JPH06132564A - 多孔質シリコン及び発光素子 - Google Patents
多孔質シリコン及び発光素子Info
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- JPH06132564A JPH06132564A JP30483892A JP30483892A JPH06132564A JP H06132564 A JPH06132564 A JP H06132564A JP 30483892 A JP30483892 A JP 30483892A JP 30483892 A JP30483892 A JP 30483892A JP H06132564 A JPH06132564 A JP H06132564A
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- porous silicon
- emitting device
- light emitting
- light
- silicon
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 短波長の光を発することができる多孔質シリ
コン及びその多孔質シリコンを用いた発光素子を提供す
る。 【構成】 本実施例の多孔質シリコンは図3に示すよう
に、多孔質シリコン12aの多数の孔120内の壁面に
付着した水素の一部又は全部を重水素で置き換えたもの
である。多数の孔の壁面に付着した水素を、重水素に置
き換えることにより、側鎖の分子量を重くしている。こ
れにより、従来の赤色から緑色や青色の発光が可能とな
る。
コン及びその多孔質シリコンを用いた発光素子を提供す
る。 【構成】 本実施例の多孔質シリコンは図3に示すよう
に、多孔質シリコン12aの多数の孔120内の壁面に
付着した水素の一部又は全部を重水素で置き換えたもの
である。多数の孔の壁面に付着した水素を、重水素に置
き換えることにより、側鎖の分子量を重くしている。こ
れにより、従来の赤色から緑色や青色の発光が可能とな
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコンを用いた発光
材料である多孔質シリコン及びその多孔質シリコンを用
いた発光素子に関するものである。
材料である多孔質シリコン及びその多孔質シリコンを用
いた発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコン半導体は間接遷移半導体である
ため発光素子の作製は実現不可能であると考えられてお
り、このため従来のpn接合を用いた発光素子はIII −
V 属化合物半導体、II−VI属化合物半導体、又はIV−VI
属化合物半導体で作製されていた。しかし、シリコン半
導体は化合物半導体に比べ、資源が豊富、単結晶作製技
術が高く大面積のものを安価に供給できる。また、シリ
コン半導体はデバイス設計・作製技術が高く現状の化合
物半導体では実現することが難しい高集積度でかつ高信
頼性のある論理、演算、駆動、受光素子等を同一基板上
に作り込める等の利点を有する。このため、シリコンを
用いた発光素子、特に最終的にはレーザへの応用が可能
なpn接合を用いた電荷注入型の発光素子の実現が切望
されていた。
ため発光素子の作製は実現不可能であると考えられてお
り、このため従来のpn接合を用いた発光素子はIII −
V 属化合物半導体、II−VI属化合物半導体、又はIV−VI
属化合物半導体で作製されていた。しかし、シリコン半
導体は化合物半導体に比べ、資源が豊富、単結晶作製技
術が高く大面積のものを安価に供給できる。また、シリ
コン半導体はデバイス設計・作製技術が高く現状の化合
物半導体では実現することが難しい高集積度でかつ高信
頼性のある論理、演算、駆動、受光素子等を同一基板上
に作り込める等の利点を有する。このため、シリコンを
用いた発光素子、特に最終的にはレーザへの応用が可能
なpn接合を用いた電荷注入型の発光素子の実現が切望
されていた。
【0003】1990年、L.T.Canhamにより単結晶シリ
コンを弗酸溶液中で陽極化成した多孔質シリコンが室温
で強いホトルミネッセンスを示すことが示された(Appl
iedPhysics Letters 57,1990,p.1046)。このことは、
シリコンでも発光素子が実現できる可能性があることを
示しており、この後このホトルミネッセンスの発生メカ
ニズムについて盛んに研究が行われていた。
コンを弗酸溶液中で陽極化成した多孔質シリコンが室温
で強いホトルミネッセンスを示すことが示された(Appl
iedPhysics Letters 57,1990,p.1046)。このことは、
シリコンでも発光素子が実現できる可能性があることを
示しており、この後このホトルミネッセンスの発生メカ
ニズムについて盛んに研究が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、多孔質シリ
コンを用いた従来の発光素子の発光色は、殆どが赤色で
あり、波長の短いものでも、オレンジ・赤色である。こ
のように発光色が赤色だけであると、発光素子の用途が
限定されてしまうので、より短波長の光を発することが
できるシリコンを用いた発光素子の開発が望まれてい
る。
コンを用いた従来の発光素子の発光色は、殆どが赤色で
あり、波長の短いものでも、オレンジ・赤色である。こ
のように発光色が赤色だけであると、発光素子の用途が
限定されてしまうので、より短波長の光を発することが
できるシリコンを用いた発光素子の開発が望まれてい
る。
【0005】本発明は上記の事情に基づいてなされたも
のであり、短波長の光を発することができる多孔質シリ
コン及びその多孔質シリコンを用いた発光素子を提供す
ることを目的とする。
のであり、短波長の光を発することができる多孔質シリ
コン及びその多孔質シリコンを用いた発光素子を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに請求項1記載の多孔質シリコンは、多数の孔の壁面
に付着した水素の一部又は全部を重水素で置換したこと
を特徴とするものである。
めに請求項1記載の多孔質シリコンは、多数の孔の壁面
に付着した水素の一部又は全部を重水素で置換したこと
を特徴とするものである。
【0007】また、請求項2記載の発光素子は、請求項
1記載の多孔質シリコンを用いたpn接合構造の発光素
子である。
1記載の多孔質シリコンを用いたpn接合構造の発光素
子である。
【0008】
【作用】以下に、上述した多孔質シリコンの作用を説明
する。多孔質シリコンの光励起によって生成されたSi
−Siボンド上のσ結合励起子は、図2に示すように水
素Hのつくる一次元potential 内を自由に動きまわるこ
とが可能であるが、この時この運動によってSi−Hの
振動へと、徐々にエネルギーを移して(Si−Hのvibr
atinal energy が増す)σ結合励起子の運動エネルギー
がSi−Hのvibratinal mode にエネルギーを移しつつ
減衰する。Hamiltonian で書くと、 Htot =Hfree+Hvib (1) (1)式より、Si同士の結合上にできたσ結合励起子
がSi−Hのvibratinal mode にエネルギーを渡さなけ
れば、閉じ込めが強くなり、励起子の結合エネルギーが
増大し、発光が高エネルギー側にシフトする。一次元po
tential を形成するための側鎖(SiとHとの結合)の
振動を凍結する方法としては、低温に下げる、側鎖
の分子量を重くする等の方法があるが、実用上、室温で
発光させることを考えると、の側鎖の分子量を重くし
て、振動を凍結する方法が有効である。そこで、本発明
では多数の孔の壁面に付着した水素を、重水素に置き換
えることにより、側鎖の分子量を重くしている。これに
より、従来の赤色から緑色や青色の発光が可能となる。
したがって、この多孔質シリコンを用いたpn接合構造
の発光素子は、従来の発光素子に比べてより短波長の光
を発することができる。
する。多孔質シリコンの光励起によって生成されたSi
−Siボンド上のσ結合励起子は、図2に示すように水
素Hのつくる一次元potential 内を自由に動きまわるこ
とが可能であるが、この時この運動によってSi−Hの
振動へと、徐々にエネルギーを移して(Si−Hのvibr
atinal energy が増す)σ結合励起子の運動エネルギー
がSi−Hのvibratinal mode にエネルギーを移しつつ
減衰する。Hamiltonian で書くと、 Htot =Hfree+Hvib (1) (1)式より、Si同士の結合上にできたσ結合励起子
がSi−Hのvibratinal mode にエネルギーを渡さなけ
れば、閉じ込めが強くなり、励起子の結合エネルギーが
増大し、発光が高エネルギー側にシフトする。一次元po
tential を形成するための側鎖(SiとHとの結合)の
振動を凍結する方法としては、低温に下げる、側鎖
の分子量を重くする等の方法があるが、実用上、室温で
発光させることを考えると、の側鎖の分子量を重くし
て、振動を凍結する方法が有効である。そこで、本発明
では多数の孔の壁面に付着した水素を、重水素に置き換
えることにより、側鎖の分子量を重くしている。これに
より、従来の赤色から緑色や青色の発光が可能となる。
したがって、この多孔質シリコンを用いたpn接合構造
の発光素子は、従来の発光素子に比べてより短波長の光
を発することができる。
【0009】分子量mが大きい方が良い簡単な理由は以
下の通りである。一般の運動方程式は、m・dx/dt
=−kxで表される。したがって、振動角周波数ωは、
ω=(k/m)1/2 となり、m-1/2に比例して振動角周
波数は増加する。したがって、質量が2倍になれば、振
動角周波数ωのエネルギーは1/(2)1/2 倍になる。
下の通りである。一般の運動方程式は、m・dx/dt
=−kxで表される。したがって、振動角周波数ωは、
ω=(k/m)1/2 となり、m-1/2に比例して振動角周
波数は増加する。したがって、質量が2倍になれば、振
動角周波数ωのエネルギーは1/(2)1/2 倍になる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の一実施例である多孔質シリコ
ンについて、図面を参照して説明する。図1は本発明の
第1実施例である多孔質シリコンの一部を示す概略拡大
断面図である。図2は多孔質シリコンの孔内におけるシ
リコンと水素との結合の様子を示す図、図3は本発明の
第1実施例である多孔質シリコンの孔内におけるシリコ
ンと重水素との結合の様子を示す図である。本実施例の
多孔質シリコンは図3に示すように、多孔質シリコン1
2aの多数の孔120内の壁面に付着した水素の一部又
は全部を重水素で置き換えたものである。
ンについて、図面を参照して説明する。図1は本発明の
第1実施例である多孔質シリコンの一部を示す概略拡大
断面図である。図2は多孔質シリコンの孔内におけるシ
リコンと水素との結合の様子を示す図、図3は本発明の
第1実施例である多孔質シリコンの孔内におけるシリコ
ンと重水素との結合の様子を示す図である。本実施例の
多孔質シリコンは図3に示すように、多孔質シリコン1
2aの多数の孔120内の壁面に付着した水素の一部又
は全部を重水素で置き換えたものである。
【0011】次に、第1実施例の多孔質シリコン及びそ
の多孔質シリコンを用いた発光素子の製法について説明
する。図4に示すように、p型単結晶シリコン基板
((100)又は(111)面、抵抗率0.1〜20Ω
cm)の裏面にAu又はAlを蒸着してオーミックコン
タクトをとる。次に、多孔質化したい部分を除いてワッ
クスでマスクをし、図5(a)に示すようにエチルアル
コール:弗酸:水:重水=2:1:1:1の溶液中に浸
す。定電流電源Eを用い、その陰極側に白金電極を付
け、その陽極側に単結晶シリコン基板を付ける。このよ
うにして、10〜50mA/cm2 の定電流を流しなが
ら陽極化成を行う。化成時間はp型単結晶シリコン基板
11の厚みによって異なり、通常5μmの場合であれ
ば、5分程度である。なお、p型単結晶シリコン基板を
用いた場合は、暗中、明中どちらで陽極化成を行っても
よい。その後光化学エッチング又はKOH溶液に数秒間
浸し多孔質シリコンの表面の不純物層を取り除く。次に
表面のワックスを有機溶剤で解かし、純水で洗浄した後
電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD装置に入れn型
の微結晶を含有する非晶質シリコンカーボン膜を150
Å堆積した。堆積条件はガス圧0.001〜0.008
Torr、投入電力200〜300W、SiH4 :CH
4 :PH3 :H2 =1:1〜3:0.005〜0.0
3:100〜200、基板温度150〜300℃であ
る。次に電子ビーム蒸着装置を用い、透明電極であるイ
ンジウムティンオキサイド(ITO)を400〜700
Å堆積した。
の多孔質シリコンを用いた発光素子の製法について説明
する。図4に示すように、p型単結晶シリコン基板
((100)又は(111)面、抵抗率0.1〜20Ω
cm)の裏面にAu又はAlを蒸着してオーミックコン
タクトをとる。次に、多孔質化したい部分を除いてワッ
クスでマスクをし、図5(a)に示すようにエチルアル
コール:弗酸:水:重水=2:1:1:1の溶液中に浸
す。定電流電源Eを用い、その陰極側に白金電極を付
け、その陽極側に単結晶シリコン基板を付ける。このよ
うにして、10〜50mA/cm2 の定電流を流しなが
ら陽極化成を行う。化成時間はp型単結晶シリコン基板
11の厚みによって異なり、通常5μmの場合であれ
ば、5分程度である。なお、p型単結晶シリコン基板を
用いた場合は、暗中、明中どちらで陽極化成を行っても
よい。その後光化学エッチング又はKOH溶液に数秒間
浸し多孔質シリコンの表面の不純物層を取り除く。次に
表面のワックスを有機溶剤で解かし、純水で洗浄した後
電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD装置に入れn型
の微結晶を含有する非晶質シリコンカーボン膜を150
Å堆積した。堆積条件はガス圧0.001〜0.008
Torr、投入電力200〜300W、SiH4 :CH
4 :PH3 :H2 =1:1〜3:0.005〜0.0
3:100〜200、基板温度150〜300℃であ
る。次に電子ビーム蒸着装置を用い、透明電極であるイ
ンジウムティンオキサイド(ITO)を400〜700
Å堆積した。
【0012】ところで、陽極化成により多孔質シリコン
12aを形成する際に、従来のように弗酸:エタノー
ル:水=1:2:1の水溶液で行えば、図2に示すよう
に孔120内の壁面のダングリングボンドは水素によっ
て直ちに終端される。これに対して、本実施例のように
弗酸:エタノール:水:重水=1:2:1:1の水溶液
で陽極化成を行うことにより、図3に示すように従来、
水素によって終端されていた側鎖の一部又は全部を重水
素で置き換え、側鎖の分子量を容易に重くすることがで
きる。このように、側鎖の分子量を重くすることによ
り、側鎖の分子振動をより凍結することができ、σ結合
励起子の閉じ込めを損失なく行うことができ、より短波
長の光を発光させることができる。図6はその測定結果
を示す図であり、ホトルミネッセンスのスペクトル図で
ある。図6からも明らかなように、本実施例の多孔質シ
リコンによれば、従来のものに比べて短波長の発光現象
が生ずる。したがって、本実施例の多孔質シリコンを用
いた発光素子は、従来の発光素子に比べてより短波長の
光を発することができる。なお、上記の陽極化成におい
て重水の割合は1以上であればよく、また上記の陽極化
成では、DFが市販されていないので、重水を用いた
が、DFが入手可能になれば、HFの代わりにDF或い
はTFを用いて陽極化成を行ってもよい。
12aを形成する際に、従来のように弗酸:エタノー
ル:水=1:2:1の水溶液で行えば、図2に示すよう
に孔120内の壁面のダングリングボンドは水素によっ
て直ちに終端される。これに対して、本実施例のように
弗酸:エタノール:水:重水=1:2:1:1の水溶液
で陽極化成を行うことにより、図3に示すように従来、
水素によって終端されていた側鎖の一部又は全部を重水
素で置き換え、側鎖の分子量を容易に重くすることがで
きる。このように、側鎖の分子量を重くすることによ
り、側鎖の分子振動をより凍結することができ、σ結合
励起子の閉じ込めを損失なく行うことができ、より短波
長の光を発光させることができる。図6はその測定結果
を示す図であり、ホトルミネッセンスのスペクトル図で
ある。図6からも明らかなように、本実施例の多孔質シ
リコンによれば、従来のものに比べて短波長の発光現象
が生ずる。したがって、本実施例の多孔質シリコンを用
いた発光素子は、従来の発光素子に比べてより短波長の
光を発することができる。なお、上記の陽極化成におい
て重水の割合は1以上であればよく、また上記の陽極化
成では、DFが市販されていないので、重水を用いた
が、DFが入手可能になれば、HFの代わりにDF或い
はTFを用いて陽極化成を行ってもよい。
【0013】次に、本発明の第2実施例である多孔質シ
リコン及びその多孔質シリコンを用いた発光素子につい
て説明する。なお、本実施例の多孔質シリコンは図1及
び図3に示す第1実施例と略同じであるので、本実施例
の多孔質シリコンの説明においても図1及び図3を用い
ることとする。本実施例の多孔質シリコンは図3に示す
ように、多孔質シリコン16aの多数の孔160内の壁
面に付着した水素の一部又は全部を重水素で置き換えた
ものである。本実施例2の発光素子は、n型単結晶シリ
コン基板を用いている。
リコン及びその多孔質シリコンを用いた発光素子につい
て説明する。なお、本実施例の多孔質シリコンは図1及
び図3に示す第1実施例と略同じであるので、本実施例
の多孔質シリコンの説明においても図1及び図3を用い
ることとする。本実施例の多孔質シリコンは図3に示す
ように、多孔質シリコン16aの多数の孔160内の壁
面に付着した水素の一部又は全部を重水素で置き換えた
ものである。本実施例2の発光素子は、n型単結晶シリ
コン基板を用いている。
【0014】図7に示すように、n型単結晶シリコン基
板((100)又は(111)面、抵抗率0.1〜20
Ωcm)の裏面にAu又はAlを蒸着してオーミックコ
ンタクトをとる。次に、多孔質化したい部分を除いてワ
ックスでマスクをし、図5(b)に示すようにエチルア
ルコール:弗酸:水:重水=2:1:1:1の溶液中に
浸す。定電流電源Eを用い、その陰極側に白金電極を付
け、その陽極側に単結晶シリコン基板を付ける。このよ
うにして、10〜50mA/cm2 の定電流を流しなが
ら陽極化成を行う。化成時間はn型単結晶シリコン基板
15の厚みによって異なり、通常5μmの場合であれ
ば、5分程度である。なお、n型単結晶シリコン基板を
用いた場合は、タングステンランプなどの光を照射して
陽極化成を行う必要がある。その後光化学エッチング又
はKOH溶液に数秒間浸し多孔質シリコンの表面の不純
物層を取り除く。次に表面のワックスを有機溶剤で解か
し、純水で洗浄した後電子サイクロトロン共鳴プラズマ
CVD装置に入れp型の微結晶を含有する非晶質シリコ
ンカーボン膜を150Å堆積した。堆積条件はガス圧
0.001〜0.008Torr、投入電力200〜3
00W、SiH4 :CH4 :B2 H6 :H2 =1:1〜
3:0.005〜0.03:100〜200、基板温度
150〜300℃である。次に電子ビーム蒸着装置を用
い、透明電極であるインジウムティンオキサイド(IT
O)を400〜700Å堆積した。
板((100)又は(111)面、抵抗率0.1〜20
Ωcm)の裏面にAu又はAlを蒸着してオーミックコ
ンタクトをとる。次に、多孔質化したい部分を除いてワ
ックスでマスクをし、図5(b)に示すようにエチルア
ルコール:弗酸:水:重水=2:1:1:1の溶液中に
浸す。定電流電源Eを用い、その陰極側に白金電極を付
け、その陽極側に単結晶シリコン基板を付ける。このよ
うにして、10〜50mA/cm2 の定電流を流しなが
ら陽極化成を行う。化成時間はn型単結晶シリコン基板
15の厚みによって異なり、通常5μmの場合であれ
ば、5分程度である。なお、n型単結晶シリコン基板を
用いた場合は、タングステンランプなどの光を照射して
陽極化成を行う必要がある。その後光化学エッチング又
はKOH溶液に数秒間浸し多孔質シリコンの表面の不純
物層を取り除く。次に表面のワックスを有機溶剤で解か
し、純水で洗浄した後電子サイクロトロン共鳴プラズマ
CVD装置に入れp型の微結晶を含有する非晶質シリコ
ンカーボン膜を150Å堆積した。堆積条件はガス圧
0.001〜0.008Torr、投入電力200〜3
00W、SiH4 :CH4 :B2 H6 :H2 =1:1〜
3:0.005〜0.03:100〜200、基板温度
150〜300℃である。次に電子ビーム蒸着装置を用
い、透明電極であるインジウムティンオキサイド(IT
O)を400〜700Å堆積した。
【0015】本実施例ではn型の単結晶シリコン基板1
5を用いたことにより、本実施例の多孔質シリコンは、
p型の単結晶シリコン基板11を用いた前述の第1実施
例に比べて、更に短波長の発光現象が生ずる。したがっ
てまた、本実施例の多孔質シリコンを用いた発光素子は
第1実施例の発光素子に比べて、更に波長の短い光を発
することができる。
5を用いたことにより、本実施例の多孔質シリコンは、
p型の単結晶シリコン基板11を用いた前述の第1実施
例に比べて、更に短波長の発光現象が生ずる。したがっ
てまた、本実施例の多孔質シリコンを用いた発光素子は
第1実施例の発光素子に比べて、更に波長の短い光を発
することができる。
【0016】上記の実施例の発光素子は300℃以下の
低温プロセスで作製可能なことにより、論理、演算、駆
動、受光素子等を作製した後、素子部分をワックス等で
覆い、本実施例の発光素子を作製すれば、論理、演算、
駆動、受光素子等を破壊することなくモノシリックに発
光素子と論理、演算、駆動、受光素子等を作り込みこと
ができるので、特に光通信、自発光型ディスプレイ、光
集積回路等の光源として好適である。
低温プロセスで作製可能なことにより、論理、演算、駆
動、受光素子等を作製した後、素子部分をワックス等で
覆い、本実施例の発光素子を作製すれば、論理、演算、
駆動、受光素子等を破壊することなくモノシリックに発
光素子と論理、演算、駆動、受光素子等を作り込みこと
ができるので、特に光通信、自発光型ディスプレイ、光
集積回路等の光源として好適である。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、多
数の孔の壁面に付着した水素の一部又は全部を重水素で
置換したことにより、従来のものに比べて、より短波長
の光を発することができる多孔質シリコン及びその多孔
質シリコンを用いた発光素子を提供することができる。
数の孔の壁面に付着した水素の一部又は全部を重水素で
置換したことにより、従来のものに比べて、より短波長
の光を発することができる多孔質シリコン及びその多孔
質シリコンを用いた発光素子を提供することができる。
【図1】本発明の実施例である多孔質シリコンの一部を
示す概略拡大断面図である。
示す概略拡大断面図である。
【図2】多孔質シリコンの孔内におけるシリコンと水素
との結合の様子を示す図である。
との結合の様子を示す図である。
【図3】本発明の実施例である多孔質シリコンの孔内に
おけるシリコンと重水素との結合の様子を示す図であ
る。
おけるシリコンと重水素との結合の様子を示す図であ
る。
【図4】本発明の実施例である発光素子の実施例1の概
略構造図である。
略構造図である。
【図5】本発明の実施例である発光素子の製法を説明す
るための図である。
るための図である。
【図6】第1実施例である多孔質シリコンのホトルミネ
ッセンスのスペクトル図である。
ッセンスのスペクトル図である。
【図7】本発明の実施例である発光素子の実施例2の概
略構造図である。
略構造図である。
1,2 発光素子 11 p型の単結晶シリコン基板 12 n型の微結晶を含有する非晶質シリコンカーボ
ン層 12a,16a 多孔質シリコン 14 ITO 15 n型の単結晶シリコン基板 16 p型の微結晶を含有する非晶質シリコンカーボ
ン層 120,160 孔
ン層 12a,16a 多孔質シリコン 14 ITO 15 n型の単結晶シリコン基板 16 p型の微結晶を含有する非晶質シリコンカーボ
ン層 120,160 孔
Claims (2)
- 【請求項1】 多数の孔の壁面に付着した水素の一部又
は全部を重水素で置換したことを特徴とする多孔質シリ
コン。 - 【請求項2】 請求項1記載の多孔質シリコンを用いた
pn接合構造の発光素子。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30483892A JPH06132564A (ja) | 1992-10-16 | 1992-10-16 | 多孔質シリコン及び発光素子 |
US08/008,566 US5285078A (en) | 1992-01-24 | 1993-01-22 | Light emitting element with employment of porous silicon and optical device utilizing light emitting element |
DE4301940A DE4301940A1 (ja) | 1992-01-24 | 1993-01-25 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30483892A JPH06132564A (ja) | 1992-10-16 | 1992-10-16 | 多孔質シリコン及び発光素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06132564A true JPH06132564A (ja) | 1994-05-13 |
Family
ID=17937876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30483892A Withdrawn JPH06132564A (ja) | 1992-01-24 | 1992-10-16 | 多孔質シリコン及び発光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06132564A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5567954A (en) * | 1992-06-30 | 1996-10-22 | The Secretary Of State For Defence In Her Brittanic Majesty's Government Of The United Kingdom Of Great Britain And Northern Ireland | Light emitting device with porous material |
JP2007265924A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-11 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ダイヤモンド電子源素子 |
WO2022059735A1 (ja) * | 2020-09-18 | 2022-03-24 | 公立大学法人名古屋市立大学 | 量子もつれ装置 |
-
1992
- 1992-10-16 JP JP30483892A patent/JPH06132564A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5567954A (en) * | 1992-06-30 | 1996-10-22 | The Secretary Of State For Defence In Her Brittanic Majesty's Government Of The United Kingdom Of Great Britain And Northern Ireland | Light emitting device with porous material |
JP2007265924A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-11 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ダイヤモンド電子源素子 |
WO2022059735A1 (ja) * | 2020-09-18 | 2022-03-24 | 公立大学法人名古屋市立大学 | 量子もつれ装置 |
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