JPH06128709A - 形状記憶合金の加工熱処理方法および形状記憶合金部材 - Google Patents

形状記憶合金の加工熱処理方法および形状記憶合金部材

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JPH06128709A
JPH06128709A JP27634792A JP27634792A JPH06128709A JP H06128709 A JPH06128709 A JP H06128709A JP 27634792 A JP27634792 A JP 27634792A JP 27634792 A JP27634792 A JP 27634792A JP H06128709 A JPH06128709 A JP H06128709A
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JP
Japan
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shape memory
shape
memory alloy
temperature
heat treatment
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Application number
JP27634792A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Shiyugo
嘉朗 守護
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Ni:45〜50%(重量)、Cu:5〜12
%、残部Tiからなる形状記憶合金(NiおよびTiの
一部は、5.0%までのCr,Fe,Co,Mo,V,
Pdで置換してもよい)の部材に対し、形状記憶処理の
のち、拘束を加えた状態で変態温度(Af温度)を超え
る温度に加熱し拘束したまま冷却する拘束熱処理を施
す。 【効果】 マルテンサイト相温度での形状として、上記
拘束状態の形状が与えられる。 それにより、たとえば
コイルバネの形の形状記憶合金部材に、任意の自由長を
もたせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、NiTiX(X=C
u,Cr,Fe,Co,Mo,V,Pd)系の形状記憶
合金の加工熱処理方法、およびその方法によって処理さ
れた形状記憶合金部材に関する。
【0002】
【従来の技術】よく知られているように、形状記憶合金
はマルテンサイト相(低温)で柔軟であり母相(高温)で
固いという性質を示し、高温で記憶させた形状を憶えて
いて、マルテンサイト相で変形を与えても、合金組成に
より決定される変態温度(Af温度)以上に加熱する
と、記憶した元の形状に回復する。
【0003】この性能を利用して温度センサーとしては
たらかせることもできるし、記憶した形状を回復すると
きの回復力を利用してアクチュエーターとして機能させ
ることもできる。 実用上重要な形状記憶合金はNiT
i系およびNiTiX系である。 アクチュエーターと
しては、通常コイルバネの形態で使用されている。
【0004】ところが、従来既知の形状記憶合金でコイ
ルバネを製作した場合、高温であれ低温であれ変形を行
なったものが、必然的にスプリングバックを生じてしま
うため、所望の形状(たとえば変形後のコイル高さ)を
実現することが、著しく困難であった。
【0005】また、元の形に戻るときに実現する変位の
相対的な大きさは、従来の形状記憶合金部材では、自ら
限界がある。 これは、回復力は小さくてよいが変位は
大きくとりたい、という用途に関しては不都合である。
【0006】図1はこれらの関係を示したものであっ
て、コイルバネを第1段に示すようにセットして(長さ
0)これを加熱することにより形状記憶させたもの
を、第2段に示すように拘束して(長さl1)変形して
も、拘束力を解放すれば第3段に示すようにスプリング
バックが起り(長さl2)拘束状態の形状を与えることは
できないし、これをAf温度以上に加熱して第4段のよ
うに記憶させた形状に戻しても、このコイルバネを用い
たアクチュエーターの作動距離は、l0−l2しかとれな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、形状
記憶合金における上記のような問題を解消して、マルテ
ンサイト相(低温)において任意の形状を与えることので
きる形状記憶合金の熱処理加工方法を提供すること、ま
た、所望の形状に精度よく近づけた形状をもち、従って
回復量も精度よく設定できる形状記憶合金部材を提供す
ることにある。
【0008】コイルバネという代表的な形状の部材を用
いたアクチュエーターに関していえば、作動距離を高精
度にするほか、相対的に大きい作動距離をもったアクチ
ュエーターを実現することも、本発明の目的に含まれ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の形状記憶合金の
加工熱処理方法は、Ni:45〜50%(重量%、以下
同じ)、Cu:5〜12%、残部Tiからなる形状記憶
合金の部材に対し、400〜650℃の温度に0.5〜
120分間加熱する形状記憶処理を施し、さらに部材に
拘束を加えた状態で変態温度を超える温度に加熱し拘束
したまま冷却する拘束熱処理を施すことによって、マル
テンサイト相温度での形状として拘束状態の形状を与え
ることを特徴とする。
【0010】本発明の形状記憶合金部材は、Ni:45
〜50%(重量%、以下同じ)、Cu:5〜12%、残
部Tiからなる形状記憶合金の部材であって、形状記憶
処理および拘束熱処理によって拘束状態の形状を与えら
れたことを特徴とする。
【0011】形状記憶合金の組成としては、上記の成分
のうちNiおよび(または)Tiの一部をCr,Fe,C
o,Mo,VおよびPdの1種または2種以上0.1〜
5.0%で置換したものもまた、同様に使用できる。
上記Cr以下の諸元素による置換は、変態温度(Af
点)を低くする作用がある。
【0012】
【作用】本発明で使用する形状記憶合金の合金組成その
ものは、既知である。 NiTiCu系合金において、
Ni:45〜50%は形状記憶性能を発揮させるために
不可欠である。
【0013】Cuは5%以上加えないと、本発明で意図
する効果が得られない。 一方、12%を超える存在
は、加工性を低下させてコイルバネなどの形をつくるこ
とを困難にする。
【0014】Cr,Fe,Co,Mo,VおよびPd
は、変態温度低下の効果を明確に得るためには0.1%
以上の添加を要する。 しかし、変態温度を下げ過ぎる
と常用の温度領域で形状記憶特性を示さなくなるし、加
工性を保つ意味でも過大に加えない方がよいから、5.
0%の上限を設けた。
【0015】本発明に従って形状記憶処理に続く拘束熱
処理を行なうと、マルテンサイト相温度において任意の
形状を与えることができる。 この模様は図2に示すと
おりであって、第1段は図1のそれと同様の形状記憶処
理をあらわすが、第2段は本発明固有の拘束熱処理をあ
らわし、その結果として第3段に示すように、拘束から
解放した後のコイルバネは、拘束時の形状を保ってい
る。 これを変態温度以上に加熱したときの回復は、第
4段に示すとおりであるから、作動距離としてはL0
2(>l0−l2)をとることができる。
【0016】
【実施例】Ni:46.8%、Cu:8.3%、残部T
iからなる組成の形状記憶合金を用意し、径1.0mmに
伸線した。 これを内径15.0mm、有効巻数7回のコ
イルに巻いた。 コイルの自由高は30.0mmである。
【0017】このコイルを440℃×30分間の加熱に
より、上記自由高30.0mmに形状記憶させる処理を行
なった。
【0018】続いて、コイルを高さ10.0mmに圧縮し
た形で拘束し、90℃×1分間の加熱と、拘束のまま常
温まで冷却する拘束熱処理を行なった。 拘束から解放
したとき、スプリングバックは実質上認められなかっ
た。
【0019】以上の処理をしたコイルバネについて、0
℃から90℃に加熱し90℃から0℃に戻る温度変化を
与え、コイルバネの発生力を測定した。 温度と発生力
の関係は、図3のグラフに示すとおりである。
【0020】
【発明の効果】本発明の熱処理加工法により、NiTi
Cu系形状記憶合金の部材に対し、マルテンサイト相に
おいて任意の形状を与えることができる。 従ってこの
熱処理加工方法により得られる本発明の形状記憶合金部
材は、コイルバネでいえば精度のよい自由長を有し、回
復量もまた精度よく設定できる。 アクチュエーターと
しては作動距離の精度が高く、小さな回復力で大きな作
動距離をもったものを製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の形状記憶合金部材について、形状記憶
処理からマルテンサイト相における変形を経て高温にお
ける回復までを、コイルバネの長さで示した概念的な
図。
【図2】 本発明に従う形状記憶合金部材について、熱
処理加工の工程とコイルバネの長さとの関係を示した、
図1に対応する図。
【図3】 本発明の実施例において得た、コイルバネの
発生力−温度の関係を示すグラフ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni:45〜50%(重量%、以下同
    じ)、Cu:5〜12%、残部Tiからなる形状記憶合
    金の部材に対し、400〜650℃の温度に0.5〜1
    20分間加熱する形状記憶処理を施し、さらに部材に拘
    束を加えた状態で変態温度を超える温度に加熱し拘束し
    たまま冷却する拘束熱処理を施すことによって、マルテ
    ンサイト相温度での形状として拘束状態の形状を与える
    ことを特徴とする形状記憶合金の加工熱処理方法。
  2. 【請求項2】 Ni:45〜50%(重量%、以下同
    じ)、Cu:5〜12%、残部Tiからなる形状記憶合
    金のNiおよび(または)Tiの一部をCr,Fe,C
    o,Mo,VおよびPdの1種または2種以上0.1〜
    5.0%で置換した合金の部材に対し、400〜650
    ℃の温度に0.5〜120分間加熱する形状記憶処理を
    施し、さらに部材に拘束を加えた状態で変態温度を超え
    る温度に加熱し拘束したまま冷却する拘束熱処理を施す
    ことによって、マルテンサイト相温度での形状として拘
    束状態の形状を与えることを特徴とする形状記憶合金の
    加工熱処理方法。
  3. 【請求項3】 Ni:45〜50%(重量%、以下同
    じ)、Cu:5〜12%、残部Tiからなる形状記憶合
    金の部材であって、形状記憶処理および拘束熱処理によ
    って拘束状態の形状を与えられたことを特徴とする形状
    記憶合金部材。
  4. 【請求項4】 Ni:45〜50%(重量%、以下同
    じ)、Cu:5〜12%、残部Tiからなる形状記憶合
    金のNiおよび(または)Tiの一部をCr,Fe,C
    o,Mo,VおよびPdの1種または2種以上0.1〜
    5.0%で置換した合金の部材であって、形状記憶処理
    および拘束熱処理によって拘束状態の形状を与えられた
    ことを特徴とする形状記憶合金部材。
  5. 【請求項5】 コイルバネの形状を有する請求項3また
    は4に記載の形状記憶合金部材。
JP27634792A 1992-10-14 1992-10-14 形状記憶合金の加工熱処理方法および形状記憶合金部材 Pending JPH06128709A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999042629A1 (en) * 1998-02-19 1999-08-26 Boston Scientific Ltd. Process for the improved ductility of nitinol
CN101982657A (zh) * 2010-11-19 2011-03-02 哈尔滨工业大学 增加位移的方形套筒式形状记忆合金作动器
CN102003363A (zh) * 2010-11-19 2011-04-06 哈尔滨工业大学 增加作动力的方形套筒式形状记忆合金作动器
CN102052271A (zh) * 2010-11-19 2011-05-11 哈尔滨工业大学 圆形套筒式形状记忆合金作动器

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