JPH06115297A - 新規な漆器およびその基材 - Google Patents

新規な漆器およびその基材

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JPH06115297A
JPH06115297A JP4268548A JP26854892A JPH06115297A JP H06115297 A JPH06115297 A JP H06115297A JP 4268548 A JP4268548 A JP 4268548A JP 26854892 A JP26854892 A JP 26854892A JP H06115297 A JPH06115297 A JP H06115297A
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JP
Japan
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acid
polyol
water
base material
base
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JP4268548A
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English (en)
Inventor
Kazunaga Uenishi
一永 上西
Susumu Inoue
進 井上
Takanori Chiba
孝憲 千葉
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TAIYO JUSHI KOGYO KK
Sumika Covestro Urethane Co Ltd
Original Assignee
TAIYO JUSHI KOGYO KK
Sumitomo Bayer Urethane Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 水発泡で0.3〜1.0g/cm3の平均密度を
有する硬質ポリウレタンインテグラルスキンフォームか
らなる漆器基材、ならびにこの基材に塗料が塗布されて
いる漆器。 【効果】 本発明の漆器は、外観、風合いが良好であ
り、断熱性が高く、天然木に近い低い密度を有し、堅牢
性、例えば、耐電子レンジ性および耐煮沸性が良好であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な漆器およびその
基材に関する。
【0002】
【従来の技術】漆器の素地(基材)として利用されてい
るプラスチックには、種々のものがある。アミノ、フェ
ノール、不飽和ポリエステル、ユリア樹脂などの熱硬化
性材料を基材として使用した場合、密度と成形性の点か
らボリューム感、感触の暖か味、風合いなど、日用工芸
品としての高級品感覚を追及するための条件が充分であ
るとは言い切れない。塗装後の堅牢性の点においても、
例えば、耐電子レンジ性、耐煮沸性、耐衝撃性、耐衛生
試験性などの面で満たされない部分がある。また、ポリ
プロピレン、ABS、ポリスチレン、AS、ポリカーボ
ネート、アクリル樹脂などの熱可塑性材料を基材として
使用した場合、比重的に天然木製品の域には至らないこ
とと、成形性の点から形態上のボリューム感が悪く、感
触的には柔軟性が高すぎ、断熱性が低く、耐電子レンジ
性や耐煮沸性の試験結果から表面劣化が認められるな
ど、堅牢性の点においても、充分とはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の欠点を解決し、適度のボリューム感があり、感触が良
好で、断熱性が高く、天然木に近い低い密度を有し、堅
牢性、例えば、耐電子レンジ性および耐煮沸性が良好で
ある漆器を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、水発泡で0.
3〜1.0g/cm3の平均密度を有する硬質ポリウレタン
インテグラルスキンフォームからなる漆器基材に関する
とともに、前記基材に塗料が塗布されている漆器に関す
る。
【0005】「漆器」とは、天然木からなる基材に漆を
塗布して得られる物品、特に容器に通常使用されるが、
本発明において、「漆器」という用語は、基材がプラス
チックからできており、その基材に漆または漆以外のも
のであってよい塗料を塗布して得られた容器を意味す
る。
【0006】本発明の漆器基材は、水を発泡剤として用
いて有機ポリイソシアネートとポリオールを反応させる
ことにより得られるインテグラルスキン構造を有する硬
質ポリウレタンフォームからなる。基材は、通常0.3
〜1.0、好ましくは0.4〜0.8g/cm3の平均密度を
有する。
【0007】一般に、緻密な外側のスキンは、自由発泡
によりモールドが満たされるのに必要である量より多い
量の発泡性混合物をモールド内に注入し、かつクロロフ
ルオロカーボンのような発泡剤を用いることにより得ら
れ、この時発泡剤は、成形時の圧力、温度でモールドの
内壁上で凝縮し、発泡反応がモールドの内壁で停止し、
緻密なスキンが形成される。
【0008】一方、発泡剤として水を用いると、水とイ
ソシアネートとの反応により二酸化炭素が生成すること
を利用して、優れた品質のポリウレタンフォームを製造
することができる。この方法は、工業的にも良く知られ
た技術である。但し、通常の成形条件では、二酸化炭素
がモールドの内壁上で凝縮しないので、発泡反応がモー
ルドの内壁で停止しないため、高品質な緻密なスキンを
有するインテグラルスキンフォームは得られない。
【0009】本発明の漆器基材を製造する方法は、例え
ば、特開平2−199136号公報に記載されているよ
うに、有機ポリイソシアネートとポリオール混合物を水
と有機カルボン酸を発泡剤として反応させることから成
り、有機ポリイソシアネートがジフェニルメタンジイソ
シアネート系化合物であり、ポリオール混合物がポリオ
ール、架橋剤および触媒を含有し、かつ発泡剤として水
および有機カルボン酸を含有する。
【0010】有機ポリイソシアネートは、ジフェニルメ
タンジイソシアネート系化合物またはそれとポリエーテ
ルポリオールから製造されるNCO基含有プレポリマー
である。
【0011】ジフェニルメタンジイソシアネート系化合
物は、例えば、 (a) ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネートま
たはそれとジフェニルメタンジイソシアネートの他の異
性体との混合物(「ジフェニルメタンジイソシアネー
ト」); (b) アニリンとホルムアルデヒドとの縮合で得られる
ポリアミン混合物のホスゲン化により製造されるポリメ
チレンポリフェニルポリイソシアネート(「ポリメリック
MDI」); (c) ジフェニルメタンジイソシアネートまたはポリメ
リックMDIとイソシアネート反応性化合物(例えば、
ジオールまたはポリオールもしくはそれらの混合物、あ
るいは末端水酸基含有ポリエステルまたはポリエーテ
ル)との反応で得られるポリマーおよびオリゴマー(「M
DIプレポリマー」);および (d) 変性したジフェニルメタンジイソシアネートまた
はポリメリックMDI(これらの中のいくらかのイソシ
アネート基がカルボジイミド、イソシアヌレート、ウレ
トンイミン、ウレタン、ウレア、ビウレットまたはアロ
ファネート基のような他の官能基に転化されており、あ
るいはこれらの中のいくらかのイソシアネート基がイソ
シアネート反応性化合物と反応したもの)である。
【0012】ポリエーテルポリオールは、150〜10
000、好ましくは150〜6000の分子量を有し、
かつ1分子当たり少なくとも2個、好ましくは2〜6個
の水酸基を含有している。ポリエーテルポリオールは、
単一物としてまたは混合物の形で使用することが出来
る。ポリエーテルポリオールは、例えば、1種またはそ
れ以上のアルキレンオキシドと1種またはそれ以上の活
性水素含有化合物であるイニシエーターとの反応によっ
て製造されるものである。
【0013】アルキレンオキシドは、例えば、エチレン
オキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよ
びスチレンオキシドである。イニシエーターは、例え
ば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、1,2,6−ヘキサントリオール、蔗糖である。
【0014】ポリオール混合物は、ポリオールを主成分
とし、架橋剤、発泡剤としての水および有機カルボン
酸、触媒および必要により助剤類を含有する。
【0015】架橋剤は、グリコール、脂肪族ジアミンお
よび/またはアミノアルコールであり、それに芳香族ジ
アミンを添加することが好ましい。グリコールは、例え
ば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペ
ンタンジオールである。脂肪族ジアミンは、例えば、エ
チレンジアミンである。アミノアルコールは、例えば、
トリエタノールアミン、ジエタノールアミンである。芳
香族ジアミンは、例えば、1,3,5−トリエチル−2,
6−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル
−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−5−t−ブ
チル−2,4−ジアミノベンゼン、好ましくは1−メチ
ル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼンであ
る。架橋剤の含有量は、ポリオール混合物の1〜10重
量%である。芳香族ジアミンの添加量は、ポリオール混
合物の0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%で
ある。
【0016】水の含有量は、ポリオール混合物の0.2
〜1.5重量%である。
【0017】発泡剤としての有機カルボン酸は、例え
ば、酢酸、プロピオン酸、ピバリン酸、シクロヘキサン
カルボン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸お
よびかかるカルボン酸の混合物のような単純なカルボン
酸、ならびに乳酸、グリコール酸、酒石酸、2−メルカ
プト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、6−アミノヘ
キサン酸、6−メチルアミノヘキサン酸、こはく酸、ア
ジピン酸およびヘキサヒドロフタル酸のような置換カル
ボン酸である。乳酸が好ましい。有機カルボン酸の含有
量は、ポリオール混合物の0.5〜3.0重量%である。
【0018】触媒は、トリエチレンジアミン、ジメチル
エタノールアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジ
メチルベンジルアミン、テトラメチルジエチレントリア
ミンなどの第3級アミンやオクタン酸錫、ジブチル錫ジ
ラウレートなどの有機金属化合物であり、その含有量
は、ポリオール混合物の0.1〜6重量%である。助剤
類は、例えば、顔料、整泡剤(例えば、シリコーン系化
合物)、難燃剤である。
【0019】ポリオール混合物の主成分であるポリオー
ルは、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエス
テルポリオールである。ポリエーテルポリオールは、1
50〜10000、好ましくは150〜6000の分子
量を有し、かつ1分子当たり少なくとも2個、好ましく
は2〜6個の水酸基を含有している。ポリエーテルポリ
オールは、単一物としてまたは混合物の形で使用するこ
とが出来る。ポリエーテルポリオールは、例えば、1種
またはそれ以上のアルキレンオキシドと1種またはそれ
以上の活性水素含有化合物であるイニシエーターとの反
応によって製造されるものである。
【0020】アルキレンオキシドは、例えば、エチレン
オキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよ
びスチレンオキシドである。イニシエーターは、例え
ば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、1,2,6−ヘキサントリオール、蔗糖である。
【0021】ポリエステルポリオールは、例えば、1種
またはそれ以上のポリカルボン酸、その無水物またはエ
ステルと1種またはそれ以上の多価アルコールとを反応
させることにより得られるものである。
【0022】ポリカルボン酸は、例えば、グルタル酸、
こはく酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、
テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラ
クロロフタル酸、マレイン酸、フマル酸である。
【0023】多価アルコールは、例えば、エチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘ
キサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサン
トリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロ
ールエタン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘ
キサンジオール、ジエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリ
コールである。
【0024】本発明の漆器基材の製造において、いずれ
の成形法を用いてもよいが、反応射出成形法(RIM法)
を用いることが好ましい。ポリオール混合物と有機ポリ
イソシアネートの反応割合は重量比で、1:1〜2.
5、好ましくは1:1.3〜2である。
【0025】基材に塗料を塗布することによって、本発
明の漆器が得られる。塗布の前に、基材を表面脱脂する
ことが好ましい。表面脱脂は、例えば、研摩または有機
溶剤(例えば、キシレン、n−ヘキサン、トリクロロエ
タン)などによる洗浄によって行える。
【0026】塗料は、合成樹脂塗料または天然塗料であ
る。合成樹脂塗料は、例えば、ポリウレタン樹脂塗料
(例えば、アクリルポリオール系、アルキッドポリオー
ル系、ポリエステルポリオール系)、不飽和ポリエステ
ル樹脂塗料、アルキッド樹脂塗料(例えば、アミノアル
キッド樹脂)である。天然塗料は、例えば、漆およびカ
シューである。塗料は、要すれば、顔料、溶媒(例え
ば、有機溶媒)などを含有していてよい。塗布は、はけ
塗り、スプレー塗り、シルクスクリーン印刷などによっ
て行える。塗料により形成される塗膜は、1層または2
層以上であってよく、例えば、プライマー層およびトッ
プコート層からなる2層からなっていてもよい。プライ
マー層/トップコート層の組み合わせは、例えば、アク
リルポリオール系またはポリエステルポリオール系ポリ
ウレタン樹脂塗料/アルキッドポリオール系ポリウレタ
ン樹脂塗料、アルキッドポリオール系ウレタン樹脂塗料
/アクリルポリオール系ウレタン樹脂塗料、不飽和ポリ
エステル樹脂塗料/不飽和ポリエステル樹脂塗料であ
る。塗膜の厚さは、通常、10〜100μmである。
【0027】本発明の漆器は、例えば、皿(例えば、菓
子皿および盛皿)、トレイ、椀(例えば、汁椀、多用
椀)、盆、膳、重箱、花瓶、置物、箪笥、茶櫃、文庫、
弁当箱、すし桶、屠蘇器である。本発明の漆器である皿
の1つの形状を図1に、本発明の漆器である椀の1つの
形状を図2に示す。
【0028】
【実施例】本発明を実施例により、具体的に説明する。
むろん、本発明は、以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0029】実施例1 ポリオール混合物 SBU−P−H506(水酸基価5
50mgKOH/g、水分0.6%、粘度2300mP
a.s/25℃)(住友バイエルウレタン株式会社製)
と、変性ジフェニルメタンジイソシアネート SBU−
I−0389(NCO含量29.0%)(住友バイエル
ウレタン株式会社製)を用い、型温60℃・液温ポリオ
ール/イソシアネートとも30℃の条件で、RIM法に
より注入速度200g/秒、3秒注入、脱型時間5分
で、直径230×高さ40×厚さ30−25mm、平均密
度0.7g/cm3の超肉厚菓子皿用基材を得た。基材をサン
ドペーパーで軽く研磨して表面脱脂を施した後、キャピ
タルペイント社製CX−40シルクサンディングをプラ
イマー(プライマー層厚約30μm)に、キャピタルペ
イント社製うるしん−2ウレタンフラットをトップコー
ト(トップコート層厚:約30μm)とする塗料を基材
にスプレー塗りした結果、外観、風合い共に申し分ない
漆器が得られた。この漆器を5分間家庭用電子レンジ
(100V、500W)で処理したところ、何等変化は
認められず、また180分間の水中煮沸試験を行ったと
ころ、何等変化は認められなかった。
【0030】比較例1 フェノール樹脂(スタンドライトCP−292(日立化
成工業株式会社製))を使用して得た直径230×高さ
40×厚さ1.5−10mmの基材に、実施例1と同じ塗
料を塗布し菓子皿を得た。フェノール樹脂では超肉厚の
ものは得られず、形態のボリューム感が充分でなく、そ
の割には重く感じられた。また塗膜表面の光沢に細かい
乱反射が見られた。電子レンジ処理後は多くのフクレと
避け目、特に厚み10mmの部分には大きなフクレと裂け
目が発生した。煮沸試験を行ったところ、塗膜表面に小
じわと小さな突起状のブツブツが発生した。
【0031】実施例2 実施例1と同じポリオール混合物とジフェニルメタンジ
イソシアネート スミジュール44V20(NCO含量
31.5%)(住友バイエルウレタン株式会社製)を用
い、実施例1と同様の条件で5秒間注入し、長軸634
mm×短軸470mm×高さ35mm×厚さ8mm、密度0.6g
/cm3の楕円形の超大型トレイ基材を得た。基材を不二
SSニューマプラスターSGF−3サンドプラスト機で
軽く研磨して表面脱脂した後、不飽和ポリエステル(キ
ャピタルペイント社製 CP−140ポリサンディング
A)からなるプライマーと不飽和ポリエステル(キャピ
タルペイント社製 CP−100ポリクリアB)からな
るラジカル重合トップコートを塗布して外観、風合い共
に申し分のない漆器を得た。これを100mm×100mm
の正方形に切断し、電子レンジで処理しても何らの変化
も認められず、煮沸試験を行っても何等の変化も認めら
れなかった。
【0032】比較例2 ポリプロピレン樹脂(UBEポリプロJ−105G(宇
部興産株式会社製))を使用して直径390mm×高さ4
4mm×厚さ6−8mmの盛皿基材を得た。この基材に実施
例2と同じ塗料を塗布した。この漆器を両腕で軽く曲げ
ると復元するが、弯曲を呈し全体の印象としてボリュー
ム感が乏しい割には軽いという感覚が得られなかった。
電子レンジ処理を行ったところ、塗膜表面に小じわの発
生があり、直後に一端をつまんで保持すると変形し復元
しなかった。煮沸試験を行ったところ、塗膜の緊張感が
やや薄れ全体にへばりついたような感じが見られた。
【0033】実施例3 イソシアネートとしてジフェニルメタンジイソシアネー
ト SBU−I−H507(NCO含量29.8%)(住
友バイエルウレタン株式会社製)を使用する以外は実施
例1と同様にして、2秒注入にて直径130mm×高さ8
0mm×厚さ2.5−20mm、密度0.65g/cm3の多用椀
の基材を得た。実施例1と同じ塗料を塗布し試験した結
果、同様の優れた結果が得られた。
【0034】比較例3 ABS樹脂(ダイヤペット1001(三菱レイヨン株式
会社製))を使用して直径108mm×高さ68mm×厚さ
1.5−3mmの汁椀基材を得た。この基材に実施例1と
同じ塗料を塗布し、汁椀を得た。この汁椀はボリューム
感の点で劣り、電子レンジ処理後は塗膜表面がへばり着
いたように緊張感を失い、煮沸試験後の塗膜表面にも細
かであるが、痩せが認められた。
【0035】比較例4 直径118mm×高さ60mm×厚さ1.5−5mmのウレタ
ン樹脂塗料を塗布したメラミン樹脂(ナショナルライト
MM用(松下電工株式会社製))からなる汁椀について
電子レンジ処理を行ったところ、全面に弾けたようなフ
クレが発生した。煮沸試験後は、表面の緊張感が低下し
た。
【0036】比較例5 不飽和ポリエステル製布張非塗装の長手盆、この物は重
い感じがあり、それについて電子レンジ処理を行ったと
ころ、細かな変形と布の一部に浮き上がりと変色が認め
られた。
【0037】比較例6 ポリオール混合物 SBU−P−H505(水酸基価7
15mgKOH/g、水分0.6%)(住友バイエルウレタ
ン株式会社製)とSBU−I−0389を反応させて基
材を得、実施例1と同じ塗料を塗布して超厚菓子皿を得
た。この基材は単なる硬質フォームであり、インテグラ
ルスキンフォームではないので、塗膜表面がきれいに仕
上がっていなかった。
【0038】試験例1 実施例1〜3および比較例1〜6の漆器について、ボリ
ューム感、感触の暖か味、軽さおよび優雅さを評価した
結果を表1に示す。耐電子レンジ性および耐煮沸性の結
果についても表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1におけるボリューム感、感触の暖か
味、軽さ、優雅さ、耐電子レンジ性および耐煮沸性は以
下の評価基準に従う: ◎:非常に良好(軽さの場合には、非常に軽い) ○:良好 △:やや悪い ×:悪い(軽さの場合には、非常に重い)
【0041】試験例2 実施例3で得た多用椀の基材について、厚生省令第20
号に基づき試験した。溶出試験にあっては、過マンガン
酸カリウム消費量、蒸発残留物、重金属(Pbとして)
の各項目毎に1ppm以下の結果が得られ、材質試験にあ
っては、Cd、Pb共に検出しなかった。
【0042】試験例3 実施例1と同様の条件で、平均密度0.61g/cm3の基
材の試験片を作り、性能測定を行い以下の結果を得た。 曲げ強度 270kg/cm2 曲げ弾性率 8990kg/cm2 曲げたわみ量 15.1mm 熱変形温度 65℃ 衝撃強さ(シャルピー試験法) 10.2kgfcm/cm2 成形収縮率 0.65%
【0043】
【発明の効果】本発明の漆器は、従来のプラスチック基
材の漆器では得られない天然木基材の漆器と同等若しく
はそれ以上の形態のボリューム感、感触の暖か味、軽
さ、そこから醸出される視覚としての優雅な風合いなど
を有しており、高級品感覚を有する。本発明の漆器は、
良好な堅牢性、例えば、耐電子レンジ性および耐煮沸性
を有する。家庭用電子レンジ処理を行っても、水中煮沸
しても、本発明の漆器には何等の変化も認められない。
さらに、本発明の漆器は、良好な断熱性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の漆器である皿の1つの形状を示す斜
視図である。
【図2】 本発明の漆器である椀の1つの形状を示す斜
視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 孝憲 兵庫県尼崎市久々知3丁目13番26号 住友 バイエルウレタン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水発泡で0.3〜1.0g/cm3の平均密
    度を有する硬質ポリウレタンインテグラルスキンフォー
    ムからなる漆器基材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の基材に塗料が塗布されて
    いる漆器。
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