JPH06135897A - アルキル−β−(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートの製法 - Google Patents

アルキル−β−(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートの製法

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JPH06135897A
JPH06135897A JP4288708A JP28870892A JPH06135897A JP H06135897 A JPH06135897 A JP H06135897A JP 4288708 A JP4288708 A JP 4288708A JP 28870892 A JP28870892 A JP 28870892A JP H06135897 A JPH06135897 A JP H06135897A
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hydroxyphenyl
propionate
dialkyl
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hydroxide
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Katsuji Takahashi
勝治 高橋
Misao Uohama
操 魚浜
Koichi Nakamura
公一 中村
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 メチル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネートに、水酸化リチ
ウムの存在下、オクタデシルアルコールを反応させエス
テル交換反応を行なう。 【効果】 精製物の着色を招くことなく、かつ、触媒の
分離が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン等の酸
化防止剤として広く利用されているアルキル−β−
(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネートの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、低級アルキル基で置換された
アルキル−β−(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネートと高級アルコールとを、触媒
の存在下、エステル交換反応させる方法が知られてお
り、例えば、特開平1−316346号公報には、触媒
として有機錫化合物を用いる方法が挙げられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記有
機錫化合物を触媒として用いる方法は、生成物の着色を
招く他、触媒の分離が困難で、分離するには触媒を蓚酸
等で分解し、次いで抽出するという煩雑な工程が必要で
あり、また反応時間も長いものであった。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、反応終
了後の触媒の分離が容易で、生成物の着色がなく、かつ
反応時間も短くなるアルキル−β−(3,5−ジアルキ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートの製法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオン酸の低級アルキルエステル、高級
アルコールと、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属
の水酸化物またはアルカリ金属若しくはアルカリ土類金
属の炭酸塩(A)の存在下にエステル交換反応させるこ
とによって、上記課題を解決できることを見い出し本発
明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、(3,5−ジアルキル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の低級アルキル
エステルと、高級アルコールとを、アルカリ金属若しく
はアルカリ土類金属の水酸化物またはアルカリ金属若し
くはアルカリ土類金属の炭酸塩(A)の存在下にエステ
ル交換させることを特徴とするアルキル−β−(3,5
−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネ
ートの製法に関する。
【0007】本発明で用いる(3,5−ジアルキル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の低級アルキルエ
ステルとは特に限定されるものではないが、特に限定さ
れるものではないが、例えば次の一般式(1)で表わさ
れるものが挙げられる。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、R1 は炭素原子数3または4の分
岐状アルキル基、R2 は炭素原子数1〜4の直鎖または
分岐状のアルキル基を示す。)で表わされるものが挙げ
られる。
【0010】その具体例としては、メチル−β−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート、エチル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n−プロピル
−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、i−プロピル−β−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、n−ブチル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、t−ブチル−
β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、メチル−β−(3,5−ジ−i−
プロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
エチル−β−(3,5−ジ−i−プロピル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート、メチル−β−(3,5
−ジ−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート、エチル−β−(3,5−ジ−sec−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げ
られ、中でもメチル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが収率に優れ
る点と、得られた最終精製物の酸化防止剤としての有用
性から好ましい。
【0011】この様な(3,5−ジアルキル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオン酸の低級アルキルエステル
の製法としては、特に限定されるものではないが、次の
方法によって得られるものが、原料からの一貫した製法
が可能となり好ましい。
【0012】即ち、先ず2,6−ジアルキルフェノール
とアルキルアクリレートとを塩基性触媒(B)の存在下
に反応させる。ここで用いる2,6−ジアルキルフェノ
ールとしては、2,6−ジアルキルフェノールのアルキ
ル基として、炭素数3または4個の分岐状アルキル基
(i-プロピル基、sec−ブチル基、t-ブチル基等)
であるものが挙げられ、1分子中の2つのアルキル基は
同一または異なっていてもよいが、特に2,6−ジ−t
−ブチルフェノールが収率に優れる点と、得られた最終
精製物の酸化防止剤としての有用性から好ましい。
【0013】用いるアルキルアクリレートとしては、直
鎖状または分岐状アルキル基(メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等)を有するものが挙げられる。上
述した塩基性化合物(B)としては、特に限定されるも
のではないが、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸カルシウムおよび炭酸バリウム等のアルカリ金属若し
くはアルカリ土類金属の水酸化物またはアルカリ金属若
しくはアルカリ土類金属の炭酸塩またはナトリウムメト
キシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のア
ルコラ−トが挙げられるが、中でも収率が高い点からア
ルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物または
アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩が好ま
しく、更に収率が一層高い点から水酸化カリウムが好ま
しい。
【0014】この反応の反応条件は、特に限定されるも
のではなく、例えば2,6−ジアルキルフェノールと塩
基性触媒(B)とを、2,6−ジアルキルフェノール1
モル に対して塩基性触媒(B)が0.001〜0.1
モルとなる範囲で反応させ、生成水を除去した後、アル
キルアクリレートを、2,6-ジアルキルフェノール1モ
ルに対して1モルより大きくなる範囲で反応させる方法
等が挙げられる。
【0015】中でも、2,6−ジアルキルフェノールと
塩基性触媒(B)とを、2,6−ジアルキルフェノール
1モルに対して塩基性触媒(B)が0.015〜0.0
5モルなる範囲、更に好ましくは0.015〜0.03
モルとなる範囲で反応せしめ、生成水を除去した後、ア
ルキルアクリレートを、2,6-ジアルキルフェノール1
モルに対して1.0〜1.5モルの範囲で連続的に供給
して反応させる方法が反応液中の(3,5−ジアルキル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の低級アルキ
ルエステルの純度の高い反応液が得られ、しかも該反応
に費やす時間が短くなる点から好ましい。
【0016】また、この該反応液の製造工程において、
生成水を除外する方法としては、反応系に有機溶剤を
存在させて共沸によって生成水を除外する方法、及び
系内を減圧状態にして生成水を留去する方法が挙げられ
るが、の方法では逐次系内に水を添加する煩わしさが
あることからの方法が好ましい。の方法は具体的に
は90〜100℃、20〜50mmHgの減圧下で攪拌
し、生成水を系外に除外する方法が挙げられる。
【0017】アルキルアクリレートは1〜5時間、好ま
しくは、2〜4時間かけて連続的に供給することが副生
成物を抑制する上でも、製造上の安全性の面でもよい。
反応時間は原料のモル比、触媒の種類、反応温度等によ
って変わるが、一般には、アクリルアクリレートの滴下
時間を含めて4〜8時間で反応が完了する。
【0018】反応温度は、室温から約200℃までの範
囲から選択されるが、反応の進行を促進するためには1
00〜150℃の範囲が好適である。
【0019】本発明においては、特に上記の方法によっ
て(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオン酸の低級アルキルエステル(以下、「プロピオ
ン酸エステル」と略記する)を製造した場合には、この
プロピオン酸エステルを含有する反応液は精製する必要
はなく、そのまま本発明の製法に供することができる。
即ち、当該反応液中には、当然、2,6−ジアルキルフ
ェノールとアルキルアクリレートとの反応に触媒として
用いた塩基性化合物(B)を含んでいるが、該塩基性化
合物(B)は中和することなく、また、プロピオン酸エ
ステルを単離精製することなく次工程のエステル交換反
応を行なうことができるのである。
【0020】次に、上述したプロピオン酸エステルとエ
ステル交換反応せしめる高級アルコールとしては特に限
定されるものではないが、飽和もしくは不飽和の高級ア
ルコールであり、例えば、n−ドデシルアルコール、n
−テトラデシルアルコール、n−ヘキサデシルアルコー
ル、n−オクタデシルアルコール、オレイルアルコール
等が挙げられる。中でもn−オクタデシルアルコールが
工業上の有用性から特に好ましい。
【0021】また、エステル交換反応で用いるアルカリ
金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物またはアルカ
リ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩(A)(以
下、アルカリ触媒(A)という)としては、例えば水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムおよび炭酸バ
リウム等が挙げられ、なかでも収率が高い点で水酸化物
が好ましく、特に水酸化リチウムがその収率が著しく優
れる点から好ましい。
【0022】該エステル交換反応において、プロピオン
酸エステルと高級アルコールとの使用割合は、通常、高
級アルコールの使用量とプロピオン酸エステルの量が化
学量論量となる範囲、または高級アルコールの化学量論
量より反応液中のプロピオン酸エステルの量が過剰量と
なる範囲であるが、中でも再結晶等の反応終了後の生成
物の精製時において、未反応プロピオン酸エステルの混
入を少なくできる点で、高級アルコール1モルに対して
プロピオン酸エステルが1.5〜1.0モルとなる範囲
が好ましい。
【0023】このエステル交換反応におけるアルカリ触
媒(A)の使用量は、通常、原料の高級アルコール1モ
ルに対してアルカリ触媒(A)が0.01〜0.5モル
となる範囲であり、中でも反応の進行を速く出来る点か
ら、高級アルコール1モルに対してアルカリ触媒が0.
05〜0.3となる範囲が好ましい。
【0024】尚、プロンピオン酸エステルとして、上記
の製法によって得られた反応液を用いた場合、アルカリ
触媒(A)として塩基性触媒(B)と同一の化合物を使
用した場合であっても上記アルカリ触媒(A)の使用量
には塩基性触媒(B)の残存量は算入しない。
【0025】本発明で行なうエステル交換反応は、平衡
反応であり、生成するアルコールを系外に取り出すこと
によって反応の進行が容易になる。従って、反応温度
は、生成するアルコールの沸点以上の温度である100
〜300℃の範囲が好ましい。
【0026】反応は大気圧下で行ってもよいが、アルコ
ールの留出を容易にするため、及び副反応の発生を押さ
える為に比較的低温で、かつ、減圧下で実施することが
好ましく、具体的には20〜100mmHgで100〜
200℃の範囲が挙げられる。
【0027】反応に要する時間は、反応温度、触媒量等
によって異なるが、通常1〜3時間と極めて短時間で終
了する。反応溶媒は、特に用いなくともよいが、必要に
応じて、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン等の高沸点の極性溶媒を用いて反応を実
施してもよい。
【0028】反応終了後、生成物は濾過によって、極め
て簡単にアルカリ触媒(A)と分離することができる。
また、次いで再結晶によって精製して製品とするが、本
発明においてはこの再結晶も極めて容易に行なうことが
できる。
【0029】
【実施例】以下、本発明について、実施例を用いて具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限
されるものではない。
【0030】実施例1 2,6−ジ−t−ブチルフェノール107g(0.52
モル)及び水酸化カリウム0.84g(0.015モ
ル)を500mlのフラスコに入れ、攪拌下90℃に加
熱し、系内を30〜50mmHgの減圧状態で、30分
間保持して生成した水を系外に留去させた。次いで、常
圧にして130℃でメチルアクリレート54g(0.6
3モル)を2時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間
攪拌を続けて反応させ、メチル−β−(3,3−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(0.50モル)を含む反応液を得た。
【0031】この反応液に、n−オクタデシルアルコー
ル138g(0.5モル)及び水酸化リチウム0.37
g(0.135モル)を加え、攪拌下160℃に加熱
し、系内を20〜30mmHgの減圧状態で1時間保持
して、水と生成したメタノールを留去し、2時間攪拌を
続けて反応させた。
【0032】100℃に冷却後、濾過して触媒である水
酸化リチウムを分離し、n−オクタデシル−β−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネートを含む反応液293gを得た。ここで触媒であ
る水酸化リチウムはこの1回の濾過で完全に濾別でき
た。
【0033】液体クロマトグラフィ−による分析の結
果、生成物中のn−オクタデシル−β−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
252gを含有しており、オクタデシルアルコールに対
して、95.0モル%の生成率であった。また、得られ
た生成物は無色であった。
【0034】次いで生成物に対して重量基準で2倍量の
95%イソプロピルアルコール(イソプロピルアルコー
ル95重量部と水5重量部との混合液)を用いて再結晶
を行なった得られた精製物の再結晶工程での収率は9
4.5モル%、全工程での収率は89.8モル%であっ
た。
【0035】実施例2 メチル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート146g(0.5モル)、
n−オクタデシルアルコール135g(0.5モル)を
500mlのフラスコに入れ、攪拌下70゜Cに加熱溶解
した後、さらに水酸化リチウム0.36(0.015モ
ル)加え、160゜Cに加熱、系内を50mmHgの減圧
下で生成するメタノールを系外へ留出させながら2時間
攪拌を続けて反応させた。
【0036】反応液は100゜Cに冷却後、濾過して触媒
である水酸化リチウムを分離し、n−オクタデシル−β
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネートを含む反応液267gを得た。ここ
で触媒である水酸化リチウムはこの1回の濾過で完全に
濾別できた。
【0037】液体クロマトグラフィ−による分析の結
果、生成物中のn−オクタデシル−β−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
252gを含有しており、オクタデシルアルコールに対
して、95.0モル%の生成率であった。また、得られ
た生成物は無色であった。
【0038】次いで実施例1と同様にして、生成物に対
して重量基準で2倍量の95%イソプロピルアルコール
(イソプロピルアルコール95重量部と水5重量部との
混合液)を用いて再結晶を行なった得られた精製物の再
結晶工程での収率は95.0モル%、全工程での収率は
90.3モル%であった。
【0039】実施例3 実施例1の方法において、n−オクタデシルアルコール
の代わりにn−ドデカノール94g(0.5モル)を用
いて同様に反応を行い、濾過して触媒であ水酸化リチウ
ムを分離しn−ドデシル−β−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを含む反
応液226gを得た。また、触媒である水酸化リチウム
は1回の濾過で完全に濾別できた。
【0040】液体クロマトグラフィ−による分析の結
果、生成物中のn−ドデシル−β−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート20
8gを含有しており、ドデシルアルコールに対して9
3.0モル%であった。また、得られた生成物は無色で
あった。
【0041】次いで実施例1と同様にして、生成物に対
して重量基準で2倍量の95%イソプロピルアルコール
(イソプロピルアルコール95重量部と水5重量部との
混合液)を用いて再結晶を行なった得られた精製物の再
結晶工程での収率は96.5モル%、全工程での収率は
89.7モル%であった。
【0042】実施例4 水酸化リチウムの代わりに、同じモル数の水酸化カルシ
ウムを用いた以外は実施例1と同様にして反応を行な
い、終了後濾過してn−オクタデシル−β−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ートを含む生成物を得た。尚、触媒として用いた水酸化
カルシウムは1回の濾過で完全に濾別でき、また、得ら
れた生成物は無色であった。
【0043】実施例5 水酸化リチウムの代わりに、同じモル数の炭酸リチウム
を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行ない、終
了後濾過してn−オクタデシル−β−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを
含む生成物を得た。尚、触媒として用いた炭酸リチウム
は1回の濾過で完全に濾別でき、また、得られた生成物
は無色であった。
【0044】実施例6 水酸化リチウムの代わりに、同じモル数の炭酸カルシウ
ムを用いた以外は実施例1と同様にして反応を行ない、
終了後濾過してn−オクタデシル−β−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
を含む生成物を得た。尚、触媒として用いた炭酸カルシ
ウムは1回の濾過で完全に濾別でき、また、得られた生
成物は無色であった。
【0045】比較例1 メチル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート210g(0.72モ
ル)、n−オクタデシルアルコール150g(0.55
モル)及びモノブチル錫トリウレート0.1gを500
mlのフラスコに入れ、185〜190℃で1時間、2
0mmHgの減圧下に加熱し、生成するメタノールを留
去した。引き続き3〜1mmHgの減圧下に185〜1
90℃で7時間加熱し、さらにメタノールを留去後、常
圧に戻し反応を終了した。
【0046】液体クロマトグラフィ−による分析の結
果、生成物中のn−オクタデシル−β−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
を271.3g含有しており、オクタデシルアルコール
に対して92.0モル%であった。また、得られた生成
物は殆ど黒であった。
【0047】次いで実施例1と同様にして、生成物に対
して重量基準で2倍量の95%イソプロピルアルコール
(イソプロピルアルコール95重量部と水5重量部との
混合液)を用いて再結晶を行なったが、得られた精製物
中にはモノブチル錫トリウレート0.01gに相当する
錫イオンが含まれていた。そこで精製物を更に蓚酸で処
理してモノブチル錫トリウレートを分離した。得られた
精製物の再結晶工程での収率は90.5モル%、全工程
での収率は83.3モル%であった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、生成物の着色を招くこ
とがなく、かつ、触媒の分離が容易であり、しかも生成
物の生成が容易で反応時間も短いアルキル−β−(3,
5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ートの製法を提供することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシ
    フェニル)プロピオン酸の低級アルキルエステルと、高
    級アルコールとを、アルカリ金属若しくはアルカリ土類
    金属の水酸化物またはアルカリ金属若しくはアルカリ土
    類金属の炭酸塩(A)の存在下にエステル交換させるこ
    とを特徴とするアルキル−3−(3,5−ジアルキル−
    4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネートの製法。
  2. 【請求項2】 (3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシ
    フェニル)プロピオネートの低級アルキルエステルが、
    2,6−ジアルキルフェノールと低級アルキル基で置換
    されたアルキルアクリレートとを塩基性触媒(B)の存
    在下に反応させたものである請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 低級アルキル基で置換されたアルキルア
    クリレートが、炭素数1〜4の低級アルキル基で置換さ
    れたアクリルアクリレートであって、かつ、高級アルコ
    ールが、炭素数12〜24の高級アルコールである請求
    項2記載の製法。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属
    の水酸化物またはアルカリ金属若しくはアルカリ土類金
    属の炭酸塩(A)が、リチウム化合物である請求項2、
    3または4記載の製法。
  5. 【請求項5】 塩基性触媒(B)が、アルカリ金属若し
    くはアルカリ土類金属の水酸化物若しくはアルカリ金属
    若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩である請求項2、3
    または4記載の製法。
  6. 【請求項6】 アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属
    の水酸化物またはアルカリ金属若しくはアルカリ土類金
    属の炭酸塩(A)が、水酸化リチウムであって、かつ塩
    基性触媒(B)が水酸化カリウムである請求項2、3ま
    たは5記載の製法。
  7. 【請求項7】2,6−ジアルキルフェノールが、2,6
    −ジ−t−ブチルフェノールであって、かつ高級アルコ
    ールがn−オクタデシルアルコールである請求項3記載
    の製法。
JP4288708A 1992-10-27 1992-10-27 アルキル−β−(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートの製法 Pending JPH06135897A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010018548A (ja) * 2008-07-10 2010-01-28 Univ Of Tokyo カルボン酸エステルの製造方法
CN102020562A (zh) * 2010-11-24 2011-04-20 上海华谊(集团)公司 一种采用固体碱催化合成抗氧剂1076的方法
CN108084025A (zh) * 2018-02-06 2018-05-29 武汉材料保护研究所有限公司 一种3-(3,5-二叔丁基-4-羟基苯基)丙酸烷基醇酯的制备方法

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