JPH06116300A - ケラチンフラグメントおよびその製造方法 - Google Patents

ケラチンフラグメントおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH06116300A
JPH06116300A JP29648292A JP29648292A JPH06116300A JP H06116300 A JPH06116300 A JP H06116300A JP 29648292 A JP29648292 A JP 29648292A JP 29648292 A JP29648292 A JP 29648292A JP H06116300 A JPH06116300 A JP H06116300A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
keratin
hydrolysis
proteolytic enzyme
reduced
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29648292A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Yamauchi
清 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiwa Kasei Co Ltd
Original Assignee
Seiwa Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiwa Kasei Co Ltd filed Critical Seiwa Kasei Co Ltd
Priority to JP29648292A priority Critical patent/JPH06116300A/ja
Publication of JPH06116300A publication Critical patent/JPH06116300A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム、繊維などに加工した場合に好適な
強度を持ち得るようになる適度な長さのペプチド鎖と架
橋可能なチオール基を有し、フィルム、繊維、スポンジ
などの材料として、あるいはマイクロカプセルの壁材、
医農薬基材、化粧品基材として、好適に使用できるケラ
チンフラグメントを提供する。 【構成】 ケラチン含有物質を還元して得られた還元ケ
ラチンを蛋白質分解酵素で加水分解し、その加水分解中
に蛋白質分解酵素を失活させるかまたは反応系外に分離
して、加水分解を停止させ、加水分解の程度を制限し
て、平均分子量3,000〜30,000でアミノ酸1
00残基当りシステインを4〜16個有するケラチンフ
ラグメントを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平均分子量3,000
〜30,000で、活性なチオール基(SH基)を有
し、たとえばフィルム、スポンジ、マイクロカプセル、
繊維、医農薬基材、化粧品基材などの産業用品の製造に
好適に使用されるケラチンフラグメント(ケラチン蛋白
断片)およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】毛髪、獣毛、羽毛などの動物組織中に構
造タンパクとして存在するケラチンは、従来から、フィ
ルム、繊維などの産業素材原料として注目されてきた。
【0003】そして、これらのケラチンは、天然のケラ
チン含有物質を酸、アルカリまたは酵素などにより加水
分解して短分子量化した加水分解物の水溶液として利用
するか、あるいは還元剤と尿素などの蛋白質変成剤との
共用によりケラチンのジスルフィド結合をチオール基に
還元開裂して生成した還元ケラチンの水溶液として利用
するか、あるいは上記の還元ケラチンのチオール基の再
結合防止のためにモノヨード酢酸や亜硫酸ナトリウム/
テトラチオン酸ナトリウムなどにより不可逆的な化学修
飾を施したケラチン誘導体の水溶液として利用するか、
あるいは還元開裂と蛋白質分解酵素により短分子量化し
たケラチン加水分解物の水溶液などとして利用されてき
た。
【0004】上記のように、ケラチンは天然ケラチンの
分子量をほぼ維持したままの状態でなんらかの加工を経
て利用されるか、あるいは化学的または酵素による加水
分解処理によって分子量1,000〜2,000のもの
を実質的な成分とする短分子量化ケラチン加水分解物と
してかなりの水溶性を付与した上で、化粧品基材などに
利用されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ケラチンやケラチン加水分解物はチオール基がジスルフ
ィド基に酸化されたり不可逆的な化学修飾が施されてい
るため、活性なチオール基に特有な反応性を充分に利用
することができなかったり、あるいは分子量が小さいた
めにフィルムなどに加工したときに強度が劣り、水中で
はすぐ崩壊するなどの欠点があった。
【0006】したがって、本発明は、天然ケラチンより
も低分子量ではあるが、蛋白質分子としての性質(フィ
ルム、繊維などに加工した場合の強靱性)を有する適度
な長さのペプチド鎖と架橋反応が可能なチオール基を有
するケラチンフラグンメントおよびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、ケラチン含有物
質を還元して得られた還元ケラチンを蛋白質分解酵素で
加水分解し、その加水分解中に蛋白質分解酵素を失活さ
せるかまたは反応系外に分離することによって、加水分
解を停止させ、加水分解の程度を制限するときは、平均
分子量3,000〜30,000(好ましくは平均分子
量7,000〜30,000)で、アミノ酸100残基
当りシステインを4〜16個有するケラチンフラグメン
トが得られることを見出し、本発明を完成するにいたっ
た。
【0008】上記ケラチンフラグメントは、平均分子量
が3,000〜30,000と、従来の短分子量化した
ケラチン加水分解物に比べて分子量が大きく、蛋白質分
子としての性質を保持する適度な長さのペプチド鎖を有
しているので、フィルム、繊維などに加工した場合に望
ましい強度が得られる。
【0009】また、上記のケラチンフラグメントは、ア
ミノ酸100残基当りシステインを4〜16個有してお
り、そのシステイン残基がチオール基を有しているの
で、そのチオール基間の架橋反応により高分子化するこ
とができる。
【0010】すなわち、このチオール基を空気酸化によ
り架橋するか、あるいは過酸化水素や過ヨウ素酸ソーダ
などの酸化剤により架橋してジスルフィド結合を生成さ
せることによって、架橋剤を使用しなくても高分子化す
ることができ、フィルム、スポンジ、マイクロカプセル
などの基材として充分な強度を持たせることができる。
【0011】上記平均分子量3,000〜30,000
で、アミノ酸100残基当りシステインを4〜16個有
するケラチンフラグメントを得るにあたって、ケラチン
含有物質から還元ケラチンを得る工程は公知の方法を含
め各種の方法を採用することができる。
【0012】そして、還元ケラチンから制限的に加水分
解して平均分子量3,000〜30,000で、アミノ
酸100残基当りシステインを4〜16個有するケラチ
ンフラグメントを得る工程は、本発明者が本発明の完成
にあたって特に開発した方法によるので、これについて
先に詳しく説明する。
【0013】すなわち、本発明において、上記平均分子
量3,000〜30,000で、アミノ酸100残基当
りシステインを4〜16個有するケラチンフラグメント
を得るには、ケラチン含有物質を還元して得られた還元
ケラチンを蛋白質分解酵素で加水分解し、その加水分解
中に蛋白質分解酵素を失活させるかまたは反応系外に分
離することによって、加水分解を停止させ、加水分解の
程度を制限する。
【0014】この還元ケラチンの加水分解にあたって、
蛋白質分解酵素としては、ペプチド結合について限られ
た分解特異性を持つトリプシンやカイモトリプシンが特
に好適であるが、これらに限らず、ブロメライン、ジス
パーゼ(Dispase)、フィチン、パパイン、ペプ
シン、サーモライシンなどの蛋白質分子の内部ペプチド
結合を非特異的に切断するエンドペプチターゼであって
もよい。また、固定化トリプシン(Trypsin−3
0,Beohringer Mannheim,Ca
t.No.109851)などのように蛋白質分解酵素
をポリマーに担持させた固定化蛋白質分解酵素なども用
いることができる。
【0015】還元ケラチンの加水分解そのものは(つま
り、加水分解中に加水分解を停止させて、加水分解の程
度を制限することを除いては)、特に限定されることは
ないが、たとえば、還元ケラチンを水溶液にし(還元ケ
ラチンの濃度にして1〜5重量%が好ましい)、この還
元ケラチンの水溶液を5〜80℃、好ましくは20〜5
0℃に保持しながら、蛋白質分解酵素を加え、攪拌する
ことによって行われる。
【0016】還元ケラチンを蛋白質分解酵素で制限する
ことなく加水分解していくと、得られる加水分解物は分
子量がどんどん低下していくので、その加水分解中に蛋
白質分解酵素を失活させるかまたは反応系外に分離する
ことによって、加水分解を停止させ、加水分解の程度を
制限する。
【0017】その際の蛋白質分解酵素の失活にあたって
は、蛋白質分解酵素の禁止剤を使用するか、加熱するか
のいずれかが採用される。
【0018】上記蛋白質分解酵素の禁止剤としては、そ
れぞれの蛋白質分解酵素に適した禁止剤があり、トリプ
シン、カイモトリプシンなどや上記のエンドペプチター
ゼには、たとえばアンチトリプシン、トリプシニンヒビ
ター、アプロチニン、リュペプチン(Leupepti
n)、マクログロブリンなどが用いられる。
【0019】また、加熱により蛋白質分解酵素を失活さ
せる場合は、たとえば、加水分解中の反応液を急速に加
熱して沸騰させればよい。
【0020】一方、蛋白質分解酵素を反応系外に分離す
ることによって、加水分解を停止させ、加水分解の程度
を制限する方法を採る場合には、固定化蛋白質分解酵素
を使用するのが好ましい。
【0021】すなわち、還元ケラチンの水溶液に固定化
蛋白質分解酵素を加え、加水分解し、その加水分解中に
遠心分離または濾過により、その固定化蛋白質分解酵素
を反応系外に分離することによって、加水分解を停止さ
せ、加水分解の程度を制限して、平均分子量3,000
〜30,000のケラチンフラグメントを得ることがで
きる。
【0022】また、加水分解中に蛋白質分解酵素を分離
する方法を採用する場合には、上記のように還元ケラチ
ンの水溶液に固定化蛋白質分解酵素を加える方法とは異
なり、固定化蛋白質分解酵素そのもの、または固定化蛋
白質分解酵素を分子ふるいの役目を果たすゲル(たとえ
ば、Sephadex G−100)と共にカラムに充
填し、そのカラムに還元ケラチンの水溶液を通過させ、
その通過の間のみ加水分解させ、還元ケラチンの加水分
解中に蛋白質分解酵素を反応系外に分離させる方法も採
用することができる。
【0023】なお、市販品の蛋白質分解酵素や固定化蛋
白質分解酵素の活性は、バッチごとに変動し一定品質の
ものが入手しにくいので、加水分解処理液をSDS(ド
デシル硫酸ナトリウム)ポリアクリルアミド電気泳動法
で分析し、ケラチン原料(分子量40,000〜60,
000が主)の泳動パターンから分子量40,000〜
60,000の主蛋白バンドが消失し、加水分解物の主
バンドの分子量がほぼ10,000〜30,000と認
められる時点を目安とし、最適な最終酵素処理ユニット
量と処理時間、固定化蛋白質分解酵素量および該固定化
蛋白質分解酵素と還元ケラチン水溶液との接触時間ある
いは滞留時間を決定することが望ましいが、酵素使用量
は、通常、還元ケラチン20mg/ml当り100〜
3,000ユニットの範囲から選ばれ、処理時間は、通
常、3〜30分の範囲から選ばれる。
【0024】つぎに、上記の制限加水分解工程で使用す
る還元ケラチンを得るまでの還元工程について詳しく説
明する。
【0025】ケラチン含有物質を還元して還元ケラチン
を得る方法としては、公知の方法を含め各種の方法を採
用できる。それらのうち、代表的なものを例示すると、
たとえば次の〜に示すものが挙げられる。
【0026】 ケラチン含有物質を水性媒体中、蛋白
質変成剤の存在下、または蛋白質変成剤と界面活性剤の
存在下で、還元剤で還元し、不溶物を遠心分離または濾
過により除去した後、得られた水溶液に塩化ナトリウム
や硫酸アンモニウムなどの無機塩を添加して塩析させ、
抽出された還元ケラチンを沈殿させて、還元ケラチンを
単離する。
【0027】 ケラチン含有物質を水性媒体中、蛋白
質変成剤と界面活性剤の存在下で、還元剤で還元し、抽
出された還元ケラチンを透析によって単離する。
【0028】上記、の方法とも、還元時に超音波を
照射して、還元抽出を促進させることができる。
【0029】上記、の方法とも、本発明者が開発し
たものであるが、特にの方法による場合、短時間でか
つ収率よく還元ケラチンを単離することができ、本発明
の実施にあたって好適に適用できるので、それについて
詳しく説明する。
【0030】上記の方法では、還元ケラチンを製造す
るにあたっては、まずケラチン含有物質を水性媒体中、
蛋白質変成剤の存在下、または蛋白質変成剤と界面活性
剤の存在下で、還元剤で還元する。
【0031】上記の還元工程で出発原料として用いるケ
ラチン含有物質としては、ケラチンを含むものであれば
よく、たとえば人間の毛髪、羊毛、馬毛、牛毛などの獣
毛や、鶏などの鳥類の羽毛、牛などの動物の爪や角、ひ
ずめ(蹄)、うろこ(鱗)などを用いることができる。
【0032】上記の水性媒体は、水単独、または水と水
混和性の有機溶媒との混合物であってもよく、含水率が
50重量%以上、好ましくは80重量%以上の溶媒を用
いる。水混和性の有機溶媒としては、たとえばメタノー
ル、エタノールなどの低級脂肪族アルコールなどが挙げ
られる。
【0033】還元剤は、ケラチン含有物質中のケラチン
のジスルフィド結合を還元してチオール基に変換する作
用をするものであり、この還元剤としては、たとえば2
−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、ジチオス
レイトール、ジチオエリトリトールなどのチオール化合
物;トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィンな
どの有機リン化合物;亜硫酸水素ナトリウムなどの還元
能力を持つ無機化合物などが用いられる。
【0034】これらの還元剤の使用量は、ケラチン含有
物質10gに対して0.05〜0.50モルであり、還
元反応の効率と経済性を考慮すると、ケラチン含有物質
10gに対して0.05〜0.20モルが好ましい。
【0035】蛋白質変成剤は、ケラチン中の水素結合を
切断する作用を有するもので、その具体例としては、た
とえば尿素、チオ尿素などが好適なものとして挙げられ
る。そして、爪、ひずめ、うろこなどのように堅い組織
のケラチン含有物質を使用する場合には、蛋白質に対し
て溶解作用を有する水酸化ナトリウム、アンモニアなど
を溶解助剤として用いることが好ましい。
【0036】これらの蛋白質変成剤の濃度と使用量は、
ケラチン含有物質の溶解性などを考慮して決定するのが
適しているが、通常、ケラチン含有物質に対して3〜1
0mol/l濃度のものを5〜40倍重量、好ましくは
5〜8mol/l濃度のものを10〜30倍重量であ
る。
【0037】還元工程は、上記のような蛋白質変成剤の
存在下、または蛋白質変成剤と界面活性剤の存在下で行
われるが、後者のように界面活性剤を共存させた場合
は、還元速度が速くなり、ケラチン含有物質からの還元
ケラチンの抽出速度が向上する。ただし、界面活性剤は
還元ケラチンを可溶化する作用があるので、塩析のため
に添加する無機塩を多くする必要がある。
【0038】上記界面活性剤としては、下記のアニオン
界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノ
ニオン界面活性剤のいずれも用いることができる。
【0039】アニオン界面活性剤としては、たとえばド
デシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、アルキル
硫酸エステル塩、脂肪酸アルコールリン酸エステル塩、
スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤な
どが挙げられる。
【0040】カチオン界面活性剤としては、たとえば次
式で示されるカチオン界面活性剤などが挙げられる。 〔R1 ・R2 ・R3 ・R4 N〕+ - 〔式中、R1 、R2 、R3 およびR4 の1個または2個
は直鎖もしくは分岐鎖を有する炭素数8〜20のアルキ
ル基またはヒドロキシアルキル基であり、残余は水素原
子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアル
キル基またはベンジル基である。Xはハロゲン原子、炭
素数1〜2個のアルキル硫酸基またはアルキルピリジニ
ウムハライドなどの芳香族四級アミン塩などである〕。
【0041】両性界面活性剤としては、たとえば脂肪族
アミンのN−カルボキシメチル体、N−スルホアルキル
化体、イミダゾリンスルホン酸などのベタイン系の両性
界面活性剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアル
キル基またはアシル基、対イオンはアルカリ金属などで
ある)などが挙げられる。
【0042】ノニオン界面活性剤としては、たとえばポ
リオキシエチレンアルキルエーテル型、脂肪酸エステル
型、ポリエチレンイミン型、ポリグリセリンエーテル
型、ポリグリセリンエステル型などのノニオン界面活性
剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアルキル基も
しくはアシル基である)などが挙げられる。
【0043】そして、この界面活性剤の還元工程での使
用量はケラチン含有物質の5〜50重量%が好ましい。
【0044】界面活性剤としては、前記したように、ア
ニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性
剤、ノニオン界面活性剤のいずれも使用することができ
るが、なかでもアニオン界面活性剤、たとえばアルキル
硫酸塩やポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩な
どが特に好ましい。
【0045】この還元工程の具体的操作は、たとえば次
のようにして行われる。すなわち、ケラチン含有物質を
その全量が浸るに充分な5〜40重量倍の3〜10M
(mol/l)の蛋白質変成剤の水溶液、たとえば尿素
の場合には、5〜8Mの尿素水溶液に浸漬し、還元剤ま
たは還元剤と界面活性剤を加えてから容器を密栓し、室
温〜100℃で1〜24時間加熱攪拌する。
【0046】上記還元工程において、反応系に超音波を
照射すると、還元抽出作用を促進することができ、還元
工程に要する時間を短縮することができる。超音波照射
はプローブ型、浴槽型などの公知の超音波照射装置を用
いることができる。超音波照射の強さは反応系の大きさ
により異なるが、たとえば反応系の大きさが1リットル
以下のときは出力50〜200Wで充分である。
【0047】上記の還元工程を経て得られた反応液は、
不溶物を含むので、これを遠心分離や濾過により除去し
た後、塩析により還元ケラチンを沈殿させる。
【0048】塩析は、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウ
ム、硫酸ナトリウムなどの無機塩を上記不溶物除去後の
水溶液に加えることによって行われる。この塩析にあた
っては、上記水溶液を塩酸などの酸を加えて弱酸性(p
H3〜5、特に3.5付近が好適)にしておくことが好
ましい。また、アセトンやメタノール、エタノールなど
の極性有機溶媒を併用添加し、塩析効果を上げてもよ
い。
【0049】この塩析にあたっての無機塩の添加量はケ
ラチン素抽出液(キューティクルなどの不溶物を除去し
たもの)に対して無機塩が0.1〜2Mの濃度になるよ
うにすることが適しており、特に0.5〜0.7Mの濃
度になるようにすることが好ましい。
【0050】塩析時の温度は0℃近辺から40℃の範囲
であり、塩析に要する時間は短時間で、長くても10分
間程度をみておけば充分である。
【0051】上記のようにして固形物として得られた還
元ケラチンは、水洗後、水を加えて水溶液にすることが
できる。
【0052】上記の還元工程で生じる現象およびこの
の方法が還元ケラチンを得るにあたって優れたものであ
る理由を述べると、次の通りである。
【0053】まず、ケラチン含有物質を水性媒体中で還
元すると、ケラチンは還元されて水性媒体中に溶解し、
ケラチンを包んでいたキューティクルなどは不溶物とし
て水性媒体中に存在する。
【0054】そこで、この不溶物を遠心分離または濾過
により除去した後、塩化ナトリウムや硫酸アンモニウム
などの無機塩を添加すると塩析が生じ、水性媒体中に溶
解していた還元ケラチンが還元された状態を保持したま
ま、つまりケラチンを還元したときに生成したチオール
基がほぼ保持された状態で、溶液中から高収率で沈殿す
る。
【0055】一方、還元剤、蛋白質変成剤、界面活性剤
などは、水性媒体中に溶解して水性媒体中に残るので、
濾過または遠心分離することにより還元ケラチンを反応
液から単離することができる。
【0056】この際、還元ケラチンは、水性媒体中から
短時間で沈殿するので、長時間を要する透析や限外濾過
による場合のように還元ケラチンが酸化を受けることが
少なく、したがってチオール基がほとんど損なわれるこ
となく保持される。
【0057】上記のような還元工程とそれに続く制限加
水分解工程を経て得られたケラチンフラグメントの水溶
液は、そのままの状態で利用することができるし、凍結
乾燥して粉末として利用に供することができる。また、
限外濾過により濃縮液として利用することも可能であ
る。
【0058】そして、得られるケラチンフラグメント
は、前記のような制限加水分解によって平均分子量3,
000〜30,000のものとすることができる。
【0059】また、アミノ酸分析によれば、得られるケ
ラチンフラグメント中のシステインは原料のケラチン含
有物質中に含まれているケラチンを還元したときに生成
したシステインとほぼ同様の割合で存在し、アミノ酸1
00残基当り4〜16個のシステインを有している。
【0060】また、上記の方法によって還元工程を実
施する場合も、前記の方法と共通する部分はの方法
と同様に行うことができる。
【0061】そして、の方法における透析処理は従来
公知の処理手段によって行うことができる。たとえば、
還元後に不溶物を除いた反応液、すなわち、還元ケラチ
ンを含む濾過液をたとえばセロハンのような半透膜の容
器内に入れ、これを外液を入れた容器内に浸す。外液と
しては、ジスルフィド結合をチオール基に還元すること
ができる還元剤を0.1〜0.5重量%含む水性媒体を
用いることができ、たとえば上記還元工程で用いた水性
媒体と還元剤の混合物を用いることができる。外液は還
元ケラチンの濾過液に対し通常20〜40容量倍用いら
れる。温度は室温でよく、時間は通常12〜36時間で
ある。このような透析処理を2〜4回行うことにより上
記濾過液中の蛋白質変成剤、界面活性剤などを除くこと
ができると共に、還元剤を外液と等濃度に減らすことが
できる。
【0062】還元ケラチンを入手して制限加水分解する
ことも可能であるが、そのような還元ケラチンもケラチ
ン含有物質を還元して得られたものであるから、その場
合も、もちろん、本発明の範囲内に含まれる。
【0063】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はそれらの実施例のみに限定され
るものではない。
【0064】実施例1 羊毛(Collidale種より採取)20gを5M尿
素水溶液550gに浸漬し、2−メルカプトエタノール
25mlを添加した後、容器を密栓、攪拌し、約50℃
で5時間、200Wの出力にて超音波照射した。反応液
を室温に戻し、不溶物を濾過により除去した後、濾液を
塩酸でpH5に調整し、その後、硫酸ナトリウムを添加
して塩析し、密栓、攪拌した後、遠心分離した。
【0065】得られた白色沈殿物を2−メルカプトエタ
ノールを0.3重量%含む水で水洗し、ドデシル硫酸ナ
トリウム(SDS)3gと2−メルカプトエタノール
0.6gを含む水を加え、アンモニアでpH8〜9に調
整しつつ、溶解した。
【0066】この水溶液10gをLowry法により蛋
白定量したところ、0.35gの還元ケラチンを含んで
おり、この水溶液中の還元ケラチン濃度は3.5重量%
であって、収率は35%であった。また上記水溶液を凍
結乾燥して得た還元ケラチン粉末のアミノ酸分析を行っ
たところ、アミノ酸100残基当りシステインが8.4
個であった。
【0067】また、上記還元ケラチン粉末の分子量をS
DSポリアクリルアミド電気泳動法で調べたところ、分
子量40,000から60,000のものが主たる成分
であった。
【0068】上記のようにして得られた濃度3.5重量
%の還元ケラチン水溶液10mlを20℃に保ちなが
ら、その中にトリプシン2,000ユニットを含む0.
05Mのトリス/塩酸緩衡液(pH8)5mlと0.0
1Mの塩化カルシウム水溶液5mlを加え、窒素ガス雰
囲気下で5分間攪拌した。
【0069】つぎに、1.5mgユニットのアンチトリ
プシン(antitrypsin、シグマ社製、商品番
号A9024)水溶液を添加してトリプシンを失活さ
せ、加水分解を停止させて、加水分解の程度を制限し
た。
【0070】得られた加水分解液中のケラチンフラグメ
ントの分子量をSDSポリアクリルアミド電気泳動法で
調べたところ、ケラチンフラグメントは分子量8,00
0〜24,000のものを主成分とする混合物であり、
その数平均での平均分子量は17,000であった。
【0071】上記加水分解液についてLowry法によ
り蛋白定量したところ、ケラチンフラグメントの濃度は
3.5重量%であった。また、アミノ酸分析によれば、
上記ケラチンフラグメントはアミノ酸100残基当りシ
ステインを8.4個有していた。
【0072】実施例2 実施例1における還元工程で得られた還元ケラチン水溶
液(3.5重量%)50mlを20℃に保ちながら、そ
の中にトリプシン8,000ユニットを含む0.05M
のトリス/塩酸緩衡液(pH8)25mlと0.01M
の塩化カルシウム水溶液25mlを加え、窒素ガス雰囲
気下にて15分間攪拌した。
【0073】ついで、上記反応液を加熱して3分間沸騰
させ、トリプシンを失活させ、加水分解を停止させて、
加水分解の程度を制限した。
【0074】以後、実施例1と同様の操作を経て得られ
た還元ケラチン加水分解液中のケラチンフラグメントの
分子量をSDSポリアクリルアミド電気泳動法によって
調べたところ、ケラチンフラグメントは分子量7,00
0〜24,000のものが主成分であり、平均分子量は
16,000であった。
【0075】上記還元ケラチン加水分解液についてLo
wry法により蛋白定量したところ、ケラチンフラグメ
ントの濃度は3.5重量%であった。また、アミノ酸分
析によれば、上記ケラチンフラグメントはアミノ酸10
0残基当りシステインを8.5個有していた。
【0076】実施例3 実施例1における還元工程で得られた還元ケラチン水溶
液(3.5重量%)50mlと0.01Mの塩化カルシ
ウム水溶液50mlの混合物をpH7.8〜8.5に調
整したのち20℃に保ちながら、その中に固定化トリプ
シン(Trypsin−30,Boehringer
Mannheim,Cat.No.109851)8,
000ユニットを加え、窒素ガス雰囲気下にて20分間
攪拌した後、遠心分離によりただちに固定化トリプシン
を分離し、加水分解を停止させて、加水分解の程度を制
限した。
【0077】以後、実施例1と同様の操作を経て得られ
た還元ケラチン加水分解液中のケラチンフラグメントの
分子量をSDSポリアクリルアミド電気泳動法によって
調べたところ、ケラチンフラグメントは分子量8,00
0〜30,000のものが主成分であり、平均分子量は
19,000であった。
【0078】上記還元ケラチン加水分解液についてLo
wry法により蛋白定量したところ、ケラチンフラグメ
ントの濃度は3.5重量%であった。また、アミノ酸分
析によれば、上記ケラチンフラグメントはアミノ酸10
0残基当りシステインを8.5個有していた。
【0079】実施例4 固定化トリプシン(Trypsin−30,Boehr
inger Mannheim,Cat.No.109
851)とゲル〔Sephadex G−100(co
urse)〕をリン酸緩衡液(pH8)中で体積比1:
30で混合し、得られた混合物をガラスカラム(直径2
cm、高さ10cm)に充填した。
【0080】このカラムに実施例1における還元工程で
得られた還元ケラチン水溶液(3.5重量%)20ml
と0.01Mの塩化カルシウム水溶液10mlとの混合
物を室温で25分間かけて流し、還元ケラチン水溶液が
上記カラムを通過する間、加水分解した。
【0081】得られた還元ケラチン加水分解液中のケラ
チンフラグメントの分子量をSDSポリアクリルアミド
電気泳動法により測定したところ、上記加水分解液中の
ケラチンフラグメントは分子量7,000〜30,00
0のものが主成分であり、平均分子量は20,000で
あった。
【0082】上記還元ケラチン加水分解液についてLo
wry法により蛋白定量したところ、ケラチンフラグメ
ントの濃度は1.8重量%であった。また、アミノ酸分
析によれば、上記ケラチンフラグメントはアミノ酸10
0残基当りシステインを8.1個有していた。
【0083】比較例1 実施例1における還元工程で得られた還元ケラチン水溶
液(3.5重量%)50mlを20℃に保ちながら、そ
の中にトリプシン8,000ユニットを含む0.05M
のトリス/塩酸緩衡液25mlと0.01Mの塩化カル
シウム水溶液25mlとの混合物を加え、窒素ガス雰囲
気下で3時間攪拌して還元ケラチンを加水分解した。
【0084】得られた還元ケラチン加水分解物中のケラ
チンフラグメントの分子量をSDSポリアクリルアミド
電気泳動法で調べたところ、上記ケラチンフラグメント
は分子量は1,000〜3,000のものが主成分であ
り、平均分子量は2,000であった。
【0085】また、上記ケラチンフラグメントのアミノ
酸分析をしたところ、上記ケラチンフラグメントはアミ
ノ酸100残基当り7.1個のシステインを有してい
た。
【0086】試験例1 実施例1〜4および比較例1で得られたケラチンフラグ
メントの水溶液それぞれ6mlに75重量%グリセリン
水溶液0.2mlを加え、それらをそれぞれ別々に水平
な底面を持つ円形ガラス容器(直径6cm)に流し、室
温、大気中で乾燥した。その後、80〜90℃で15分
間加熱処理した後、水中に入れ、ガラス容器から剥離し
てきたケラチンフラグメントのフィルムを取り出した。
【0087】得られたフィルムの強伸度をオートグラフ
により測定した。その結果を表1に示す。なお、測定に
あたっての試料の調整および測定条件は次の通りであ
る。
【0088】試料: 得られたフィルムを風乾した後、80℃で20分間熱処
理し、その後、室温まで戻す。
【0089】測定条件: 相対湿度65%の雰囲気中、引張速度200mm/mi
nで測定する。
【0090】
【表1】
【0091】表1に示すように、実施例1〜4で製造し
たケラチンフラグメントから作製したフィルムは、比較
例1で製造したケラチンフラグメントから作製したフィ
ルムに比べて、強伸度が大きかった。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ケラチン含有物質から得られた還元ケラチンを蛋白質加
水分解酵素により制限的に加水分解することによって、
平均分子量3,000〜30,000でアミノ酸100
残基当り4〜16個のシステインを有するケラチンフラ
グメントを得ることができる。
【0093】上記ケラチンフラグメントは、フィルム、
繊維などに加工した場合に好適な強度を持ち得るように
なる適度な長さのペプチド鎖と架橋可能なチオール基を
有している。
【0094】また、上記ケラチンフラグメントは天然の
蛋白質に由来するものであって、人体に対する毒性、刺
激性なども少ない。
【0095】したがって、このケラチンフラグメント
は、上記の特性を利用して、フィルム、スポンジ、繊維
などの材料として、あるいはマイクロカプセルの壁材、
医農薬基材、化粧品基材として、好適に使用することが
できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均分子量3,000〜30,000
    で、アミノ酸100残基当りシステインを4〜16個有
    するケラチンフラグメント。
  2. 【請求項2】 ケラチン含有物質を還元して得られた還
    元ケラチンを蛋白質分解酵素で加水分解し、その加水分
    解中に蛋白質分解酵素を失活させるかまたは反応系外に
    分離して、加水分解を停止させ、加水分解の程度を制限
    することを特徴とする請求項1記載のケラチンフラグメ
    ントの製造方法。
  3. 【請求項3】 蛋白質分解酵素を禁止剤により失活させ
    る請求項2記載のケラチンフラグメントの製造方法。
  4. 【請求項4】 蛋白質分解酵素を加熱により失活させる
    請求項2記載のケラチンフラグメントの製造方法。
  5. 【請求項5】 蛋白質分解酵素をポリマーに担持させた
    固定化蛋白質分解酵素を用い、該固定化蛋白質分解酵素
    を遠心分離または濾過により反応系外に分離する請求項
    2記載のケラチンフラグメントの製造方法。
  6. 【請求項6】 蛋白質分解酵素をポリマーに担持させた
    固定化蛋白質分解酵素を用い、該固定化蛋白質分解酵素
    をカラムに充填し、該カラムに還元ケラチン水溶液を通
    過させ、通過の間のみ加水分解して、加水分解中に固定
    化蛋白質分解酵素を反応系外に分離する請求項2記載の
    ケラチンフラグメントの製造方法。
JP29648292A 1992-10-07 1992-10-07 ケラチンフラグメントおよびその製造方法 Pending JPH06116300A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29648292A JPH06116300A (ja) 1992-10-07 1992-10-07 ケラチンフラグメントおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29648292A JPH06116300A (ja) 1992-10-07 1992-10-07 ケラチンフラグメントおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06116300A true JPH06116300A (ja) 1994-04-26

Family

ID=17834131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29648292A Pending JPH06116300A (ja) 1992-10-07 1992-10-07 ケラチンフラグメントおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06116300A (ja)

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6124265A (en) * 1997-11-26 2000-09-26 Keraplast Technologies, Ltd. Method of making and cross-linking keratin-based films and sheets
US6165496A (en) * 1997-11-26 2000-12-26 Keraplast Technologies, Ltd. Keratin-based sheet material for biomedical applications and method of production
US6270793B1 (en) 1999-09-13 2001-08-07 Keraplast Technologies, Ltd. Absorbent keratin wound dressing
US6274155B1 (en) 1999-09-13 2001-08-14 Keraplast Technologies, Ltd. Nonwoven sheet and film containing water absorbent keratin
US6461628B1 (en) 1999-09-13 2002-10-08 Keraplast Technologies, Ltd. Non-woven keratin cell scaffold
US6544548B1 (en) 1999-09-13 2003-04-08 Keraplast Technologies, Ltd. Keratin-based powders and hydrogel for pharmaceutical applications
WO2007023816A1 (ja) 2005-08-23 2007-03-01 Seiwa Kasei Company, Limited 還元型ケラチン、還元型キュティクルタンパク及びこれらの混合物の製造法
US7501485B2 (en) 2002-01-28 2009-03-10 Keraplast Technologies, Ltd. Bioactive keratin peptides
JP2010090096A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Makoto Yafuji 改良ケラチンの製造方法
US8258093B2 (en) 2006-02-17 2012-09-04 Wake Forest University Health Sciences Wound healing compositions containing keratin biomaterials
US8299013B2 (en) 2006-02-17 2012-10-30 Wake Forest University Health Sciences Clotting and healing compositions containing keratin biomaterials
US8545893B2 (en) 2010-03-08 2013-10-01 Wake Forest University Health Sciences Keratin biomaterials for treatment of ischemia
US8637231B2 (en) 2004-08-17 2014-01-28 Wake Forest University Health Sciences Method for increasing the volume of a blood substitute with an expander comprising basic alpha keratose
US8920827B2 (en) 2005-10-21 2014-12-30 Wake Forest University Health Sciences Keratin bioceramic compositions
US8968764B2 (en) 2006-02-10 2015-03-03 Wake Forest University Health Sciences Nerve regeneration employing keratin biomaterials
US9068162B2 (en) 2007-08-17 2015-06-30 Wake Forest University Health Sciences Keratin biomaterials for cell culture and methods of use
US9220754B2 (en) 2010-11-17 2015-12-29 Wake Forest University Health Sciences Keratin compositions for treatment of bone deficiency or injury
JP2017506221A (ja) * 2014-01-24 2017-03-02 南京必▲優▼康生物技▲術▼有限公司 綱赤血球増殖因子並びにその調製方法及び使用
JP2019122301A (ja) * 2018-01-16 2019-07-25 花王株式会社 ケラチン断片の製造方法
US10434213B2 (en) 2010-03-05 2019-10-08 Wake Forest University Health Sciences Controlled delivery system

Cited By (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6124265A (en) * 1997-11-26 2000-09-26 Keraplast Technologies, Ltd. Method of making and cross-linking keratin-based films and sheets
US6159495A (en) * 1997-11-26 2000-12-12 Keraplast Technologies, Ltd. Porous and bulk keratin bio-polymers
US6165496A (en) * 1997-11-26 2000-12-26 Keraplast Technologies, Ltd. Keratin-based sheet material for biomedical applications and method of production
US6270793B1 (en) 1999-09-13 2001-08-07 Keraplast Technologies, Ltd. Absorbent keratin wound dressing
US6274155B1 (en) 1999-09-13 2001-08-14 Keraplast Technologies, Ltd. Nonwoven sheet and film containing water absorbent keratin
US6316598B1 (en) 1999-09-13 2001-11-13 Keraplast Technologies, Ltd. Water absorbent keratin and gel formed therefrom
US6461628B1 (en) 1999-09-13 2002-10-08 Keraplast Technologies, Ltd. Non-woven keratin cell scaffold
US6544548B1 (en) 1999-09-13 2003-04-08 Keraplast Technologies, Ltd. Keratin-based powders and hydrogel for pharmaceutical applications
US8324346B2 (en) 2002-01-28 2012-12-04 Keraplast Technologies, Ltd. Bioactive keratin peptides
US7501485B2 (en) 2002-01-28 2009-03-10 Keraplast Technologies, Ltd. Bioactive keratin peptides
US8637231B2 (en) 2004-08-17 2014-01-28 Wake Forest University Health Sciences Method for increasing the volume of a blood substitute with an expander comprising basic alpha keratose
WO2007023816A1 (ja) 2005-08-23 2007-03-01 Seiwa Kasei Company, Limited 還元型ケラチン、還元型キュティクルタンパク及びこれらの混合物の製造法
US11173233B2 (en) 2005-10-21 2021-11-16 Wake Forest University Health Sciences Keratin bioceramic compositions
US8920827B2 (en) 2005-10-21 2014-12-30 Wake Forest University Health Sciences Keratin bioceramic compositions
US9968706B2 (en) 2006-02-10 2018-05-15 Wake Forest University Health Sciences Nerve regeneration employing keratin biomaterials
US8968764B2 (en) 2006-02-10 2015-03-03 Wake Forest University Health Sciences Nerve regeneration employing keratin biomaterials
US8299013B2 (en) 2006-02-17 2012-10-30 Wake Forest University Health Sciences Clotting and healing compositions containing keratin biomaterials
US8273702B2 (en) 2006-02-17 2012-09-25 Wake Forest University Health Sciences Wound healing compositions containing keratin biomaterials
US9149566B2 (en) 2006-02-17 2015-10-06 Wake Forest University Health Sciences Coatings and biomedical implants formed from keratin biomaterials
US8258093B2 (en) 2006-02-17 2012-09-04 Wake Forest University Health Sciences Wound healing compositions containing keratin biomaterials
US10821211B2 (en) 2006-02-17 2020-11-03 Wake Forest University Health Sciences Coatings and biomedical implants formed from keratin biomaterials
US9068162B2 (en) 2007-08-17 2015-06-30 Wake Forest University Health Sciences Keratin biomaterials for cell culture and methods of use
JP2010090096A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Makoto Yafuji 改良ケラチンの製造方法
US10434213B2 (en) 2010-03-05 2019-10-08 Wake Forest University Health Sciences Controlled delivery system
US8545893B2 (en) 2010-03-08 2013-10-01 Wake Forest University Health Sciences Keratin biomaterials for treatment of ischemia
US9220754B2 (en) 2010-11-17 2015-12-29 Wake Forest University Health Sciences Keratin compositions for treatment of bone deficiency or injury
JP2017506221A (ja) * 2014-01-24 2017-03-02 南京必▲優▼康生物技▲術▼有限公司 綱赤血球増殖因子並びにその調製方法及び使用
JP2019122301A (ja) * 2018-01-16 2019-07-25 花王株式会社 ケラチン断片の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06116300A (ja) ケラチンフラグメントおよびその製造方法
JP3283302B2 (ja) 還元ケラチンの製造方法
US5763583A (en) Process for producing solubilized protein
US3683939A (en) Proteinaceous cosmetic material for hair conditioning
JPH0591893A (ja) ケラチンの加水分解方法
JP3891509B2 (ja) 高等動物体毛由来の還元タンパク質またはその水性媒体分散物およびその製造方法
JP2008247925A (ja) 可溶化ケラチンの製造方法
JPH05285374A (ja) 再生天然ケラチンを壁材とするマイクロカプセル及びその製造方法
US3898129A (en) Enzymatically hydrolyzed composition of skin rag and derivatives thereof
EP0471125B1 (en) Modified protease, method of producing the same and cosmetic compositions containing the modified protease
JPH0721061B2 (ja) 水溶性ケラチン蛋白質の製造方法
JP3891508B2 (ja) 還元クチクルタンパクまたはその水性媒体分散液およびその製造方法
JP2527120B2 (ja) 硬ケラチン物質粉末の製造方法
JPS63301809A (ja) 水溶性ケラチンの製造方法
JPH04189833A (ja) ケラチン有機溶媒液およびその製造法
JPH07126296A (ja) 可溶化蛋白質
US2158499A (en) Method for decomposing scleropro
JPS6257319B2 (ja)
JPS6027680B2 (ja) ケラチン加水分解物の製造方法
JPH0646871A (ja) タンパク質加水分解物の製造法
JPH04126039A (ja) 脱苦味された機能性ペプチドの製造法
JPH01249709A (ja) 鳥卵ポリペプチドの誘導体を含有する化粧料
JPH0276597A (ja) コンキオリン蛋白加水分解物の製造方法
JPH01160496A (ja) 融合タンパク質の選択的分解方法
JPH04189832A (ja) ケラチンのミセル水溶液の製造法