタリング法、めっき法などにより直接
形成することもできるが、熱溶融型塗膜層4と金属薄膜
層5の密着性を向上させるためにアンカー層を介在させ
てもよい。金属薄膜層5は、記録膜としての特性を得る
ために、0.04〜0.1μmの範囲の厚みを用いるこ
とができるが、0.05μm程度の厚みを有することが
望ましい。
【0023】熱溶融型塗膜層4を構成する材料として
は、サーマルヘッド13の加熱により容易に溶融可能で
金属薄膜層5との密着性が良好であ材料が望ましい。こ
のような材料として、例えば、エチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピ
オネート、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、溶
剤可溶型のポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等の種々の熱可塑性樹脂
や水性ポリビニルアルコールが挙げられる。これらの材
料には、必要に応じて可塑剤としてフタル酸エステル、
脂肪酸エステル、正リン酸エステル等を添加することが
できる。
【0024】熱溶融型塗膜層4は通常のグラビア法、ロ
ール法、ナイフエッジ法、オフセット法などの塗布方
法、あるいは印刷方法を用いて、磁気記録層3上に形成
することができ、その厚さは1〜5μm程度が好まし
い。
【0025】保護層6は、金属薄膜層5を保護する目的
で設けられるもので、アクリル系、エポキシ系、ポリエ
ステル系の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂を用い
て形成することができる。紫外線硬化型樹脂や電子線硬
化型樹脂を保護層6に用いた場合には、耐熱性、耐光
性、耐薬品性だけでなく、耐摩耗性も向上する。
【0026】また、一般の磁気記録媒体と同様に、金属
薄膜層5の上に、任意の文字、図形、模様等を印刷した
印刷層を設けることができることはいうまでもない。
【0027】つぎに、図1、図2、図3および図4に示
したカード1について、図5の装置を使ったカードの発
行およびカードの使用時における真偽判定を行なう方法
について、図6,図7およびのフローチャートを参照し
ながら以下に説明する。
【0028】図5において、符号11は、カード1の真
偽判定に際して認証領域Rをスキャンするマイクロ波セ
ンサ、符号12は、情報記録領域(磁気トラック)Tを
スキャン(磁気情報を記録もしくは再生する。)する磁
気ヘッド、符号13は、真偽判定の後に認証領域Rの位
置にある金属薄膜層5を所定の数だけ除去するサーマル
ヘッドである。
【0029】認証領域Rをマイクロ波センサ11でマイ
クロ波の反射波を読み取ったデータは、A/D変換器で
ディジタル信号に変換された後、比較回路15に供給さ
れる。また、磁気ヘッド12によって読み取られたデー
タは復調回路17で復調され、比較回路15においてA
/D変換器14のディジタル信号と比較される。さら
に、コントローラ19から認証領域Rを所定のパターン
に除去する蒸着破壊位置データが変換回路18に送ら
れ、この蒸着破壊位置データに基づいて、金属薄膜層5
をサーマルヘッド13で加熱し、溶融破壊(除去)され
る。
【0030】そして、再度カード1の認証領域Rをマイ
クロ波センサ11で読み取った読み取りデータをA/D
変換器14でディジタル信号に変換し、そのディジタル
信号をコントローラ19から変調回路16を介して磁気
ヘッド12によってカード1の情報記録領域Tに磁気記
録する。
【0031】図6(カードの発行時) 発行前のカード1では、図1に示すようにカード1の全
面が金属薄膜層5で覆われている。このカードを図5の
装置に挿入して、発行処理(カード1を使用可能状態と
する処理)を行なう手順を図6に示す。最初のステップ
S1では、コントローラ19からの指令に基づいて、カ
ード1の種類に応じて予め定められたパターンに対応す
る蒸着破壊位置データが変換回路18に送られ、この蒸
着破壊位置データに基づいて、カード1の認証領域Rが
図2に示したように金属薄膜層5が20区画分サーマル
ヘッド13により溶融破壊される。づきにステップS2
において、マイクロ波センサ11でカード1の認証領域
Rのスキャンが行われ、ステップS3において、読み出
された信号がA/D変換器14および変調回路16を経
て、磁気ヘッド12によりカード1の情報記録領域Tに
磁気記録される。
【0032】このとき、必要であればカードの残金額、
発行者、発行日等の情報を同時に磁気記録することがで
きる。この処理が終了(END)すれば、カード1は排
出され使用可能状態となる。
【0033】(カードの使用時)プリペイドカードの残
金額から使用金額を差し引く場合、この動作に先立っ
て、当該カードの真偽判定が行なわれる。すなわち図5
において、カードが挿入されると、まずステップS11
において、マイクロ波センサ11による領域Rの反射波
の検出動作が行なわれ、次にステップS12において、
磁気ヘッド12による磁気トラックTの検出動作が行な
われる。ステップS11およびS12で得られた信号
は、次のステップS13で予め定められた基準にしたが
って比較し、当該カードの真偽判定が行なわれる。この
判定の結果、当該カードが「偽」と判定された場合に
は、このカードを排出するとともに異常を報知する。
【0034】当該カードが「真」と判定されると、ステ
ップS14において、当該カードの残額から使用金額を
差し引いた残高に応じたパターンで、サーマルヘッド1
3による領域Rの残存金属薄膜層5が除去される。一例
を示せば、100個の区画が利用できる場合、初期の金
額の1/100が使用される毎に(10,000円券で
あれば100円毎に)、1個の区画の金属薄膜層5を除
去する。
【0035】つぎに、ステップS15において、残存金
属薄膜層の除去後の領域Rについてマ、イクロ波センサ
11による領域Rの反射波の検出動作が行なわれ、検出
された信号がA/D変換された後、変調回路16を経て
磁気ヘッド12に供給され、コントローラ16から送ら
れた他のデータとともに磁気トラックTに書き込まれ
る。 ステップ17では、今回の使用金額が、所定の金
額よりも大きいかどうかの判断が行なわれ、使用金額が
小さい場合には、その後の処理を経ることなく、カード
は排出される。一方、使用金額が大きい場合には、つぎ
のステップS18において、ステップ11およびステッ
プS16での領域Rのスキャンからそれぞれ得られたデ
ータと比較され、変化が認められた場合には、残存金属
薄膜層5が正常に除去されたものとして、処理を終了
し、カードが排出される。しかし変化が認められなかっ
た場合には、除去すべき位置に金属薄膜層5が存在しな
い不正なカードであるか、または装置に異常があると認
定し、カードを排出するとともに異常を報知する(ステ
ップS19)。
【0036】図8(カードの使用時) その他の実施例を示す図8について説明する。まず、カ
ード1の真偽判定が行われる。図8において、カード1
が図5の装置に挿入されると、ステップG11におい
て、マイクロ波センサ11により認証領域Rの反射波の
検出が行われ、つぎにステップG12において、磁気ヘ
ッド12により情報記録領域Tから磁気記録されている
データの読み出しが行われる。そして、ステップG11
およびステップG12で得られたデータをステップG1
3で比較し、カード1の真偽判定が行われる。この判定
の結果、カード1が「偽」と判定された場合には、この
カード1を排出するとともに異常を知らせる。
【0037】カード1が「真」と判定されると、ステッ
プG14に進み、使用金額が一定値以下(残金額以下)
かを判定し、一定金額以下であればステップG15にお
いて、カード1の残額から使用金額を差し引いた残高に
応じた区画(認証領域Rの金属薄膜層5)をサーマルヘ
ッド13により除去される。
【0038】つぎに、ステップG16において、ステッ
プG15の認証領域Rをマイクロ波センサ11で反射波
を検出し、検出した信号をA/D変換器14によってデ
ィジタル信号に変換した後、変調回路16を経て、磁気
ヘッド12によりカード1の情報記録領域Tに磁気記録
される(ステップG17)。そして、ステップG11に
戻る。
【0039】ステップG14で、使用金額が一定値以上
(残金額不足)と判定された場合には、ステップG18
において、不足金額の補充が行われ、つぎにステップG
19において、サーマルヘッド13により認証領域Rの
全ての金属薄膜層5が除去される。つぎに、ステップG
20において、カード1の情報記録領域Tの情報が磁気
ヘッド12により全て消去され処理が終了(END)と
なる。
【0040】この実施例では、図1に示した様に、金属
薄膜層5がカード1の全域に設けられ、カード1の発行
時に認証領域Rを仮に5×20の略正方形の枡目状(1
00個)に区画したものとし、そのうちの20個の区画
を予め除去たものから始めた。
【0041】図1に示したカード1の認証領域Rに位置
する金属薄膜層5を5×20の略正方形の枡目状(10
0個)に区画し、そのうち20個の区画を除去した場合
の外観を図2に示し、そのときのカード1の認証領域R
をマイクロ波センサ11でスキャンした反射波は、図9
のパターン20である。またその相関係数をプロットし
たものを図10に示す。
【0042】同様に、カード1の認証領域Rに位置する
金属薄膜層5を40個除去した場合、そのカード1の外
観を図3に示し、そのときのカード1の認証領域Rをマ
イクロ波センサ11でスキャンした反射波は、図9のパ
ターン40である。
【0043】マイクロ波センサの出力は、認証領域Rに
位置する金属薄膜層5を除去したパターンと、基材1に
予めランダムに埋め込まれた金属ファイバ10との重な
り合いに対応しているが、認証領域Rの金属薄膜層5を
1区画ずつ除去した場合でも、その除去した区画に対応
して徐々に変化する。また、カード1の残高の減少に応
じてマイクロ波センサ11の信号を利用し、カード1の
真偽判定を確実に行うことが可能であり、十分実用性に
期待できる。
【0044】なお、上記の実施例では、認証領域Rに位
置する金属薄膜層5を枡目状の区画をランダムに除去す
ることにより行なわれているが、認証領域Rに位置する
金属薄膜層5を線条に除去するようにしてもよいし、ま
た、認証領域Rに位置する金属薄膜層5を予め線条に形
成し、カード1の使用に応じて、その線条を一端から所
定の長さずつ順に、もしくは適当な長さをランダムに除
去することにより行なうこともできる(図示しな
い。)。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
個々の磁気記録媒体の識別は、基材にランダムに混入さ
れた金属ファイバと、所定の領域(認証領域)に設けら
れた金属薄膜層の面積またはパターンとの重なった部分
をマイクロ波センサによって読み取り、この読み取った
マイクロ波センサの読み取りデータと、予め磁気トラッ
ク(情報記録領域)に書き込まれている磁気情報を照合
することにより行なわれる。しかも金属薄膜層は、磁気
記録媒体の使用に応じてランダムに更新される。そし
て、この基材にランダムに混入された金属ファイバと、
所定の領域(認証領域)に設けられた金属薄膜層の面積
またはパターンとはランダムなもの同士の組合せとなる
ため、同一の磁気記録媒体が存在しないこととなる。し
たがって、本発明の磁気記録媒体を偽造、改ざんするこ
とは実際上不可能であり、磁気記録媒体の安全性および
信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による発行前のカードの平面
図。
【図2】本発明の一実施例による発行後のカードの平面
図。
【図3】本発明の一実施例による使用時のカードの平面
図。
【図4】図2のカードA−A′の縦断面図。
【図5】図1のカードの真偽判定および更新を行なうた
めの装置のブロック図。
【図6】図5装置において真偽判定および更新が行なわ
れるカードの発行時の動作を示すフローチャート。
【図7】図5の装置において行なわれるカードの真偽判
定および更新動作を示すフローチャート。
【図8】図5の装置において行なわれる他のカードの真
偽判定および更新動作を示すフローチャート。
【図9】図1のカードの金属薄膜層を段階的に除去した
時のマイクロ波センサの出力の変化を示すチャート。
【図10】図1のカードの金属薄膜層を段階的に除去し
た時のマイクロ波センサの出力と金属薄膜層の除去面積
との相関関係を示すチャート。
【符号の説明】 1 カード 2 基材 3 磁気記録層 4 熱溶融型塗膜層 5 金属薄膜層 6 保護層 R 認証領域 T 情報記録領域(磁気トラック) 10 金属ファイバ 11 マイクロ波センサ 12 磁気ヘッド 13 サーマルヘッド 14 A/D変換器 15 比較回路 16 変調回路 17 復調回路 18 変換回路 19 コントローラ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図7】
【図8】
【図10】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランダムに分布する金属ファイバが埋設
    された基材上に少なくとも磁気記録層、熱溶融型塗膜層
    および金属薄膜層を順次設けらた磁気記録媒体におい
    て、 前記磁気記録媒体に前記金属薄膜層の存在する部分と存
    在しない部分とを混在させた領域を設け、前記領域の前
    記金属薄膜層は、前記磁気記録媒体の使用時に形成され
    た任意のパターンを形成し、さらに前記磁気記録層に前
    記領域をマイクロ波センサで読み取ったアナログデータ
    に対応するデータを記録するための磁気トラックを設け
    たことを特徴とする識別情報を備えた磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記金属薄膜層上に紫外線もしくは電子
    線硬化型樹脂により形成された保護層を備えたことを特
    徴とする識別情報を備えた磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20040071375A (ko) * 2003-02-05 2004-08-12 김정화 진품 증명 방법
JP2012088156A (ja) * 2010-10-19 2012-05-10 Netcomsec Co Ltd 読取装置、識別情報読取システム、照合システム、識別対象物および読取方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20040071375A (ko) * 2003-02-05 2004-08-12 김정화 진품 증명 방법
JP2012088156A (ja) * 2010-10-19 2012-05-10 Netcomsec Co Ltd 読取装置、識別情報読取システム、照合システム、識別対象物および読取方法

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