JPH06137618A - 複数の蓄熱槽と中央の熱源装置とを接続する冷暖房システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】熱交換器を不要とすることにより、スペースを
低減させるとともに、熱源装置の運転効率を向上させ
る。 【構成】建物負荷１ごとに蓄熱流体が循環、供給される
蓄熱槽２と、各蓄熱槽２内に供給管７および戻り管８を
経て冷水または温水を供給する熱源装置６と、蓄熱槽２
の内部に設けられ蓄熱槽２の高さより低い堰部１２と、
前記蓄熱槽２と供給管７との間に設けられる圧力保持兼
流量調整弁１３と、堰部１２をオーバーフローした冷水
または温水を戻り管８に戻すポンプ１４とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物負荷ごとに蓄熱槽
を有し、該蓄熱槽を複数連結して中央の熱源装置から冷
熱または温熱を供給する冷暖房システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】図２は従来の地域冷暖房システムの例を
示す構成図である。建物負荷１ごとに蓄熱槽２（サブプ
ラント１、２）を有し、蓄熱槽２内の流体はポンプ３、
配管４、５により建物負荷１に循環、供給される。中央
の熱源装置６（メインプラント）は、冷凍機、ヒートポ
ンプまたは温水ボイラー等からなり、冷水または温水を
供給管７および戻り管８を経て地域冷暖房用に供給可能
にしている。各建物負荷１には、熱源装置６からの冷水
または温水と蓄熱槽２内の流体とを熱交換させる熱交換
器９が設置され、供給管７の冷水または温水は、熱交換
器９、流量温度調整弁１０を経て戻り管８に供給され、
蓄熱槽２内の流体はポンプ１１により熱交換器９を通っ
て循環される。そして、夜間蓄熱時に熱源装置６で製造
した冷水または温水の熱を熱交換器９を介して蓄熱槽２
に蓄熱しておき、昼間時に蓄熱槽２の冷熱または温熱を
建物負荷１に供給するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の地域冷暖房システムにおいては、開放回路で接続し
た供給管７と戻り管８の流量バランスが難しく、蓄熱槽
２において渇水や溢水等の事故につながる可能性があ
り、各蓄熱槽２ごとに熱交換器９を設けるのが一般的で
あるが、スペースおよびコストの増大を招くという問題
を有している。また、夜間蓄熱時、熱源装置６側の供給
管７内の温度を冷水の場合で４℃程度に下げなければ、
蓄熱槽２側において目的とする７℃の冷水が得られず、
熱源装置の運転効率が大幅に低下するという問題を有し
ている。

【０００４】本発明は、上記問題を解決するものであっ
て、熱交換器を不要とすることにより、スペースを低減
させるとともに、熱源装置の運転効率を向上させること
ができる複数の蓄熱槽と中央の熱源装置とを接続する冷
暖房システムを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の複数の蓄熱槽と中央の熱源装置とを接続す
る冷暖房システムは、建物負荷１ごとに蓄熱流体が循
環、供給される蓄熱槽２と、各蓄熱槽２内に供給管７お
よび戻り管８を経て冷水または温水を供給する熱源装置
６と、蓄熱槽２の内部に設けられ蓄熱槽２の高さより低
い堰部１２と、前記蓄熱槽２と供給管７との間に設けら
れる圧力保持兼流量調整弁１３と、堰部１２をオーバー
フローした冷水または温水を戻り管８に戻すポンプ１４
とを備えることを特徴とする。なお、上記構成に付加し
た番号は、図面と対比させるものであり、これにより本
発明の構成が何ら限定されるものではない。

【０００６】

【作用】本発明においては、夜間蓄熱時に熱源装置６で
製造された冷水は、圧力保持兼流量調整弁１３を通って
直接、蓄熱槽２内へ落とされ、冷水により蓄熱槽２内の
水位が上昇し、堰部１２をオーバーフローした冷水をポ
ンプ１４で汲み上げて戻り管８に戻すようにし、蓄熱槽
２内の水位を安定させるようにし、この方式をとること
により、常に各蓄熱槽２内の水量を安定させ渇水や溢水
事故を防止することができる。

【０００７】

【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照しつつ説明
する。図１は本発明の複数の蓄熱槽と中央の熱源装置と
を接続する冷暖房システムの１実施例を示す構成図であ
る。なお、図では冷水供給の場合を示しているが、温水
供給の場合にも適用可能である。まら、図で示す水温は
参考値である。

【０００８】本発明の冷暖房システムは、各建物負荷１
ごとに蓄熱槽２（サブプラント１、２）を有し、各蓄熱
槽２内の流体はポンプ３、配管４、５により建物負荷１
に循環、供給される。地域冷暖房等において中央に設置
される熱源装置６（メインプラント）は、冷凍機、ヒー
トポンプまたは温水ボイラー等からなり、冷水または温
水を供給管７および戻り管８を経て各建物負荷１ごとの
複数の蓄熱槽２に供給可能にしている。

【０００９】各蓄熱槽２の内部には、蓄熱槽２の高さよ
り低い堰部１２が設けられ、蓄熱槽２と供給管７は圧力
保持兼流量調整弁１３を介して接続される。また、蓄熱
槽２内で堰部１２の外部には、ポンプ１４が配設され戻
り管８に接続される。

【００１０】上記構成からなる本発明の作用を冷水供給
の場合について説明する。夜間蓄熱時に熱源装置６で製
造された冷水は、圧力保持兼流量調整弁１３を通って直
接、蓄熱槽２内へ落とされ、冷水により蓄熱槽２内の水
位が上昇し、堰部１２をオーバーフローした冷水をポン
プ１４で汲み上げて戻り管８に戻すようにし、蓄熱槽２
内の水位を安定させるようにしている。従って、従来の
ように熱交換器が不要となるため、図２の従来の場合と
比較して、中央の熱源装置６においては例えば、７℃程
度の冷水を製造すれば良く熱源装置の運転効率を向上さ
せることができ、また、スペースを低減させることがで
きる。また、常に各蓄熱槽内の水量を安定させ渇水や溢
水事故を防止することができる。

【００１１】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、建物負荷ごとに蓄熱流体が循環、供給される蓄
熱槽と、各蓄熱槽内に供給管および戻り管を経て冷水ま
たは温水を供給する熱源装置と、前記蓄熱槽の内部に設
けられ蓄熱槽の高さより低い堰部と、前記蓄熱槽と前記
供給管との間に設けられる圧力保持兼流量調整弁と、前
記堰部をオーバーフローした冷水または温水を前記戻り
管に戻すポンプとを備えるため、熱交換器を不要とする
ことにより、スペースを低減させるとともに、熱源装置
の運転効率を向上させることができる。また、常に各蓄
熱槽内の水量を安定させ渇水や溢水事故を防止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の蓄熱槽を有する地域冷暖房システムの
１実施例を示す構成図である。

【図２】従来の地域冷暖房システムの例を示す構成図で
ある。

【符号の説明】

１…建物負荷、２…蓄熱槽、３…ポンプ、６…熱源装
置、７…供給管 ８…戻り管、１２…堰部、１３…圧力保持兼流量調整
弁、１４…ポンプ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】建物負荷ごとに蓄熱流体が循環、供給され
   る蓄熱槽と、各蓄熱槽内に供給管および戻り管を経て冷
   水または温水を供給する中央の熱源装置と、前記蓄熱槽
   の内部に設けられ蓄熱槽の高さより低い堰部と、前記蓄
   熱槽と前記供給管との間に設けられる圧力保持兼流量調
   整弁と、前記堰部をオーバーフローした冷水または温水
   を前記戻り管に戻すポンプとを備えることを特徴とする
   複数の蓄熱槽と中央の熱源装置とを接続する冷暖房シス
   テム。