JPH06135441A - 溶接缶胴とその製造方法 - Google Patents

溶接缶胴とその製造方法

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JPH06135441A
JPH06135441A JP28983892A JP28983892A JPH06135441A JP H06135441 A JPH06135441 A JP H06135441A JP 28983892 A JP28983892 A JP 28983892A JP 28983892 A JP28983892 A JP 28983892A JP H06135441 A JPH06135441 A JP H06135441A
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oxidation treatment
welding
metal
welded
synthetic resin
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Application number
JP28983892A
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English (en)
Inventor
Shunzo Miyazaki
俊三 宮崎
Hideyuki Tamura
秀行 田村
Yasuo Honma
靖雄 本間
Michiya Tamura
道也 田村
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Hokkaican Co Ltd
Original Assignee
Hokkaican Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接接合された金属露出部が確実に補正され
た補正塗膜を備える溶接缶胴とその製造方法を提供する
ことを目的とする。 【構成】 両端縁部に溶接のための金属露出部を存して
少なくとも内面側が合成樹脂フィルム5により被覆され
た缶胴ブランク2を、金属露出部3a,3bで溶接接合
することにより筒状に形成された溶接缶胴1であって、
少なくとも合成樹脂フィルム5の金属露出部3a,3b
に隣接する両端縁部の表面に、酸化処理を施すことによ
って形成された酸化処理部6が設けられ、酸化処理部6
は、溶接接合された金属露出部3a,3bを含んで補正
塗料7による補正塗膜が形成されて被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、缶胴ブランクの両端部
を溶接接合して筒状に形成される溶接缶胴とその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、飲料物等の缶容器として、薄板
状の缶胴ブランクの両端部を溶接して接合することによ
り溶接缶胴を形成し、この溶接缶胴の両端に別途製造さ
れた缶蓋が二重巻締めされてなるものが知られている。
【0003】従来、この種の溶接缶胴は、その基体金属
と内容物との接触により基体金属が腐食されたり溶出し
た金属成分のために内容物のフレーバーが変化すること
を避けるために、その内面側となる面がエポキシフェノ
ール系塗料又は塩ビオルガノゾル系塗料等の被覆塗料に
よって被覆されている。前記被覆塗料は、一般に、有機
溶媒に前記樹脂を溶解させたものであるので、基体金属
の内面に塗装を施すごとに加熱オーブンにより焼き付け
が行なわれる。ところが、前記焼き付け工程では、加熱
オーブンの熱と揮散する有機溶媒とにより作業環境が害
されるおそれがある。
【0004】そこで、基体金属の内面をポリエチレンテ
レフタレートフィルム(以下、PETフィルムと記す)
等の合成樹脂フィルムで被覆することが好ましい。この
ようにすることにより、塗料の塗布面積が減少した缶胴
を形成できるので、有機溶媒の使用量が低減され作業環
境の向上が期待できる。また、缶胴ブランクの缶内面と
なる側を合成樹脂フィルムで被覆して得られる溶接缶胴
によれば、基体金属の腐食を防止することができる。
【0005】ところで、前記溶接缶胴においては、缶胴
ブランク表面をPETフィルム等の合成樹脂フィルムで
被覆する際に、缶胴ブランクの両端部に溶接のために金
属が露出している部分が設けられ、この金属露出部を互
いに重ね合わせて溶接電極によって抵抗溶接される。そ
して、金属露出部は缶胴形成後、別途被覆補正を行う必
要がある。このような被覆補正は、従来、エポキシフェ
ノール系塗料又は塩ビオルガノゾル系塗料等の補正塗料
をスプレー塗布或いはローラー塗布して、溶接接合後の
金属露出部及び該金属露出部近傍の合成樹脂フィルムの
両端部にわたる塗膜を形成することにより行われてい
る。
【0006】しかし、前記溶接缶胴は、例えば、缶胴ブ
ランクの缶内面となる側を被覆する合成樹脂フィルムを
PETフィルムとした場合に、該PETフィルムを缶胴
ブランク表面に接着するために、温度210度の雰囲気
中で時間1分間の熱処理が行われるが、これによって、
缶胴ブランクの缶内面となる側に被覆されたPETフィ
ルムの濡れ指数が31dyne/cm 以下と極めて低くなる。
一般に、前記補正塗料を合成樹脂フィルムの表面に塗布
するためには合成樹脂フィルムの表面の濡れ指数が38
dyne/cm 以上である必要がある。このことから、溶接接
合後の金属露出部及び該金属露出部近傍のPETフィル
ムに、前記補正塗料を塗布すると、濡れ指数が極めて低
いPETフィルムの表面では前記補正塗料がはじかれて
しまい、その影響を受けて金属露出部とPETフィルム
との境界でも前記補正塗料による補正状態が不良とな
り、前述したような基体金属を合成樹脂フィルムで被覆
してフレーバー性を向上させた利点を十分に生かすこと
ができない不都合がある。
【0007】そこで、缶胴ブランクに合成樹脂フィルム
を接着して被覆した後に、金属露出部近傍の前記補正塗
料が塗布される範囲で合成樹脂フィルムの表面にブラッ
シング等によって細微な凹凸を形成して、前記補正塗料
を塗布した際のはじきを防止することが考えられる。
【0008】しかし、ブラッシング等を使用して細微な
凹凸を合成樹脂フィルムの表面に形成するときには、合
成樹脂フィルムが削られてその粉末が発生する。しか
も、このような粉末は、溶接電極による抵抗溶接にて金
属露出部を接合するときに過電流による放電が発生して
溶接部分に孔が形成されてしまうといった溶接不良の原
因となる不都合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる不都合を解消し
て、本発明は、溶接接合された金属露出部が補正塗膜に
よって確実に補正された溶接缶胴を提供することを目的
とし、更に、溶接接合された金属露出部を確実に補正す
ることができる溶接缶胴の製造方法を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の溶接缶胴は、両端縁部に溶接のための金
属露出部を存して少なくとも内面側が合成樹脂フィルム
により被覆された缶胴ブランクが、両金属露出部で互い
に溶接接合されて筒状に形成された溶接缶胴であって、
少なくとも前記合成樹脂フィルムの前記金属露出部に隣
接する両端縁部の表面に、酸化処理を施すことによって
形成された酸化処理部が設けられており、該酸化処理部
は、溶接接合された金属露出部を含んで補正塗膜が形成
されて被覆されていることを特徴とする。
【0011】前記溶接缶胴においては、前記缶胴ブラン
クを被覆する合成樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムであってもよい。
【0012】更に、前記溶接缶胴においては、前記金属
露出部の表面にも酸化処理が施された酸化処理部が設け
られていることが好ましい。
【0013】また、本発明の溶接缶胴の製造方法は、両
端縁部に溶接のための金属露出部を存して少なくとも内
面側が合成樹脂フィルムにより被覆された缶胴ブランク
に、少なくとも前記合成樹脂フィルムの前記金属露出部
に隣接する両端縁部の表面に酸化処理によって酸化処理
部を形成する酸化処理工程と、前記金属露出部で両端縁
部を重ね合わせて溶接接合することにより前記缶胴ブラ
ンクを筒状に形成する溶接工程と、前記酸化処理部及び
溶接接合された金属露出部に補正塗料を塗布して補正塗
膜を形成する被覆補正工程とを備えることを特徴とす
る。
【0014】このとき、前記缶胴ブランクを被覆する合
成樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムであってもよい。
【0015】前記の製造方法において、前記酸化処理工
程は、コロナ放電処理によって前記酸化処理部を形成し
てもよい。
【0016】更に、前記酸化処理工程においては、前記
金属露出部の表面にも酸化処理部を形成することが好ま
しい。
【0017】
【作用】本発明の溶接缶胴は、少なくとも内面側がポリ
エチレンテレフタレートフィルム等の合成樹脂フィルム
により被覆されており、更に、前記金属露出部に隣接す
る合成樹脂フィルムの両端縁部の表面に形成された酸化
処理部によりその表面での補正塗料のはじきが防止され
ている。これにより、酸化処理部及び溶接接合された金
属露出部に、補正塗料が確実に塗布された補正塗膜が形
成されているので高いフレーバー性を有する。
【0018】また、本発明の溶接缶胴の製造方法によれ
ば、溶接工程に先立って酸化処理工程を行い、少なくと
も前記合成樹脂フィルムの前記金属露出部に隣接する両
端縁部の表面に酸化処理による酸化処理部を形成する。
該酸化処理工程においては、缶胴ブランクが未だ板状の
状態であるので、円筒状に形成された状態に比して酸化
処理を行う作業が容易となる。そして、溶接工程の後に
被覆補正工程によって、前記酸化処理部及び溶接接合さ
れた金属露出部に補正塗料を塗布して補正塗膜を形成す
る。このとき、合成樹脂フィルムの両端縁部の表面は、
前記酸化処理工程によって形成された酸化処理部により
濡れ指数が向上しているので、合成樹脂フィルムへの補
正塗料の付着性が高く、補正塗料がはじかれることなく
確実に塗布される。
【0019】また、本発明の溶接缶胴の製造方法におい
て、前記酸化処理工程の酸化処理をコロナ放電によって
行うことにより、迅速な酸化処理が行えると共に、放電
時間や単位面積あたりの電力等を、前記合成樹脂フィル
ムに対する最適の条件に設定することが容易となる。
【0020】更に、前記酸化処理工程は、金属露出部に
隣接する合成樹脂フィルムの両端縁部の表面だけでな
く、前記金属露出部の表面にも酸化処理を行い、合成樹
脂フィルムの両端縁部の表面と金属露出部の表面とに酸
化処理部を形成することにより、補正塗料が塗布される
部分全てにおいて補正塗料の付着性が向上し、前記接合
部の形成における被覆補正が極めて良好な状態となる。
【0021】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0022】図1は本実施例の溶接缶胴の一部を破断し
て示す説明図、図2は缶胴ブランクの説明的平面図、図
3は図2の III-III線断面図、図4は酸化処理工程の説
明図、図5は他の酸化処理工程の説明図、図6は溶接工
程の説明図、図7は他の実施例の溶接缶胴の一部を破断
して示す説明図である。
【0023】図1に一部を示す本実施例の溶接缶胴1
は、図2及び図3に示す薄板状の缶胴ブランク2をその
両端部で溶接接合して筒状に形成されたものである。
【0024】前記缶胴ブランク2は、図2及び図3に示
すように、板状の基体金属4の両端部に溶接のための金
属露出部3a,3bを残して、缶内面となる側をPET
フィルム5により被覆されている。また、前記金属露出
部3a,3bの表面と、金属露出部3a,3bに隣接す
るPETフィルム5の両端部には後述するコロナ放電に
よる酸化処理が施された酸化処理部6が形成されてい
る。
【0025】このような缶胴ブランク2が筒状に形成さ
れて成る溶接缶胴1は、図1に示すように、溶接接合さ
れた部分の内面側に補正塗料7を塗布することによって
形成された接合部8を備えている。
【0026】次に、前記溶接缶胴1の製造方法について
説明する。
【0027】先ず、酸化処理工程によって、両端縁部に
前記金属露出部3a,3bを存して一方の面にPETフ
ィルム5により被覆した缶胴ブランク2に、前記したよ
うな酸化処理を行う。
【0028】該酸化処理は、図4に示すようなコロナ放
電処理装置9によって行われる。該コロナ放電処理装置
9は、フレーム10に回転自在に支持された移送ロール
11と、該移送ロール11の上方に間隔を存して対向し
てフレーム10に固定された棒状の放電電極12とによ
って構成されている。前記移送ロール11は、缶胴ブラ
ンク2を下方から支持すると共に該缶胴ブランク2を水
平に移送しつつ回転する。該移送ロール11は一部が接
地された接地電極とされている。前記放電電極12は、
その長手方向の寸法が図2に示した缶胴ブランク2の幅
寸法aに対応して形成されており、また、移送ロール1
1の外周には、図2に示した缶胴ブランク2の幅寸法a
のうち酸化処理を施さない範囲bに対応する絶縁体13
が設けられている。これにより、前記放電電極12に電
圧を印加したとき、前記移送ロール11の絶縁体13が
設けられていない部分との間にコロナ放電xが発生する
ので、未だ酸化処理を施されていない缶胴ブランク2を
移送ロール11によって移送することによって、缶胴ブ
ランク2に対して前記金属露出部3a,3bと、各金属
露出部3a,3bに隣接するPETフィルム5の両端部
との図2に示す範囲cにのみ酸化処理が施されて、缶胴
ブランク2の両端部に前記酸化処理部6が形成される。
【0029】そして、該コロナ放電処理装置9による酸
化処理を更に具体的に述べれば、例えば、前記缶胴ブラ
ンク2を構成する基体金属を板厚0.22mmの錫メッキ鋼板
とし、該基体金属4を被覆するPETフィルム5を厚さ
0.12ミクロンとしたとき、該缶胴ブランク2を前記移送
ロール11上を図示しない駆動装置によって6m/分の
速度で移送する。このとき同時に前記放電電極12によ
って前記缶胴ブランク2の前記金属露出部3a,3bの
表面と、各金属露出部3a,3bに隣接するPETフィ
ルム5の両端部の表面とに25W/m2/分の条件でコロ
ナ放電による酸化処理を行い、前記酸化処理部6を形成
する。これにより、該酸化処理部6は、その濡れ指数が
42dyne/cm 以上と飛躍的に向上する。更に、前記酸化
処理工程の酸化処理をコロナ放電によって行うことによ
り、迅速な酸化処理が行えると共に、放電時間や単位面
積あたりの電力等を、前記PETフィルム5やそれ以外
の合成樹脂フィルムに対する最適の条件の設定を極めて
容易に行うことができる。
【0030】また、前記酸化処理工程は、図5に示すよ
うな他のコロナ放電処理装置14によって行ってもよ
い。該コロナ放電処理装置14は、前記のコロナ放電処
理装置9と同様に、図5に示すように、移送ロール15
と、該移送ロール15の上方に間隔を存して対向して設
けられた放電電極16とによって構成されている。該移
送ロール15は、缶胴ブランク2を下方から支持すると
共に該缶胴ブランク2を水平に移送しつつ回転する。該
移送ロール15は一部が接地された接地電極とされてい
る。また、該コロナ放電処理装置14は、移送ローラ1
5と放電電極16との間に絶縁体17が設けられてお
り、該絶縁体17は、図2に示した缶胴ブランク2の幅
寸法aのうち酸化処理を施さない範囲bに対応して前記
放電電極16から移送ローラ15へと発生するコロナ放
電を遮蔽している。これにより、前記放電電極16に電
圧を印加したとき、前記絶縁体17が設けられていない
放電電極16と移送ローラ15との間にコロナ放電xが
発生するので、未だ酸化処理を施されていない缶胴ブラ
ンク2を移送ロール15によって移送することによっ
て、缶胴ブランク2に対して前記金属露出部3a,3b
と、各金属露出部3a,3bに隣接するPETフィルム
5の両端部とにのみ酸化処理が施されて、缶胴ブランク
2の両端部に前記酸化処理部6が形成される。更に、前
記絶縁体17を大きさの異なる他の絶縁体に交換する等
によって、前記酸化処理部6の大きさを適宜設定自在と
することができる。
【0031】なお、前記の各コロナ放電処理装置9,1
4では、前記絶縁体13,17を設けることなく、缶胴
ブランク2の内面となる側全体にコロナ放電による酸化
処理を施すことが考えられるがこの場合、例えば、図示
しない缶胴の製造工程における缶胴ブランク2の輸送や
保管の際に複数の缶胴ブランク2を上下に積み重ねた場
合に、上下の缶胴ブランク2同士が密着したときの摩擦
抵抗が大となり、一枚づつの払出しが困難となるため好
ましくない。
【0032】次いで、溶接工程によって、前記金属露出
部3a,3bで両端縁部を重ね合わせて溶接接合する。
【0033】該溶接工程では、図6に示すように、缶胴
ブランク2を丸めて金属露出部3a,3bを重ね合わ
せ、一対の溶接電極18,19の間に挿入する。そし
て、溶接電極18,19を重ね合わされた金属露出部3
a,3bの上下から圧接した状態で抵抗溶接し、缶胴ブ
ランク2を金属露出部3a,3bが接合された筒状に形
成する。
【0034】続いて、被覆補正工程によって、溶接接合
された金属露出部3a,3b及び前記PETフィルム5
の両端縁部の酸化処理部6に補正塗料7を塗布して、図
1に示すように、被覆補正された接合部8を形成する。
【0035】前記補正塗料7は、従来より缶内面或いは
缶外面に用いられている公知の塗料でよく、例えば、エ
ポキシフェノール系塗料、塩ビオルガノゾル系塗料、ア
ミノプラスト塗料、ポリエステル系塗料、アクリル系塗
料等各種所望の塗料塗料を用いることができる。また、
補正塗料7の塗布方法はスプレー塗布或いはローラー塗
布等を採用する。このとき接合部8に塗布される補正塗
料7の膜厚は10〜90ミクロン、好適には20〜60ミクロン
とする。
【0036】該被覆補正工程によって塗布された補正塗
料7は、前記酸化処理工程によって形成された酸化処理
部6に塗布される。これにより、補正塗料7は、前記金
属露出部3a,3bの表面と、各金属露出部3a,3b
に隣接するPETフィルム5の両端部の表面とに確実に
塗布される。
【0037】ここで、エポキシフェノール塗料及び塩ビ
オルガノゾル塗料を夫々補正塗料7として使用した場合
に、缶胴ブランク2に前記酸化処理工程でのコロナ放電
による酸化処理を施した場合と酸化処理を施さない場合
との補正塗料7を塗布した後の外観及び補正状態を比較
した。その結果を表1に示す。なお、夫々の補正塗料7
は共に塗布方法をスプレー塗布とし、塗膜形成後に21
0℃で1分間の焼き付けを行った。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示すように、缶胴ブランク2にコロ
ナ放電による酸化処理を施した場合には、何れの塗料に
おいても、はじきが発生することなく補正塗料7を塗布
することができ、補正塗料7を塗布した後の接合部8の
外観及び補正状態は、何れも良好であった。それに対し
て、缶胴ブランク2にコロナ放電による酸化処理を施さ
なかった場合には、何れの塗料においても、補正塗料7
を塗布したときにはじきが発生し、外観及び補正状態は
不良となった。特に、塩ビオルガノゾル塗料を使用した
場合にははじきが多く発生し補正不良であった。
【0040】以上のように、溶接工程に先立って酸化処
理工程を設けたので、その後被覆補正工程において溶接
接合された部分に補正塗料7を塗布したとき、金属露出
部3a,3b及びPETフィルム5の両端縁部の表面
は、酸化処理が施されていることにより濡れ指数が向上
しており、接合部8への補正塗料7の付着性が高く、補
正塗料7がはじかれることなく確実に塗布され、高いフ
レーバー性を有する溶接缶胴1を得ることができる。
【0041】また、他の実施例として、図7に示すよう
に、内面側だけでなく外面側にも合成樹脂フィルム5を
被覆した缶胴ブランク20を使用して溶接缶胴21を形
成してもよい。この場合には、前記酸化処理工程におい
て缶胴ブランク20の内面側と外面側とに前述したよう
なコロナ放電による酸化処理を施して酸化処理部6を形
成し、缶内面側と缶外面側とにおいて前述した被覆補正
工程を行えばよい。
【0042】なお、前記各実施例においては、酸化処理
工程をコロナ放電処理装置9或いは14を使用して行っ
ているが、コロナ放電によらなくとも、例えば、プラズ
マ処理、火炎処理等によって缶胴ブランクに酸化処理を
施してもよい。
【0043】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
によれば、少なくとも内面側が合成樹脂フィルムにより
被覆されており、更に、合成樹脂フィルムの前記金属露
出部に隣接する両端縁部の表面に酸化処理部を有して合
成樹脂フィルムの表面での補正塗料のはじきが防止され
ていることによって、溶接接合された金属露出部及び前
記合成樹脂フィルムの両端縁部に被覆補正が良好な補正
塗膜を備えているので、フレーバー性の高い溶接缶胴を
提供することができる。
【0044】また、本発明の方法によれば、溶接工程に
先立って酸化処理工程を設け、少なくとも前記合成樹脂
フィルムの前記金属露出部に隣接する両端縁部の表面に
酸化処理を行って酸化処理部を形成する。これにより、
酸化処理工程においては、缶胴ブランクが未だ板状の状
態であることから、円筒状に形成された状態に比して酸
化処理を容易に行うことができる。そして、溶接工程の
後に被覆補正工程によって、前記酸化処理部及び溶接接
合された金属露出部に補正塗料を塗布して補正塗膜を形
成するので、合成樹脂フィルムの両端縁部の表面は、前
記酸化処理部によって濡れ指数が向上し、合成樹脂フィ
ルムへの補正塗料の付着性が高く、補正塗料がはじかれ
ることなく確実に補正塗料を塗布して被覆補正すること
ができる。
【0045】また、本発明の方法において、前記酸化処
理工程の酸化処理をコロナ放電によって行うことにより
迅速な酸化処理が行えると共に、放電時間や単位面積あ
たりの電力等を前記合成樹脂フィルムに対する最適の条
件に容易に設定することができる。
【0046】更に、前記酸化処理工程を、金属露出部に
隣接する合成樹脂フィルムの両端縁部の表面だけでな
く、前記金属露出部の表面にも酸化処理を行って酸化処
理部を形成することにより、補正塗料が塗布される部分
全てにおいて補正塗料の付着性が向上し、前記接合部の
形成における被覆補正の外観及び補正状態を極めて良好
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の溶接缶胴の一部を破断して示す説明
図。
【図2】缶胴ブランクの説明的平面図。
【図3】図2の III-III線断面図。
【図4】酸化処理工程におけるコロナ放電処理装置の説
明図。
【図5】酸化処理工程における他のコロナ放電処理装置
の説明図。
【図6】溶接工程の説明図。
【図7】他の実施例の溶接缶胴の一部を破断して示す説
明図。
【符号の説明】
1,21…溶接缶胴、2,20…缶胴ブランク、3a,
3b…金属露出部、5…PETフィルム(合成樹脂フィ
ルム)、6…酸化処理部、7…補正塗料。
フロントページの続き (72)発明者 田村 道也 埼玉県岩槻市鹿室839−1 北海製罐株式 会社技術本部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端縁部に溶接のための金属露出部を存し
    て少なくとも内面側が合成樹脂フィルムにより被覆され
    た缶胴ブランクが、両金属露出部で互いに溶接接合され
    て筒状に形成された溶接缶胴であって、少なくとも前記
    合成樹脂フィルムの前記金属露出部に隣接する両端縁部
    の表面に、酸化処理を施すことによって形成された酸化
    処理部が設けられており、該酸化処理部は、溶接接合さ
    れた金属露出部を含んで補正塗膜が形成されて被覆され
    ていることを特徴とする溶接缶胴。
  2. 【請求項2】前記缶胴ブランクを被覆する合成樹脂フィ
    ルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の溶接缶胴。
  3. 【請求項3】前記金属露出部の表面にも酸化処理が施さ
    れた酸化処理部が設けられていることを特徴とする請求
    項1記載の溶接缶胴。
  4. 【請求項4】両端縁部に溶接のための金属露出部を存し
    て少なくとも内面側が合成樹脂フィルムにより被覆され
    た缶胴ブランクに、少なくとも前記合成樹脂フィルムの
    前記金属露出部に隣接する両端縁部の表面に酸化処理に
    よって酸化処理部を形成する酸化処理工程と、前記金属
    露出部で両端縁部を重ね合わせて溶接接合することによ
    り前記缶胴ブランクを筒状に形成する溶接工程と、前記
    酸化処理部及び溶接接合された金属露出部に補正塗料を
    塗布して補正塗膜を形成する被覆補正工程とを備えるこ
    とを特徴とする溶接缶胴の製造方法。
  5. 【請求項5】前記缶胴ブランクを被覆する合成樹脂フィ
    ルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであるこ
    とを特徴とする請求項4記載の溶接缶胴の製造方法。
  6. 【請求項6】前記酸化処理工程は、コロナ放電処理によ
    って前記酸化処理部を形成することを特徴とする請求項
    4記載の溶接缶胴の製造方法。
  7. 【請求項7】前記酸化処理工程においては、前記金属露
    出部の表面にも酸化処理部を形成することを特徴とする
    請求項4記載の溶接缶胴の製造方法。
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