JPH06113796A - 練り製品用酵素製剤 - Google Patents

練り製品用酵素製剤

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JPH06113796A
JPH06113796A JP4267219A JP26721992A JPH06113796A JP H06113796 A JPH06113796 A JP H06113796A JP 4267219 A JP4267219 A JP 4267219A JP 26721992 A JP26721992 A JP 26721992A JP H06113796 A JPH06113796 A JP H06113796A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明はトランスグルタミナ−ゼ及び乳酸カ
ルシウム等の有機酸のアルカリ土類金属塩及びトランス
グルタミナ−ゼを含有する練り製品用酵素製剤である。 【効果】 従来練り製品原料として不適当とされていた
低品質の摺り身から保形性及び成形性を保持した、弾力
のある高品質の練り製品の製造が行える。また、通常よ
りも摺り身を、さらに水延ばしさせても高品質の練り製
品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、練り製品用酵素製剤に
関するものである。本発明の酵素製剤はスケトウダラ、
イカ、鰯等の魚摺り身や、畜肉挽肉等の練り製品用原料
を用いて加工製造される蒲鉾、竹輪、つみれ、揚げ蒲
鉾、魚肉ソ−セ−ジ、畜肉ソーセージ、ハンバーグ、ミ
ートローフ等の練り製品に利用できる。
【0002】
【従来の技術】練り製品の品質を左右する重要な要素は
弾力(足)である。例えば、水産練り製品の場合、良好
な弾力(足)を持つ水産練り製品を得るためには、新鮮
な魚から得られた上質の摺り身を用いる事や、製造中に
添加する水の量を必要最少量に抑える事が肝要である。
しかしながら昭和52年以降米国、EUN等の沿岸諸国
の200カイリ漁業水域操業規制の設定に伴う漁場の制
限や魚類資源の減少による漁獲不振により、新鮮な上質
の摺り身の確保が困難となった。さらに摺り身供給量不
足から来る、摺り身原料の高騰を招いている。このよう
な背景の中で、スケトウダラその他の摺り身原料を有効
利用するため、鮮度低下した原料魚から摺り身を製造し
たり、摺り身製造時の歩留りを高める努力がなされてい
るが、その結果、摺り身の品質低下を招き、このような
摺り身を原料として蒲鉾、竹輪等の練り製品を製造する
為に練り製品の品質にとって重要な弾力(足)の低下が
生じている。また、これは食肉挽肉練り製品においても
いえることである。
【0003】このような背景の中、食品添加物として種
々の弾力増強剤が開発されている。例えば、弾力増強剤
として、ミオシン区蛋白質の溶解性を増進するもの、及
び網状構造形成に関与するものがある。ミオシン区蛋白
質の溶解性を増進するものとして、(1)水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカ
リ類、及び(2)ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン
酸ナトリウム、メタリン酸カリウム等の重合リン酸塩が
ある。しかしながら前者は弾力増強効果が弱く、後者は
弾力増強効果は強いものの、練り肉の粘度低下をきたす
ため、例えば蒲鉾に使用した場合、成形後の摺り上がり
練り肉がだれて、盛りの高い製品ができないといった欠
点が指摘されている。
【0004】また、網状構造形成に関与するものとし
て、(1)塩化カルシウムや酸化カルシウム等の無機酸
のアルカリ土類金属塩、及び(2)トランスグルタミナ
ーゼ(以下、TGと略する)がある。前者は多量に使用
すると、成形前にすわりが起こり弾力増強効果が低下し
たり、これら特有の異味を呈し官能的にも満足のいくも
のができないため、おのずとその使用量が低く抑えられ
ているのが現状である。一方、後者は蛋白質間架橋反応
を触媒する事により、少量使用においても非常に強い弾
力増強効果が認められ、さらに無味、無臭といった性質
からも画期的な弾力増強剤として期待されている。これ
より、TGを用いることにより、(1)品質低下した摺
り身や畜肉挽肉を使用した練り製品の品質向上(弾力向
上)が行え、また(2)製造中に添加する水の量(水延
ばし)を増やし、使用する摺り身や畜肉挽肉の量を減ら
せる事ができるようになり、製品の品質を落とす事なく
天然資源の有効利用及び原料コストの低減が可能となっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】品質低下した摺り身や
畜肉挽肉を使用したり、製造中に添加する水の量(水延
ばし)を増やしたりした場合、練り肉の粘度が低くなる
ため、例えば蒲鉾においては、成形後の摺り上がり練り
肉がだれて盛りの高い製品ができないといった欠点があ
る。また、TGのみでは、摺り上がり後直ちに成形した
場合、このだれを抑制する事は困難である。従って、本
発明は品質低下した摺り身や畜肉挽肉を使用したり、製
造中に添加する水の量(水延ばし)を増やしたりした場
合等においても、保形性及び成形性を改善し、かつ製品
の品質向上(弾力向上)を可能とする、練り製品全般に
使用可能な酵素製剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意研究を行った。その結果、前記のよ
うな品質低下した摺り身や畜肉挽肉を使用したり、製造
中に添加する水の量(水延ばし)を増やしたりして練り
製品を製造する際に、練り工程においてTG及び乳酸カ
ルシウム等の有機酸のアルカリ土類金属塩を添加する事
で、例えば板付き蒲鉾の場合において、板付け成形後、
すわり工程、例えば40℃で1時間程度を行ない、さら
に本加熱工程を行う事により製造した結果、だれる事な
く盛りの高い蒲鉾の製造が可能となり、なおかつ弾力、
味、風味の良好な蒲鉾が得られることを見いだし、本発
明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明はTG及び有機酸のアルカリ
土類金属塩を含有する練り製品用酵素製剤である。本発
明による練り製品用酵素製剤に使用される有機酸のアル
カリ土類金属塩としては、リボヌクレオチドカルシウ
ム、パントテン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳
酸カルシウム等、食品添加物であれば特に限定されるも
のではないが、その保形性及び成形性改善効果の大き
さ、水に対する溶解性、及び無味、無臭であるといった
ことから、特に乳酸カルシウムが好ましい。また、本発
明の酵素製剤には有機酸のアルカリ土類金属塩を2種類
以上併用してもよい。
【0008】さて、TGは「アミン導入システム」とも
呼ばれ、第1アミン、アンモニア、ヒドロキシルアミ
ン、ジアミノ酸、モノアミノ酸エステル等を、受容体で
ある蛋白質やペプチド、例えばカゼイン、β−ラクトグ
ロブリン、インシュリン等に導入する反応を触媒する酵
素であり、本発明が使用されるような蛋白質の存在する
系では、蛋白質中のリジン残基のε−アミノ酸がグルタ
ミンのアミド基と入れ替わることにより、架橋を形成す
る反応を触媒することが知られている(特公平1−50
382、特開平1−27471参照)。TGはモルモッ
ト等の哺乳動物の肝臓中に活性が高く存在することが知
られているほか、いくつかの微生物や植物および魚類中
にも存在することが知られている(特公平1−5038
2、特開平1−27471参照)。
【0009】本発明で使用するTGの起源は特に限定さ
れるものではない。即ち、TG活性を有する限り、起源
は問わない。即ち、モルモット由来のもの(特公平1−
50382)、植物由来のもの、魚類由来のもの(例え
ば、関信夫ら「昭和63年日本水産学会秋期大会講演要
旨集」167頁及び「平成2年度日本水産学会春期大会
講演要旨集」219頁)、微生物由来のもの(特開平1
−27471)、遺伝子組換え手法を用いて調製したも
の(特開平1ー300889)等いずれを用いても良
い。しかし、特に放線菌ストレプトベルチシリウム(St
reptoverticillium)に属する微生物起源のTGが容易
かつ安価に入手できるので特に好ましい。
【0010】本発明の酵素製剤にはTG及び有機酸のア
ルカリ土類金属塩以外に塩化カルシウム、酸化カルシウ
ム、水酸化カルシウム等の無機酸のアルカリ土類金属塩
も、配合してもよい。また、デキストリン、乳糖等の糖
質、重合リン酸塩、及び、通常練り製品製造時に添加さ
れる澱粉、卵白、大豆タンパク、多糖類、ガム類、調味
料、食塩、砂糖、グルコース、ソルビトール、マルチト
ール、サイクロデキストリン、着色料、発色剤、アスコ
ルビン酸及びその塩類、エリソルビン酸及びその塩類、
乳化剤、油脂等を、また塩化カルシウム、亜硫酸ナトリ
ウム、重曹等の酵素安定化剤(特開平4−20719
4)を適宜に含有せしめても差し支えない。更に、この
ような副剤の併用により、該酵素製剤の溶解性向上、分
散性向上、簡便性向上、粉立ち防止、酵素安定化等の機
能を付与することが可能である。
【0011】本発明における練り製品用酵素製剤は、前
記乳酸カルシウム等の有機酸のアルカリ土類金属塩1種
類以上及びTG、更に必要によりその他の成分とを通常
の方法により均一に混合して得ることができる。その形
状としては粉末状、顆粒状、液体状、カプセル状等、特
に限定されるものではない。本酵素製剤におけるTGの
配合比率は特に制限はないが、通常当該練り製品用酵素
製剤1g当り、1〜30000ユニットとなるように配
合すればよい。好ましくは本酵素製剤1g当り、20〜
1000ユニットとなるように配合することが作業上、
計量上から特に望ましい。
【0012】この場合、本酵素製剤1gに対して、TG
が1ユニット未満であるときは、本酵素製剤の練り製品
への添加量を1%以下として使用する場合、基質蛋白質
に対するTGの架橋効果が不十分であり、またTGが3
0000ユニット以上であるときは、有機酸のアルカリ
土類金属塩の保形性及び成形性改善効果が不十分となり
不適当である。また本発明においては精製度が高いTG
を用いる方が好ましい。
【0013】本酵素製剤の摺り身に対する添加量は、特
に制限はないが、通常摺り身1kgに対しTGとして2
0〜3000ユニット、好ましくは100〜1000ユ
ニット、かつ乳酸カルシウム等の有機酸のアルカリ土類
金属塩として0.1〜20g、好ましくは1〜5gとな
るように本酵素製剤を添加すればよい。20ユニット以
下では架橋効果が不十分であり、3000ユニット以上
では酵素量によらず添加効果はほぼ一定となり、不経済
である。また乳酸カルシウム等の有機酸のアルカリ土類
金属塩が0.1g以下では保形性及び成形性改善効果が
不十分であり、また20g以上では特有の呈味の発現等
の理由により不適である。
【0014】次に、本発明の酵素製剤を用いて練り製品
を製造する方法について説明する。本発明の使用対象と
なる摺り身の魚種は、いわゆる生物分類学上の魚種、す
なわち、硬骨魚類、軟骨魚類などの魚のみならず、甲殻
類、軟体動物、貝類等をも含み、すなわち、スケトウダ
ラ、ホキ、メルルーサ、ヘイク、ミナミダラ、アカダ
ラ、サンマ、アジ、イワシ、カツオ、サケ、グチ、ハ
モ、エソ、タチウオ、タイ、イトヨリダイ、シタビラ
メ、ムツ、メバル、オキギス、トビウオ、カレイ、アカ
メ、イサキ、ハゼ、シイラ等の硬骨魚類、サメ、エイ等
の軟骨魚類、エビ、カニ、ロブスター等の甲殻類、イ
カ、タコ等の軟体動物、及び貝類等が挙げられるが、上
記の魚種に限られるものではない。
【0015】更に、念の為に申し述べると本発明の酵素
製剤は主に水産練り製品用であるが、いわゆる食肉と総
称される牛肉、豚肉、馬肉、めん羊肉、山羊肉、家兎
肉、鶏肉等から得られる畜肉練り製品の調製に用いても
充分効果を発揮するものである。
【0016】さて、練り製品とは、蒲鉾、竹輪、揚げ蒲
鉾、つみれ、はんぺん、魚肉ハム・ソーセージ、畜肉ソ
ーセージ、ハンバーグ、ミートローフなど、魚肉摺り身
や畜肉挽肉を主原料にしてつくる加工品の総称で、これ
らの練り製品のそれぞれの製造方法自体はいずれも当業
者に周知である。その製造の原理は、摺り身や畜肉挽肉
に食塩を加えて練り、塩溶性の蛋白を溶かし出し、さら
に混練り後、これをいろいろの形に成形してから加熱し
てゲル化させることにある。この際適宜、澱粉その他各
種の副原料、調味料、香辛料、発色剤等を添加する。本
酵素製剤はこれらと同様、練り工程のどの時点で添加し
てもよいが、好ましくは前記食塩添加後の混練り工程中
に添加することにより、より弾力のある製品の調製が可
能である。
【0017】最後にTGの活性測定法について記載す
る。本発明でいうTGの活性単位は次のように測定さ
れ、かつ定義される。即ち、ベンジルオキシカルボニル
−L−グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基
質として反応を行い、生成したヒドロキサム酸をトリク
ロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmの
吸光度を測定し、ヒドロキサム酸の量を検量線より求
め、活性を算出する(特開平1−27471参照)。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。もちろん、本発明は本実施例に限定されるもので
はない。尚、本実施例において、製造された練り製品の
品質評価はレオメーターで次のようにして、弾力及び凹
み並びに保形性を測定した。 (弾力及び凹み):弾力(JS)及び凹みの測定は、レ
オメーター(フドー工業社製)で、5 mm径の球状プラン
ジャーを用いて測定した。サンプルの形状は、直径23m
m、高さ30mm。プランジャーを試料に押し込んだとき
に、試料が破断するのに要する力を弾力(g)、破断す
るまでに移動したプランジャーの距離を凹み(mm)とし
て表わした。
【0019】(保形性):一般的に練り製品の保形性
は、成型前の摺り上がり練り肉の粘度(粘性)と相関が
あり、粘度の高いものほど保形性は良いと考えられる。
この粘度を測定する手段として種々の粘度計による測定
を試みたが、再現性のある測定ができず、検討を重ねた
結果、レオメーターを用いてプランジャーを一定距離押
し込んだときに、成型前の摺り上がり練り肉から受ける
応力(g)と粘度には非常に高い相関があることを見い
だした。つまり、成型前の摺り上がり練り肉を直径50m
m、高さ40mmの円柱状容器に充填した後、表面をならし
て平滑化する。これにレオメーターを用いて15mm径の円
柱状プランジャーを8 mm押し込んだときに受ける応力
(g)を保形性の尺度とした。
【0020】なお、使用したTGとしては、特に記載の
ない限り、放線菌ストレプトベルチシリュウムに属する
微生物(Streptoverticillium mobaraense IFO13819)
起源のものを使用した。
【0021】実施例1(ケーシング詰蒲鉾) 乳酸カルシウム95g に、デキストリンにより1000ユニッ
ト/g となるように調製したTG5g(5000ユニット)を
加え、混合して、該酵素製剤を得た。冷凍スケソウダラ
摺り身(SA級)を冷凍状態のままフレーク状に解砕し
た解砕摺り身1000g に対し、食塩30g 及び氷水600gを加
えステファンカッターでよく攪拌した。次に、これに澱
粉(味の素(株)製「エスサン銀玲」)50g 、砂糖50g
、みりん20g 、調味料(味の素(株)製「I−7」)1
0g 、及び上記配合による酵素製剤6g(300 ユニット)
を添加後、ステファンカッターにて最終品温が7℃とな
るように攪拌した。このようにして得た練り肉を一部は
レオメーターによる保形性測定用に使用し、残りはケー
シングフィルムに詰め、30℃で60分間加温してすわらせ
た後、90℃で30分間加熱後冷却し、ケーシング詰蒲鉾
(試料1)を得た。
【0022】対照として、同様な方法により、上記酵素
製剤を添加しなかったもの(試料2)、上記酵素製剤の
中でTGのみを300 ユニット添加したもの(試料3)、
及び上記酵素製剤を添加せずに添加する氷水の量を400g
にしたもの(試料4)を同時に作製した。
【0023】これらの練り肉の保形性、及びこれらのケ
ーシング詰蒲鉾の弾力、及び凹みをレオメーターを用い
て測定した。更に官能評価も行った。結果を表1に示
す。
【0024】
【表1】
【0025】表1中の官能評価の◎、○、△及び×は、
n=10で5段階評価の統計処理による評点がそれぞれ
4.5以上、 4.0以上、 3.5以上及び 3.5未満を表わす。
表1の結果から理解されるように、本酵素製剤を使用し
たもの(試料1)は品質目標とされる試料4に比べ、同
等の保形性を維持しつつ、JS、凹み、官能評価におい
てより高く、優れた品質のものであることが認められ
た。また乳酸カルシウムを加えていない試料3において
は、試料4に比べJS、凹み、官能評価においてより高
く、優れた品質となることが認められるが、保形性にお
いて劣ることがわかった。この様に本酵素製剤を使用す
ることにより、保形性、品質を維持しながら、さらなる
水延ばし(加水率アップ)が可能であることがわかる。
【0026】実施例2(ケーシング詰蒲鉾) 乳酸カルシウム90g に、デキストリンにより1000ユニッ
ト/g となるように調製したTG10g(10000 ユニッ
ト)を加え、混合して、該酵素製剤を得た。冷凍スケソ
ウダラ摺り身(2級)を冷凍状態のままフレーク状に解
砕した解砕摺り身1000g に対し、食塩30g 及び氷水400g
を加えステファンカッターでよく攪拌した。ついで、こ
れに澱粉(味の素(株)製「エスサン銀玲」)50g 、砂
糖50g 、みりん20g 、調味料(味の素(株)製「I−
7」)10g 、及び上記配合による酵素製剤3g(300 ユニ
ット)を添加後、ステファンカッターにて最終品温が7
℃となるように攪拌した。このようにして得た練り肉を
一部はレオメーターによる保形性測定用に使用し、残り
はケーシングフィルムに詰め、30℃で60分間加温してす
わらせた後、90℃で30分間加熱後冷却し、ケーシング詰
蒲鉾(試料5)を得た。
【0027】対照として、同様な方法により、上記酵素
製剤を添加しなかったもの(試料6)、及び上記酵素製
剤の中でTGのみを300 ユニット添加したもの(試料
7)を同時に作製した。
【0028】これらの練り肉の保形性、及びこれらのケ
ーシング詰蒲鉾の弾力及び凹みをレオメーターを用いて
測定した。更に官能評価も行った。結果を表2に示し
た。
【0029】
【表2】
【0030】表−2中の官能評価の◎、○、△及び×
は、n=8で5段階評価の統計処理による評点がそれぞ
れ 4.5以上、 4.0以上、 3.5以上及び 3.5未満を表わ
す。
【0031】表2の結果から理解されるように、本酵素
製剤を使用したもの(試料5)は品質目標とされる前記
表−1中試料4に比べ、保形性、JS、凹み、官能評価
において同等の優れた品質のものであることが認められ
た。また乳酸カルシウムを加えていない試料6において
は、試料4に比べJS、凹み、官能評価において同等の
優れた品質となることが認められるが、保形性において
劣ることがわかった。この様に本酵素製剤を使用するこ
とにより、品質の低下した摺り身を用いても保形性、品
質の優れた蒲鉾の製造が可能であることがわかる。
【0032】実施例3(板付き蒲鉾) 実施例1と同様な方法によりそれぞれ練り肉を調製した
後、板付けし、30℃で60分間加温してすわらせた後、90
℃で30分間加熱後冷却し、板付き蒲鉾を得た。本酵素製
剤を使用したものは加水量が40%のものと比べ、同等の
盛りの高い蒲鉾が得られ、また弾力、凹み、官能評価に
おいてもより高く、優れた品質のものであることが認め
られた。また乳酸カルシウムを加えていないものにおい
ては、加水量が40%のものに比べ、弾力、凹み、官能評
価においてより高く、優れた品質となることが認められ
たが、だれてやや型くずれしたものとなった。この様に
本酵素製剤を使用することにより、保形性、品質を維持
しながら、さらなる水延ばし(加水率アップ)が可能で
あることがわかった。
【0033】実施例4(焼き竹輪) 乳酸カルシウム90g に、デキストリンにより1000ユニッ
ト/g となるように調製したTG10g(10000 ユニッ
ト)を加え、混合して、該酵素製剤を得た。冷凍スケソ
ウダラ摺り身(SA級)を冷凍状態のままフレーク状に
解砕した解砕摺り身1000g に対し、食塩25g 及び氷水70
0gを加えステファンカッターでよく攪拌した。ついで、
これに澱粉(味の素(株)製「エスサン銀玲」)80g 、
みりん40g、砂糖20g 、調味料(味の素(株)製「I−
7」)10g 、及び上記配合による酵素製剤4g(400 ユニ
ット)を添加後、ステファンカッターにて最終品温が7
℃となるように攪拌した。このようにして得た練り肉を
串に巻き付け、40℃で20分間加温してすわらせた後、ガ
ス直火加熱により焼き竹輪を得た。
【0034】対照として、同様な方法により、上記酵素
製剤を添加しなかったもの、上記酵素製剤の中でTGの
みを400 ユニット添加したもの、及び上記酵素製剤を添
加せずに添加する氷水の量を500gにしたものを同時に作
製した。
【0035】この様にして得られた焼き竹輪をそれぞれ
比較評価すると、添加する氷水の量が700gのものにおい
ては、本酵素製剤を用いないと、摺り上がり練り肉の粘
度が低くなるため串に巻き付けにくくなる現象がみられ
るが、本酵素製剤を用いたものでは、添加する氷水の量
を500gにしたものと同程度の成形性(巻き付け易さ)を
示し、また、出来上がった焼き竹輪においても同等以上
の歯応え、しなやかさがあり、優れた品質のものであっ
た。この様に本酵素製剤を使用することにより、成形性
(巻き付け易さ)、品質を維持しながら、さらなる水延
ばし(加水率アップ)が可能であることがわかる。尚、
TGのみ添加したものはやや型くずれしていた。
【0036】実施例5(焼き竹輪) 乳酸カルシウム90g に、デキストリンにより1000ユニッ
ト/g となるように調製したTG10g(10000 ユニッ
ト)を加え、混合して、該酵素製剤を得た。冷凍スケソ
ウダラ摺り身(2級)を冷凍状態のままフレーク状に解
砕した解砕摺り身1000g に対し、食塩25g 及び氷水500g
を加えステファンカッターでよく攪拌した。ついで、こ
れに澱粉(味の素(株)製「エスサン銀玲」)80g 、み
りん40g 、砂糖20g 、調味料(味の素(株)製「I−
7」)10g 、及び上記配合による酵素製剤4g(400 ユニ
ット)を添加後、ステファンカッターにて最終品温が7
℃となるように攪拌した。このようにして得た練り肉を
串に巻き付け、40℃で20分間加温してすわらせた後、ガ
ス直火加熱により焼き竹輪を得た。
【0037】対照として、同様な方法により、上記酵素
製剤を添加しなかったもの、及び上記酵素製剤の中でT
Gのみを400 ユニット添加したものを同時に作製した。
【0038】この様にして得られた焼き竹輪をそれぞれ
比較評価すると、本酵素製剤を用いないと摺り上がり練
り肉の粘度が低くなるため串に巻き付けにくくなる現象
がみられるが、本酵素製剤を用いたものでは、良好な成
形性(巻き付け易さ)を示し、また、出来上がった焼き
竹輪においても歯応え、しなやかさがあり、優れた品質
のものであった。この様に本酵素製剤を使用することに
より、品質の低下した摺り身を用いても成形性(巻き付
け易さ)、品質の優れた焼き竹輪の製造が可能であるこ
とがわかった。尚、TGのみ添加したものはやや型くず
れしていた。
【0039】実施例6(揚げ蒲鉾) 主原料としてホキ摺り身とアジ摺り身を用いてさつま揚
げを製造した。乳酸カルシウム85g に、デキストリンに
より1000ユニット/g となるように調製したTG 15g
(15000 ユニット)を加え、混合して、該酵素製剤を得
た。ホキとアジを7:3の割合で混合した摺り身を冷凍
状態のままフレーク状に解砕した解砕摺り身1000g に対
し、食塩30g 及び氷水500gを加えステファンカッターで
よく攪拌した。ついで、これに澱粉(味の素(株)製
「エスサン銀玲」)130g 、みりん40g 、砂糖70g 、調
味料(味の素(株)製「I−7」)10g 、及び上記配合
による酵素製剤4g(600 ユニット)を添加後、ステファ
ンカッターにて最終品温が7℃となるように攪拌した。
この練り肉に細く切断したゴボウとニンジンを混入し、
成形した後、油温 160℃による加熱で、揚げ蒲鉾を得
た。
【0040】対照として、同様な方法により、上記酵素
製剤を添加しなかったもの、及び上記酵素製剤の中でT
Gのみを600 ユニット添加したものを同時に作製した。
【0041】この様にして得られた揚げ蒲鉾をそれぞれ
比較評価すると、本酵素製剤を用いないと摺り上がり練
り肉の粘度が低くなるため成形後だれて型くずれする現
象がみられるが、本酵素製剤を用いたものでは、だれて
型くずれすることなく良好な保形性を示し、また、出来
上がった揚げ蒲鉾においても歯応えのある優れた品質の
ものであった。尚、TGのみ添加したものはやや型くず
れしていた。
【0042】実施例7(畜肉ソーセージ) 乳酸カルシウム 85gに、デキストリンにより1000ユニッ
ト/g となるように調製したトランスグルタミナーゼ 1
5g(15000 ユニット)を加え、混合して、該酵素製剤を
得た。3mm角にミンチした、脂肪分30%を含む豚肉 100
0gに対し、食塩20g 、発色剤0.3g及び氷水450gを加えサ
イレントカッターでよく攪拌した。ついで、これに大豆
タンパク(味の素(株)製「アジプロン」−SU)70g
、重合リン酸塩類5g、調味料(味の素(株)製「I−
7」)10g 、及び上記配合による酵素製剤5g(750 ユニ
ット)を添加後、サイレントカッターにて最終品温が8
℃となるように攪拌した。このようにして得た練り肉を
ケーシングに充填し、スモークハウス内で60℃−15分間
のスモーキング、及び75℃で45分間の蒸煮を行うことに
よって、フランクフルトソーセージを得た。
【0043】対照として、同様な方法により、上記酵素
製剤を添加しなかったもの、及び上記酵素製剤を添加せ
ずに添加する氷水の量を250gにしたものを同時に作製し
た。
【0044】この様にして得られたフランクフルトソー
セージをそれぞれ比較評価すると、添加する氷水の量が
450gのものにおいては、本酵素製剤を用いないと、弾力
のない、頼りない食感となり、また出来上がった製品の
形状においても痩せたようなものとなった。しかしなが
ら、本酵素製剤を用いたものでは、添加する氷水の量を
250gにしたものと同等以上の弾力及び形状を維持し、優
れた品質のものであった。この様に本酵素製剤を使用す
ることにより、品質を維持しながら、さらなる水延ばし
(加水率アップ)が可能であることがわかる。
【0045】
【発明の効果】TG及び乳酸カルシウム等の有機酸のア
ルカリ土類金属塩を含有する練り製品用酵素製剤を用い
ると、従来練り製品原料として不適当とされていた低品
質の摺り身からも、また通常よりもさらに水延ばしさせ
て製造した場合においても、保形性及び成形性を保持し
たまま、弾力のある高品質の練り製品の製造が可能とな
った。また、これにより天然資源の有益な活用が期待さ
れる。更に、実際の製造現場でTGや乳酸カルシウム等
の有機酸のアルカリ土類金属塩をそれぞれ別個に計量す
るよりは、本発明の酵素製剤を使用する方がはるかに簡
便である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスグルタミナーゼ及び有機酸のア
    ルカリ土類金属塩を含有する練り製品用酵素製剤。
  2. 【請求項2】 有機酸のアルカリ土類金属塩が乳酸カル
    シウムであることを特徴とする請求項1記載の練り製品
    用酵素製剤。
  3. 【請求項3】 トランスグルタミナーゼの配合量が当該
    練り製品用酵素製剤1g当り1−30000ユニットで
    ある請求項1記載の練り製品用酵素製剤。
  4. 【請求項4】 水産練り製品用である請求項1記載の酵
    素製剤。
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