JPH0611644Y2 - ダイヤル操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は同調のためのダイヤル操作を行なうダイヤル操
作装置に係り、とくに回路基板上に同調用バリコンをマ
ウントするとともに、このバリコンの回転軸にダイヤル
ドラムを取付け、しかもダイヤルドラムの外周部の一部
をキャビネットの開口を通してその外側に臨むように
し、このキャビネットの開口を通してダイヤルドラムを
キャビネットの外側から回転操作することによって同調
動作を行なうようにした同調装置に用いて好適なダイヤ
ル操作装置に関する。

〔考案の概要〕

本考案は、バリコンの回転軸に取付けられたダイヤルド
ラムの外周部に円周方向に沿って挿通孔を穿設し、回路
基板を支持する支持用ボスをこの挿通孔に挿通させ、ダ
イヤルドラムに押圧力が加わったときにバリコンの回転
軸に側圧が加わるのをこのボスによって防止するととも
に、ダイヤルドラムに設けられているピニオンに対して
指針を有するラックを上記ボスによって圧着するように
したものである。

〔従来の技術〕

一般にラジオ受信機は同調用バリコンを備えており、こ
のバリコンの回転軸を回転させることによって、その容
量を変化させることにより、選局動作を行なうようにし
ている。そして従来はダイヤルつまみの回転をダイヤル
糸によって上記バリコンの回転軸に伝達するようにして
いた。しかしこのような構造によるとダイヤル操作装置
の構造が複雑になる。そこでダイヤルドラムをバリコン
の回転軸に直接取付けるようにするとともに、このダイ
ヤルドラムの外周側の一部をキャビネットの開口を通し
てその外側に臨むようにし、この部分をキャビネットの
外側から指で回転操作することによって同調動作を行な
うようにしたダイヤル操作装置が使われている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このようにバリコンの回転軸に直接ダイヤルドラムを取
付けるとともに、このダイヤルドラムをキャビネットの
外から指で回転操作するようにしたダイヤル操作装置に
よれば、ダイヤルドラムに対して大きな力を加えると、
バリコンの回転軸に側圧が加わる可能性がある。そして
大きな側圧が加わると、バリコンの回転軸に応力が発生
したり変形したりする可能性がある。あるいはまたプリ
ント配線基板の小孔に挿通されるとともに、プリント配
線部分と半田付けされているバリコンのリードに大きな
応力が発生したり、半田がクラックを生じたりし、断線
を起す可能性がある。

本考案はこのような問題点に鑑みてなされたものであっ
て、キャビネットの外部から直接回転操作を行なうよう
になっているダイヤルドラムをバリコンに直接取付ける
ようにしたダイヤル操作装置において、外部から大きな
力が加わってもバリコンの回転軸に側圧が加わるのを防
止するようにしたダイヤル操作装置を提供することを目
的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、バリコンの回転軸に取付けられたダイヤルド
ラムの前記回転軸を中心とする同心円上にほぼ円弧状に
設けられた挿通孔と、 前記ダイヤルドラムのキャビネットの操作用の横長開口
によって外部に臨む部分と前記回転軸との間で前記ダイ
ヤルドラムの挿通孔に挿通され、前記ダイヤルドラムの
操作のための押圧力が加わったときに前記回転軸にこの
押圧力が加わるのを防止するボスと、 をそれぞれ具備するダイヤル操作装置に関するものであ
る。

〔作用〕

キャビネットの操作用の横長開口を通してダイヤルドラ
ムの外部に臨む部分を回転操作すると、ダイヤルドラム
の回転がバリコンの回転軸を通してバリコンに伝達さ
れ、これによってバリコンの容量が変化し、同調動作が
行なわれる。このような操作の際にダイヤルドラムに加
えられる押圧力がボスによって受けられるために、上記
の押圧力がバリコンの回転軸に伝達されることがなくな
る。

〔実施例〕

第２図は本考案の一実施例に係るダイヤル操作装置を備
えるラジオ付きカセットテープレコーダを示すものであ
って、このキャビネット１０の前面側の両側にはそれぞ
れスピーカグリル１１が設けられており、その内側にス
ピーカが配されている。そして両側のスピーカグリル１
１の間の部分にはカセット装着部１２が設けられてお
り、このカセット装着部１２にテープカセットを装着し
て記録あるいは再生を行なうようにしている。またカセ
ット装着部１２の上側にはダイヤル表示部１３が設けら
れており、このダイヤル表示部１３のダイヤル目盛板の
上をダイヤル指針１４が横方向に走行するようになって
いる。またキャビネット１０の上面側には横長の開口１
５が設けられるとともに、この開口１５にはダイヤルド
ラム１６の外周部が臨んでおり、このダイヤルドラム１
６を回転操作すると、指針１４が横方向に移動し、選局
された周波数を示すようになっている。

つぎにキャビネット１０内のダイヤル操作装置の構造に
ついて説明すると、第１図および第３図に示すように、
キャビネット１０内にはプリント配線基板１９が配され
ており、この基板１９上に回路部品２０がマウントさ
れ、ラジオ受信機の回路およびテープレコーダの回路を
形成している。さらにプリント基板１９上にはバリコン
２１がマウントされるようになっている。このバリコン
２１の回転軸２２はプリント配線基板１９の円形孔２３
を通して前面側に突出しており、上記ダイヤルドラム１
６の筒状ボス部２４と嵌合されている。そして筒状ボス
部２４と回転軸２２とはビス２５によって互いに結合さ
れており、これによってダイヤルドラム１６がバリコン
２１の回転軸２２に取付けられるようになっている。

ダイヤルドラム１６の前面側にはリング状突部２６が一
体に連設されており、この突部２６の外周面にはピニオ
ン２７が形成されている。そしてこのピニオン２７には
合成樹脂製の柔軟なラック２８が噛合うようになってい
る。ラック２８の基端側の部分には係止部２９が形成さ
れており、この係止部２９がリング状突部２６に形成さ
れている被係止部３０に受入れられており、これによっ
てラック２８の端部がダイヤルドラム１６に止着されて
いる。またこのラック２８の先端側には上記ダイヤル指
針１４が一体に連設されている。さらにダイヤルドラム
１６にはその外周側に円周方向に約１８０度の範囲にわ
たって挿通孔３１が形成されている。そしてキャビネッ
ト１０の前面側の内表面に突出している支持用ボス３２
がこの挿通孔３１を挿通するとともに、その先端部には
ビス３３によってプリント配線基板１９がマウントされ
ている。

以上のような構成において、キャビネット１０の上面に
形成されている横長の開口１５に臨むダイヤルドラム１
６の外周部を指で回転操作すると、その回転が直接バリ
コン２１の回転軸２２に伝達されることになり、これに
よってバリコン２１の容量が変化する。従って所望の周
波数に合せて選局を行なうことが可能になる。ダイヤル
ドラム１６の回転に伴う選局動作に連動して、ドラム１
６に設けられているピニオン２７が回転駆動されるとと
もに、このピニオン２７がラック２８を駆動することに
なり、これによってラック２８を左右の何れかに移動さ
せることになる。するとこのラック２８の先端部に一体
に設けられている指針１４がダイヤル表示部１３の目盛
板上を移動し、同調された周波数を指示することにな
る。

このようにしてダイヤル操作を行なうダイヤルドラム１
６の挿通孔３１にはプリント配線基板１９を支持する支
持用ボス３２が係合されており、このボス３２は第３図
に示すように、挿通孔３１の上側のエッジの部分と摺接
している。従ってこのダイヤルドラム１６に大きな押圧
力が加わっても、この押圧力が支持用ボス３２によって
受けられることになり、上記の押圧力によってバリコン
２１の回転軸２２に力が加わることがなくなる。従って
回転軸２２が変形したり、あるいはバリコン２１のリー
ドの部分に応力が加わったりすることがなくなり、バリ
コン２１のリードの接続のための半田にクラックを生じ
て接続不良の原因になることもなくなる。従ってダイヤ
ルドラム１６に加わる押圧力を支持用ボス３２で受ける
ことによって、信頼性の高いダイヤル操作装置を提供す
ることが可能になる。

さらにこのようなダイヤル操作装置は、ダイヤルドラム
１６の挿通孔３１を挿通する支持用ボス３２によって、
ラック２８をピニオン２７に圧着することが可能にな
る。従ってラック２８の歯がピニオン２７に対して飛ぶ
ことがなくなり、正しいダイヤル表示動作を行なうこと
が可能になる。しかもラック２８を押付けるボス３２が
プリント配線基板１９をマウントする支持用ボス３２か
ら構成されているために、新たな部材を必要とせず、構
造が複雑になったり、コストが上昇したりすることもな
い。

〔考案の効果〕 以上のように本考案は、バリコンの回転軸に取付けられ
たダイヤルドラムの回転軸を中心とする同心円上のほぼ
円弧状に設けられた挿通孔と、ダイヤルドラムのキャビ
ネットの操作用の横長開口によって外部に臨む部分と回
転軸との間でダイヤルドラムの挿通孔に挿通され、ダイ
ヤルドラムの操作のための押圧力が加わったときに回転
軸にこの押圧力が加わるのを防止するボスとをそれぞれ
具備するようにしたものである。

従ってこのような構成によれば、キャビネットの操作用
の横長開口を通してこのダイヤルドラムを回転操作する
際にダイヤルドラムに不測に大きな力が加わっても、こ
のような大きな力に伴う押圧力がバリコンの挿通孔を挿
通するボスによって受けられるようになり、上記の押圧
力がバリコンの回転軸に伝達されることが防止される。
従ってダイヤルドラムに不測に大きな力が加わっても、
バリコンの回転軸が変形したり、バリコンのリード部分
が断線したりすることがなくなり、信頼性の高いダイヤ
ル操作装置を提供できるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るダイヤル操作装置を示
す分解斜視図、第２図はこのダイヤル操作装置を備える
ラジオ付きカセットテープレコーダの全体の外観斜視
図、第３図はダイヤル操作装置の縦断面図である。 なお図面に用いた符号において、 １０……キャビネット １４……ダイヤル指針 １５……横長開口 １６……ダイヤルドラム １９……プリント配線基板 ２１……バリコン ２２……回転軸 ２６……リング状突部 ２７……ピニオン ２８……柔軟なラック ３１……挿通孔 ３２……支持用ボス である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】バリコンの回転軸に取付けられたダイヤル
   ドラムの前記回転軸を中心とする同心円上にほぼ円弧状
   に設けられた挿通孔と、 前記ダイヤルドラムのキャビネットの操作用の横長開口
   によって外部に臨む部分と前記回転軸との間で前記ダイ
   ヤルドラムの挿通孔に挿通され、前記ダイヤルドラムの
   操作のための押圧力が加わったときに前記回転軸にこの
   押圧力が加わるのを防止するボスと、 をそれぞれ具備するダイヤル操作装置。