JPH06139827A - 多層絶縁電線とその製造方法 - Google Patents

多層絶縁電線とその製造方法

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JPH06139827A
JPH06139827A JP4290159A JP29015992A JPH06139827A JP H06139827 A JPH06139827 A JP H06139827A JP 4290159 A JP4290159 A JP 4290159A JP 29015992 A JP29015992 A JP 29015992A JP H06139827 A JPH06139827 A JP H06139827A
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Shigeo Yamaguchi
繁男 山口
Mitsuru Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 絶縁層が押出被覆で形成され、半田付け性,
層間剥離性,耐熱性,電気絶縁性に優れている層絶縁
電線を提供する。 【構成】 導体と前記導体の表面を被覆する少なくとも
3層の絶縁層とから成る層絶縁電線において、前記3
層の絶縁層が、いずれも、熱可塑性直鎖ポリエステル樹
脂100重量部に対し、側鎖にカルボン酸またはカルボ
ン酸塩を有するエチレン系共重合体5〜40重量部を配
合して成る樹脂混和物の押出被覆層である層絶縁電
線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絶縁層が3層になってい
る3層絶縁電線とその製造方法に関し、更に詳しくは、
半田浴に浸漬するとその絶縁層が短時間で除去されて導
体に半田を付着させることができるので半田付け特性に
優れ、また、絶縁層の絶縁特性は経時劣化を起こしにく
く、電気・電子機器などに取込む変圧器の巻線やリード
線として用いて有用な3層絶縁電線とその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】変圧器の構造は、IEC規格(Internat
ional Electrotechnical Communication Standard) Pu
b.950,65,335,601 などによって規定されている。すな
わち、これらの規格では、巻線において導体を被覆する
エナメル皮膜は絶縁層と認定しない、一次巻線と二次巻
線の間には少なくとも3層の絶縁層が形成されているか
または絶縁層の厚みは0.4mm以上であること、一次巻線
と二次巻線の縁面距離は、印加電圧によっても異なる
が、5mm以上であること、また一次側と二次側に300
0Vを印加したときに1分以上耐えること、などが規定
されている。
【0003】そのため、現在、主流の座を占めている変
圧器では、図1で例示するような断面構造が採用されて
いる。すなわち、フェライトコア1に鍔付きのボビン2
が嵌め込まれ、ボビン2の周面両側端に縁面距離を確保
するための絶縁バリヤ3が配置された状態でエナメル被
覆された一次巻線4が巻回されたのち、この一次巻線4
の上に、絶縁テープ5を少なくとも3層巻回し、更にこ
の絶縁テープ層の上に縁面距離を確保するための絶縁バ
リヤ3を配置したのち、同じくエナメル被覆された二次
巻線6が巻回された構造である。
【0004】ところで、近年、図1に示した断面構造の
変圧器に代わり、図2で示したように、絶縁バリヤ3や
絶縁テープ層5を含まない構造の変圧器が登場しはじめ
ている。この変圧器は、図1の構造の変圧器に比べて、
全体を小型化することができ、また、絶縁テープの巻回
作業を省略できるなどの利点を備えている。
【0005】図2で示した変圧器を製造する場合、用い
る一次巻線4および二次巻線6では、いずれか一方もし
くは両方の導体4a(6a)の外周に少なくとも3層の
絶縁層4b(6b),4c(6c),4d(6d)が形
成されていること、しかもこれらの各絶縁層の間では互
いの層間剥離が可能であることが前記したIEC規格と
の関係で必要になる。
【0006】このような巻線としては、まず導体の外周
に絶縁テープを巻回して1層目の絶縁層を形成し、更に
その上に、絶縁テープを巻回して2層目の絶縁層、3層
目の絶縁層を順次形成して互いに層間剥離する3層構造
の絶縁層を形成したものが知られている。また、ポリウ
レタンによるエナメル被覆がなされた導体の外周にフッ
素系樹脂を順次押出被覆して、全体として3層構造の押
出被覆層を絶縁層とする巻線が知られている(実開平3
−56112号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
巻線の場合は、絶縁テープの巻回作業が不可避であるた
め生産性は著しく低くなり、そのため製造コストは上昇
するという問題がある。また、後者の巻線の場合、絶縁
層はフッ素系樹脂で形成されているので耐熱性が良好で
あるという利点を備えているが、一方では、層間の密着
性が悪いため絶縁電線としての信頼性に欠けるという問
題がある。
【0008】更には、この絶縁層は半田浴に浸漬しても
除去することができないため、例えば絶縁電線をリード
線に接続するときに行う端末加工に際しては、端末の絶
縁層を信頼性の低い機械的な手段で剥離しなければなら
ないという問題がある。本発明は、従来から知られてい
る3層絶縁電線における上記した問題を解決し、前記し
たIEC規格を満足することをもち論のこと、半田浴に
浸漬することにより絶縁層を容易に除去することができ
て端末加工性が優れている3層絶縁電線とその製造方法
の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、導体と前記導体の表面を被
覆する3層の絶縁層とから成る3層絶縁電線において、
前記3層の絶縁層が、いずれも、熱可塑性直鎖ポリエス
テル樹脂100重量部に対し、側鎖にカルボン酸または
カルボン酸塩を有するエチレン系共重合体5〜40重量
部を配合して成る樹脂混和物の押出被覆層であることを
特徴とする3層絶縁電線が提供され、また、各絶縁層の
押出被覆が終了した時点で、それぞれの押出被覆層の表
面を100℃以下に冷却することを特徴とする3層絶縁
電線の製造方法が提供される。
【0010】本発明の3層絶縁電線における各絶縁層
は、後述する樹脂混和物の押出被覆層である。各絶縁層
の素材である樹脂混和物は、後述する熱可塑性の直鎖ポ
リエステル樹脂とエチレン系共重合体とを必須成分とす
る。このうち、熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂として
は、芳香族ジカルボン酸またはその一部が脂肪族ジカル
ボン酸で置換されているジカルボン酸と脂肪族ジオール
とのエステル反応で得られたものが用いられる。例え
ば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET),ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂(PBT),ポリエチレン
ナフレート樹脂などを代表例としてあげることができ
る。
【0011】この熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂の合成
時に用いる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレ
フタル酸,イソフタル酸,テレフタルジカルボン酸,ジ
フェニルスルホンジカルボン酸,ジフェノキシエタンジ
カルボン酸,ジフェニルエーテルカルボン酸,メチルテ
レフタル酸,メチルイソフタル酸などをあげることがで
きる。これらのうち、とくにテレフタル酸は好適なもの
である。
【0012】芳香族ジカルボン酸の一部を置換する脂肪
族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸,アジピン
酸,セバシン酸などをあげることができる。これらの脂
肪族ジカルボン酸の置換量は、芳香族ジカルボン酸の3
0モル%未満であることが好ましく、とくに20モル%
未満であることが好ましい。一方、エステル反応に用い
る脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコー
ル,トリメチレングリコール,テトラメチレングリコー
ル,ヘキサンジオール,デサンジオールなどをあげるこ
とができる。これらのうち、エチレングリコール,テト
ラメチルグリコールは好適である。また、脂肪族ジオー
ルとしては、その一部がポリエチレングリコールやポリ
テトラメチレングリコールのようなオキシグリコールに
なっていてもよい。
【0013】各絶縁層の素材である樹脂混和物の他の必
須成分は、例えば、ポリエチレンの側鎖にカルボン酸も
しくはカルボン酸の金属塩を結合させたエチレン系共重
合体である。このエチレン系共重合体は、前記した熱可
塑性直鎖ポリエステル樹脂の結晶化を抑制する働きを
し、そのことにより、形成した絶縁層の電気的特性の経
時劣化を抑制すると同時に、各絶縁層間の良好な剥離性
の確保に寄与する。
【0014】結合させるカルボン酸としては、例えば、
アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸のような不飽和
モノカルボン酸や、マレイン酸,フマル酸,フタル酸の
ような不飽和ジカルボン酸をあげることができ、またこ
れらの金属塩としては、Na,Zn,K,Mgなどの塩
をあげることができる。このようなエチレン系共重合体
としては、例えば、エチレン−メタアクリル酸共重合体
のカルボン酸の一部を金属塩にし、一般にアイオノマー
と呼ばれる樹脂(例えば、ハイミラン;商品名、三井ポ
リケミカル(株)製)、エチレン−アクリル酸共重合体
(例えばEAA;商品名、ダウケミカル社製)、側鎖に
カルボン酸を有するエチレン系グラフト重合体(例え
ば、アドマー;商品名、三井石油化学工業(株)製)を
あげることができる。
【0015】樹脂混和物において、熱可塑性直鎖ポリエ
ステル樹脂とエチレン系共重合体との配合割合は、前者
100重量部に対し、後者は5〜40重量部の範囲に設
定される。後者の配合量が5重量部より少ない場合は、
形成された絶縁層の耐熱性に問題はないが、熱可塑性直
鎖ポリエステル樹脂の結晶化抑制効果は小さくなり、そ
のため、コイリング時に絶縁層表面に微小クラックが発
生する、いわゆるクレージング現象が多発すると同時
に、絶縁層の経時劣化が進んで絶縁破壊電圧の著しい低
下を引き起こすようになる。また、配合量が40重量部
より多くなると、絶縁層の耐熱性は著しく劣化してしま
う。両者の好ましい配合割合は、前者100重量部に対
し、後者は7〜25重量部である。
【0016】本発明の3層絶縁電線は、上記した樹脂混
和物を、導体の外周に押出被覆して所望厚みの1層目の
絶縁層を形成し、ついで、この1層目の絶縁層の外周に
上記樹脂混和物を押出被覆して所望厚みの2層目の絶縁
層を形成し、更に、この2層目の絶縁層の外周に上記樹
脂混和物を押出被覆して所望厚みの3層目の絶縁層を形
成することにより製造される。
【0017】このとき、各押出被覆時に用いる樹脂混和
物は、各層について同じ組成のものであってもよいし、
上記した許容される配合割合の範囲内で成分の組成を変
化させたものであってもよい。また、形成された3層の
絶縁層の全体の厚みは100μm以下に管理することが
好ましく、また、2層目の絶縁層の厚みを他の絶縁層の
厚みよりも厚くすると、IEC規格950で規定する電
気的特性を容易に実現することができる。
【0018】更には、各層の押出被覆が終了した時点
で、それぞれの押出被覆層の表面を、例えば水冷または
空冷のような方法で100℃以下に冷却したのち、次の
押出被覆層を形成すると、各層間の剥離性が向上して有
効である。
【0019】
【作用】本発明の3層絶縁電線においては、3層の絶縁
層はいずれも樹脂混和物の押出被覆法で形成されるの
で、製造時の生産性は非常に高くなる。また、層間剥離
性は良好であるとともに、端末加工時には、直接半田付
けを行うことができる。そして、エチレン系共重合体の
働きで、ベース樹脂であるポリエステル樹脂の結晶化は
抑制され、そのため、絶縁層の電気特性などの劣化は非
常に起こりずらくなる。
【0020】
【発明の実施例】
実施例1〜4,比較例1〜4 表1に示した各成分を表示の割合(重量部)で混練し
て、各押出被覆層用の樹脂混和物を調製した。導体とし
て線径0.6mmの軟銅線を用い、その外周に、これらの樹
脂混和物を押出被覆して表示の厚みで各押出被覆層を形
成して3層絶縁電線を製造した。なお、実施例1の場合
には、各押出被覆が終了した時点で、形成された押出被
覆層の表面を100℃まで一度水冷したのち、その上に
次の押出被覆層が形成された。
【0021】なお、比較例3の電線の各絶縁層は、表示
したポリエステルフィルムを巻回したものである。
【0022】
【表1】
【0023】以上の7種類の3層絶縁電線につき、下記
の仕様で各種の特性を測定した。 半田付け性:電線の末端約40mmの部分を温度400℃
の溶融半田に浸漬し、浸漬した30mmの部分に半田が付
着するまでの時間(秒)を測定。この時間が短いほど半
田付け性に優れていることを表す。
【0024】電気絶縁性:製造直後の2層被覆,3層被
覆のそれぞれの電線につき、JISC3003で規定す
る2個撚り法に準じて片方に裸銅線を用い、そのときの
絶縁破壊電圧を測定。また、3層被覆の電線について
は、大気中に1年間放置したのち同じく2個撚り法で絶
縁破壊電圧を測定し、電気絶縁性の経時変化を調べた。
【0025】耐熱性:3層被覆電線と裸銅線をJISC
3003に準拠して2個撚りし、その状態で、温度20
0℃で7日間の加熱処理を施したのち絶縁破壊電圧を測
定。この値が大きいほど耐熱性に優れていることを表
す。 耐クレージング性:電線を6ケ月間大気中に放置したの
ち、その電線を直径12mmのコイル巻き枠に整列機械巻
きし、そのときに電線表面にクレージングが発生したか
否かを観察。
【0026】層間剥離性:絶縁層の長手方向を約50cm
に亘りカッターナイフで切り裂いたのち電線の一端をマ
ンドレルに挟み、マンドレルを回転して電線にねじりを
与え、3層の絶縁層の各層が互いに剥離するまでのマン
ドレル回転数を測定。この値が小さいほど絶縁層におけ
る層間剥離性は優れていることを表す。
【0027】以上の結果を一括して表2に示した。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
3層絶縁電線は、その絶縁層がいずれも押出被覆で形成
されるので製造時における生産性は高く、また、絶縁層
は半田付け性,耐熱性,耐クレージング性,層間剥離
性,電気絶縁性が優れしかも特性の経時劣化は小さい。
したがって、IEC規格を満足する変圧器の巻線やリー
ド線としてその工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来構造の変圧器の1例を示す断面図である。
【図2】3層絶縁電線を巻線とする構造の変圧器の例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 フェライトコア 2 ボビン 3 絶縁バリヤ 4 一次巻線 4a 導体 4b,4c,4d 絶縁層 5 絶縁テープ 6 二次巻線 6a 導体 6b,6c,6d 絶縁層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月28日
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絶縁層が少なくとも3層
になっている層絶縁電線とその製造方法に関し、更に
詳しくは、半田浴に浸漬するとその絶縁層が短時間で除
去されて導体に半田を付着させることができるので半田
付け特性に優れ、また、絶縁層の絶縁特性は経時劣化を
起こしにくく、電気・電子機器などに取込む変圧器の巻
線やリード線として用いて有用な層絶縁電線とその製
造方法に関する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】変圧器の構造は、IEC規格(Internat
ional Electrotechnical Communication Standard)Pu
b.950,65,335,601 などによって規定されている。すな
わち、これらの規格では、巻線において導体を被覆する
エナメル皮膜は絶縁層と認定しない、一次巻線と二次巻
線の間には少なくとも3層の絶縁層が形成されているか
または絶縁層の厚みは0.4mm以上であること、一次巻線
と二次巻線の沿面距離は、印加電圧によっても異なる
が、5mm以上であること、また一次側と二次側に300
0Vを印加したときに1分以上耐えること、などが規定
されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】そのため、現在、主流の座を占めている変
圧器では、図1で例示するような断面構造が採用されて
いる。すなわち、フェライトコア1に鍔付きのボビン2
が嵌め込まれ、ボビン2の周面両側端に沿面距離を確保
するための絶縁バリヤ3が配置された状態でエナメル被
覆された一次巻線4が巻回されたのち、この一次巻線4
の上に、絶縁テープ5を少なくとも3層巻回し、更にこ
の絶縁テープ層の上に沿面距離を確保するための絶縁バ
リヤ3を配置したのち、同じくエナメル被覆された二次
巻線6が巻回された構造である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】更には、この絶縁層は半田浴に浸漬しても
除去することができないため、例えば絶縁電線を部品の
リードピンに接続するときに行う端末加工に際しては、
端末の絶縁層を信頼性の低い機械的な手段で剥離しなけ
ればならないという問題がある。本発明は、従来から知
られている3層絶縁電線における上記した問題を解決
し、前記したIEC規格を満足することもち論のこ
と、半田浴に浸漬することにより絶縁層を容易に除去す
ることができて端末加工性が優れている層絶縁電線と
その製造方法の提供を目的とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、導体と前記導体の表面を被
覆する少なくとも3層の絶縁層とから成る層絶縁電線
において、前記3層の絶縁層が、いずれも、熱可塑性直
鎖ポリエステル樹脂100重量部に対し、側鎖にカルボ
ン酸またはカルボン酸塩を有するエチレン系共重合体5
〜40重量部を配合して成る樹脂混和物の押出被覆層で
あることを特徴とする層絶縁電線が提供され、また、
少なくとも1つの絶縁層の押出被覆が終了した時点で、
その押出被覆層の表面を100℃以下に冷却することを
特徴とする層絶縁電線の製造方法が提供される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明の層絶縁電線における前記少なく
とも3層の絶縁層は、後述する樹脂混和物の押出被覆層
である。各絶縁層の素材である樹脂混和物は、後述する
熱可塑性の直鎖ポリエステル樹脂とエチレン系共重合体
とを必須成分とする。このうち、熱可塑性直鎖ポリエス
エル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸またはその一部
が脂肪族ジカルボン酸で置換されているジカルボン酸と
脂肪族ジオールとのエステル反応で得られたものが用い
られる。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(P
ET),ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT),
ポリエチレンナフレート樹脂などを代表例としてあげる
ことができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明の層絶縁電線は、上記した樹脂混
和物を、導体の外周に押出被覆して所望厚みの1層目の
絶縁層を形成し、ついで、この1層目の絶縁層の外周に
上記樹脂混和物を押出被覆して所望厚みの2層目の絶縁
層を形成し、更に、この2層目の絶縁層の外周に上記樹
脂混和物を押出被覆して所望厚みの3層目の絶縁層を形
成することにより製造される。なお、これら3層の絶縁
層の外側に、必要に応じては、更に他の絶縁層を設けて
もよい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】更には、押出被覆が終了した時点で、押
被覆層の表面を、例えば水冷または空冷のような方法で
100℃以下に冷却したのち、次の押出被覆層を形成す
ると、層間の剥離性が向上して有効である。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【作用】本発明の層絶縁電線においては、少なくとも
3層の絶縁層はいずれも樹脂混和物の押出被覆法で形成
されるので、製造時の生産性は非常に高くなる。また、
層間剥離性は良好であるとともに、端末加工時には、直
接半田付けを行うことができる。そして、エチレン系共
重合体の働きで、ベース樹脂であるポリエステル樹脂の
結晶化は抑制され、そのため、絶縁層の電気特性などの
劣化は非常に起こりずらくなる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【表1】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】層間剥離性:絶縁層の長手方向を約50cm
に亘りカッターナイフで切り裂いたのち、電線の周方向
にも、1本、全周に亘って切込みを入れ、電線の一端を
よじり器に固定し、他端をよじり器のチャックに挟んで
電線を真っ直ぐに保持し、この状態でチャックを回転さ
せて電線を長手方向によじり、3層の絶縁層が各層に剥
離する回転数を調べた。なお、剥離は、周方向に切込み
を入れた部分の一部の皮膜が剥離できた時点とする。こ
の回転数が少ないものほど層間剥離性に優れている。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
層絶縁電線は、その絶縁層がいずれも押出被覆で形成
されるので製造時における生産性は高く、また、絶縁層
は半田付け性,耐熱性,耐クレージング性,層間剥離
性,電気絶縁性が優れしかも特性の経時劣化は小さい。
したがって、IEC規格を満足する変圧器の巻線やリー
ド線としてその工業的価値は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 13/14 Z 7244−5G // B29L 31:34 4F (72)発明者 井上 満 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体と前記導体の表面を被覆する3層の
    絶縁層とから成る3層絶縁電線において、前記3層の絶
    縁層が、いずれも、熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂10
    0重量部に対し、側鎖にカルボン酸またはカルボン酸塩
    を有するエチレン系共重合体5〜40重量部を配合して
    成る樹脂混和物の押出被覆層であることを特徴とする3
    層絶縁電線。
  2. 【請求項2】 導体の表面に3層の絶縁層を押出被覆で
    形成する3層絶縁電線の製造方法において、各層の押出
    被覆が終了した時点で、それぞれの押出被覆層の表面を
    100℃以下に冷却することを特徴とする3層絶縁電線
    の製造方法。
JP29015992A 1992-10-28 1992-10-28 3層絶縁電線とその製造方法、その3層絶縁電線を用いた変圧器 Expired - Fee Related JP3369607B2 (ja)

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