JPH06130825A - 転写装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 厚い用紙でも安定して走行させることができ
るとともに感光体ドラムに傷が付く恐れがなく、しかも
用紙が変形している場合でも良好な転写を行うことがで
きるようにする。 【構成】 用紙１３は用紙案内部材１５により転写位置
に案内される。用紙案内部材１５は剛性の高い金属によ
り形成されており、すべり層１７により覆われている。
すべり層１７は耐摩耗性で感光体ドラム１０の表面より
も柔らかく、しかも滑りやすい材料たとえば超高分子量
ポリエチレンのシートにより形成されている。用紙案内
部材１５は軸部１６を中心に回動可能となっており、ス
プリング１８により感光体ドラム１０方向に弾性的に付
勢されている。用紙案内部材１５上のすべり層１７と感
光体ドラム１０との間の隙間は回動規制部材により一定
間隔に保持されている。用紙１３は変形していてもすべ
り層１７を介して感光体ドラム１０に押し付けられるた
め密着不良となることはなく、良好に転写できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子写真プロセスにより
画像形成を行う画像形成装置用の転写装置に係り、特に
転写位置に用紙を案内する用紙案内部材を有する転写装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の転写装置は、たとえば図
５に表すように、像担持体としての感光体ドラム１の転
写位置に、転写コロトロン２が感光体ドラム１の表面に
対して対向配置され、この転写コロトロン２と感光体ド
ラム１との間の転写位置に用紙５を案内するように用紙
案内部材４が固定配置されている。この用紙案内部材４
は、その先端部４ａと感光体ドラム１との間の間隔を用
紙５の幅方向に対して一定に保持するために、剛性の高
い金属により形成されている。なお、このような案内部
材を備えたものとして特開平４−３０８５号公報に開示
された転写装置がある。

【０００３】この転写装置では、用紙５は現像装置によ
り感光体ドラム１の表面に形成されたトナー像の転写位
置への到達のタイミングに合わせて、図示しない搬送手
段により用紙案内部材４に案内されながら送り込まれ
る。一方、転写コロトロン２では電源３により放電線２
ａに放電電流が流れ、これにより用紙４の背面がトナー
像と異なる極性に帯電され、両者の静電気力によりトナ
ー像が用紙５の表面側に転写される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の転
写装置では、用紙案内部材４は剛性の高い金属により形
成されていたが、そのため感光体ドラム１と用紙案内部
材４との間の間隔が余り小さいと、用紙５が厚い場合に
は転写位置を搬送できなくなるという問題があった。ま
た用紙案内部材４と感光体ドラム１との間は、用紙５が
詰まった場合、これを除去するためにオペレータの手を
入れることができる程度に開く必要があるが、一旦開い
た後、それを閉じた場合、従来の用紙案内部材４では剛
性の高い材料で形成されているため、感光体ドラム１の
表面に傷がつくおそれがあった。このため用紙案内部材
４と感光体ドラム１との間の間隔はある程度大きくとる
必要があった。

【０００５】しかしながら、このように用紙案内部材４
と感光体ドラム１との間の間隔を大きくとると、用紙５
が変形している場合には、その部分で用紙５と感光体ド
ラム１との間で密着不良が起こり、そのため転写不良が
発生するという問題があった。特に、両面コピーを行う
複写機の場合には、第２面（裏面）のコピーの場合、第
１面（表面）のコピーの際に既に一度熱定着装置を通過
しているため、用紙５が変形しており、このような問題
が発生しやすい。

【０００６】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、厚い用紙でも安定して走行させること
ができるとともに感光体ドラムに傷が付く恐れがなく、
しかも用紙が変形している場合でも良好な転写を行うこ
とができる転写装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明による転写装置
は、トナー像が形成される像担持体と、この像担持体に
対向して配設されるとともに前記トナー像を用紙に対し
て転写させる転写手段と、この転写手段と前記像担持体
との間の転写位置に向けて用紙を送り込む用紙搬送手段
と、剛性を有する材料により形成されるとともに回動可
能に支持され、前記用紙搬送手段により送り込まれた用
紙を転写位置に案内する用紙案内部材と、この用紙案内
部材を前記像担持体方向へ弾性的に付勢し、送り込まれ
た用紙を前記像担持体の表面に密着させる付勢手段と、
前記用紙案内部材と前記像担持体との間の間隔が一定に
なるように前記用紙案内部材の回動を規制する回動規制
手段と、耐摩耗性で前記像担持体の表面よりも柔らかい
材料により形成されるとともに前記用紙案内部材の少な
くとも前記像担持体に最も近接した部分を覆うように設
けられたすべり手段とを備えている。

【０００８】この転写装置では、用紙搬送手段により送
り込まれた用紙は、用紙案内部材により転写手段と像担
持体との間の転写位置に案内されるが、このとき用紙案
内部材は耐摩耗性のすべり手段により覆われているの
で、用紙は滑らかに走行し、転写が良好に行われる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【００１０】図１は本発明の一実施例に係る転写装置の
側面構成を表わし、また図２は同じく正面から見た構成
を表わすものである。この転写装置は、感光体ドラム１
０の転写位置に対向して転写手段としての転写コロトロ
ン１１を備えている。感光体ドラム１０は、その表面は
帯電工程においてたとえば正電荷で一様に帯電された
後、露光工程において複写すべき原稿のパターンに応じ
て露光され静電潜像が形成され、次いで現像工程におい
てこの静電潜像がトナーによって可視像化される。

【００１１】転写コロトロン１１は、電源１２からの電
圧印加により放電線１１ａに放電電流が流れることによ
り放電（コロナ放電）し、これにより転写位置を通過す
る用紙１３の背面に対して正電荷を与え、これとトナー
自身の負電荷との間の静電気力によりトナー像を感光体
ドラム１０から用紙１３の表面に転写させる。用紙搬送
方向（プロセス方向）に対する転写コロトロン１１の下
流側には除電コロトロン１４が配設されており、転写後
の用紙１３を感光体ドラム１０から剥離するようになっ
ている。

【００１２】用紙１３は図示しない搬送手段により送り
込まれるが、用紙案内部材１５により感光体ドラム１０
と転写コロトロン１２との間の転写位置に案内されるよ
うになっている。用紙案内部材１５はステンレス等の剛
性の高い金属により形成されている。この用紙案内部材
１５は転写コロトロン１２側の先端部１５ａおよび上面
がすべり手段としてのすべり層１７により覆われてい
る。このすべり層１７は、耐摩耗性で感光体ドラム１０
の表面よりも柔らかく、しかも滑りやすい材料、たとえ
ば超高分子量ポリエチレン等のシートにより形成され、
このシートが用紙案内部材１５に接着されている。すべ
り層１７の厚さはたとえば０．２ｍｍに設定される。

【００１３】用紙案内部材１５は図１に示したように軸
部１６を中心に回動可能となっている。用紙案内部材１
５の軸部１６と先端部１５ａとの間には付勢手段として
のスプリング１８が取り付けられており、このスプリン
グ１８により用紙案内部材１５を図１において時計回り
方向に弾性的に付勢するようになっている。用紙案内部
材１５の両端部にはそれぞれ図２に示したように回動規
制部材１９の一端部が当接している。この位置では用紙
案内部材１５上のすべり層１７と感光体ドラム１０との
間の隙間が０．３〜０．６ｍｍとなっている。なお、回
動規制部材１９は感光体ドラム１０の軸受けを兼ねてお
り、この回動規制部材１９の他端部と軸１０ａとの間に
ベアリング材２０が設けられている。

【００１４】本実施例の転写装置では、用紙１３は感光
体ドラム１０と用紙案内部材１５のすべり層１７との間
を通過し、転写位置に送り込まれる。このとき用紙案内
部材１５はスプリング１８により感光体ドラム１０側に
弾性的に付勢されているため、用紙１３は変形していて
もすべり層１７を介して感光体ドラム１に押し付けられ
密着不良となることはない。したがって転写コロトロン
１２により用紙１３を均一に帯電させることができ、像
抜けの発生を防止できる。

【００１５】また、厚紙のようにその厚さが感光体ドラ
ム１０とすべり層１７との隙間を越えるような用紙１３
が送り込まれた場合には、その搬送力により用紙案内部
材１５はスプリング１８の弾性力に抗して軸部１６を中
心に図１において反時計回り方向に回動し、その結果感
光体ドラム１０とすべり層１７との隙間が拡がる。しか
も用紙案内部材１５はすべり層１７で覆われているた
め、用紙１３は転写位置で止まることなく安定して走行
し、転写画質に悪影響を及ぼすことはない。さらに、振
動等により用紙案内部材１５のすべり層１７が感光体ド
ラム１０に当たるようなことがあっても、すべり層１７
は感光体ドラム１０の表面よりも柔らかいので、感光体
ドラム１０に傷がつくおそれはない。

【００１６】図３は本発明の他の実施例を表わすもので
ある。本実施例では、回動規制部材２１をすべりやすく
耐磨耗性に優れた材料、たとえばすべり層１７と同じ超
高分子量ポリエチレンにより形成し、これを用紙案内部
材１５を覆うすべり層１７と感光体ドラム１０の両端部
の表面との間に配設したものである。

【００１７】本実施例の転写装置では、回動規制部材２
１の厚さを制御することにより感光体ドラム１とすべり
層１７との間の隙間をより精度良く設定できる。その他
の構成および作用効果は上記実施例と同様であるので、
その説明は省略する。

【００１８】なお、上記実施例においては、すべり層１
７を用紙案内部材１５の上面全面に設けるようにした
が、これは図４に表わすように用紙案内部材１５の先端
部１５ａのみ覆うようにしてもよい。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明の転写装置に
よれば、用紙案内部材を耐摩耗性で像担持体の表面より
も柔らかい材料により形成されたすべり手段により覆う
ようにしたので、厚い用紙でも転写位置を安定して走行
させることができるとともに感光体ドラムに傷が付く恐
れがなく、しかも用紙が変形している場合でも密着不良
となることがなく良好な転写を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例に係る転写装置の側面図で
ある。

【図２】 図１の転写装置の正面図である。

【図３】 本発明の他の実施例に係る転写装置の正面図
である。

【図４】 本発明のさらに他の実施例に係る転写装置の
側面図である。

【図５】 従来の転写装置の側面図である。

【符号の説明】

１０…感光体ドラム、１１…転写コロトロン、１３…用
紙、１５…用紙案内部材、１６…軸部、１７…すべり層
（すべり手段）、１８…スプリング（付勢手段）、１
９、２１…回動規制部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トナー像が形成される像担持体と、 この像担持体に対向して配設されるとともに前記トナー
   像を用紙に対して転写させる転写手段と、 この転写手段と前記像担持体との間の転写位置に向けて
   用紙を送り込む用紙搬送手段と、 剛性を有する材料により形成されるとともに回動可能に
   支持され、前記用紙搬送手段により送り込まれた用紙を
   転写位置に案内する用紙案内部材と、 この用紙案内部材を前記像担持体方向へ弾性的に付勢
   し、送り込まれた用紙を前記像担持体の表面に密着させ
   る付勢手段と、 前記用紙案内部材と前記像担持体との間の間隔が一定に
   なるように前記用紙案内部材の回動を規制する回動規制
   手段と、 耐摩耗性で前記像担持体の表面よりも柔らかい材料によ
   り形成されるとともに前記用紙案内部材の少なくとも前
   記像担持体に最も近接した部分を覆うように設けられた
   すべり手段とを備えたことを特徴とする転写装置。