JPH06139386A - スキャナの走査機構 - Google Patents

スキャナの走査機構

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JPH06139386A
JPH06139386A JP4289843A JP28984392A JPH06139386A JP H06139386 A JPH06139386 A JP H06139386A JP 4289843 A JP4289843 A JP 4289843A JP 28984392 A JP28984392 A JP 28984392A JP H06139386 A JPH06139386 A JP H06139386A
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JP
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mirror
scanner
scanning
leaf spring
electromagnet
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Application number
JP4289843A
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English (en)
Inventor
Teruaki Sugata
輝明 菅田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置を部品点数が少なく低コストで小型なも
のにする。 【構成】 離れた位置にあるバーコードを横切って光ビ
ームで走査することによりバーコードを読み取るスキャ
ナの走査機構において、光ビームがバーコードを走査す
るように光ビームを変位させるミラー64と、このミラ
ー64を回動可能に支持する弾性体よりなり、ミラー6
4に連結された板ばね48を設ける。板ばね48を変位
させるように板ばね48に力を作用させることによっ
て、ミラー64を回動させる電磁石82をさらに設け、
ミラー64の回動中心である割りピン56と、電磁石8
2による板ばね48上の力の作用点とを異ならせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バーコードなどの光学
的記号を読み取るためのスキャナの走査機構に関する。
【0002】
【従来の技術】バーコードとは、様々な幅よりなり列を
なして隣接するバーとスペースとからなるコード化パタ
ーンである。このバーコードを識別するスキャナが従来
種々開発され現在広く普及している。このスキャナは、
ラベルや物品の表面などの上に表示されたバーコードに
光を当て、バーとスペースとの幅の相違から生じる光反
射特性を利用してバーコードのパターンを読み取ること
により、ラベルや物品を識別している。この様なスキャ
ナには様々な形式があるが、大まかにはほぼ2つの形式
に分類できる。
【0003】その1つであるタッチ式のスキャナの一例
を図8に示す。このスキャナでは、バーコード150
は、LEDなどの光源152によって照射される。バー
コード150からの反射光は固定ミラー154によって
反射された後、レンズ156によってテレビカメラの如
く撮像素子(CCDラインセンサ等)158上に結像さ
れる。撮像素子158上の各画素は電気的にスキャニン
グされ、バーコード150のバーとスペースとが読み取
られる。
【0004】この形式のスキャナは機械的機構を用いた
可動部が無いので信頼性が高い、という長所を有してい
る反面、レンズ156の焦点深度とスキャナの光源15
2の光量との制限から、スキャナをバーコードに対して
近接させないとバーコードを読むことができない、とい
う欠点を有している。なお、この方式の名称である「タ
ッチ式」とは、スキャナ自体をバーコードに近接させて
これを読むことに由来している。もう一方の方式は、レ
ーザ式と呼ばれているものである。この方式を採用した
スキャナの一例を図9に示す。
【0005】レーザ装置160から射出されたレーザ光
は光学系162によって所定の形状に変換された後、ス
キャニングミラー(以下、単にミラーと称する)164
に到達する。ミラー164は一定の周期で揺動や回転を
行っており、したがってレーザ光はミラー164で反射
されるとバーコード150を線状に走査する光となる。
この走査レーザ光がバーコード150を照射すると、バ
ー150aとスペース150bとの反射率の相違によっ
て散乱反射光の強度が変化する。この散乱反射光がフォ
トダイオード等の受光素子166で受光されると、上記
反射率の相違によって散乱反射光の強弱がアナログ信号
168で得られる。この信号168がA/D変換器17
0によってA/D変換されてデジタル信号171とな
り、この信号171によってバーコード150の情報が
読み取られる。
【0006】このような構成のため、レーザ式のスキャ
ナはタッチ式のものに比べて、スキャナから離れたバー
コードや幅の広いバーコードを読めるという長所があ
り、近頃の普及がめざましい。しかしながら、ミラーの
揺動や回転といった機械的機構を使用した部分があり、
その耐久性やスキャン角度量、スキャン速度などの性能
によって、バーコードの読み取り性能が大きく左右され
るため、これらの性能の改善のために様々な提案がなさ
れている。
【0007】従来のスキャナとして、回転多面鏡を用い
たものが知られている。このスキャナでは、図10に示
すように、回転多面鏡172をモータ174と組み合わ
せ、回転する多面鏡の反射面172aにレーザ光をあて
ることにより光を走査している。
【0008】また、多面鏡の代りに一面鏡を用い、モー
タを単一方向に回転させるのではなく正転と逆転とを交
互に行わせたモータを有するスキャナが、特開平2−2
88987号公報に開示されている。このスキャナのモ
ータを図11を用いて説明する。
【0009】このモータ174は、回転軸方向に沿って
2つのコイルを配列したステッピングモータである。こ
のモータ174は、第1のハウジング176と第2のハ
ウジング178とを具備している。これら第1および第
2のハウジング176,178の中央部には、永久磁石
よりなるロータ180が配設されている。このロータ1
80は、スタブシャフト182を中心として回転可能で
ある。このロータ180の上部には、出力シャフト18
4がスタブシャフト182と同軸的に取り付けられてい
る。この出力シャフト184の先端部には一面鏡である
ミラー186が固着されている。
【0010】ロータ180を包囲するようにして、第1
のハウジング176内には第1のステータコイル(以
下、単に「第1のコイル」と称する)188が、第2の
ハウジング178内には第2のステータコイル(以下、
単に「第2のコイル」と称する)190が夫々配置され
ている。
【0011】第1のコイル188には第1の駆動回路1
92によって直流電流が供給される。この電流によっ
て、第1のコイル188には極性の変化しない不図示の
一対の磁極が発生する。この一対の磁極は、ロータ18
0と共同してミラー186を所定の基準位置に保持す
る。
【0012】第2のコイル190には第2の駆動回路1
94によって交流電流が供給される。この電流によっ
て、第2のコイル190には、第1のコイル188によ
る一対の磁極に対して90度変位した図示しない別の一
対の磁極が発生する。この第2のコイル190による一
対の磁極は、第2のコイル190に流される交流電流の
周期によって極性が互いに変化する。この極性の変化に
よって、ロータ180は第1のコイル188の磁極によ
る保磁力に反して回転され、この結果、第1のコイル1
88の磁極によって基準位置に保持されているミラー1
86は、基準位置から時計回り及び反時計回りに回動さ
れる。
【0013】又、特開平1−188822号公報には、
図12に示すように、偏平形状の永久磁石よりなるロー
タ196の平面にミラー198を固着したステッピング
モータ形式の走査機構を有するスキャナが開示されてい
る。
【0014】特開平2−306214号公報に開示され
たスキャナの走査機構を図13及び図14に示す。この
走査機構では、図11における第2のステータコイル1
90に相当する駆動用コイル200が、非磁性ボビン2
02の周囲に固定されている。この非磁性ボビン202
は、シャフト204に固着されている。
【0015】駆動用コイル200の外側には、多極着磁
の永久磁石206が配置されている。この永久磁石20
6は、ハウジング208の内面に固定されている。この
ハウジング208は軸受け210を介してシャフト20
4の上端部に回転可能に取り付けられている。かくして
このハウジング208と永久磁石206とでロータを構
成している。このハウジング208は平面部212を具
備しており、この平面部212にはミラー214が固着
されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】図10における回転多
面鏡を使用した従来のスキャナの走査機構では、多面鏡
の各々の面の歪みや倒れなどに起因する光路のばらつき
を小さくするために、高精度の加工が多面鏡製造時に要
求される。又、多面鏡自体が大きいため、モータの回転
速度が一定になるまでに長い時間がかかる。さらに、大
きな設置スペースが必要となるので、大型の走査機構に
なってしまい、ハンドヘルド型のスキャナに適合させる
には困難である。
【0017】図11に示す従来の走査機構では、モータ
の回転シャフトにミラーを取り付けているため、高さ方
向の寸法を小さくすることができない。又、駆動電流が
大きいと、オーバーシュートにより、第1のコイル18
8による基準位置へのミラー186の保持力と比較し
て、第2のコイル190による駆動力の方がはるかに大
きくなってしまい、回転範囲が磁極単位でずれてしま
う。このため、回転範囲即ち揺動角度を規制する位置決
め部材を、走査機構の外部に設けなければならない。
【0018】図12乃至図14に示す従来の機構では、
図11に示す従来の機構で見られた高さ方向の寸法の問
題は解決する。しかし、ステッピングモータ内部のロー
タである永久磁石と一体的にミラーが取り付けられてい
るので、ミラーの大きさや、設置面、揺動角度などの設
計の良否を、光学的な設計のみならず、磁気回路の設計
からも判断しなければならない。即ち、ミラー周辺の設
計と光学的な設計と磁器回路の設計との3つの設計のバ
ランスをとりながら装置全体の設計を行わなければなら
ない。従って制限ファクターが多くなってしまうために
装置の設計が困難になってしまう。
【0019】本来、ステッピングモータを只単に応用し
ただけのこのような構造のスキャナの走査機構では、必
ず永久磁石とコイルとを必要としているために、これら
の必須要素に起因するコストアップは避けられない、と
いう問題もある。
【0020】又、ステッピングモータを駆動するには複
数のコイルに流す電流を順次切り換えて回転磁界を作る
必要があり、単相の駆動パルスによる励磁は不可能であ
る。換言すれば、複相の駆動パルスを得るために専用の
コントロールICやトランジスタなどによるスイッチン
グ回路と、この回路に切り換え電流を供給するために専
用に用いられるパルスジェネレータによるパルス発生回
路とが必要である。このため、駆動回路が複雑になり、
コストアップを招く欠点がある。
【0021】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、永久磁石
や揺動角度を規制する規制部材、或いは高価でかさばる
多面鏡等を必要とせず、部品点数が少なく低コストで小
型なスキャナの走査機構を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】従って本発明によるスキ
ャナの走査機構は、離れた位置にある光学的記号を横切
って光ビームで走査することにより前記光学的記号を読
み取るスキャナにおいて、光ビームが光学的記号を走査
するように光ビームを変位させる走査要素と、この走査
要素を回動可能に支持する弾性体よりなる支持部材と、
前記走査要素に連結された連結部材と、この連結部材を
変位させるように連結部材上に力を作用させることによ
って、前記走査要素を回動させるアクチュエータと、を
具備し、前記走査要素の回動中心と、前記アクチュエー
タによる前記連結要素上の力の作用点とが異なっている
ことを特徴としている。また、アクチュエータが、交流
的な単相の波形を有するパルスによって駆動されること
をも特徴としている。
【0023】
【作用】アクチュエータが連結部材に力を作用させるこ
とにより、この力の作用点と異なる軸を中心として走査
要素が回動する。この走査要素の回動によって光ビーム
が変位して光学的記号を走査する。
【0024】アクチュエータは交流的な単相の波形であ
るパルスによって駆動される。このパルスの振幅によっ
てアクチュエータは連結部材を変位させる。この連結部
材の変位は、連結部材にかかる力の作用点と走査要素の
回動中心との距離によって走査要素の回動変位に転換さ
れ、走査要素は前述のパルスに応じた所定の周波数で回
動する。この周波数は、支持部材のばね定数と走査要素
の慣性モーメントとで定まる共振周波数と一致している
ことが好ましい。この様な周波数での走査要素の回動に
よって、バーコード等の光学的記号が光ビームによって
走査される。
【0025】
【実施例】以下に、図1乃至図5を参照して本発明によ
るスキャナの走査機構の第1実施例を説明する。
【0026】図1において、符号2は、本実施例のスキ
ャナを示す。このスキャナ2の外観は、図1に示すよう
なハンドヘルド型で、かつ、光学的記号としてのバーコ
ードを狙いやすいピストル型に形成されている。このス
キャナ2は銃身部4を具備している。この銃身部4の内
部には、後述するスキャンユニットが収納されている。
この銃身部4の前端部には開口が形成されており、この
開口部には、銃身部4内部のスキャンユニットからのレ
ーザ光が射出し得るように透明なウィンドウ6が取り付
けられている。
【0027】この銃身部4の下部には、使用者の手8に
よって握られる銃把部10が固着されている。この銃把
部10の前端部にはトリガースイッチ12が設けられて
いる。銃把部10の下端部からは、電気ケーブル14が
延出している。この電気ケーブル14の図示しない一端
部は銃身部4内部のスキャンユニットに電気的に接続さ
れている。又、この電気ケーブル14は、銃把部10内
においてトリガースイッチ12とも電気的に接続されて
おり、スキャンユニットへの電流のオン・オフがトリガ
ースイッチ12によって行われる。この電気ケーブル1
4の他端部は復号モジュール16に接続されている。こ
の復号モジュール16は、コンピュータなどのホスト装
置18に電気的に接続されている。
【0028】銃身部4の内部に収納されたスキャンユニ
ット(走査機構)を図2において符号20で示す。この
スキャンユニット20は、4本のプラグピン22を介し
て銃身部4内に取り付けられている。このスキャンユニ
ット20は、図示しない種々の電気部品が実装された基
板24と、光学システム26と、スキャン機構28とを
具備している。
【0029】光学システム26は、プラグピン22を一
体的にモールド形成したブロック30と、このブロック
30に組み付けられた可視半導体レーザ32と、放熱板
34と、光学系36と、バーコードからの散乱反射光に
視域を持つ図示しないフォトダイオードとから構成され
ている。
【0030】スキャン機構28は、保持部材38を具備
している。この保持部材38は取り付け板40を介して
基板24に固着されている。保持部材38の両端部に
は、ブラケット42,44が形成されている。
【0031】各々のブラケット42,44には、板ばね
48の両端部が固定ビス52,54によって固定されて
いる。この板ばね48はほぼ直角となるようにその中央
部で折曲されており、この結果、図2に示すように上部
から見るとほぼL字形状になっている。板ばね48の折
曲された中央部は、割りピン56内に挟み込まれてい
る。なお、便宜上、この板ばね48において割りピン5
6と一方の固定ビス52との間の部分を第1の部分48
aと称し、割りピン56と他方の固定ビス54との間の
部分を第2の部分48bと称する。
【0032】この板ばね48は、常磁性体よりなる薄い
金属板によって形成されている。この板ばね48の材料
としては、例えばゼンマイによく用いられる炭素工具鋼
帯鋼、即ちJISにおいて「SK材」と称される縦弾性
係数220×103 N/mmの材料等があげられる。
本実施例では、板ばね48は支持部材と連結部材とを兼
用している。
【0033】この板ばね48には、図3に示すようにく
びれ部58が形成されている。この結果、板ばね48の
幅方向の寸法は均一ではなく、図中右側のほうが左側よ
りも広くなっている。又、板ばね48には、矩形穴部6
0が形成されている。
【0034】この矩形穴部60には、モールド形成され
たミラーホルダ62の一部が入り込んでいる。このミラ
ーホルダ62は、図2に示すように割りピン56によっ
て板ばね48に連結されている。このミラーホルダ62
は、走査要素であるスキャニングミラー(以下、単にミ
ラーと称する)64を保持している。このミラー64は
モールドによって緩やかに湾曲して形成されており、表
面は曲面68となっている。このミラー64のほぼ中央
部には、凹部70が形成されている。この凹部70の底
面は平面72となっている。曲面68及び平面72は、
アルミ蒸着されて鏡の役目を果している。
【0035】保持部材38には第1及び第2の長穴7
4,76を夫々有する第1及び第2の調節板78,80
を介して電磁石82が取り付けられている。電磁石82
は鉄心84及びコイル86を有している。この鉄心84
は、割りピン56と一方の固定ビス52と間に配置され
ており、この間での板ばね48の部分、即ち第1の部分
48aに近接している。この鉄心84と板ばね48との
間隔が最適となるように、即ち、鉄心84が板ばね48
を効率よく吸引するように、電磁石82は位置調節が可
能となっている。電磁石82の位置調節は、図2中のA
方向においては第1の調節板78の第1の長穴74の適
当なところでビス88を締めて行い、B方向においては
第2の調節板80の第2の長穴76を締めるビス90で
行う。なお、電磁石82の吸引力を乱さないために、第
1及び第2の調節板78,80は非磁性材料よりなって
いる。
【0036】図1に示すトリガースイッチ12がオンさ
れたときには、基板24に実装された駆動パルス生成回
路92(図4参照)により生成される単相の駆動パルス
が電磁石82に供給される。
【0037】この駆動パルス生成回路92によるパルス
を、図5の(A)に示す。駆動パルス94の周波数は、
板ばね48のばね定数kと、ミラー64やミラーホルダ
62などの、板ばね48によって支持された部材(以
下、「回動部材」と称する)の慣性モーメントIとで定
まる共振周波数と一致していることが望ましい。この共
振周波数は、“1/2π(k/I)1/2”によって与
えられる。“k”は板ばね48のばね定数、“I”は回
動部材の慣性モーメントである。この様に構成された本
実施例のスキャナの走査機構の作用を説明する。
【0038】トリガースイッチ12を押すと、スキャン
ユニット20は復号モジュール16から電気ケーブル1
4を介して通電される。すると、可視半導体レーザ32
が発光する。この可視半導体レーザ32の発光時の発熱
は、放熱板34によって放熱される。
【0039】光学系36は前述のレーザ光が所定のビー
ム形状となるようにこのレーザ光を変換する。このビー
ム形状の微調整は、光学系36内のレンズと可視半導体
レーザ32との間隔を変えることによって行われる。光
学システム26は、光学系36から射出されたレーザ光
がミラー64の平面72に当たるように位置調節されて
おり、レーザ光は平面72によって反射される。この反
射レーザ光は、ミラー64の回動によってバーコードを
線状に走査する。このミラー64の回動の動作の詳細は
後述する。
【0040】バーコードからの散乱反射光は往路と同様
にウィンドウ6を通り、回動するミラー64の曲面68
に当たる。曲面68に当たった光は曲面68によって反
射・集光され、光学システム26内のフォトダイオード
に入射し、光電変換される。この光電変換によって、バ
ーコードからの散乱反射光の強弱はアナログ信号で得ら
れる。このアナログ信号は復号モジュール16でA/D
変換され、バーコードの情報が読み取られる。
【0041】スキャナ2外部のホスト装置18は、主と
してデータ記憶装置として機能し、その後の処理のため
に復号モジュール16が生成したバーコードデータを記
憶する。ミラー64の回動動作の詳細を以下に説明す
る。
【0042】スキャンユニット20に通電がなされ、可
視半導体レーザ32が発光すると、この発光と同時にコ
イル86には図4に示す駆動パルス生成回路92から図
5の(A)に示す矩形波の駆動電流が供給される。この
矩形波電流が(+VB )の状態では電磁石82は励磁さ
れ、鉄心84は、常磁性体の板ばね48を割りピン56
と一方の固定ビス52との間で直接吸引する。この吸引
によって、板ばね48の第1の部分48aは凹型に湾曲
変形する。この湾曲変形は、割りピン56およびミラー
ホルダ62を介して、ミラー64を矢印Cで示すように
回動させる。又、板ばね48の両端部は固定ビス52,
54によって拘束されているため、板ばね48の第1の
部分48aの凹型の湾曲変形は、第2の部分48bを凸
型に湾曲変形させる。換言すれば、板ばね48は、その
折曲部を中心として、第1の部分48aと第2の部分4
8bとで対称的に変形する。
【0043】矩形波電流オフ(0)の状態では、電磁石
82は吸引力を失い、板ばね48は蓄積したエネルギー
を解放するのでミラー64は基準位置を通り過ぎ、減衰
しながら元の位置に近付いてくる。このような振動の間
に、板ばね48の両端は交互に凹型と凸型とになる。言
い換えれば板ばね48は電磁石82の吸引方向とは逆の
位置で最大変位となり、再び電磁石82に近接してく
る。この近接時に同調させ、再び矩形波電流をオンにす
ると、ミラー64の回動は効率よく減衰せずに続くこと
になる。即ち、駆動パルスの周波数は、1/2π(k/
I)1/2 (k;板ばね48のばね定数、I;回動部材の
慣性モーメント)の共振周波数から選ぶことが好ましい
訳である。
【0044】なお、板ばね48と電磁石82との間の位
置調節(ギャップ調節)は、上式の駆動パルスを電磁石
に加えておき、最も回動角度が大きくなる共振位置で、
緩めていたビス88を固定することにより行う。
【0045】本実施例のスキャナの走査機構の効果を見
るために、厚さ0.05mmで板ばね48を作成して実
験を行ったところ、約54Hzで回動角度が約25度の
スキャン性能を得た。励磁パルスとしてはピーク電圧
2.4Vで54Hz、デューティー比50%の矩形波電
流を流したところ、消費電流は約15mAであった。電
磁石の発熱は消費電流が低いのと間欠の通電波形である
ことからほとんど問題ないレベルであった。また、市販
のステッピングモータを用いたバーコードスキャナのス
キャンユニットに置き換えてみたところ、問題なくバー
コードの読み取りが出来た。本実施例特有の効果を以下
に述べる。
【0046】走査要素の支持部材と連結部材とを兼用し
た板ばね48は、材質が玩具のゼンマイにも用いられる
SK材であり、入手性が良く安価で加工性に優れ、電磁
石82が吸引する常磁性体の吸引片の機能をも板ばね4
8自体に兼ね備えさせたため、部品点数の削減によるコ
ストダウンと信頼性の向上をはかることが出来る。な
お、板ばね48は本実施例のように必ずしも常磁性体で
ある必要はなく、マイラーなどのプラスチックシートや
リン青銅板などの非磁性体で製作し、鉄心84の吸引片
を非磁性体に張り付けるようにしても良い。
【0047】また、本実施例の効果の一つとしては板ば
ね48と電磁石82の間のギャップ調整機構を設けてあ
るので、このギャップを調整することによって、スキャ
ン角度の調整や最適化が出来る点が挙げられる。
【0048】なお、本実施例では一定振幅の矩形波電流
で電磁石82を励磁しているが、目的とする性能が得ら
れれば、正弦波や三角波などの何等かの励磁パルスで良
いことはいうまでもない。例えば、本実施例の駆動波形
(図5の(A)参照)では鉄心84に常に一方向の磁界
が作用し、長時間の使用を重ねると、鉄心84が磁化さ
れたり残留磁束を生じたりして、スキャン性能が劣化す
る可能性がある。
【0049】この対策としては、電磁石82に流す電流
の波形を、図5の(B)に示すように複振幅を持つ間欠
的な矩形波の駆動波形とすること等が考えられる。この
様な波形にすれば、板ばね48の吸引時の電磁石82内
の磁束は一つのパルス内で反転されるので、磁化方向や
残留磁束は常に相殺される。
【0050】又、電磁石82に流す電流の波形を不連続
であり振幅が可変である励磁パルスとし、ホール素子や
フォトインタラプタなどのミラー64の位置センサを設
けてミラー64の位置を検出し、これに応じた可変の励
磁パルスで電磁石82を励磁しても良い。この駆動方式
であれば、さらに低消費電力化が可能になる。次に図6
および図7を参照して第2実施例を説明する。なお、第
1実施例と同一な部分は説明を省略し、異なる部分のみ
を説明する。
【0051】図6に示すように、走査要素であるミラー
96はプラスチックシートを素材とし、真空形成法にて
製作したもので曲面98と平面100とが形成してあ
る。この曲面98と平面100とには、光源である可視
半導体レーザ32(図2に図示)の波長に対して反射率
の高い金の蒸着が施してあり、反射面となっている。
【0052】ミラー96の裏面には樹脂性のコマ102
が接着されている。このコマ102には、垂直方向に延
出した図示しない貫通穴が形成されており、この貫通穴
には、支持部材である樹脂性のトーションバー104が
圧入されている。トーションバー104の下端はフラン
ジになっており、基板24に固定されている。このトー
ションバー104の上端には、図7に示すタップ穴10
6が形成されており、このタップ穴106には、基板2
4に固定された地板108を介して小ねじ110が捩じ
込まれている。
【0053】コマ102の下面には、連結部材であるレ
バー112の基端部が接続されている。レバー112の
先端部には、常磁性体金属の吸着部114が設けられて
いる。この吸着部114は、鉄心116を有する電磁石
118が向き合っている。
【0054】バーコードの走査時には、基板24に固定
されている電磁石118に基板24の駆動回路から第1
実施例と同様な励磁パルス(図5の(A)参照)を有す
る電流が供給されるようになっている。この他の構成
は、第1実施例と同様である。このように構成された第
2実施例の作用を以下に説明する。
【0055】励磁パルスが基板24の回路から電磁石1
18に流れると、電磁石118の鉄心116には電磁力
が生じる。この電磁力によってレバー112の吸着部1
14が吸引されると、トーションバー104の捩じり弾
性力に反してミラー96が回転する。励磁パルスがオフ
になると、電磁石118は電磁力を失い、トーションバ
ー104は蓄積したエネルギーを解放し、吸引方向と逆
の捩じり方向に回転する。この後、再び吸引方向に向か
ってレバー112が回転し、吸着部114が電磁石11
8に接近する。この電磁石118に対する吸着部114
の接近に同調させ、再び励磁パルスをオンにすると、ミ
ラー96の回動は効率良く、減衰せずに続くことにな
る。
【0056】以上の通りに励磁パルスのオンとオフの繰
り返しでミラーの回動を行う。このとき、効率的な回動
にするためには、第1実施例のように励磁パルスの周波
数を1/2π(k/I)1/2 の共振周波数から選ぶこと
が好ましい。この式から、ばね定数kや回動部材の慣性
モーメントIを変えることができれば、駆動励磁パルス
に対してスキャンユニットの最適な調節ができることが
分る。
【0057】本実施例では、小ねじ110を捩じ込むと
地板108と基板24との間でのトーションバー104
のテンションは増し、小ねじ110を緩めると、テンシ
ョンは減るようになっており、小ねじ110の調節によ
ってばね定数が変えられるようになっている。本実施例
によれば、以下に記す効果を奏することができる。
【0058】支持部材であるトーションバー104は、
第1実施例の板ばね48のようにスペースを必要としな
いので小形化に有利である。また、板ばね48と比較し
て形状がシンプルであるので製作しやすい。
【0059】また、本実施例では小ねじ110によるテ
ンションの調節によって、トーションバー104のばね
定数kが変えられるので一定の駆動励磁パルスに対し
て、スキャンユニットの回動特性を最適にするように調
節ができる。したがって、この調節で製品の走査性能を
ばらつきを少なくすることが可能で、製品の品質が向上
する。
【0060】本発明では上記2つの実施例に限定される
ことなく、様々な実施例・変形例が可能である。例え
ば、2つの実施例においては、駆動アクチュエータとし
て電磁石を用いているが、その他のアクチュエータ、例
えば、圧電素子やエアーシリンダ、ソレノイドなどのア
クチュエータを用いることも可能である。
【0061】
【発明の効果】本発明は従来例のようにモータの回転シ
ャフトに反射鏡を取り付ける構成ではなく、シャフトと
駆動手段の高さ方向の寸法が大きくならないレイアウト
であるので、高さ方向の寸法を小さくしてスキャナの小
型化を計れる。また、本発明では永久磁石を用いておら
ず、さらに回動角度を規制する位置決め部材や高価でか
さばる多面鏡もないので、これらの部品分の小形化が可
能であると共に、部品点数を少なくしたことにより、低
コスト化したスキャナの走査機構を提供することができ
る。
【0062】また、本発明はステッピングモータを用い
た従来例のように複相の駆動パルスを生じさせるような
複雑で高価な駆動回路を必要とせず、単純な単相の駆動
パルス発生回路で良いので、駆動回路が汎用の電子部品
で構成でき、低コスト化したスキャナの走査機構を提供
することができる。
【0063】さらに別の効果としては、スキャンユニッ
ト内の支持部材のばね定数を高くすることにより、共振
周波数を容易に高めることができ、これに対応した単相
の駆動パルス発生回路を比較的簡単に製作できるので高
スキャンレートのスキャナを容易に実現出来る、といっ
た効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による走査機構を有するスキャナの第1
実施例を示す斜視図。
【図2】図1に示すスキャナの走査機構を示す上面図。
【図3】図2に示す走査機構の側面図。
【図4】駆動パルス生成回路を示す回路図。
【図5】図4に示す回路によって生成されるパルスを示
す図であり、(A)は通常の駆動波形を示す図、(B)
は鉄心の磁化対策を考慮した際の駆動波形を示す図。
【図6】本発明によるスキャナの走査機構の第2実施例
を示す斜視図。
【図7】図6に示す走査機構の側面図。
【図8】従来のタッチ式のスキャナを示す斜視図。
【図9】従来のレーザ式のスキャナの走査機構の作用を
説明するための図。
【図10】多面鏡を用いた従来のスキャナの走査機構を
示す斜視図。
【図11】一面鏡を用いた従来のスキャナの走査機構を
示す断面図。
【図12】偏平形状のロータにミラーを取り付けた従来
のスキャナの走査機構を示す断面図。
【図13】ロータを構成するハウジングにミラーを取り
付けた従来のスキャナの走査機構を示す断面図。
【図14】図13に示す走査機構を示す別の断面図。
【符号の説明】
2…スキャナ、20…スキャンユニット、26…光学シ
ステム、28…スキャン機構、48…板ばね、56…割
りピン、64…ミラー、68…曲面、72…平面、78
…第1の調節板、80…第2の調節板、82…電磁石、
84…鉄心、86…コイル、92…駆動パルス生成回
路、94…駆動パルス。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離れた位置にある光学的記号を横切って
    光ビームで走査することにより前記光学的記号を読み取
    るスキャナにおいて、光ビームが光学的記号を走査する
    ように光ビームを変位させる走査要素と、この走査要素
    を回動可能に支持する弾性体よりなる支持部材と、前記
    走査要素に連結された連結部材と、この連結部材を変位
    させるように連結部材上に力を作用させることによっ
    て、前記走査要素を回動させるアクチュエータと、を具
    備し、前記走査要素の回動中心と、前記アクチュエータ
    による前記連結要素上の力の作用点とが異なっているこ
    とを特徴とするスキャナの走査機構。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータは、交流的な単相の
    波形を有するパルスによって駆動されることを特徴とす
    る請求項1に記載のスキャナの走査機構。
JP4289843A 1992-10-28 1992-10-28 スキャナの走査機構 Pending JPH06139386A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6969005B2 (en) 2002-04-23 2005-11-29 Keyence Corporation Optical unit for optical symbol reader
US6989919B2 (en) 2003-05-29 2006-01-24 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Scanning apparatus
WO2011040492A1 (ja) * 2009-09-29 2011-04-07 株式会社オプトエレクトロニクス 光学的情報読取装置

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