JPH0612183B2 - 床冷暖房方法及び床冷暖房装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、建築物の床冷暖房方法及び床冷暖房装置に関
する。

従来の技術とその課題 従来、一般家庭における暖房は、ガス，灯油，電気を熱
源とする対流式の暖房機器によっているのが一般的であ
る。

しかし、これでは暖房機器の設置にスペースを必要と
し、かつ、部屋の上部の方がよく温まり、足腰にはそれ
ほど効果的ではないという問題点を有している。その
点、床にヒート手段を埋設した床暖房方式は、床面から
の輻射熱と足腰から直接伝わる伝導熱とで効率的に温度
を利用することができ、最も好ましいことは周知の事実
である。

そこで、本発明の課題は、大きな下地工事を必要とする
ことなく簡単に施工できて安全性も高い床冷暖房方法及
び床冷暖房装置を提供することにある。

課題を解決するための手段と作用 以上の課題を解決するため、本発明に係る床冷暖房方法
は、波形心材の表裏面に平板材を固着した複合材料を利
用する。この複合材料は、波形心材と平板材とで複数の
平行な通路が形成されており、通常、亜鉛メッキ鋼板、
アルミニウム等にて製作され、波形心材の表裏面に平板
材を固着して補強したものは同様の厚さの金属板に比べ
て軽量、高強度であり、防（遮）音性、振動減衰性に優
れ、また不燃性、耐防水性を有し、建築材料として優れ
た性能を有している。そこで、この様な複合材料を建物
のフロア材の下に、必要であれば外部とは段熱処理を施
したうえで敷設し、通路内に暖房用としては温水、温風
等の流動性熱媒体を供給し、循環させることにより床暖
房を実現する。また、冷房用としてはフロンガス等の流
動性熱媒体を供給し、循環させることにより床冷房を実
現する。

また、本発明に係る床冷暖房装置は、前述の複合材料を
各通路が平行に位置する様に建物のフロア材の下に敷設
し、複合材料の両端部に各通路と連通する複数のチャン
バーを設置する。これにて、各通路がチャンバーを介し
て１本の略蛇行する通路を構成することとなり、このチ
ャンバーの一端に導入された流動性熱媒体が通路を循環
する。熱媒体としては、温水、温風、フロンガスが安全
性、取扱いの点等で有効である。

実施例 以下、本発明に係る床冷暖房方法及び床冷暖房装置の実
施例につき添付図面に従って説明する。

なお、以下の実施例では暖房方法及び暖房装置について
説明するが、冷房方法及び冷房装置についても熱媒体な
いしはその供給手段が異なるのみで基本的には同様であ
る。

［第１実施例、第１図、第２図、第３図参照］ この第１実施例は、根太１，１の上に合板製の床材２を
設け、その上に複合材料４を敷設し、さらにその上にフ
ローリング６を敷設し、かつ、複合材料４の両端にイン
ポートチャンバー7a、リターンチャンバー7b,7c,7d、エ
クスポートチャンバー7eを設けたものである。

複合材料４は、第２図に示す様に、波形心材41の表裏面
に平板材42,42を接着したサンドイッチ構造をなす。例
えば、波形心材41は厚さ0.2mmのアルミニウム板を9mmの
ピッチで波形に成形したもの、平板材42,42は厚さ0.5mm
のアルミニウム板からなり、それぞれ波形頂部で接着さ
れ、全体の厚さはそれぞれ約5mmに仕上げられている。
この複合材料４は波形心材41と平板材42,42とで複数の
通路43が平行に形成され、前期床材２上に各通路43が平
行に位置する様に敷設される。各１枚の複合材料４は施
工時等の取扱いが容易となる様に、例えば、長さ1500m
m、幅500〜1000mmの基本寸法に加工されており、床の面
積に合わせて適宜枚数が敷設される。第１図において
は、４枚の複合材料4a,4b,4c,4dを並設した状態を示
す。

各チャンバー7a〜7eはアルミニウムあるいは耐食性を有
する耐熱樹脂から箱状に成形したもので、インポートチ
ャンバー7aは複合材料4aの一端に臨んで配置され、リタ
ーンチャンバー7bは複合材料4a,4bの他端、リターンチ
ャンバー7cは複合材料4b,4cの一端、リターンチャンバ
ー7dは複合材料4e,4dの他端、エクスポートチャンバー7
eは複合材料4dの一端にそれぞれ臨んで配置される。リ
ターンチャンバー7b,7c,7dはそれぞれ隣接する複合材料
4a〜4dの通路43の端部を一体的に連通させるもので、通
路43はこれらのリターンチャンバー7b,7c,7dを介して連
続した一本の通路に構成される。また、インポートチャ
ンバー7aには熱源導入パイプ8aが設けられ、このパイプ
8aは図示しない熱源供給手段に接続されている。エクス
ポートチャンバー7eにはダクトパイプ8bが設けられ、熱
源の排出ないしは熱源供給手段の循環通路として使用さ
れる。

本第１実施例において、熱媒体としては温風が使用され
る。温風は屋外に設置したヒート手段（図示せず）等か
ら導入パイプ8aを介してインポートチャンバー7aへ送り
込まれ、リターンチャンバー7b,7c,7dで方向を転換され
つつ、各複合材料4a〜4dの通路43を循環し、エクスポー
トチャンバー7eのダクトパイプ8bから排出される（第１
図中矢印参照）。

ところで、第３図は複合材料４の固定手段を示す。予め
外側に雄ねじを形成したブッシュ10を複合材料４の適宜
部分にねじ込んで固定しておき、フローリング６に設け
た孔61からねじ11をブッシュ10の内側にタッピングしつ
つねじ込み、床材２に螺着させたものである。フローリ
ング６の孔61にはねじ11を螺着した後に適宜木栓が埋め
込まれる。

［第２実施例、第４図参照］ この第２実施例は、基本的には前期第１実施例と同様の
構成を有し、床材２と複合材料４との間に断熱材３を設
けると共に、複合材料４のフローリング６との間に熱緩
衡材５，５を設けた点が相違する。断熱材３は、例えば
硬質発泡ウレタン樹脂を用いる。熱緩衡材としては、樹
脂プレート、合板等が用いられる。この熱緩衡材５は、
複合材料４からの熱が直接フローリング６に伝達されて
フローリング６の劣化が早まることを防止する。また、
断熱材３を複合材料４の下に設けることにより、床下に
別途断熱材を敷設する必要がなく、施工も容易となる。

［第３実施例、第５図、第６図参照］ この第３実施例は各複合材料４の間に根太15を介在させ
たものである。根太15は必要であれば両側の複合材料4
a,4dの外縁部にも設置することが好ましい。そして、根
太15の上面にはアルミニウム製のテープ16を設置する。
テープ16は熱伝導性の良好なものとし、根太15上のフロ
ーリング６にも熱が均等に伝達する機能を発揮する。

なお、この第３実施例において、断熱材３を設けた点は
第２実施例と同様であり、その他の構成は第１実施例と
同様である。

［その他の実施例］ なお、本発明に係る床冷暖房方法及び床冷暖房装置は前
記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で
種々に変更することができる。

例えば、フロア材としてはフローリング６のみならず、
絨毯を用いてもよい。絨毯はフローリング６上に重ねて
敷設するが、フローリング６に代えて緩衡材５上に敷設
される。この場合、絨毯は面ファスナ等で固定しておけ
ば施工が容易で着脱も自在であり、メンテナンスにも便
利である。

また、複合材料４の表面（平板材42）に所定のピッチで
長孔を形成してもよい。これによってフロア材に対する
熱伝導効率が向上する。同時にチャンバー7a〜7eに任意
の孔を形成し、温風の一部を部屋内へ放出し、対流方式
による暖房と兼用することも可能であり、特に部屋が広
い場合に効果的である。

一方、熱媒体としては、暖房用として温風以外に、温
水、オイル等種々の流動性を有する媒体を利用でき、冷
房用としてフロンガス等を利用できることは勿論であ
る。

発明の効果 以上の説明で明らかな様に、本発明によれば、波形心材
の表裏面に平板材を固着した複合材料を熱媒体の通路と
して利用したため、軽量、高強度で防音性、振動減衰
性、不燃性、耐防水性に優れ、大量生産の良好な複合材
料の特質を十分に生かし、施工が簡単で安全性の高い床
冷暖房方法及び装置とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る床冷暖房装置の第１実施例を示す
分解斜視図、第２図は複合材料の断面図、第３図は複合
材料の固定手段を示す断面図である。第４図は第２実施
例の要部断面図である。第５図は第３実施例を示す分解
斜視図、第６図はその要部断面図である。 ２……床材、３……断熱材、４(4a〜4d)……複合材料、
41……波形心材、42……平板材、43……通路、５……熱
緩衡材、６……フローリング、7a〜7e……チャンバー。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】波形心材の表裏面に平板材を固着した複合
   材料を建物のフロア材の下に敷設し、この複合材料の波
   形心材と平板材とで形成される通路内に流動性熱媒体を
   供給することを特徴とする床冷暖房方法。
2. 【請求項２】波形心材の表裏面に平板材を固着して複数
   の通路を平行に設けた複合材料を、各通路が平行に位置
   する様に建物のフロア材の下に敷設し、この複合材料の
   両端部に各通路と連通する複数のチャンバーを設置し、
   このチャンバーの一端に導入された流動性熱媒体を各チ
   ャンバーを介して複合材料の各通路を循環されることを
   特徴とする床冷暖房装置。