JPH06134990A - インクジェットヘッド,インクジェットヘッドカートリッジ,およびインクジェット装置 - Google Patents

インクジェットヘッド,インクジェットヘッドカートリッジ,およびインクジェット装置

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JPH06134990A
JPH06134990A JP28757392A JP28757392A JPH06134990A JP H06134990 A JPH06134990 A JP H06134990A JP 28757392 A JP28757392 A JP 28757392A JP 28757392 A JP28757392 A JP 28757392A JP H06134990 A JPH06134990 A JP H06134990A
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JP
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ink
ink jet
jet head
flow path
ejection
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JP28757392A
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English (en)
Inventor
Jun Kawai
潤 河合
Teruo Arashima
輝雄 荒島
Hiroyuki Ishinaga
博之 石永
Masami Kasamoto
雅己 笠本
Yuji Kamiyama
雄次 上山
Kazuaki Masuda
和明 益田
Hiroshi Sugitani
博志 杉谷
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異なる駆動周波数においても適正なインク吐
出状態が得られ、またあらゆる吐出パターンにおいても
安定した吐出状態を保ち、常に高品位な画像が得られる
インクジェットヘッド,インクジェットヘッドカートリ
ッジ,およびインクジェット装置。 【構成】 複数のインク吐出口とインク液路を備えた共
通液室に、インクを収納したインクタンクのインク吸収
体900からフィルタ700を備えたインク流路600
を介してインクを供給し、インク吐出口から吐出させた
インク滴により記録するインクジェットヘッドであっ
て、インク流路600にインク流路600の流抵抗を変
化させる流量制御板1を備えた構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットヘッ
ド,インクジェットヘッドカートリッジおよびインクジ
ェット装置に関し、詳しくは、記録用のインクジェット
ヘッド、インクジェットヘッドとインクタンクが一体型
のインクジェットヘッドカートリッジ、およびインクジ
ェットヘッドカートリッジの走査によって記録がなされ
るインクジェット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のインクジェット装置で
は、インクジェットヘッドを具え、その液路にインクを
吐出させるために利用される吐出エネルギーを発生する
エネルギー変換手段を有し、インクをインク供給口から
液室を介して上記液路に導き、ここでインクにエネルギ
ー変換手段から与えられた吐出エネルギーによりインク
を吐出口から飛翔的液滴となして被記録材に向けて飛翔
させ、その着弾により記録が行われるように構成されて
いる。
【0003】中でも、熱エネルギーを利用して記録液
(インク)を吐出するインクジェットヘッドは、記録用
のインク滴を吐出して飛翔用液滴を形成するためのイン
ク吐出口を高密度に配列することができるために高解像
力の記録をすることが可能であるほか全体的コンパクト
化も容易であることなどの利点があるので実用化されて
いる。
【0004】また近年においては1つのインクジェツト
ヘッドを多機種(ワープロ、プリンタ、複写機等の記録
装置)に搭載したり、さらにはインクタンクを一体化し
たインクジェットカートリッジとしてあらゆる記録装置
に対応するようになってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のインクジェッヘッドは、該ヘッドのメニスカス振動
がノズル構造と後方の負圧特性で決定されてしまうた
め、最適なな状態でヘッドを使いこなすことが非常に困
難なものとなっている。例えば、装置ごとに、駆動方
式、駆動周波数が異なる場合、同じヘッドであっても画
品位が大きく異なることになるわけである。特に高密度
にノズルを配列したマルチ型のインクジェットヘッドは
単位時間あたりのインク流量が多いため、インクタンク
側から適正量のインクを随時供給しなければならない。
そこで従来においては、フィルタ径を大きくしたり、イ
ンク供給路を太くして流抵抗を極力小さくする構成とな
っていた。しかし、これによりインクの供給はスムーズ
になった反面、インクの慣性力がメニスカス振動を大き
く乱す原因となっていた。
【0006】図16は、従来のインクジェッヘッドで所
定の吐出をした時の吐出パルスに対する流路内圧力振動
波形を示した図である。
【0007】同図を参照して、従来のインクジェットヘ
ッドのインク流路内の圧力振動波形の問題について以下
説明する。
【0008】インクジェットはインク漏れの防止、吐出
時の安定したメニスカス状態保持のため、吐出休止時に
はノズル内および流路内のインクは負圧となっている
(A)。
【0009】次に吐出を開始すると、64個のノズル全
吐で各ノズル80ngのインクを吐出した場合、3KH
zでは15.4mg/sec、6KHzでは30.7m
g/secのインク量が移動することになる。この時、
吐出されて除去されたインク相当の容積減少により液室
内,供給路が順次負圧となり(B)、そしてインクタン
ク側の負圧に勝った時に大きなインク流となって液室に
流れ込み、正圧を加える(C)。
【0010】この慣性力が圧力振動として、吐出時のメ
ニスカス振動に干渉して吐出状態を不安定なものにして
いる。さらにこの不安定吐出により吐出量がばらついた
り、不吐出となったりして、記録画像を著しく劣化させ
ていた。
【0011】また、逆に流抵抗を大きく設定すると、吐
出ノズルへのインク供給が間に合わなくなり、充分な吐
出量が得られないためにかすれた画像となり、濃度不足
の記録となってしまっていた。
【0012】即ち、フィルタおよびインク流路部の流量
抵抗がほとんど零に近いため、図16に示されているよ
うに吐出時の平均流路内圧力Dが休止時の平均流路内圧
力Aと同等の圧力を示している。即ち、吐出開始直後に
インクタンクITからインクを供給させるために発生す
る負圧Bに対して安定領域Dの相対圧力差が大きいた
め、振幅aが大きくなり、吐出時のメニスカス振動を乱
すことになる。即ち、吐出開始からインク供給までの負
圧の蓄積がBとなって現れ、急激なインク供給による慣
性力がCで示されるリバウンドとして現れるわけであ
る。このような流路内の圧力振動が吐出時のメニスカス
振動に干渉して吐出状態を不安定なものにしている。さ
らにこの不安定吐出により吐出量のバラツキや不吐出と
なって記録画像を著しく劣化させている。また、吐出パ
ルス終了時においてもまったく逆位相の圧力振動波形が
見られて前記吐出開始時と同様に次の吐出に影響を与え
るものである。
【0013】この発明は、上記従来技術の問題点を解消
するためになされたもので、異なる駆動周波数において
も適正なインク吐出状態が得られ、またあらゆる吐出パ
ターンにおいても安定した吐出状態を保ち、常に高品位
な画像が得られるインクジェットヘッド,インクジェッ
トヘッドカートリッジ,およびインクジェット装置を提
供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため、この発明に係
るインクジェットヘッドは、複数のインク吐出口とイン
ク液路を備えた共通液室に、インクを収納したインクタ
ンクからフィルタを備えたインク流路を介してインクを
供給し、前記インク吐出口から吐出させたインク滴によ
り記録するインクジェットヘッドであって、前記インク
流路の流抵抗を変化させる流路抵抗制御手段をインク流
路に備えたことを特徴とする構成によって、前記の目的
を達成しようとするものである。
【0015】また、この発明に係るインクジェットヘッ
ドカートリッジ,およびインクジェット装置は、上記の
インクジェットヘッドを使用して構成することにより、
前記の目的を達成しようとするものである。
【0016】
【作用】上記の構成により、複数のインク吐出口とイン
ク液路を備えた共通液室にインクを供給するインク流路
に備えた流路抵抗制御手段により、インク流路の流抵抗
を変化させ適当値とすることによって、インク吐出時の
メニスカス振動を乱すことがなく必要なインク供給が可
能であり、異なる駆動周波数においても適正なインク吐
出状態が得られ、またあらゆる吐出パターンにおいても
安定した吐出状態を保ち、常に高品位な画像を得ること
ができる。
【0017】
【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を詳
細かつ具体的に説明する。
【0018】図11ないし図15は、本発明の実施に好
適なインクジェットユニット(IJU),インクジェッ
トヘッド(IJH),インクタンク(IT),インクジ
ェッヘッドカートリッジ(IJC),インクジェット装
置本体(IJRA)およびキャリッジ(HC)のそれぞ
れおよびそれぞれの関係を説明するための説明図であ
る。以下、これらの図面を参照して各部構成の説明を行
う。
【0019】なお、本例でのインクジェットヘッドカー
トリッジ(IJC)1000は、図12に示すように、
インクの収容量が大きくなっているもので、カートリッ
ジIJC1000内に形成されるIT(図13参照)の
前面よりもわずかにインクジェットユニット(IJU)
の先端部が突出した形状をなす。また、このIJC10
00は、インクジェット記録装置本体(IJRA)に装
備されるキャリッジ(HC)(図14)の後述する位置
決め手段および電気的接点によって固定支持されるもの
で、該HCに対して着脱可能なディポーザブルタイプで
ある。
【0020】また、図11〜図15には、本発明の成立
段階において成された数々の新規な技術が適用された構
成が示されているので、これらの構成を以下に順次説明
する。
【0021】(A)インクジェットユニット(IJU)
の構成 IJUは、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生
じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を
用いて記録を行うバブルジェット方式ユニットある。
【0022】図11において、100はIJHを構成す
るヒータボードであり、ヒータボード100にはSi基
板上に複数の列状に配された電気熱変換体(吐出ヒー
タ)と、これに電力を供給するA1等の電気配線とが成
膜技術により形成されている。200はヒータボード1
00に対する配線基板であり、ヒータボード100の配
線に対応する配線(例えばワイヤボンディングにより接
続される)と、この配線の端部に位置し本体内からの電
気信号を受けるパッド201とを有している。
【0023】1300は吐出口形成部材400およびヒ
ータボード100と共にIJHを形成している溝付天板
であり、天板1300には不図示の複数のインク流路を
それぞれ区分するための隔壁や各インク流路へインクを
与えるためにインクを収納するための共通液室等が設け
られていて、ITから供給されるインクを受けて上述の
共通液室へ導入するインク受け口(供給口)1500
と、各インク流路に対応した吐出口を複数有する吐出口
形成部材400とが天板1300と一体成型されてい
る。なおこれらの一体成型材料としてはポリサルファン
が好ましいが、他の成型用樹脂材料でもよい。
【0024】300は配線基板200の裏面を平面で支
持する例えば金属製の支持体であり、インクジェットヘ
ッドユニット(IJU)の底板となる。500は押えば
ねであり、ほぼM字形状をなし、そのM字の中央天板1
300の不図示の共通液室近傍を軽圧で押圧すると共に
その前だれ部501で液路の一部、好ましくは吐出口近
傍の領域を線圧で集中押圧する。かくして、押えばね脚
部が支持体300の穴3121を通って支持体300の
裏面側に係合することでヒータボード100および天板
1300を支持体300との間に挟み込んだ状態で両者
を係合させることができ、押えばね500とその前だれ
部501の集中付勢力によってヒータボード100と天
板1300とを圧着固定する。
【0025】また、支持体300は、インクタンクIT
の2つの位置決め凸起1012および位置決めと熱融着
保持兼用凸起1800,1801(図13参照)に係合
する位置決め用穴312,1900,2000を有する
他、装置本体IJRAのキャリッジHCに対する位置決
め用の突起2500,2600を裏面側に有している。
加えて支持体300はインクタンクIJからのインク供
給を機能とするインク供給管2200(後述)を貫通可
能にする穴320も有している。なお、このような支持
体300に対し、配線基板200を取付けるにあたって
は、接着剤等で貼着して行われる。
【0026】また、支持体300の凹部2400,24
01は、それぞれ位置決め用突起2500,2600の
近傍に設けられており、組立てられたインクジェットカ
ートリッジIJC(図12)において、その支持体30
0の周囲の3辺に形成される平行溝3000,3001
の複数によって画成されるヘッドIJHの先端延長域に
あって、ゴミやインク等の不要物が突起2500,26
00に至ることがないようになっている。
【0027】蓋部材800は、図12および図14から
もわかるように、インクジェットヘッドカートリッジI
JCの外壁を形成すると共に、インクタンクITとの間
にインクジェットユニットIJUを収納する空間部を形
成している。また、上記の平行溝3001が形成されて
いるインク供給部材600側には、前述したインク供給
管2200に連続するインク導管1600の供給管22
00側が固定の片持ち梁として形成されており、インク
導管1600の固定側とインク供給管2200との間に
毛管現象を確保するための封止ピン602が挿入されて
いる。なお、601はインクタンクITと供給管220
0との間を結合シールするパッキン、700は供給管2
200のタンク側端部に設けられたフィルタである。
【0028】このインク供給部材600は、モールド成
型されるもので、廉価でしかも位置精度が高く、形成上
の精度低下を無くしているだけでなく、導管1600を
片持ち梁構造としたことによって大量生産においても導
管1600の上述インク受け口1500に対する安定し
た圧接状態が得られる。本例では、このような圧接状態
下で封止用接着剤をインク供給部材600の側から流し
込むだけで、より完全な連通状態を確実に得ることがで
きている。なお、インク供給部材600の支持体300
に対する固定は、支持体300の穴1901,1902
に対してインク供給部材600の裏面側ピン(不図示)
を貫通突出させた上、その支持体300の裏面側に突出
した部分を熱融着することで容易に行われる。なお、こ
の熱融着された裏面部のわずかな突出領域は、インクタ
ンクITのインクジェットユニットIJU取付面側壁面
のくぼみ(不図示)内に収められるのでユニットIJU
の位置決め面を正確に確保することができる。
【0029】(B)インクタンクIT構成説明図 インクタンクITは、図11および図12に示すように
カートリッジ本体1000と、後に詳述するインク吸収
体群900とインク吸収体群900をカートリッジ本体
1000の上記ユニットIJU取付面とは反対側の側面
から挿入した後、これを封止する蓋部材1100とで構
成されている。
【0030】900はインクを含浸させるための吸収体
であり、カートリッジ本体1000内に配置される。
【0031】1200は上記各部100〜600からな
るユニットIJUに対してインクを供給するための供給
口であると共に、当該ユニットIJUをカートリッジ本
体1000の内部に配置する前の工程でインクを注入す
ることにより吸収体900のインク含浸を行うための注
入口でもある。
【0032】本例のインクタンクITでは、インクの供
給が可能な部分は、大気連通口1401とこの供給口1
200とになるが、インク吸収体900からのインク供
給性を良好に行うために本体1000内にはリブ230
0が、また蓋部材1100には部分リブ2301,23
02が設けられていて、これらにより形成されたタンク
内空気存在領域があり、かかる空気存在領域が大気連通
口1401側からインク供給口1200に最も遠い角部
領域にわたって連続的に形成されているので、吸収体9
00へのインクの良好かつ均一な供給を、この供給口1
200側から行うことができる。
【0033】このことは実用上極めて有効であって、イ
ンクタンクITはカートリッジ本体1000の後面にお
いて、キャリッジ移動方向に平行なリブ2300を4本
有し、吸収体900が後面に密着することを防止してい
る。また、部分リブ2301,2302は、リブ230
0に対して対応するその延長上の蓋部材100の内面に
設けられているが、リブ2300とは異なり、分割され
た状態となっていて、空気の存在空間を前者より増加さ
せている。なお、部分リブ2301,2302は蓋部材
1100の全面積の半分以下の面に分散されており、か
くしてこれらのリブによりインク吸収体900のタンク
供給口1200から最も遠い角部の領域のインクをより
安定させつつ、しかも確実に、供給口1200側の毛細
力で導くことができる。1400は大気連通口1401
の内方に配置されている撥液材であり、これにより大気
連通口1401からのインク漏洩が防止される。
【0034】前述したインクタンクITのインク収容空
間は長方体形状であり、その長辺がカートリッジ本体1
000の側面となるので上述したリブの配置構成は特に
有効であるが、キャリッジの移動方向に長辺を持つ場合
または立方体の場合は、蓋部材1100の全体にリブを
設けるようにすることでインク吸収体群900からのイ
ンク供給を安定化できる。限られた空間内にインクをで
きるだけ収納するためには直方体形状が適しているが、
この収納されたインクを無駄なく記録に使用するために
は、上述したように、角部の領域に近接する2面領域に
上記作用を行えるリブを受けることが重要である。
【0035】さらに本実施例におけるインクタンクIT
の内面リブは、直方体形状のインク吸収体900の厚み
方向に対してほぼ均一な分布で配設されるので、このこ
とは、吸収体900全体のインク消費に対して大気圧分
布を均一化しつつインク残量をほとんど無くすることが
できるために重要な構成となる。さらに、このリブの配
置上の技術思想を詳述すると、直方体の4角形上面にお
いてインク供給口1200の投影位置を中心として、長
辺を半径とする円弧を描いたときに、その円弧よりも外
側に位置する吸収体に対して、大気圧状態が早期に与え
られるようにその円弧よりも外側の面に上記リブを配設
することが重要となる。この場合、タンクの大気連通口
は、このリブ配設領域に大気を導入できる位置であれ
ば、本例の位置に限られるものではないことは勿論であ
る。
【0036】加えて、本実施例では、インクジェットヘ
ッドカートリッジIJCのヘッドIJHに対する後面を
平面化して、装置に組み込まれたときの必要スペースを
最小化ならしめるとともに、インクの収容量を最大化し
ている構成としているために、装置の小型化を達成でき
るだけではなく、カートリッジIJCの交換頻度を減少
できるという優れた利点が得られる。そして、インクジ
ェットユニットIJUを一体化するための空間の後方部
を利用して、そこに、大気連通口1401用の突出部分
を形成し、この突出部分の内部を空洞化して、ここに前
述した吸収体900厚み全体に対する大気供給空間14
02を形成している。このように構成することで、従来
には見られない優れたカートリッジを提供することがで
きた。
【0037】なお、この大気圧供給空間1402は、従
来よりもはるかに大きい空間であり、上記大気連通口1
401が上方に位置しているので、何らかの異常で、イ
ンクが吸収体900から遊離しても、この大気圧供給空
間1402により、そのインクが一時的に保持されて、
再びインクを確実に吸収体900に回収させることがで
きる。
【0038】図13はインクタンクITを上記ユニット
IJUが取付けられる面の側から見て示すもので、L1
はインク吐出口形成部材400の突出口列のほぼ中央を
通り、タンクITの底面もしくはキャリッジ表面の載置
基準面に平行な直線であり、図11に示す支持体300
の孔312,312に係合する2つの位置決め凸起10
12,1012がそれぞれこの直線L1 上にある。この
凸起1012の高さは支持体300の厚みよりわずかに
低く、支持体300の位置決めを行う。また、図13で
直線L1 の延長上には図14に示すキャリッジHCの位
置決め用フック4001の90°角の係合面4002が
係合する爪2100が配設されていて、キャリッジHC
に対する位置決めの作用力がこの直線L1 を含む上記基
準面に平行な面領域で作用するように構成されいてい
る。図14で後述するが、このような関係により、イン
クタンク自体の位置決め精度をヘッドIJHの吐出口位
置決め精度と同等にまで高めるという効果が得られる。
【0039】また、支持体300のインクタンク側面へ
の固定用孔1900,2000のそれぞれに対応するイ
ンクタンクの突起1800,1801は前述の凸起10
12よりも長く、支持体300を貫通して突出した部分
を熱溶着して支持体300をその側面に固定するための
ものである。そこで上述の線L1 に垂直でこの突起18
00を通る直線をL3 、突起1801を通る直線をL2
としたとき、直線L3上には上記供給口1200のほぼ
中心が位置することになり、供給口1200と供給管2
200との結合状態を安定化する作用をし、落下や衝撃
によってもこれらの結合状態への負荷を軽減することが
できる、また、直線L2 とL3 とは一致しておらず、ヘ
ッドIJHの吐出口側の凸起1012周辺に突起180
0,1801が存在しているので、さらにヘッドIJH
のタンクに対する位置決めの補強効果が得られる。な
お、L4 で示される曲線は、インク供給部材600の装
着時の外壁位置である。突起1800,1801はその
曲線L4 に沿っているので、ヘッドIJHの先端側構成
の重量に対しても充分な強度と位置精度を与えている。
2700はインクタンクITの先端ツバで、図14に示
すようにキャリッジHCの前板4000の溝孔に挿入さ
れて、インクタンクITの変位が極端に悪くなるような
異変時に対して備えている。また、図13及び図14に
示す2101は、キャリッジHCに対する抜け止めで、
キャリッジHCの不図示のバーに対して設けられ、カー
トリッジIJCが後述の用に旋回装着された位置でこの
バーの下方に侵入して、不要に位置決め位置から離脱さ
せる上方方向への力が作用しても装着状態を維持するた
めの保護用部材である。
【0040】インクタンクIT、インクジェットユニッ
トIJUが装着された後に蓋800により覆蓋されるこ
とで、インクジェットユニットIJUを下方開口を除
き、取囲む形となるが、インクジェットヘッドカートリ
ッジIJCとしては、キャリッジHCに搭載するための
下方開口部がキャリッジHCに近接するため、実質的に
はここに4方包囲空間が形成されることになる。従っ
て、この包囲空間内にあるヘッドIJHからの発熱がこ
の空間内に溜り、保温空間として有効となるものの長期
連続使用の場合は、わずかながら昇温する結果を生じ
る。このために本実施例では、支持体300の自然放熱
を助けるためにカートリッジIJCの上方面に、この空
間より小さい幅のスリット1700を設けて、昇温を防
止しつつユニットIJU全体の温度分布の均一化を図
り、環境に左右されないようにした。
【0041】さて、インクジェットヘッドカートリッジ
IJCとして組立てられると、インクはカートリッジ内
部で供給口1200、支持体300に設けた孔320お
よびインクタンクITの中裏面側に設けた不図示の導入
口を介してタンク内に供給され、その内部を通った後、
導出口から適宜の供給管および天板1300のインク導
入口1500を介して共通液室内へと流入する。以上に
おけるインク連通用の接続部には、例えばシリコンゴム
やブチルゴム等のパッキンが配設され、これによって封
止が行われてインク供給路が確保される。
【0042】なお、本実施例においてはIJHの天板1
300には耐インク性に優れたポリサルフォン,ポリエ
ーテルサルフォン,ポリフェニレンオキサイド,ポリプ
ロピレンなどの樹脂が用いられ、また、インク吐出口形
成部材400と共に金型内で一体に同時成型される。
【0043】上述のように、インク供給部材600,天
板300とインク吐出口形成部材400とを一体化した
部材およびインクジェットへッドカートリッジ本体10
00をそれぞれ一体成型部品としたので組立て精度が高
水準になるばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて
有効である。また部品点数の個数は従来に比較して減少
できているので、優れた所望特性を確実に発揮できる。
【0044】また、本実施例では、上記組立後の形状に
おいて、図11ないし図13で示されるように、インク
供給部材600は、その上面部603がインクタンクI
Tのスリット1700を備えた屋根部の端部4008と
の間に図11に示したようにスリットSを形成し、ま
た、部材600の下面部604と底部蓋800が接着さ
れる薄板のヘッド側端部4011との間には上記スリッ
トSと同様のスリット(不図示)が形成される。このよ
うにしてインクタンクITとインク供給部材600との
間に形成したスリットにより、上記スリット1700の
放熱を一層促進させる作用を実質的に行うとともに、タ
ンクITへ加わる不要な圧力があってもこれを直接供給
部材、強いてはインクジェットユニットIJUへ及ぼす
ことを防止する効果が得られる。
【0045】以上述べたように、本実施例の上記構成
は、従来には無い構成であって、それそれが単独で有効
な効果をもたらすと共に、複合的にも各構成要件によっ
て相乗的な各種の構成効果をもたらすことができる。
【0046】(C)キャリッジHCに対するインクジェ
ットヘッドカートリッジIJCの取付説明 図14において、5000はプラテンローラで、記録媒
体Pを紙面下方から上方へ案内する。キャリッジHC
は、プラテンローラ5000に沿って移動するもので、
キャリッジHCにはその前方プラテン側に、インクジェ
ットヘッドカートリッジ(IJC)1000の前面側に
位置する前板4000(厚さが例えば2mm)と、カー
トリッジ1000の配線基板200のパッド201に対
応するパッド2011を具備したフレキシブルシート4
005およびこれを裏面側から各パッド2011に対し
て押圧する弾性力を発生するためのゴムパットシート4
007を保持する電気接続部用支持板4003と、イン
クジェットカートリッジ1000を記録位置に固定する
ための位置決め用フック4001とが設けられている。
【0047】前板4000は位置決め用突起4010を
カートリッジの支持体300の前述した位置決め突起2
500,2600にそれぞれ対応して2個有し、カート
リッジ1000の装着後はこの突出面4010に垂直な
力が負荷される。このため、不図示の複数の補強用リブ
が力の方向に沿って前板4000のプラテンローラ側
に、設けられている。なお、このリブは、カートリッジ
IJC装着時の前面位置L5 よりもわずかに(約0.1
mm程度)プラテンローラ側に突出しているヘッド保護
用突出部をも形成している。
【0048】電気接続部用支持板4003は、補強用リ
ブ4004を紙面とは垂直の方向に複数有し、プラテン
5000側からフック4001側に向かって個々の側方
への突出割合を漸減させることにより、カートリッジ装
着時の位置を図のように傾斜させるための機能を持たせ
ている。また、支持板4003は電気的接触状態を安定
化するため、上記2つの位置決め用突出面4010がカ
ートリッジ1000に及ぼす作用方向と逆方向に、カー
トリッジ1000への作用力を及ぼすためのフック側の
位置決め面4006を突出面4010に対応して2個有
し、これらの間にパッドコンタクト域を形成すると共に
パッド2011対応のポッチ付ゴムシート4007のポ
ッチの変形量を一義的に規定する。これらの位置決め面
4006は、カートリッジ1000が記録可能な位置に
固定されると、配線基板300の表面に当接した状態に
保たれる。
【0049】なお、本実施例では、更に配線基板300
のパッド201を前述した線L1 に関して対称となるよ
うに分布させているので、ゴムシート4007の各ポッ
チの変形量を均一化してパッド2011と201との当
接圧をより安定化させることができる。本実施例のパッ
ド201の分布は、上方,下方2列,縦2列である。
【0050】フック4001は、固定軸4009に係合
する長孔を有し、この長孔の移動空間を利用して図の位
置から反時計方向に回動した後、プラテンローラ500
0に沿って左方側へ移動することでキャリッジHCに対
するカートリッジ1000の位置決めを行う。このフッ
ク4001の移動はどのようなものでもよいが、レバー
等で行える構成が好ましい。いずれにしてもこのフック
4001の回動時にカートリッジ1000はプラテンロ
ーラ5000側に移動しつつ位置決め突起2500,2
600が前板の位置決め面4010に当接可能な位置へ
移動し、フック4001の左方側移動によって90°の
フック面4002がカートリッジ1000の爪2100
の90°面に密着しつつカートリッジ1000を位置決
め面2500,4010同志の接触域を中心に水平面内
で旋回させて最終的にパッド201,2011同志の接
触が始まる。
【0051】かくしてフック4001が所定位置、すな
わち固定位置に保持されると、パッド201,2011
同志の完全接触状態と、位置決め突起2500,401
0同志の完全面接触と、90度面4002およびその爪
の90度面の2面接触と、配線基板300と位置決め4
006との面接触とが同時に形成されてキャリッジに対
するカートリッジIJCの保持が完了する。
【0052】(D)インクジェット装置の説明 図15は本発明にかかるインクジェット装置の構成の一
例を示す。ここで、5003はキャリッジHCを矢印a
およびb方向に案内する案内軸、5004はリードスク
リュ5005に形成されている螺旋溝であり、キャリッ
ジHCはリードスクリュー5005の正逆回転に従って
案内軸5003に沿い矢印aまたはb方向に移動する。
そして、移動しながらキャリッジHCに搭載されたイン
クジェットヘッドカートリッジIJCのインクジェット
ヘッドIJHにより記録シートPに向けて記録が行われ
る。
【0053】5013はキャリッジ駆動モータ、500
9,5011は駆動モータ5013の駆動力をリードス
クリュー5005に伝達するためのギヤ、5002は記
録シートPをプラテン5000に向けて押付けているシ
ート押え板である。また、本実施例では開口部5023
を有し、インクジェットヘッドIJHの吐出面形成部材
400(図11参照)を覆蓋するキャップ部材502
2、これに連結され、回復動作時にキャップ部材502
2を介してヘッドIJHからインクを吸収する吸引手段
5015、さらに回復動作の前後等に使用されるクリー
ニングブレード5017,キャップ部材5022を支持
する支持部材5016を具えていて、クリーニングブレ
ード5017は部材5019を介して矢印方向に移動さ
せられ、ヘッドの吐出面を掃拭する。
【0054】5021はギヤ5010,カム5020を
介して吸引手段5015を駆動するためのレバーであ
り、吸引動作時には駆動モータ5013により不図示の
クラッチ切換手段および上述の伝達手段を介してその駆
動力が伝達される。また、5007および5008はキ
ャリッジHCのホームポジションを検知するためのフォ
トカプラであり、キャリッジHCに設けられた吐出レバ
ー5006の光路遮断により、ホームポジションが検知
され、駆動モータ5013の正逆回転方向の切換算が行
われる。
【0055】なお、本実施例ではこれらのキャッピン
グ,クリーニング,吸引回復は、キャリッジHCがホー
ムポジション側領域にきたときにリードスクリュー50
05の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行
えるように構成されているが、周知のタイミングで所望
の作動を行うように構成されるものであれば、どのよう
な構成であってもよい。ただ、本実施例は本発明にとっ
て好ましい構成例を示したものである。
【0056】次に、本発明の特徴ある構成について説明
する。
【0057】図1は本発明に係るインクジェットヘッド
実施例のインク流路の構成を示した要部縦断面図であ
り、図2は図1に示すZ−Z断面図である。
【0058】1はインク流路600内で回動可能な流量
制御板、2は回転軸、3は流抵抗可変レバー、14はイ
ンクタンク側壁、600はインク流路、700はフィル
タ、900はインク吸収体を示している。流抵抗可変レ
バー3を手動または装置により操作することにより、回
転軸2を介して流量制御板1が作動しインク流路内の開
口面積を変え得るものである。
【0059】図3は本発明に係るインクジェットヘッド
実施例で所定の吐出をした時の吐出パルスに対する流路
内圧力振動波形を示した図である。
【0060】図示のように、インク流路部600の流抵
抗を最適化しているため、吐出時の平均流路内圧力Dが
休止時の平均流路内圧力Aより若干低い圧力となってい
る。つまり吐出開始直後にインクタンクITからインク
を供給させるために発生する負圧Bに対して安定領域D
の相対圧力差が小さいため、振幅bが小さくなり。従来
の半分以下の圧力振動に押え込むことが可能となった。
これにより、吐出口のメニスカス振動がインクの圧力振
動に影響されることなく安定したものとなった。
【0061】上記インクジェットヘッド実施例を本発明
に係るインクジェット装置に搭載して記録をおこなった
ところ、吐出の乱れによる濃度ムラや不吐出のない高品
位な画像が実現できた。
【0062】次に駆動周波数を前記の場合よりも高く設
定した場合について説明する。例えば駆動周波数を前記
の2倍に設定した時、単位時間あたりのインク流量は2
倍となり前述の流抵抗においては流量不足となり図3の
安定領域圧力Dが低下してしまう。すると、流路内圧力
が大きな負圧を発生し、吐出ノズルへのインク供給を制
限してしまい、充分な吐出量が得られなくなってしま
い、かすれた画像となり、濃度不足の記録となってしま
う。
【0063】そこで、前記の流量制御板1を開き、流量
内開口面積を2倍にすることで、前述の場合と同等の流
抵抗が実現でき、図3に示すような安定した圧力振動波
が得られた、さらにこのインクジェットヘッド実施例を
搭載した本発明に係る流抵抗可変装置付きのインクジェ
ット装置により記録を行ったところ、吐出の乱れに起因
する濃度ムラや不吐出のない高品位な画像が実現でき
た。
【0064】次に具体的な数値例について説明する。例
えば、64個のノズル全吐で各ノズル80ngのインク
を吐出した場合、駆動周波数が3KHzでは15.4m
g/secのインク流量があり、流量制御部(図1に示
すZ−Z)での開口面積を約0.2mm2 とすることで、
図3に示すような安定した圧力振動波が得られる。ま
た、駆動周波数を6KHzとすると、インク流量が3
0.7mg/secとなり、開口面積は約0.4mm2
で最適化される。さらに9KHzにおいては、インク流
量が46.1mg/secとなり、開口面積は約0.6
mm2 で最適化される。
【0065】また、インクジェット装置側において、吐
出パターンに応じて単位時間あたりの吐出量を算出し、
これに応じて開口面積を変化させることでさらに高品位
な画像が得られるようになることは言うまでもない。
【0066】図4は、本実施例における操作手順を示す
フローチャートである。
【0067】まず、装置が駆動周波数を判定し(S1)
(S2)、それに対し本体CPUで流抵抗設定を行う
(S3,S4,S5)。次にインクジェットヘッドの流
抵抗可変レバーを操作し、適正な位置へ固定する(S
6)。その後記録を開始する(S7)、という手順であ
る。
【0068】上記操作では3種類の駆動周波数で示した
が、更に多くの種類または無段階であっても良い。ま
た、駆動周波数が一種類の装置であれば、インクジェッ
トヘッド搭載時に設定することで充分な効果があること
は言うまでもない。
【0069】(第2実施例)図5は第2実施例インクジ
ェットヘッドの要部断面図、図6は同横断面図である。
【0070】1はインク流路600内への挿入寸法を変
化できる流量制御板、3は流抵抗可変レバー、4は戻し
バネを示している。
【0071】本実施例も前記第1実施例と同様に、流抵
抗可変レバー3を手動または装置により操作することに
より、流量制御板1を作動して、インク流路600内の
開口面積を変え得るものである。
【0072】上記のように構成して、インク流抵抗を最
適化することで図3に示すような安定した圧力波形が得
られる。
【0073】また、このインクジェットヘッド実施例を
搭載した本発明に係るインクジェット装置により記録を
行ったところ、吐出の乱れや不吐出のない高品位な画像
が実現できた。
【0074】(第3実施例)図7は、本発明の第3実施
例インクジェットの要部断面図、図8は同横断面図であ
る。
【0075】1は流量制御板であり、回転連動型の絞り
構造となっている。3は流抵抗可変レバーである。
【0076】本実施例も前実施例と同様に流抵抗可変レ
バー3を操作することにより流量制御板1を作動してイ
ンク流路600内の開口面積を変え得るものである。
【0077】上記のようにして、インク流路600の流
抵抗を最適化することで、図3に示すような安定した圧
力波形が得られる。
【0078】更に、このインクジェットヘッド実施例を
搭載した本発明に係るインクジェット装置により記録を
行ったところ、吐出の乱れや不吐出のない高品位な画像
が実現できた。
【0079】(第4実施例)図9は本発明の第4実施例
を示すインクジェットヘッドの要部縦断面図、図10は
同横断面図である。
【0080】1は流量制御板、2は回転軸、3は流抵抗
可変レバーを示している。本実施例は、2本のインク供
給路600a,600bのうち1本600bに本発明に
係る構成、即ち流量制御板1が設けてあり、インク供給
路600a、或はインク供給路600bに切り換えて使
用する或は両方使用する等により、駆動周波数に幅広く
対応させる。或は2条件のみに対応させることができる
例である。
【0081】上記のようにして、インク流抵抗を最適化
することで、図3に示すような安定した圧力波形が得ら
れる。
【0082】さらにこのインクジェットヘッドを搭載し
た本発明に係るインクジェット装置によって記録を行っ
たところ、吐出の乱れや不吐出のない高品位な画像が得
られた。
【0083】ところで、従来では吐出効率を向上させ、
安定した液滴を吐出しつつ応答周波数を向上するために
は、吐出用加熱手段を吐出口側により近接して配置する
程、効果があると考えられていた。この効果は、ある意
味では正しいのであるが、液滴を吐出するための液供給
路の複雑化や駆動される液路構造の設計が充実してくる
につれ、以下のことが判明してきた。
【0084】即ち、従来の上記技術の考え方は、本質の
みではないために、技術の解明に対しては逆行していた
のである。これを解明する基本的発明が完成している。
この基本的発明の概念は、本願発明にとってより好まし
い安定化状態を与えるものであり、本発明の効果を最大
限に有効化できる。ここで、この基本的発明を簡単に説
明しておく。
【0085】この基本的な第1発明は、吐出口から吐出
する液滴の体積Vd(測定は、10数滴以上の所定滴の
液滴を集めて平均化して求めればよい)が、吐出口から
熱作用部までの最短距離OHの変化に対して従来からは
予想できない特性を示すことを見い出したことの知見に
よって発明されたものである。この第1発明の特徴は、
この最短距離OHと吐出液滴体積Vdとの関係グラフを
作成するとVdmax を与える距離OH1 を越えるOHで
は増加する程Vdは減少し、距離OH1 より小さいOH
では減少する程Vdは減少するという特有の変化曲線を
形成することから生まれたものである。即ち、Vdmax
を与える距離OH1 を越えるOHの値をもってヘッド構
造とすることである。この場合吐出量を大きめにしなけ
れば、距離OH1 側へ設定する。このVdmax より小さ
い滴を与え、且つ距離OH1 より小さい距離OHの場合
は、液滴の不安定要素が大であり、逆にこの発明の特徴
範囲では、液滴の不安定要素がなくなる利点がある。つ
まり、均一な液滴形成を達成できる。
【0086】また、この基本的な第2発明は、第1発明
とは別として存在し、第1発明との組み合わせも含むも
ので、熱作用面に対向する液路内容積よりも吐出口側の
液路内容積V(液体が毛細管力によって保持される容積
でメニスカスを形成した定常状態の体積)が{1/3・
f(KHz)+n}・Vd以上であることを特徴とす
る。ここで、fは最大駆動周波数であり、nはヘッド自
体或はヘッドへ供給される液体や固体のインクの不定条
件(例えば、クロストークが発生するヘッド構成やイン
クタンク内吸収体の供給不安定の問題)が1つ存在して
いればn=1とし、2以上の問題数mであればm値とす
るものであり、問題1つに対して安全係数が1つ加わる
と考えればよい。又、Vdは前記の液滴体積がある。無
論、吐出状態を不安定にさせる問題が解決されているヘ
ッドに対してn=0となる。この特徴条件を満足する
と、所望の周波数駆動に対して高水準に均一化された滴
の連続吐出を達成できる。
【0087】このような基本的発明の適用される液滴吐
出装置を採用することで、出願の本発明が有する下記の
効果を一層有効に発揮することができる。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数のインク吐出口とインク液路を備えた共通液室にイ
ンクを供給するインク流路に備えた流路抵抗制御手段に
より、インク流路の流抵抗を変化させ適当値とすること
によって、インク吐出時のメニスカス振動を乱すことが
なく必要なインク供給が可能であり、異なる装置による
駆動周波数の違いにおいても適正なインク吐出状態が得
られ、またあらゆる吐出パターンにおいても安定した吐
出状態を保ち、常に高品位な画像が得られるインクジェ
ットヘッド,インクジェットヘッドカートリッジ,およ
びインクジェット装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例インクジェットヘッドの要部縦
断面図である。
【図2】 第1実施例インクジェットヘッド図1のZ
−Z断面図である。
【図3】 インクジェットヘッド実施例のインク流路
内の圧力振動波形図である。
【図4】 実施例の操作フローチャートである。
【図5】 第2実施例インクジェットヘッドの要部縦
断面図である。
【図6】 第2実施例インクジェットヘッドの要部横
断面図である。
【図7】 第3実施例インクジェットヘッドの要部縦
断面図である。
【図8】 第3実施例インクジェットヘッドの要部横
断面図である。
【図9】 第4実施例インクジェットヘッドの要部縦
断面図である。
【図10】 第4実施例インクジェットヘッドの要部横
断面図である。
【図11】 実施例のインクジェットヘッドカートリッ
ジの分解斜視図である。
【図12】 実施例のインクジェットヘッドカートリッ
ジの斜視図である。
【図13】 実施例のインクタンクの斜視図である。
【図14】 実施例のインクジェットヘッドカートリッ
ジの装着状態説明図である。
【図15】 実施例のインクジェット装置本体の斜視図
である。
【図16】 従来のインクジェットヘッドのインク流路
内の圧力振動波形図である。
【符号の説明】
1 流量制御板 2 回転軸 3 流抵抗可変レバー 4 戻しバネ 14 インクタンク側壁 600 インク流路 700 フィルタ 900 インク吸収体
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9012−2C B41J 3/04 103 X (72)発明者 笠本 雅己 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 上山 雄次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 益田 和明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 杉谷 博志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のインク吐出口とインク液路を備え
    た共通液室に、インクを収納したインクタンクからフィ
    ルタを備えたインク流路を介してインクを供給し、前記
    インク吐出口から吐出させたインク滴により記録するイ
    ンクジェットヘッドであって、前記インク流路の流抵抗
    を変化させる流路抵抗制御手段をインク流路に備えたこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 インクを吐出させるためのエネルギーを
    発生する手段としてインクを膜沸騰させる熱エネルギー
    を発生する電気熱変換体を前記インク液路に有すること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 流路抵抗制御手段は、駆動周波数に対応
    してインク流路の流抵抗を変化させることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 流路抵抗制御手段は、単位時間当たりの
    吐出量に対応してインク流路の流抵抗を変化させること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載のインクジェ
    ットヘッド。
  5. 【請求項5】 流路抵抗制御手段を操作する機械的手段
    をインクジェットヘッド本体の外部に設けてインク流路
    の流抵抗を変化させることを特徴とする請求項1ないし
    請求項4のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載のインクジェットヘッドと、前記共通液室に供給する
    インクを収納するインクタンクとを一体に構成し、キャ
    リッジに着脱自在としたことを特徴とするインクジェッ
    トヘッドカートリッジ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載のインクジェットヘッドを搭載したキャリッジを被記
    録材に沿って移動させながら、前記インク液路を選択し
    てインク滴を吐出し、前記被記録材に記録を行うことを
    特徴とするインクジェット装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のインクジェットヘッド
    カートリッジを搭載したキャリッジを被記録材に沿って
    移動させながら、前記インク液路を選択してインク滴を
    吐出し、前記被記録材に記録を行うことを特徴とするイ
    ンクジェット装置。
  9. 【請求項9】 流路抵抗制御手段を操作する機械的手段
    をインクジェット装置の構成部材により構成してインク
    流路の流抵抗を変化させることを特徴とする請求項5記
    載のインクジェットヘッド。
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