JPH0614317U

JPH0614317U - 特殊強化軽量プレカスト合成板

Info

Publication number: JPH0614317U
Application number: JP5431492U
Authority: JP
Inventors: チェン−ヒュイシュウ
Original assignee: チェン−ヒュイシュウ
Priority date: 1992-08-03
Filing date: 1992-08-03
Publication date: 1994-02-22

Abstract

(57)【要約】【目的】軽量であり且つ構造強度が高く、抗弯曲、抗
圧縮、防水、防火、防音、防熱の多効用性を備え、適切
な荷重強度を有する特殊強化軽量プレカスト合成板を提
供する。【構成】２枚の面板１１，１２の間に一つの強化軽質
中間層２０を夾み、前記面板１１，１２はファイバー強
化セメント板で作られ、前記中間層２０は粒状発泡体２
４、モルタル２１、発泡剤２２、粘結剤２３に強化繊維
２５を混合した軽量混合材料から成る。この合成板材の
中間層２０内に金網や鋼線網を配置し或は針金や鋼線等
の強化材を一定方向に配置した後、前記混合材料を注入
して、特殊強化軽量プレカスト合成板の製品を作り上げ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は一種の特殊強化軽量プレカスト（ｐｒｅｃａｓｔ）合成板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

建築技術の進歩に伴い、建築物の高度も高くなって来ている。従って、軽量、耐震、耐弯曲、対圧縮及び施工の快速等建築材料に対する要求も益々高くなって来ており、建築物内外壁の施工方法も大分変って来ている。目前の国内の建築物内外壁の大部分は殆んど鉄筋コンクリートか煉瓦で作られているが、これ等は重量が重く、建築物の荷重を増やすばかりでなく、耐震力も相対的に低く、又建造コストが高く、施工に費用と時間がかかるものである。又一般に見られる軽量骨格壁板や軽量壁板建材、例えば、石膏板、発泡軽質板、ガラス壁板等は、軽量で耐震性ではあるが、圧縮、弯曲等の構造強度が足らない。要するに、現今の建築物の内外壁構造は重量が重く、施工が遅く、或は重量が軽くても耐圧縮、耐弯曲強度が足らず、構造強度と軽量の二重性能を兼ね備えた建材はないという問題がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の問題点を解決するために、本考案においては、その主な目的として一種の特殊強化軽量プレカスト合成板を提供し、これにより、軽量と高い構造強度の特長を兼備し、抗弯曲、抗圧縮、防水、防火、防音、防熱の多効用性製品を提供するものである。

【０００４】また、本考案のもう一つの目的は一種の特殊強化軽量プレカスト合成板で、使用の要求に応じて適切な荷重強度を備えた板材を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本考案においては、３−９mmの厚さを有する、繊維強化セメント製の両面板と強化軽量の中間層から成り、中間層は軽量粒状発泡体にモルタル、発泡剤、化学粘結剤等の軽量混合材料を混和鋳造したもので、前記軽量混合材料の中に強靱な細糸繊維を混入するか、或は両面板の間に金属網等の補強材を配置して、軽量混合材料を注入鋳造することにより、両面板と、金属網補強材を包んだ中間層とが凝結して一体となり、一つの軽量強化合成板を形成した特殊強化軽量プレカスト合成板を提供する。

【０００６】なお、前記両面板の間の中間層内に波形鋼板を夾設し、該中間層の横断面において、前記鋼板が波形を呈し、且両面板と接触していると好都合である。

【０００７】また、前記両面板の間の中間層内の軽量混合材料の中に鋼線、ガラス繊維等の補強用細糸繊維を混入することが好ましい。

【０００８】さらに、前記両面板の間の中間層に熔接鉄網又は波形鋼板、ステンレス網、鉄筋格子、鉄筋（線）等の金属補強材を夾設すると効果的である。

【０００９】さらにまた、前記両面板の間の中間層に強化細糸繊維と金属網等の補強材を同時に含むとよい。

【００１０】

【作用】

上記の構成により、耐圧縮、耐弯曲、耐震、防水、防音、防熱の多効用性を備え、壁面のみならず、荷重のかゝる壁床板に使用することができ、また、耐震効果のすぐれた構造建材としての性能も有している。

【００１１】

【実施例】

以下本考案の詳細構造、効用、特長について実施例を挙げ図面によって詳細に説明する。先づ図１から図３に示すように、本考案の特殊強化軽量プレカスト合成板１０は、２枚の外側面板１１，１２及び強化軽量混合体より成る中間層２０から構成される。

【００１２】２枚の外側面板１１，１２は繊維強化セメント板で、木パルプ繊維、ガラス繊維及びセメントより作られた強化セメント板であるので、相当な防火性と防水性を有し、その厚さは約３〜９mmである。

【００１３】中間層２０を形成している強化軽量混合体は、モルタル２１、発泡剤２２及び化学粘結剤２３を混合した後、更に軽量粒状発泡体２４を混合して作られる。例えば、粘土、細石、頁岩、セメント、スチレン（ｓｔｙｒｅｎｅ）粒状発泡体等の軽量材に細糸繊維２５、例えばガラス繊維、鋼線繊維等の強靱性繊維を混入して攪拌して泥状にし、両側面板１１，１２の間に注入する。両面板１１，１２は型ともなり、夾層の厚さを決定するので、厚さの異った色々の合板を作ることができる。また、合成板の強度を更に高めるために、両面板１１，１２の夾層間に予め補強材例えば金属網２６（図１参照）又は熔接鋼線網、波型鉄網、ステンレス網、鉄筋格子、ＰＥ網等の多層立体網又は単層網等の加強材を配置した後に混合泥状物を注入し、強化軽量合成板を作る。

【００１４】又、図２，３に示す如く、本考案の特殊強化軽量プレカスト合成板の中間の補強材は、両面板１１，１２の間に波形鋼板２８，２９を配置し、その横断面間に強化材を注入することにより更に強化効果を発揮することもできる。

【００１５】上記の特殊強化軽量プレカスト合成板の構造材料は面板１１，１２、混合材料２１，２２，２３，２４、細糸繊維２５及び金属網２６等の補強材等から成り、混合材料中のモルタル２１と化学粘結剤２３の粘結凝固によって成形され、養生後出貨される。製造時は、必要に応じて面板１１，１２間の距離を調整し要求の厚さのものを作ることができる。又要求の性質、例えば重さ、防音性、防熱性等により、モルタル２１と粒状発泡体２４との混合比を調整する。更に耐弯曲、耐圧縮強度が要求される場合には、細糸繊維２５の使用量を増やし、金属網２６等の補強材の規格をグレードアップさせる。又防火、防水性が要求される場合は、適切な厚さの面板１１，１２を選択する等、多効用性能を発揮する建材を作り、広範な建築用途に利用することができる。

【００１６】本考案の特殊強化軽量プレカスト合成板はその構成材料の各々の特性を利用し、互いに欠点を補わせ、特長を発揮させている。例えば、面板１１，１２は耐圧縮、防火、防水、防音、防熱性等が強く、粒状発泡体２４は防熱、防音及び軽量性に優れ、細糸繊維２５及び金属網２６等の補強材は耐圧縮、耐弯曲強度が強い等である。従って本考案の特殊強化軽量プレカスト合成板は防火区仕切、防水壁面、隔音板、防熱壁材、耐衝撃耐震廊道、及び耐弯曲耐圧縮壁板、床板等に使用される多効用、多用途の軽量建築壁板材である。

【００１７】上記特殊強化軽量プレカスト合成板は、実用上適当な面積の板材、例えば４尺 ×８尺或は２尺×８尺等に作られ、図４に示すように、その端面の片側には一つのほぞ３１を設け、他の片側にはほぞ穴３２を設ける。これらほぞ３１とほぞ穴３２は夫々図に示すように、円弧形にしたり、或は多辺形の断面にして互いに嵌合するようにする。ほぞとほぞ穴３１，３２の両側には夫々縦溝３３が設けられ、相隣れる合板と組合わせた時に一本の直孔３４を形成し、図５に示すように両合板の接着組立てに便ならしめている。

【００１８】本考案の特殊強化軽量プレカスト合成板の標準厚さは７．５cmで、その重量は僅か６０kg／m²である。これに対し、同じ面積の１５cm厚さのＲＣ（ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄｃｏｎｃｒｅｔｅ）セメント壁の重さは３６０kg／m²であり、１／２Ｂ煉瓦壁の重さは２７０kg／m²で、両者の重量は夫々本考案の合板の４〜６倍に相当する。本考案の合板の中間層２０は軽量な粒状発泡体（例えばポリエチレン発泡体、粒土発泡体、岩石類発泡体）を採用して、モルタル発泡剤、化学粘結剤と混合して硬化成形したものであるので、重量が軽く、構造自体の建築コストが大巾に節減できるばかりでなく、耐圧縮、耐弯曲の強度が高いので、耐震壁材として使用することができるが、その厚さが僅かに７．５cmであるため、室内空間が広くなり、１０ｍ施工する毎に０．７５m²のスペースだけ広くなるので、経済価値が極めて高い。

【００１９】この外、本考案の特殊強化軽量プレカスト合成板は工場でプレカストし養生するので、堅牢で品質が非常に安定である。又施工方法は乾式工法を採用することができるので、組立てが簡単で速く、現場で簡単な切断工具、ドリルを使って、ボルト、アングル等で簡単に組立てられる故、従来の湿式工法のように現場で型を作り、鉄筋を組立てて造築する必要はなく、施工期間が大巾に節減できるばかりでなく、湿式工法のような環境汚染の問題もない。要するに本考案は軽量で、耐圧縮、耐弯曲性が強く、施工が便利で速く、従来の工法に比べて堅固で軽量であり、耐震性がよく、且つ施工が速い理想的な建材である。

【００２０】本考案の特殊強化軽量プレカスト合成板のもう一つの特長は、仕切り用壁板の外に、重さに耐え得る床板にも使用できることである。構造技術により構造の荷重を計算して適切な金属網補強材２６を選択すれば、所要の荷重に耐えられ、極めて安全である。これは目下の市販の軽量板材では到底達せられないものである。この特殊強化軽量プレカスト合成板が荷重応力に耐えられるのは、面板の繊維強化セメント板材と軽量混合材料中に加えられた細糸繊維及びその中に配置された鉄片や金網等の補強材の三者の力が結合して、耐圧縮、耐弯曲、耐剪断の効用を発揮するからである。また、本考案の特殊強化軽量プレカスト合成板を屋根板に使用すると防熱効果を発揮し、更に防水を施すと二次防水の効果が現われる。これに対して一般のＲＣ（鉄筋コンクリート）屋根は予め防水を施し（一次効果）た後、発泡セメントをかけて防熱を行うのであるが、施工方式及びその効果共に理想的でなく、これと比べて本考案によれば一段とその優位性が顕著に現われる。

【００２１】本考案の特殊強化軽量プレカスト合成板の更にもう一つの特長は、その面板が極めて平滑でつやがあるのでそのまゝで直接装飾面にすることができ、また、その上に直接塗料を塗ったり、壁紙を貼ることができる。従来のＲＣ壁、煉瓦壁や天井のようにもう一度モルタルを塗って乾くのを待ってから装飾する必要がない。又圧縮強度や弯曲強度が高いので、直接大型煉瓦板や大理石を貼っても変形することがなく、その他の軽量壁材のように補強措置を施してから貼る必要がないので、材料と時間が節約できる。又この板材は雌雄柄で接合され、このために特殊接着剤を使用するので、塗装面に亀裂が発生することがなく、定期的な補修を必要としない。

【００２２】

【考案の効果】

上記を總合するに、従来の一般の補強なしの軽量板は荷重のかからない用途にしか使えないが、本考案の特殊強化軽量プレカスト合成板によれば耐圧縮、耐弯曲、耐震効用が発揮され、これにより荷重のかかる壁床板に使用することが可能となり、更にこれに弾性技術を施すことにより、その軽量な特性と相いまって、耐震効果のすぐれた構造建材として利用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一つの実施例で、特殊強化軽量プレカ
スト合成板を塊状に切断した時の局部断面立体図であ
る。

【図２】本考案の他の実施例による特殊強化軽量プレカ
スト合成板を塊状に切断した時の局部断面立体図であ
る。

【図３】本考案の更に他の実施例による特殊強化軽量プ
レカスト合成板を塊状に切断した時の局部断面立体図で
ある。

【図４】本考案の特殊強化軽量プレカスト合成板の組立
て立体図である。

【図５】図４の５−５断面図である。

【符号の説明】

１０…特殊強化軽量プレカスト合成板１１，１２…外側面板２０…中間層２１…モルタル２２…発泡剤２３…化学粘結剤２４…軽量粒状発泡体２５…細糸繊維２６…金属網２８，２９…波形鋼板３１…ほぞ３２…ほぞ孔

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】３−９mmの厚さを有する、繊維強化セメ
ント製の両面板（１１，１２）と強化軽量の中間層（２
０）から成り、中間層（２０）は軽量粒状発泡体（２
４）にモルタル（２１）、発泡剤（２２）、化学粘結剤
（２３）等の軽量混合材料を混和鋳造したもので、前記
軽量混合材料の中に強靱な細糸繊維（２５）を混入する
か、或は両面板（１１，１２）の間に金属網（２６）等
の補強材を配置して、軽量混合材料を注入鋳造すること
により、両面板（１１，１２）と、金属網補強材を包ん
だ中間層（２０）とが凝結して一体となり、一つの軽量
強化合成板を形成したことを特徴とする特殊強化軽量プ
レカスト合成板。
【請求項２】前記両面板（１１，１２）の間の中間層
（２０）内に、波形鋼板（２８，２９）を夾設し、該中
間層（２０）の横断面において、前記鋼板（２８，２
９）が波形を呈し、且両面板（１１，１２）と接触して
いることを特徴とする請求項１記載の特殊強化軽量プレ
カスト合成板。
【請求項３】前記両面板（１１，１２）の間の中間層
（２０）内の軽量混合材料の中に鋼線、ガラス繊維等の
補強用細糸繊維（２５）を混入したことを特徴とする請
求項１記載の特殊強化軽量プレカスト合成板。
【請求項４】前記両面板（１１，１２）の間の中間層
（２０）に熔接鉄網又は波形鋼板、ステンレス網、鉄筋
格子、鉄筋（線）等の金属補強材を夾設したことを特徴
とする請求項１記載の特殊強化軽量プレカスト合成板。
【請求項５】前記両面板（１１，１２）の間の中間層
（２０）に強化細糸繊維（２５）と金属網（２６）等の
補強材を同時に含んでいることを特徴とする請求項１記
載の特殊強化軽量プレカスト合成板。