JPH0614170B2 - 放射線画像情報読取装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、放射線画像情報記録再生システムにおいて使
用される放射線画像情報読取装置であって、読取部と消
去部と集積部とを一体的に組合せて成る読取装置に関す
る。

（発明の技術的背景及び従来技術） ある種の螢光体に放射線（Ｘ線，α線，β線，γ線，電
子線，紫外線等）を照射すると、この放射線エネルギー
の一部が螢光体中に蓄積され、この螢光体に可視光等の
励起光を照射すると、蓄積されたエネルギーに応じて螢
光体が輝尽発光を示すことが知られており、このような
性質を示す螢光体は蓄積性螢光体と呼ばれる。

この蓄積性螢光体を利用して、人体等の被写体の放射線
画像情報を一旦シート状の蓄積性螢光体に記録し、この
蓄積性螢光体シートをレーザ光等の励起光で走査して輝
尽発光光を生ぜしめ、得られた輝尽発光光を光電的に読
み取って画像信号を得、この画像信号に基づき被写体の
放射線画像を写真感光材料等の記録材料，ＣＲＴ等に可
視像として出力させる放射線画像情報記録再生システム
が本出願人によりすでに提案されている。（特開昭55-1
2429号，同56-11395号，同55-163472号，同56-104645
号，同55-116340号など。） 上記システムにおける蓄積性螢光体シートは、放射線画
像情報を蓄積記録すると共にその記録された画像情報を
上記励起光走査によって読み取るまでの間一時的に担持
するだけのものであり、従って画像情報の読み取りが終
了した後は、該シートに残存している画像情報を消去し
てそのシートを再使用することが望ましい。

この様な要請の下に、従来第３図に示す様な放射線画像
情報読取装置が提案されている。

図示の読取装置は、蓄積性螢光体シート１に蓄積記録さ
れた放射線画像情報の読み取りを行なう読取部２と、読
取終了後のシート１に残存している放射線画像情報を消
去する消去部３と、消去終了後のシート１を集積する集
積部４と、上記読取部２，消去部３，集積部４および各
部間のシート搬送系等の作動を制御する制御ユニット５
とを備えて成る。

上記制御ユニット５は上記読取部２の上に配設され、消
去部３と集積部４とは読取部２の様に隣接して配設さ
れ、シート１は矢印Ａの如く読取部２に搬入されてロー
ラやベルトコンベア等の搬送手段６によって矢印Ａ₁方
向に搬送されつつシート１に記録された放射線画像情報
の読み取りが行なわれ、読取済のシートはさらに矢印Ａ
₂方向に搬送されて消去部３に入り、ここで例えば消去
光の照射を受けて読み取り残した残存放射線画像情報が
消去され、その後矢印Ａ₃方向に逆送されて上下動ベル
トコンベア3a上に位置し、該コンベア3aによって集積部
４に搬送される。図示の集積部４は単にシート１を集積
するだけではなく、複数個の集積トレイ4aを備え、上下
動コンベア3aが矢印Ｂ方向に上下動して適当な集積トレ
イ4aにシート１を搬入することによって、例えばシート
１をそのサイズの大きさによって適宜分類して集積する
ことができるように構成されている。

上記の如き放射線画像情報読取装置は、当然のことなが
らよりコンパクトで設置スペースが小さく、また各部間
におけるシートの搬送系は各部におけるそれぞれの事情
を考慮して装置全体の効率を向上させるべく設定されて
いることが要求される。

この様な観点から上記従来の読取装置を検討してみる
と、該装置は設置スペースの面からもあるいは搬送系の
面からも未だ十分なものではなく、それらの面について
さらに改善を行なうことが望ましい。また、そのような
改善を行なうにあたっては、特に読取部２から消去部３
への搬送系及び消去部３から集積部４への搬送系におい
て、消去部３での消去がやり易い様に、また集積部に集
積した後のシートの取扱いに支障を来たさない様に配慮
することが望ましい。

（発明の目的） 本発明の目的は、上記事情に鑑み、設置スペースをより
小さくすると共に、消去部での消去を能率的に行なえる
様にシートを消去部に搬入し、集積後のシートの取扱い
に支障を来たさない様にシートを集積部に搬入し得る様
に構成して装置全体の効率化を図った放射線画像情報読
取装置を提供することにある。

（発明の構成） 本発明に係る放射線画像情報読取装置は、上記目的を達
成するため、読取部の上に消去部と集積部とを配設し、
読取部と消去部との間に設けられた読取済シート搬送手
段を、読取部で上を向いていたシート面が消去部でも上
を向く様に読取部から消去部に向けてシートを搬送する
べく構成し、消去部と集積部との間に設けられた消去済
シート搬送手段を、消去部で上を向いていたシート面が
集積部では下を向く様に消去部から集積部に向けてシー
トを搬送するべく構成したことを特徴とする。

（実施態様） 以下、図面に示す実施態様を参照しながら本発明を詳細
に説明する。

第１図は、本発明に係る読取装置の一実施態様を示す側
面概略図である。

図示の如く、本発明に係る装置は、読取部２の上に消去
部３と集積部４とを配設して成る。

読取部２は、放射線撮影により画像情報が蓄積記録され
た蓄積性螢光体シート１をレーザビーム等の励起光21で
走査し、その走査によって該シート１から発せられる輝
尽発光光をフォトマル等の光電読取手段22で光電的に読
み取って可視像出力用の電気的な画像信号を得るもので
ある。図中23は励起光源，24は光学定盤25に取り付けら
れたガルバノメータミラー等の光偏向器，26はシート１
から発せられた輝尽発光光を光電読取手段の導光性シー
ト22a（該シート22aは輝尽発光光を全反射させながらフ
ォトマル等の光検出器22bに導く役目をする）に向けて
反射させる反射ミラーである。

なお、放射線画像情報の読み取りにおいては、上記説明
した可視像出力用の画像信号を得る読み取り（本読み）
に先立って、予め上記シート１に蓄積記録されている放
射線画像情報の概略を読み取る先読みを行ない、この先
読みによって得られた画像情報に基づいて上記本読みを
行なう際の読取条件等を決定し、この読取条件に従って
前記本読みを行なう方法が知られている。

この様な先読みを行なう方法としては、例えば上記本読
みに用いられる励起光のエネルギよりも低いエネルギの
励起光を用いてシート１を走査し、この走査によって発
せられる輝尽発光光を同じく光電読取手段によって読み
取る方法（例えば特開昭58-67240号公報参照）等が存在
する。

本発明における読取部は、上記本読みのみを行なう部分
の外、本読みと先読みの双方を行なう部分であっても良
い。

上記消去部３は、上記読取終了後のシート１に残存して
いる放射線画像情報を消去する（蓄積性螢光体に残存し
ている放射線エネルギを放出させる）ためのものであ
る。即ち、シートに蓄積記録された放射線画像情報は、
その大部分が前記読み取りの際に読み取られて消失する
が、その一部は未だシートに残存しており、このシート
１を再使用するためにこの残存画像情報の消去が消去部
において行なわれる。この消去部３における消去方法は
いかなるものであっても良い。本実施態様における消去
部３は、可視光等の消去光をシート１に照射して該シー
トに残存している放射線画像情報の消去を行なわしめる
べく、複数の螢光灯3aを備えて成る。

上記シート集積部４は、消去部３から搬出される消去済
シート１を集積する部分であり、単なる集積のみを行な
う部分の外、前述の様に複数のトレイ4aを備え、シート
１をその大きさ等によって分類整理して集積するソータ
部であっても良い。

本発明に係る装置は、さらに、上記読取部２と消去部３
との間に上記シート１を読取部２で上面になっていたシ
ート面1aが消去部３でも上面になる様に読取部２から消
去部３に搬送する読取済シート搬送手段30が設けられて
いる。図示実施態様においては、この搬送手段30はベル
トコンベアやローラ等から成り、読取部２のシート１を
水平方向から上方向（矢印Ａ₁₂→Ａ₁₃→Ａ₁₄→Ａ₁₅方
向）に向けて搬送し、そこから下方に下げながら水平方
向（矢印Ａ₁₆→Ａ₁₇方向）に向けて消去部３に搬送する
スイッチバック形式に構成されている。

また、上記消去部３と集積部４との間には、シート１
を、消去部で上面になっていたシート面1aが集積部で下
面になって集積される様に消去部３から集積部４に搬送
する消去済シート搬送手段31が設けられている。図示実
施態様においては、この搬送手段31もベルトコンベアや
ローラ等から成り、消去部３のシート１を水平方向から
上方向に向け、さらに水平方向（矢印Ａ₁₈→Ａ₁₉→Ａ₂₀
方向）に向けて搬送するＵターン搬送系31aと、該Ｕタ
ーン搬送系31aから送られて来たシート１を受けて集積
部の各集積トレイ4aに振り分け搬入する振り分け搬送系
31bとから成る。この振り分け搬送系31bは矢印Ｃ方向に
移動可能であり、該系31bのシート出口31cを適当な集積
トレイ4aの上方に位置させて該トレイ4aにシート１を搬
入するものである。この消去済シート搬送手段31の構成
は、シート集積部の右上りに傾斜させて配設された集積
トレイ4aのその配設態様に対応して、該トレイ4a内にシ
ート１の消去部３における上面が下面になるように搬入
するべく構成されている。

上記両搬送手段30，31は種々の態様を取り得る。たとえ
ば、第２図に破線で示す如く、矢印Ａ₂₁→Ａ₂₂→Ａ₂₃→
Ａ₂₄→Ａ₂₅→Ａ₂₆の方向に搬送する様に構成することも
可能である。この態様においては、読取済シート搬送手
段30は前述のスイッチバック形式ではなくＳ字形搬送系
として構成され、また消去済シート搬送手段31は集積ト
レイ4aが右下り傾斜に配設されていることから前述のＵ
ターンさせる構成は採用されていない。

なお、蓄積性螢光体シートは通常支持体と該支持体の上
に形成された蓄積螢光体層とから成る。そして、読取り
の際の励起光走査及び消去の際の消去光照射はこの螢光
体層に対して行なう必要がある。従って、消去部におい
ては螢光体層が上面（励起光走査が行なわれる面）にな
っており、従ってこの上面はそのまま消去部３において
も上面（消去光照射を受ける面）であることが消去を効
率良く行なうための必要条件である。

また、シート１を集積部４に、例えば集積トレイに集積
するに当っては、上記消去部３において上面であった螢
光体層が下面（シート１が複数枚積み重ねて集積された
場合先に集積されたシート１に向かう方向が下方であ
り、従って先に集積されたシート１に対向する面が下面
になる）になる様に集積することが望ましい。なぜなら
ば、再使用に際して集積されたシート１をトレイ4a等か
ら取り出す場合、該トレイ4aに後に集積されたシート１
から順番に取り出して使用され、その際シート１の上面
を吸盤等で吸着して取り出したりするので、もし螢光体
層が上面になっていると該螢光体層が吸盤等により傷付
けられたり、あるいはよごされたりする恐れがあり、好
ましくないからである。

（発明の効果） 本発明に係る装置は、上記の如く、読取部の上に消去部
と集積部とを配設して成るので、前記従来技術の如く読
取部の横に消去部と集積部とを配設して成るタイプの装
置に比べ、その設置スペースを大巾に縮少することがで
きる。

なお、読取部のスペースと、消去部と集積部とを合わせ
たスペースとは大体同じ程度であり、従って上記態様の
２層構造は極めて好適に実施し得る。

また、本発明に係る装置は、上記の如く、読取済シート
搬送手段を読取部で上面になっていたシート面が消去部
でも上面になる様にシートを搬送するべく構成し、消去
済シート搬送手段を消去部で上面になっていたシート面
が集積部では下面になって集積される様にシートを搬送
するべく構成して成る。

従って、本発明に係る装置によれば、読取部で上面にな
っている螢光体層が消去部でも上面になり、効率の良い
消去を行なうことができ、かつ消去部で上面になってい
た螢光体層が集積部では下面になるので集積部よりシー
トを取り出す際該螢光体層が損傷したりよごれたりする
恐れもない。

なお、第１図に示す実施例の如く、読取済シート搬送手
段を、シートが一旦上方に搬送された後スイッチバック
して消去部へ搬送されるように構成し、消去済シート搬
送手段を、シートが消去部の上方を通って集積部へ搬入
されるように構成すれば、読取部，消去部および集積部
の配置と関連して搬送手段全体を極めてコンパクトに構
成でき、機構的にも単純であって安価に構成でき、さら
にはシートに対する曲げの回数が少なく、シートの劣化
に対して有利であるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る装置の一実施態様を示す側面概略
図、 第２図は他の実施態様を示す側面概略図、 第３図は従来装置の側面概略図である。 １……蓄積性螢光体シート、２……読取部 ３……消去部、４……集積部 30……読取済シート搬送手段 31……消去済シート搬送手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】蓄積性螢光体シートに蓄積記録された放射
   線画像情報の読み取りを行なう読取部と、読取終了後の
   上記シートに残存している放射線画像情報を消去する消
   去部と、消去終了後の上記シートを集積する集積部とを
   備えて成る放射線画像情報読取装置において、 上記読取部の上に上記消去部と集積部とが配設され、 上記読取部と消去部との間には、上記シートを読取部で
   上面になっていたシート面が消去部でも上面になる様に
   読取部から消去部に搬送する読取済シート搬送手段が設
   けられ、 上記消去部と集積部との間には、上記シートを消去部で
   上面になっていたシート面が集積部で下面になって集積
   されるように消去部から集積部に搬送する消去済シート
   搬送手段が設けられていることを特徴とする放射線画像
   情報読取装置。
2. 【請求項２】前記読取済シート搬送手段が、前記シート
   を一旦上方に搬送した後該シートをスイッチバックさせ
   て消去部へ搬送するように構成されたものであることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の放射線画像情報
   読取装置。
3. 【請求項３】前記消去済シート搬送手段が、前記シート
   を前記消去部の上方を搬送して前記集積部へ搬入するよ
   うに構成されたものであることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項または第２項記載の放射線画像情報読取装
   置。