JPH06126076A - 洗濯機の動作異常記憶及び表示方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 故障等が原因で洗濯工程が途中で停止した場
合、事故内容や残りの工程を記憶しておき、サービスマ
ンによる点検時にこれを表示して修理の手掛かりとし、
修理の作業性及び精度向上を図る。 【構成】 制御装置からの出力で洗濯工程が自動的に進
行する全自動洗濯機において、故障などにより洗濯工程
が途中で停止した場合、電源がオフしても記憶が消失し
ない記憶回路に実施されなかった残工程と事故内容とを
記憶し、事故判定モードを設定すると通常は洗濯内容等
を表示するランプの点灯で前記記憶回路に記憶した残工
程と事故内容とを表示し、前記事故判定モードは、洗濯
内容設定のための個々の表示ランプを洗濯工程と事故内
容の表示ランプとして予め表示内容に対応させて点灯個
所を設定し、通常の洗濯操作では使用されない使用方法
で洗濯内容設定のためのスイッチをオンすると事故判定
モードに切り換わる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗濯工程が途中で停止
した場合の洗濯機の動作異常記憶及び表示方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図８、図９は全自動一槽式洗濯機の一例
を示し、外箱１内に配設した外槽１５の内部に洗濯兼脱
水槽１１を配設し、該洗濯兼脱水槽１１内に攪拌翼６を
設けている。外槽１５の下方にモーター７を配設し、該
モーター７の回転軸を、Ｖベルト８、洗濯兼脱水槽１１
及び攪拌翼６の回転駆動軸に接続する減速機構部１０を
介して接続し、減速機構部１０にこれを動作させるトル
クモーター１４を連結する。また、外槽１５の底部に開
口する排水管１３の途中に排水弁９を設け、排水管１３
を機外の排水ホース４に接続した。図中１６はモーター
７の回転数を検出するパイロットジェネレーターを示
す。

【０００３】図中３は外箱１の上面を覆うフタ、２は洗
濯内容を設定するためのキー入力部、１２は給水弁を示
し、前記トルクモーター１４、モーター７、給水弁１２
等を駆動制御するためのマイクロコンピュータ等を用い
る制御装置５を例えばキー入力部２の下方に配設する。

【０００４】図１０はキー入力部２の正面図で、洗濯内
容設定のための操作スイッチ１７として、洗い時間、す
すぎ回数、脱水時間の設定スイッチ、全自動のコース設
定スイッチ、水位設定スイッチ、水流の強さを設定する
パワースイッチ、洗濯開始の予約時間を設定する予約ス
イッチ、時刻設定スイッチ等を設け、設定内容等を表示
する表示部１８として、洗濯工程を示す洗い、すすぎ等
の表示ランプ、水位の高低を示す表示ランプ、設定した
コース内容を示すコース表示ランプ、水流の強弱を示す
表示ランプ等と、時刻や時間等の数字を表示する複数の
セグメントの日字形の表示部とを設けた。この場合、表
示ランプや７セグメントの表示部はＬＥＤ（発光ダイオ
ード）を用いるランプ１９を用いる。

【０００５】図１１は洗濯制御のブロック図で、制御装
置５の入力側にキー入力部２の操作スイッチ１７、水位
検出回路２１、パイロットジェネレーター１６からの出
力をもとに衣類の重量を検出する衣類重量検出回路２
２、設定した洗濯内容等を記憶する記憶装置２０を接続
する。また、制御装置５の出力側に表示部１８、モータ
ー７のモーター駆動回路２３、給水弁１２と排水弁９の
駆動回路２４とを接続する。

【０００６】次に動作を説明すると、洗濯機の不使用時
は図１４に示すように数字の表示部には現在の時刻が表
示されている。洗濯を行うときは、操作スイッチ１７を
押して全自動のコースや、洗い時間等の洗濯内容、水
位、水流の強さ等を設定する。図１３はかかる設定を行
った状態の表示部１８の状態を示し、図示の例では標準
コースが設定され、洗い１４分、すすぎ２回、脱水５
分、水位は高、水流は標準が設定されている。

【０００７】この時、記憶装置２０には、図１２の工程
図に示すように、設定した洗濯内容の実施する工程が記
憶される。この場合、「１」は実施する工程、「０」は
実施しない工程を示す。

【０００８】こうして洗濯内容が設定され、スタートス
イッチをオンすると設定した洗濯内容に従って制御装置
５からの出力で自動的に洗濯が進行する。ところで、洗
濯進行中に、故障や操作ミスが原因で運転が途中で停止
することがある。かかる場合、従来はブザー等で動作異
常を使用者に報知している。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】動作異常が報知された
場合、使用者は通常、安全確保のため電源をオフする事
が多いが、電源をオフしたり、あるいは停電すると記憶
装置に設定した洗濯内容の情報が全て消失する。このた
め、その後、サービスマンが点検するときには、どの工
程で故障したのか等の故障個所や故障原因を探るための
手掛かりが全くなく、洗濯工程中の全部の動作のチェッ
クを行う必要があり、点検に手間取る。

【００１０】また、不都合が発生した個所が特定されて
いないから、点検時に不都合発生が再現されないと、見
込み修理となってしまい、修理の精度が低かった。

【００１１】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、故障等が原因で洗濯工程が途中で停止した場合、事
故内容や残りの工程を記憶しておき、サービスマンによ
る点検時にこれを表示して修理の手掛かりとし、修理の
作業性及び精度向上を図ることのできる洗濯機の動作異
常記憶及び表示方法を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、制御装置からの出力で洗濯工程が自動的に進
行する全自動洗濯機において、故障、操作ミスなどによ
り洗濯工程が途中で停止した場合、電源がオフしても記
憶が消失しない記憶回路を設け、該記憶回路に実施され
なかった残工程と事故内容とを記憶し、事故判定モード
を設定すると通常は洗濯内容等を表示するランプの点灯
で前記記憶回路に記憶した残工程と事故内容とを表示
し、前記事故判定モードは、洗濯内容設定のための個々
の表示ランプを洗濯工程と事故内容の表示ランプとして
予め表示内容に対応させて点灯個所を設定し、通常の洗
濯操作では使用されない使用方法で洗濯内容設定のため
のスイッチをオンすると事故判定モードに切り換わるこ
とを要旨とするものである。

【００１３】

【作用】請求項１記載の本発明によれば、故障、操作ミ
ス等により洗濯工程が途中で停止しても、残工程と事故
内容とが記憶回路に記憶され、事故判定モードに設定す
ると、洗濯内容等を設定する表示ランプの点灯で前記記
憶回路に記憶した残工程と事故内容を表示するから、サ
ービスマンによる点検時に故障個所や原因が分かりやす
い。

【００１４】請求項２記載の本発明によれば、事故判定
モードの設定は、通常の洗濯操作では使用しない使用方
法で洗濯内容設定のためのスイッチをオンすればよく、
また、事故内容等は通常洗濯内容設定のために用いる表
示ランプを使用してこれに表示するから、既設の部品を
使用でき、構造が特に複雑になることがない。

【００１５】

【実施例】以下、図面について本発明の実施例を詳細に
説明する。図１は本発明の洗濯機の動作異常記憶及び表
示方法の記憶動作を示すフローチャート、図２は同上表
示動作を示すフローチャートで、本発明方法が実施され
る洗濯機の全体構成は図８、図９について既に説明した
ものと同様であり、キー入力部２の構成も図１０につい
て既に説明したものと同様であるから、ここでの詳細な
説明は省略する。

【００１６】本発明では図１１に示した記憶装置２０
を、電源がオフしても記憶内容が消失しないものに構成
し、洗濯開始時に操作スイッチ１７で設定した例えば図
１２に示す洗濯内容を記憶する。

【００１７】また、事故判定モードを設定した場合の残
工程の表示部として、図４に示すキー入力部２の表示部
１８を用いる。この場合、図１２に示した洗い工程
「０」、すすぎ工程「１」「２」、脱水工程「３」の中
のさらに細分化された７つの工程にそれぞれ対応させ
て、洗濯内容を表示するランプ１９の点灯個所を予め設
定しておく。

【００１８】図５は工程とランプ１９の対応表を示し、
例えば「０」「０」の位置の「脱水」の表示ランプ１９
は洗い工程「０」中の最初の「洗い」の工程を示し、
「２」「３」の位置の「Ｄ₂ 」の表示ランプ１９はすす
ぎ工程「２」中の「３」番目の「高速脱水」の工程を示
す。

【００１９】事故判定モードを設定した場合の事故内容
の表示部もキー入力部２の表示部１８を用い、図６に示
す水位と水流の表示ランプ１９を、「給水不良」「排水
不良」等の事故内容に対応させて点灯個所を設定してお
く。

【００２０】次に動作を図１のフローチャートについて
説明する。洗濯開始時に操作スイッチ１７で例えば図１
２に示すような洗濯内容を設定すると、これが記憶装置
２０に記憶される。そして、洗濯運転が開始し、例えば
図３に示す「すすぎ工程１」の「排水７」の工程まで進
行したところで運転が途中で停止すると〔ステップ
（イ）（ロ）〕、動作異常ありとして記憶装置２０に事
故内容として「排水不良」が記憶され〔ステップ
（ハ）〕、図１２の設定工程と図３の「すすぎ工程２」
以降の残工程とが記憶される〔ステップ（ニ）〕。

【００２１】こうして洗濯運転が途中で停止した場合、
その後電源をオフしても記憶装置２０に記憶してある前
記事故内容情報と設定工程及び残工程の情報が消失する
ことはない。

【００２２】そして、サービスマンがその後点検を行う
際には、操作スイッチ１７を通常の洗濯内容設定の際に
は使用しない方法、例えば洗いスイッチとすすぎスイッ
チとを同時に押し〔ステップ（ホ）〕、さらに時刻スイ
ッチを押して事故判定モードに設定すれば〔ステップ
（ヘ）〕、残工程と事故内容と設定したコースとが、図
７に示すように表示部１８に表示される〔ステツプ
（ト）〕。

【００２３】よって、この表示部１８の表示を見れば、
図示の例では通常は数字を表示するランプ１９の点灯個
所から図５の対応表により「すすぎ工程２」以降が運転
されていないこと、水位表示のランプ１９が「中」の個
所で点灯していることから事故内容が「排水不良」であ
ること、及び「センサー」の個所のランプ１９の点灯か
ら選択したコースが「センサー（標準）コース」である
ことが判明する。

【００２４】さらに、操作スイッチ１７のうちの分スイ
ッチを押せば〔ステップ（チ）〕、洗濯開始前に設定し
た図１３に示すコース、洗い時間、すすぎ回数、脱水時
間、水流の強さ、水位等の事故時の洗濯設定内容を再び
表示する〔ステップ（リ）〕。これにより、どのような
内容の工程を設定したか、この工程のどの段階で停止し
たか、事故内容は何かが判明し、サービスマンは故障個
所、故障原因を容易に解明できる。

【００２５】なお、操作スイッチ１７を通常の設定の際
には使用しない方法として、前記実施例では洗いスイッ
チとすすぎスイッチを同時に押し、さらに時刻スイッチ
を押したが、これに限定されるものではなく、他の操作
スイッチを使用することも可能である。また、通常の使
用方法で押せば、通常の運転が開始する〔ステップ
（ヌ）〕。

【００２６】

【発明の効果】以上述べたように本発明の洗濯機の動作
異常記憶及び表示方法は、制御装置からの出力で洗濯工
程が自動的に進行する全自動洗濯機において、故障等が
原因で洗濯工程が途中で停止した場合、事故内容や残り
の工程を記憶しておき、サービスマンによる点検時にこ
れを表示して修理の手掛かりとし、修理の作業性及び精
度向上を図ることができる。

【００２７】そして、事故内容等の表示は、洗濯内容を
設定する表示ランプを利用して行うから、そのために部
品点数が特に増加することもなく、構造も複雑にならな
いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の洗濯機の動作異常記憶及び表示方法の
記憶動作を示すフローチャートである。

【図２】本発明の洗濯機の動作異常記憶及び表示方法の
表示動作を示すフローチャートである。

【図３】洗濯工程が途中で停止した場合の洗濯工程図で
ある。

【図４】表示部の正面図である。

【図５】工程と表示ランプの対応図である。

【図６】事故内容と表示ランプの対応図である。

【図７】事故内容と残工程を表示した状態のキー入力部
の正面図である。

【図８】全自動一槽式洗濯機の斜視図である。

【図９】全自動一槽式洗濯機の縦断側面図である。

【図１０】キー入力部の正面図である。

【図１１】洗濯機の制御ブロック図である。

【図１２】洗濯工程図である。

【図１３】洗濯内容を設定した状態のキー入力部の正面
図である。

【図１４】洗濯内容を設定していない不使用時の状態の
キー入力部の正面図である。

【符号の説明】

１…外箱 ２…キー入力部 ３…フタ ４…排水ホース ５…制御装置 ６…攪拌翼 ７…モーター ８…Ｖベルト ９…排水弁 １０…減速機構部 １１…洗濯兼脱水槽 １２…給水弁 １３…排水管 １４…トルクモーター １５…外槽 １６…パイロットジェネレーター １７…操作スイッチ １８…表示部 １９…ランプ ２０…記憶装置 ２１…水位検出回路 ２２…衣類重量検出回路 ２３…モーター駆動回路 ２４…駆動回路

フロントページの続き (72)発明者 山上 和彦 千葉県船橋市山手１丁目１番１号 日本建 鐵株式会社船橋製作所内 (72)発明者 頼田 昌美 千葉県船橋市山手１丁目１番１号 日本建 鐵株式会社船橋製作所内 (72)発明者 稲田 達夫 千葉県船橋市山手１丁目１番１号 日本建 鐵株式会社船橋製作所内 (72)発明者 加藤 豊蔵 千葉県船橋市山手１丁目１番１号 日本建 鐵株式会社船橋製作所内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 制御装置からの出力で洗濯工程が自動的
   に進行する全自動洗濯機において、故障、操作ミスなど
   により洗濯工程が途中で停止した場合、電源がオフして
   も記憶が消失しない記憶回路を設け、該記憶回路に実施
   されなかった残工程と事故内容とを記憶し、事故判定モ
   ードを設定すると通常は洗濯内容等を表示するランプの
   点灯で前記記憶回路に記憶した残工程と事故内容とを表
   示することを特徴とする洗濯機の動作異常記憶及び表示
   方法。
2. 【請求項２】 前記事故判定モードは、洗濯内容設定の
   ための個々の表示ランプを洗濯工程と事故内容の表示ラ
   ンプとして予め表示内容に対応させて点灯個所を設定
   し、通常の洗濯操作では使用されない使用方法で洗濯内
   容設定のためのスイッチをオンすると事故判定モードに
   切り換わる請求項１記載の洗濯機の動作異常記憶及び表
   示方法。